革共同通信・第2号

2008年2月5日発行

国策と対決する三里塚

3・30現地へ 3000人大結集を!

成田空港の二期工事敷地内では、三里塚芝山連合空港反対同盟の農民たちが農地を死守して、営農を続けている。 三里塚のたたかう農民は、1966年の空港建設の閣議決定から実に42年間にわたって、成田空港の完成を実力で阻んでいるのだ。敷地内の天神峰部落に住む市東孝雄さんは暫定滑走路(1999年着工、2002年供用開始)のど真ん中で畑を耕し、野菜を育てている。
市東さんの家屋と畑の存在が暫定滑走路の誘導路を「へ」の字に曲げて、政府の暴挙とその破綻をうきぼりにしている。市東さんの不屈の闘魂のまえには、ジェット機が発する殺人的な轟音や警察・機動隊による日常的ないやがらせはまったく通用しない。
「1億8千万円の補償金より1本100円の大根をつくって消費者のみなさんに喜んでもらえることのほうが価値がある」。これが政府と成田空港会社に対する市東さんの回答だ。

農地法で農地を強奪する暴挙

06年7月3日、成田空港会社は突然、市東さんの畑の「耕作権解約」を成田市農業委員会に申請した。成田空港会社は18年前に畑の底地を旧地主から違法に買収していたのだ。農地法は耕作者の農地取得を促進し、その権利を守るためにつくられた法律だ。ところが、空港会社は、この農地法をタテに市東さんの畑をうばいとることをくわだてているのだ。
この前代未聞の暴挙にたいし反対同盟のみならず、千葉県内外の多数の農民、労働者、市民、学者、弁護士、議員が抗議の声をあげた。にもかかわらず、千葉県の堂本知事は、市東さんの畑の「耕作権解約」を許可するという暴挙を重ねた。

新自由主義化とたたかう三里塚

「農地法による農地強奪」。これは日本の農政が「農民切り捨てと農業つぶし」へと転換したことをしめす象徴的な事態である。それは日本の国家としての内外政策の大転換である。一言でいえば、「日本はアジア諸国から安い農産物と安い労働力の受け入れを自由化するとともに、日系企業のアジア諸国における自由な活動を確保する」というものだ。新自由主義化政策そのものだ。
これを「東アジア自由経済圏構想」として提唱し、小泉政権をバックアップして推進していたのが、日本経団連会長だったトヨタの奥田である。すでに政府内部では「食糧自給率は12%あればいい」という暴論がでてきている。「トヨタが海外でボロ儲けすることこそが日本の国益であり、そのために国内の農業をつぶし、農民や労働者の生活を犠牲にしてもかまわない」ということなのだ。

農地死守・実力闘争の魂

かつて日本帝国主義は「大東亜共栄圏」を提唱して、全面的なアジア侵略戦争に突入していった。「東アジア自由経済圏」は現代版「大東亜共栄圏」だ。それは新たな侵略戦争への道だ。
いま三里塚闘争はたたかう農民と全国の労働者、学生、市民の連帯したたたかいで国策と真っ向から対決している。市東さんたち三里塚反対同盟は、きたる3月30日に、三里塚の地へ全国からの結集を呼びかけている。この呼びかけにこたえよう。
「農地死守・実力闘争」、三里塚農民が42年間つらぬいてきたこの闘いのなかに、日本階級闘争の新たな発展をきりひらく鍵が必ずある。

萩原進さん(三里塚空港反対同盟、二期敷地内・東峰)の訴え

敵を追いつめている

安倍が政権を投げだし、小沢が大連立でのりきりを図るほどに、敵は弱体化している。福田政権もこの狭間で揺れ動き、捨てばちともいえる政策に突っ走っている。都市労働者と農民、地方の反乱が始まった。
この激動のなかで、敵は三里塚の「総仕上げ」を目論むが、空港はツギハギだらけだ。羽田国際化で成田の地位は地に落ちた。われわれは政府権力・空港会社を「やってみないとわからない」と言わせるまでに追いつめた。
断末魔の危機にのたうつ敵は、北延伸の次には南に伸ばすとか、飛行回数を「年間20万回から30万回へ、1・5倍にする」などとぶちあげた。
だが、それは破滅の深みにはまるだけだ。南に延長するには東峰部落を潰さなければならない。騒音地域を敵にまわし、反対同盟を潰して、市東さんの農地、天神峰本部、一坪共有地を強奪しなければならない。敵は弱点だらけだ。そのひとつひとつをひきだし、粉砕する。

