未来・第447号


            未来第447号目次(2026年10月1日発行)

 1面  改憲・軍拡・独裁の高市打倒
     今秋 生活防衛・軍備拡張阻止を

     沖縄県知事選敗北
     再び戦場にさせない戦線を

 2面  〈投稿〉
     原発事業の嚆矢=関西電力
     事故あいつぐ美浜原発

     空港軍事使用と改憲反対
     尼崎で新たな19日行動      

 3面  焦点
     たび重なる中部電力の不正問題
     原発は安全稼働できない

 4面  高市の「日本成長戦略」を批判する
     軍需産業育成で9兆円超える予算

 5面  〈投稿〉
     神戸の海と空を戦争に使わせるな!
     9・13池尾靖志講演会と神戸市議会陳述傍聴

     3空港・3港湾の特定利用許すな(上)
     神戸の会 全国交流集会へのレポート

 6面  吉武同志を偲んで
     関西障害者解放委員会 草川けい子

     吉武ひとさださんを偲ぶ
     青木良子

     〈投稿〉
     宮古島自衛隊国賠訴訟
     第二回口頭弁論 那覇

 7面  通信KOSUGI(23)
     県知事が変わっても辺野古の軟弱地盤は変わらない
     辺野古新基地建設強行許さない、軍事要塞化反対の声、より大きく

     沖縄日誌8月
     知事選 下地幹郎が撤退
     闘争つぶしに権力が

 8面  10・11三里塚全国集会へ
     反対同盟が全国に招請状

     放射能ゴミを考える集会
     和田央子さん講演要旨
     8・30大阪

           

改憲・軍拡・独裁の高市打倒
今秋 生活防衛・軍備拡張阻止を

大阪駅前ひろばをうめつくし、改憲阻止を訴える19日行動(9月19日大阪市)
神戸の海と空を戦争に使うな!と165人が結集(9月13日神戸市 5面に記事)

9月19日、大阪駅前人民広場で「NO WAR!憲法変えるな!自由を守れ! 民主主義守れ!おおさか総がかり19日行動」がおこなわれ840人が広場と周りの歩道橋を埋め尽くした。主催はおおさか総がかり実行委員会。
主催者あいさつがあり「今日は、2015年安倍政権の下で戦争法=安保法制が強行採決された日から11年目にあたる。この11年間毎月19日に戦争法廃止を訴え行動を全国で取り組んだ。本日、国会前には1万5千人が集まり、47都道府県330カ所以上で集会がおこなわれている。安保法制ができてから日本は坂道をころげるように、戦争する国造りを進めている。改めて、戦争する国造りの大元になっている安保法制廃止の声を上げていこう」と訴えた。「戦争反対!改憲反対!」のコールをはさみながら、5人が力強くリレースピーチした。

辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動・大森正子さん

「沖縄県知事選は大変残念です。しかし私たちは絶対に弱音を吐かない。辺野古に座り込んでいる女性はかつて『知事が誰になろうと、名護市長が誰になろうと、政府とアメリカは基地を押しつけ沖縄を踏みにじりつづける。それに私たちは抗議しているんだ』と言われた。その方は今97才で元気で座り込みに参加されている。憲法9条がありながら、日本は戦争をする方向に向かっている。私は日本の政治に嫌だと声を上げたいです」

議員定数削減反対!緊急アクション・呼びかけ人の平井美津子さん

「10月からの臨時国会で自維政権は衆議院の定数を45削減する法案を出そうとしている。議員を減らしましょうという声が多い。でも定数削減をすれば私たちの声が届かなくなる。議員削減を最初にしたのは大阪維新の会。2011年に109人いた大阪府会議員は現在79人。1人区を増した。2023年大阪府議選の維新の絶対得票率は3割なのに7割の議席を獲得。衆院では比例区を減らす。ということは私たちの小さな声が届きにくくなるということです。国会議員の数は多いのか? 世界193カ国中、日本は172位で少ない。これ以上議員を減らしたら維新だらけになる。私たちが戦争反対と言っている声を代表してくれる国会議員がいなくなり、戦争への道に向かう。��#議員定数減らすな�≠ニSNSで広げて欲しい。10月18日京都の同志社大学で集会をおこないます」

「市民総監視のスパイ防止法に反対しよう」谷次郎弁護士

「今年5月27日、国家情報会議設置法ができてしまった。政府はこれを国の安全を守るための情報の司令塔だと説明している。行政がどのように情報を集め、誰を対象に捜査をするのかについて厳格な歯止めがない。さらに自民党のインテリジェンス戦略本部の提言は、防諜つまりスパイ防止体制の強化や情報収集能力の強化を強く求め、外国干渉防止法の制定などを求めている。そして高市政権は年内にもスパイ防止法の制定に向けた有識者会議を立ち上げようとしている。情報を集める組織の枠組みを作った上で、市民を取締り弾圧するための法律をつくろうとしている。
政府は国会で一般の市民活動が監視されることは想定しがたいと説明した。しかし、大垣市では風力発電の建設に反対して勉強会を開いていただけの市民の個人情報を、警察は日常的に収集し、民間企業に報告していたという事件があった。裁判所でも警察の情報収集は違法だと断罪された。さらに日本では、欧米のように政府から独立して情報機関の情報を厳しくチェックする第三者委員会のような仕組みがすっぽり抜け落ちている。誰もチェックできないところで、誰が監視され、誰がスパイであると決めつけられるのか、権力の胸先三寸で決まってしまう。
もしスパイ防止法ができてしまえば、憲法が保障する私たちのプライバシーや自由な権利が奪われてしまいます。でも法律ができてしまったからと言ってあきらめる必要は全くない。おかしいと思うことははっきりとおかしいと言い続けましょう」 司会は、7月23日熊本日々新聞のスクープで、自衛隊の現地情報隊が数千人の市民の個人情報を収集していたことが明らかになっていると話した。

「都構想3度目の住民投票」ジャーナリスト・幸田泉さん

「大阪都構想(住民投票)は3度目です。政令指定都市の大阪市を廃止して、人口50万人〜80万人の特別区に分割する。特別区は半人前の自治体です。大阪市の税収9千億円。特別区になったらその3分の1の3千億円位になる。6千億円は大阪府が持っていく。特別区は自前の財源では行政運営できない。足りない分は大阪府を通して行政運営するという半人前になる。
大阪は今副首都になろうとしている。吉村知事、横山市長は大阪都構想は「副首都にふさわしい大都市制度」だとウソをついている。
大阪市は住民基本台帳とか税金などで2百くらいのシステムを動かしていて、一体的に運用されているけれども、大阪市が4つの特別区に分割されるのでそのシステムを分割しないといけない。それに少なく見積もっても310万円かかる。本当のところは何百億円かかるかわからない。
地方行政の専門家は、巨大都市の大阪市を無理矢理分解する事になったら20〜30年混乱して停滞し住民サービスが低下すると指摘している。大阪都構想は何のメリットもない。それなのに来年4月に3度目の住民投票がある。皆さん、投票所まで行って投票用紙に反対と書いて下さい。勝つまでジャンケンに終止符を打つのは、圧倒的な反対多数。9対1位の反対多数によって不毛な勝つまでジャンケンを終わらせましょう」

議員定数削減反対!を訴える(9月19日 大阪駅前)

ドラム隊からスピーチ

毎回元気なドラム隊がスピーチ(9月19日 大阪市)

「私たちはサポートではなくて皆さんと一緒に声をあげたい。ネットの世界ではデマや誹謗中傷、ヘイトスピーチが当然のように広がっている。私たちは日本という法治国家に暮らしている。その主権者である私たちはそのようなデマ、誹謗中傷、ヘイトスピーチを当たり前のように受け入れてしまったら、この先何も生まれません。待っているのは戦前回帰の81年前です。また子どもたちを戦地に送りたいですか? 私は断ります。そんな社会にしたくない。声をあげましょう」
最後に沖縄のことにもっと目を向けようと沖縄のコール「辺野古新基地絶対反対!普天間飛行場早期に返還!沖縄に基地を押しつけるな! 沖縄問題、本土の問題!」をあげて終了した。

