未来・第440号


            未来第440号目次(2026年6月18日発行)

 1面  舞鶴2800人 反原発1100人が決起
     戦争と生活破壊の高市を倒そう

 2面  「都構想」法定協議会設置を弾劾する
     基礎自治体・大阪市の消滅許すな

     憲法違反の国旗損壊罪新設許すな!      

 3面  高市政権が皇室典範改訂を急ぐ
     その狙いはなにか

 4面  2800人が舞鶴軍港を包囲(上)
     全国の反基地団体が集う

 5面  自衛隊の市中パレードに抗議
     戦争と海外派兵の準備をするな
     兵庫 加西市 5月30日

 6面  〈投稿〉
     普天間返還合意30年
     辺野古新基地完成後も普天間返還ならず(下)
     2026年5月21日 名護市在住 島袋利久

 7面  辺野古ブルーアクション
     「辺野古唯一」はウソ

     防衛省抗議行動
     ミサイル配備許すな
     6月1日

     米軍Xバンドレーダー基地撤去
     京丹後で現地集会
     5月24日

 8面  夏期カンパアピール
     新たな安保・沖縄闘争へ闘争資金を

     (書評)
     『シリアの家族』
     小松由佳著 集英社 2020年9月刊 2200円+税

           

舞鶴2800人 反原発1100人が決起
戦争と生活破壊の高市を倒そう

舞鶴港を取り囲む2800人のヒューマンチェー(西半分)。東西1000mの北吸岸壁からイージス艦は湾外に逃亡した(5月31日 舞鶴市)

5・31舞鶴、6・7反原発闘争が高揚

5・31舞鶴闘争(PEACE ACTION in舞鶴)は昨年10・19祝園闘争を上回る2800人の結集で成功した。地元舞鶴、祝園、神戸港、大分敷戸、熊本健軍、沖縄宮古島をはじめ、横須賀、富士、愛知、岐阜、広島・呉など反戦・反基地を闘う全国の仲間が結集し、高市政権の戦争国家化攻撃との対決を宣言した(4面〜5面参照)。
ついで6月7日の「原発のない明日を!全国集会inおおさか」は、南は鹿児島・薩摩川内から福井関西一円・東海はじめ、北は青森・六ケ所村まで全国の闘う仲間が終日雨の中、大阪に1100人が結集した。労働組合と政党・議員(共産党・辰巳コータロー衆議院議員、社民党・大椿ゆうこ前参議院議員ら)も全力結集し、御堂筋デモをやり抜いた。ここでも高市内閣が進める原発再稼働・新増設の動きとの全面対決が確認された(詳報次号)

総裁選・総選挙を誹謗・中傷動画で制した高市早苗

その高市内閣は、3分2以上議席・高支持率で万全かと言えば、世論調査でも「人柄が信用できない」ということを不支持の第一の理由とする、ある種かつてない危機にある。半年維持した高支持率も、戦争準備と経済無策が全面暴露され、崩壊的危機がそこにある。
一つは物価高が依然収まらないことである。「高市新首相なら、女性ならではの視点で物価高対策をしてくれるのでは」という幻想が、総選挙の最大目玉であった「食料品消費税ゼロ」が半年過ぎても実現のめどがない事と、トランプ追随の外交無策=原油・ナフサ危機が浸透している。
もう一つは選挙における対立候補・相手陣営へのネガキャン動画の露呈である。昨秋劣勢だった総裁選を逆転した「秘密兵器」が立花孝志なみの誹謗・中傷動画だった。「疑惑」が『週刊文春』だけでなく共同通信の暴露にもより、高市=クロの心証が大きく広がっていった。総選挙では金にものを言わせた「高市30秒動画」を1億6千万回再生させたが、いずれも高市事務所・秘書たちがやったことが100%黒の印象となった。
安倍元首相は「空気を吸うように平気でウソ」をついたが、「まともに答弁しない高市」は、「人柄が信用できない」が定着しつつある。選挙におけるデマ・誹謗中傷の元祖=立花孝志はその悪行が全人民的認知になり、半年を超える拘置でN国党は壊滅した。本来なら「この国の『民主主義』を守るには、選挙の公正性を期すには、SNS誹謗中傷動画の規制が必要」との論議が必要だが、首相がその総本山ではそれもなされない。となると、誹謗中傷やりたい放題だった立花同様、高市の悪行が前面暴露されれば、立花と同じ道をたどるしかない。

