未来・第446号


            未来第446号目次(2026年9月17日発行)

 1面  大軍拡へつき進む高市内閣
     大阪空港・神戸港の軍事使用阻止

 2面  講演 「死の商人国家」になる日本
     急速に進む軍備拡張と武器輸出
     8・29大阪

 3面  憲法市民講座 8・29東京
     日中戦争の現実と日本人の歴史認識

     宮古島でデニーさんを応援

     連続辺野古ブルーアクション
     9・5新宿

 4面  高市政権がすすめる戦争準備
     実戦にむけ急速に進む自衛隊強化

 5面  世界戦争を促進するトランプ・高市
     危機突破を改憲にかける高市

 6面  〈寄稿〉
     99%が1%に勝利するために
     〈統一戦線〉と〈地域社会〉について考える�B
     大庭伸介

     伊丹でも闘い始まる

     (映画評)
     『叛逆のサウンドトラック』
     監督:ヨハン・グリモンプレ

 7面  原発賠償関西訴訟
     国の責任を認めず
     9・2大阪地裁

     原発のない明日を市民の力で(下)
     議員・市民連盟が総会&集会 7・20 大阪

     放射能ゴミを考える集会
     和田央子さんが講演
     8月30日大阪

 8面  大阪国際空港の軍事利用を止めよう
     9・2ペンライト街宣 豊中

     〈寄稿〉
     8・6ヒロシマ奮戦記
     関西学生 谷風諒

           

大軍拡へつき進む高市内閣
大阪空港・神戸港の軍事使用阻止

総翼賛体制下、大軍拡に暴走する高市政権

26年夏までの特別国会で反動法案を強行し、内閣支持率を急速に下落させた高市内閣は、9月内閣改造で体制を立て直し、憲法改悪と非核三原則撤廃の道へつき進もうとしている。とりわけ来年度予算概算要求を過去最高の143兆円とし、その中心を「強く豊かな国」にするために、軍需・先端産業に投資するという「国家戦略」にかけようとしている。17項目にわたる成長分野の中でも、過去最高の8・9兆円を要求した防衛省の予算は、まぎれもなく軍事大国化の道に他ならない。
いったんは「責任ある積極財政」をめぐって「緊縮財政」派の麻生自民党副総理と厳しい関係になったが、自民党内・経済界・支配階級からの不信任をかわすため高市は麻生と手を打ち、鈴木幹事長(麻生派・麻生太郎の義弟)の更迭を放棄した。来年自民党総裁選で勝利するため、石破元首相系統や林総務大臣系統(どちらかと言えば日中「友好」派)を排除し、高市・麻生総翼賛に向かうことを決断したのだ。
麻生は「やり残したのは一つ(憲法改悪)」と言ってはばからない。高市は8・6ヒロシマでも非核3原則改廃の意思を隠しもせず、内閣改造・秋の臨時国会へとのぞもうとしている。
高市改憲攻撃は、一つは「積極財政」の名で経済攻撃の中軸に軍需産業・先端産業を据えることであり、二つはスパイ防止法・国家情報局創設、国旗損壊罪などを使って、反高市の改憲反対勢力を解体することに総力を挙げることだ。また選挙においては26年総選挙型のあらゆるデマ宣伝を含め、国家総がかりで反対派勢力へ攻撃を加えてきている。この点では地方自治体で唯一政権に抗っている沖縄県・玉城デニー県政の打倒のために、総力を挙げて今いどんで来ているなかに、彼らの凶暴で反動的な姿を見てとらなくてはならない。

軍事大国化阻止=改憲阻止闘争に総決起を

2017年以来、沖縄の「南西諸島軍事化」を皮切りに、22年安保3文書の閣議決定、そしてその改定と、軍事予算の年間9兆円規模の投入、全国基地の整備、民間空港・港湾の「特定利用」という名の全土軍事要塞化がものすごい勢いで進んでいる。自衛隊基地は全国に300カ所、米軍基地は76カ所あるが、その上に特定利用の名で全国の主だった空港・港湾が一気に軍事使用に入っていく。わずか3年で全国に100カ所の軍事基地(港湾・空港)が新設されるのと同じ攻撃で、まさに全土要塞化攻撃そのものだ。
本年3月の日米会談で、自衛隊ホルムズ海峡派兵を高市は目論んだが、現憲法体系のもとではそれは不可能であることが判明した。それを受けて改めて憲法の意義が見直され、国会周辺で数万規模のデモと全国300カ所近くでデモが復権し、秋の臨時国会を前に恒常的な行動が呼びかけられようとしている。
既成政党は中道の瓦解にみられるように、高市政権の戦争と生活破壊に何一つ対決できず、その意義を急速に失い、支持率は1〜3%ほどを全野党が低迷している。しかしこのていたらくをついて新たな行動が広範囲に起っている。そして「南西シフト」以降の軍備増強・武器輸出・軍事大国化に反対してきた沖縄・西日本基地反対闘争(沖西ネット)が、「特定利用」の名での新たな基地建設に反対する闘いと結合することで、新たな反戦・反安保闘争が爆発しようとしている。10月9日〜10日には対政府交渉と全国連帯交流集会が開かれる。
更に岸田政権からの原発再稼働・原発依存政策についても改めて「原発は要らない、核と人類は共存できない」との運動が持続・継続・発展しようとしている。今夏、気候危機=酷暑、大雨・洪水の連続に対して「持続可能な社会」を求める動きは急速に高まろうとしている。

大阪空港・神戸港の軍事使用を阻止しよう

軍事利用に反対する初めての集会に130人が参加(8月30日 伊丹市)
阪急豊中駅前で軍事利用反対訴える2度目の駅前行動(9月2日豊中市)

この中で関西の3空港・2港湾の特定利用には、危機感が燃え広がろうとしている。とりわけ大阪国際(伊丹)空港周辺は人口密集地帯で、長きにわたり騒音公害と闘い、夜間飛行の差し止めを勝ち取ってきた。今この1日370便の空港を自衛隊機が使用すれば接触事故か、早朝・夜間の飛行しかない。このことに怒りを持つ周辺住民・自治体議員・首長は決起を始めた。すでに豊中市・伊丹市で想定を超える集会が開かれ街頭行動も始まっている。9月には川西市・池田市で、10月は尼崎市・高槻市で集会が開かれ、防衛省出席で説明会開催を求める声が噴出している。また神戸港の軍事使用を巡っては非核神戸方式を何とか潰し、神戸を呉と並ぶ海軍基地・一大補給基地にする攻撃が急である。
いかなる暴虐があっても、再び戦場への道を拒否する沖縄人民と連帯し、すべての労働者・人民は、眼前で繰り広げられる大阪空港の軍事使用=改憲と戦争の道を止めるため、今こそ決起しよう。

2面

講演 「死の商人国家」になる日本
急速に進む軍備拡張と武器輸出
8・29大阪

満席の参加者(8月29日 大阪市)

8月29日、大阪市内で講演会「『死の商人国家』になる日本」がひらかれ、2百人を超える参加があった。主催は、しないさせない戦争協力関西ネットワーク。
当日は、同ネットワークの総会が前半におこなわれた。

戦争国家化をどうやって止めていくか

総会の後の講演集会では、冒頭、増田京子共同代表(箕面市議)が主催者挨拶。増田さんは特に、「皇室典範改正」「国旗損壊罪」の法成立に危機感を持った。次に来るのは「国旗掲揚法」ではないか。思想信条を踏みにじるのを着々と作ってきている。もうひとつが、特定利用空港。今まで軍事施設でもなんでもないところに戦闘機が来る。近くにあるのが伊丹空港ですが、特定利用空港・港湾指定に対して10市協で取り組み始めている。こういう生活の中に着々と軍事化を進められているなという危機感を感じている。「怖さ」を知らない人たちにどうやって広めていったらいいのか、戦争国家になっていくのをどうやって止めていくか考えていこうと述べた。

杉原浩司さん講演

杉原浩司・武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表が「『死の商人国家』になる日本〜武器取引の現状を暴く」と題して講演。
講演の内容は、
「はじめに」。
[1]歯止め皆無の「5類型」撤廃〜輸出先から米国除外を。
[2]フィリピンへの武器輸出は国内紛争・人権弾圧も助長。
[3]巨費投入で一変した軍需産業をめぐる光景。
[4]ドローン・AIの使用による大量虐殺の促進=民生技術の軍事への取り込みと加速と虐殺加担の拡大。
[5]現代版「総力戦体制」へ 〜待ち構える制度改悪。
[6]「死の商人国家」への堕落をどう止めるか。

