未来・第35号


            未来第35号目次(2009年6月16日発行)

 1面  成田空港 7月新誘導路・
     10月北延伸滑走路の供用開始反対
     反対農家への殺人的騒音ゆるすな!
     反対同盟の呼びかけにこたえ7・5三里塚へ

     6・14 改憲阻止 首都でデモ

     極右デモに抗議行動
     在日・滞日外国人の排斥をゆるすな
     6/13 京都

 2面  改憲の原案づくり着手ねらう
     憲法審査会規程を強行

     関西合同労組U運輸分会<09春闘>
     トラックに横断幕 8時間ストに突入

     GM クライスラー
     経営破綻を労組攻撃に転嫁
     GMの破綻・国有化で恐慌が新局面に

 3面  JP労組が定期大会(6月17〜19日 仙台市)
     JPEX問題 労働条件引き下げを丸のみ

     加古川郵便局労働委員会の第4回審問
     「(民営化とは労使が)協調してやっていくこと」―
     支店長(当時)・梅澤

     「医療観察法」は保安処分―高見元博

 4面  被爆64周年
     新たな発想と進路をさがす試み
     「8・6 ヒロシマ −平和の夕べ−」へ
     桂 晋一郎

 5面  夏期特別カンパのお願い

 6面  新型インフル
     豚の過密飼育が原因
     新自由主義による犯罪

     (投稿)再建協議会に期待

 

成田空港 7月新誘導路
10月北延伸滑走路の供用開始反対
反対農家への殺人的騒音ゆるすな!
反対同盟の呼びかけにこたえ7・5三里塚へ

政府と成田空港会社は、新誘導路を7月に、北延伸した暫定滑走路を10月に、それぞれ供用開始しようとしている。
狙いは生活と営農の破壊だ。天神峰・東峰地区で営農し闘う市東孝雄さんら反対農家の頭上にジャンボ機を飛ばし、地区内を地上走行し、騒音地獄と環境破壊にたたき込み、生活と営農を不可能な状態に陥れ、生命の危険にさえ追い込もうとしている。これは暴力で農地を強奪するという40年間変わらないやり方だ。

天神峰・東峰地区にジャンボ機が侵入

新誘導路と北延伸滑走路の供用開始に向けて、攻撃が激化している。
・5月7日、国道51号線近くに建設していた、航空機のすれ違い用の待機スペースと、現在の連絡誘導路の南側に建設していたB誘導路の使用を開始した。
・5月12日と19日、「着陸誘導電波の性能テスト」と称して、ジャンボ機を使い、誘導路の走行テストを行った。
・5月20日、北延伸で2500mにする工事を進めていた暫定滑走路の供用を、10月22日に開始するとして、成田空港会社が国土交通省や千葉県に報告した。
・ 6月1日、東京高裁は、暫定滑走路認可取り消し訴訟控訴審で、請求棄却の反動判決を下した。
・「へ」の字に曲がっている現在の西側の誘導路に加えて、新たに建設していた南東側の誘導路の供用を、当初予定より9カ月も早め、この7月にもはじめようとしている。
・暫定滑走路北側では、東関東自動車道をまたいで進入灯を設置する工事が行われている。

騒音地獄と環境破壊の暴力

02年の暫定滑走路の開業以降、天神峰・東峰地区では、飛行機が民家の頭上40mを飛び、早朝6時から深夜11時まで騒音をまき散らしている。さらに今回の北延伸滑走路の供用開始を機に、中型機までというこれまでの制限を外し、ジャンボ機やエアバス340などの大型機まで使用しようとしている。
ジャンボ機の大きさは中型機の1・5倍、騒音も殺人的で環境破壊もはるかに激しい。
5月12日と19日の走行テストでは、ジャンボ機が、東峰・天神峰地区に入り込んできた。この騒音地獄と環境破壊を、これから毎日、強制するぞという威嚇だ。
政府や空港公団(現成田空港会社)は、「滑走路工事にあたっては地権者の同意をうる」(94年円卓会議)と約束したが、実際には、騒音地獄と環境破壊という暴力で農地を強奪しようとしているのだ。

不動の決意で営農に励む市東さん

こういう中で市東さんは今日も畑に立っている。キュウリやズッキーニ、ニンニクなどを収穫し、ナスの作付けを行なっている。試行錯誤の甲斐あって今年はどれもできがいいと市東さんが笑顔を見せる。
このような市東さんの畑仕事を、公安警察の車が2台も3台も張り付いて四六時中監視している。国家暴力の刃を突きつけているのだ。これが市東さんの日常だ。
しかし市東さんは、泰然としている。野菜と対話しながらもくもくと働き、この暴力を打ち返しているのだ。

じゃがいも堀り大会で手本をみせる萩原富夫さん(手前)と進さん(6月6日)

全人民の生活と権利かけて

三里塚闘争の歴史と現実が示していることは、帝国主義は、民主主義とか人権といった建前などいつでも弊履の如く捨て去り、むき出しの暴力をもって利害を貫こうとするということだ。
戦争と恐慌の時代にあって、この事実が全人民に等しく降りかかっている。そういう今だからこそ、三里塚闘争と、労働者人民の生きるための闘いが結びつき、大きく発展するときがきたのだ。
市東さんの農地を守れ! これは私たち自身の生活と権利を守ることなのだ。
三里塚の現実と市東さんたちの闘いを広め、7月5日、三里塚に全国から結集しよう。〔要項6面〕

6・14 改憲阻止 首都でデモ

9条改憲許すな!永田町をデモ(6月14日都内)

「憲法第9条改定を許さない6・14全国集会」(主催:同集会実行委)が東京・社会文化会館ホールに550人を集めて開かれ、集会後、日比谷公園までデモ行進が行われた。
5月過程で、海上自衛隊の哨戒機P3C 2機、海上自衛隊100人と陸自中央即応連隊50人の計150人が新たにソマリア周辺に派兵された。さらに、小牧基地(愛知県)から、航空自衛隊の輸送機C130Hがジブチとの間で軍事物資のピストン輸送を開始。
海賊対処法案は、参院で審議中であるが、政府与党は、6月18日参院での否決(予定)をうけて、19日にも衆院再議決で強行成立させることを狙っている。全力で阻止しよう。

海賊対処法案粉砕 国会行動へ

18(木)、19(金)連日午前10時から 衆議院第2議院会館前
主催:9条改憲阻止の会

極右デモに抗議行動
在日・滞日外国人の排斥をゆるすな
6/13 京都

ファシズムとたたかったスペイン内戦(1936〜39年)のとき掲げられた「NO PASARAN!」(奴らを通すな)のスローガンも(6月13日京都)

