革共同通信・第14号

2008年8月5日発行

革共同の改憲決戦スローガン

全世界の労働者人民のたたかいと連帯して、日本帝国主義の改憲攻撃と全面的に対決し、日帝打倒・プロレタリア世界革命の勝利にむけて前進しよう!

7・27革共同政治集会を開催

7月27日、兵庫県尼崎市の労働福祉会館で、革共同の再建をめざす全国協議会と革共同関西地方委員会との共催で、革共同政治集会が開催された。 この日、全国と関西のたたかう仲間、310人が一堂に会した。一人ひとりが、安田派の変質と運動破壊に怒り、これと決別し、もはや一地方委員会や分派ではなく、新たな全国党、真の革命的労働者党を創る決意と確信と展望をもって、ここに結集した。
革共同関西地方委員会からの基調報告と、革共同の再建をめざす全国協議会からの特別報告を柱に、司会あいさつ、サミット闘争報告、革共同山口県委員会、革共同の東京・関東の代表、カンパアピール、国鉄、郵政、教育、民間・合同労組、医療福祉の各産別、青年、そして、女性、「障害者」の各戦線から13の発言が行なわれた。その一つひとつが、格闘の中からつかみ取った、新しい党の内実を提起しようという意欲あふれる発言であった。また、星野再審請求にたいする最高裁の特別抗告棄却を弾劾する決議を全体で確認した。
連帯の挨拶として、淡路町空港反対同盟の安藤眞一さんの発言と、三里塚決戦勝利関西実行委員会代表世話人の永井満さんのメッセージをいただいた。
本紙今号2〜3面に、@基調報告、A特別報告、B革共同の東京・関東の代表の発言の3つを、要約して掲載する。




安田派を打倒し革共同の再建へ!参加者が一つになってインターナショナルを斉唱(7月27日尼崎市立労働福祉会館)

革共同政治集会の歴史的な意義

21世紀革命と改憲阻止決戦を提起

安田派打倒し 党大会の開催へ

7・27革共同政治集会の意義は、第一に、「06年3・14決起」いらいの安田派の変質と腐敗にたいするたたかいの大きな到達地平である。
われわれは、3・14決起を嚆矢に、07年11・18関西党員総会を開催し、また、08年1月に機関紙『革共同通信』、4月には機関誌『展望』の創刊を実現するとともに、G8サミット決戦にのぼりつめていった。その過程は、同時に、階級闘争の現実の中で安田派を追いつめ、その姿を衆目に暴き出していくものであった。
そして、7・27革共同政治集会をもって、革共同再建=新しい革共同建設のたたかいが新たな段階に突入した。
第二に、この1、2年を期して、安田派を打倒し、正規の党大会を開催して、革共同を再建する宣言を発したことである。安田派の中からは革共同の再生の可能性はない、と同時に、反革命にもなりきれない脆弱な存在でしかないことを喝破し、その解体と打倒をきっぱりと宣言した。
そして、階級闘争の妨害物になり果てた安田派にかわり、反帝国主義・反スターリン主義をひらかれた綱領体系として再度うち立て、21世紀革命と2010年改憲決戦を射程に、危機に立つ日本階級闘争の新たな発展を早急にきりひらく決意と、その路線と展望をさししめすものであった。
第三に、21世紀革命と改憲阻止の2010年決戦の基本戦略の骨格をうちだしたことである。
・08年G8サミット闘争でつかみ取った地平に踏まえつつ、革共同の70年代以降の現代世界の把握の歪み、2001年の革共同第6回全国大会の報告の問題性を突きだしながら、改めて、「段階・過渡・変容・危機」の契機による把握、1970年代論・80年代論の再確立、スターリン主義論の深化、現代帝国主義論と現代戦争論の深化、世界危機と現代革命の条件の成熟をつかみだした。反帝国主義・反スターリン主義の綱領的立場を再確立する提起が行なわれた。
・なによりも、7・27革共同政治集会の最大の提起は、2010年が改憲阻止の戦略的決戦の年となること、そして、われわれ革共同が、この決戦の最前線に立ち、もっとも困難な部署を引き受けて、いかなる犠牲も恐れることなく、日帝打倒・プロレタリア世界革命に向けてその血路をきりひらくという厳粛な決意が表明されたことである。
「全世界の労働者人民の闘いと連帯して、日本帝国主義の改憲攻撃と全面的に対決し、日帝打倒・プロレタリア世界革命の勝利にむけて前進しよう!」の革共同の改憲阻止決戦のスローガンがうちだされた。
そして、安田派の変質と敵対の本質が、この改憲決戦からの逃亡であり、逃亡を許さずこの決戦に安田派を引きずり込んで打倒しようと訴えた。
第四に、今秋のたたかう方針をうちだしたことである。
@派兵恒久法がどうなろうと、日本帝国主義は、改憲攻撃の柱として、自衛隊の海外派兵、イラク・アフガニスタン侵略戦争への参戦拡大と自衛隊派兵の継続を推進する。このことをめぐる臨時国会闘争から来年3月闘争が決定的である。百万人署名運動の取り組みを強化しよう。
Aさらに、戦争と改憲、労働・環境・食糧、年金・医療・社会保障など、新自由主義攻撃の総体と対決し、福田政権を打倒する。
B「暫定滑走路北延伸粉砕、市東さんの農地を守ろう、新誘導路建設阻止」をかかげ、夏秋の現地攻防と三里塚大衆運動の発展をかちとり、10・5三里塚全国総決起集会に大結集することである。
C一切の土台・基軸として、戦闘的労働運動の再生のためのたたかいを粘り強く前進させることである。
すべての仲間のみなさん。21世紀革命と改憲決戦へ、新しい革共同の建設へ、ともにこの道を進もう!