2014年に安倍政権が、1967年佐藤政権が作って以来の武器輸出三原則を撤廃し、武器輸出に舵を切った。今年の4月、高市政権が5類型(救難、輸送、警戒、監視、掃海=機雷除去のこと)を撤廃していわゆる殺傷兵器の輸出を全面解禁した。
大事なポイントとして、「憲法9条イコール武器輸出禁止」じゃなかった。戦後20年ほど、朝鮮戦争特需で武器・弾薬をだして高度成長の礎になったといわれている。
武器輸出三原則は、ベトナム戦争反対の世論を受けて、野党が論戦をはって、自民党政権に作らせた。非常に重要な平和原則だったわけですが、それを閣議決定だけで葬り去った。主権者は怒らなきゃいけない。
次に、スライドを示しながらの説明をした。
いわゆる武器見本市が公然とおこなわれてます(そこに展示されてる武器がどういうものかを説明)。そこで百人以上で抗議行動をやった。2025年4月幕張メッセでの総合武器見本市では、会場が公的施設なのに共産党議員も登録したのに入場が禁止された。県と市が予算を出している。チェックするのは当たり前じゃないか。それなのに締め出すとは。ラファエルという小型ドローン。この動画のPRにガザでパレスチナ人民が攻撃され逃げまどっている様子。そんなことを堂々とやっている。スカイストライカー、ガザで複数の場所で避難民テントの攻撃に使われて1週間に30人以上虐殺した。このスカイストライカーは今年度採用される小型攻撃型ドローンの3機種の一つで実証試験を済ませていて、採用されればジェノサイドに加担する形で税金がつぎ込まれる。すでに実証試験で税金が使われている。当時の石破首相も視察に来たし、中谷防衛大臣も視察に来た。政府丸抱えの武器見本市。同時期にフランスなどで武器見本市をやっているがイスラエルのブースは黒い布で覆い隠している。ところが憲法9条を持っている日本がノーチェックで堂々とやらせている。2百人ぐらいで抗議行動をやった。
日本の長射程ミサイル、当時は12式ミサイルといってました。25式と名前を変えたが、熊本の健軍基地に配備された。別の高速滑空弾、千キロ近く飛んで、いずれは2千キロ、3千キロに改良するという長射程ミサイルが富士駐屯地に配備が強行された。3月末に抗議行動をやった。この長射程ミサイルは今年度は宮崎のえびの駐屯地と北海道の上富良野に配備、次は横須賀のイージス艦と百里基地の戦闘機に配備される。
攻撃型ドローン、イスラエル製だけはやめろと2年間運動続けてきて、いよいよ入札されるという時に防衛省前で抗議行動やった。この時はイスラエル製は入札すらできず。今年度も来年度も続く。

杉原浩司さん

はじめに

ICC(国際刑事裁判所)赤根智子所長に対するトランプ政権による制裁への発言「ICCは負けない」を紹介。この観点から見ても、イスラエルの武器なんか輸入しちゃいけないのは当たり前じゃないか。

「5類型」撤廃

[1]では、4月に5類型が撤廃されて武器が事実上政府の裁量でどこにでも出せる。特徴的なのは徹頭徹尾国会を無視していること。歯止めとして「防衛装備品・技術移転協定」(現在18カ国)を結んだ国しか輸出しないといってるが、協定を結べばいいわけで歯止めになっていない。輸出した後でのチェック=モニタリングができない。アメリカですら監視できていない。「現に戦闘がおこなわれている国は原則として輸出しない」といっているが、あくまで原則にすぎなくて、例外を認めています。「戦闘中の米国にインド太平洋地域での体制を維持するために必要な武器を輸出する場合」が例外としてやっていいという。これは一番やっちゃいけないことじゃないか。
昨年、アメリカの求めに応じてパトリオット(ライセンス生産)を日本がアメリカに輸出している。どこに行ったかを国会で聞いても政府は答えない。今回は迎撃ミサイルだけども、国際法違反を促進するもの。この先、フィリピンに攻撃ミサイルを輸出しようとしています。そのミサイルが移動して人々の殺傷に使われる。日本の武器がイラン戦争に使われることだってあるのにどうなってるのかが分からない状態。これ絶対に国会議員つかって撤回させなければならない。

フィリピンへの武器輸出

[2]では、「5類型」撤廃使って、最初に輸出が狙われているフィリピンについて。マルコスが5月日本に来て防衛大臣などと会談した。国会で演説した。中古自衛艦あぶくま型をフィリピンへ、あさぎり型をインドネシアへ無償か安価で輸出検討している。88式地対艦誘導弾、これ攻撃ミサイルです。4〜5月にかけてフィリピンでおこなわれたアメリカ・フィリピンと7カ国軍の(日本の自衛隊も参加)バリカタンという軍事演習で、陸自が実弾射撃訓練をやった。武器見本市状態です。それを小泉大臣が見守る。この武器輸出の大きな狙いは中国です。中国に対して威圧する。その手段として武器輸出という形でアメリカの子分として肩代わりする。フィリピンで国軍が何をやってるかというのは、マスコミのどこにも書かれてない。フィリピン国軍はネグロス島で民間人の虐殺をおこなっている。マルコス政権下で22年7月〜25年12月に超法規的殺害135人。強制失踪16人、軍の無差別攻撃による死傷者・住まいを追われるなどが5万7156人。「週刊金曜日」記事ではマルコス政権の24年前半だけで450件以上の「レッド・タギング」(「赤」のレッテル貼り)が横行。このフィリピンに「88式地対艦誘導弾」(攻撃ミサイル)を輸出しようとしている。

国が巨費投入

[3]では、軍需産業が国の巨費投入で「相次ぐ撤退」から「儲かる産業」「成長産業」へ変貌していることについて。
三菱重工の防衛省契約額は23年度に前年度の4・6倍にあたる1兆6803億円。株価は10倍に。武器見本市に国際武器産業が出展。イスラエル企業のドローンを防衛省が導入を検討しているとか、ドイツのドローンを楽天が輸入代理をおこなうことに『通販生活』が抗議して関係をやめるとか。イラン戦争ではAI(イスラエル・米軍を支援する虐殺加担の米AI企業パランティア)によってアメリカはイランの1000箇所の標的を攻撃した。パランティアの創業者・ピーターティールはテック右派である。イスラエル社製のスマホ情報抜き取り機器を防衛省が導入した。

現代版「総力戦体制」へ

[5]では、小泉防衛相が名指しで、日本政策投資銀行による軍需企業への融資を要請したとたん、日本政策投資銀行は軍需企業への投資制限=「慎重に対応」から「検討可能」に転換した。

どう止めるか

[6]は、どうやって歯止めをかけるかについて。
中古自衛艦を輸出するための自衛隊法改悪、軍需産業強化法改悪(防衛装備移転円滑化基金を設備投資に充当へ)、武器工場の国有化を検討する方針が「骨太方針」に明記しているので、通常国会で、安保3文書改定の後、早期の関連法成立を狙っていると思われる。
BDS(消費ボイコット、投資引き上げ、武器禁輸など経済制裁をおこなうことで、イスラエルのパレスチナ占領・抑圧を終わらせることをめざす国際運動)運動もこの間、成果を上げている。�@市民運動が最後の命綱であること。これからも大きな声をだしていかなければ。�A通常国会で議論を(立憲には最低反対させる)�B輸出対象国で人権弾圧・反軍でたたかっている人と連携する。国際連帯。�C在日フィリピン人や国内の団体(ふぇみんや宗教者ネット)など10のグループと行動、�Dイスラエルの武器輸入に制裁を、�E「ジェノサイド共犯国家」イスラエル・米国との関係の抜本的見直し、�F軍縮へ向けて行動を、�G戦争犯罪へ直結する武器輸出を止めていく、�H軍事費がGDP比2%まで来ている。これ以上あがると教育・医療・社会補償費が減る。この戦線と協力を。「死の商人」国家批判を続け、とりわけ三菱グループにしぼった批判を、などと訴えた。
質疑応答を受けて講演を終了した。

3面

憲法市民講座 8・29東京
日中戦争の現実と日本人の歴史認識

8月29日、都内で、市民憲法講座『日中戦争の現実と日本人の歴史認識』がひらかれた。主催は、許すな!憲法改悪・市民連絡会。東京大空襲・戦災資料センター館長の吉田裕さんが講演した。以下、講演要旨を紹介する。