裁判闘争と現地闘争をたたかう

われわれは裁判に一片の幻想ももたない。しかし、法廷のたたかいに全力を尽くす。それによって広範な市民的、大衆的広がりをもった新たな支援運動をつくりだし、市東さんや反対同盟のたたかいを全社会に明らかにする。そうして不当判決を簡単には下させないようなたたかいをやる。これによって現地の闘争陣形もつくり出し、北延伸阻止をたたかいぬく。
「市東さんのたたかいは重要だからたたかおう」というのはそのとおりだが、それだけではダメだ。これは待機主義であり、玉砕への道である。敵に攻撃させない闘争陣形と態勢をつくりださなければならない。すべてのたたかいはそのためにある。市東さんは、四つに組んでたたかっている。

「FTA反対」をかかげてたたかう

三里塚闘争の重要なたたかいとして農業問題を訴えてきた。これは農地法による農地の収用という市東さんへの攻撃と完全に並行している。
三里塚は「FTA(自由貿易協定)反対」を掲げてたたかう。この問題は農民だけではなく全人民の問題、労働運動にかかわる問題だ。日本の経済侵略と戦争の問題だ。日本は自動車と先進技術を輸出する。相手国に市場の開放を求めるのとひきかえに日本の農業市場を開放する。そうしてアジアを勢力圏としようとしている。私はトヨタ資本を打倒したい。農業をつぶすトヨタと資本主義を打倒する。そのたたかいを労働者と農民がやろうじゃないか。

たたかうすべての同志たちへ

学生は三里塚にきて、ともにたたかおう。労働者は資本とたたかう階級的な労働運動を切り開いて欲しい。このたたかいを発展させるために、三里塚がたたかいとってきた真に大衆的な広がりをもつたたかいに立脚点を置こう。そうやってこそ勝利の道を切り開くことができる。
3・30で、08年決戦の突破口をきり開こう。大結集運動を本気になってやろうじゃないか。「30000決起」を言葉だけに終わらせてはならない。本気かどうかが問われている。1977年4・17大結集のあの力を、いま再び実現しよう! (2008・1・20関実旗開きにて)

  用語解説
★三里塚闘争
66年7月4日、池田内閣は突然、千葉県成田市三里塚への空港建設計画を閣議決定した。同年8月22日、空港建設予定地の農民たちは三里塚芝山連合空港反対同盟を結成し、三里塚闘争が始まった。
71年の2度にわたる強制代執行阻止闘争、78年開港阻止闘争、81年動労千葉のジェット燃料輸送阻止ストライキ、85年二期工事阻止闘争など激しい実力闘争の歴史をもつたたかう人民の砦である。
★農地法
農地法第1条はこの法律の目的を「農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であると認めて、耕作者の農地の取得を促進し、及びその権利を保護し、並びに土地の農業上の効率的な利用を図るためその利用関係を調整し、もって耕作者の地位の安定と農業生産力の増進とを図ること」とうたっている。この法律で農地を強奪することがいかに理不尽であるかは明らかであろう。
★FTA ( 自由貿易協定)
関税その他の通商上の障壁を取り除くことが目的。日本は06年末からオーストラリアとのFTA交渉を始めているが、日豪の関税が撤廃されると輸入量の多い4品目(小麦、砂糖、乳製品、牛肉)だけで国内生産は7900億円分減少し、小麦、砂糖はほぼ全量が豪州産におきかわると農水省は試算している( 東京新聞)。FTAは日本農業や地域経済に壊滅的な打撃を与えるものである。

2面

08春闘で格差打破へ!