2〜3面

7・27 革共同政治集会 報告・発言の要旨

基調報告(要旨) 改憲阻止の2010年決戦の展望

総力を結集し9条改憲阻止へ

改憲攻撃の核心は、9条2項を破棄し、新たに「自衛軍」を創設し、交戦権を確立することである。そのために戦後民主主義体制から国家主義=天皇制国家へと全面的に転換しようとしている。まさに9条改憲をめぐる攻防は、戦後最大の階級決戦であり、改憲阻止闘争が本格的に発展すれば、必ず天皇制テロル=国家権力や民間反革命勢力との激突を不可避とする。
すべての同志諸君、断固としてこの決戦の最前線に立ってたたかおう。いかなる犠牲も恐れることなく、日帝の体内の全反動を引きずり出し、これを粉砕して、日帝打倒・プロレタリア世界革命に向けて、その血路をきりひらこう!

安田派の本質は逃亡

安田・清水体制の変質の核心は、改憲阻止=階級決戦からの逃亡である。改憲阻止決戦からの逃亡を公然と表明したのが「2007年1・1アピール」であった。
ここで彼らは、「プロレタリア革命を達成するのは、唯一、労働組合の階級的団結強化である」という組合主義に転落し、革命運動から全面的に手を引く宣言をおこなった。そして「これ(労働組合の団結強化)とは別個に政治決戦一般を対置したり、並列的に位置づけることはできない」といって、「政治決戦=改憲阻止闘争はやらない」と、階級決戦からの逃亡を表明したのである。
まさに、日本の労働者階級人民が、改憲阻止決戦に勝利するために、階級闘争の全戦線、全領域のたたかいを糾合し、この決戦への労働者の階級的決起を実現しなければならないというまさにその時に、安田派はこれに全面的に反対し、あらゆる闘争から逃亡を開始したのである。
安田派は、国鉄闘争、三里塚闘争、部落解放闘争などあらゆるたたかいに対して、しつような妨害と敵対をくりひろげているが、その本質は「逃亡」である。
すべての同志諸君、たたかう仲間のみなさん。改憲阻止決戦の前進の中で、転向した安田・清水体制を打倒し、早急に革共同の再建をかちとろう。

改憲攻撃の現段階

9条改憲を焦点とした改憲攻撃は最終段階に入っている。
自衛隊は、91年の掃海艇派兵以降、今日までほとんど途切れることなく海外派兵を行っている。04年の国民保護法の成立によって有事法制は完成している。
いま、日帝・支配階級は、最後の、そして最大のハードルである9条改悪に踏み込んできたのだ。

