革共同通信・第15号

2008年8月19日発行

イラク・インド洋の自衛隊は即時撤兵せよ

2010年改憲阻止へ 福田政権を打倒しよう

改憲と生活破壊を進める福田新内閣

福田政権は、通常国会の空転で解散・総選挙情勢が煮詰まるなか、内閣改造をおこなった。派閥の領袖をそろえた挙党体制で支持率アップをねらったが、読売報道では40%台から20%台へ、わずか一週間で失速した。
小泉構造改革が作りだしたあらたな貧困と格差が社会問題となり、労働者人民の怒りの的となってきた。この政治危機を乗りきろうとして、改革路線から「保守本流」の景気対策へ微調整をはかりながら、内閣改造直後の会見で福田は「国民目線」を連発している。
しかし、消費者対策や低賃金対策は支持回復をねらった策にすぎず、新内閣と自民党人事の本質は、改憲と生活破壊へと突き進む、超反動政権である。極右の麻生を党幹事長にすえたこともその現れだ。
膨大な累積赤字をかかえながら、新自由主義とグローバリズムのもとで日帝が延命をはかるには、構造改革をさらに押し進めながら、消費税大幅アップを断行する以外に選択肢はない。しかし、いま、それをいえば総選挙で絶対に負ける。経済政策でも、財政再建どころか、世界恐慌危機を前に資本の救済のための景気対策が必要とされていて、財政赤字がさらにふくらむことになる。完全に手詰まりなのだ。

解散総選挙情勢の煮つまり

情勢は、完全に解散・総選挙にむかっている。公明党は民主党への連立乗り換えを視野に入れ始めている。早ければ9月、遅くとも年明けには解散といわれ、だれがどのように福田政権を打倒するかが問題になっている。
戦争と生活破壊にむかう日帝と対決し、福田による自衛隊の海外派兵に反対し、米軍再編に反対して、改憲攻撃を粉砕しよう。増税と福祉切り捨てをゆるさず、労働者人民の力で福田政権を打倒しよう。

自衛隊海外派兵が秋の焦点に

秋の臨時国会での最大の焦点は、インド洋の海自とイラクの空自部隊の派兵期限の問題だ。インド洋での給油活動は、来年1月が期限だが、テロ対策特措法の延長には衆議院再議決が不可避で、簡単ではない。
イラクの空自についても、年内に国連決議が失効するため、イラク政府との地位協定の締結と国会批准が必要とされている。それもすんなりとはいかないため、福田は帝国主義国としての面子にかけてスーダンPKOやアフガニスタン本土への自衛隊派兵を策動している。しかしこれも容易ではない。
自衛隊の侵略派兵を終わらせる決定的な展望が開かれているのだ。イラク・インド洋からの即時撤兵要求の闘いを圧倒的に強化して、労働者人民の力で撤兵をかちとろう。

三里塚 横須賀を軸に改憲阻止へ

福田政権の改憲攻撃は、自衛隊の侵略軍隊化、全土の侵略基地化と米軍再編推進と一体のものとしてある。その最大の攻防点が沖縄辺野古基地建設との闘いであり、9月の米原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀母港化阻止闘争であり、三里塚の市東さんの農地取り上げ攻撃とのたたかいだ。
PAC3ミサイルが、来年中に響庭野(滋賀)、岐阜、白山(三重)の 各基地に配備されようとしている。岩国基地の沖合拡張攻撃との闘いも米軍再編との決定的な闘いだ。これらの改憲先取りの侵略戦争国家化攻撃と闘うことぬきに、改憲阻止決戦はない。9・25横須賀闘争、10・5三里塚闘争を成功させ、全世界の労働者人民とともに、国際連帯の力でブッシュの戦争を終わらせよう。


米空母・ジョージワシントンの横須賀母港化を許すな

派兵法撤廃めざし労働運動の総決起を

秋の臨時国会のもう一つの焦点は、労働者派遣法の改定問題だ。偽装請負、賃金不払い、建築業等への違法派遣など、あいつぐ派遣法違反で大手グッドウィルが廃業となった。とくに、超低賃金の使い捨てで社会問題となった日雇い派遣を原則禁止にする方向で法案が準備されている。
われわれは、日雇い派遣の禁止にとどまらず、派遣法そのものの廃止を求めて闘いを強化し、同時に、今働いているすべての派遣労働者の雇用の継続と保証、正規化をかかげて闘わなければならない。
この闘いは、青年労働者を中心とした労働者階級の死活的な要求であり、新自由主義政策と対決する労働運動全体の重要なテーマだ。
労働運動をめぐっては、国鉄1047名闘争が重大な局面を迎えている。東京高裁の和解勧告と4者4団体による和解交渉の動きがある。解雇撤回要求をつらぬき、JR復帰をたたかい取っていくため、闘う闘争団の戦闘的な仲間たちとともにたたかいぬこう。
この国鉄闘争の原則は、国労5・27臨大闘争弾圧裁判闘争においても貫かれなければならない。弁論分離に反対し、許さない会運動を強化して、国鉄闘争に勝利しよう。

2010年決戦にむかう政治スローガン

□侵略派兵と米軍再編を許さず、憲法改悪絶対阻止へ福田政権を打倒しよう!