日中戦争の延長線上

毎年12月8日にアジア・太平洋戦争を想起する人がどれだけいるだろう。7月7日(日中戦争開戦)、9月18日(柳条湖事件)に戦争の時代を思い起こす人はさらに少ないだろう。日本人にとって戦争の記憶が喚起される日は8月6日、8月9日(広島・長崎原爆投下)、8月15日(終戦記念日)に偏重している。
(吉田裕氏と久留米大学教授・森茂樹氏の著作『戦争の日本史23 アジア・太平洋戦争』吉川弘文館2007年)、この時点では侵略戦争とする割合が多かったが最近の調査では変わっている。東京大空襲や原爆投下など、アメリカの戦争犯罪が不問に付されていることを考えれば、日本人がアジア・太平洋戦争に関してある種の不公正感・不平等感を抱くのはある意味当然、しかし、『どっちもどっち』(日米同罪論)では、アジア・太平洋戦争が日中戦争の延長線上に生起した戦争であること、両者の不可分性が完全に無視されることになる。(1921年・翌年開催のワシントン会議と軍縮の流れについて、第1次大戦前に戦時国際法の整備が進んだが)それに対して、国際紛争を解決する手段として戦争という行為に訴えること自体を違法とするのが戦争の違法化の動き、具体的には紛争の平和的解決や軍縮を定めた国際連盟規約(1919年)、国家の政策の手段としての戦争の放棄を定めた不戦条約(1928年)など(ただし各国は自衛戦争の権利を留保、自衛戦争は別、とする立場に立った)、こうした戦争違法化の流れの中に、日本国憲法や国際連合憲章を位置づけることができる。
朝鮮の3・1独立運動や中国の5・4運動(ともに1919年)に象徴される民族独立運動の高揚があり列強も次第に中国に対する侵略を抑止するようになる。こうした流れを逆転させたのが、陸軍の謀略によって1931年9月に開始された満州事変、戦争が始まると、国民の中には中国に対する排外主義が吹き荒れた。1932年5月の軍人による犬養毅首相の暗殺事件(5・15事件)によって、政党内閣も終わりを告げる。満州事変によって、日本は1932年3月には傀儡国家である満州国を建国、国際的孤立を深め、1933年には国際連盟を脱退。
1933年5月に締結された塘沽停戦協定によって、日中間には小康状態が生まれる。蒋介石率いる国民党政府が、対日戦より国内における中国共産党との戦いを重視し、満州国の存在を黙認したから。しかし満州国内では激しい抗日ゲリラ闘争が続き、1935年に入ると陸軍が華北五省を日本の支配権に組み入れようとする華北分離工作を強引に開始、中国側はこれに激しく反発し、国民党と共産党が一致団結して、日本の侵略と戦うべきだとする気運が急速に高まった。こうした中、1937年7月、北京郊外の盧溝橋で日中両軍の小規模な武力衝突が発生、衝突自体は偶発的事件だったが陸軍内に強力な拡大派が存在したこともあって、戦争はたちまち華北に拡大、翌8月には日中間の全面戦争に発展、中国側は抗戦を継続し戦争は長期化・泥沼化した。
日中戦争の行き詰まりに直面すると、日本ではナチス・ドイツと一体となって勢力圏の再分割戦争に参加しようとする勢力が急速に台頭、その圧力の下で日本は1940年9月に北部仏印(フランス領インドシナ)に進駐して武力南進政策を開始するとともに、日独伊三国同盟を締結。しかしこの外交路線の大きな転換は日米関係を急速に悪化させる。そのため1941年春からは戦争回避のための日米交渉が始まるが、中国からの日本軍の撤兵を求めるアメリカに対して、日本が妥協を拒んで撤兵に反対し続けたため交渉は暗礁に乗り上げる。その結果、1941年12月、日本軍は英領マレー半島と真珠湾への奇襲攻撃を開始(アジア・太平洋戦争)。日米交渉の最大の焦点は中国からの撤兵問題にあり、日本がこれを拒否して戦争になった経緯を考えるならば、アジア・太平洋戦争は日中戦争の延長線上に生起した戦争であったこと、両者の連続性は明白。
その他、父親が戦死している自民党の古賀誠元幹事長が共産党系の出版社から本を出して憲法9条堅持を訴える(『憲法九条は世界遺産』かもがわ出版)ことに見られるような戦争に対する強い忌避感があったが、それは侵略の責任・加害性に踏み込まないことを暗黙の了解とすることで国民に広く受け入れられた側面がある。戦争世代の減少によってそれも揺らいでいる。高市首相の歴史観と対決し、戦争に対する認識をしっかり持つことが重要である。

宮古島でデニーさんを応援

雨の中、宮古島で訴える玉城デニーさん(9月1日)

玉城デニー知事応援のため8月31日から9月3日まで宮古島を訪問、街宣とポスティングをおこなった。
デニーさんは、米海兵隊の父と伊江島出身の母のもとに産まれ、父は帰国、「育ての母」との母子家庭、経済的にも苦しくいじめにもあって来た。
大雨の中での朝と昼前のアピールに参加した。デニーさんは「懸命」という言葉がぴったりの感じで熱烈なアピール。2期8年の平和と人権の実績を訴え「普天間基地返還、跡地利用」、「辺野古メドなし」、「沖縄を再び戦場にさせない」。交差点を囲んで「誰ひとり取り残さない」のノボリを掲げて頭をさげ、多くのドライバーが会釈を返したり、手を振っていた。(関東K)

連続辺野古ブルーアクション 9・5新宿

毎月恒例の新宿南口街宣(9月5日)

9月5日、新宿駅南口で毎月恒例の「辺野古に新基地は作らせない!! 新宿南口 連続辺野古ブルーアクション」(呼びかけ:沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)がおこなわれ、多くの市民が集まって、辺野古基地建設の不当性と高市政権の下で進む戦争準備との闘いを訴えた。
雨模様だったが運よくやんでいて、新基地を辺野古に建設するのが「普天間基地返還問題の唯一の解決策」という政府の宣伝が虚偽であること、日本が一方的に沖縄を支配し狭い沖縄に国内の米軍基地の大半を押しつけることが不当であること、米軍がらみの事故や犯罪の多発などの訴えが市民に届いた。

(闘争案内)

さようなら原発全国集会
とき:9月23日(水休)
◇ブース出店・ミニステージ 午前11時〜
◇音楽ライブ 午後1時40分〜2時
◇メインステージ 午後2時〜2時45分
◇パレード出発 午後3時〜
ところ:代々木公園B地区・ケヤキ並木
主催:「さようなら原発」一千万署名 市民の会

冤罪と家族〜狭山事件の再審を!関西キャラバンスタート集会〜
と き:9月23日(水休) 午後1時半  
ところ:神戸市立中央区文化センター 1階多目的ホール
主催:狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西実行委員会
共催:部落解放同盟兵庫県連合会

「9条の会・おおさか」講演と交流のつどい
とき:9月26日(土)午後6時半
ところ:エルおおさか「南ホール」
主催:9条の会・おおさか
情報の「抑止・収集・発信」で社会はどう変わるのか!?
講師:永嶋靖久弁護士
とき:10月3日(土)午後6時半 
ところ:PLP会館4F(大阪市北区)
主催:とめよう改憲!おおさかネットワーク
共催:共謀罪に反対する市民連絡会・関西

変えよう世界と日本 とめよう戦争 10・11反戦集会
とき:10月11日(日)午後2時半
ところ:京都市円山公園音楽堂

主催:10月国際反戦デー実行委員会



4面

高市政権がすすめる戦争準備
実戦にむけ急速に進む自衛隊強化

高市早苗政権は「安保3文書」を改訂する作業をおこなっている。高市は軍需産業支援を成長戦略のひとつにしている。軍事大国化が進められている。
全国に自衛隊基地が約300カ所、米軍基地は76カ所存在している。西日本を中心に軍事基地が強化されている。全国各地で、これに反対する住民の闘いがはじまっている。以下、最近の動向をみていく。

