未来・第442号


            未来第442号目次(2026年7月16日発行)

 1面  極右・反動・独裁むきだしの高市政権
     持続不能な資本主義を倒し社会主義へ

 2面  沖縄を再び戦場にさせない
     慰霊の日スタンディング
     6月28日
     大阪駅前

     魂魄の塔前で集会
     6・23国際反戦沖縄集会      

     7・5海上自衛隊
     阪神基地隊サマーフェスタ
     各艦船はいつでも戦時体制に入れる

 3面  7・3関生京都事件控訴審第1回公判
     検察の証拠調べ請求を全て棄却
     満席の傍聴支援は無罪を確信

     8・6シリーズA
     核戦争への道をひた走る高市

 4面  辺野古ブルーアクション
     7・4 新宿南口

     防衛省抗議行動 7月4日

     同志社国際高校 修学旅行海難事故
     教育基本法で平和教育破壊

 5面  転載
     神戸空港の特定利用空港化反対
     神戸港の軍事利用も許さない
     神戸市会議員 あわはら富夫

 6面  駒込さん講演会 7月4日 大阪
     日本の植民地支配と台湾の近現代史

     <新刊紹介>状況を切り拓く書>
     鈴木裕子著 『フェミニズムと戦争協力
     見えなかった過去から学び、未来をつくるために』   

 7面  パレスチナに連帯して
     BDS運動を進めよう
     6月26日 

     副首都と都構想(下)
     「都」はついてても全然関係ない    

 8面  えん罪救済のための
     再審法をめざして

     三里塚闘争60周年 反対同盟アピール(全文)

     投稿
     「国旗損壊罪」をつくるな> 投稿
     東京・T生  

           

極右・反動・独裁むきだしの高市政権
持続不能な資本主義を倒し社会主義へ

沖縄を再び戦場にさせないスタンディング(6月28日 大阪駅前)
阪神基地隊のサマーフェスタ。左が強襲揚陸艦「くにさき」、右奥が輸送艦「にほんばれ」(7月5日 神戸市)
阪神基地隊正門前でスタンディングとマイクアピール(7月5日 神戸市)

極反動むき出しの高市政権

自民党内支持基盤は相変わらず脆弱で、政治能力も極めて低いのに、2月総選挙圧勝と初の女性首相ということで、高市は支持率を下げながらも傲慢な政権運営をしている。
6月23日沖縄では、無内容な安倍元首相のコピペ以下の挨拶中に抗議の声があふれたが、聞こえなかったと無視した。式典では女子中学生の詩の朗読に参加者全員が聞き入った。自分の挨拶にはなぜ抗議の声が飛ぶのかをこの首相は考えもしない。会場外でも「ミサイルを持って帰れ」とこの間の南西シフトでのミサイル配備と沖縄を再び戦場にしかねない攻撃に怒りが広がった。慰霊の日にも日米実動訓練レゾリュートドラゴン26を強行する高市内閣はもはや実力での打倒以外ない。
後半国会は大混乱中で、維新との連携をさらに強め、定数削減と都構想に繋がる副首都案を強行してきたが、前者は先送りに。
また国旗損壊罪、再審法改正、皇室典範改悪など、国家に関わる重大法案は強硬姿勢を崩さないが、物価高対策など市民生活に関わる施策はほったらかしだ。とりわけ「立法府の総意、静謐な環境で」とした皇室典範改悪は、「皇族の数確保と旧11宮家からの養子」を軸にしたが、実は後者が眼目で、さらに養子の子(男子)は皇位継承権があるとする超ド級の反動法案であることが判明した。この案は現行憲法下の「国民とともにある天皇」(それ自体欺瞞だが)などどうでもよく、明治憲法下の専制政権に従属する王政の復活に他ならない。さすがにこの男尊女卑、「皇族も生身の人間」=基本的人権を無視する養子案には、天皇家を敬愛する保守層からも批判が噴出している。
高市・麻生連合は国会が空転しても会期を延長してでも成立を図ろうとしている。さらに憲法改悪に向かって、緊急事態条項だけでは足りず、9条2項に自衛隊を明記する動きが強まっている。
その一方で喫緊の物価高対策はせず、公約であった食料品消費税ゼロはめどが立たない。清涼飲料・食品などここ2年で平均150%の値上げで市民生活は青息吐息だ。賃金は最大5%、年金は2%程度増額で物価高には追いつかない。 気候危機ではすでに日本の四季は二季になり、フランスでは熱波で多数の死者が出ている。日本でも7・8月、「生命の危機」が叫ばれるだろう。

最末期の姿示す資本主義

気候変動だけではない。資本主義の無限の成長という幻想が破綻し、GAFAM(テック資本主義)が世界を制圧し、G7=先進資本主義諸国は成長が止まり、世界は持続不可能な泥沼に突入している。不安にかられた社会で、資源の奪いあいに米トランプや露プーチンが先頭を走り、さらに日本ではエネルギー資源が必要だと、原発再稼働・新型原子炉へと走ろうとしている。
この格差・貧困の強制、資源の争奪戦に対し、今こそエネルギーの在り方や水・住宅・交通インフラ・医療などを市民で管理し、強権に頼らない自治体・政権が中南米・欧米ででき、日本でも模索され始めている。そこでは新しい社会主義を掲げ、トランプ型・高市型の民主主義の破壊に対しては、パリコミューンの行動原理を採用する、ラディカルデモクラシーをとりもどす動きが広範囲に起こりつつある。

高市内閣の戦争と貧困強制と闘おう

沖縄・西日本を先頭とする戦時体制構築は、6月レゾリュートドラゴンでさらに一段と進んだ。沖縄島しょ奪還作戦では宮古島にオスプレイが初めて飛来し、島全体を制圧しようとした。鹿児島・奄美の小さな島にも輸送艦「にほんばれ」が12式ミサイルを搭載した車両を上陸させた。終われば特定空港・港湾指定予定の神戸港の海上自衛隊阪神基地隊で、にほんばれと強襲上陸艦「くにさき」(甲板は空母型)を公開し、そこには6000人の市民が参加した。
つづいて大阪国際空港・関西国際空港の特定空港利用指定がなされると、これらは軍民共用空港となる。また既に四国の高知新港・高松港など各地の港湾・空港が特定港湾・空港に指定され、九州は既に最前線で、中国・四国・関西は呉以外大きな軍事施設がなかったが、祝園弾薬庫・舞鶴軍港を含め西日本一帯が一大軍事ネットワークになろうとしている。5・31舞鶴に結集した2800の労働者・市民はこの力を、特定空港指定反対の闘いや神戸港軍事使用反対の闘いの中で数倍・数十倍に拡大し、憲法改悪・生活破壊阻止の闘いと結合させ、高市内閣を人民の力で打倒する道を切り開こう。

9月沖縄県知事選勝利へ

この高市打倒闘争の中で最大の攻防点となるのが9月沖縄県知事選だ。高市は高支持率の中で地方自治体選挙でも勝利できると思ってきたが、この間自治体選では、石川県知事選、東京都清瀬市、東京都練馬区などでも負けっぱなしで、「高市人気」が架空であることが明らかとなった。衆議院選で勝利した東京都杉並区では、区長選に27年ぶりに自民党候補を擁立したが、前回187票差の敗北が今回はダブルスコアでの敗北となった。地方だけでなく首都直下でも過疎支配なのだ。
戦争の危険と貧困の強制が最も進むのは沖縄に他ならない。歴代自民党政権は、辺野古新基地建設と南西シフトによる自衛隊増強・戦時体制づくりを沖縄に強制してきた。他方で玉城デニー県政には国家をあげての強権を発動し、各種財源を削減し、基地と貧困を強制してきた。
この中で、このままでは再び沖縄が逃げるところのない戦場になるとの危機感が充満している。この怒りは爆発寸前だ。他方この状態を沖縄に強制してきたのは日本国内の左派・リベラル勢力で、今こそこの混迷を自己批判し、玉城デニー知事の勝利をかちとろう。 8月23日玉城デニー知事支援集会inおおさかから9月沖縄知事選勝利へ、全国の労働者・市民は総決起しよう。