・憲法改悪反対! 憲法審査会設置反対! 2010年改憲発議を阻止しよう!
・自衛隊のイラク派兵部隊、インド洋派兵部隊の即時撤兵を!
・沖縄辺野古基地建設阻止、米原子力空母横須賀母港化阻止、岩国基地拡張反対!
・三里塚の暫定滑走路北延伸・市東さんの農地取り上げ攻撃粉砕!
・米軍トランスフォーメイションと日米帝国主義による世界戦争政策反対!
・拉致問題を口実とした対北朝鮮戦争態勢と排外主義に反対しよう!
・日帝による独島、釣魚台の略奪策動反対!
・改憲と生活破壊進める福田政権を打倒しよう!

□新自由主義・グローバリズムと対決して、戦闘的労働運動の前進を勝ちとろう!

・国鉄1047名闘争勝利! 解雇撤回・原職復帰を勝ちとろう!
・「日の丸・君が代」強制反対! 成果主義賃金・評価システム反対!
・非正規雇用と外国人労働者への低賃金・使い捨て政策をやめさせよう!
・労働者派遣法撤廃! すべての派遣労働者の正規化を!
・ホワイトカラー・イグゼンプション反対、裁量労働制廃止! 8時間労働制を守れ!

□年金・社会福祉の切り下げと、消費税引き上げに反対して生活を防衛しよう!

・国際投機資本による原油高、食糧高騰弾劾!
・年金制度改悪、社会福祉切り捨て攻撃に反対しよう!
・後期高齢者医療制度撤廃! 「障害者」自立支援法撤廃!
・消費税大幅アップ絶対反対!

( 編集局からのお知らせ)

新たな機関紙名を公募します(詳細は前号参照) 編集委員会
◎今号から、『革共同通信』の発行主体が、「革共同の再建をめざす全国協議会」にかわりました。

2面

医療福祉押送を改憲決戦と革命の導火線に

『前進』2339号「医療福祉労働者委員会論文」を批判する

医療福祉現場からの討論の報告

安田派は、4月14日付の『前進』で、「医療福祉労働者委員会の結成宣言」と題する論文を出した。4月1日の「後期高齢者医療制度」の発動と、社会保障切りすての攻撃の激化にたいする、広汎な労働者階級人民の怒りと決起のただ中で出されたものである。
にもかかわらずその内容は、階級大衆の怒りとはまったく無縁であり、医療福祉労働者の苦闘をあざわらい、これに敵対する超反動的なものである。日帝・福田政権による新自由主義攻撃と、そのもとで戦争と一体で進められる社会保障切りすてに棹さすものだ。
この間、医療福祉現場の労働者を中心とした仲間たちによって、この論文をめぐる討論がおこなわれてきた。論議は多岐にわたったが、いくつかの重要な論点をめぐっておこなわれた討論を報告する。発言者をA、B、Cなどで表記した。

安田派「団結」論は現場の引きまわしと団結破壊

A 章だては4つ。「『6人のように闘おう』と決起して弾圧に勝利」、「『聖職者』論と対決して階級的団結を奪い返す」、「『社会保障拡充運動』は労働者の闘う道でない」、「資本家と体制内幹部を串刺しにする職場闘争」だ。
ところが、読んでみると、「医療福祉労働者委員会」の立ち上げの論文なのに、医療福祉問題に何の責任もとらないと言っているにひとしいものだ。それどころか、「医療福祉闘争なんてくだらない。資本主義を支えているもの」とまで言っている。ここまで変質したかという思いだ。
B これを書いているのは、ほんとうに医療労働者なのか。医療労働者としての中味がまったくない。たたかっている相手は誰なのか。職場でどういうたたかいをやっているのか。1ミリも見えてこない。敵のすがたも味方のすがたも見えない。
C 「奴隷の鎖を引きちぎり革命をやろう」が大見出し。労働者階級の武装蜂起と暴力革命で、実体的な鎖を破壊するというのではない。「『体制内的考え方』という観念的鎖」を引きちぎることが「革命」の中味。安田派の「階級的団結」論は、「観念的鎖の引きちぎり」運動を支持する者だけの「団結」。
現場の生の声を無視し、現場労働者を引きまわしに利用するための「団結」論。
だから、これをまともに実践すると、労働者を分断し、労組破壊と第2組合づくりになる。やればやるほど、権力とその手先を喜ばせるものだ。
D こんな主張だから、革命をやるまでは社会保障闘争をやっても無意味だとなる。帝国主義の医療破壊攻撃とのたたかいを投げ出し、労働者大衆の生きんがための必死の決起を、「体制内」と侮辱している。絶対にゆるせない。