改憲阻止と現代革命の展望

日本帝国主義の改憲攻撃の背景には、帝国主義世界体制の深刻な危機が横たわっている。
74〜75年恐慌とアメリカ帝国主義のベトナム敗戦は、米帝を基軸とした帝国主義の戦後発展の終焉をつげ知らせた。米帝の世界政策の転換は、日米体制を存立基盤としてきた日帝の戦後体制の根本的な転換を迫るものであった。そうして登場したのが中曽根の「戦後政治の総決算」攻撃である。
米帝の大軍拡政策はソ連を崩壊させ、アメリカ帝国主義の侵略戦争を恒常化させた。この米帝の凶暴な戦争政策の下で90年代をとおして、新自由主義とグローバリゼーションの波が世界を襲ったのである。しかしそれは、03年イラク侵略戦争への突入によって、決定的な破綻をきたしはじめた。
イラク・アフガニスタン侵略戦争の泥沼化、サブプライムローンの破綻、原油高騰と食糧危機の爆発は、新自由主義的グローバリゼーションがその限界につきあたったことを示している。これらを背景として、今日の日帝の改憲攻撃が進行しているのである。
したがって改憲阻止闘争は、アメリカ帝国主義を軸とする、戦争と新自由主義とグローバリゼーションと対決する、新たな内容と方向でたたかわれる必要がある。帝国主義のグローバリゼーションにたいして労働者階級が対置すべきものは、プロレタリア世界革命である。
「プロレタリアは、この革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。プロレタリアが獲得すべきは全世界である。万国のプロレタリア、団結せよ!」(マルクス・エンゲルス『共産党宣言』)。われわれは、160年前にマルクスとエンゲルスが全世界の労働者にむけて発したこの『宣言』を、現代革命の中で生き生きと復権させようではないか。
08年北海道・洞爺湖サミット反対闘争は、初めて日本においてたたかわれた本格的な国際共同闘争である。新自由主義的グローバリゼーションにたいする国際的な共同闘争は、99年シアトルWTO反対闘争いらい、年々拡大し、質的な発展をとげている。
今日、国際的な反帝闘争の基軸的な課題であり、またその最前線に位置しているのが、イラク、アフガニスタン、パレスチナ人民の武装解放闘争であり、南朝鮮・韓国の労働者人民のたたかいだ。
9条改憲阻止闘争とは、イラク中東人民、南朝鮮・韓国の労働者人民のたたかいと連帯し、日帝のイラク・アフガニスタン侵略戦争への本格的な参戦と新たな朝鮮侵略戦争を阻止し、帝国主義の中東・アジア支配を破綻に追い込むたたかいである。プロレタリア世界革命の現実的展望を切り開くたたかいだ。
イラクからの自衛隊の即時撤退を要求し、朝鮮民主主義人民共和国と在日朝鮮人民にたいする排外主義攻撃、民族差別と抑圧に反対するたたかいを改憲阻止の中に貫こう。
反帝国主義・反スターリン主義のもと、国際共産主義運動の再建をめざして、日本の労働者階級人民は改憲阻止決戦に総決起しよう。

改憲阻止と戦闘的労働運動

改憲阻止の帰趨は、労働者階級がその主力部隊として登場し、闘争全体を戦闘的に牽引することができるか否かにかかっている。われわれは、日本の労働運動の否定的現状を見すえ、それをいかに主体的に乗りこえていくのかを、実践的に明らかにしていかなければならない。
改憲阻止闘争の大衆的戦闘的発展と戦闘的労働運動の再生・創造は一体のものである。社会保障制度解体、差別・抑圧・分断の攻撃の激化など、階級闘争の全領域で死活的にたたかわれている攻防を、改憲阻止と結合してたたかおう。

戦闘的労働運動の再生・創造の課題

労働運動の組織化には、その独自の領域がある。それを無視して、改憲阻止闘争を労働運動に持ち込むことは、戦闘的労働運動の再生・創造にならない。
国鉄、郵政、教育、自治体、民間・合同労組の、それぞれ産別・領域における焦眉の課題に全力をあげて取り組もう。その中で青年・学生の組織化に本格的に取り組もう。

今秋闘争の課題― 臨時国会闘争へ

8月末からの臨時国会では、海上自衛隊のインド洋への派兵を延長する法案が提出されようとしている。また、スーダンPKOやアフガニスタン本土への陸自の派兵がねらわれている。これは、改憲攻撃そのものである。「断固粉砕!」をかかげて決起しよう。
問題は、日本帝国主義の政治危機を、福田政権打倒に転化する階級勢力が存在しないことだ。民主党は、自民党より新自由主義的であり、その中心は改憲勢力そのものだ。すでに、アフガニスタン本土への自衛隊の派兵策動に、民主党内から呼応する動きがはじまっている。
いま必要なのは、民主党や共産党の統制や制動を打ち破る力を持った、労働者人民による自立的な大衆運動である。それは、07年参院選における自公政権の大敗、07年9・29沖縄12万人決起という形で、既成政党の枠組みを超えた新たな大衆運動として姿を現している。
臨時国会情勢を見すえて、百万人署名運動を強化し、改憲阻止闘争の新たなスタートをかちとろう。

10・5三里塚全国集会に総結集しよう

三里塚闘争の新たな発展を実現しよう。9・22関西三里塚集会を成功させ、10・5三里塚現地へ総結集しよう。
沖縄闘争と全国反基地闘争、PAC3配備反対闘争に全力をあげよう。