<

2面

沖縄を再び戦場にさせない
慰霊の日スタンディング
6月28日
大阪駅前

大阪駅前に50人以上が集い、リレーアピール(6月28日 大阪市)

6月28日、大阪駅前で「沖縄を再び戦場にさせないスタンディング」がおこなわれ、50人以上の市民が集まった。呼びかけは、沖縄を再び戦場にさせない実行委員会。
この5日前の6月23日は、沖縄「慰霊の日」。悲惨な沖縄戦の犠牲者を偲び、二度と戦争を起こさせないと誓う日であるが、この23日をはさんで、20日から30日にかけて、日米共同実動訓練レゾリュートドラゴン(米海兵隊と陸自による日本国内最大規模)が実施されている。実動訓練は、九州各地、沖縄の島々でおこなわれ、佐賀に配備された陸自のオスプレイが沖縄に飛び、宮古島や石垣島で訓練をおこなう。
この日のスタンディングは、レゾリュートドラゴン強行に抗議する行動としておこなわれた。

主催者発言

いま沖縄では80年前に4人に1人が死亡し、「本土」防衛のために捨て石にされた人々の眼前で、日米実動訓練レゾリュートドラゴンが実施され、自衛隊・米海兵隊が訓練として、オスプレイを九州・南西諸島に飛ばし、水陸機動団を台湾海峡にまで派遣している。
また並行して、米国主催多国間共同訓練「ヴァリアントシールド」軍事演習(6・22〜7・1)が西太平洋で強行されている。

リレースピーチ

6月28日、大阪駅前スタンディング

参加した個人・団体が順次スピーチをおこなったが、ここでは〈神戸港の軍事使用を許さない会〉の発言を紹介する。
昨年の9月以来、集会、署名活動に力を入れています。全国57カ所、関西国際空港(関空)、大阪国際空港(伊丹空港)、神戸空港、堺泉北港、姫路港が特別指定で自衛隊と共用になると聞いて、よそごとではなく自分の問題だと痛感しています。
京都・大阪・奈良におよぶ祝園弾薬庫は、130トンの弾薬を貯蔵する大弾薬庫。高市首相は、主体的に米の軍事戦略に入りこんで軍事力強化をたくらんでいる。祝園ミサイル弾薬庫から東神戸魚崎浜にある海自阪神基地隊へ運ばれ「にほんばれ」という輸送艦で鹿児島県谷山港・奄美大島まで地対艦ミサイル、25式ミサイル(12式能力向上型)などが運ばれる。
7月5日の阪神基地隊・サマーフェスタは、輸送艦「にほんばれ」の公開、強襲揚陸艦「くにさき」が公開される。
6月23日、沖縄に行ってきた。沖縄全戦没者追悼式会場では、具志堅隆松さんのハンストや200人の南無妙法蓮華経の抗議デモがあった。高市首相の6分間の発言にはずっと抗議のやじ。
与那国はいま自衛隊に乗っ取られ、宮古では、自衛隊員による市民への恫喝事件がおき、裁判になっています。かつての皇軍による住民虐殺がおもいかえされます。与那国では、人口流出が進み自衛隊が来て町が島が発展するという話は嘘でした。島に残った農民は独自の努力をしています。島の発展は新たな農業であるべきですし、台湾との友好も熱心でしたが、安倍の発言によって緊張が高まり、さらに高市の発言は大きな影響を与えています。
石垣でもそうです。長射程ミサイルも配備されています。馬毛島は、陸海空3軍の基地になっています。
琉球弧を戦場にしない。高市政権にNO!を。(南方史郎)

魂魄の塔前で集会
6・23国際反戦沖縄集会

魂魄の塔前で、国際反戦集会。韓国などからも参加(6月23日 糸満市)

6月23日沖縄慰霊の日、式典会場入口での高市首相来沖抗議行動の後、車で魂魄の塔に行った。ここは初めてでしたが、沖縄戦で亡くなった35000体の遺骨が眠っている場所でした、既に多くの遺族がお祈りされていました。その近くで13時半から国際反戦沖縄集会がおこなわれました。
この国際反戦沖縄集会は1984年から始まり今回で43回目となる。開会あいさつの後、前花雄介さんのミニコンサートがありました。続いてヘリパッドいらない住民の会・梅澤安巳さんの話がありました。
八重岳を守る会がアピール。「1950年朝鮮戦争が始まると八重岳頂上に米陸軍のレーダー基地八重岳通信所が設置され、軍用道路も整備されたが、朝鮮戦争が休戦となり、1962年に西側尾根を残して返還された。翌年、本部町長・渡久地政仁の強い思いにより、軍用道路に桜の植樹計画が発案され並木道ができた。ところが最近、米空軍施設・八重岳通信所の新設工事が進行中だ。沖縄防衛局が町に『並木桜の枝の伐採』を突き付けてきた。町は拒否したが、防衛局の重ねた強い要望で、本部町の誇り『日本で一番早く咲く桜』のアーチは伐採されてしまった。しかし、枝はまた伸びる、2回目の伐採が通告されている」。
また、日本環境法律家連盟の緊急声明が出され、読み上げられた。「今年3月辺野古沖で小型船2隻が転覆し、二人がお亡くなりました。私たちはこの痛まし事故を利用して辺野古における市民運動や平和教育を否定、抑圧しようとする動きに対し、断固として抗議します。失われた命を単なる攻撃の材料とすることは厳粛に受け止めるべき人の死を冒涜するものです。この事故によって辺野古における基地建設の是非を問うこと、及びその自然環境を保全することの重要性が損なわれるものではありません(一部略)」。
最後は、〈普天間基地ゲート前でゴスペルを歌う会〉が登場し、皆で「月桃」などを歌いました。この取り組みは各地に広がっているとのことでした。それほど大きな集会ではありませんが、良い集会に参加できました。(大北健三)
手づくりの集会が長く続いている(6月23日 糸満市)




















7・5海上自衛隊
阪神基地隊サマーフェスタ
各艦船はいつでも戦時体制に入れる

くにさき後部にLCAC(上陸艇)が
くにさきのエレベーター。上甲板が滑走路
にほんばれの船内。ここにミサイル搭載車両を積む








































3面

7・3関生京都事件控訴審第1回公判
検察の証拠調べ請求を全て棄却
満席の坊牛腸支援は無罪を確信

大阪高裁前で決起集会(7月3日 大阪市)
当該の湯川裕司委員長

関西生コン京都4事件は、会社清算争議の解決金取得等を恐喝・脅迫などとして湯川委員長らに懲役10年が求刑され、京都地裁がこれを全て無罪とした事件です。 7月3日、12時半を期して大阪高裁前公園には関西と東海の支援が続々と結集、全港湾大阪支部の司会で集会が始まりました。反弾圧実行委員会代表の小林さん(全港湾大阪支部委員長)は「無罪を確信している」と力強く挨拶、続いて関生支部の細野書記長が「裁判所には労働法に基づく判断を求めていく。警察・検察が冤罪事件を作る流れをこの裁判で変えていく。控訴審は1回で十分」と提起しました。続いて全労協の音頭でシュプレヒコール、京滋・兵庫・東海の支援が連帯を表明しました。 13時からの傍聴抽選には傍聴券79枚に対し150人の支援が並びました。裁判所へ傍聴に来ていた高校生たちも加わり、高校生たちに警備員が「裁かれなくていい人が裁かれているんや」と解説していました。