非正規労働者にたいする均等待遇・正規化と、全労働者の大幅賃上げをかちとろう
日本経団連は12月19日に経営労働委員会報告を決定し、いよいよ08春闘が始まった。内閣府の規制改革会議が同25日に「規制改革推進のための第2次答申」を公表して、新自由主義政策の攻撃を極限化しようとしている。今春闘の最大の焦点は、帝国主義の危機と矛盾を労働者階級に転嫁することでうみだされた格差の打破と、非正規職が生きられる賃金をかちとれるかどうかにある。たたかう春闘の復権を実現しよう。

大恐慌情勢だからこそ大幅賃上げを

昨年末、アメリカのサブプライムローン問題から全世界的な株価暴落がおこり、ブッシュ政権による減税策公表後も続落して、世界恐慌の危機に直面する事態となっている。
われわれは、08春闘で階級的労働運動の復権をかちとりつつ、侵略戦争阻止・改憲阻止の政治決戦をきずきあげていくことで、この国際帝国主義の危機を主体的に革命的情勢へと転化させていかなければならない。
今回の金融危機の引き金となったサブプライムローン問題は、あえていえば、巨大な危機のひとつの現れにすぎない。問題の本質は、60年代末いらい積み重なり、繰りのべてきた国際的な過剰資本・過剰生産力という基底のうえで、ついにドル基軸体制とアメリカの金融資本への根底的な信用不安がふきだしたということだ。これがわが党のこれまでの世界経済分析の視点であり、そういうものとして、国際帝国主義の末期的危機がついに現出してきたのである。
『前進』では、世界大恐慌と革命を大見出しにして、年末からの株価暴落で即革命情勢だといっているが、みずからの経済主義を基礎にした経済決定論的大恐慌待望論であり、その言辞とは裏腹に、主体的に革命情勢を切りひらいていくものではない。実は、安田派中央には革命戦略がないのだ。
正確にいうと、革共同の「戦争国家化粉砕、改憲阻止・日本帝国主義打倒」「たたかうアジア人民と連帯し、日本帝国主義のアジア侵略を内乱へ」の革命戦略を投げ捨てた結果、短絡的に「労働運動で革命を」ということで、みずからの待機主義をごまかしているにすぎない。
これに対してわれわれは、この一年間生きていくための賃上げを、労働運動の存在意義と展望をかけて全力でたたかいとらなければならない。すでに資本は、昨年末から08年経済見通しの不安を理由に賃上げ要求を牽制してきたが、株暴落の責任は労働者にはない。ベア拒否の口実にさせず、連合路線を打ち破って実力闘争でたたかおう。

非正規職の正規職化を

経労委報告は、連合幹部にむけて「長期雇用や企業内労使関係などを特徴とする日本型雇用システムは、全体として健全に機能している」といいながら、「期間従業員、パートタイム従業員、派遣社員等を活用」する、「多様な就業形態」「柔軟な働き方」を広げるといって、非正規の使い捨てを居直っている。正規・非正規の格差問題は、「バブル崩壊後に採用を手控えたために非正規化せざるをえなかった」といって、95年以来の日経連路線の責任をごまかし、非正規労働者に、「長期雇用への道を開いていくことが全社会的な課題であることに疑問の余地はない」などといっている。全社会の課題であって、資本だけの責任ではない、というのだ。われわれは、経団連にこの責任をとらせていかなければならない。20代、30代の非正規労働者の正規化の要求を突きつけていこう。