特別報告(要旨) 21世紀革命にたいする革共同再建協議会の決意

革共同再建協議会がめざすもの

安田派打倒し党大会へ

われわれは、先日、「革命的共産主義者同盟の再建をめざす全国協議会」(革共同再建協議会)を結成した。この1、2年を期して、安田派(安田・清水体制)を打倒し、正規の党大会を開催し、革共同を再建する。そのために、この1年、ともに全力をつくそう。

安田派の脆弱性

安田派は、革命運動からの脱落・逃亡集団である。安田派は、反革命カクマル打倒をあきらめ、自らをカクマルと一体化し、同質の存在に純化しつつある。
スターリン主義、カクマル、安田派の3者は、ともに革命運動の反動的妨害物である。しかし、安田派は、勝利した革命(ロシア革命)、あるいは革命的たたかい(「2つの11月決戦」)への内部からの反動として登場してきたのではない。つまり安田派には「粉砕」しなければならない「革命」が最初から存在しない。彼らは、反革命的勢力を編成する力などもたない脆弱な存在である。

6回大会が転回点

とらえかえせば、2001年の革共同第6回大会は、安田派的変質の大きな転回点であった。
そこで対カクマル戦争からの逃亡を宣言したのだ。カクマル・黒田の哲学を批判することによって、「カクマルに勝利した」とは観念論でしかない。対カクマル戦からの逃亡は、国鉄闘争での急速な展望の喪失として現にあらわれている。このことが、スパイ問題を階級・大衆の前に隠ぺいし、資本と権力の弾圧にたいして、「解雇は勝利」「弾圧ありがとう」などという、敗北主義と闘争放棄につながっている。

改憲決戦の中で打倒

安田派が、革共同として再生することは不可能である。打倒するしかない。
われわれ自身の総括と反省をかけて、切迫しつつある21世紀革命と2010年改憲決戦のなかに安田派をひきこみ、綱領的・政治的・イデオロギー的に追いつめ、解体していこう。

現代革命の綱領のために

21世紀の課題は、帝国主義の世界支配を根底から打倒し、プロレタリア世界革命を達成し、共産主義社会への人類史的移行を実現することである。自己解放=普遍的人間解放の主体であるプロレタリアートが、この課題に立ち向かうとき、勝利の展望が切りひらかれる。
反帝国主義・反スターリン主義こそ世界革命の唯一の綱領的立場である。

70・80年代論の問題

74、75年恐慌と「ベトナム革命」によって世界支配の危機に陥った帝国主義は、全面的なまき返しをかけてきた。レーガン政権を中心とする80年代の帝国主義は、そのまき返しを「対スターリン主義対決=帝国主義間争闘戦貫徹」として展開してきた。
しかし、安田派は、現代世界を、帝国主義対スターリン主義、帝国主義対帝国主義の力学的対立としか見ていない。70年代以降の帝国主義の階級支配の転換、それによる帝国主義対労働者人民の対立の前面化・全面化がつかまれていない。世界史を200年も逆転させるような労働者階級への階級支配の転換(=資本の逆襲)をまず基軸的にとらえる必要がある。
安田派は、現代の戦争の様相が変容していることもとらえられていない。帝国主義の基本矛盾の爆発にあえぐアメリカをはじめとする帝国主義は、世界支配の危機にたいしてひたすら戦争を発動し続けている。恒常的あるいは長期の対テロ戦争・侵略戦争、国内治安と対外軍事問題の一体化である。それにたいする反撃が、また、帝国主義本国にまで持ち込まれた民族解放・革命戦争となって爆発する。これが現代の戦争の根本問題である。

スターリン主義論の深化

スターリン主義について、「権力主義化、官僚主義化、民族排外主義的反動化」が、なぜ生まれたのかの解明が必要である。
反スターリン主義とは、現代革命の普遍的な帝国主義打倒の主体についての反省契機を示している。スターリン主義をたんに打倒対象として措定しただけではない。われわれ自身が、党と運動がスターリン主義的なものに変質する危険とたえずたたかうということである。

現代革命の条件の成熟

労働者にたいする新自由主義の攻撃は、「使い捨て労働者」化を本質としている。また、労働者内部の差異を利用した分断支配である。さらに、数世紀をかけて獲得した労働者保護の諸制度の解体である。プレカリアート(不安定な立場に置かれた労働者)の反乱が、21世紀革命においてきわめて重要な位置をしめる。
また、食糧危機、原材料危機、気候変動、戦争と植民地化といった帝国主義の新自由主義の攻撃によって、農民・被抑圧民族人民も、社会的生産の担い手として、同時に、世界革命の共同の主体として重要性を増している。