■(1)南西諸島における自衛隊基地強化

〈沖縄・那覇駐屯地〉
陸自第15旅団が、今年度中に第15師団に改編される。第15師団の人数は3千人規模で、普通の師団(5千〜7700人程度)より小さい。この改編によって、沖縄に巨大な地上軍がおかれることになる。
師団化によって、普通科連隊が1個から2個に増強される。宮古警備隊と八重山警備隊が師団に編入され、第15師団は先島諸島までを一体的に指揮することになる。 また、第15師団司令官は米海兵隊第3海兵遠征軍(�VMEF)の司令官(中将)と同格にして、より密接な連携を追求している。
〈沖縄・与那国島〉
今年度、対空電子戦部隊が与那国島に新設される。さらに、防衛省は「03式中距離地対空誘導弾・能力向上型」(ミサイル部隊)を2030年度から運用する。2026年3月、住民説明会がおこなわれた。
現在、与那国島では自衛隊とその家族が3百人になり、人口の20%をしめる。住民は自衛隊による発言力の拡大を警戒している。
2016年、与那国島に沿岸警備隊(160人)が新設された。それ以降、22年に移動式レーダー部隊、24年に電子戦部隊が発足した。
また、2023年に持ち込まれた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)は、配備されたままになっている。

〈鹿児島・馬毛島〉
2023年1月から、自衛隊の馬毛島基地建設がはじまった。上空から馬毛島を見れば、島の緑はなくなり、まるで巨大な航空母艦のようだ。
現在、ここに2本の滑走路、不整地着陸訓練施設、離発着艦訓練施設などが建設されている。完成は2030年3月を予定にしている。
馬毛島基地は自衛隊の活動と訓練拠点になる。滑走路ではF35Bの発着艦訓練がおこなわれる。海岸部に艦艇の係留施設がつくられる。ここが兵站輸送につかわれる。また、在日米軍空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)もここでおこなわれる。

 

■(2)スタンド・オフ、長射程ミサイル配備

〈熊本・健軍駐屯地〉
2026年3月31日、25式地対艦誘導弾(旧称:12式地対艦誘導弾・能力向上型)が全国ではじめて配備された。このミサイルの射程は1千�qで、敵基地攻撃能力をもっている。これによって、専守防衛は最後的にすてさられた。
健軍駐屯地では、司令部機能を地下化する工事がおこなわれている。司令部の地下化工事は、全国14拠点で進められている。陸自施設(健軍、那覇、那覇病院、朝霞)、海自施設(舞鶴地方総監部)以外は、航空基地の司令部だ。防衛省は2027年度末までに完成させる方針にしている。
工事内容は住民にいっさい説明されていない。住民が主権者であるにもかかわらず、現実には国家が主権者になっている。これにたいして、今年2月23日、1200人が手をつなぎ、健軍基地を「人間の鎖」で囲い込んだ。基地周辺住民は、長射程ミサイル配備に怒っている。 
〈静岡・富士駐屯地〉
今年3月、「25式高速滑空弾(早期配備型)が、富士駐屯地に配備された。射程は3百〜4百�q程度。このミサイルは超音速で滑空し、変則的な軌道を描くことで、迎撃されにくいとされている。
東富士演習場は、富士駐屯地に隣接している。2025年10月、米海兵隊は高機動ロケット砲システム「ハイマース(HIMARS)」の実射訓練を富士演習場でおこなった。1967年、防衛施設庁(当時)は、「ミサイルは持ち込まない」と住民に確約しており、その文書が残っている。住民は「約束違反」だと怒っている。今年1月、住民は〈富士にミサイルやめて!の会〉を結成し、2月に抗議集会を開いた。
現在、防衛省は1千〜2千�qに射程をのばした能力向上型を開発している。このミサイルは上富良野駐屯地(北海道)とえびの駐屯地(宮崎)に配備される予定だ。また、防衛省は極超音速誘導弾も開発している。
神戸港を母港とする輸送艦
〈イージス艦にトマホーク搭載〉
トマホークは射程1600�q以上あり、敵基地攻撃用のミサイルとしての「実績」をもつ。イラン攻撃(今年2月28日)にも使われた。
イージス艦「ちょうかい」(佐世保基地配備)が米国でトマホーク発射管を装着する改修をしていたが、今年3月27日に改修をおえた。
現在、海上自衛隊はイージス護衛艦を8隻保持している。防衛省は巡航ミサイル「トマホーク」を4百発輸入し、これらのイージス艦に搭載する計画だ。

■(3)ミサイル弾薬庫の増設

防衛省は弾薬庫を全国に1400棟保持している。防衛省はさらに130棟を2035年度までに増設する。すでに62棟の場所が決定している。
〈大分・敷土弾薬庫〉
大分・敷戸弾薬庫では9棟の弾薬庫が建設される。この8月末に最初の1棟が完成し、11月末に2棟目が完成する予定。また、防衛省は今年6月に新たに3棟の建設工事(完成は2027年度以降)をはじめた。
8月30日、住民は敷戸西公園で「ミサイル弾薬庫いらん! 平和を求める大分集会」を開催した。反対運動は継続している。
〈京都・祝園弾薬庫〉
京都・祝園(ほうその)弾薬庫では、昨年8月18日に弾薬庫8棟の増設工事がはじまった。完成は27年度末を予定している。すでに、23〜25年度で304億円の軍事予算が使われている。最終的に、祝園弾薬庫に14棟が増設される。
現在、工事車両が頻繁に北ゲートを往来している。祝園弾薬庫には海上自衛隊の弾薬も保管される。2隻のイージス艦が海自・舞鶴基地に配備されており、これにトマホークが搭載される。このトマホークが、ここに貯蔵されるのではないかと言われている。
舞鶴基地では、4棟の弾薬庫建設のための予算が計上されている。弾薬庫が基地内にあるため、工事内容はブラック・ボックスになっている。
〈横須賀・比与宇弾薬庫〉
横須賀基地にある比与宇(ひよう)弾薬庫では、2022年3月に覆土式弾薬庫2棟が完成した。これで14棟の弾薬庫がすべて完成したことになる。イージス艦に搭載するトマホークなどが、ここに貯蔵される。

■(4)自衛隊・海上輸送群

2025年3月24日、海上輸送群が呉基地で新編された。この時、司令部と第1、2海上輸送隊(百人)がつくられた。2026年3月、第2海上輸送隊は阪神基地隊に移っている。
さらに2026年度末までに、海上輸送隊が奄美基地分遣隊の敷地に新編され、輸送艇1隻が配備される。この専用ふ頭が2027年度末までに古仁屋港須手地区に新設される。ふ頭が完成すれば、ここに移転する予定。
海上輸送群は兵站をになう。戦場に軍事物資や兵員を輸送する。現在、要員は2百人程度だが、2027年度末には数百人規模に増強される。
現在、中型輸送艦(LSV)「ようこう」「あまつそら」「あおぞら」の3隻が呉基地に、小型輸送艦(LCV)の「にほんばれ」が阪神基地隊に配備されている。輸送艦艇は、2027年度末までに10隻体制に増強される。 

■(5)特定利用空港・港湾

2024年4月、5空港11港湾が特定利用空港・港湾に指定された。以後、半年ごとに追加され、2024年4月現在、24空港33港湾が指定されている。さらに、検討中のものが24空港、16港湾あり、合計で97施設になっている。
すべての港湾と54の地方空港の管理権は、地方自治体になっている。ふたたび戦争に利用されることがないように、憲法の精神にそって、港湾の管理権は国から地方自治体に移された。
政府は「円滑な利用に関する枠組み」と称して、国の権限を強化しようとしている。これにたいして、地域住民は闘いに立ちあがっている。

■(6)在日米軍の強化

現在、在日米軍司令部は軍事作戦の指揮権を持っていない。米国防総省は在日米軍司令部を「統合軍司令部」に格上げして、作戦の指揮をおこなえるようにする方針だ。こうして、自衛隊の統合作戦司令部と指揮統制の連携を強化している。
米陸軍は2025年9月に日米合同演習にさいして、「タイフォン」を岩国基地に持ち込んだ。今年、9月の日米合同演習で使用するために、ふたたび鹿児島県の鹿屋基地に持ち込んでいる。米軍は日本にタイフォンを常備配置しようと狙う。
タイフォンは米陸軍の中距離ミサイルシステムで、巡航ミサイル「トマホーク」や艦対空迎撃ミサイル「SM6」などを発射できる。

■(7)生産現場での闘い

〈愛知・名古屋〉
三菱重工小牧北工場では、あらゆる種類の長射程ミサイルが製造されている。次期支援戦闘機がイタリア・イギリスで共同開発されているが、これは小牧南工場で製造される。愛知・名古屋の周辺は軍需産業の集積拠点になっている。
高市政権は経済成長のひとつに兵器産業を位置づけている。名古屋の〈不戦へのネットワーク〉は、製造現場から戦争反対の声をあげている。

■(8)知り、つながり、止める!