沖縄県知事選敗北
再び戦場にさせない戦線を

9月13日投開票の沖縄県知事選において玉城デニーさんが、高市政権=日本帝国主義政治委員会の総力をあげた攻撃の前に敗北した。
翁長さん以来12年にわたる「辺野古新基地NO」を掲げる沖縄県政をつぶすため、本土政権は沖縄自民党越しに下地幹郎を候補からひきずり降ろし、自民・公明・維新・参政党をたばね、沖縄財界も総力を挙げて、72年以降生まれで基地被害を知らない東大卒・総務官僚=古謝玄太に「県政奪還」「所得2倍」を掲げさせ勝負に出てきた。ネットでの悪質なデマ攻撃や街頭演説妨害も激しく、かつその9割は本土(ヤマト)からのものだった。
勝利した高市は直ちに沖縄振興金を3000億にひき上げ、古謝はこれまで沖縄が拒否してきた空港・港湾の「特定利用」受け入れを表明した。沖縄を再び戦場にするヤマトの植民地政策に他ならない。
敗因は高市政権と十分に闘えず、選挙戦を闘えなかった立憲・社民・共産ら本土の政党と、我々を含む労働者人民の責任である。4年後の県政奪還にむけ、沖縄を戦場にさせないため、日本の労働者階級・人民は関西での8・23「玉城デニー応援集会」を一つの起点に、新たな闘いを始めようではないか。

2面

〈投稿〉
原発事業の嚆矢=関西電力
事故あいつぐ美浜原発

関西電力原子力事業本部(福井県美浜町)前で抗議行動(9月18日)

1970年大阪万博に日本初の原子力の灯をともし、世界に科学・技術力の先進国として肩を並べたことを喧伝した関西電力・美浜原子力発電工場。あの宝塚の天才漫画家、手塚治虫の一世を風靡した「鉄腕アトム」の未来が、人々の眼前に現れるかのようだった。原子力産業の造る明るい未来という宣伝文句は、その後しばらく、原発工場の町まちに麗々しくかかげられた。それは、アメリカナイゼーションの進軍ラッパであり、旧日帝の一億総懺悔の転落の敗北感を払しょくするかのようだった。一瞬、あのフランス・パリやイギリス・ロンドンを解放したアメリカの凱歌を戦後日本で歌い上げたかのような万博。世界の解放軍の科学・技術を戦争責任国の日本が保持したという世界への祝砲という幻想。「戦後は終わった」という政治的メッセージ。

関電「安全の誓い」

「事故の反省と教訓を深く心にとどめ、『二度とこのような事故を起こしてはならない』という決意を毎年新たにしていくため、弊社は、事故発生日の8月9日を『安全の誓い』の日と定めました。(略)『安全の誓い』の日を2日後に控えた8月7日、事故を発生させた時刻(15時22分)に合わせて、全社の各職場で一斉に、亡くなられました方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげるとともに、重傷を負われた方々の一日も早いご本復を心からお祈りしました。そして、今後とも何事にも安全最優先で取り組むことを、従業員全員で誓い合いました。
当日の8月9日には、社長・森望が、美浜発電所構内の『安全の誓い』の石碑の前で、安全の徹底を固く誓い、黙祷をささげました。」
これは、毎年恒例の儀式になっている。これは、その万博から30年以上を過ぎた、2004年8月9日の美浜2号機の伝導管破裂事故をおこしたときの関西電力のプレスリリースの一部。この事故で、作業員5人の死者、重傷者6人を出したときの謝罪文。いまでも、ネットで読むことができる。ここでは割愛した。この記事の写真の関電原子力事業本部の玄関にかかげられている安全第一の社是はこのときのものによるという。
また、田原総一郎の『原子力戦争』で告発された美浜1号機の燃料棒折損は1973年3月のことだったが、4年間隠されていた。
また、この大装置は、三菱重工が製造したものだろうか、アメリカ、カリフォルニア州サンオノフレ原発でも新しい蒸気発生器を三菱重工は受注し、2012年1月、サンオノフレで大事故をおこしたとき、地元の環境局は、即停止を、カリフォルニア州は国の規制庁に調査を依頼して三菱に調査に入り、設計ミスと断定、経営者は、このようなハイリスクの事業は意味がないと廃炉を決定した。三菱を訴えたエジソン社だったが、9300億円の賠償で決着したときいている。
関西電力は美浜原発3号機の定検前の蒸気漏れ事故に対して、50年間のキャップの損傷の総点検をおざなりにし、50ヶ所の交換で済まし、調整運転中の9月18日午前4時3分、再びの運転停止になった。
問題が何度も繰り返されているのは、配管と言い、キャップと言い、送電線と言い、巨大且つ壮大な装置のくみあわせだから、徹底チェックは、不可能。ならば、廃炉しかない。
50年にもなろうとする老朽原発の不可避的事故と思われる。
9月18日、この日は高浜町の原子力安全課に、老朽原発うごかすな! 実行委員会が、高浜町長宛てに公開質問状を提出した。その場で、一応の回答(町長確認済み)があった。これで、美浜町、おおい町とあわせ3町からの回答がそろった。こちらの公開質問状とその回答については、整理して、報告されるとのこと。その後、関電原子力事業本部(福井県美浜町)にかけつけ、緊急抗議行動をした。

10・18全国集会@高浜へ

10月18日、原発つづけるための乾式貯蔵NO!全国集会@高浜に結集しましょう。バスなどの申し込みは、お早めに。(南方史郎)

空港軍事使用と改憲反対
尼崎で新たな19日行動

第1回の行動を終え記念写真(9月19日)
初参加の人が横断幕を持つ(9月19日 尼崎市)

15年の安保法制強行から11年目の9月19日、尼崎市園田で弘川よしえ弁護士などの呼びかけで、憲法改悪に反対するペンライトデモが30人の参加でおこなわれた。おりしも大阪空港が特定利用の名で軍事利用されようとしており、尼崎市園田地区は空港南端から1キロの地域。10月2日には学習会の企画がありその宣伝もかねた。
集会司会は昨年6月尼崎市議になった佐野たくみ市議。佐野さんは初参加の人にもマイクを向け、また狭山を闘う人や、労働組合書記長、2月衆議院選を闘った長谷川ういこさんなども発言し、総計15人のリレートークとなった。秋に迫った改憲攻撃と空港軍事使用に反対する新たな運動を起こすため、毎月19日行動を決めた。(M)

3面

焦点
たび重なる中部電力の不正問題
原発は安全稼働できない

8月27日、中部電力は廃炉に関する同社の不正事件を発表した。浜岡原発について、この1年で3つの不正事件が発覚している。
このように、中部電力は不正を繰り返している。中部電力は原子力事業者としての資格はない。ただちに、原子力事業から撤退すべきだ。また、原発は安全ではない。この根本的な問題が浮き彫りになっている。

廃炉費用を不正受給

あらたに発覚した事件は、浜岡原発の廃炉作業にかかわる。中部電力は浜岡原発1、2号機(各54万kW)の廃炉作業をめぐり「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」(NuRO)にたいする不正な費用請求をおこなっていた。不正は2024年度に実施した工事のうち、14件で確認された。支払われた11億円のうち、約8億円が不正に受け取られていた。
廃炉費用はいずれ支払われるのだから、これが目的ではない。廃炉作業が予定どおりすすんでいなかった。これを隠蔽し、つじつまを合わせるために、中部電力は不正をおこなっていた。廃炉作業が計画どおりに進んでいるよう自作自演していたのだ。 