格差打破へ均等待遇を

同報告は、正規・非正規間に「いまも差が残っているのは事実である」と、格差を一定認めながら、「企業にとって両者の間になんら上下関係というものはない」と心にもないことをいい、ワーキングプアの現実の深刻さについて完全にほおかむりしている。
格差対策としては、「合理的な根拠を欠く処遇の違いや偏見を解消し…」「長期雇用への転換・採用が容易な仕事・役割・貢献度を基軸とした賃金制度を整備する」といっている。「根拠」があれば、差別扱いしていいということであり、正規労働者の賃金体系改悪口実に利用しようというのだ。
そして、「経済的な格差の固定化を防ぐためにも、生産性向上を通じた経済成長の実現が強く求められる」と主張して、あつかましく資本優先の政策をつづけさせようというのだ。社会問題化している日雇い派遣、外国人研修制度については、「規律の見直し」をいうだけで廃止に反対している。
同報告は、「日本経団連は、同一価値労働・同一賃金の考え方に異を唱える立場ではない」としつつ、「同一時間労働・同一賃金ではない」と言明している。このような恣意的な価値評価をゆるさず、同一労働・同一賃金の原則で均等待遇を要求していこう。
特に、今年4月実施のパート労働法改定に関係して、熟練度・職能レベル・責任・就業時間帯・配置転換の有無などで差異があれば、処遇に格差をつけるのは合理的だといって、正規職との格差を正当化して法改定を今から骨抜きにしようとしている。紹介する紙幅がないが、規制改革会議の報告では、派遣法改悪や解雇規制の緩和など、いっそうの規制撤廃が主張されている。

一律大幅賃上げへストライキを

日本経団連は、独占資本のぼろもうけをごまかせず、「恒常的な生産性の向上に裏付けられた付加価値増加額の一部は、総人件費改定の原資にする」と、ベアに応じる姿勢を示した。ただし「横並びの賃金引き上げは過去のもの」としている。『前進』はベア容認と書いていないと論じているが、賃金改定の原資にするとはベアに応じるという意味なのだ。御手洗は「業績の良いところで、賃金が一定の水準に達していないところはベアをし、達している場合はボーナスで調整するのも良い」(10日会見)と発言している。
資本の言質をとらえて実現を迫ることは労働組合運動の常識である。階級対立の非和解性の本質を振り回すだけでは賃金闘争などできはしない。そういう路線では労働者は食っていけないのだ。
日本経団連は、中国、インドなど「新興国は、相対的に安価な労働費用…コスト面の競争圧力が増大」と賃上げを牽制し、同時に、低賃金ねらいで「あらゆるプロセスにおいてグローバルな立地の最適化を推し進めている」と自認するあつかましさだ。
「生産性の上昇・国際競争力の強化…の早期実現をめざす…課題は、連合としても共通認識として持ち得る」という連合中央を打倒してたたかわなければならない。
連合の大手単産は、自動車1000円以上、電機・電力2000円以上、私鉄3500円以上など、ベア要求を復活させているが、せめて生産性基準原理の範囲で賃上げをという要求水準だ。「パート共闘会議」は時給1000円もしくは25円アップを要求しているが、満額回答でも格差拡大はとめられない。全体の大幅賃上げをかちとるため、たたかう春闘、ストライキ春闘の復権が絶対に求められている。

命削る長時間労働を拒否しよう

東京地裁でマクドナルド店長の管理職性を否定する勝利判決がでた。月130時間にもおよぶ過酷な不払い労働を、これ以上ゆるしてはならない。
経団連は、「やむをえざる新規採用の手控えが…中堅従業員の不足と長時間労働につながっている」と、人減らしと長時間労働の責任のがれをし、過労死問題等の超長時間労働の実態にまったくふれていない。サービス残業拒否、割増率アップ、人員要求を一体的にかちとろう。

非正規職の組織拡大春闘を

関西合同労組を先頭にした、たたかう春闘では、〈生きられる賃金を! 子どもを育てられる賃金を! 将来設計ができる賃金を!〉のスローガンが提起されている。未組織労働者の労働条件改善は、組織拡大の課題と一体でなければならない。
組織拡大春闘を闘いとろう。派遣契約・請負契約を組合がチェックして、組織外の非正規労働者の労働条件改善を要求する闘いをつくりだしていこう。連合の〈非正規雇用の組織化方針〉を日経連路線の矛盾隠蔽のためのものにさせてはならない。 すべての職場で労働者の総団結をめざし、格差打破・組織拡大の08春闘にたちあがろう。08春闘で格差打破へ!