さる4月11日、埼玉県蕨(わらび)市で、同市内在住のフィリピン人一家の排斥を煽るデモを強行した「在日特権を許さない市民の会」を名乗る極右団体〔本紙31号で既報〕。この団体が6月13日、京都で同様の在日・滞日外国人排斥を煽るデモを強行した。
同会は、ありもしない「在日特権」なる言葉を捏造し、ただでさえ不十分な在日・滞日外国人の人権をさらにおとしこめようと活動している連中だ。京都のデモで掲げていたプラカードは、怒りなしには語れない。
この右翼の動きにたいして、「外国人排斥を許さない6・13緊急行動実行委員会」がたちあげられ、全国にむけて、抗議行動が呼びかけられた。抗議行動への賛同は、12日までに754の個人・団体から寄せられ、危機感が広く共有されつつあることをうかがわせた。
抗議行動は、当日午前11時、京都・三条大橋の河川敷に300人が集まり、主催者からの提起、参加団体からの発言をうけ、11時30分から繁華街の河原町通りをデモ行進し、沿道の人々に訴えた。
午後2時からは、同会のデモを迎え撃つ街頭行動がおこなわれ、デモコース3ヶ所で横断幕を広げ、マイクアピール、ビラまきをおこなった。
とりわけ、四条河原町交差点では、通行中の市民も交えて、極右デモ弾劾の大コールがまきおこった。

2面

改憲の原案づくり着手ねらう
憲法審査会規程を強行

自民・公明の与党は11日、衆院本会議で、改憲原案の審査などを行なうとされる「衆議院憲法審査会規程」案を強行可決した。
規程の内容は、@委員数は50人、A国会閉会中でも審査会を開会できる、B出席委員の過半数で議決、C改憲案は公聴会を開くなど。
次は参院での規程制定が問題になる。現時点で与党は、参議院憲法審査会規程が制定されるまでは、衆院での委員選任は行なわないとしている。

改憲攻撃が新段階に

憲法審査会とは、安倍政権が強行した国民投票法=改憲手続き法(07年5月成立)に基づくもので、憲法審査会を動かすということは、改憲原案づくりに着手し、国民投票法施行(来年5月)後には、いつでも改憲原案を提出できるようにしたいということだ。
それを政権与党だけで強行採決し、改憲に向かって大きく踏み出した。

狙いは9条の破棄

改憲の最大の目的は、憲法9条の2項〔戦力の不保持〕〔交戦権の否認〕を削除し、それに代えて〔自衛軍の保持〕という項目を書き込むことだ。もって〔戦争の放棄〕を謳った憲法9条を破棄し、〔安全保障〕の名の下に侵略戦争を合法化することだ。

自衛隊の突出

現実の自衛隊の展開は、憲法9条の制約をどんどん踏み破っている。
・自衛隊法のデタラメな拡大解釈で、自衛隊の陸海空3軍が、ソマリア沖で船舶護衛作戦や「海賊」掃討作戦を展開している。

ジブチに派兵された中央即応連隊(5月16日宇都宮駐屯地)

・海賊対処法案では、海賊対策を口実に世界中のどこへでも無期限に派兵し、集団的自衛権行使も武力行使も可能にしようとしている。
・朝鮮民主主義人民共和国に出入りする船舶の貨物検査(臨検)を、公海上で自衛隊が行おうとしている。戦争挑発そのものだ。現状では周辺事態法を発令するには至らず、現行の船舶検査法は発動できない。そこで、臨検を可能とするための新法を今国会で通そうと狙っている。
・金正日政権によるロケット発射や地下核実験を口実に、自衛隊が北朝鮮の基地に対して先制攻撃を加える「敵基地攻撃」を、自民党が公然と言い出している。
・防衛省改革では、これまで背広組(文官)が行なっていた政策立案や部隊運用の法令づくりを、制服組(武官)に移し、制服組の権限強化と文民統制の空洞化が狙われている。

派兵問題が最大の攻防

支配階級も、労働者人民の多数が改憲を支持していないことはわかっている。だから改憲を発議する前に、憲法違反を承知でどんどん自衛隊の展開を拡大し、実際の戦争に踏み込んで、既成事実をつくってしまおうとしている。そしてその既成事実を追認させるというやり方で、9条改憲を承認させようとしているのだ。
海賊対処法案をはじめとする現実の戦争をめぐる攻防が現下の最大の憲法闘争になっている。このことをはっきりさせて、国会闘争への取り組みと全国各地での運動づくりに全力をあげよう。

関西合同労組U運輸分会<09春闘>
トラックに横断幕 8時間ストに突入

本社に対してスト突入宣言を読み上げる(6月5日大阪市内)

6月5日午前3時半、大阪市内の営業所にて、関西合同労組U運輸分会の仲間が、09春闘要求貫徹めざし8時間ストライキに突入した。
契約社員6人、正社員4人の組合だが、昨年正社員に登用されたYさんは、正社員と同一の労働を契約社員として6年間勤めたのに、この6年間は定昇に反映されていない。契約社員時代の勤続年数を評価せよという要求だ。また、契約社員は毎月の賃金は正社員とそれほど格差はないが、一時金が約10分の1で2・2万円回答という差別に怒っている。
さらに、以前存在していた組合をつぶすために会社は、1970万円という巨額の金を吐き出していたことが発覚した。会社は、さまざまな組合破壊の不当労働行為をおこない、関西合同労組対策のために新たな労務屋を雇った。
深夜手当についても、組合が労基署に申告して追及し、はじめて支払うというデタラメさだ。
ここは、組合員たちが怒っていることをはっきりと突きつけたい。分会は議論を重ね、ストライキで闘うことを決定した。