裁判所が検察の証拠調べを全て棄却

裁判では関生弁護団が各事件毎に京都地裁の事実認定を援用、検察の控訴に理由がないことを全面的に展開しました。 永嶋弁護士は京都地裁無罪判決の意義は、関生支部を企業横断型の産業別労組と認定、使用者団体である協同組合と協調して廉売アウト業者に対抗していた構図も事実認定して憲法28条に沿った判断をしたことであるとしました。 位田弁護士はベストライナー解散争議について、そもそも京都協組のF理事が暴力団関係者を使って組合に1億5千万円の支払いと引き換えに組合の撤退を提案、これに対して組合が組合員の雇用確保を求めて争議となった事件であると、京都地裁の事実認定を援用して解説しました。 片田弁護士は近畿生コン事件について、当時は既に京都協組理事長がF氏から久貝氏に交代し、京都協組は関生支部との協調路線に転換、アウト業者に廃業プラントを渡さないためのプラント占拠費用を協組が組合に支払うことを事前に約束していたことを地裁の事実認定に基づき明らかにしました。 三輪弁護士は加茂生コン第1事件について、現場にいた組合員すら共謀を否認され最高裁で無罪が確定しており、湯川氏らを共謀共同正犯として問うのは甚だしく無理があり、関生支部が「勝つまで闘う」と意志一致していたことが共謀の証拠だなどというのは荒唐無稽だと検察を批判しました。 渋谷弁護士は加茂生コン第2事件について、検察は洛北協組のNやKを使って加茂生コンを恐喝したとするが、既に1審で証拠が出ているように、洛北協のNは「湯川の意志」を装ってKへ廃業プラントを協組へ引き渡しさせるように指示していたのであり、検察の見立てが間違っていたのだと明らかにしました。 最後に小田弁護士は恐喝における「害悪の告知」とは判例法理上、その当時の社会的関係状況に応じて判断されるところ、検事が引用する判例は暴力団・不良・シノギの事件であり、また、10年前の関生支部の争議の態様を根拠に今回の労使関係を見るのも誤りであると指摘しました。 続いて、検察側が控訴審で求めている証拠調べについて、弁護団は「必要性もなく、一審で証拠提出できなかった特段の事情もない」として棄却を求め、裁判所はこれを認めて検察の申し出を全て却下し、判決を10月5日11時としました。

10月5日、無罪判決の獲得へ

裁判終了後、位田弁護士が裁判の内容を解説、「一審無罪を覆す可能性はない」と結びました。続いて関生支部・湯川委員長が支援へのお礼を述べた後、地裁での6年間を振り返り、「責任は権力だけではなくそれに加担した経営側にもある」として、10月5日に無罪を勝ち取って闘い続けていく決意を表明しました。 港合同、大阪全労協、きょうとユニオン、なかまユニオン、関西合同労組、なにわユニオン、ケアワーカーズ・ユニオン、サポートユニオンWITH YOU、老朽原発うごかすな! 実行委員会、「しないさせない! 戦争協力」関西ネットワーク、全港湾大阪支部の連帯表明が続き、16時から裁判所を周回するデモで、事件を捏造した検察と警察を弾劾しました。(報告・愛知連帯ユニオン)

8・6シリーズA
核戦争への道をひた走る高市

「非核三原則」見直し

高市政権は安保関連三文書を年内に改訂するとしている。そこで「非核三原則」の見直しをもくろんでいる。 非核三原則は「政府は、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずの非核三原則を遵守するとともに、沖縄返還時に適切な手段をもって、核が沖縄に存在しないこと、ならびに返還後も核を持ち込ませないことを明らかにする措置をとるべきである」として1971年11月に国会で決議された。裏では沖縄への核持ち込みの密約が交わされていたが、70年安保沖縄闘争の爆発、そこに示された沖縄の怒り、さらには核を絶対に許さない被爆者たちの怒りの前に、決議を余儀なくされた。その後、政府は「国是」としてきた。政府は、これは政策で「法」ではないと繰り返してきたが、NPT(核兵器不拡散条約)によって作る、持つについての縛りもあり、また原子力基本法は「平和目的」以外に原子力を使うことを禁止している。日本の核武装にブレーキをかけてきたのだ。 高市は一貫して「三原則見直し」を唱えてきた。2022年自民党政調会長時には「見直し議論」を要求し、同じ年の経済安保担当相の時は「堅持明記」に反対した。24年の編著書『国力研究』で「三原則」は「じゃま」と明記している。そしていま高市政権は年内に安保関連三文書を改訂し、まず「持ち込ませず」をなくそうとしている。とりあえずは「米の核兵器を使いやすいようにしておきたい」ということだが、「三原則」見直しは、日本の核武装に道を開き、世界の核軍拡を後押しするものだ。

原潜建造=核兵器保有

高市政権の戦争国家への突進はかつてなく激しい。昨年11月には「台湾有事に自衛隊を派遣する」可能性を国会で言及した。12月には元空将で安保政策担当の首相補佐官・尾上定正が「核を保有すべきだ」と発言。今年4月には殺傷能力を持つ武器の輸出を解禁した。核兵器禁止条約締約国会議にはオブザーバー参加すらしないし、今次NPT会議には首相の参加どころか、大臣も参加しなかった。 とりわけ危険なのが原潜建造の推進だ。すでに日本は技術的には核兵器開発可能なレベルにある。しかし地上で管理・保管したらそこが攻撃目標になる。だから海中に隠すことになる。原潜の建造は核兵器を持つためである。小泉防衛相は原潜導入の必要性に言及し、高市も「あらゆる選択肢を排除しない」としている。

アクセル踏む維新

日本維新の会は安保関連三文書の改訂にむけた提言で、「三原則の見直し、核共有の検討、原子力潜水艦の保有」を政府に求めた。連立政権合意書では「次世代の動力を活用したVLS(垂直発射装置)搭載潜水艦の保有に関わる政策を推進する」として原潜建造に棹さす。2月の衆院選当選者36人全員が「核共有は検討すべきだ」としている。 核は廃絶しかない。核武装に突き進む高市政権は、維新ともども打倒しなければならない。(堀井健二)

4面

辺野古ブルーアクション
7・4 新宿南口

7月4日、新宿駅南口で恒例の「辺野古に新基地は作らせない! 新宿南口 連続辺野古ブルーアクション」(呼びかけ:沖縄・一坪反戦地主関東ブロック)がおこなわれ、蒸し暑い中、多くの労働者・市民が集まって基地建設の不当性と戦争危機、沖縄知事選が近づく中でのSNSでの膨大なデマの流布への怒りが訴えられた。









防衛省抗議行動 7月4日

7月4日夕方、東京・防衛省前で「防衛省と住友商事、日本エアークラフトサプライはイスラエルの虐殺ドローンを買うな! 防衛省前抗議」がおこなわれ、若者を中心に百人を超える市民が集まった(写真上)。主催は、武器取引反対ネットワークNAJAT、ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会、パレスチナに平和を! 緊急行動、BDS Japan Bulletin=パレスチナからの呼びかけに応えてイスラエル製品のボイコットを呼びかけている団体)。
ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会の平山貴盛さん(今年1月に防衛省前で1月末から2月初めまでハンストを闘って体調不良で中止、防衛大63期卒)が、同じく防大卒の幹部自衛官から寄せられた文章を読み上げた。それによると、防衛省・自衛隊は自前で兵器を開発・精査する能力がなく、住商エアロシステムなどの商社の言い値で兵器の調達を決めているという。そして、防衛省からの天下りがそのような商社の役員に就き、かつての上司・部下の関係で防衛省側が商社と癒着しており、防衛省の機密が企業に流れた事案もそのような構造から発生しているとのこと。その幹部自衛官も、防大卒業生の会に参加するという。
NAJATの杉原浩司さん、総がかり行動の高田健さんがイスラエルからの兵器購入の動きを徹底的に断罪するアピールを寄せた。
住商系のトモズ(ドラッグストア)、サミット(食品スーパー)、J:COM(ケーブルTV)、フェイラージャパン(ドイツ製タオル輸入)のボイコットが呼び掛けられた。
重要な発言は、直ちに流暢な英語で訳されてネットで同時配信された。