    

3面

関合労 08春闘始まる

「なくせ貧困! 許すな格差! かちとれ大幅賃上げを!」をメイン・スローガンに、1月20日、関西合同労組は、37名を結集して旗開き・春闘討論集会を開催した。
春闘討論集会では、職場復帰をかちとり仕事を終えてかけつけた関西トランスポート分会や、解雇撤回をたたかうコムサ分会など各分会からの報告をうけ、春闘委員会からの提案にたいする討論がおこなわれた。
公務職非正規のA分会は、賃上げ要求に加えて給食民営化反対の要求を、日教組や市職労など他組合との共闘でたたかう方針を表明した。またM分会は、昨年末に連続55時間労働をさせられた正規職の問題を、彼らが所属する組合にたいする怒りを組織して、安全衛生闘争としてたたかうと決意表明した。 
日本経団連は大企業のぼろもうけをごまかせず、「恒常的な生産性の向上に裏付けられた付加価値増加額の一部は総人件費改定の原資にする」とベア要求に応じるかのような姿勢を示しながら、中小企業には「横並びの賃金引き上げは過去のもの」(経労委報告)といっている。冗談ではない。生きていけないような賃金を強制され続けられてたまるか。
春闘討論集会では、次の二点を確認した。
第一に、非正規・正規を問わず一律大幅賃上げを要求して、各分会で、実際に賃上げを実現することにこだわってたたかう。
第二に、非正規職の撤廃をかかげ、組織拡大の課題と一体のものとして派遣労働者や請負労働者、パート労働者の労働条件の格差是正、正社員化を要求してたたかう。K分会やI分会での正社員化実現のたたかいに学び、それぞれの職場で非正規雇用の労働者の要求をかかげてたたかう。非正規の労働者、未組織労働者の労働条件の改善なくして、真の団結は形成できないし、正社員の労働条件もよくならない。
関西合同労組は、2月中旬の春闘要求統一行動から本格的なたたかいに突入する。(兵庫通信員AN)

教労 卒入学式闘争に向かって前進

私は不起立で自分の生き方つらぬく

教育現場で働いていると、日帝・国家権力の狙いが手にとるようにわかる。憲法9条を改悪し戦後的制約をぶち破り、自衛隊を再び侵略のための軍隊としていく攻撃と、教育現場へのあらゆる攻撃とが一致するからだ。戦後の経済成長を支えた教育から、侵略戦争をになえる若者を育てる教育へと大転換をはかろうとしているのだ。
今、文科省は、全国の教育現場に『こころのノート』という本を強制的に送りつけている。国家への忠誠心を植えつけることを狙った恐ろしい本である。
戦前の『修身』の教科書と驚くほどよく似ている。ひと握りの資本家の延命と利益のために、人を殺せる若者をつくりあげようと必死になっているのだ。この先にあるのは、労働者階級人民の地獄ではないか。再びの侵略ではないか。帝国主義とはここまでやるんだ。

天皇制と愛国主義教育を拒否

『日の丸・君が代』の強制は、卒業式・入学式だけの問題ではない。ここを突破口として教育現場全体に天皇制・愛国主義教育を貫いていこうとする攻撃だ。戦争教育がもう目の前にみえている。「『君が代』の伴奏をやったら自分は終わりだ」という同僚の音楽教員がいる。子どもたちに反戦・平和を教えてきた私たちにとって、『日の丸・君が代』強制とのたたかいは、絶対にひくことができない一線である。だから、全国で多くの仲間が踏ん張っている。
新勤務評定や差別賃金、新たな職(中間管理職)の導入、そして、学力テストの強行や解放教育・平和教育への圧力。敵の攻撃は激しい。
職場の団結。戦後的教育のあり方と、私たちが被差別人民のたたかいに学び、築きあげてきた解放教育。そして、「再び教え子を戦場へ送らない」という決意の平和教育。これらすべてを解体していこうとしているのだ。
『日の丸・君が代』の強制は、これら全ての攻撃と一体の攻撃である。とりわけ『日の丸・君が代』が、強圧的・暴力的なのは、天皇制思想のもつ暴力性であり、この反動の力で、教育労働者の抵抗とたたかう心を打ち砕こうとしているのだ。