浜岡原発1、2号機の廃炉作業

浜岡原発1、2号機は2009年1月に運転を終了した。2015年2月末までに、全燃料の搬出を終えている。2025年3月から原子炉の解体作業に入った。
廃炉作業は4段階にわけておこなわれる。「第1段階」は解体工事準備期間で、除染作業などがおこなわれる。「第2段階」は原子炉周辺設備の解体と撤去。「第3段階」は原子炉の解体・撤去。「第4段階」は建屋などの解体がおこなわれる。
浜岡原発1、2号機の廃炉作業は「第1段階」が2009年から、「第2段階」が2016年からおこなわれ、2024年12月から廃炉作業は「第3段階」に入った。「第4段階」は2030〜36年度を予定している。

使用済核燃料再処理・廃炉機構

使用済核燃料再処理・廃炉機構は、核燃料の再処理と廃炉作業をスムーズにおこなうために設けられている。2016年10月に、使用済核燃料再処理機構が設立され、2024年4月、廃炉のために必要な措置を講じることが法律でつけ加えられ、現在の名称になった。
使用済核燃料再処理・廃炉機構は事業者(電力会社)から事前に再処理や廃炉のための拠出金を集め、工事の実績に応じて、その費用を事業者に支払っている。

浜岡原発を巡る不正事件

第1の不正事件。中部電力が2013〜19年におこなった土木工事のなかで、20件について正式な契約変更や清算手続きをおこなっていなかった。この件は、2025年11月に明らかになった。
中部電力の原子力部門は、2019年にこれを把握していた。しかし、原子力部門は2024年9月まで取締役会に報告していなかった。取引先から工事費用の清算手続きの要請を受けて、原子力部門の幹部が会社に報告したことにより、この不正が明らかになった。
第2の不正事件。2026年1月に、基準地震動データ捏造事件があきらかになった。中部電力は原発敷地の基準地震動の策定に関するデータを意図的に捏造していた。この捏造は2012年頃からおこなわれていた。
事件が発覚して以降も、中部電力は地震データの不正を続けていた。今年7月1日、原子力規制委の定例会合において、規制委がこの事実を公表した。中部電力は、まったく反省していない。
9月11日、外部調査委員会の報告書が出された。9月14日、中部電力は浜岡原発3、4号機の再稼働に向けた審査の申請を取り下げた。また、林欣吾社長と勝野哲会長が辞任することを発表した。
データの捏造は、つぎのようにおこなわれた。発電会社はひとつの地震ごとに20通りの揺れを試算して、その中から平均的な揺れを「代表波」にえらび、これを「基準地震動」にしている。中部電力は数千の計算結果から、都合のよい「代表波」を選定していた。もっともらしく見えるようにして、他の19の地震動も恣意的に選んでいた。つまり、基準地震動を捏造していたのだ。
中部電力は、何のためにおこなったのか。ひとつは、基準地震動を低く設定して、安全対策費を安く押さえようとするため。また、中部電力は原発の再稼働を急いでいた。規制委の審査にはやく合格するために、この不正をおこなった。原発の安全性は後回しにされていた。
すくなくとも2回(2019年、2025年2月)、公益通報制度による情報提供が原子力規制委によせられている。2025年5月になって、規制委がやっと聞き取り調査をはじめた。しかし、規制委はこれを内部的におこなっていた。この事実があきらかになったのは、2度目の情報提供から1年近くもたってからだ。規制委の責任は重大だ。

問題の根源は原発推進政策

これらの事態は、「中部電力は規範意識がない」というような道義的な問題ではない。また、中部電力だけの問題ではない。原子力発電にかかわる安全性の問題、つまり「原発は安全に稼働させることはできない」という問題が隠されている。
政府(経産省)は「原発安全神話」をつくりあげて、国策として原発を推進してきた。東電の福島第一原発事故後も、政府は原発推進政策を変更していない。原発事故避難者訴訟において、2022年6月に最高裁判決の判断が出てから、裁判所は国の責任を認めていない。政府は第7次エネルギー基本計画で「原発を最大限活用する」方針を打ち出し、高市早苗政権は原発を積極的に推進している。
原子力規制委は、この政府方針にそって電力会社(事業者)を援助している。規制委は規制という名のもとに、原発を推進しているのだ。
電力会社は原発事故を教訓化することなく、原発の安全性に考慮することなく、企業利益のために原発を維持している。電力会社は事実を隠蔽し、その場しのぎのウソをついてきた。中部電力不正事件がこのことを示している。
地震国の日本で、原発を安全に稼働させることはできない。しかし、政府、原子力規制委員会、電力会社が一体になって、この利益共同体が原発を推進している。このことが、不正問題の根本原因なのだ。
中部電力の不正事件についても、原子力規制委は中部電力だけの問題として、他の電力会社に波及しないようにしている。規制委は、あくまでも政府の原発推進政策を推し進めようとしている。
原子力規制委は変わらない。人民の力によって、原発をなくす。これ以外に解決の方法はない。
寺田理

(闘争案内)

大阪市廃止をとめよう市民ネット・全体交流会
とき:10月1日(木)午後6時半
ところ:国労大阪会館3階ホール
主催:大阪市廃止をとめよう市民ネット

大阪空港「特定利用」問題学習会
とき:10月2日(金)午後6時半  
ところ:東園田総合会館(阪急「園田」北西1分)
主催:大阪空港の軍事利用に反対する尼崎市民の会

情報の「抑止・収集・発信」で社会はどう変わるのか?
講師:永嶋靖久弁護士
とき:10月3日(土)午後6時半 
ところ:PLP会館4F(大阪市北区)
主催:とめよう改憲!おおさかネットワーク
共催:共謀罪に反対する市民連絡会・関西

イスラエル軍ガザ侵攻から3年 ジェノサイドやめろ10・7集会
とき:10月7日(水)午後6時半  ※デモ出発 午後7時10分
ところ:新町北公園(大阪市西区)
主催:関西ガザ緊急アクション共催:共謀罪に反対する市民連絡会・関西

三里塚全国集会
とき:10月11日(日)正午 ※午後2時半 成田市街デモ
ところ:成田市・赤坂公園芝生広場
主催:三里塚芝山連合空港反対同盟

変えよう世界と日本 とめよう戦争 10・11反戦集会
とき:10月11日(日)午後2時半
ところ:京都市円山公園音楽堂
主催:10月国際反戦デー実行委員会

中部電力本店包囲アクション
とき:10月14日(水)午後5時半〜6時半
ところ:中部電力本店
主催:浜岡原発やめて!緊急アクション

なくさんといて大阪市 やめてんか「都構想」市民学習・交流会
とき:10月14日(水) 午後6時〜8時
ところ:淀川区民センター
主催:大阪5区市民連合
連絡先:水原 090―8212―0867



4面

高市の「日本成長戦略」を批判する
軍需産業育成で9兆円超える予算

政府は7月に高市政権として初の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)」を閣議決定した。副題は「責任ある積極財政元年 日本の挑戦を起動する!」である。同時に決めた目玉の「日本成長戦略」では2040年度までに総額370兆円の巨額投資を(官民から)進める。土台の考え方は政府がお金を大胆に投じれば経済成長力が高まり、税収も伸びて財政の持続性を保てるというもの。
今回の成長戦略の特徴は、対象の広さと規模の大きさ。「危機管理・成長投資」の戦略分野はAI・半導体はじめ17分野。追加の「財政支出」は「機械的に」年10兆円を想定し、通常の歳出と別枠で計上する。経済安全保障上、特に重要とする分野は税外収入など償還財源の裏付けがある「つなぎ国債」で賄うとしている。だが、財源の詳細は具体的ではない。
人工知能(AI)・半導体や軍事産業などとともにコンテンツ分野を「戦略17分野」として支援し、官民投資を促進していく方針を打ち出した。
つづいて経産省は8月20日に『エンタメ・クリエイティブ産業戦略2026』(ものがたり大国5カ年計画)を公表。
安倍政権で始まったクールジャパン構想は多額の損失を出し続けてきて、クールジャパン機構の統廃合に向けた検討・検証が終わっていないのに同じ轍を踏もうとしている。
また、アニメや漫画、映画などのコンテンツ産業は民間の創意工夫で成り立っている。この分野に「官」が介入していくこと自体、疑問がある。
同じ文化でも、文化庁は熊本地震で被災した重要文化財などの修復費の一部をねん出するクラウドファンディング(CF)募集を開始した。「クールジャパンは税金で、なぜ被災文化財の復旧がクラウドファンディングなのか」との声が出ている。博物館等の文化施設にも政府の補助金のカットのある一方でだ。全く矛盾している。
「戦略17分野」はただの羅列で戦略性を感じないという評価が多々ある。
高市政権の産業政策の源流は経産省が21年にまとめた「経済産業政策の新機軸」とされる。国主導の投資を提唱した政策文書だ。経産省が所管する補助金額は新型コロナウイルス禍を機に急増し、中小企業支援や気候変動対策、半導体支援などで年平均7兆円規模に達する。
高市政権の成長戦略はその流れをさらに太くしようとしている。2040年度までに官民で370兆円超の投資を生み出すという。国の支出規模は、財政試算では年10兆円とある。