本社は大わらわ仲間は笑顔

36時間前に指名スト(トラック3台)を通告。本社は緊急役員会議を開きおおわらわ。ここ20年はストもなかった。通告の翌日、取締役を張り付かせた。組合はスト破りを阻止するために、スト前日からトラックに張り紙を行い、もし会社がスト破りを強行する場合は、スト指名の拡大・荷主への部隊移動を行う旨通告した。
スト前夜、部長がストに入る3台の車から張り紙を撤去したため、分会は部長につめより、「家に帰っているのに、張り紙はがしに来いとはどういうことや。こっちは、法律に基づいて、ストライキに突入しとんや!」「隠した張り紙返せ!」と追及して、再度張り紙を行い、車に横断幕を張り、出社する仲間にスト突入を知らせた。出勤してくる仲間が笑顔で手を上げ、関西合同労組の闘いに期待を寄せた。
朝6時半まで車内で待機し、8時半に本社近くの公園で決起集会を開いた。分会から8人、全体で30人をこえる仲間が集まり、ストに決起した仲間を激励した。参加者全員で本社に出向き、スト突入宣言を読み上げ、社前行動を闘った。
ついで、ファミリーレストランに移動して、交流会をおこなった。解雇され争議・裁判闘争を闘う仲間も、「元気をもらった。頑張る。支援をよろしく」と気合が入った。
その後、最寄りのJR駅頭で一時間のビラまきを行なった。
5月31日の関西合同労組中大阪支部交流会でのスト支援の訴えからはじまり、短期間で闘争態勢を作り上げ、関合労あげてのストライキ闘争として闘った。分会掲示板に準備したストのビラ30枚はあっという間になくなった。
この地平にふまえて組織拡大に打って出よう。要求を実現しよう。(関合同労組合員・A)

GM クライスラー
経営破綻を労組攻撃に転嫁
GMの破綻・国有化で恐慌が新局面に

6月1日、ゼネラル・モーターズ(GM)が、連邦破産法11条(民事再生法に相当)適用を申請し、経営破綻した。「事前調整型」のものではあるが、負債総額は1728億ドル(約16兆4千億円)という規模で、米製造業史上最大の破綻となった。
オバマ政権は、「米自動車産業が崩壊していれば経済に壊滅的打撃を与えていただろう」と述べて、GM再建への政府の全面支援を合理化して、301億ドル(約2兆9千億円)を追加融資しようとしている。新生GM株の60%を連邦政府が保有する実質的な国有化で再建する方針だ。
GMは昨年末に6万2千人だった工場労働者を、来年末までに4万人に減らす予定だが、さらに17工場を閉鎖し、事務系社員も年内に約1万人削減する。また、全米自動車労組(UAW)は協約の改定に応じて医療保険などのコスト削減案も受け入れたという。

GM国有、クライスラー組合有に

伊フィアット社と労働組合が株主になる予定のクライスラー破綻とあわせ、米帝の花形産業没落を象徴する事態だ。巨大独占資本が倒れて「国有」「組合所有」となるのは、「株主資本主義」とも言われた新自由主義政策の破綻の象徴ではあるが、ただちに「資本主義の終わり」になるものではない。企業の存続と雇用維持を引き換えに、値崩れした株券と社債を国民の血税と組合資金で肩代わりさせ、資本を延命させようというのだ。
次の問題は、実体経済をめぐる世界恐慌が今後どうなるか、世界的な自動車産業の再編がどうなるかである。現時点で株式市場の混乱は起こっていないが、低燃費・小型車市場でGMやクライスラーが再生できる見通しはない。むしろ、下請け企業や素材産業をはじめとする関連産業への波及と、大量失業者の排出が、米経済をさらに転落させていくことになるだろう。

オバマは「自動車産業が崩壊したら経済の打撃」として、GMの国有化と大合理化を発表(6月1日ホワイトハウス)

対日欧競争の敗北を労働者の責任に

GMの経営破綻は、サブプライムローンと同じ手口で自動車ローンを証券化して転売してきた経営手法が破産したもので、金融恐慌と直結しているが、そんな手口を使わなければ市場を確保できなくなっていたのだ。米国内市場を含め、自動車ビッグ3が日欧資本との競争に敗北してきたのだ。低燃費の小型車開発や、ハイブリッド対応の遅れ、生産コスト競争での敗北、とくに労働コスト面の問題が取りあげられている。
GM労働者の時給は26ドルで、製造業の平均より7割高いとされ、全額企業負担で退職者分も含む健康保険や年金経費を含めて、時間当たり賃金は約70ドルになるとされる。社会保障制度が不備な中で労働運動が勝ちとってきた成果が非難されているのだ。
経営破綻による労働条件の改悪は、日帝資本の労働者にも降りかかってくることになる。

3面

JP労組が定期大会(6月17〜19日 仙台市)
JPEX問題 労働条件引き下げを丸のみ

一昨年の10月に、JPU(旧全逓)と全郵政との組織統合によって生まれた日本郵政グループ労働組合(JP労組)の第二回定期全国大会が、6月17日から3日間、仙台市で開催される。
いま郵政事業で働く労働者にとって大問題となっているのは、今年10月1日から本格始動が予定されている、JPエクスプレス(JPEX)の労働条件である。
当初、会社側が提示した内容は、基本給の引き下げ、定期昇給制度なし、休息時間なし、年間労働時間を郵便事業会社の1986時間から2080時間へと延長するなど、著しく労働条件を引き下げるものであった。
これに対してJP労組本部は、今年4月に「JPエクスプレス社における労働条件に関する要求書」を会社に提出し、5月8日に中央交渉が行われた。そこで会社側は、「基本給引き上げ」の要求に対して、「同業他社と同様の水準」を理由にこれを拒否した。「休息時間」の要求に対しては、「業務中の手すき時間を利用して、適宜休息させる」というもので、事実上の拒否回答であった。また「定昇制度導入」の要求に対して1000円〜1500円の定期昇給案を提示したのみであった。これは現行の正社員の3000円〜3500円に比べると3分の1以下の大幅な賃下げである。「年間労働時間短縮」の要求に対しても、わずか24時間短縮しただけの2056時間という回答であった。まさに惨憺たる結果であった。
ところが大会議案書では会社の回答の中に「今後、JPエクスプレスにおける事業の発展、経営状況の改善と共に、貴組合とも協議の上、労働条件の改善を図っていく」という一文が入ったことが成果であるかのように持ち上げているのだ。
この会社の回答は、10月本格始動すら危ぶまれているJPEXにおいては、「経営状況が改善しなければ労働条件を引下げていく」ということしか意味しない。にもかからず本部は今大会で、「一定の前進回答を引き出した」とし、「妥結承認と今後の対応は本部一任」を提案しているのだ。