高市政権は戦争準備をすすめており、戦争政策を推進している。これにまっこうから反対し、怒りの声をあげよう。自衛隊基地周辺で、反対運動をおこそう。
同時に、反対運動する人びとが全国で「つながる」ことだ。10月9日に政府交渉、10日に全国連帯交流集会がおこなわれる(主催:戦争とめよう! 沖縄西日本ネットワーク)。政府交渉と集会に参加しよう。(寺田理)

5面

世界戦争を促進するトランプ・高市
危機突破を改憲にかける高市

高市は党内基盤が脆弱であり、維新との連立も不安定である。高市の唯一の延命手段は、戦争の危機を煽り、実際の戦争に突入し、改憲をはじめ、強権的国内支配体制を確立することである。9月7日から11日まで、日米韓合同演習フリーダム・エッジが実施された。8月25日から9月5日までは陸自東北方面隊と仏陸軍の実働訓練「ブリュネ・タカモリ」が実施された。自衛隊の「新しい戦い方」の目玉とされるドローンを使う初めての演習である。閣議で一方的に決定する「特定利用空港・港湾」はすでに候補を含めて百カ所近くなり、米軍と自衛隊による実戦的使用を繰り返している。

第1章 中東・湾岸戦争を巡って

博打的自滅的措置に出たトランプ

「イランに地獄を見せてやる」という恫喝(効き目がない、ないし逆効果)。
イランとホルムズ海峡の管理を巡って協議しているオマーンを攻撃するとの恫喝(これも逆効果)。
ネタニヤフに有罪判決を下した国際司法裁判所の所長以下に制裁を課す措置。
この中で、ガザと西岸のパレスチナ人民の命運とイラン・イスラム革命の帰趨、世界革命と民族解放闘争、プロレタリア革命と「イスラム革命」の関係は、つねに考察と運動の軸に据える必要がある。

侵略と戦争に加担する高市

沖縄に駐在する米第3海兵隊遠征軍(�VMEF)がホルムズ海峡封鎖作戦を担っている。民間の貨物船に乗り込んでエンジンを破壊して航行不能にするなど、無法の限りを尽くしている。
米サンディエゴを母港とする原子力空母エイブラハム・リンカーンが無寄港で中東の作戦に従事した結果、精神・身体に異常を示す乗員が続出し、横須賀を母港とする原子力空母ジョージ・ワシントンと交代することが決まった。日本から空母打撃軍が出撃することになる。
沖縄の嘉手納基地に駐屯する米空軍第18航空団(単一の混成航空団としては米空軍最大)が、中東に派遣されている。戦闘機に加え、空中給油機・早期警戒管制機・爆撃機などが行っている。
以上、在日米軍の4兵種中、3兵種の、しかも米本土を除けば最大の部隊が中東・湾岸地域に投入されている。われわれは参戦国として国際主義的連帯精神を発揮して、たたかわなければならない。

第2章 ロシア・ウクライナ戦争を巡って

ドローン戦争でロシアは劣勢に

ウクライナ政府の集計によると、今年だけですでにロシア軍は13万1千人が死亡、9万3千人が負傷している。ウクライナ軍は、数千機の偵察ドローン、探知ドローン、自爆ドローンを組み合わせ、「ドローンの壁」を築いている。その結果、前線は幅30�qにわたってドローンが支配し、人間の平均生存時間がわずか数分という過酷な空間になっている。
一方、中距離ドローンでロシア軍の兵站を麻痺させる一方、1600�q先まで攻撃できる長距離ドローンで、ロシアの石油産業、軍、軍需産業などの戦略資産に打撃を与え、ガソリンやジェット燃料の配給制や輸出禁止を強いている。
ドローンを実践現場で次々と改良し、AIによって統制する実戦的能力の点でウクライナに及ぶ国はない。問題はウクライナの「消滅」のために手段を選ばないロシア・プーチンの消耗作戦である。囚人・外国人傭兵(ネパール人など)、少数民族を使い捨てにして動員するうえに、今のところ迎撃が難しい弾道ミサイルで都市部を無差別に攻撃している。そのうえ、プーチンは、もっとおいつめられた場合に、小型核兵器でウクライナ及びウクライナを支援する国を攻撃すると恫喝している。

受け身的に対応するばかりの高市

プーチンの択捉島訪問に弱々しい抗議しかできない。「北方領土」を「固有の領土」と言い募って、アイヌをはじめとする北方民族が古来住んでいた土地をロシア(ソ連時代を含めて)と奪い合ってきた。サハリンの原油と天然ガスの利権を維持するために、プーチンに頭が上がらないのである。

第3章 一刻も見逃すな改憲動向

明治憲法と現憲法との関係

1871年パリ・コミューンと1881年ロシア皇帝アレクサンドル二世の暗殺を受けて、世界反動のテコとして、明治憲法が1889年2月11日発布された。明治憲法は、世界史的反動の頂点で絶対主義的君主制を神話的に確立したのである。その基礎のうえに大正期の(資本主義的)ボナパルティズム的変容を遂げた。現憲法は、これとの関係で、次の特徴を持つ。
現憲法が絶対主義的・ボナパ的君主制を引き継いだ面
現憲法は第1章が天皇に関する条項であり、第1条から第8条まである。明治憲法は同じく第1章が天皇であり、第1条から第17条までが天皇条項である。
根本的矛盾として発布者が天皇となっている。
「朕は」で始まり、「御名御璽」で終わる「上諭」(注1)が前文の前に共通してある。前文が「日本国民」を主語としているのに対し、矛盾する。しかも戦後の現憲法を、明治憲法に対して「新憲法」とせず、「帝国憲法の改正」としている。明治憲法を引き継いでいるのである。
 明治憲法、とくにその天皇条項の特徴として、天皇の軍事大権に関する条項が第11条から第14条まで、4カ条にわたっている、現憲法はそれを第2章の9条の1カ条に集約し、しかも第1項で、「戦争の放棄」、第2項で「戦力不保持」と「国の交戦権」を「認めない」とした。文意からこの点は国民の意志としての宣言である。国会ですらこの条項を変えることは認められない。内閣であれ、国会議員であれ、この点の変更を発議することは憲法違反である。

浮かび上がった具体的争点

防衛3文書の改訂(非核3原則の「緩和」と「新しい戦い方」名目で、AIとドローンの開発・導入・製造・輸出)、?スパイ罪新設への動向(国家情報会議と国家情報局の設置)、皇室典範の改正、国旗損壊罪の成立、再審法制の「改悪」、永住許可、日本国籍取得の困難化、?残業規制の撤廃(百年間に及ぶ労働時間短縮の流れを逆転する)。

琉球への軍事負担と犠牲の強制

5度にわたる琉球処分(注2)
沖縄戦と天皇メッセージ 
朝鮮戦争とベトナム戦争における侵略戦争の拠点
対中国・朝鮮戦争のための全島要塞化
普天間維持と辺野古強行
現在の米中東侵略戦争への協力加担
琉球に対する差別・抑圧の上に、侵略戦争の最大の出撃基地とすることなど絶対に容認できない。

注1:法律・勅令・条約・予算などを公布する時、その冒頭に付して天皇の裁可を示した語(広辞苑)
注2:『展望』33号、塩川三十二論文44ページ「補4 沖縄論」参照)