同志社国際高校 修学旅行海難事故
教育基本法で平和教育破壊

同志社国際高等学校は、高校2年生を対象に沖縄県で研修旅行をおこなってきた。この研修旅行は「平和学習」の一環であり、7つの選択コースを準備している。2023年以降、小型船に乗って名護市辺野古の工事現場を見学していた(辺野古コース)。今年、生徒35人(研修旅行参加者は259人)が、辺野古コースを選択した。
3月16日、「平和丸」に10人、「不屈」に8人が乗船し、18人の生徒が辺野古新基地建設の工事現場を見学していた。午前10時12分頃、小型船2隻が大波をかぶって転覆した。この事故で、同志社国際高校生の武石知華さん、「不屈」船長の金井創さん(キリスト教会牧師)、この2人が亡くなった。また、14人が重軽傷を負った。亡くなった2人に哀悼の意をささげたい。
小型船はいずれもヘリ基地反対協議会に所属し、海上での抗議活動に使われていた。金井さんはキリスト教徒として、新基地建設反対運動にかかわってきた。金井さんは「不屈」の船長をしていた。
この間、文部科学省は事故原因について聞き取り調査をおこなってきた。5月22日、文科省は「同志社国際高等学校の研修旅行等について(これまでの把握事項と文部科学省の見解)」と題する「報告書」(本文10ページ)を出した。
この報告書において、文科省は「今回の研修旅行のプログラムにおける学校の安全管理・安全確保の取組みは、著しく不適切であったと考えられ、是正を図る必要がある」と述べている。そのうえで、文科省は「辺野古への移設工事に関する学習について、政治的活動を禁じる教育基本法第14条第2項に反するものであったと考えられ、是正を図る必要がある」と結論付けている。同志社国際高等学校の平和学習は、はたして政治活動にあたるのだろうか。以下、この問題を検討していきたい。

「報告書」の内容

報告書は、4つの章で構成されている。第1章「研修旅行について」、第2章「安全管理について」、第3章「教育活動の情況について」、第4章「学校法人及び学校としての対応について」。それぞれの章で、文科省の見解が述べられている。
第3章において、文科省は「教員の相当数は、船長が日常的に抗議活動をおこない、生徒らを乗せる船が抗議船であるという認識をもっていた」として、同志社国際高校の平和学習について「特定の見方・考え方に偏った取扱いであった」と認定している。
この理由として、文科省は以下の4点を指摘している。@「学校の研修旅行の選択プログラムの一つとして、辺野古テント村への訪問や、辺野古沖での抗議船として日常的に使用される船による見学のプログラムを組み実施していたこと」、A「研修旅行初日の開会礼拝のメッセージにおいて牧師より複数年にわたって抗議活動に関する説明が行われていたこと」、B「2015年から2018年までの研修旅行のしおりの中で、ヘリ基地反対協議会による座り込みをお願いする文書を掲載していたこと」、C「2015年の辺野古コースに参加した生徒の感想の中には「ヘリ基地反対協議会の共同代表」の名前を具体的に挙げた上で、その方から基地に反対する理由を聞いたと記述があること」。

「平和学習」とは

沖縄県民の過半数(2019年2月実施の県民投票で72%)が、辺野古新基地建設に反対している。この現場を直接に体験したり、反対運動の当事者に話を聞く。同志社国際高校は反対する住民の側にたって、このような平和学習をおこなってきた。文科省は、これについて「特定の見方・考え方に偏った取扱い」にあたり、「教育基本法第14条第2項に違反している」と判断している。
まず、教育基本法をみておこう。第1条で「教育の目的」が示されており、「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と書かれている。つまり、国民は上から従わされる存在ではなく、「平和で民主的な国家及び社会の形成者」なのだ。このことをしっかり確認しておきたい。
この「教育の目的」を実現するために、第2条で「教育の目標」をかかげている。その第3項には「正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと」と書かれている。ここで、「教育の目的」の1つに、「主体的に社会の形成に参画」することがあげられている。
また教育基本法第14条は、次のようにある。
(教育基本法第14条)@良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。A法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
第14条第2項をよく読めば、「すべての政治教育その他政治的活動をしてはならない」としているわけではない。「政治教育その他の政治的活動」は「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための」と限定されている。
政府がおこなっている政策(軍事基地建設)を住民の視点にたって学習をする。このことは、第2項の「政治活動」にあたらない。しかし、文科省は「これは特定の政党を支持することになるから、政治活動にあたる」と判断している。つまり、文科省は「多様な見方や考え方のできる事柄」については「政府の方針に反対してはならない」と言っている。 2015年に「安保関連法案」が国会で審議されているとき、「沖縄の2つの新聞は偏向している。つぶさないといけない」(百田尚樹の発言)と、沖縄紙の新聞報道を非難するキャンペーンがおこなわれた。沖縄紙は基地建設に反対する住民の側にたって、政府の戦争政策に反対する立場で報道している。
このように、反対する住民の側に立って報道する。このことが「報道の自由」なのだ。同様に、反対する住民の側に立って、学習や研究を深める。これが「平和学習」であり、「学問の自由」だ。

文科省「報告書」の問題点

文科省方針は、高市政権の政治姿勢を示している。高市政権は人びとの生活を守ることではなく、「戦争する国づくり」を優先している。そのために国家主義(国家の責務)を強調する。高市は、所信表明演説(25年10月)において「日本列島を強く豊かに」「国家国民のため」を連呼した。ここで「強く」は「軍事的に強く」という意味で使われている。また、高市は「国家に従う国民」という意味で「国家国民」という語句をわざわざ使っている。高市政権は現代版「教育勅語」を作り上げ、国民を「国家国民」につくりかえようとしている。われわれは「国家国民」を拒否する。この攻撃に、体を張って立ち向かっていこう。
文科省「報告書」について問題点をまとめる。
第1に、最大の問題点は、政治活動にあたるかどうかについて、文科省が判断をおこなっていることだ。文科省が学校の教育実践に口を出し、監視し、取り締まる。国家が「政治的中立性」の裁定者になっている。国家が国民の上に立って、国策に従わせる。ふたたび敗戦前の歴史がくり返されようとしている。これを許してはならない。
第2に、同志社国際高校の平和学習は、教育基本法第14条第2項に違反していない。平和学習は、「教育の目標」(教育基本法)を実践している。文科省は、教育基本法の第14条を拡大解釈している。文科省の判断こそが政治的なのだ。
第3に、文科省の判断は、教育の自律性を阻害するものだ。同志社国際高校は特別調査委員会を設置しており、これとは別に外部の教育専門家を含めて検証をおこなっている。安全性に関する問題点は、この検証委員会にまかせればよい。これらの検証結果を待たずに、文科省が決定している。これは許されない。
侵略戦争と植民地主義の反省にたって、戦後教育がおこなわれてきた。高市政権は、この戦後教育を壊そうとしている。今回の事故をきっかけに、メディアにおいても「同志社国際高校の平和学習に問題がある」かのような言説がおこなわれている。われわれは同志社国際高校の平和学習をなんとしても守っていこう。(寺田理)