「頑張った者が報われる」と格差推進

本大会のもう一つの焦点は、今年4月27日郵政グループ各社が提示した「人事・給与制度の概要」「各種手当制度の概要」への対応である。
会社側が提示した給与制度の問題点は、新たに導入する査定昇給である。現行の加算昇級はA、B、Cの3段階査定だ。これにマイナス査定のD、E2段階を加えた5段階査定にするというのである。Dランクで1・4号俸カット、Eランクで2・8号俸カットとなる。まさに労働者を分断し、競争に駆り立てて全体としては賃下げをおこなう内容だ。
ところが大会議案書では「総体的には頑張ったものが報われる制度の組み立てとなっており、現行制度と比べてもよりメリハリが大きなものとなっている」と評価しているのである。
綱領に「生産性運動の推進」を掲げるJP労組は、労組とは名ばかりで、会社のために労働者の権利を奪い、労働条件の切り下げを強制する組織へと急速に転落している。
いま求められているのは郵政事業で働く総ての労働者による職種や雇用形態のちがいをこえた共同闘争を創りだしていくことである。

加古川郵便局労働委員会の第4回審問

「(民営化とは労使が)協調してやっていくこと」―支店長(当時)・梅澤

6月2日午後、加古川郵便局労働委員会の第4回審問が行われました。
今回は加古川分会長(当時)の江渡績さんと、会社側の梅澤加古川支店長(当時)に対する反対尋問でした。

支店側、不当労働行為の隠蔽に失敗

会社側は、加古川分会機関紙『躍動』が、江渡さんに私物化されているとか、07年9月19日の局推進委員会の後3ヵ月間、組合がワンフロアー問題を放置していたように描こうとしました。
江渡さんは「『躍動』は分会員みんなの意見をくみ上げて書かれている。局推進委での組合側質問に対して3ヵ月も放置していたのは会社側ではないか」ときっぱりと反論しました。
さらに「支店側が『いつになったら労使協調になるのか、いつまで会社批判を続けるのか』と『躍動』に干渉して路線転換を迫ってきた。処分という圧力を加えてワンフロアー化に反対しにくくしようとしたことが不当労働行為だ」と会社を弾劾しました。

労働三法も知らない支店長

「支店長が考える正常な労使関係とはどのようなものか」という申立人側の質問に梅澤は、「会社の発展で社員は幸せになれる。その方向に意思疎通がスムースに行くことだ」と答えました。職場の労働者の当たり前の団結と要求を裏切り、組合を労使協調に歪めることが「正常だ」と思っているのです。
労働三法を知っているかと問われて、梅澤はなんと「団結権、後は忘れた」と労働三法と労働三権を混同したあげくに、どちらもまとも答えられないというお粗末な姿をさらけ出しました。こんな支店長の「組合とのていねいな話し合い」をしたという主張がまったくのウソであることは明らかです。

労使協調しか認めない姿勢を暴露

また、『躍動』の記事のどこが問題かと問われると、「支店長手法、一方的に実施。少しは組合の主張に耳を傾けよ」というのが「人身攻撃」であり、「分会員には梅澤支店長への怒りが渦巻いている」というのが行き過ぎた攻撃だといいました。つまり組合員の意見を取り入れる『躍動』のあり方そのものが問題だというのです。
しかも、「支店長批判を続けるなら組合事務所、組合掲示板の便宜供与をやめる」という「最後通告」について、「警告の意味合いです」とゴマかしました。
「民営化したら意識を変えろ」とはどういう意味かと問われて、「協調してやって行こうという事だ」と。労使協調組合しか認めない郵政当局の意思があり、組合員の意思を汲んでワンフロアー化に反対するような組合は認めないという郵政当局の全体像を明らかにできました。
加古川支店と近畿支社は、組合機関紙の内容変更、掲示(掲出)禁止や組合事務所の使用禁止という、近年、近畿はもちろん全国でもなかったような攻撃に出てきました。毎回の審問が、この攻撃との攻防です。毎回、多くの郵政労働者が集まってくれています。加古川郵便局事件が注目を集め、立場の違いを超えた闘いの広がりを感じます。(T)

「医療観察法」は保安処分
(神戸で学習集会)―高見元博

5月22日、「心神喪失等医療観察法撤廃の集い」が神戸市内でひらかれました。保安処分病棟に反対する有志連絡会の主催、兵庫県精神障害者連絡会の共催で、「肥前病院自殺事件から収容所列島日本を問う」と題した学習集会です。
兵庫県精神障害者連絡会から医療観察法の概要と自殺事件の概要の報告、社会的入院の解消に関する政府のペテンを暴く報告をしました。
その後、兵庫県立光風病院精神科医師の柴田明さんのお話を受けました。以下は柴田さんの発言要旨です。

保安処分

精神医療というのは、明治以降、医療より保安的流れが先だった。うちの病院の創立には警察(当時、内務省)が関与している。近代精神医療は、保安処分に流れてしまう傾向がある。
医療観察法では、強制通院処遇の決定でありながら精神病院に入院という、理解しがたいことがある。通院処遇なのになぜ入院なのか?
「保安処分が医療の装いをしている」という医療観察法のほころびがそこに出ている。「通院」を「保安処分施設への通所」と置きなおすとハッキリする。

だましの流れ

再犯予測はできないのに、できると読み誤って作成した法律なので、医療観察法は、細部に無理がある。
うちの病院にも指定通院機関になってほしいという話があったが、国は途中でこそっと条件を変え、訪問看護が必要だと後出しで入れてきた。「うちは訪問看護ステーションはないからできない」と言うと、「訪問看護ステーションの名前だけ書いておいてください。黙っていれば分かりませんから」とだましをやらせようとしてきた。それも断ると、ある訪問看護ステーションを指名して、そこに無理矢理させるやり方をしてきた。
そのようなだましの流れが、今回の自殺事件の処理で、ついに医療現場まで波及してきた。うちの病院でも自殺はあったが、患者に死なれたら医者は落ち込んで悔やむもの。信頼関係はあったと開き直らずに、真摯に事件を受け止めるのが普通です。ところが今回の自殺に関しては、第3者機関が医療上の問題はないし信頼関係もあった、と言いきっている。信頼関係というのは、患者側が言うもので医療側が言うべきことではない。

法を守るために医療を歪める

私の推測を交えて話します。厚労省としては、医療観察法に非があるとするわけにいかないし、医療観察法を担う医師も傷つけられない。そこでチェックリストを手順通りたどっていれば患者が自殺しても問題ないですよ、というメッセージを送っている。患者との関係より、チェックリストの手順を追えばいい、その方が大事だと。
医療の普通の受けとめ方を、医療観察法を守るために、歪めたわけです。それに麻痺させられたら医師のモラルは崩壊するという危険な話です。

反省が優先

この事件では、入院後、職場であり発病原因だった自衛隊のことを、自殺した患者が話しても取り合ってもらえなかったのではないか。反省が先、起こした事件が問題だとされてしまったのではないか。妄想として病気扱いされたかも知れない。
医療内容が公開されないので永久にチェックが入らない仕組み。この方の自殺に至る深い絶望には、医療観察法の仕組みが関与している。それは第三者機関の結論の出し方に象徴されている。「信頼関係はあった。何の問題もない」と。追い込まれた側の言い分はシステム的に圧殺された。真相は公開されず、そんな結論で締めくくられる以上、医療観察法に対する不信感はますます強くなる。
この方が自衛隊にいた時代の苦しみ、発病、自衛隊に対する思い、入院処遇への無念の思いを汲まないといけない。医療観察法の問題を批判する根拠として、この方の自殺を記憶にとどめておかないといけない。この方の無念、遺族の思いを晴らすためにも医療観察法を廃止にもっていきたい。

臓器移植法の改悪ゆるすな!