「患者の命を守る」に反対し闘病する労働者をきりすて

D 闘病の主体は患者なんだ。
今の階級社会の矛盾の中で、労働者が現役、退役を問わず病気に追い込まれていく。そこでは、闘病自体が家族を含む階級的なたたかいだ。われわれは、その闘病を援助し、ともにたたかうんだ。
だから、医療・介護の主人公は、患者とわれわれ医療労働者をはじめとした医療者なのだ。われわれは、そういう階級的視点で医療行為を措定してきた。
B そうした地域医療の実践が大きな信頼をかちとってきた。
医療というのは、専門的な技術、知識をもって病気を治療する労働だ。診療報酬は、帝国主義国家・厚労省で決められるのだから、これを転覆しないかぎり賃金格差、経営の困難などは根本的には解決しない。
医療は、身体が弱ったひとを暖め、病めるひとを抱きしめるところからはじまる。そういうもっとも人間的な営為が、賃労働と資本という階級支配によって疎外されている。この社会の労働はすべてそうだ。この現実をうち破っていくために絶対に革命をやるのだ。
患者は労働者であり、階級なんだよ。圧倒的に同志なんだよ。その同志を目の前にして、これ以上疎外労働はできませんとか、責任はすべて資本家にあるとかといって、見殺しにするようなことができるのか。絶対にできない。これは、連中がいうような「聖職者」などというものとは根本的に違う。類的な行為なんだ。
E 病気に苦しむ患者は労働者だ。それを前にして、助けたい、ともにこの苦しみから解放されたいという思いは、類的存在としての人間の感情だ。革命につながっているような感情なのだ。その点が鮮明であればあるほど、帝国主義の支配にたいする怒りがわきあがってくるんだ。
F 動労千葉の労働者は、資本の合理化攻撃とたたかいながら、乗客の安全、生命を自分のハンドルひとつで守りぬいていることに誇りをもっている。ジェット闘争のとき、かれらはその同じハンドルをもって戦争反対、ジェット燃料貨車輸送阻止、三里塚労農連帯のスローガンをかかげてたちあがった。そのことに共感した。だから、全国で支援を組織せなあかんと思ってとり組んだ。
ここには、そうしたたたかう労働者の誇りがまったくない。
D 「患者の命を守る」ことを非難し、病気になった労働者を切りすてている。虫けらあつかいだ。事実上、階級の隊列から追放し、「『健常』労働者だけがたたかっている」と主張している。
えげつない「障害者差別」「高齢者差別」を含んでいる。この論文でも、「血債主義粉砕」と言っている。
ますます、「7・7思想」に立って、部落解放、「障害者」解放などを私たち労働者の正面課題としてたたかうことがもとめられている。

「社会保障は資本主義を支えるもの」と社会保障闘争を否定

A 「モノがとれない時代だ」といって、あらかじめ新自由主義攻撃に屈服している。
容易にはモノがとれない時代だからこそ、労働者人民のいのち、生活と権利をかけた必死のたたかいを断固支持し、ともにたたかわなければならない。これは、直接的には経済闘争だが、こんな時代だからこそ、いっそう革命的な意義をもって発展する。労働者の生存をかけた経済闘争は革命運動の不可欠の一環なんだ。これをかれらは否定している。
G 経済闘争もどういう立場でたたかうのかによって、革命に向かっての展望を開くものになるのかどうかが決まっていく。かれらの主張は、経済闘争そのものを否定することによって革命闘争を否定するものだ。
B これまで社会福祉拡充運動は幻想を生んでよくなかったが、今は帝国主義の新自由主義攻撃で幻想が崩壊したといっている。
H かれら自身が幻想をもっていたということだね。
I 見出しやいろんなところで「資本とは非和解」と書いているが、国の医療・福祉破壊の攻撃とたたかう立場はまったくない。ここからは、患者運動や「障害者」解放闘争との連帯など、絶対に出てこない。
J 「社会保障制度は、資本主義社会の体制維持装置でしかない」と書いている。社会保障問題については、1960年代から「社保論争」という論争が長い間おこなわれてきた。
「社会保障闘争は体制のほころびを繕う運動だから、そんなものは革命運動とは関係ない」という一方の主張があった。 労働運動、階級闘争は最後の勝利までは負けつづける。しかし、たたかいによってみずからが打倒されないために、資本家階級が労働者階級に譲歩せざるをえないところに帝国主義を追いつめることができる。それは革命の勝利ではないが、労働者階級のたたかいの成果なんだ。階級闘争の前進なんだ。そのことが「社保論争」で確認され、革共同はそうした論争の決着点の地平に立ってたたかってきた。
この論文でいっていることは、そうした戦後のたたかいの地平や、これまでの革共同の見解を否定し、何の総括もせずに投げすてている。デタラメきわまりない。
K 社会保障は与えられてきたのではなく、たたかいの中でかちとってきたものだ。どんな権利もそうだ。「朝日訴訟」(注)の歴史的勝利も、朝日茂さんの不屈のたたかいと国民的運動が切りひらいたものなんだ。社会福祉闘争は階級闘争そのものだ。
安田派の社会福祉闘争の否定の根本には、改憲決戦からの逃亡がある。