武器は団結

私たちの武器は団結である。職場には共に不起立を宣言している仲間たちがいる。たとえ不起立はしなくても、全員が『日の丸・君が代』強制に反対だ。職場の仲間と共に、管理職への分会交渉、職員会議での交渉を積み重ねよう。卒入学式当日は、私もまた不起立で、自分の生き方をつらぬこう。(教育労働者ST)

追及して動かせる手応え「日の丸・君が代」強制反対で府教委交渉

1月25日、〈みんなでとめよう! 教育改悪全関西の集い実行委〉が呼びかけた、恒例の府教委交渉が大阪赤十字会館で行われた。現場教育労働者を中心に、約20名が参加した。
大阪府教委は、1月9日に卒入学式にむけた通知を発出し、「日の丸・君が代」の「適正な」実施を指示している。昨年と同文であるが、学校教育法改悪後であり、強制が強まらない保障はない。
交渉では、昨年につづいて、竹内前教育長による府立高校卒業式での祝辞問題が取りあげられた。前教育長が「起立斉唱しないのは非常識」と発言したことにたいして、卒業生が抗議の投書を出したことについて、府教委の見解を文書で回答することとなった。
府教委は、職務命令を出すなとの申し入れに「校長が判断して出す場合は支援する」と回答したが、教育になじまない命令や処分を出すなと追及した。
さらに、評価システムとの関係で、不起立で不利益扱いされることはないとの回答だった。しかし、04年に不起立等を理由にC評価にされた高校教員から、実際には不利益扱いがあり、苦情処理を申立てても認められない、人権擁護委の調査中だが掌握しているかと追及し、文書回答の確約を勝ちとった。
参加したAさんは「府教委に主体性がなく、国の言いなりになっているが、追及して動かせる部分もある。小さくても成果があった」という。現場でのたたかいはこれから始まる。

英会話会社NOVA倒産と外国人講師のたたかい

昨年の秋、労働者は無関心だという神話とは正反対の行動がノバをめぐっておこった。大手英会話会社ノバの倒産の危機はずっとささやかれていた。

ストライキ!

07年9月に本当に給与が遅配となった。ここから外国人講師たちの抗議の行動がはじまった。
外国人講師たちは、はじめは、わざとヒゲをそらないで不細工な顔で出勤したり、メイクなしでレッスンをしたりといった形で抗議の意志を表していった。
10月も給与が遅配になりそうという報がもたらされたとき、講師たちは、自発的に休憩室に集まって、仕事を放棄するということをはじめた。給料が出ないかぎり欠勤するという動きもでてきた。山猫ストライキのはじまりだった。
ノバには、外国人講師を大きく代表するゼネラルユニオンの支部が、何年も地道な組織化をつづけていた。そして、10月の給与が遅配になったとき、東京のノバでは、外国人講師たちがストライキにたちあがった。また、大阪では外国人講師たちが労働基準局まで抗議のデモ行進をおこなった。

再度のリストラは不可避

10月26日にノバが会社更生法の適用を申し立てた。そして、新しいスポンサー企業であるGコミュニケーションのもとで、ニュー・ノバという名称で営業を再開することになった。講師たちについて、大きくは採用する方針となった。生徒と講師たちは少しずつ戻ってきている。
しかし、また大規模なリストラがおこなわれる可能性が高いだろう。どの道、講師たちは、悪化した条件で働かないといけない。そして、新しいスポンサー企業にとって期待した収益があがらないとみた場合、ふふたび労働者たちにしわ寄せが押しつけられることになるに違いない。

市場の論理

ノバの問題は、一企業の倒産問題にとどまらず、言語教育業界全体の危機をはっきりと示している。経営者が経営方針をまちがったためにおこった事態でもない。
ノバは、資本主義の市場の論理に対応して、競争していく経営方針をとる中で、破産してしまった。英会話業界において――あらゆる業界においても――市場の論理の必然的な圧力からのがれることはできない。