軍事強化と日米共同演習で人民の反乱制圧狙う

危機に立つ高市政権がとる道は強行突破策である。いまだ盤石でない自民党内支持基盤確立のために「国力研究会」なる高市早苗総翼賛派閥を作ったが、300人を超え、100人を超すと分裂という自民党派閥原理はどこへやら、ポスト高市を狙う小泉・小林・茂木らが公然と「面従腹背」をしている。この自民党を制圧するために党大会で「1年内の改憲発議」を打ち出し、国家情報会議設置、国旗損壊罪創設、皇室典範改訂など、一見自民党内で反対できないが極めて問題のある法案の短期・拙速成立にかけている。しかしその内実は彼らの党名である「自由・民主」すら否定するもので、いまだ是正されない統一教会との癒着も含め、支配階級自身が支配の基盤を崩し、戦前型の「亡国に至る道」を歩んでいる。
今一つの突破の道は、軍事的制圧である。2022年12月の安保3文書閣議決定以降、それまでの「南西シフト」で基地機能強化を、九州・西日本へ拡大した。軍事予算も2倍化し、「いつでも戦争できる」状態を作りつつある。それをさらに強化し、根強い地域住民の反対をも軍事的に制圧するため、九州・沖縄で展開される6月20日からの日米実動訓練レゾリュート・ドラゴン26だ。
特に宮古島では25年8月の基地司令比嘉1佐の恫喝発言以降、これへの抵抗が裁判提訴も含め拡大しているが、これへの返答がレゾリュート・ドラゴン26だ。日米一体の「島しょ奪還」作戦は島民の不服従などあってはならず、事前制圧と軍民一体が求められる。すなわち、1945年の沖縄戦の再現である。期間中に6月23日の慰霊の日も含むこの作戦を許してはならない。

平和教育守れ 9月知事選勝利へ

今夏・今秋の闘いの焦点は、高市戦争攻撃と沖縄闘争圧殺を打ち破ることだ。沖縄を知る平和教育を、辺野古海難事故に関連させ教育基本法違反として圧殺する攻撃を許してはならない。住民の4人に1人が殺された沖縄戦がなぜ起きたのか。なぜ沖縄にだけ今も米軍基地の大半が存在するのか。米軍犯罪がやまないのはなぜか。その現実と向き合うことこそ、8・6ヒロシマ、8・9ナガサキと並ぶ平和教育の原点だ。今憲法を無視し、いたずらに近隣諸国との対立をあおる高市にとって、沖縄の反戦平和の闘いは邪魔で仕方がなく、あらゆる角度から押しつぶそうとしているのだ。全国の闘いは6月末の東京杉並区長選をはじめ最終的には高市政権との激突だ。戦争と生活破壊の高市と対決し、9月沖縄県知事選に勝利しよう。

降りつづける雨をはねのけ御堂筋をデモ行進(6月7日 大阪市)




















2面

「都構想」法定協議会設置を弾劾する
基礎自治体・大阪市の消滅許すな

淀屋橋から大阪市役所正面玄関へ100人がかけつけ抗議(5月27日)