16日に採決ねらう移植法は撤廃せよ

4面

被爆64周年
新たな発想と進路をさがす試み
「8・6 ヒロシマ −平和の夕べ−」へ

桂 晋一郎

青木忠(『瀬戸内の太平洋戦争―因島空襲』著者)、河野美代子(被爆2世、産婦人科医)、三浦翠(原発いらん!山口ネットワーク)の発起人三氏から、「2009年8・6ヒロシマ―平和の夕べ」が呼びかけられた。昨年開催された「ヒロシマの継承と連帯を考える―なぜ、いま米軍再編・改憲なのか―米澤鐵志講演・反戦平和研究集会」の実行委員会が事務局を担う。(呼びかけ文から一部を要約し右下囲みに掲載)
原爆、敗戦から15年後、日本は60年安保闘争のうねりにつつまれていた。その底流に被爆者と原水爆禁止の運動があった。もう一度、その過程を掘り起こし、ヒロシマ・ナガサキの原点と、継承と連帯を考えてみよう。あらためて向きあい、憲法、米軍再編、安保・沖縄、原発・核武装をめぐる問題に迫りたい。
(呼びかけ文よりの一部要約)
「今年も被爆64周年がやってきます。全国、全世界から多くの人が集い、犠牲者を追悼し核兵器廃絶の誓いを新たにします。
ところで最近のヒロシマは、なぜかものたりなく、空しさを感ずる、と考えるのは私たちだけでしょうか。その責任の一端は私たちにも、あるのではないでしょうか。
新たな発想と進路を探し出す試みを始めませんか。参加される方、一人ひとりが主人公の集会です。
空襲、原爆、朝鮮戦争、ベトナム戦争、60年・70年安保、沖縄、原発・核武装、イラク・アフガニスタン、憲法。戦争にたちむかう人々の心にはいつも、自分にとってのヒロシマ、ナガサキがありました。
集いましょう。あなたは、いまどこにいるのですか」。

プレスコード、米軍占領下の広島

1945年の敗戦時、広島・長崎は、原爆による廃墟だった。
帝国主義戦争、日本の侵略戦争は、朝鮮、中国、アジアに多大な犠牲と被害を強制した。日本も沖縄戦、東京・大阪をはじめとする大空襲など、米軍による空襲で文字通り廃墟となった。侵略と帝国主義の戦争は、人類史上初めての核兵器使用に至り、20万人以上が一瞬にして虐殺されるという結末を招来した。
被爆直後の広島電鉄651号車
被爆直後の広島市内
1945年9月、プレスコード(原爆報道規制)、CIS(米軍民間諜報局)の検閲。
山代巴(やましろ ともえ、作家)はその年11月、広島でGHQ(連合国軍総司令部)に呼び出され、「原爆のことを口にしたら沖縄送りにする」と通告された。米軍による沖縄基地建設、そのための強制労働送りである。 その夜、彼女は市内の福島町で、「今夜はここに泊まりなさい」「部落差別とのたたかいと同じように、長いたたかいがいると思いますのう」と励まされたという。
同じころ、被爆した広島大学の学生を中心に広島青年文化連盟が結成された。連盟は、羽仁五郎、仁科芳雄講演会を開くなど重要な役割を果たす。初代委員長は大村英幸。二代目委員長が峠三吉(原爆詩人)。「人類初の原爆で壊滅したヒロシマの証を後世に残す」ことを中心課題にした。
教師たちは、焼け跡で生き残った子どもたちと「青空教室」で授業を始める。
1946年5月15日、広島県教組結成。戦後初のメーデー闘争。47年2・1ゼネストの中止、47年5月3日、日本国憲法施行。
このころ石田明(後に全国原爆被爆教職員の会会長)は「青空会」という憲法学習会をスタートさせたが、憲法には核・原爆の禁止はおろか、記述すらなかった。日米関係は、「占領」から安保同盟に転換していく。広島のたたかいは、戦後革命の発火点にならなければならなかった。

「なぜ、この悲惨をとりあげないのか」

1949年3月、国際婦人デー集会に7千人。4月、峠三吉の日本共産党への入党が報じられた。6月、日鋼広島工場のストライキ。8月6日、平和婦人大会。盛り上がる労働運動とともに川手健(広島大生、被爆者)ら青年たちは被爆者を訪ね、被爆の実相を聞き取り米軍占領下でオルグをつづけた。
9月、ソ連が初の核実験。10月、広島女学院で平和擁護広島大会。国鉄人員整理の嵐のなか300人が集まる。朝鮮人女性など、若者、女性が多かった。
会場から女性が「議長団は、どうして広島が経験した原爆の悲惨をとりあげないのか」と緊急動議を出し、決議された。峠三吉は、大会議長として「平和擁護のための決議」を起草した。広島で初めての原爆反対決議であった。占領下での、このような自己解放的な広島のたたかいがあった。広島県教組は50年3月、第6回大会で「平和声明」を発表した。
1950年6月、切迫する朝鮮戦争の直前、『平和戦線』という非合法の新聞が山口、大阪で印刷され5万部が全国でまかれた。この新聞は、米軍のプレスコードに抗して、「再び原子爆弾をくり返すな」のスローガンをかかげ、戦後最初に広島・長崎の被爆写真を報道した。
6月25日、朝鮮戦争が勃発、7月レッドパージ。11月、トルーマンが原爆使用を発言。沖縄・嘉手納基地からはB29が朝鮮半島に飛び、原爆投下の模擬作戦。日本全土は核出撃基地になっていた。
8月6日、県下各地で朝鮮戦争に反対し非合法下でデモ。日朝両国の活動家が中国地方全域から広島に結集し、ともにたたかった。