現代革命の展望をひらいたG8サミット反対闘争

G8サミット反対闘争は、帝国主義の新自由主義とグローバリゼーションと対決する政治決戦であった。われわれは、サミット闘争をとおして、現代革命の新たな課題と展望をつかんだ。

現代帝国主義論の深化

現代帝国主義論を、さらに深化する必要がある。「戦争と民営化」に局限せず、帝国主義が人類のあり方を根底的に変貌させている現実を、革命の立場、労働者階級の立場からつかむことである。

現代戦争論とイラク反戦闘争

帝国主義の新自由主義攻撃は、「恒常的で長期の対テロ戦争」を世界支配の手段としている。
したがって、新自由主義との対決は、日米帝国主義の朝鮮・中国侵略戦争反対のたたかい、イラク反戦闘争(世界史的転換点としての米帝の敗北が迫っている)、パレスチナ連帯のたたかいを、柱にすえてたたかわなければならない。

改憲阻止闘争の性格

改憲阻止闘争の性格も、「戦争と新自由主義」という領域を対象化して、現代帝国主義論の深化を土台として、取り組む必要がある。

2010年が改憲阻止の戦略的かなめ

2010年は、日本の階級闘争と改憲阻止決戦にとって、きわめて重要な年となる。
2010年の5月以降いつでも改憲の発議ができると、反動的国民投票法に定められている。さらに同年に、アジア太平洋経済協力会議が日本で開かれる。また「防衛計画の大綱」の見直し作業が着手される。そして2009年中に新「安保共同宣言」の発出がねらわれている。
2010年をめぐって、60年、70年を超え、戦後革命期をうわまわる革命的激動がはじまろうとしている。わが再建協議会は、職場・地域・戦線で、この運動の先頭に立ち、改憲阻止の大統一戦線を築きあげよう。

現代革命に勝利できる労働者階級の党を建設しよう

当面する最大の課題は、革共同の再建である。労働者階級に徹底的にねざし、労働者階級の思いと革命への情熱を解き放つ党を建設することである。

代行主義の克服

80年代に進行した、党と革命軍による代行主義の克服が問われている。代行主義とは、階級・大衆に依拠した運動の発展とその正義性によって勝利をめざすのではなく、党と軍への物量の集中によってたたかうという、ブルジョア的戦争観、腐敗した階級闘争観である。
革命の党は、なによりも労働者党員が自らの職場で、階級の先頭に立ってたたかい、「労働組合の防衛と再生」をにないきることによってしか建設できない。安田派が唱えている「体制内労働運動からの決別」であるとか、「動労千葉労働運動への特化」路線は、観念的な自己運動に階級・大衆を導き、党員を階級・大衆から引き離す階級闘争からの召還路線である。

自立した共産主義者

革命党建設のために重要なことは、労働者が自らを、共産主義の革命家としてうち立てることだ。
「革命党を根底的にかたちづくっている力は、そのメンバーの一人ひとりの自発的な階級的自覚であり、共産主義的な究極目的を明示し、その勝利のためにどんな困難をものりこえてたたかう、という決意と展望である」(『本多延嘉著作選 第二巻』206頁)

職場を基礎にした労働者細胞

党は職場を基礎にした労働者細胞によって構成されなければならない。地域・戦線・経営・機関などの細胞は、工場細胞の発展・強化を援助することが最大の役割である。
労働者細胞は、たった1つ、たった1人で構成される場合でも、階級全体・党全体を代表する全体性をもつ。細胞と党の中央委員会は、「同格・同質」でなければならないという、3・14決起の教訓はこのことを指す。
安田派のように、「同格とは、細胞が中央委員会に一致することである」とか、3全総路線を、「細胞建設ぬきの地区党建設論」ととらえることは、革共同の党建設論の破壊である。職場闘争の空叫びだけで、労働者細胞建設の考えも実践もない。安田・清水体制にはこの点がまったく位置づかない。
青年が大多数を占める数万の労働者党員と、数百、数千の工場細胞をつくりあげ、日本革命・世界革命への激闘に打って出よう。革共同再建協議会に、すべての労働者、学生、被差別・被抑圧人民、農民と兵士は結集しよう。
今秋、福田政権打倒闘争を突破口に、米軍再編、沖縄基地建設、三里塚の市東さんの土地取り上げの攻撃をうち破り、改憲阻止の2010年決戦を切りひらこう。