骨太ショック

考え方としては、ある程度の物価上昇を許容しながら経済を過熱気味にして潜在成長率を高めようとするものだ。「強い経済の構築」と「財政の持続可能を一体的に実現する」と強調するが展望はあるのか。アベノミクスの時とちがって、今やデフレ脱却ではなく、世界はインフレとのたたかいが焦点だ。「リフレはもう必要ない」(ベッセント米財務長官)と言ってるではないか。
骨太方針が出された段階で、市場は日本経済に不安を感じ、円や国債が売られ、政府は必死に取り繕い、為替介入をおこない、日銀への圧力がないかのように取り繕った。アメリカが円安是正に参加したが、アメリカの思惑はアメリカ国債を日本が介入資金のために売るとアメリカ国債の利回りが上昇し、米国の赤字国債の金利負担が増すというのが主な理由らしい。予断は許さない。

トランプ流の国家資本主義

政府主導の産業政策は世界の流れだが、経済学者の間では「効かないか、ともすれば有害」との見解も多い。
世界の論理は科学技術と産業の巨大な結合が必要なこの時代、国家規模の支援なしには世界レースへの出場権すら得られないとして、「国家資本主義の時代には巨額の公的支援が不可欠だ」あるいは反対に「政府に目利きはできず市場に委ねるべき」と意見がある。
国家資本主義はかつては新興資本主義国が資本主義を定着・成長させるために国家資金の投入で資本主義を定着させようとするものがあった。だが、アメリカは市場原理の国でありながら、「国家資本主義」の先駆者でもある。インターネットや全地球測位システム、半導体などの源流をたどれば国防総省や国防高等研究計画局の巨額投資に行き着く。
ここで巨大な規模の産業政策を仮に「国家資本主義」とすると、2008年ブッシュ政権は金融システムの破綻を防ぐため大手銀行へ資本注入をおこない、オバマ政権は自動車産業の崩壊を防ぐため自動車メーカーに資本注入をした。その後、いずれも政府は撤収している。だが、トランプのやり方は違う。8月米政府は最大手の半導体メーカーに10%出資した。外国勢に市場を奪われてきた半導体に最大2百億ドルの補助金と融資を約束し、半導体生産再生をもくろむ。また、エヌビディアやAMD(注1)に課せられた上納金だ。エヌビディアやAMDはAI半導体を中国へ輸出する許可を得る代わりに、その売上高の15%を米国政府に収めることが取り決められた。前代未聞だ。たとえばエヌビディアは、25年8−10月期に中国向けAI半導体を20〜50億ドル出荷できる見通しを発表。仮に50億ドルとすれば、15%は7・5億ドル(約1100億円)で、かなりの額だ。さらに、米政府はインテル株式を取得した。バイデン政権下で成立しCHIPSプラス法(注2)に基づき支給される予定だった半導体補助金の見返りとして、トランプ政権はインテルの新株を約89億ドルで取得し、筆頭株主になった。ラトニック商務長官は軍事関連産業への出資の可能性を検討していると明らかにした。ラトニック商務長官は「彼ら(軍事産業)の収益の97%は連邦政府由来だ」として、大手軍事企業についても対象になり得うるとしている。こうした取引が他の産業でも可能性があるとしている。日鉄によるアメリカ製鉄大手USスチール買収では、「黄金株」を米政府が取得し一定の影響力を政府が持てるようにした。国防総省は高強度磁石に使われる鉱物を生産する企業に15%出資した。
トランプ版「国家資本主義」が広まれば企業のROE(自己資本利益率)が低下し株価も鈍化する可能性があるとしている向きもある。政府が企業の株主になればどうなるか。中国では国有セクターは民間セクターに比べ革新性や生産性が劣るとみなされている。
しかし、日本はこのようなプランではほとんど失敗してきた。ラピダス、クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)など。トランプ流「国家資本主義」に対抗して、なりふりかまわず「戦略産業」に国家資金を投入して世界へ打って出て勝算はあるだろうか。
(注1)AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)=カリフォルニア州にある多国籍半導体企業
(注2)CHIPSプラス法=アメリカ国内の半導体を強化するための政策で、2022年に制定。トランプはCHIPSおよび科学法に基づく企業助成条件の見直しをおこなった。対中国の対決から参加する企業は対中投資ができなくなる。

軍需産業が経済成長の柱に

さらに、成長戦略の柱に軍需産業を上げていることは看過できない。
27年度予算案では軍事費は9兆円を超え、今年度中の安保3文書改定(予定)では軍事費のGDP比3・5%も取り沙汰されており、連立する維新は3・5%(軍事費は20兆円超え)の早急な達成を主張しているという。
岸田政権以来の軍事費増額の財源手当ては先延ばしにしてきたが、軍事増税は必至だ。タバコ・法人税が既定とされているが、既に27年度予算で財源が欠損している項目が明らかになっている。
「反撃能力」=敵基地攻撃能力を有する長距離弾道ミサイルの保有・配備や空母に近い護衛艦の就航などは、自民党の「専守防衛」を大幅にはみ出し、憲法9条に違反するものだ。高市・小泉は原潜保有や非核三原則の見直しまで画策している。武器輸出・軍需産業に大々的にテコ入れをおこなうなど、戦争を期待し、戦争で肥え太る「死の商人国家」、戦争国家への道ではないか。断じて許してはならない。
世界は「軍拡時代」に突入した。各国が軍備増強を急ぎ、経済成長と軍備増強を一体化させようとする動きだ。ウクライナ戦争、米・イスラエルのイラン侵略戦争、ガザのジェノサイドやベネズエラ侵略戦争など、米ロの軍事行動が殺戮と破壊を広げ、世界経済を圧迫している。世界の軍事費は2025年、約460兆円と11年連続で過去最大を更新した。この流れに乗って、高市政権は軍事産業を成長戦略の看板に据えた。利益を生まないとしてきた歴代の政権の姿勢を転換し、政府が重点的に投資する方針を表明した。
軍事費を増やせば経済は豊かになるのか、そうではない。軍事支出が経済政策の柱として組み込まれると増大に歯止めがかからなくなる。
一面では軍事支出は過剰生産力を稼働させ、失業の解消に役立つ。しかし、恒常的支出化した軍事費はむしろ厄介だ。もともと再生産外的消費なので恒常的に巨額になれば国民経済の蓄積能力を圧迫し、成長阻害要因に転化する。アメリカの軍事力および宇宙技術の過度の優先が産業技術発展にマイナスに作用し、アメリカ産業の国際的競争力の衰退に導いたという見解が主だ。
かつての軍事ケインズ主義(注3)はどうだったか。チャルマーズ・ジョンソンによれば、このイデオロギーは冷戦初期、米国務省の国家安全保障報告書が作成されたことによる。「アメリカ経済は効率を十分に高めれば、民間消費以外の目的にも膨大なリソースを提供することが可能であり、同時に高い生活水準も維持できる。これが第二次大戦の経験から得た最も重要な教訓の一つ」と結論づけ、今日まで続く。しかし、「大砲もバターも」は破産した。
(注3)軍事ケインズ主義=戦争を頻繁におこなうことを公共の政策の要とし、武器や軍需品に巨額の支出をおこない、巨大な常備軍を持つことによって豊かな資本主義を永久に持続させられるとの主張。(2008年『世界』4月号『軍事ケインズ主義の終焉』)。レーガンの時、SDI構想などで巨額の費用を費やし、アメリカは債務国に転落した。
高市は、他に展望がなければ軍需産業しか残らないという。となると財政膨張、国債増発で軍部の横暴を招いた30年代の道ではないか。戦争国家への道を急ぐ高市政権打倒。(大山昇一)