「にんげんを、いのちをかえせ」という叫び

1951年8月、峠三吉の『原爆詩集』。9月、サンフランシスコ講和条約・日米安保条約調印。10月、『原爆の子』が出る。
52年8月10日、「原爆被害者の会」が結成された。広島に初めて「被爆者自身の原爆禁止を訴える、自主的組織」が生まれた。被爆者の重い口が少しずつ開かれた。被爆者の沈黙を、あせらずゆっくりと解いていくことでその主体性を呼び覚まそうとしていた。ナロードニキのような、その実践。
9月『原子雲の下より』の序文で、峠三吉は「原爆はなぜ投下されたか」と題して綱領的な提起を残した。53年3月10日、峠三吉死亡。
原爆投下が世界史的に初めてなら、被爆者が立ち上がって原爆反対を叫ぶことも初めてのことだった。
その黎明期の広島で、共産主義者の存在と努力を媒介に、被爆者の運動は始まった。このひたむきな実践、原爆・核兵器に立ち向かう実践に、ヒロシマの原点がある。峠三吉の『にんげんをかえせ』は、共産主義者の宣言である。

全国・全世界に広がった原水禁署名

1954年3月1日、ビキニ被曝。東京・杉並の一女性による「原水爆反対の署名運動をやってみよう」という呼びかけから始まった運動は、またたく間に全国に広がり「原水爆禁止署名運動全国協議会」が結成された。同年12月には署名は2千万を突破、その後3千万に達する。
初めて開かれた平和復興市民大会、「世界の平和は広島から」などの幕がかかげられた(1946年8月5日)
55年7月、日本共産党の六全協。8月6日、第1回原水禁世界大会が広島で開催される。勤評闘争、砂川闘争。56年3月18日、広島県原爆被害者大会。被団協結成へ。
1960年(第6回)、61年(第7回)原水禁大会。日本共産党は「反米・反帝、平和の敵を明らかにする」と一面的主張を始め、大会は原水禁問題から政党の綱領宣伝の様相を呈する。61年10月、ソ連が核実験を再開、50メガトン級の水爆実験を強行した。原水禁運動がかかげてきた「いかなる国の核実験、核兵器にも反対する」という原則は、「社会主義、平和を守るための核兵器は必要。ソ連核実験を支持」という日本共産党、スターリン主義によって破壊されつづけた。いわゆる「いかなる国・・・」問題である。
1955年、原子力基本法が成立。57年、9電力会社による日本原子力発電(株)設立、63年、東海村に初の原発。安保と原子力政策は、不可分の関係になっていく。
67年12月、佐藤内閣が「非核3原則」を表明、その後、65年「核報復」文書の存在が明らかになる。
〔1965年1月、当時の佐藤栄作首相がマクナマラ米国防長官との会談で、中国との戦争にふれ、「(もし中国との)戦争になれば、米国がただちに核による報復を行うことを期待している」と発言。これは08年12月に外務省が公開した外交文書で明らかに。〕

立ち上がった被爆2世たち

1969年3月、「広島県被爆教師の会」結成。71年10月、全国に点在していた約5千人の被爆教師が結集し、原爆被爆教師の会全国連絡会(会長・石田明)を結成した。反原爆・平和教育の運動は、全国規模での確かな一歩を踏み出した。
70年安保・沖縄闘争。 被爆2世が広島の地で立ち上がった。70年7月、被爆者青年同盟結成。「被爆者は、原爆によって破壊された家族と自らの肉体の補償を求めて、その被爆の責任、戦争の責任を自らそれを支えてきたものとして、もっとも鋭く日本帝国主義を追及しなければならない・・・」(『君は明日生きるか』72年)。
71年4月16日、天皇来広、8月6日、佐藤(首相)来広阻止闘争。75年8月2日、広島県朝鮮人被爆者連絡協議会結成。
栗原貞子は「ヒロシマというとき、ああヒロシマとやさしくは返ってこない。アジアの死者、無告の民がいっせいに怒りを噴き出すのだ」(『ヒロシマというとき』76年)と記す。
1978年3月、日本政府が「憲法上、核兵器は持てる」との統一見解。79年3月、米国スリーマイル島原発で大規模な事故。82年、平和のための東京行動40万6千人、85年、平和のためのヒロシマ行動に5万人。82年5月、全電通、国労、全逓、自治労、部落解放同盟の被爆2世の会が被爆2世団体連絡協議会を結成。86年4月、チェルノブイリ原発(当時、ソ連))で炉心溶融事故。95年12月、高速増殖炉「もんじゅ」で、2次冷却系のナトリウム漏出事故。
99年9月、東海村・核燃料加工会社「JCO」で臨界事故が発生。日本は55基(世界約430基)の原子力発電所をもつ、米仏に次ぐ世界3位の「原発大国」である。81年、山口県の上関町に、中国電力による原子力発電所建設が計画された。全国各地に原発を乱立させた結果、上関は最後の原発立地と言われる。
高速増殖炉「もんじゅ」は、核兵器製造に最適の98%の高純度プルトニュウム239を生産する。

核と人類は共存できない

第1次世界大戦から始まる大量破壊兵器や航空機の戦場への投入を前史としながら、第2次大戦では核兵器が開発された。
空襲・空爆は、世界戦争と植民地への侵略戦争のなかで開始され、拡大・強化されていく。日本はナチス・ドイツのゲルニカ(スペイン)空襲より早く、上海・重慶へ都市無差別爆撃を開始。焼夷弾を開発、使用。
アメリカも空襲、空爆を常態化させる。日本への大空襲。その後、朝鮮、ベトナムで、アフリカ、南米、パレスチナ、イラク、アフガニスタンで劣化ウラン弾を含む空爆を、いまもつづける。
オバマ米大統領は、4月5日プラハで演説。「核削減」という名による、核独占の維持と行使を宣言した。米・ロ(旧ソ連)で世界の核兵器の95%以上を保有する。プラハ演説は「米国は、確実で効果的な核を維持し、いかなる敵国をも抑止する」という宣言どおり、古くなった核兵器を「削減」し、より高性能化しながら、金正日政権による新たな核保有は押さえ込むという「核独占、使用宣言」である。
金正日政権の核実験・核保有にはっきりと反対しよう。すべての国の核実験・核保有に絶対反対だ。同時に、田母神などの核武装発言、金正日政権の核実験を口実にした「核武装論」「敵基地攻撃論」を許してはならない。
戦後革命の嵐のなかで被爆者や被爆2世は、原水爆、安保・沖縄、改憲、原発・核武装政策といった問題が登場してくる情勢に、懸命に立ち向かった。戻らぬいのち、「にんげんをかえせ」の叫びは、帝国主義の戦争、被爆責任を追及してやまない。戦争への怒り、加担、悔恨がその原点、核心にある。
米軍再編(トランスフォーメーション)、日米軍事一体化、自衛隊海外派兵の恒常化、改憲攻撃に立ち向かういま、反戦・反核闘争の新たな発展が問われている。全世界から、すべての核兵器を廃絶せよ。新たな核実験を許すな。原発廃止。上関原発建設計画をとめよう。10月、反原発全国集会、上関全国集会に連帯、結集しよう。
「核と人類は共存できない」。ヒロシマ・ナガサキの継承と連帯、改憲阻止をかかげ、8月6日「被爆64周年ヒロシマ平和の夕べ」に集まろう。
(文中、敬称略)