10・9〜10政府交渉、全国連帯交流集会訴える沖西ネットチラシ

6面

〈寄稿〉
99%が1%に勝利するために
〈統一戦線〉と〈地域社会〉について考える�B
大庭伸介

1931年9月、「満州事変」が勃発した。中国東北地方への侵略である。これに先立って、陸軍は30年末から31年8月までの間、全国の1866市町村で演説会を開き、165万5千人の聴衆を動員した。
主催したのは全市町村と大工場に張り巡らされた帝国在郷軍人会であった。退役軍人たちによる在郷軍人会は軍国主義思想の宣伝・普及に努めていた。
そのころ農村は極度に疲弊し、村役場の入口に「娘売りの場合は当役場に相談されたし」というポスターが張り出されるほどであった。農民組合の左派(共産党系)は、「全耕地を農民に無償で分け与えよ」と要求していた。
本省から派遣された佐官クラスの将校は軍服姿で演壇に立ち、つぎのようにアジテーションした。「いいだろう。しかし日本は狭くて人口が多い。全耕地を解放しても、諸君の子弟を中等学校や高等女学校に進学させるほどの余裕は生まれない。それよりも広大な沃野に恵まれた満州に渡って、その土地を失敬(略奪をさす)すれば、諸君はたちまち大地主になれる」と、激烈なデマゴギーを展開したのである。
実のところ中国侵略を企む軍首脳は、果たして国民の支持が得られるか自信を持てなかった。ところが、「満州事変」が勃発するや国民は熱烈に歓呼の声をあげたのである。軍首脳部はホッと胸をなでおろした。
このことは、陸軍の将校と陸軍省幹部の親睦機関である偕行社機関誌『偕行社記事』(戦時中は部外秘)に明記されている。軍部は中国侵略を前にして、直接〈地域社会〉で巧妙な扇動を繰り広げ、大衆の心をつかむことに成功していたのである。
それより少し前、ナチスが台頭したとき、スターリン支配下のコミンテルン(各国共産党の国際組織)は、「社会ファシズム論=社民主要打撃論」を打ち出した。社会民主主義こそ労働者を裏切ってブルジョアジーに奉仕する点において、ナチスよりも悪質な存在であるとみなしたのである。
実際にドイツ共産党はナチスと手を組んで、社会民主党系労組のストライキを破壊する行為に及んだ。その有様を伝える写真が残されている。ナチスのパトロンであったブルジョアジーのほくそ笑む姿が眼に浮かぶようだ。
日本でも、1927年の金融恐慌下で倒産・首切りが相次ぐなかで、似たようなことがおこなわれた。共産党は資本家・経営者に対抗して工場代表者会議の開催を呼びかけた。しかし実際におこなわれたのは、合法組合から参加した労働者にたいして幹部の腐敗堕落を批判することであった。結局、「あれは共産党の運動だ」と見抜かれて弾圧を招いただけに終わったのである。 
ひるがえって、1960年代以降の日本ではどうであったか。
「他党派解体のための統一戦線戦術」なるものを唱えて利敵行為に走った革マル派は論外として、「新左翼」諸派はいずれも誠実に〈統一戦線〉を推進する点で不熱心であった。自派が他党派に抜きん出ることを競い合い、他派の幹部に陰惨なリンチを加えるまでにエスカレートした。支配階級の眼には歓迎すべき状況と映ったことであろう。
トロツキーは、政権の座をうかがうナチスに打ち勝つために「悪魔とも手を結ぶべきだ」と主張した。そしてファシズムに反対する諸勢力に、「別個に進んで共に撃つ」戦術を提起したのである。
あらゆる闘いにおいて、敵が最も嫌がること、一番恐れることに集中して取り組むのが戦術の要諦である。何よりも世論を盛り上げて、敵を圧倒的に包囲することである。そのためには、〈統一戦線〉の実現が必須の課題である。政治党派がそのための協定書を取り交わすことは、必ずしも必要ではない。共通の目標を実現するために互いに信頼し合い、共に行動することが何よりも求められる。
すでに反原発や沖縄基地撤去などで、事実上〈統一戦線〉ともいうべき取り組みが展開されている。それらを横につなげていくことこそ、政治組織の果たすべき役割だ。それだけのことができなければ社会主義社会の実現など、��夢のまた夢�≠ノ過ぎない。
今、高市内閣は戦争政策を推進しようと躍起になっている。この野望を打ち砕くために、戦争に反対するすべての勢力が実質的に〈統一戦線〉を組み、あらん限りの力を発揮して、身体を張って行動すべきときであると思う。

伊丹でも闘い始まる

会場がうめつくされた(8月30日)

8月30日、大阪空港の軍事利用に反対する市民集会が兵庫県伊丹市で開催された。大阪国際空港は通称伊丹空港と呼ばれるが、敷地は大阪府豊中市と伊丹市が半々で、ターミナルビルは豊中市にある。騒音問題も滑走路南の豊中市、北の兵庫県川西市が被害甚大。そのうえ伊丹市は自衛隊中部方面総監部(緑が丘)、第三師団(千僧)などがある「軍都」で市民運動は弱い。それでも大阪国際空港周辺都市対策協議会(10市協)の議長都市として、騒音問題や米軍の離発着には抗議してきた。今回「特定利用空港」問題が起こり、自・公・維推薦で昨年当選の中田市長は7月末10市協総会を開催。さすがに議長市が率先賛成とは言えず、宝塚市長などが危惧を表明。9月14日にも防衛省に行く。
そんな中、伊丹市民の動向が注目されたが、8月30日の集会は予想の1・5倍の130人が参加。講師の中山徹さん(奈良女子大名誉教授)の話は、安保3文書から始まるが、伊丹市にどういう問題が起こるかを簡潔に解説。特定指定を阻止する道は地方自治・市民自治が国の専権事項(防衛問題)を上回る声を多数にするかだとした。これから川西・池田・尼崎で中山さんの講演会が開かれる。空港を包囲する周辺住民の運動を強めよう。

(映画評)
『叛逆のサウンドトラック』
監督:ヨハン・グリモンプレ

1955年4月、バンドン会議が開催された。1960年6月に、コンゴ共和国が独立を宣言する。この当時、アジア・アフリカ諸国が存在感を示していた。このドキュメンタリー映画は当時の記録フィルムを編集している。コンゴ独立に焦点をあてつつ、反植民地主義の可能性にせまっている。
また、ジャズ音楽は米国の黒人音楽から世界音楽に発展しようとしていた。ジャズは黒人解放からアフリカ民族の解放にむかっていた。いっぽう、米国政府はジャズを文化戦略として利用していた。

アフリカの解放

ルムンバはコンゴ独立運動の指導者であり、コンゴ初代の首相に選ばれた。ルムンバは反帝国主義、アフリカの解放をかかげていた。ルムンバは「アジアとアフリカ諸国が団結すれば、国連で過半数がえられる。われわれで世界を主導することができる」と語っていた。しかし、ルムンバが考えるほど帝国主義国は甘くなかった。

コンゴ独立の破産

1960年、コンゴはベルギーから独立する。ルムンバは大衆的な支持をえていたが、国内の旧支配層は温存されており、軍部にも手をつけなかった。ルムンバは国連、ソ連に頼った。いっぽう、ベルギー、米国、英国などが経済的権益のもとで「団結」し、ルムンバの暗殺をくわだてる。
こうして、「コンゴ動乱」が1960年から65年まで続く。1961年、ルムンバが殺害され、コンゴの解放は帝国主義によってつぶされてしまう。
この時代、ジャズはアフリカの解放をめざしていた。1961年2月、ルムンバの殺害に抗議するため、マックス・ローチとアビー・リンカーンは国連安保理事会に突入する。映画のタイトルは。このことを示している。

コンゴ民主共和国の現在

1994年、ルワンダでツチにたいするフツ虐殺(ジェノサイド)が発生した。その後、ツチが権力を握る過程で、コンゴ東部に大量の難民がおしよせる。以後、コンゴ東部紛争は今も継続している。第2次コンゴ紛争(1998年8月〜2003年7月)だけでも、約540万人が殺されている。しかし、日本のメディアは、この戦争をほとんど報道していない。
コンゴ東部は地下資源(銅、ウラン、レアメタルなど)が豊富に埋蔵されており、これをめあてに武装集団が群雄割拠している。ちなみに、広島と長崎に投下された原子爆弾の材料ウラン鉱は、コンゴのカタンガ地方(コンゴ南東部)で採掘されている。

アフリカにおける民族解放

1956年、ナセルはスエズ運河国有化を宣言する。こうして、第2次中東戦争が勃発した。
この時代、フルシチョフは国連で第3世界を支援していた。
この頃から、ソ連はアフリカに進出をはじめる。1970年にはアンゴラ内戦に介入し、アフリカの解放勢力を支援する。しかし、これらはソ連の利益のためだった。
現在、コンゴ東部の紛争は反帝国主義を忘れ、部族間の争いになっている。ルムンバの夢は、今日も実現していない。アフリカの解放は、今もテーマになっている。(鹿田研三)

7面

原発賠償関西訴訟
国の責任を認めず
9・2大阪地裁

報告集会に多数の人が(9月2日 大阪市)