獄中の仲間の奪還闘争を罵倒し権力に屈服

L 安田派の主張とは正反対に、医療福祉問題こそ、革命の導火線になる大テーマだ。今こそ、この導火線に火をつけなければならない。 ロシア革命も「パン、土地、平和」からだ。医療・介護・年金をはじめ社会保障切り捨ては、労働者階級のいのちを奪い、権利を破壊する大攻撃。戦争の問題とならぶ改憲攻撃そのものだ。この攻撃に抗し、改憲決戦と革命の導火線に火を!(「そうだ」の声)
K 第1章で、「逮捕された仲間の奪還を目的化した途端に、私たちの路線は腐っていたでしょう」と書いて、獄中の仲間の奪還闘争を罵倒している。
党の職場細胞は、徹頭徹尾、国家権力との非和解の関係をつらぬき、仲間を不当弾圧した国家権力への怒りと反弾圧闘争を職場・生産点で組織してその先頭でたたかう。
だからこそ、労働者は、国家権力との非和解性を体現する獄中の仲間の完全黙秘のたたかいと、これを全力をあげてささえ、連帯する奪還闘争に信頼を寄せ、みずからも決起していく。 医療をはじめとした社会福祉闘争は、まさに改憲決戦と革命の導火線だ。後期高齢者医療制度、介護・年金制度の改悪、公的医療保険の解体の攻撃にたいする怒りと決起の先頭に立とう。組合的・職場的団結を基礎に、権力の弾圧と徹底的にたたかい、08〜10年改憲決戦の火柱を、この地からあげていこう。
(P細胞通信員Q)

(注)「朝日訴訟」

1957年にはじまる、国立岡山療養所の生活保護の重症結核患者であった朝日茂さんによる、憲法25条の生存権の保障をもとめた裁判。
肌着は2年に1枚、パンツは1年に1着、ちり紙は1日1枚半など、27品目で、月額計600円という劣悪な生活保護さえ、次兄による1500円の仕送りを理由にうち切られたことにたいし、同年7月、東京地裁に行政訴訟を提起、健康で文化的な最低限の生活の保障をもとめた。
このたたかいは、60年安保闘争のたかまりを背景に、労働組合をはじめ広汎な国民的規模の支援運動によって、60年10月の東京地裁判決(「生存権は財源の有無、国家財政の論理によって左右されることなく、国家の責務として保障されなければならない」)の歴史的勝利をかちとった。
「人間裁判」とよばれたこのたたかいは、その後の労働者階級人民による、生活のための所得保障、年金・介護、必要な医療・保育・教育など、専門的分野における現物給付などの、生存権の保障をたたかいとる社会保障闘争の歴史的出発点をつくった。

3面

南オセチア問題をめぐる軍事衝突 アメリカのロシア包囲とロシアの対抗

事態の経過

3月5日 南オセチア自治州議会、国連やロシアに独立承認を求める書簡を送付
4月1日 ブッシュ、ウクライナとグルジアのNATO加盟を強く支持
11日 ロシア軍参謀総長「ウクライナとグルジアがNATO加盟なら軍事的措置も」
16日 ロシア、南オセチア自治州とアブハジア自治共和国を支援すると発表
21日 ロシア軍、グルジアの無人偵察機を撃墜
4月末〜 ロシア軍、南オセチア駐留のCIS平和維持部隊の兵力を2千人から3千人に増強
8月6日 南オセチアで、独立派部隊とグルジア軍部隊が交戦
8日 グルジア軍、南オセチアの州都ツヒンバリを包囲、オセチア人多数が犠牲に
9日 ロシア軍、グルジア領内に侵攻してツヒンバリを制圧、グルジアの首都トビリシ近郊を空爆、グルジア人多数が犠牲に
11日 北京滞在中のブッシュ、ロシアを非難する声明を発表
11日 グルジア大統領サーカシビリ、EUの停戦案に署名
12日 ロシア大統領メドベージェフ、軍事作戦の終了を決定