5月27日、大阪市議会で3度目の都構想(大阪市廃止)の制度案をつくる法定協議会設置議案が採決される日、大阪市役所前には、小雨の降るなか百人の市民が駆けつけ「都構想やめろ」の横断幕を掲げ抗議行動をおこなった。リレートークでは、12人がマイクを握った。
梅田章二さん「副首都と都構想は全く別。万博で大赤字であり、そのツケを住民は背負わされる。万博EVバスは、70億円赤字の内42億円を国・大阪府市が出資している。勝つまでじゃんけんは民主主義の否定だ」。
看護師の女性は「私はケアマネで看護師をしている。コロナの時、救急車が来なかった。待つ人が一杯になり、亡くなる人もいた。ひどい経験をした。大阪はコロナの死亡率日本一。国民健康保険料、介護保険料も全国一高い。そんな政治はやめて、医療・子育て・福祉にお金をつけてほしい」。
吹田市の男性は「隣接10市は、市議会が可決すれば住民投票なしで特別区になる。権限・財源を大阪府に奪われる。大阪市廃止のために府民全体で投票することを画策している。大阪市のことは大阪市民が決めること。大阪都という名称変更に合わせて府民全体で住民投票をすることは、憲法と自治法に違反だ」と訴えた。
馬場徳夫さんは「財務総務委員会(13人)で法定協設置案は、反対6VS賛成7。伯仲している中で強行すべきではない。私たちは5月21日『都構想・法定協』設置異議あり市民のつどいを開き1300人集まった。市民がつながり大きな運動をつくろう。住民投票が統一地方選と同日選になったら、なくなる大阪市に市長選、市議選をするというおかしなことになるんですよ」などの発言があった。
最後に、みんなで市役所に向かって「住民投票無視するな」「結果を守れ」「都構想反対」「法定協を設置するな」とコールした。

市議会を傍聴

午後、市議会が開かれ傍聴者が多数詰めかけた。法定協設置案について、公明、自民、国民、共産の各議員が反対の意見を述べ、傍聴席からは大きな拍手がおこった。
公明議員「法定協設置に反対します。大阪市廃止を再び出して来たことは、到底認められない。かつて、2020年に賛成の立場をとった我々であるからこそ、十分な説明もなく大阪市廃止に進むことは許されない。住民投票で皆さんは明確な意志を示された。賢明な判断、重い判断を示された。時間が経つとまた復活させることは許されない。副首都と大阪市廃止は全く別の話であり区別すべき。ダブル選で、大阪市廃止に同意したのではない」。
維新議員「大阪市を発展させたい。大規模災害の危機がある。有事の際にはもう1つの副首都を持つことが必要。取り巻く環境が違う。20〜30年後を見据え副首都の機能を果たすには広域行政の在り方を考えねばいけない。法定協を開き、住民の皆さんに選択肢を示す」と発言。
自民議員「大阪市廃止の都構想は2度の住民投票で否決された。大阪市存続を大阪市民が判断した。3度目をやろうとすることは直接民主主義の住民投票を否定するもので許されない。民主主義の否定である。繰り返して勝つまでやることは憲法と住民自治に反する。副首都は、大阪市を廃止しなければ実現できないことではない。それなのに廃止することは、権限・財源を府に奪われ、行政機能の弱体化・住民サービスの低下を招く。住民の生活を安定させ暮らしを守ることが大切だ」
国民議員「吉村さんのための吉村さんの住民投票になる。党の独走じゃないですか。都構想よりマンパワーを生活に当てるべき。大阪市廃止について大阪府全域で住民投票することは危険なこと。世論調査でも反対が60%。マンパワーを災害対策に当てるべき」
共産党議員「莫大な労力とお金をかけて2度住民投票で否決された。その民意を軽んじており3度目の住民投票に大義のかけらもない。物価高対策や、災害に強いまちづくりをやるべきだ。特別区に再編された東京都は、戦時体制下で強力な行政機構が必要となり集権化のためにつくられた。大阪市を解体し特別区にすることは時代に逆行する」。 
採決がおこなわれ、法定協議会設置議案が維新と元維新の賛成多数で可決された。傍聴席からは、「都構想反対!」の声があがった。

大阪府庁前で抗議行動

大阪府庁前でも抗議(6月3日)