9月2日、原発賠償関西訴訟の判決が大阪地裁(松本展幸裁判長)であり、原告、支援者など3百人近い人々が集まった。大法廷は、10時に開廷、裁判長はおどおどした様子で判決を読み上げ、5分で逃げ去った。国の責任を認めない不当判決だった。
この裁判は、東電福島第1原発事故で福島、東北、関東などから関西に避難した住民221人が、国と東電に計約29億2700万円の損害賠償を求めた訴訟で13年間たたかわれてきた。
判決は、東電のみに103人に対する計約9千万円の賠償を命じ、国への請求は認めなかった。原告らは、国の責任を認めるか否かが最大の焦点だといってたたかってきた。
全国で同様の避難者訴訟が約30件あるが、国に責任があるかないかについては、2022年までは、「責任がある」、「責任はない」の判決が混在し、判断を統一すると称して、最高裁が同年6月17日に、4つの高裁判決をまとめて上告審で「国に責任なし」と判決をくだした。
以降、全国の裁判で国の責任を認めた判決は1件も出ていない。今回の原発賠償関西訴訟で、それが覆るかどうかが注目されていた。
住民側は控訴する方針。

後世に残してはならない恥ずべき判決

同裁判の原告団代表・森松明希子さんは語る。
「誰のための、誰に向けての判決だったのかが本当によくわかりました。法の支配に基づいた公正で説得力のある司法判断がくだされることを期待していましたが、人の支配、最高裁の言いなり、最高裁判決を盾にした思考停止の判決でした。司法の独立はどこにもありませんでした。『司法の自殺』だと思いました。原発事故が起きたときに、誰も責任を取らなくてよいということになれば、必ず次の犠牲者が出る事故につながります。同じ被害がくりかえされます。後世に残してはならない恥ずべき判決です。これからも、放射線被ばくから免れ、健康を享受する権利をはじめとして、被ばくからの自由という基本的人権の確立のために、真摯に訴えつづけてまいります」

原発のない明日を市民の力で(下)
議員・市民連盟が総会&集会 7・20 大阪

(承前)
記念講演の2つめは、『提言 原発と決別し、自然エネルギーのみで成り立つ社会を』と題して、木原壯林さん(若狭の原発を考える会、元日本原子力研究所研究員)が講演。要旨を紹介する。

 

原発は、現在の科学技術で制御できない、人類の手におえないものである。運転を強行するために「嘘・詭弁」「データねつ造・改ざん」「トラブル隠蔽」「約束反故」で人々を騙すしかない。原発の安全を揺るがす不正は中部電力だけではない、として数多くの事例を列挙。続いて、

原発が現在科学で制御できない根本的理由 

�@核反応(核分裂反応、放射線放出反応)のエネルギーは、化学反応エネルギーの数百万倍
�A原発事故の被害の甚大さ
�B原発は地震などの自然災害に脆弱
�C長期保管を要し、行き場のない使用済み核燃料、放射性廃棄物を残す

使用済み核燃料は行き場がない

原発を動かせば、使用済み核燃料が発生する。ところが、それを保管する使用済み核燃料プールが満杯に近づいている。使用済み核燃料は、本来、青森の六ヶ所再処理工場に持って行くはずだった。しかし、再処理工場は動かない、動く展望もない。このままプールが満杯になれば、原発は動かせなくなる。そのプールに空きをつくるために、乾式貯蔵施設を原発敷地内に新たに建設しようとしている。「原発延命のための乾式貯蔵施設設置」を認めてはならない。

原発拡大社会へ暴走する政府、原発推進勢力の口実

�@地球温暖化対策?
核に閉じ込められた膨大なエネルギーを解放する原発が、温暖化抑制に有効であるはずがない。また原発は建設過程から廃炉、使用済み核燃料の処理処分過程まで、あらゆる過程で、二酸化炭素を発生させるのみならず、海水温度を上昇させ、海水中の二酸化炭素放出を加速する。
�AAI活用のために必要な電力を供給する?
IEAや政府が宣伝するほど大量の電力は不必要との見解も数多くある。世界には自然エネルギーのみでAI関連電力を賄おうとする国が多数ある。上記は、「原発ありき」の主張で、正当性はない。

どうすれば、炭酸ガスの増加、地球の温暖化を防止できるのか

�@電力使用量を削減する、�Aエネルギーの使用拡大ではなく、エネルギー使用の少ない技術を、�Bエネルギーに対する無限の欲望に歯止めをかける。太陽から現在届いているエネルギー(自然エネルギー)以外は使用しない。日本は自然エネルギーの宝庫である。原発の発電量は、日本社会が必要とされる全電力の10%以下。この程度の電力は、節電や自然エネルギーの活用で容易に賄える。
エネルギー資源に適した植物を積極的にそだてることも必要だ。
自然エネルギーのみで成り立つ社会を展望しよう。

放射能ゴミを考える集会
和田央子さんが講演
8月30日大阪

8月30日、「放射能ゴミのゆくえを考える」集会が、大阪市内でひらかれ、70人が参加した。主催は〈汚染水を海に流すな! 関西ネットワーク〉。
集会では、〈放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会〉和田さんが講演した。
内容は�@除染から核汚染土再生利用までの概略、�A福島イノベーション・コースト構想とエフレイ(福島国際研究教育機構)について。

福島イノベーション・コースト構想

福島イノベーション・コースト構想について、和田さんの講演は次のような内容だった(次号に講演要旨を掲載)。
「福島イノベーション・コースト構想は国策としておこなわれている。これは惨事に便乗した原子力推進・軍事ビジネスとして推進されている。経済安保研究開発と実証が��福島復興�≠フ名のもとにおこなわれ、その補助金を目当てに大手企業が群がっている。廃炉と除染はハンフォードをモデルにしており、日米一体でおこなわれている。対中国戦争準備であり、国家総動員体制が実践されている」

汚染水差止訴訟の現状

また、海渡雄一弁護士が「ALPS処理汚染水差止訴訟」の現状についてビデオ報告をおこなった。裁判は内容論議に入っていない。原告資格があるかどうか、この「入口」論議がつづいている。第8回口頭弁論が9月24日におこなわれる。

避難者がアピール

東電福島第1原発事故からの避難者・菅野みずえさん(原発賠償関西訴訟・原告)がアピールした。菅野さんは、この国策に抗う住民として、「福島にすむ女性たちが中心になって、汚染水の海洋放出に反対する署名運動を2013年からはじめた。福島では漁協も農協も汚染水放出に反対だった。福島県民は海洋放出に賛成しているわけではないのです。全国で3万筆を集め、国に提出した。しかし、国からは何の応答もなかった。
東北電力は浪江町に原発をつくる計画をもっていた。松倉さんは土地を売らないで、反対運動をおこなった。原発事故があり、東北電力は原発をあきらめた。こうして、松倉さんは��町の復興のために�≠ニ、その土地を浪江町に寄付した。今、その土地は福島イノベーション・コースト構想で、水素ステーションになっている。松倉さんの想いは無残にも捨てさられた。
原発事故の被害は福島だけのことではない。責任主体をあいまいにしないで、福島原発事故ではなく、東電原発事故と言っていただきたい」 

今野寿美雄さん

今野寿美雄さん(子ども脱被ばく裁判・原告代表)が、あいさつ。今野さんは、〈子どもを被ばくから守る会〉が新たに立ち上がり、9月27日に集会を開くことを報告した。 最後に行動提起があり、閉会した。

核汚染水の海洋投棄阻止

東京電力は、原発事故で発生した核汚染水を太平洋に投棄し続けている。この8月23日で、開始から3年目をむかえた。東電はこれまでに約17万3千トンの核汚染水を海に流した。その結果、タンクでの貯蔵量は約10万トン減少している。放出量にくらべて貯蔵量の減少が少ないのは、1日平均60トンの核汚染水が新たに発生しているからだ。核汚染水の海洋投棄は地球環境を破壊し続けている。

核汚染土を全国にばらまくな

福島県内の除染で発生した核汚染土は、中間貯蔵施設に保管されている。政府は2045年3月までに福島県外で最終処分することを約束している。いっぽうで、環境省は8000ベクレル以下の核汚染土を「再生利用」するといっている。国の合同庁舎の花壇にそれぞれ約1立方メートルの核汚染土を埋め込む計画だ。メリットは何もない。公害を規制する環境省が全国に核公害をばらまいている。