5面

転載
神戸空港の特定利用空港化反対
神戸港の軍事利用も許さない
神戸市会議員 あわはら富夫

「台湾有事」が叫ばれる中、神戸港を軍事利用しようとの国の圧力が高まっています。昨年3月24日には、非核神戸方式ができて50年間、入港の打診すらなかった米艦船が非核証明書なしで入港。そして、今年の3月18日には神戸市会の核艦船入港拒否決議51周年の当日、自衛艦3隻がポートアイランドの西埠頭で市民を招待して一般公開を行いました。久元神戸市長は、港湾管理者として「核艦船入港拒否決議を尊重して港湾法に基づく事務は今後も行う」と市会で答弁。港湾局長は「今後も非核証明書を求めて行く」と述べていますが、「国の非核保証」を非核証明書に代わるものと認めてしまったことは明白な後退です。
こんな神戸市当局の国への弱腰姿勢ですから、私は昨年の市会本会議で、「米艦船の入港の背景には『台湾有事』がある。安保三文書で記載され、創設された特定利用空港・港湾に神戸港が選定されるようなことがあれば、港湾管理者としての権限が平時から制限され、神戸港を戦前の軍港に引き戻すことになる」と警鐘をならしました。 ところが、今年の3月30日に内閣官房、国土交通省、海上保安庁、防衛省の担当者が神戸市を訪れ、神戸港でなく神戸空港を特定利用空港として検討していることを説明。そして、同日、関西空港、伊丹空港、姫路港についても大阪府、兵庫県に特定利用空港・港湾へ指定の説明がなされました。
特定利用空港・港湾は「台湾有事」を想定して2022年12月16日岸田政権が閣議決定した「安保3文書」に基づくもので、「国家安全保障戦略」の「有事を念頭に置いた我が国国内での対応能力の強化」として、「有事の際の対応も見据えた空港・港湾の平素からの利活用に関するルール作りなどを行う」「地方公共団体、住民等の協力を得つつ、推進する」ものです。
国は神戸市に対して「平時の利用で武力攻撃事態のような有事の利用を対象とするもので無い」と説明していますが、一方「厳しい安全保障環境の中で、平素からの利活用に関するルールを作り、空港・港湾などのインフラの整備や機能を強化する」というものですから、戦争の際には指定を受けた空港・港湾を使用することを目的にしていることは明らかです。すでに、台湾に近い南西諸島の空港・港湾の選定から始まり、近くでは四国の高知港、高松港、和歌山の南紀白浜空港が指定され、現在のところ全国の空港・港湾が選定されています。台湾に近い南西諸島では自衛隊基地建設とともに、空港・港湾の自衛隊利用が可能なインフラ整備が進んでいます。
神戸空港が選定を受け入れることになれば、平時から自衛隊の戦闘機・輸送機の離着陸、弾道ミサイルへの対処などの訓練やスクランブルの受け入れなどが想定されます。あくまで、民生利用を優先するとしていますが、「緊急性が高い場合」には、自治体である管理者が「自衛隊や海上保安庁が柔軟かつ迅速に施設が利用できるように務める」とされており、自治体の権限が大きく制限されます。更に、「緊急性が高い」は誰が判断するのか、少なくとも自治体が「緊急性が高い」の判断を下すことには無理があります。特に、「武力事態」を除く「緊急性が高い場合」とは何なのか。高知県知事が国に「『存立危機事態』『重要影響事態』が含まれうると考えてよいのか」と質問したところ「『緊急性が高い場合』に含まれる」旨の答弁をしています。最近、地方自治法が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」であれば個別法の規定がなくとも国が自治体に必要な対策が「指示」できると自治権限を制限できるものに改悪されました。国が神戸市に「民間利用を制限するものでない」といくら説明しても、特定利用空港を受け入れれば「緊急性が高い場合」を理由に、自衛隊や海上保安庁が自由に神戸空港を利用できるようになります。
しかも、「存立危機事態」となれば米軍が攻撃を受け日本の存立を脅かす事態になれば米軍支援のために武力行使をすることになります。また「重要影響事態」では、日本が攻撃を受けていなくとも米国が引き起こした戦争で日本の平和と安全にとって重要な影響を与える事態になれば武力行使することになります。しかも、これらは平時での「緊急性がたかい場合」ですから、自衛隊が集団的自衛権の行使として自由に神戸空港を利用することになり完全に「軍民共用空港」です。
そうなれば、「特定利用空港・港湾は平時の利用で、敵国の攻撃対象になりません」との国の説明は完全に破綻しています。本来、戦時でもジュネーブ諸条約で民間空港・港湾は軍民分離の原則で攻撃対象にはなりません。しかし、特定利用空港の指定を神戸空港が受ければ、軍民共用空港とみなされ攻撃対象になります。
今後、神戸市が神戸空港の特定利用空港を受け入れれば、今度は神戸港の特定利用港湾への選定の動きが強まるのは確実です。神戸市が受け入れるかどうかは現在のところ「説明を聞いたところ」で「判断はこれから」ということのようですが、国は12月を期限にしているということです。神戸港・空港の軍事化に道を開く神戸空港の特定利用空港・港湾の選定に反対の声をあげましょう。
(『新社会兵庫686号』から許可を得て転載。地図は本紙作成) 

6面

駒込さん講演会 7月4日 大阪
日本の植民地支配と台湾の近現代史

7月4日、大阪市内で駒込武さん(京大大学院教授)による「日本の植民地支配と台湾の近現代史−台湾人の戦争経験に着目して−」という講演があった。会場は満杯。主催は、南京の記憶をつなぐ2026。
主催者あいさつの後『黒潮に抱かれて〜与那国島と台湾〜』というドキュメンタリー映像の上映。与那国島は台湾と110qしか離れておらず、中国との戦争の最前線基地とされ、有事の際には自衛隊と米軍によって戦場化されるという内容で戦慄した。
以下、駒込さんの講演要旨を紹介する。(文責・本紙編集部)

〈駒込さんの講演〉

沖縄の人々の中には、「台湾は沖縄に迷惑をかけるな」と言う人もいる。台湾では、高市の「台湾有事」発言を歓迎する声もある。その背景には自分たちが、軍事侵攻を受けるかも知れないと言う緊迫感が台湾社会にある。
中国の側からすれば近代という時代に自分たちの土地を日本に奪われていった。それを取り戻したい。「台湾は中国の一部なんだ」と認めさせ中国の支配下におきたいという中国政府の思いがある。ただ、今台湾の人たちはどう思っているのか、台湾の人たちの思いを私たちは学ばなければいけない。その1つとして台湾の歴史を話していきたい。

台湾を戦争に巻き込んできたのは日本

(台北大空襲の写真=1945年5月を示す)。1895年日清戦争の結果として、日本は台湾を領有した。そして日本軍が始めた戦争に巻き込まれるようにして台湾の人々は空襲被害を受けた。これを日本人は知らない。
呉新榮は、1928年東京医学専門学校に留学。1932年台湾に戻って佳里医院を継承しながら文学活動に参加。1939年佳里街協議会の議員に当選という人物。(と紹介)

日台戦争

日本の教科書では「台湾領有」とさらっと書かれているが、下関講和条約によって台湾が日本に割譲された後、日台戦争が起きている。日本軍は台湾の北側から上陸して南下していく。呉新榮回憶録によれば、台湾の民衆は台湾割譲と聞いてみな反対し抵抗に立ち上がる。地元で義勇軍をつくって抵抗する。でも日本軍は近代的な兵器で装備しているので台湾の義勇軍は簡単に負ける。祖父の呉玉讃は民軍の敗戦の報を聞いて、家族を筏に乗せて逃げようとして、日本軍に見つかり、あわてて武器を捨てたので助かったが、村落は日本兵により焼き払われて、自分たちの財産や食べ物を失う。逃げまどう人たちに対する蕭?の虐殺事件がおきている。蕭?社の周囲には竹が多く、住居が広大だったので数日間民衆で溢れた。日本軍兵士は、無辜の難民を殲滅するように命じ、鮮血があふれ、屍体で一杯となった。
1990年代になってはじめて台湾現代史が語られるようになった。それまではもっぱら中国の歴史。呉新榮は小説家として台湾のことを中心に歴史を書いてきた。