東京・関東の代表の発言

革共同の再建のためにひらかれたこの歴史的集会に、東京・関東でたたかう仲間を代表して決意を表明します。
今日、世界は、きわめて深刻な危機を深めています。他方、国際階級闘争は、新たな高揚局面を迎えつつあることは明らかです。

革命的主体の問題

しかし、最大の問題は、このような階級闘争の新たなうねりを、真に帝国主義の世界支配の転覆、世界革命の勝利に転化することのできる階級的・革命的主体の確立です。
帝国主義の矛盾と危機の激化の中で、同時に階級闘争、とりわけ日本階級闘争の危機と混迷は依然として深刻です。この厳しい現実を直視せず、株価の下落に小躍りして、「世界は革命情勢」などの空叫びをくり返すことは、百害あって一利もありません。
反スタ・革命的左翼の中から生まれた反動としての安田派は、いまや91年5月テーゼ以来の革共同の困難なたたかいを逆手にとり、関西における「06年3・14決起」を恥ずかしげもなくさん奪し、革共同中央指導部をハイジャックし、革共同がこの半世紀の歴史の中でつくり上げてきた思想・路線、組織・運動のことごとくを解体・一掃することに血道を上げています。
「党の革命」「党の階級移行」などとくり返す安田紅衛兵運動のめざすものは、恐ろしく平板な「純粋プロレタリア革命」ともいうべきものです。
部落民にも、在日朝鮮人民にも、沖縄人民にも、女性にも、「障害者」にも、はては農民にまで「プロレタリア性を強制・刻印」する路線が、レーニン主義とは縁もゆかりもない代物であることは、いうまでもありません。いま、三里塚闘争をはじめ、革共同と、革共同とともにたたかう多くの仲間たちが長年の血と汗で築きあげてきた階級的成果を、ことごとく解体しようとしています。

安田路線は通用しない

それだけではない。労働運動そのものにおいてこそ、彼らの破産はもっとも激しく、ドラスティックに露呈するでしょう。
安田路線とは、その「革命的」仮面を一皮むけば、ズブズブの経済主義・組合主義です。動労千葉のたたかいの教訓をいかし、それを全階級的たたかいの前進に転化・普遍化するのではなく、「動労千葉特化」などという珍奇な旗を掲げて、動労千葉の支援・翼賛のために、全国・全産別の労働者のたたかいを利用しようとするものでしかないからです。
今日「希望は戦争」という言葉まで出てくるような過酷な状況におかれた日本の若き労働者に、こんな愚劣な路線が通用するはずがありません。

安田派を逆包囲へ

革共同は危機にあります。カクマルとたもとを分かった1963年の第三次分裂、あるいはカクマルによる75年本多書記長虐殺につぐ危機、いやそれを上回る危機にあります。しかしこの危機を乗りこえて、革共同の奪還・再建をかちとらなければなりません。
そして、この党を再建するたたかいは、安田派によっていたるところで無残に踏みつぶされているあらゆる大衆運動・統一戦線を守り、発展させていくたたかいと一体です。
今日の革共同における安田派の支配は、スターリン主義顔負けの強権支配、情報操作とカルト的マインドコントロールによって、維持されています。その矛盾はいたるところに広がり、怨嗟の声が日をおって組織の内外に高まっています。
革共同の危機を憂える多くの人びととともに、スクラムを組んで、安田派を逆包囲し、「06年3・14決起」の道を突き進み、この難局をうちやぶるために、いまこそ立ちあがろうではありませんか。
安田派支配の中心を形成する東京・関東においても、私たちは、全国の仲間とともに安田・清水体制打倒、革共同奪還のために全力をあげてたたかうことを誓います。ともにがんばりましょう。