外国人と日本人の具体的な連帯

残念なことに、給与が遅配となり、家賃が払えなくなった講師たちの多くは、その後、住宅を追い出され、帰国を余儀なくされた。追い出しという事態は、企業の破産にくわえて、外国人労働者と日本人労働者という2層構造によってもたらされた問題だった。追い出し事件はまた起こりそうだ。日本人借り手と外国人借り手が手を結んで排除に抵抗するしかない。
外国人労働者が多くなる日本において、革命家は言語障壁を乗り越えて、抽象的な連帯ではなくて、実質的な連帯で2層構造をうちやぶっていく必要があるのだ。(ノバのたたかいの中から寄せられた労働者通信員MDさんからの報告です)

4面

2万%の大ウソつき橋下徹の正体 1/27大阪府知事選

橋下徹が他侯補に大差をつけて当選した。何かやってくれるのではないかという期待感がかたられている。とんでもない。東京都知事石原につづく、新自由主義政策の突撃隊なのだ。
当選した橋下が「府債の発行をゼロにする」との構想をうちだした。これは大問題だ。これはアメリカやイギリスでの新自由主義の攻撃のやり方、日本の国鉄分割・民営化のやり方とまったく同じだ。
支配階級は、財政破綻というみずからつくり出した危機を逆手にとって、労働者階級にたいしてある種の戦争をしかける。それは労働者階級が生きるためにたたかいとってきた権利や福祉をことごとくはぎとるものだ。
橋下の構想の実現は、府職員の賃金大幅カットと首切り、高齢者、子ども、「障害者」への医療費助成のカット、私学助成のカット、公共施設の全面有料化、府民税の大幅値上げ…なのだ。要するに、六本木ヒルズに住むようなひとにぎりの大金持ちと、膨大なワーキングプアという現実を徹底的に促進するということだ。
橋下は、このような現実にひとかけらの痛みも感じていない。それどころか橋下は自分は2500万円の脱税で追徴課税されながら、貧困に苦しむ人たちにむかって「納税しないものは生きる資格がない」といってのける輩(やから)なのだ。中国での日本人による集団買春にかんして、「日本人による買春は中国へのODAみたいなもの」といってのけるのだ。そしてこの心情から「生きる資格がない」者を"徴兵"して戦争をやればいいと考えているのが橋下なのだ。もちろん自分は安全な地位を確保して。ある新聞の投書に、橋下徹とは、「人びとのやり場のない憤りや閉塞感を、劣情の側からすくいあげる卑劣な扇動家」とあったが、実に当を得ている。
みなさん、橋下当選は重大事態だ。橋下府政のすべての政策に反対し、橋下府政を倒そう。大阪府職のみなさん、橋下の労働組合つぶしと闘い、自治体労働運動の戦闘的再建で橋下構想をぶっとばそう。

朝鮮総連と京都府朝鮮商工会にたいする不当弾圧を弾劾する

1月21日と22日、京都府警は、京都府朝鮮商工会、朝鮮総連三丹支部など、15カ所にたいして「税理士法違反」を口実に強制捜索をおこなった。この弾圧は、朝鮮総連の施設にたいするさしおさえ攻撃、民族学校にたいする土地とりあげと政治弾圧、拉致問題のキャンペーンなどと軌を一にする攻撃である。
福田政権は北朝鮮にたいする侵略戦争を本気で準備している。在日朝鮮人民が体を張って抵抗することを恐れている。そして在日朝鮮人民の抵抗と日本の労働者のたたかいとが結合して大爆発することを心底恐れている。だから在日朝鮮人団体の破壊を狙うとともに、日本の労働者と在日朝鮮人民との分断を狙っている。日本の労働者階級は、このような狙いをみぬき、不当捜索を弾劾し、在日朝鮮人民との連帯をつよめてたたかおう。
2月2日昼過ぎ、この政治弾圧に抗議するデモ行進が、朝鮮総連京都府本部の呼びかけでおこなわれた。