問題をとらえる視点

第一に、グルジア領の南オセチアに住むオセット人が、グルジア文化の押しつけを拒んで、ロシア領の北オセチアに住むオセット人との統合を求めていることだ。
第二に、歴史的にロシアの支配と抑圧をうけてきたグルジアが、大統領サーカシビリのもとで、反露親米路線を鮮明にしてきたことである。
第三に、アメリカがソ連崩壊以降、ロシアにたいする政治的軍事的な包囲をつよめ、その一環として、反露親米路線をとるグルジア大統領サーカシビリを後押してきたことだ。
第四に、ロシアが、アメリカの包囲に対抗して、グルジアにたいする攻撃を強め、その一環として、オセット人の民族自決権の要求を利用し、グルジアに介入してきたことだ。

歴史的な民族抑圧の問題

グルジアは、ソ連スターリン主義の過酷な民族抑圧にたいして、強い民族運動を展開してきた歴史をもつ。そういう歴史性ゆえ、強烈な反ロシアの民族主義を今日も引き継いでいる。また、グルジア領内の少数民族にたいする抑圧の問題も、このような歴史性の中でみなければならない。
オセット人は、ロシア領の北オセチアと、グルジア領の南オセチアに居住している。南オセチアのオセット人は、グルジアがソ連から独立した際に、公用語をグルジア語に限定しようとしたことに反発して独立を宣言し、オセット人とグルジア軍との流血の衝突にまでいたっている。国際的には、南オセアチアの独立は承認されていないが、以来、グルジア政府の支配が、南オセアチアにはおよばない状況がつづいている。 南オセチアでは、住民の70%がオセット人で、北オセチアとの統合をもとめている。

アメリカのロシア包囲

問題は、このような民族問題を、アメリカとロシアの双方が、その利害から利用していることである。アメリカとロシアの帝国主義的対立である。
とりわけ、アメリカ帝国主義のロシア包囲、旧ソ連圏への再分割戦、石油争奪戦こそが最大の動因なのだ。
ソ連崩壊以降、ロシアが東欧などから軍隊を引きあげたのにたいして、アメリカ・NATOの側は、東欧に軍事基地をつくり、ポーランドに地上配備型の迎撃ミサイルを10基、チェコにレーダー施設を配備するなど、MD(ミサイル防衛)計画で、ロシアの弾道ミサイルをつぶしにかかっている。
また、ソ連とロシアの民族抑圧にたいする怒りによって、グルジアの「バラ革命」(03年)やウクライナの「オレンジ革命」(04年)などが起こるが、それらは反露親米政権のもとに収拾されていった。アメリカの介入である。親米勢力にたいして、ワシントンの財団から派遣された工作員が政治顧問として指図し、ジョージ・ソロス等の資本家が資金援助をしたのだった。
こうして政権についたグルジア大統領サーカシビリ(04年就任時36歳)は、コロンビア大学とジョージ・ワシントン大学を卒業、ニューヨークで法律事務所に勤務という経歴の親米派である。
サーカシビリは、08年のNATO(北大西洋条約機構)とEU(欧州連合)への加盟を推進し、同じく反露路線をとるウクライナ、モルドヴァ、バルト三国との連携を強めている。対ロシア強硬派のアメリカのネオ・コンサバティブ(新保守主義者)との協力も深めている。また、グルジア軍も、NATO側兵器による近代化やアメリカ軍などとの共同軍事訓練を行うなど関係を深めている。そして、小国でありながら、イラク侵略戦争に、米英につぐ規模の2千人の兵員を派兵してきた。

石油をめぐる米ロ対立

アメリカが、グルジアの取り込みに力をいれる理由のひとつに、石油がある。中東につぐ埋蔵量を誇るカスピ海油田の石油と天然ガスを、ロシアの領土を通らずに(ロシアの介入を排除して)地中海に運び出すためだ。アゼルバイジャンからグルジアを通ってトルコにいたる「BTCパイプライン」である。

危機に立つロシアの対米対抗

ロシアは旧ソ連時代の版図を次々と失い、NATOに囲まれている。ロシアにとって、グルジアのNATO加盟問題と、アメリカによるMD計画はとくに深刻だ。これに対抗してロシアは、ポーランドやウクライナにミサイル照準を設定するとか、国境西端にミサイルを配備するなどしているが、劣勢である。
ロシア経済は、資源高騰で救われているが、生産力・技術力・資金力において危機的である。民族矛盾と階級矛盾が激しく高まっている。それをシロビキ(治安機関出身の武闘派)官僚によるテロリズムと恐怖政治で何とか封じ込めている。
このような内外の危機の打開をかけて、ロシアは、天然ガス企業ガスプロムをつかったエネルギー戦略を展開している。また、中露結託で軍事外交を展開している。しかし、結局、アメリカのロシア包囲をうちやぶる軍事行動に突き進む以外にないのである。
こうして、アメリカのロシア包囲と、それにたいするロシアの対抗が、南オセアチアをめぐる軍事的衝突として爆発したのである。
労働者人民にとっては、いずれも帝国主義の利害のための侵略戦争にほかならない。そして、大局的にみれば、世界戦争の導火線である。反帝・反スターリン主義世界革命戦略の真価がとわれている。