5面

〈投稿〉
神戸の海と空を戦争に使わせるな!
9・13池尾靖志講演会と神戸市議会陳述傍聴

地図を示し講演する池尾靖志さん(9月13日 神戸市)

9月13日、神戸市内で「神戸の海と空を戦争に使うな! 池尾靖志さん講演集会」が〈神戸港の軍事使用を許さない会〉の呼びかけで開かれ165人が参加した。池尾さんは「国防は国家の専権事項か」のテーマで講演し、特定利用空港・港湾について「政府は『平時の枠組み』というが、有事では特定公共施設利用法にもとづき、指定の有無にかかわらず必要な港湾・空港を利用すると説明」。そして「グレーゾーン事態の常態化で平時の『円滑利用』が有事利用への準備となる」と指摘した。最後に、神戸で求める四つの原則として、�@軍事利用・危険物輸送・訓練に関する事前情報の公開 �A市会での実質審議と、市民・労働者が参加できる検証の場 �B非核証明書を求める運用の堅持 �C避難・救援・医療・物流という民生保護の優先を挙げた。
諸団体・個人からのアピール。9月神戸市会での課題を、あわはら富夫神戸市議が発言。港湾当局との話の中で「特定利用空港指定を受けたらどんなメリットがあるのか」と聞くと、「余りメリットはなく、少し予算が付く程度」との答え。「断った場合のデメリットは」と聞くと、「デメリットもない」との返答とのこと。それなら断った方が良いのではと話した。
伊丹空港特定利用について、おおつる求伊丹市議は、空港周辺自治体議員ネットワークとして学習会や街宣活動をしている。伊丹空港は民間の新関空株式会社経営で、市が経営しておらず、「国に聞いてください」と冷たい返答しかないが、空港周辺10市協議会があるので、これを活用して追及していくと報告した。なお、カンパは4万円余り集まり、池尾さん著「南西諸島の軍事化」も完売した。

特別委員会で陳述、本会議傍聴

ついで9月15日は8時半に神戸市役所前に集まりビラ配り後、経済港湾特別委員会の傍聴に入った。この委員会審議では14人が陳情しており、私も初めて陳述した、「私は沖永良部島出身の両親が神戸で働き、私は70年近く神戸で育ち暮らしました。平和な町・神戸が大好きです。特定利用空港を受け入れると攻撃される危険が増し絶体反対です」と陳述した。委員会の結論は、自民、維新、神戸未来が不採択、公明が打ち切り、共産とつなぐが採択で、残念ながら委員会不採択となりました。しかし9・13集会関係者7人が口頭陳述ができたことは意義深いと思った。
18日は12時からビラ配りをし、本会議傍聴に臨んだ。あわはら市議は、「国が直接に市民に説明の機会を作るべきことを市長が直接請求して下さい」と質疑した。これに対して久元市長は、市として国に伝えているし、今日の質疑の内容も伝えるとの答弁。
2回の市議会行動には、神戸港の軍事使用を許さない会など40人の市民が集ったが、12月決断まで「市民への説明会」を開かせ、市長として議会に拒否を宣言させなくてはならない。
神戸市役所への抗議行動(9月15日)
















3空港・3港湾の特定利用許すな(上)
神戸の会 全国交流集会へのレポート

10・10全国交流集会への「神戸の会」の報告から転載

祝園闘争への決起

 

祝園弾薬庫が日本最大級の広さ(東京ドーム100個分)の弾薬庫で、その増設を知ったのは2023年夏だった。新たに14棟の弾薬庫増設が予算化されることと、かつて枚方市にあった禁野火薬庫が戦前に爆発事故をおこし100人近い死亡者が出たことをも知った。兵庫県下でも戦争にまつわる悲劇は神戸空襲など多数あり(『火垂るの墓』『少年H』)、2017年からの自衛隊南西シフト、2022年の安保3文書閣議決定以降急速に進む全土基地化への危機感が市民の中に広がった。

25年9・27神戸集会

祝園現地の集会・フィールドワークに何度か行く中、25年夏ごろまではわかりやすいパンフを1000部入手し各地で配った。まだその頃は祝園の武器・弾薬は広島県呉市から、沖縄方面に運ばれると考えていたが、実は祝園から高速道路で1時間の海上自衛隊阪神基地隊から運ばれるという記述が目に入った。戦争への道をとめるため祝園現地に行き長射程ミサイル弾薬庫増設に反対することも大事だが、自分たちの足元=兵庫県・神戸市が輸送基地になることを知ると、神戸でこそ運動が必要と考えた。
9月27日に神戸市で祝園ネット代表の呉羽真弓さんを講師に集会を開催した。当初は「こわすな憲法!いのちとくらし 市民デモHYOGO」という市民運動の有志の参加であったが、初めての集会では県下の護憲団体などに呼びかけ、憲法生かす会兵庫ネットの粟原富夫神戸市議らが参加し80人を超える集会となった。会場でその年に非核神戸方式を抜け駆け的に破って入港したことを暴露するミニコミ誌記事を撒いた人がいたが、その後運動に加わり、26年9・13集会の司会を担うことになった。また「高知県の自分の故郷が『特定港湾』に指定された」と発言した人は、今は居住地で大阪国際空港の特定空港指定と闘っている。ことほど左様に、新たな人々が参加した集会となった。

10・19祝園現地行動に大型観光バスで参加

祝園ネットの2年余の闘いは全国で大軍拡を阻止しようとの機運が広がり、10月19日に祝園で全国集会が開催された。できたばかりの「神戸の会」はこの闘いに合流しようと大型観光バスを調達し、祝園現地に向かった。時間は1時間少しで、東神戸の海上自衛隊阪神基地隊からは高速で1時間の近さが実感できた。集会では全国基地闘争の仲間の1人として、事務局の中村が発言した。 (つづく)

6面

吉武同志を偲んで
関西障害者解放委員会 草川けい子

関生支援の京都地裁ぐるぐるデモに参加の吉武さん(2025年1月8日)

突然の訃報に驚いています。
8月27日、全国の様々な障害者114人が高市首相に平和や軍備縮小を求める手紙を渡しました。高市首相は「優性思想に立ち向かう」といいながら、「防衛しないで国民の命や領土を守れるか。それは無理だ」と反論しました。吉武同志はそれを知らないままで逝ってしまったのかと思うととても悔やまれます。
吉武同志は障害者解放委員会として、赤堀闘争をはじめ、脳死臓器移植反対、優生保護法反対をともに闘ってきました。吉武同志はコミュニケーションの困難な障害者に対して真剣に向き合った心の優しい同志でした。
高市政権が戦争へ突き進む中、多くの障害者の怒りの決起が高まっており、障害者解放の闘いがますます重要になっています。そのなかでかけがえのない同志を失ったのは大きな悲しみです。吉武同志の遺志を受け継ぎ、日本帝国主義打倒、障害者解放を掲げて闘い抜くことを約束します。