民族自決の時代

1920年代台湾においても民族自決ということが語られる。独自の台湾民族なんだと。林獻堂という人が台湾議会を設置したいという請願運動をおこす。請願書には「総督の独裁政治を排撃して台湾議会設置を要求す! 暗黒なる台湾にも立憲法治の制度を確立し4百万台湾民衆の自由民権を保障せよ!」と書かれている。当時の台湾の人々は一切参政権がなかった。それがつくられるのは1930年代後半のこと。1920年代には、台湾文化協会による夏季学校がおこなわれる。それは日本人は台湾人に高度な教育をしようとしなかったから。

戦時動員

台湾では1944年に徴兵制施行。すでに1938年志願兵制度が導入され植民地からも兵士を募集していた。「台湾の少年」という漫画がある。14歳の時、学徒警備隊に無理矢理召集された。台湾の人たちにとっては、天皇陛下のためといわれてもピンとこない。
台湾人も20万人が戦争動員されて戦後B・C級戦犯として処刑された人がいる。他方日本人に支給された軍人恩給や遺族年金は「日本人ではない」と言って支給されず。裁判をして最終的に2百万円の見舞金となる。日本軍「慰安婦」にされた台湾人女性も多数。

解放後の台湾の人々

戦後台湾は中華民国に返還されることになった。1949年国民党が国共内戦に敗れて台湾に逃れ中華民国政府(総統・蒋介石)を存続させた。植民地支配から解放された後、台湾の人々はどのような現実に直面したのか。このことへの無関心が教科書の記述には現れている。
45年の後、台湾の人々が45年までの歴史の積み重ねの上で、さらに地獄のような状況へと追い込まれていく。呉新榮は日本敗戦による解放の喜びと一抹の不安を日記に記している。なぜ不安があるのか? 台湾は蒋介石の率いる中華民国に「返還」される。しかし中華民国が建国された時点(1912年)で台湾は日本の植民地で中華民国を知らない。しかも空襲で爆弾を落としたのは、中華民国(蒋介石)。その台湾を爆撃した人たちが新たに台湾の支配者として現れる。

2・28事件から白色テロへ

中華民国から来た人は、「台湾人は中国を知らず、文化を知らず、抗日を知らない」として参政権を制限した。おまけに官吏・兵士の腐敗と極度のインフレがすすんだ。1947年2月28日行政改革を求めて台湾民衆は決起し、衛兵は機銃掃射で激しく弾圧。各地で武装蜂起。3月8日南京からの援軍が上陸、戒厳令を宣言。2・28事件で2万人が殺された。1949年には、戒厳令を再び宣言し1987年まで継続。呉新榮は「共産主義者だろう」と問い詰められて処刑される寸前までいくが助かった。

日本社会の「台湾問題」への対応は?

「台湾人が独立と言わなければよい」?→「武力による威嚇」をおこない、また「武力の行使」をおこなおうとしているのは中国政府。「武力に訴えるのをやめよ」との声はまず中国に対して向けるべきである。
台湾の未来は台湾の人々が決めるべきこと。だとしても、選択肢があまりにも限定された状態。選択肢を限定しているのは日本を含む国際社会。中国政府に「武力による威嚇」「武力行使」の抑制を求める必要がある。その為には日本政府が中国への戦争責任と向き合い、琉球弧における米軍基地・自衛隊基地の縮小を図ることも必要となる。

<新刊紹介>状況を切り拓く書>
鈴木裕子著 『フェミニズムと戦争協力
見えなかった過去から学び、未来をつくるために』

初の女性首相が誕生し、戦争への道が急速にすすんでいる。その一方で女性差別事件が相次いで明るみにされ、女性解放闘争をめぐる論議が活発に展開されている。そうしたなかで、本書の発行はまことに時宜を得たものである。
戦前から戦後にかけて活躍した女性運動のリーダーたちのほとんどは、アジア太平洋戦争に積極的に協力した(唯一の例外として、山川菊栄は彼女たちの言動を厳しく批判)。
彼女たちはおしなべて、戦争を「女性の社会的活躍の場」「女権拡張のチャンス」としてとらえた。そして戦争体制確立のため、軍需工場への女性の全面的徴用を強く訴えた。
そして彼女たちは敗戦を迎えたとき、戦争協力を「恥とは思わない」と開き直り、再びリーダーとして登場した。
市川房枝ら女性リーダーたちは、なぜそのような道を歩んだのか。彼女たちの軌跡とその内面に迫ることは、決して過去をたどることにとどまらず、現在を生きる私たちに多くの問題を投げかけ歴史認識を問う作業である。
本書は実証的手法で彼女たちの戦争協力を丹念にフォローし、抑えた筆致で核心をえぐりだして説得力に富んでいる。
女性運動のリーダーたちが国策(=戦争)協力にのめり込んでいった要因のひとつに、先覚者としての強烈な使命感・指導者意識があったと、著者は指摘する。
一方、彼女たちは社会の底辺で劣悪な労働環境と生活の困窮を強いられている多くの女性の存在に思いを致さない。
何よりも、戦争が他国の人たちを殺害することを必然的に伴うという明白な現実に目を向けようとしていないのはなぜなのか、という素朴な疑問を禁じ得ない。
彼女たちの記した文章に、「聖戦」とか「臣下」などというフレーズが、至極当たり前のように、さかんに使われている。つまり天皇制イデオロギーを無条件に肯定し、至上のものとしてとらえるナショナリストであり、その積極性において立派なファシストであったと、著者は断定している。
そして彼女たちは、女性差別の現実に触れながら、その根源にある家父長制に言及していない。家父長制こそ天皇制支配の基底をなしていることに全く無自覚なのである。
最近、国会周辺などの反戦・反改憲のデモに、若い女性の参加が目立つと聞く。
そうした女性をはじめ、より多くの人に、本書をぜひ読んでほしいと思う。
情勢が厳しくなればなるほど、人物や物事の真贋が問われる。真実を見抜くためには、そのための主体的な努力が求められる。
本書は私たちの歴史認識を鍛え直す必読の文献であり、現在の状況を切り拓くうえで得がたい書である。 大庭伸介

7面

パレスチナに連帯して
BDS運動を進めよう
6月26日 

パレスチナ連帯で5人が報告(6月26日 大阪市)