(集会要項)

「8・6ヒロシマ―平和の夕べ―」
8月6日(木) 開場17時 開会17時半
広島YMCA・国際文化ホール(広島市中区八丁堀7―11 Tel:082―227―6816)
◎主な内容
 ○平和講演 ―ヒロシマの継承と連帯を考える― 河野美代子(産婦人科医 被爆二世)
 ○ピアノ演奏 池邊幸惠
 ○映像 ヒロシマを忘れないために
 ○空襲の地より 青木忠(『瀬戸内の太平洋戦争 因島空襲』著者)
 ○リレートーク
  米澤鐵志(電車内被爆者)
  三浦翠(原発いらん!山口ネットワーク)
  小林圭二(元京大原子炉実験所講師)
参加費 1000円
主催:平和の夕べ(反戦・平和研究集会)実行委員会
 連絡先 〒722―2321 広島県尾道市因島椋浦272 青木忠
 TEL・FAX:0845―22―7135
 E―mail:mukunoura@ybb.ne.jp(発起人の紹介)※主催者のチラシより転載

青木忠さん(『瀬戸内の太平洋戦争 因島空襲』著者)

1944年、広島県尾道市因島に生まれる。生後9カ月、米軍の因島空襲を受け、生死の境から救出される。教師をめざして広島大に進んだが、広大学生運動を再建し、全学連指導部として70年安保闘争にかかわる。69年の4・28沖縄デーの際、破壊活動防止法扇動罪で逮捕。20年にわたる裁判を争い、91年に帰郷。学習塾経営、地元紙記者、はっさく農家。08年5月、7年間にわたる調査活動を『瀬戸内の太平洋戦争 因島空襲』として出版。

河野美代子さん(産婦人科医、広島被爆二世)

1947年被爆二世として広島市に生まれる。広島大学医学部に入学。全共闘運動に参加。全国被爆者青年同盟を結成。卒業後、産婦人科医として活躍。河野産婦人科クリニック院長、河野セクシャリティー医学研究所所長、広島エイズ・ダイヤル代表。エイボン教育賞受賞。07年参院選広島選挙区に立候補し19万9222票を獲得したが、惜しくも次点。著書に『さらば、悲しみの性』(集英社文庫)など多数。

三浦翠さん(原発いらん! 山口ネットワーク)

1939年、大阪生まれ。米軍の大阪大空襲を受け山口県に疎開し、岩国中学校に。広島大附属校、広島大に学び、60年安保闘争を体験。77年まで広島まで暮らす。チェルノブイリ事故で原発問題に関心を持ち、山口県上関に原発建設計画がもちあがっていることに対し、夫で広島被爆者の故泰生さんと共に、反対運動に参加した。原発いらん! 山口ネットワークを結成して23年間、祝島漁民などと共に、国・中国電力を相手に粘り強く闘っている。

5面

夏期特別カンパのお願い

読者の皆さん。反帝国主義・反スターリン主義世界革命の旗を掲げ、全世界のプロレタリアートと被抑圧人民の決起で、今こそ帝国主義を打倒し、戦争と貧困と差別のない社会をつくりだそう。
私たちは、日本階級闘争の危機突破をかけ、新たな挑戦を開始しました。憲法9条改定攻撃と自衛隊海外派兵(イラク、アフガニスタン、ソマリアなど)、米軍再編と沖縄・三里塚闘争の圧殺攻撃、差別・排外主義の鼓吹に対し、粘り強く闘いぬいています。左翼戦線に色濃くある、狭隘で排他的なあり方を克服し、改憲阻止の大きなうねりをつくりだそうと奮闘しています。労働者切り捨てに対し、「派遣村」にみられる労働者のあらたな団結形態と労働運動の再生に挑戦しています。プロレタリア革命の道筋を示す理論的作業も深めていきます。革命的共産主義運動の発展と社会的影響力を作りだした地平を守り抜くと同時に、そこにはらまれた限界を対象化して、この危機を突破する決意です。
先駆者たちの事業を受けつぎ、改憲阻止、自衛隊海外派兵阻止、労働運動、差別・排外主義との闘いの中に、スターリン主義を克服するあらたな革命的共産主義運動を作りだす決意です。この事業には、皆さんの協力と批判という共同作業が必要です。この事業を共同で発展させましょう。多額の財政も必要です。この事業の共同推進者として、革共同再建協議会へのカンパを、心よりお願いします。

《カンパ送り先》

◎郵便振替の場合
口座番号:00970―9―151298
加入者名:前進社関西支社
◎現金書留の場合
〒532―0002 大阪市淀川区東三国6―23―16 前進社関西支社

6面

新型インフル
豚の過密飼育が原因
新自由主義による犯罪

メキシコの現場から

首都メキシコシティーから東へ約160qほど行くと、ラグロリアという人口3千人ほどの村がある。そこはベラクルス州だ。この村では、昨年12月から原因不明の呼吸器感染が広まっていた。今年4月現在でも、村民の6割が肺炎にかかっている。
村には、巨大な養豚場「グランハス・キャロル」がある。豚肉の生産・加工では世界最大規模の多国籍企業、スミスフィールド・フーズ社が運営し、年間95万頭もの豚を飼育している。
新型ウイルスが最初に発生したメキシコのグランハス・キャロル養豚場
まるで大工場のようなこの養豚場には、豚が満員電車内のようにつめこまれており、向きを変えるのもやっとのほどだ。養豚場から出る、豚の糞尿は、覆いもない巨大な池に流し込まれている。悪臭を放つこの巨大なため池には、何百万匹ものハエが発生していた。のちに新型ウィルスとよばれるものは、ここから始まった。