吉武ひとさださんを偲ぶ
青木良子

7月末、吉武ひとさださんが亡くなりました。数日、新聞がたまっているのを隣人が不審に思い、管理人が遺体を発見。冷房がかかっていなかったことから熱中症が疑われましたが、詳しい死因は不明でした。
電話に出ないことを心配した仲間が訪問したり、手紙を出したりして、訃報を知ったのが8月。直前の元気な様子からは想像も出来ない突然で急なお別れとなってしまいました。驚きと悲しみのうちに吉武さんの思い出をたどりつつ、心からご冥福をお祈りします。享年80でした。
吉武さんは、大阪の北野高校から1965年京大工学部に入学し、卒業後はあるメーカーに就職して、組合の書記長として活動。その過程で京都北部反戦に結集し、革共同に加盟。そして1978年に「障害者」解放戦線に移籍し、関西「障害者」解放委員会の代表として赤堀闘争をはじめ、脳死・臓器移植反対闘争、保安処分闘争など、数々の闘いを担ってきました。
当時、関東・関西・広島の「障害者」解放委員会を中心とした革共同の「障害者」解放戦線は、対カクマル戦の開始によって73年段階で「障害者」解放運動の大衆的戦線からいったん撤退し、1976年に赤堀闘争に復帰するという過程にありました。対カクマル戦の開始以降、その路線のもとに結成された関東と広島の障解委と違い、71年に最も早く結成されていた関西障解委は、対カクマル戦をめぐって分裂し、「知的障害者」の福岡智子さんを先頭に数名が旗をまもっているという状態にありました。
1978年、赤堀再審裁判で第4次再審請求が棄却され、それに対する大きな反撃が求められるなかで、吉武さんは福岡さんとともに関西障解委を再建し、赤堀闘争への取り組みに大きな役割を果たしました。赤堀闘争は、1985年東京高裁での差し戻し決定、1989年赤堀政夫さんの死刑台からの奪還という歴史的勝利をかちとりました。
また、90年代の脳死・臓器移植の法制化攻撃に対しては、国会闘争をはじめあらゆる行動に参加して反対運動を推進しました。この時、若くして亡くなった父親が医者であったこと、母親が苦労して兄と自分を育ててくれたことを私たちも知る機会があり、医療の立場からも脳死・臓器移植に対する強い批判を貫きました。すぐれたアジテーターでした。
その一方、障解委に結集した「聴覚障害者」の仲間に対する手話通訳を保障することが必須の課題となるなかで、独習で手話をおぼえ、通訳をになうことにも力を尽くしてきました。
近年は、いろんな闘争に活発に参加し、京都では米軍の�]バンドレーダー基地反対闘争や毎週のキンカン行動(金曜日の関電京都支社への抗議)、ガザ連帯行動、関西レベルでは、関電包囲行動や関生弾圧反対裁判闘争、全国レベルでは8・6ヒロシマや障害者大フォーラムなど、吉武さんの姿がないことの方が少ないくらいだったことを思い出します。脊椎カリエスだった彼は、最初は杖でしたが、年とともに車椅子を使うようになり、最近では電動車椅子での参加でした。
私が吉武さんと初めて出会ったのは、1978年の赤堀闘争の現場でした。最後に言葉を交わしたのは去年の8・6の集いでした。今年も会えるかなと期待し、欠席を不審に思っていた矢先、訃報に接しました。47年もの長い付き合いなのに、あっという間に去ってしまった吉武さんにせめて一言、その奮闘にお疲れ様と言いたかったです。本当に長い間、ありがとうございました。やすらかにお眠りください。

〈投稿〉
宮古島自衛隊国賠訴訟
第二回口頭弁論 那覇

8月18日、沖縄那覇地裁で宮古島自衛隊国賠訴訟の第二回口頭弁論がおこなわれたので、傍聴に参加してきた。

第2回口頭弁論終了後に総括集会(8月18日)

宮古島自衛隊恫喝事件

2025年8月、宮古島に駐屯している自衛隊が伊良部島で災害対処訓練と称する夜間行軍訓練をおこなった。宮古島で自衛隊配備に反対する〈ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会〉はこの訓練の監視・記録行動をしていた。
8月6日早朝、「伊良部大橋海の駅」の駐車場で休憩している自衛隊員に清水早子さんがマイクでおだやかに声をかけたところ、比嘉隼人司令官が「許可を取っているんですか?」「許可を取れ!早くとってこい!」など大声で恫喝をかけてきた。市民が公の駐車場で自衛隊員に声をかけることに許可は必要ないし、自衛隊も駐車場使用の許可は取っていなかった。
司令官は虚偽の事実をもとに市民を恫喝し、威圧したのである。後日、住民連絡会は宮古島駐屯地に申し入れをおこない、比嘉司令官に謝罪を求めたが謝罪はなされず、12月に比嘉司令官は転勤した。また当時の中谷防衛大臣は市民の声かけを「拡声器を使った抗議活動」とし、比嘉司令官の対応は「適切だった」と擁護した。これが宮古島自衛隊恫喝事件である。
宮古島住民連絡会の清水早子さん、上里清美さんは2026年3月、国と比嘉元司令官を相手に国家賠償請求訴訟を起し、6月9日に那覇地裁で第一回の口頭弁論がおこなわれている。

 

第二回口頭弁論

8月18日、那覇地裁。傍聴席は31席あり、傍聴希望者が少し上回ったので抽選となった。前方に記者席が9席あり、琉球新報、沖縄タイムス他の記者で4席ほど埋まった。この裁判への関心の高さがうかがわれる。
原告側は宮古島の上里さん、清水さん他弁護士6人の陣容、それに対し被告側は弁護士7人と、比嘉元司令の代理人がリモートで参加していた。なお第一回口頭弁論では、比嘉氏もリモートで参加していたそうだが、今回は姿をみせていない。
裁判は書類のやりとりの確認後、被告側から提出された反論に対し、こちら側から反論する時間はどのくらいかかるかと裁判官から尋ねられ、2カ月かかると回答。
その後、原告側が準備書面を読み上げた。内容は、宮古島における自衛隊基地とのたたかいの歴史、概要であり、なぜ原告側が自衛隊に対する監視活動や抗議行動をおこなっているのかを説明するものであった。しかし裁判官は「もう少し法的な話をしてください」とそっけない。法的な問題以前に、事件の背景を知ることは重要であると思うのだが、そのようなことに興味はないようだ。
弁論の後、次回期日を原告側、被告側と調整して、11月17日午後2時半からと決まり、閉廷した。

国側の主張

閉廷後、那覇地裁近くの城岳公園入口付近に集まって横断幕を広げ、総括集会がおこなわれた。また夜は沖縄県男女共同参画センター「てぃるる」会議室で報告集会がひらかれた。
報告集会では、上林惠理子弁護士から、国側の主張について説明を受けた。今回の訓練は徒歩による災害対処訓練であり「海の駅」駐車場における��休憩�≠ヘ重要なものであった。��抗議行動�≠ノより自由な体制で休憩をおこなうことができなかったので、声を上げて注意したものだ、ということだ。これは公務員が一生懸命に仕事をしているところに��妨害�≠ェはいるのは許せないというもので、裁判官も��共感�≠キるストーリーであるとのことであった。
裁判では、このような「通常道徳」とも闘っていかねばならないのだ。
西川雄二

7面

通信KOSUGI(23)
県知事が変わっても辺野古の軟弱地盤は変わらない
辺野古新基地建設強行許さない、軍事要塞化反対の声、より大きく

沖縄県知事選挙、9月13日午後8時、「ゼロ打ち当確」で勝敗が決してしまった。
40万票を超す獲得は初めてだという。「玉城氏完敗、与党が推す古謝氏が圧勝」「基地問題に見切り 変化に期待」と報道は言うが、辺野古新基地への怒りはおさまるはずはない。
沖縄・宮古島を訪問して、この選挙での玉城デニーさん応援にも参加させていただいた。
初めて降りた下地島空港。自然の地の真ん中の長い滑走路だ。こんなところを軍事空港にしてはならない!
宮古島に着いてさっそく夕方の街宣とポスティングをおこなった。翌日朝のアピールは、大雨だったがその日は玉城デニー候補本人が宮古島に来る日だった。自民・維新・国民・公明県本部をはじめ、参政党や日本保守党など排外主義政党が推している相手の古謝。島の「古謝そば本店」も有名で、ここ宮古島は相手の地元ともいえるところ。東大を出て総務省官僚となったエリート候補。「ヒゲの自衛隊隊長」の佐藤や杉田水脈も応援、「誰かのせいにして今を諦めるのはもうやめよう」「戦後80年を経て被害者意識にさいなまれる県政をやめにしよう」と玉城デニー知事を批判している。
「辺野古容認」だけでなく、こうした排外主義や歴史修正主義を容認・一体化する勢力が沖縄の県政を奪おうとしている。県民の自己決定権や平和の理念に対する最大の侮辱であり、許しがたい。