4面

G8サミット粉砕から改憲阻止へ 08年前半戦の総括と後半戦の課題

G8サミット闘争の地平と革共同再建協議会結成を基礎に、自衛隊のイラク・インド洋からの即時撤兵・改憲阻止、福田打倒への総決起を訴える。

08年前半戦 安田派の運動破壊を許さず

08年前半の闘いにおいて、関西地方委員会は、安田派による大衆運動破壊の策動との激しい攻防戦にかちぬいて、改憲阻止決戦の端緒をつかみ、7月G8サミット決戦を全力で闘いぬくことができた。そして、革共同再建協議会の発足と7・27革共同政治集会の成功で、日本の階級闘争と共産主義運動のなかに確かな位置を築いた。
2月以降、安田派は、わが党が責任の一端をになってきたすべての大衆組織と運動に党内対立を持ち込み、排除と分裂の策動をくり返してきた。
われわれは5・27国労臨大闘争弾圧裁判での全弁護団解任と弁論分離要求という、反弾圧闘争の鉄則を踏み破る暴挙や、入管集会の分裂策動に反対してきた。関西新空港闘争では、安田派の諸君による大衆運動の原則を踏みはずした言動にたいして、毅然と統一戦線の原則をつらぬくことで闘いを守りぬいた。こうした闘いをとおして、どちらが革命的共産主義運動の歴史的地平を引きついで闘おうとしているのかを明らかにし、安田派が掲げる「路線」の誤りを誰の目にもわかる形で示してきた。また、広島差別事件にたいする部落解放同盟全国連合会を中心とした真相報告集会の取り組みに、多くの心ある労働者人民が結集し、安田派を決定的に追い詰めたことも重要だった。
しかし、問題はこれからだ。われわれの方が正しい、というだけではすまない。安田派の闘争破壊を許さない政治力、組織力が求められているのだ。

日本階級闘争の責任を担ったサミット決戦

G8サミット闘争では、一地方組織から出発することとなったわれわれが、全国闘争と国際闘争の場に一挙に躍りでて、どう闘うのかが問われた。新年の本紙創刊準備号からサミット決戦を提起し、闘いの準備と理論武装を行い、洞爺湖現地に代表団を派遣して壮大な挑戦を開始した。そして、洞爺湖現地の闘いにおいて前衛党として責任の一端を担い、闘いぬくことができた。
この闘いをとおして、われわれは、新自由主義とグローバリズムと闘う全世界の労働者人民と結びつき、多くのことを学ぶことができた。また、2月と5月の憲法闘争と京都外相会議粉砕闘争では、改憲阻止を闘う壮大な統一戦線の形成にむけた端緒をつかむことができたといえる。問題は、新自由主義と改憲攻撃にたいして、これと真っ向から闘う戦闘的労働運動を再構築することであり、それを軸に壮大な統一戦線をつくりあげていく党の組織戦略と政治的力量だ。この秋から、ここに挑戦していかなければならない。

G8の無力性と矛盾を露呈したサミット

「環境サミット」を押し出し、アフリカ問題をもう一つの焦点にした洞爺湖サミットは、めぼしい成果のない政治ショーに終わり、帝国主義の世界支配をゆるがす経済危機とイラク・アフガニスタン戦争の敗勢にたいして、帝国主義の無力性を突きだすものとなった。WTO交渉が中国・インドの抵抗で決裂した(29日)のも、その現れだ。
最重要の議題であった金融危機と通貨不安にたいして、協調政策を何一つ示すことができず、財務相会合においても「金融市場の透明性とリスク感応度を高めることが不可欠」と言っているだけだ。サブプライム問題や原油・穀物への投機などで危機を招いている国際過剰資本の動きをコントロールしようという姿勢すらないものだ。また、ブッシュが「強いドルは自国の利益にかなう」と言ったのも、米帝の責任でドルの価値を維持するということではない。そして、「首脳宣言」で、国際的な投資の自由化にむけていっそう新自由主義政策を推し進めると言いつづけている。これは、世界恐慌危機を前に、G8の無力性を示したものとみなければならない。
環境問題についても、米欧の対立点となったCO2排出量規制で、やっとのことで「2050年までに世界全体の排出量の少なくとも50%の削減を達成する目標というビジョンを・・・共有」するとしたが、帝国主義のもとにあっては、実現性はゼロに等しい。ブッシュが「共有」に同意したのも、中国・インドぬきの約束に意味がないからであり、日欧も実現できはしないとみてのことだ。
総じて、米欧帝国主義間の対抗と協商の駆け引きとなったが、ミサイル防衛システムをめぐる米ロ対立と、議長国・日帝の政治経済力の陥没が透けて見えるばかりで、一致できたのはテロ対策の治安強化だけであった。福田は「これほどうまくいったサミットはない」と自賛しているが、その内実は何もない。もはやこれ以上、世界をG8にゆだねつづけることはできない、ということだ。

臨時国会から海外派兵めぐる改憲決戦へ

福田政権は、8月冒頭に内閣改造を行い、下旬にも臨時国会を召集しようとしている。解散含みの政局は、さらに煮詰まっていくだろう。
秋の最大の政治課題は、自衛隊の海外派兵問題だ。海外派兵恒久法の提案は困難とされているが、福田はスーダンPKOに陸自を派遣しようとしており、空自(イラク)・海自(インド洋)部隊の派遣延長法案が提出されようとしている。改憲阻止の2010年決戦にむけて、今秋の闘いを独自に切り開いていかなければならない。
さらに、臨時国会において、政府与党は労働者派遣法を改訂して日雇い派遣を原則禁止にしようとしている。違法行為をくり返していたグッドウィルが廃業となり、ワーキング・プアが社会問題化しているなか、支持率アップをねらったものとされているが、日雇い派遣を強いられてきた労働者にとっては、簡単な話ではない。派遣法そのものの廃止をめざし、同時に、すべての派遣労働者の雇用保障と正規雇用化のために、すべての労働組合運動の先頭にたって取り組んでいかなければならない。非正規雇用問題こそ、労働運動をめぐる焦眉の最重要の課題だ。
これらの闘いの中で、革共同再建協議会の発展を、断固かち取っていこう。