8面

大阪国際空港の軍事利用を止めよう
9・2ペンライト街宣 豊中

9月2日、阪急豊中駅前の人工広場で「大阪国際(伊丹)空港の特定利用空港指定=軍事利用を止めましょう!」という2回目のペンライト街頭宣伝がおこなわれた。豊中市民の他に市外からも大学生などがかけつけ参加者は85人。10人がリレーアピールして軍事利用の危険性と戦争反対を熱く訴えた。呼びかけは〈戦争法廃止!豊中市民アクション〉〈大阪国際空港(伊丹空港)の軍事利用を絶対止める会〉。

国は市民に説明せよ

司会は、「国は市に説明するから、それぞれの市は、市民に責任をもって説明してくれと言っている。7月7日1回目の説明会を開いた。国は市民の前に出てしっかり説明すべきだ」
8月25日オンラインで2回目の説明会があり、傍聴した和田まなみ豊中市議が報告した。和田議員は「国は住民には説明したくないから、豊中市にあとは説明せよと何回も言う。有事は何をもって言うのか。ぼそぼそと国は言うが、有事に活用するための使用だ。そこを市民の皆さんがしっかりと捉えて、こんなことさせるかと一緒に声を上げていきたい」

市民からのアピール

▼立命館大の学生は、「軍拡が最近異常な状況だ。立命館大は28年から宇宙地球フロンティア研究科をつくると発表している。学内からは軍事研究という批判の声が上がっている。研究科長に就任する中須賀真一は防衛省の防衛科学技術委員会の委員長代理であることが判明した。大学における軍事研究に絶対反対していく」
▼カジノを止める会の女性は「特定利用空港・港湾になったら、平時から自衛隊や海上保安庁は訓練をおこなったりできる。そのために、戦闘機が利用するので滑走路を延長する。また特定利用空港・港湾と自衛隊の駐屯地を道路ネットワークで結ぶ。自衛隊の兵士と物資の輸送を円滑におこなうために、道路ネットワークの整備をおこなっている。今年は、沖縄で10カ所、九州全体で22カ所、北海道で7カ所道路が整備されている。使うのは自衛隊だけでなく米軍も使う」
▼絶対止める会の男性は「特定利用空港化は、米軍の軍事利用も促進する可能性がある。青森県三沢基地からイランに対して米軍戦闘機が展開したことについて、イランのアラグチ外相は、日本国民は米軍の犯罪的行為について説明を求めるべきだと言った。私は重度障害者の介護施設で働いているが、重度障害者の方は聴覚に敏感な方が多い。米軍機が離発着することになると、多くの障害者の安全・生活が損なわれる。市民生活を守るために特定利用空港を止めたい」
▼兵庫県の男性は「10月2日に尼崎の園田の人たちを中心に騒音問題の学習会をやる。戦闘機の場合は騒音というよりは爆音なんです。これが離発着すると会話ができない。戦争と生活破壊、これに対して今声を上げなければ止められない。ここ数年の間に百カ所の空港・港湾が軍事使用。神戸の港湾・空港の軍事使用を9月18日の神戸市議会で粟原神戸市議が全面的に質問をする」 
▼豊中の女性「私には2人の子どもがいる。もし有事ということになったらどうなるか想像していただきたい。署名で全戸訪問してみた。軍事利用について反対するとインターホンごしに申し上げると、興味ないんですと言って切るご家庭が多い」
▼宝塚市民で元豊中市民という男性は「自維政権で、軍事と産業と大学、軍産学が一体化して国を戦争に連れて行こうという動きが、何の説明もなくどんどん進んでいる。国会にまかせておいてもダメで私たち市民がこのように路上に出て、皆が声をあげるしかないと思う」と締め括った。 最後に「戦争反対、NO WAR、NO WAR、改憲反対 主権者は私たち」とコールして終了した。 

〈寄稿〉
8・6ヒロシマ奮戦記
関西学生 谷風諒

規制をはねのけデモ行進

「戦後」と忌まわしき原爆投下から81年、8・6ヒロシマ集会実行委が呼びかける8・6ヒロシマ抗議行動に参加した。

規制

『未来』443号8・6シリーズ �Bヒロシマ圧殺を許さないに詳報の通り、極右ロビイストの策謀の後押しを受けた市当局は、19年ごろより原爆ドーム前を含む平和記念公園一帯を規制封鎖するという暴挙に踏み切り、機動隊・民間警備員を使って集会・運動弾圧体制を強固なものへと強めた。政府国家による式典行事を神聖不可侵とでもいうが如く、それに反対・抗議する社会運動・市民運動・個人を許さず、禁圧して排除するという異常事態。戒厳令とでもいうべき治安警備警察と国家権力のむき出しの暴力がヒロシマの反戦反核運動を襲っている。

集会とデモ

仮規制開始後の午前7時過ぎ、実行委員会の呼びかけのもと、我々は交通規制による混乱を逆手にとって公園至近まで車で肉薄し下車、集会予定場所の原爆ドーム前公園入口になだれ込んだ。警備体制の虚を突かれた公安と機動隊は、我々を一歩も公園敷地内に入れさせまいと慌てて2重3重の阻止線を張るものの、支離滅裂な警告を発するのみ。
原爆ドーム前の公園入口が市と警察による根拠なき規制によって大混乱となる中で、反戦・反核の闘いを忘れず継承し、その怒りの声を圧殺させられてなるものかと一歩も引かずに集会を開始した。「式典の国家行事化反対」「被爆者の怒りを無視するな」「集会規制 弾圧を許さないぞ」と、核使用を示唆する恫喝をしながら、現在進行形で戦争と虐殺を命令している戦争国家の指導者が参列し、大軍拡と非核三原則の見直しに踏み込む日本政府・高市がスピーチする平和式典を弾劾した。
午前8時15分、原爆投下その時間に合わせて我々は黙祷粉砕のアピールをおこなった。個々人の心情によってではなく国家一丸となっての黙祷は、ナショナリズムと無辜の被害者性=天災(空襲被害の戦後の自己責任化と昭和帝ヒロヒトの��原爆投下による被害はやむをえなかった�≠ニいう無責任発言がまさしくその象徴)の強化として機能する。「国家的行事としての慰霊のための静かな追悼」の強制によって歴史的な国家による加害や責任の問題や��国民�≠ゥら排除された人々はうやむやにされるのである。
極右ファシストの襲撃・妨害や機動隊・公安警察による敵対から参加者に指一本触れさせることなく守り抜き、不当な集会弾圧規制を実質的に打ち破って平和式典弾劾、反戦反核を訴えぬく原爆ドーム前集会を貫徹した。
9時になり広島市内でのデモ行進へと出発。様々な手法で式典や集会規制に抗議・抵抗していた人々や飛び入りの市民、他団体主催の行動からの梯子参加の方らも合流。「式典粉砕」「侵略加害の歴史を忘れるな」「改憲核武装阻止」「平和の声を抑圧するな」などのコールとともに戦争反対、高市政権打倒、様々な幟旗や横断幕を持ち商店街・大通りに反戦・反核のメッセージを轟かせた。デモ後の屋内集会では、それぞれの感想報告と各団体からの連帯メッセージやアピール。特筆すべきは国際連帯としてウクライナの学生団体『Pryama Diia』からの連帯メッセージが寄せられたことであろう。
個人としては前日の8月5日には「広島原爆81年朝鮮人犠牲者追悼式」と「8・6ヒロシマ 平和へのつどい2026」にも参加したが、国際連帯の可能性と必要性、闘争における統一戦線と共同のとりくみの重要性をより一層再認識した。最後に来年以降もこの8・6ヒロシマ闘争を継続させていくことを全体で確認した。

力強くシュプレヒコール

8・6ヒロシマ闘争への注目と支援を

この間左派系の運動に襲撃を繰り返してきた極右配信系活動家らとその同調者・市議会議員は、広島市当局にさらなる弾圧規制強化を訴える意見要望に乗り出した。市の緑政課長ならびに市民活動推進課課長は「原爆ドーム前に活動家がいなくなるシーンを作り上げることができてよかった」「あの黒や赤のヘルメットの奴らをほんとは威力業務妨害で逮捕したかった」とさらなる規制と弾圧強化に向けた意欲を明らかにした。被爆者の怒りから始まった8・6の反核平和の運動への敵意をむき出しに、完全規制を狙っているのだ。到底許すことはできない。持続可能な運動とともに、集会規制排除と弾圧攻撃を跳ね返す運動を目指して、反戦・平和・反核で闘うすべての人々との連帯と結集を作り出し、より一層の闘争の高揚のもとで勝利する決意です。(長文のため一部割愛しました)

(カンパのお礼)

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