雨中に必死で訴える玉城デニーさん

「誰ひとり取り残さない」とデニーさん

妨害はねのけ闘う宮古島住民連絡会

一方のデニーさん。米海兵隊の父と伊江島出身の母のもとに産まれ、父は帰国、「育ての母」のもとで暮らし、母子家庭で経済的にも苦しい生活を送り、いじめにもあって来た。まったく異なった経歴の2人だ。
デニー知事の三選を何としても勝ち取っていきたい気持ちがいっぱいだった。
「誰ひとり取り残さない」のオレンジ色のノボリが林立しているデニーさんらしいスタイル。
宮古島市議や市民のみなさんといっしょになって大雨の中での朝のアピールと場所を変えての昼前のアピール。マイクでのデニーさんは、ほんとうに「懸命」という言葉がぴったりの感じでの熱烈なアピールに感動した。
2期8年の実績、物価高対策としての5百億円支援、こども・若者施策推進基金20億円、賃上げのための企業支援、介護業者への基金、それを支える平和と人権の政策、そうした暮らしの前提として、「普天間基地運用停止、返還、跡地の利用」、「辺野古新基地完成のメドなし」、「沖縄を再び戦場に・捨て石にさせない」との訴えだ。
それを見たドライバーの多くがまた会釈を返し、手を振っている。デニーさん本人がそこにいるのに気付いて頭を下げるドライバーも多かった。こうした朝・昼・夕方の行動、またポスティングをおこなった。
が、建設関連の労働者たちが休んでいるところにチラシをまくと、何人かは受け取ったが、「私たちは仕事で来ており、チラシは要らない」と断る人も。この人たちはこの島に来ていた「運動員」であったらしい。となると、相手側はそうとう組織的な行動をとっていたと思われる。

「アリランの碑」・宮古島駐屯地を観る

朝のアピールの後、「アリランの碑」や陸上自衛隊宮古島駐屯地を観て回ることができた。
沖縄全体には154カ所もの慰安所があった。宮古島上野野原に「日本軍『慰安婦』の祈念碑」が建立されて18年と。宮古島には18カ所の慰安所が置かれていた。戦後81年、心身の傷が癒えることもないまま亡くなっていった多くの女性たち。「故郷を遠く離れて無念の死をとげた女性たちを悼み、戦後も苦難の人生を生きる女性たちと連帯し、彼女たちの記憶を心に刻み、次の世代に託します」とあった。
さらに「陸上自衛隊宮古島駐屯地」を観てまわった。監視レーダーが設置され、軍用車両が並んでいた。駐屯地内で銃を持っての歩行訓練。ものものしい状況であった。 基地の門前に設置されている〈ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会〉の横幕が切り裂かれていた。
この市民グループの方からも、「自衛隊隊長による住民恫喝」裁判のこと、また10月9日の戦場化を許さない政府交渉や、「島々の軍事要塞化を止めよう! 10・11東京集会」の案内もいただいた。みんなで参加しよう。
宮古島での貴重な経験、島のみなさん、ありがとうございました。(神奈川・深津利樹)
アリランの碑(宮古島)
















沖縄日誌8月
知事選 下地幹郎が撤退
闘争つぶしに権力が

8月1日 名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で「第57回県民大行動」が開催され、市民590人が参加。新基地建設反対の意思を示した。転覆事故で亡くなった女子高校生の遺族の会見や報告書を受け、福元勇司事務局長は「安全管理への意識の足りなさや、指示系統がしっかりできていない中で動いていたのは事実。強く反省し、今後の運動に生かしていきたい」と述べた。

12日 辺野古沖の転覆事故で第11管区海上保安部は、業務上過失致死傷などの容疑で、ヘリ基地反対協の共同代表らの自宅など複数の関係先を家宅捜査した。

同日 沖縄防衛局は、大浦湾側の砂ぐいの進展状況を琉球新報に回答した。砂ぐいは6月7月と2カ月間進展はなく、5月末と同じ本数であると回答。作業船のメンテナンスに入っていると明かした。

14日 宮古島の陸自駐屯地前に市民団体が設置している横断幕が何者かに切り裂かれていることが分かった。7月には掲示物が壊され、旗が持ち去られる事件も起きている。

16日 3月の辺野古沖の転覆事故から5カ月となったこの日、ヘリ基地反対協のメンバー7人が瀬嵩の浜を訪れ慰霊した。「1日でも早く遺族への直接謝罪がおこなえるように、もう二度と悲しいことが海で起こらないようにお祈りし」手を合わせた。

18日 那覇地裁で宮古島自衛隊国賠訴訟の第2回口頭弁論がおこなわれた。国と元司令側は国家賠償法上の違法性はないと主張。原告側は書面を提出し要旨を説明した。

22日 9月13日投開票の県知事選に向け、玉城デニー知事を支える「県民と歩む会」は宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで総決起大会を開いた。多くの支持者が集まり玉城氏の3期目の勝利へ向けて団結した。玉城氏は「誰ひとり取り残さない、優しい社会をつくる」と決意を述べた。

25日 知事選に向け出馬表明していた下地幹郎氏が出馬を取りやめた。自民党本部主導で下地氏と政策協定が結ばれたと発表。

(闘争案内)

原発つづけるための乾式貯蔵NO!全国集会@高浜〜使用済み核燃料の行き場はないぞ!〜
とき:10月18日(日)午後1時半〜3時 ※集会後デモ(解散午後4時半)
ところ:高浜町文化会館(福井県高浜町)
主催:老朽原発うごかすな!実行委員会

国際反戦デー・ペンライトデモ
とき:10月21日(水)午後6時半
ところ:中之島公園・女性像前
主催:10・21国際反戦デー実行委員会

けいはんなから平和の風を
講師:高橋純子(朝日新聞記者)
とき:10月25日(日)午後2時〜4時 
ところ:けいはんなプラザ・大会議室ナイル(定員450人)
主催:ほうそのネット ※終了後、けいはんなプラザ前でスタンディング(午後4時半〜5時)

骨格提言と国連の総括所見の実現を求める2026大フォーラム
とき:10月31日(土)午後1時〜4時
ところ:北とぴあ7階第二研修室(東京都北区)
主催:しょうがいしゃ大フォーラム

輝け憲法!平和といのちと人権を!おおさか総がかり集会
とき:11月3日(火休)午後1時40分  
ところ:扇町公園(大阪市北区)
主催:おおさか総がかり行動実行委員会