「われわれは一歩もゆずりません」「関空とは共存できない」(泉州住民の会の発言) 7/13 関西新空港反対 全国集会

7月13日、大阪湾岸住民4団体と反戦共同行動委員会の主催で、関空の地元泉佐野市で関西新空港反対全国集会が開催され、地元住民・大阪湾岸住民をはじめ195人が参加しました。


集会後、炎天下の泉佐野市内を意気高くデモ(7月13日)

侵略と戦争の拠点

政府・空港会社は、昨年8月の二期の供用開始を、「貨物ハブ空港」化推進と、アジアゲートウェイ構想の下での航空自由化とFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)の「玄関口」としようとしています。関空を文字通りの「アジア侵略と戦争」の基幹施設・拠点にするものです。そのために年間90億円の国税を投入してきた上、財政赤字の重石となっている空港連絡橋の国有化を強行しようとしています。

住民に矛盾おしつけ

連絡橋の国営化は、二期運用開始とあわせ関空の軍事空港化への布石であるとともに、財政危機の破綻にあえぐ泉佐野市の連絡橋税収をゼロ化し「空港との共存共栄」幻想を崩壊させています。この間、空港優先市政によって福祉・教育・医療など市民生活が切り捨てられた上に、いま連絡橋税収まで閉ざされようとしています。
さらに大阪府政・橋下は、「府財政の抜本的見直し」などと府民生活にかかわる教育・福祉や職員給与までもバッサリと切捨てる一方、関空事業などには手をつけないと宣言しているのです。
関空の地元・泉佐野―泉州住民の怒りは、今や頂点に達しています。こうした中で、今年の関西新空港反対全国闘争は開催されました。

住民の会が怒りと決意

決意表明に立った3人の泉州住民の会メンバーは、「我々は一歩も譲りません。体の続く限りがんばります」「橋下は責任をとれ。腹立つのを解消するには闘うしかない。三里塚へ行きヒロシマへも行き闘う」「関空と共存できないことがはっきりとしてきた。泉佐野住民を先頭に関空反対のために闘いましょう」と訴えました。
さらに基調報告に立った国賀祥司泉州住民の会事務局長、山本善偉新空港反対東灘区住民の会代表のあいさつなど、大阪湾岸住民を中心に、関空の侵略と戦争の拠点化、関空一辺倒の泉佐野市や大阪府による生活破壊と徹底的に闘いぬく決意と展望が明らかにされました。まとめの発言に立った永井満関実代表世話人からは、大阪湾岸住民を中心に一致結束した闘いが改めて強く訴えられました。
遠く三里塚からは伊藤信晴さんが参加し、農業危機と農地強奪をめぐる決戦の渦中で、三里塚農民が日本農民の先頭に立ち労農連帯の力で勝利の展望をつかんでいくと、決意が表明されました。
集会後、関空を間近に見るマーブルビーチまで、炎暑を吹き飛ばしてデモをしました。
(兵庫・SD)

新たな機関紙名を公募します

◎次号から、『革共同通信』の発行主体が「革共同の再建をめざす全国協議会」にかわります。編集委員会
読者のみなさん。革共同再建協議会の発足と、7・27革共同政治集会の成功をうけて、次号から、『革共同通信』の発行主体が、「革共同の再建をめざす全国協議会」にかわります。
さらに、『革共同通信』にかわる新たな機関紙名を公募します。
『革共同通信』は、革共同中央の変質をこれ以上座視できない緊急性から発刊され、命名されました。
この度の再建協議会の発足を機に、21世紀革命と2010年改憲決戦に向かって、新たな革命的な労働者党をつくり出すという壮大な事業にふさわしい機関紙名への変更を提起します。
そのような新聞を、読者とともに創るために、読者のみなさんからひろく機関紙名を募集します。
寄せられた案を、関西地方委員会・全国協議会・機関紙編集委員会で検討し、決定したいと思います。
読者のみなさんの積極的な提案をお願いします。