シリーズ 10・5三里塚へ 第1回

問答無用の農地強奪と農民の実力闘争

1966年にはじまる三里塚闘争は、今年で、43年目になる。千葉・北総大地の“片田舎”の闘争が、国家権力を揺るがす大闘争に発展した。市東孝雄さんをはじめとする反対同盟農民はますます意気盛んだ。この三里塚闘争の歴史と現実に学ぼう。学習会、援農、上映会、写真展、野菜市などをひらいて、三里塚に心を寄せている全国の人びとと、再度、結びつこう。また、新しい人たちに三里塚を知ってもらおう。そして10・5三里塚全国闘争と9・22三里塚関西集会に大結集しよう。

寝耳に水の閣議決定

1966年7月4日、成田市三里塚に、突然、成田空港が閣議決定された。
当初の新国際空港予定地は、隣町の富里町であった。富里は古くからの農村地帯で、農家の耕地面積も大きく、生活基盤も安定していた。当然、圧倒的多数の農民が反対し、政府は二進も三進もいかなくなった。
一方、三里塚地域は、戦後の開拓農民として入植した者も多く、また三里塚御料牧場をはじめ多くの官有地が占めていた。
三里塚の農民は、寝る間も惜しんで開拓に精を出し、やっと生活の基盤を作り上げつつあるときだった。7月4日の閣議決定を、多くの農民は、新聞やニュースではじめて知った。まさに寝耳に水であった。

陳情から実力闘争へ

ただちに、三里塚地域、芝山地域に反対同盟が結成された。
政府は、多くが貧しい農民だから与しやすしと見て、「国策」を振りかざすとともに、札束を積み上げ、買収攻勢をかけた。「農村共同体」の組織や慣習を利用し、あるいは条件派組織を立ち上げて分断し、農村と農民をズタズタに破壊していった。
当初の農民の行動は、陳情や要請という平和的なものだった。しかし、政府・行政は、必死の訴えをことごとく無視した。
1967年10月、いよいよ、空港建設のための外郭測量が、機動隊の暴力に守られて強行されようとしていた。反対同盟農民は、機動隊が来ようとも体を張って阻止する決意をしていた。ここに全学連と革命的左翼が合流した。政府の機動隊暴力にたいして、たたかいが実力闘争へと発展していった。同時に実力闘争への発展を妨害する日本共産党が裏切り、反対同盟農民から絶縁を突きつけられていった。

土地収用法の発動

土地収用法は、「公共用地」確保の最後の切り札で、「抜かずの宝刀」ともいわれるように、その法の脅しの前に、ほとんどのたたかいが屈服を余儀なくされてきた。
政府は、三里塚に土地収用法の脅しをかけてきた。しかし反対同盟農民は、その脅しにもひるまなかった。そして71年2月、政府はついに、「抜かず」のはずの土地収用法を発動せざるをえなくなった。これにたいして、反対同盟農民は、立木に体を縛り付け、張り巡らされた地下壕にもぐって、様々な抵抗をくり広げた。
71年9月、国家権力は、不屈に抵抗を続ける老婆・大木よねさん宅に千人もの機動隊で襲いかかり、農作業の最中だった大木よねさんを引きずり出し、家屋を目の前で破壊し去り、文字通り路頭に放り出したのだった。
戦後初めての家屋にたいする強制収用である。民主主義などどこにもない。あるのはむき出しの暴力だけである。これが国家権力の真の姿だった。

反権力の砦

大木よねさんと反対同盟農民は、身を挺して、国家権力の真の姿を引きずり出し、全人民にそれを告発したのだ。 三里塚闘争は、土地収用法という国家暴力の発動をも突きやぶり、今日まで続く、非妥協不屈に闘う農民群像と反権力闘争の砦をつくりだすこととなったである。
「農地死守・実力闘争」「一切の話し合い拒否」「空港絶対反対」は、この血みどろ汗みどろの生活とたたかいの中で、不動の確信をもってうち立てられた、今日まで続く三里塚闘争勝利の原則・スローガンなのである。

4面

8・6広島 反戦・平和研究集会

《広島の原点》の復権と継承

8月6日、広島市内で、「ヒロシマの継承と連帯を考える―なぜ、いま米軍再編・改憲なのか」をテーマに、反戦・平和研究集会が行なわれた。この集会は、03年から労働組合の反戦・平和運動の一環として山口県下でとり組まれ、今年はじめてヒロシマでの開催となった。
山口県岩国市への米空母艦載部隊の移転が、住民の声を無視して強行されようとしているいま、憲法をふみじって進められている「米軍再編」問題を、「8・6ヒロシマ」の原点からとらえ返そうという試みである。