6月26日、「パレスチナに連帯してBDS運動を進めよう」学習会が、大阪市内でおこなわれた。主催は〈関西ガザ緊急アクション〉と〈OSAKA木ようスタンディング〉。学習会では、5人の講師がそれぞれのテーマで発言した。以下、発言者の講演要旨を紹介する。
@役重善洋さん(関西ガザ緊急アクション)がBDS運動について、総論的に報告した。
BDSとは「ボイコット、資本引き揚げ、制裁」の略語で、2005年からパレスチナ市民によっておこなわれてきた。BDS運動の特徴は、イスラエル占領の終結、パレスチナ市民の平等権、パレスチナ難民の帰還権、この3つの目標を明確にしていること。
日本でもBDS運動がおこなわれている。日本とイスラエルは密接な関係にあり、2023年から経済連携協定にむけた共同研究がはじまっている。役重さんは「軍産官学複合体をつくる動きに注意する必要がある」と指摘した。
A杉原浩司さん(武器取引反対ネットワーク)がZOOMで講演。杉原さんは、ドローン兵器の輸入問題について訴えた。
防衛省はイスラエル企業の攻撃用ドローンを輸入しようとしている。2年半前は、購入予定7機中の5機がイスラエル企業製であったが、今年になって購入予定18機中6機になった。抗議活動の成果もあって、イスラエル製の割合は減少している。杉原さんは「ドローン兵器を使用することについて、問題にしていく必要もある」と語った。
Bサバンナさん(Kansai Queers Opposing Israeli Genocide)は、イスラエルのピンク・ウォッシュについて述べた。ピンク・ウォッシュとは、企業や国家がLGBTQの権利を擁護するようなイメージを打ち出す一方で、実際にはその本質的な課題に取り組んでいなかったり、別の意図で利用する行為をいう。
サバンナさんは在日アメリカ人で、トランスジェンダー女性。サバンナさんは次のように述べた、イスラエル政府は「パレスチナ人の同性愛者が不当に差別されている」とキャンペーンして、イスラエル政府はあたかもLGBTQの権利を保障しているかのようなイメージをうちだしている。また、サバンナさんは大阪や神戸でのクイアによるBDS運動の取り組みを紹介した。
C今野泰三さん(BDS Japan Bulletin)は「ファナック社によるガザ虐殺加担」について、ZOOMで講演した。
ファナックは産業用ロボットを製造・販売している日本企業だ。ファナック社製造のロボットを使って、イスラエル軍の155ミリ榴弾が製造されている。ファナックは「企業活動の自由」を盾にして、これを容認している。BDSは、ファナック社に抗議行動をおこなっている。
D「OSAKA木ようスタンディング」のメンバーが、「川崎重工のガザ虐殺加担と株主総会アクション」について報告をおこなった。
川崎重工は「イスラエル・エアロスペース・インダストリー(IAI)」社の輸入代理店になっている。防衛省はガザで「実証済み」のドローンを輸入する方針なのだ。市民は2024年から株主総会アクションをおこなっており、川崎重工の責任を追及している。
このように、イスラエルによるガザ攻撃にたいして、さまざまな企業が直接・間接的に加担している。BDS運動はこの責任を追及する運動だ。BDSをおこない、パレスチナの解放を実現しよう。

副首都と都構想(下)
「都」はついてても全然関係ない

(承前)
木下功さん

副首都とからめた都構想

26年3月副首都法案骨子の付則に「副首都が名称変更を希望する際の住民投票等の手続等について定める大都市法の改正を行う」とある。これは「大都市法」の改正により、副首都の指定と「都」への名称変更、特別区設置を一体的におこなえる選択肢を設け、都道府県全域での住民投票がおこなえるようにするもの。
副首都というまんじゅうの中に大阪市廃止を包み隠して大阪府民に配ったら府民は賛成するだろうと思っている。しかし自民党は反対している。高市首相がどう判断するかだ。
もう一つ危険なのは、同日投票。都構想の住民投票の告示日は投票日の20日前、知事選の告示は17日前。知事選が告示されたら都構想反対の運動は一切できなくなる。
これからの運動をいろいろ考えて、大阪府全体の運動にしていかなければならない。

「大阪都構想の本質〜副首都とは別物〜」木下功さんの発言



維新は、「大阪市廃止」という言葉を極力使わない。2回目の住民投票で「大阪市廃止」という言葉が反対に力を与えたから。大阪市を廃止して分割するというのが肝である。

今回の住民投票は一番危険

2回目の住民投票は負けると思っていたが逆転した。今回はそれよりも危険である。1つは、副首都構想。2つめは、住民投票の対象が府民に広がる可能性がある。3つめは、SNSは維新が自民よりも圧倒的に強い。SNSの世論が都構想賛成にもっていかれる可能性がある。それに対してどう対策していくか大変な問題になる。

憲法92条と95条に反する

副首都法案骨子の付則(前記)により、副首都の名称変更と一体化させ住民投票を府民まで拡大することが狙われている。市議団はまだ府民に広げるかどうか決めていない。6月12日の法定協の資料によれば、「7月17日副首都法案可決を想定」し「11月都への名称変更の是非を協議」としている。ここで市民でやるか府民に広げるか決める。
大阪市廃止を府民の住民投票で決めることは、憲法92条(地方自治の基本原則)と95条(特別法の住民投票)に反する。わかりやく言えば、住民自治(地域のことは自分たちで決める)に反するということだ。絶対に認めたらいけない。

自分たちのことを自分たちで決められなくなる

特別区になったら、権限と財源が府に吸い上げられ自分たちのことを自分たちで決められなくなる。特別区は地方自治体であるかどうかもわからない。政令市という一人前以上の市から一人前以下になること。
前回の住民投票で良かったのは、大阪市民がメチャメチャ勉強した。豊中市や堺市の周辺住民も。それが残っているのが財産。それを再起動させることだ。住民投票にSNSが実験台として使われる。SNSへの対応が必要だと締め括った。
維新は、月2回法定協を開き12月に協定書案をとりまとめ、来年4月統一地方選と同日に住民投票を強行しようとしている。この暴挙に対する住民の広汎な反対運動をつくっていこう。(花本香)

(闘争案内)

辺野古支援者学習会〜2025年9月米国務省(および米国防総省)公式文書に、何が明示されているのか〜
とき:7月18日(土)午後6時 
ところ:大阪市淀川区民センター
主催:辺野古派遣サポートおおさか基金

第18回 大間原発反対現地集会
とき:7月19日(日)午前11時半
ところ:青森県下北半島・大間町(大間原発に反対する地主の会・所有地)
主催:大間原発反対現地集会実行委員会

第16回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会
講演:高橋哲哉さん(東京大学名誉教授)
とき:7月19日(日)午前10時〜午後4時半
ところ:エルおおさか6階大会議室
主催:第16回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会実行委員会

NO WAR!憲法変えるな!自由を守れ!民主主義を守れ!
とき:7月19日(日)午後7時〜8時
ところ:大阪駅御堂筋口(南側)
主催:おおさか総がかり行動実行委員会

原発のない明日を市民の力で!
とき:7月20日(月休)午後2時〜4時半
ところ:茨木市立クリエイトセンター204&205
主催:反原発自治体議員・市民連盟関西ブロック
※午後1時半〜1時50分 関西ブロック総会(一般の方もご参加いただけます)

《特定利用空港・港湾》について考える
とき:7月26日(日)午後2時
ところ:エルおおさか南館1023会議室
呼びかけ:伊丹空港の軍事利用に反対する自治体議員ネットワーク/とめよう改憲!おおさかネットワーク/しないさせない戦争協力関西ネットワーク

施設障碍者虐殺10年目の追悼アクション
とき:7月26日(日)午後6時 
ところ:ヨドバシカメラ梅田、周辺
主催:7・26追悼アクション有志

ヒロシマ〜平和の夕べ〜
とき:8月6日(木)午後1時
ところ:広島RCC文化センター
主催:8・6ヒロシマ平和の夕べ

玉城デニー知事応援集会inおおさか
とき:8月23日(日)午後2時
ところ:大阪市 西区民センターホール
主催:8・23応援集会実行委


8面

えん罪救済のための
再審法をめざして

袴田ひで子さん(7月22日)

弁護士会館ホールが満杯(6月12日 大阪市)