メキシコ政府と州当局の対応

ラグロリア村での事態にたいし、メキシコ政府は無視をきめこんでいたが、やがて首都メキシコシティーで同様の症状が蔓延し、重症肺炎、死者が発生しはじめるにおよんで、隠蔽できなくなった。
複数のジャーナリストが、新型ウィルス発生源を隠蔽しようとしたベラクルス州の政治家と役人を、汚職罪で告発した。メキシコ国会は、政府にたいし、スミスフィールド・フーズ社を調査して、新型インフルエンザ発生および感染爆発の責任を明確にするように求めた。

貧困と死亡

メキシコでの死者が多かったため、当初、新型インフルエンザは「死亡率の高い怖い病気」とキャンペーンされた。しかし、このインフルエンザが新型であるという事実と、メキシコでの死亡率が高いという事実に直接のつながりはない。
適切な治療をうけることができ、普通の栄養状態と健康的な生活環境があれば、一定期間で治癒するという。じじつ、メキシコ以外では、この病気による死者は少ない。〔6月2日現在の死者数 メキシコ103人、米国17人、カナダ2人、コスタリカ1人、チリ1人。〕
メキシコ国内でも、発症から1週間以内に治療を受けることのできた人は、ほとんどが回復しているとメキシコの専門医が指摘している。栄養状態、生活環境の劣悪な状態においやられている人びとだけが命をおとしている。
アメリカでの死亡数も、別の病気をかかえていて、その悪化により死亡した人も入れた数字であり、新型インフルエンザそのものによる死者数は実際はもっと少ない。
メキシコでの死亡数の多さは、栄養状態や生活環境が劣悪な状態におかれており、発症時に医療を受けることさえできなかった人がいかに多いかということを示している。命をおとした人びとは、新型インフルエンザでというよりは、米帝およびメキシコ史上最悪の腐敗政権とよばれるカルデロン政権によって命を奪われたというのが真相だ。

起源

企業農場型畜産の危険性は、以前から指摘されてきた。今回、発生源となった養豚場は、典型的な企業農場型養豚場だ。なにが危険なのか。
@過密状態での飼育のため、さまざまな病原体が豚同士間で行き来する。この過程で、変異が誘発される率が高まる。鳥インフルエンザも同様のプロセスで発生したとされる。
A抗生物質、成長促進ホルモンの多用。この結果、抗生物質に対する耐性を持った新たな病原体がつくりだされる可能性が高まる。
国連食料農業機構(FAO)でさえ、「家畜の疾病が人間に移される危険性が時の経過とともに高まっている」「集約的な肉類生産のために家畜を過度に密集させるのは避けなければならない」(2007年9・17政策報告書)と言っている。
本来の家畜飼育とは程遠い大規模農場型畜産。新型ウィルス問題は、自然災害ではなく、資本主義による人災である。
他方で、遺伝子操作実験をおこなっていて、それが外部へ漏れたのではないかと疑っている科学者もいる。遺伝子操作は、米国などの巨大アグリビジネス(農業関連産業)が、多くの反対を押し切って進めているものだ。

不安あおり治安管理を強化

いたずらに不安や恐怖だけをあおる報道。この騒動のなかで、麻生政権の末期的危機は覆い隠され、陸海空3軍自衛隊のソマリア派兵、海賊対処法、憲法審査会始動の動きなど、戦後史をぬり変える暴挙はおおいかくされている。
危機管理という名の治安管理強化が進み、まるで戦時下と見まがう様相を呈している。発症した人のプライバシーは丸裸にされ、まるで魔女狩りのようだ。

細菌戦を想定した訓練も

陸上自衛隊北部方面隊(札幌市)は、新型インフルエンザを口実に、事実上の細菌戦訓練を5月23日に実施した。通常、おおっぴらにはできない細菌戦訓練も、600人が参加して、報道陣を前に堂々と展開した。

保育、休業、解雇、介護の問題

シングルマザーや、夫婦共働きで乳幼児がいる家庭では、保育施設、幼稚園などが閉鎖されたために、親は仕事に行くことができない。不安定雇用労働者であれば、出勤できないことが即、解雇につながる。
介護施設のデイサービス、デイケア、ショートステイなどが相次いで休業を迫られ、利用できなくなった。当事者であるお年寄りが大変なだけでなく、こういうサービスを利用して、時間を作り出していた家族は、大きな負担をかかえることになった。

医療体制、社会保障の貧困さ

発症した人を適切に診察・治療する医療体制が整備されていない。健康保険がなく、診察をうけることができない人たちが多数いる。死ななくてすむ病気でも、今の日本では、貧困層は命を落としかねない。
治安管理強化には大金を投入しながらも、すべての発症者が等しく受けられる医療体制・制度はつくろうとしない麻生政権。過剰報道の影響で、仕事がなくなり路頭に迷うことになった不安定雇用労働者の生活には責任をとらない政府。保育、介護、休業補償は、いっさいやろうとしない政府。
スミスフィールド・フーズ社は、アメリカ本国ではとてもできないような病原菌垂れ流しや生活環境破壊をし、多くのメキシコ人民の命を奪っている。いままでのもうけは、すべて自分の懐に入れ、新型インフルエンザ発生以降の、社会的対策費は、すべて各国の税金(人民の血税)でまかなわれていている。これが「新自由主義」なるものの正体だ。
6月12日(N)

(投稿)再建協議会に期待

私は、労働組合の関係で安田派とのかかわりを持っていました。このグループは、「階級的労働運動で革命しよう」とか「体制内労働運動の粉砕」と主張しています。
しかし、革命的共産主義者は、たとえ体制内と言われる労働組合と言えども労働者がいるのですから組織化の対象にすべきです。この労働者との連帯こそが本当の共産主義者です。
日本共産党と言う政党が、ルールある経済社会の確立と言って職場生産点での組合運動をつぶしまわっています。安田派は、この党を批判していますが、そういう彼らも労働運動を革命のツール(道具)として利用しているだけです。
私は、安田派による労働運動や反戦運動、革命運動への害悪を阻止するために、革共同再建協議会の活動に期待しています。(大阪 民間労働者・新橋一郎)

(革共同集会要項)

革共同政治集会
 と き:9月6日(日)
 ところ:尼崎市立労働福祉会館(阪神尼崎駅下車北へ10分)