45年8月6日 路面電車の中で

講演を行なった米澤鐵志さんは、1945年8月6日、広島で爆心地から750メートルの地点で被爆した。当時、米澤さんは小学校5年生で、疎開先から広島市内の自宅に荷物をとりに帰るために、母親と2人で超満員の路面電車に乗っていた。被爆の瞬間、米澤さんは「百雷のような轟音」をきいたという。電車の窓ガラスはすべて割れ、すさまじい悲鳴があちこちから上がり、まさに阿鼻叫喚の地獄図であった。
何とか母親と一緒に電車から外へと出ると、あたりは真っ暗であった。風速220メートルという原爆の強力な爆風圧が、木造家屋を一瞬にして押しつぶし、巻き上げられた土ぼこりが太陽光を遮断してしまったのである。ようやくあたりが明るくなって米澤さんが目にしたものは、地獄のような広島の惨状であった。3千度から4千度にたっする熱線を浴びた、「建物疎開」(空襲に備えた家屋の取り壊し作業)に動員された中学生たち。彼らは全身に大やけどを負い、ずるりと剥けた腕の皮膚が爪のところにひかかっているのを、ぶらさげたまま川に向かって行進していた。彼らは川に入って一口水を飲むとそのままばったりと倒れて息絶えた。避難するために乗った軍用トラックの中では、複雑骨折で骨が飛び出た人や、眼球が飛び出した人などでいっぱいであった。

反戦・反核運動の新たな発展へ

米澤さんは、自らの被爆体験を語った後に、朝鮮人被爆者の問題や日本の戦争責任について言及し、核兵器の廃絶に向けて、下から民衆の力で運動をひろげていこうと訴えた。
京都大学原子炉実験所の今中哲二さんは、被爆二世としてのご自身の生い立ちを語り、被爆者援護と原爆症認定について、「原爆が落とされたのは、日本国政府が行なった戦争の結果であり、原爆被害に対してはまず第一に日本国政府に責任がある」という考えを明らかにされた。そして「日本国の戦争責任を認めさせ、戦争被害を補償させていくという視点に立った運動として、被爆者援護運動が発展してほしい」と述べられた。
また山口大学経済学部の立山紘毅さんは、日米安保条約の中に集団的自衛権が明記されていることを指摘し、「米軍再編」の進行とともに、日本が急速に軍事国家化していることに対して、「国家の非武装を求める国民の非暴力の運動」の重要性を強調された。
今年は被爆から63年め。米澤さん、今中さん、立山さんからの貴重な提言を受け、反戦・反核運動の新たな発展にむけて踏みだそう。

「圧政にたいするウイグル民族の抵抗闘争だ」

ウイグル人民の決起を支持する

警官16人せん滅

中国の少数民族であるウイグル人が、武装警察官をねらって、決死の闘争にたちあがっている。
「(武装警官にたいする闘争は)無差別テロでなく、民族抑圧の象徴である警官を狙ったもの。中国共産党の圧政にたいするウイグル民族の抵抗活動だ」「北京五輪を前に、ウイグル民族への弾圧を強めている中国政府が招いたものだ」(イギリスに亡命中のウイグル人医師アニワル・トフティ氏・5日来日)。

警察による拘束と虐殺

北京オリンピックの大宣伝の裏で、中国当局は、ウイグル人にたいして、大規模な拘束・虐殺を行っている。
今年1月17日、パミール山地で、5人のウイグル人が銃殺され、18人が逮捕された。1月27日には、ウルムチで、2人が銃殺、15人が逮捕。2月5日には、 ウルムチで18人が銃殺された。3月23日には、ホータンで、平和的なデモを行ったウイグル人女性700人が逮捕された。
7月8日にはカシュガルで、当局主催の「公開判決宣言集会」が開かれ、5人のウイグル人に死刑判決、15人に終身刑など、判決が言い渡された。当局は、今年だけで50人のウイグル人に死刑判決を出していることを認めている。

ウイグル民族の尊厳を否定

「学校ではイスラム教を教えず、ラマダンの時に子供に食事を強要するんだ。子供にイスラム教を教えていた人は密告され、連行された」(ウイグル人30代男性)。ウイグル人は、何に怒り、何を求めているのか。
@中国スターリン主義によって、ウイグル人の土地が奪われ、ウイグル人による建国の努力が破壊され、1955年に「新疆ウイグル自治区」とされたことを弾劾し、奪還しようとしている。
A中国スターリン主義が、1949年いらい、ウイグル人から、人権、自由、民族の尊厳を奪ったことを弾劾している。イスラム教を否定していることに強く怒っている。
B漢族を大量移住させ、移住してきた漢族が行政や企業の中心を占め、計画的に同化と抹殺の政策を推しすすめてきたことを告発している。企業が漢族を優先的に雇用し、ウイグル人をはじめとする少数民族を排除していると弾劾している。
C石油・天然ガスなどの天然資源を、開発名目で、中国や米欧日の企業が強奪していることを弾劾している。
D1964年以来、ウイグル人の土地でウイグル人を実験台にして、46回もの核実験を行ない、大量の被爆者を生みだしながら、中国政府がその事実も認めていないことを弾劾している。