6月13日、大阪駅前(梅田)で「ノーモア! 冤罪 変えよう再審法! ウメダアクション」がおこなわれ、ひきつづき会場を大阪弁護士会館に移して、大阪弁護士会主催による「えん罪救済のための再審法をめざして」が会場一杯の参加で持たれました。
集会は、第一部が「再審法改正の現在地」として、@再審法改正のゆくえと現状報告を元法制審議会刑事法(再審関係)部会委員の鴨志田祐美弁護士、A梅田アクション(同日開催)速報報告の国会情勢については泉房穂参院議員、再審法改正への思いについて袴田ひで子さん・日野町事件の再審当事者阪原弘次さん・福井事件えん罪被害者前川彰司さんの発言がありました。
第二部は「シリウスの反証」とえん罪救済。WOWWOWドラマの一部上映のあとイノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)学生ボランティアの活動報告をうけ、IPJ事務局長・甲南大学法学部教授・笹倉香奈さんが「IPJのこれまでの活動と、これからのえん罪救済について」の報告と提起をした。
第三部のトークセッションは「シリウスの反証」の監督(松本優作)さん×原作者(大門剛明)さん×鴨志田弁護士×笹倉香奈さんで盛りだくさんの内容にもかかわらず熱気とえん罪をなくそうという思いの集中した集会となりました。
鴨志田弁護士は、「えん罪」は国家が引き起こす最大の人権侵害であることをふまえ、無実の人間を救済するための明確なルール(再審法)のないことが冤罪を生む根拠となっていることを指摘。
冤罪をなくし無実の人を救うためには、@証拠の開示(検察が無実の証拠を隠すことを許さない)、A裁判所が再審の開始を決めたら決定に従う(抗告の禁止)ことが必要であると指摘しています。そのうえでこのルールを作るのは、えん罪を生み出してきた法務省・検察ではなく「国権の最高機関であり、唯一の立法機関である国会」が使命と責任をおうべきことを明確にしています。
2024年超党派による国会議員連盟発足、全議員(713人)の過半数を超える388人に。
この再審法改正の動きに28道府県議会含む881議会が賛同し意見書を採択。233首長が賛同を表明。労働組合、アムネスティ・インターナショナル日本。日本ペンクラブなど1006団体が賛同。超党派議員連盟による法案のポイントは@Aに加えてB過去の審理に関与した裁判官は、その事件の再審に係われない、C期日を決めて手続きを円滑に進行することなど。
この超党派議連案は、自民公明、維新の党内手続き未了につき野党6党での法案提出(2025・6・18)となるが26年1月高市首相の「不意打ち解散」で廃案に。一方議連案に危機感を抱いた法務大臣が法制審に答申し、検察の権限を強化する改悪案を答申させる(2026・2・12)
この過程で法制審の議論に「NO」を突き付ける刑事法学者135人。63人の元裁判官による共同声明が発せられる。自民党内でも「稲田の乱」に象徴される大激論(合計11回32時間)がかわされ、法務省は3度にわたる法案修正を余儀なくされるが5・15閣議決定をへて6月12日衆院法務委員会で自・維・参により可決。舞台は参議院に移ることになりました。
えん罪被害者は「巌一人が助かったから良いというわけではない。すべてのえん罪で苦しむ人のために闘い続ける」という袴田ひで子さん(93才)を先頭に不屈に戦いを進めています。審理の長期化で、再審を求める者の命が尽きようとしています。大崎事件は過去3回も再審開始決定がされながら検察の抗告で取り消され、元被告の原口アヤ子さんは6月で99才に。
名張毒ぶどう酒事件も2005年再審開始決定が出たのに検察官の異議申し立てにより取り消し。元被告人の奥西勝さんは89歳で死去、再審請求人の妹は96才。狭山事件は2025年3月11日石川一雄さんが86歳で死去して第3次再審請求審は終了。おつれあいの早智子さん(79才)さんが第4次再審請求を申立て。
6月19日、日野町事件の再審開始に向けた三者協議で検察が無罪立証をしないことを表明。元被告の阪原弘さんの無罪が確定。再審請求人の息子の弘次さんは「警察によって証拠が捏造されて良いのか、最初から証拠が開示されていたら父は死なずに済んだし、子どもや孫と幸せに暮らせていたのに」と述べている。検察・法務省の居直りと悪あがきを許さず共に闘いましょう。

三里塚闘争60周年 反対同盟アピール(全文)

自民党・佐藤内閣は1966年6月22日、突如として新東京国際空港建設地を富里案から三里塚案に変更すると内定。翌朝の新聞で発表し、7月4日に閣議決定した。私たちは内定後ただちに反対同盟を結成し、三里塚闘争は今年60周年を迎える。
71年、2度にわたる行政代執行(強制収用)に対して「北総暴動」と呼ばれる命がけの実力闘争を闘った。北原鉱治事務局長を先頭に地下壕に立てこもり、婦人行動隊は立ち木に鎖で体を縛り付け、全国から駆けつけた万余の民衆は機動隊に石の雨を降らせた。問答無用の国家暴力への体を張った実力闘争は、権力万能神話を打ち砕き、大木(小泉)よねさんへの代執行を最後に、今なお土地収用法に基づく農家への強制収用を阻む勝利の原動力だ。
私たちは反対同盟の総条件派化を狙った83年3・8分裂攻撃を打ち破って再確立した「一切の話し合い拒否、農地死守・実力闘争」の原則を不屈に貫き、空港敷地内で農業を営みながら成田軍事空港の完成を阻んでいる。空港公団(現NAA)は条件派とのシンポ・円卓会議において「二度と強制的な手段は用いない」「今後は住民との話し合いで」と社会的に誓約し、全未買収地の収用裁決申請を取り下げざるを得なかった。第一級の国策である空港建設において土地収用法を適用できない前人未到の地平が切り開かれた。
国や財界は、三里塚闘争を放置しておいては経済的にも軍事的にも「アジアと戦えない」と叫び、反対同盟員・市東孝雄さんの農地強奪を通した反対同盟の解体、成田拡張=軍事空港の完成を狙っている。だが、耕作者の権利を守るための農地法を使って強行した天神峰農地取り上げ強制執行でも反対同盟、市東さんの不屈非妥協の闘魂を奪うことはできなかった。さらに、広大な農地と自然の破壊、気候危機の促進、騒音・落下物被害の拡大などに対する周辺住民の怒りは臨界点を超え、今や成田機能強化・「第2の開港」は破綻寸前だ。
用地取得に行き詰まったNAAは空港推進派に転向した元反対同盟員を利用しつつ、7月にも土地収用法に基づく事業認定の申請に踏み切ろうとしている。60年経ってふたたび「強制収用」を持ち出したのは、米日による中国への戦争体制構築の一環に他ならず言語道断だ。絶対に許さない。成田を侵略のための兵站・出撃拠点にするわけにはいかない。今こそ「反戦の砦」=三里塚の真価を発揮し、労農連帯をうち固め、反戦闘争の大爆発を切り開こう。その力で耕作権裁判控訴審勝利、市東さんの南台農地を守りぬき、強制収用阻止、「第2の開港」粉砕へ。戦争・大軍拡の高市政権を打倒しよう!
2026年6月21日阻止、「第2の開港」粉砕へ。戦争・大軍拡の高市政権を打倒しよう!
(反対闘争60年にあたり同盟から発出)

投稿
「国旗損壊罪」をつくるな> 投稿
東京・T生  

6月26日、「国旗損壊罪」が衆院内閣委員会で採決されたが、この日は休みが取れたので午前中の「国旗等損壊罪」反対連絡会主催の衆議院第2議員会館前行動に参加した。
平日ということもあって開始予定の9時には5人だけでしたが、昼までには「日の丸・君が代」処分との闘いに取り組んできた皆さんを中心に20人ほどが行動に集まった。
陣取ったのは、衆議院の参観通用門の向かい。修学旅行や社会科見学の児童・生徒が絶え間なく出入りします。歩いたりバスに乗っていたりする児童・生徒にも、この法案が理不尽で戦争に向かう動きであることをわかりやすく訴えた。バスの中から手を振ってくれるなど、児童が良い反応をした。
スピーカーで聴いていた提案者の自民党・塩崎彰久の説明は具体的なケースについて「総合的に判断する」と言うばかりで論理として破綻しており、これを徹底的に批判した。 終了予定の12時を過ぎて共産党の畑野君枝氏の質問を終わってから「暫時休憩」が宣せられ、午後の強行採決が予想されたため主催者からは午後も引き続き行動に参加することが呼び掛けられた。