8面

10・11三里塚全国集会へ
反対同盟が全国に招請状

26年3月29日 芝山町をデモ

◇招請状
三里塚芝山連合空港反対同盟

来る10月11日、成田市赤坂公園において全国総決起集会を開催します。
国・成田空港会社(NAA)は機能強化=第3滑走路建設に向け、新たな強制収用攻撃をかけてきています。高市政権は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026」に「成田空港の機能強化、道路・鉄道アクセスの整備、周辺の産業集積、農林水産物輸出拠点化を府省庁横断的に進める」と成田空港に関する記述を初めて記載し、「国家プロジェクトとしての成田空港及び周辺産業基盤の整備推進に向けた関係府省庁連絡会議」を立ち上げました。
拡張用地の買収が進まずあせりにかられた国・NAAは「国策=国家プロジェクト」をふたたび前面に押し出し「住民は黙って従え」と、1994年に自ら放棄した土地収用法を使った問答無用の土地強奪=強制収用に踏み出そうとしています。私たちは満腔の怒りで弾劾し、全国の労働者・農民・学生・市民の闘う仲間のみなさんに強制収用阻止、空港廃港へ共に闘うことを呼びかけます。
政府や財界、マスコミはこぞって「機能強化はわが国の競争力強化に不可欠」と強制収用に踏み切ることを正当化しようとしています。しかし「競争力強化」とは、一握りの資本の利益のために他国への軍事的・経済的な支配を強めることに他なりません。国内における農業切り捨て、農地強奪、農村破壊、環境破壊とも一体です。
私たち反対同盟は、今なお空港敷地内で農地と生活を守り軍事空港の完成を阻んでいるゆるぎない勝利を土台に、計画段階から機能強化粉砕を訴えてきました。丸13年157回を数える空港周辺一斉行動、機能強化工事阻止のフィールドワークの毎月の継続を基礎に、年初から1・11団結旗開き&新年デモ、3・29芝山現地闘争、5・12千葉県庁―5・13菱田連続デモ、「三里塚闘争60周年反対同盟アピール」を発した6・21農楽まつりなどを全国の仲間と共に全力で闘ってきました。札束にも国家暴力の発動にも一歩も退かず闘う「農地死守・実力闘争」の拠点=三里塚闘争60年の真価を今こそ発揮しよう。「空港拡張差し止め裁判」に合流し、怒りに燃える地権者・周辺住民と共に強制収用攻撃粉砕へ立ち上がろう。
米トランプ政権は中国・習近平体制の転覆を最終目標に据え、世界中に戦火を拡大しています。高市首相はトランプと共に沖縄―南西諸島の軍事要塞化を進め、九州・沖縄からフィリピンを結ぶ「第一列島線」での実戦を想定した軍事演習を繰り返しています。政府は平時から軍事利用する特定利用空港・港湾の指定を全国57カ所に拡大し、千葉県は成田空港の地下をミサイル攻撃に備えた緊急一時避難施設に指定しました。成田を侵略の出撃・兵站拠点にしてはなりません。戦争反対に立ち上がる世界の人々と連帯し、成田軍事空港粉砕、改憲・大軍拡の高市政権を打倒しよう。
市東孝雄さんの南台農地を守る闘いもいよいよ決戦です。農地死守の闘いに追い詰められたNAAは農地法裁判で確定した南台農地の一部の明け渡しを求める権利を時効消滅させないための訴訟を新たに起こし、市東さんを被告席に立たせようとしています。裁判所を怒りで包囲し、耕作権裁判控訴審勝利へ全力で闘おう。市東さんの南台農地死守の決戦陣形をうち固めよう。
(一部略)私たち反対同盟農民が「農地死守・実力闘争」の原則を貫き、里山・営農・生活・地域を守りぬいてきた闘いを今こそ押し広げ、社会を根本から変えよう。 (一部略)10・11三里塚全国集会にぜひお集まり下さい。
2026年8月27日

放射能ゴミを考える集会
和田央子さん講演要旨
8・30大阪

訴える和田央子さん(8月30日 大阪市)

本紙前号で、集会全隊像の報告をしたが、今号では和田央子さん講演のうち、「福島イノベーション・コースト構想」に関する部分に絞って講演要旨を紹介する。

福島イノベーション・コースト構想

現在、「福島イノベーション・コースト構想」が、国策として進められています。これは原発事故という惨事に便乗した復興ビジネスなのです。軍事研究、軍事ビジネスが、ここでおこなわれています。
福島イノベーション・コースト構想には、6つの重点分野がかかげられています。それは次のようなものです。
�@廃炉のための技術開発。これは日本原子力研究開発機構(JAEA)が主導しておこなわれています。JAEAは「もんじゅ」をつくったところです。
�Aロボット・ドローン開発。このために「ロボット・テスト・フィールド」(南相馬市)が2018年につくられました。廃炉用のロボット開発を宣伝していますが、ここでは軍事技術の開発がおこなわれるのです。防衛省(陸上装備研究所)は、核戦争を想定した技術研究を構想しています。環境にばらまかれた放射線を除染するために、人工衛星を使って車両を遠隔操作して、土壌の除染をするのです。
�Bエネルギー・環境・リサイクル。ここでは最先端の再生可能エネルギー技術やリサイクル技術を開発します。
�C農林水産業。この分野では、情報技術(ICT)を活用した農業や牧畜がおこなわれています。ハイテクを駆使して、農業や牧畜業、水産業の研究がおこなわれています。
�D医療関連。この分野では、福島県立医大が中心になって、放射線を用いた医療研究がおこなわれています。また、がん研究や創薬研究をしています。
�E航空宇宙。スタート・アップ企業が、国からの補助金を目当てに集まっています。衛星コンステレーションは、低軌道にたくさん衛星を打ち上げて、通信をおこないます。これは軍事技術そのもので、長射程ミサイルの誘導などに使われます。

エフレイ(F−REI)

福島国際研究教育機構(F−REI)が浪江町につくられます。外部委託研究はすでに始まっています。エフレイは研究機関(約5百人の研究者)ですが、このなかに大学院制度がつくられ、博士号がとれるようにするそうです。エフレイは研究者を育成する教育機関でもあるのです。
エフレイが福島イノベーション・コースト構想の司令塔になります。米国ハンフォードにあるパシフィック・ノースウエスト国立研究所(PNNL)をモデルにして、エフレイがつくられたのです。PNNLはリッチランドにあり、現在では軍事研究もおこなわれています。
ハンフォードは、マンハッタン計画のなかでプルトニウムを生産したところです。戦後も、ここでプルトニウムがつくられてきました。冷戦体制の終焉とともに、プルトニウムの生産は終了します。ハンフォードの原子炉は、すでに廃炉になっています。
しかし、再処理過程で発生した廃液の管理がずさんであったために、コロンビア川周辺の広大な敷地が汚染されました。1989年から除染がはじまり、ここで廃炉ビジネスがおこなわれています。PNNLは、その司令塔なのです。
政府はハンフォードの技術を福島に取り入れ、廃炉ビジネスで福島を復興させようとしているのです。大西康夫さん(東日本国際大学福島復興創成研究所・元所長)は次のように述べています。「浜通りの中小企業は廃炉、廃棄物処理、廃棄物貯蔵などで東京電力、日立、東芝の下請け業者となる」。
エフレイは、次の5つの目標をかかげています。�@ロボット開発、�A農林水産業、�Bエネルギー、�C放射線の産業利用、�D原子力災害に関するデータの集積・発信です。いずれも、福島イノベーションと同じ内容になっています。

福島イノベと経済安全保障戦略

経済安全保障推進法は、2022年4月に制定されました。この目的は経済の軍事化、国家総動員体制づくりです。このことが専門家から指摘されています。この法律にもとづいて、現在20項目の特定重要技術が指定されています。これは福島イノベーションと重なっています。
2024年4月に、岸田文雄とバイデンの間で、日米共同宣言「未来のためのグローバル・パートナー」が結ばれました。そのファクトシートには、経済安全保障に関する日米の協力事項がたくさん並べられています。この中に、「米国PNNLと福島エフレイの協力覚書」という文言がでてきます。エフレイの研究は、日米共同でおこなわれるのです。米国は日本に技術供与することによって、莫大な利益を得る構図になっています。福島イノベーション・コースト構想は、日米の経済安全保障戦略と一体でおこなわれているのです。

講演のまとめ

最後に、今までのことをまとめます。
◇福島イノベーションコースト構想は、原発事故という惨事に便乗した原子力推進、軍事ビジネスということです。
◇東電福島第1原発事故の廃炉と除染のモデルはハンフォードにあり、エフレイはハンフォードにあるPNNLの日本版です。福島の廃炉ビジネスに、日本やアメリカの企業や研究機関が利潤をもとめて群がっているのです。
◇福島イノベーション・コースト構想は、経済安保(デュアル・ユース)と一体であることです。復興を名目にして、軍事ビジネスが国策で推進されているのです。
わたしたちはこの動きに注視し、監視していく必要があります。