沖縄・岩国に続こう!=2・10集会の成功を=

職場・地域に改憲阻止闘争・政治闘争の核になる運動をつくりだし、「沖縄・岩国に続こう!福田を倒せ!改憲とめよう「2・10集会」の成功をかちとろう。

沖縄・岩国の闘いに続こう続こう

まずサブスローガンの「沖縄・岩国に続こう」が重要である。
07年の転回点は、7月参議院選挙での自民党の惨敗と、9・29沖縄県民大会の11万6千人の決起である。小泉・安倍は規制緩和・民営化路線で、格差拡大と膨大な貧困層をつくり、イラク派兵・改憲攻撃を進めてきた。労働者人民は、このふたつの攻撃を激化させる安倍極右政権に、100%のノーをつきつけたのだ。
その最先端の沖縄では、過去の歴史の隠ぺいと現在の戦争準備が一体の攻撃として襲いかかることを、再びの沖縄戦の道だと直感し、95年を上回る決起を実現した。つづく岩国も同様である。米軍基地強化に市長をもおしたててたたかっている。95年の日経連報告以降の格差・貧困の拡大、03年イラク戦争と自衛隊派兵、そしで06年教育基本法改悪、07年国民投票法制定で改憲攻撃に手をかけたことへの怒りに、闘いの方向性を与えるよびかけこそ「沖縄・岩国に続こう!」だ。

再議決・再派兵強行した福田を許すな

安倍政権は人民の怒りの前に倒壊したが、つづく福田政権はどうか。たしかに福田はアジア外交や「国民本位の行財政への転換」などと安倍との違いを演出してはいる。しかしそれは安倍のように「美しい国」一本やりでは改憲への道が突破できないからであり、対テロ給油新法の再議決で日米安保同盟維持のためには何でもすることがはっきりした。
海上自衛隊の再派兵、PAC3の配備、沖縄辺野古基地建設、米軍再編への大幅予算拠出と、小泉・安倍以上の、戦争推進・改憲突撃政権なのだ。

職場・地域からの運動を本格的に

この福田政権と対決するには、職場・地域に沖縄・岩国のようなたたかいを実現する核となる運動をつくりだすことだ。そのために三全総(62年の革共同全国委員会総会)が提起したたたかいを復権することだ。
職場・地域で、共産主義者として、政治反動、格差・貧困・雇用破壊、福祉切りすて、日常的な排外主義・反動的イデオロギーにたいし、ねばり強く対決することである。これらと切り離されたところで「○○集会に決起せよ!」とか、大言壮語や党派的利害のみを強調するのは誤りである。
敵の攻撃の弱点をつき、小さな勝利を積み重ね、そのようにして共同の運動を進めるなら、生活と反戦の思いを一つにして、連綿とたたかわれてきた沖縄や三里塚のたたかいを職場・地域の伸問は理解する。

知花昌一さんと沖縄の闘いに学び続こう

沖縄=日本の民衆運動の先頭にたちつづけてきた知花昌一さんの訴えをきこう。知花さんは、青年期には復帰闘争と沖縄大学廃校阻止をたたかい、1980年代には読谷村の地域活動家として沖縄戦の集団「自決」の事実をほりおこし、87年の沖縄国体では戦争の旗=「日の丸」を引きおろし、米軍基地=象のオリの地主として基地施設を撤去させた。
そして辺野古新基地建設反対と9・29決起をたたかってきた。この知花さんや沖縄民衆の運動は、生活破壊(失業率全国一)と基地H戦争攻撃とたたかい、福田を追いつめている。このような運動こそ今後の私達の運動の道しるべだ。
2・10集会の大衆的成功は地域・職場に小さくても改憲阻止の核をつくり出すことになる。それは革共同の細胞建設のたたかいそのものだ。三里塚での市東さんの農地取り上げを許さず、G8サミット粉砕へ、大衆的うねりを作りだしていこう。2月10日の岩国市長選必勝と一体で、2・10集会の大衆的成功をかちとろう。

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