少数民族にたいする同化と抹殺の政策

中国スターリン主義の民族政策の核心は、《中国国内の各民族は、融合、混合を繰り返し、漢族を中心とした一体の「中華民族」を形成してきた》とみなす「中華民族」概念である。しかも、《民族問題は階級問題にほかならない。民族問題は階級問題の解決を通じて解決される》としてきた。
こうして漢族の支配を正当化し、「中華民族」概念と「階級問題」の名の下に、少数民族にたいし同化と抹殺を強制してきたのだ。

中国大乱と世界革命の展望

中国スターリン主義は、その体制内部に、巨大な階級矛盾と民族矛盾をためこんでいる。
しかも、アメリカ帝国主義を中心とするグローバリゼーションは、この中国スターリン主義の巨大な矛盾の上に成立している。
この矛盾は、早晩、中国大乱となって爆発する。北京オリンピックが、その最後の引き金をひくことになるかもしれない。
中国大乱は、グローバリゼーションを最後的に破綻させ、アメリカ帝国主義を体制崩壊の危機にたたき込む。中国大乱によって解き放たれた全矛盾は、プロレタリア世界革命によってしか解決しないものとして拡大していくだろう。
それゆえに、アメリカ帝国主義は、その最後の力をふりしぼって世界大戦級の戦争に突入する。このとき、全世界のプロレタリアートが、中国人民と被抑圧民族人民の決起と連帯して、反帝国主義・反スターリン主義世界革命に転化できるのかどうかに、世界史の帰趨がかかっている。

(投稿)ささやかな連帯  SK

今日は歯医者。一番乗りだ。が、診察まで一時間以上ある。診察券を小箱にいれてソファーに腰を下ろし、ラックの雑誌を物色する。それから二十分くらい過ぎたろうか。二番目の患者さんが入ってきた。
親子のようだ。娘さんはそれとみて「病者」とわかる女性である。付き添いの老紳士はお父さんなのだろう。娘さんが看護師のグチをお父さんに懸命に訴えている。虐待された話のようだ。だが、お父さんは話を制し、娘さんを黙らせようとする。「看護師さんがそんなことするかいな。お前が暴れたから止めようとしたんや」。そんな事を言いながら鏡越しにチラリとこちらを見る。
精神病院の 実態を知っている者として、娘さんの話が決して荒唐無稽な妄想とは言い切れないことは知っていた。だが、そんなことをここで言っても始まらない。
「もう、こうなったら治らへん」。そんな独り言を何度も言いながら、お父さんはため息をつき、そのつどチラッと鏡越しにわたしを見る。その度ごとに目を閉じる妙な緊張感が疲労を加速させた。お父さんは娘さんを制しようとしているのではない。空間を共有する「健常者であるわたし」に「言い訳」をしているのだ。
「何を言うとるんや」。そう娘さんを叱り始めたお父さんの言葉を今度はわたしがさえぎり、ついに、せきを切るようにしゃべった。
「あのう、実はわたしも精神科かよとるんですわ」。「ヘッ?」。狐につままれたようにポカンとするお父さん。それとは対照的に、娘さんの表情は逆にやわらぎ、わたしに話しかけてこられた。「○○病院ですか?」「いえ××駅近くの」「みんな、いちいち言わないだけで、多いですよねぇ」。嬉しそうにウンウンとうなずく娘さん。わたしと娘さんとの、そのささやかな連帯の風景をあっけにとられながら見るお父さん。「あなたとちがって、このとおりでしょ。暴力を振るわないよう、一人部屋にも入っていまして」。保護室のことだろう。実はわたしも保護室の経験があるのだが、これ以上、お父さんの理解を混乱させては申し訳ない。あえて黙って聞いた。
そして帰り際、娘さんの穏やかな声がした。「お名前は?」。伏せる理由もなかったので名を名乗り、歯医者を後にした。
何かいいことをした、というわけでもないのだが、なぜかその日の気分は晴れやかだった。
■(編集局)強制医療をはじめとした差別による分断と、「重症病者」の隔離・収容のため、多くの労働者にとって、重症の「精神病者」と出会うのは、マスコミの事件報道だけということも珍しくありません。その差別キャンペーンがさらに分断を深めています。そのように分断されているのは、家族の関係でも同じです。より直接に、強制入院を「させる側」と「される側」という分断があります。本稿に出てくる親子の関係性も、そのようなもののようです。本文はSKさんのほんの数時間の体験ですが、「精神障害者」のおかれている状況が端的に表わされています。家族でさえ差別・被差別の関係に追い込んでしまう今の精神医療の現実です。この現実を受け止め、差別分断を乗り越える日常的闘いを担っていこう。