6月3日、府庁前で40人が抗議行動をした。府議会では、法定協設置議案について、民主ネットの山田けんた議員が討論を求める動議を出したが、維新の反対で否決。採決を強行し維新などの賛成多数で可決・成立させた。傍聴席からは、「独裁!」「吉村やめろ!」と怒りの声が上がった。 
法定協設置を徹底弾劾する。3度目の「都構想」住民投票に突き進む維新の独裁政治を許してはならない。維新は、住民投票を有利に進めるために、副首都法案の「付則」に、大阪府が副首都をめざす場合、特別区設置と「都」への名称変更の住民投票を府内全域でできる条文を入れ込もうとしている。憲法と住民自治に反することで認められない。(花本香)

憲法違反の国旗損壊罪新設許すな!

5月22日、自民党のプロジェクトチーム(PT)は、国旗損壊罪法案骨子を了承し、今国会への提出を決めた。
この法案は、高市首相の肝いり政策の一つで、「刑法で外国国旗を傷つける行為が罰せられる一方、国内法で日本国旗を損壊する罪が定められていない」ことを問題視し、維新と交わした連立合意書(2025年10月)でも「矛盾を是正する」と記載した。
この「国旗損壊罪」は、憲法違反のとんでもない悪法だ。第一に、立法事実がない。日の丸を損壊する行為によって誰かの権利や利益が害されている事実が存在しない。刑罰を新設する理由が全くない。
第二に、罪刑法定主義にも反する。「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」で損壊すると罪になるというが、要件がきわめてあいまいで、恣意的な取り締まりがおこなわれる危険が大きい。
第三に、刑罰で保護すべき法益がない。「国旗を大切に思う国民の感情」などというものは保護法益にならない。
第四に、日の丸を過去の日本の軍国主義や侵略戦争の象徴としている人も多く存在する。思想・良心の自由を保障する憲法19条や表現の自由を保障する憲法21条に反する違憲立法そのものだ。
第五に、立法過程も、「日本国旗を傷つける行為の違法化」という結論を先に決め、後から法整備の根拠(立法事実)や、法によって守る法益(保護法益)を検討するという逆立ちした過程をたどっている。
自民党議員ですら「外国国旗損壊罪の守るべき公益は外国との外交関係で、同列に扱うのはおかしい。国旗が燃やされたりする事例も多くない。憲法の保障する内心、表現の自由を侵してはならない」(岩屋前外相)と疑問視しているのだ。SNSに規制が及ぶ。SNS投稿への処罰に関しても「『何をしたか』ではなく『何を伝えたか』を罰することは表現の自由に抵触する」(岩屋前外相)などの疑問が出ている。
1999年施行の国旗・国歌法は、当時、小渕恵三首相は「強制する趣旨のものではない」としたが、義務を課す法律ではないのに、教育現場で強制され、従わなければ不利益を受けてきた。
自民党は国旗を大切に思う国民感情という「社会的法益」が該当するといい、立法事実がなく規制の必要性に疑問の声が上がるのに対して、「将来に向かって抑止する」のも立法事実だと強弁している。
敵基地攻撃能力として長距離ミサイルが配備され、沖縄・全土基地化がすすみ、安保法制=戦争法とともに、国家情報会議設置に続いてスパイ防止法が画策され、愛国心強制と一体となって国家主義が再び強制され、政府の政策に反対する人びとを非国民として社会を禁圧していった戦前回帰を再現するものだ。悪法を絶対に阻止しなくてはならない。(OH)

3面

高市政権が皇室典範改訂を急ぐ
その狙いはなにか

米国とイスラエルによるイラン侵略戦争が、世界を経済危機に追いこんでいる。ホルムズ海峡は事実上封鎖されたままになっている。この石油危機によって、人びとは物価高に苦しんでいる。
高市早苗内閣は人びとの声をみすえることなく、「国論を二分するような大胆な政策」を推し進めている。軍事予算の大幅増額、武器輸出を制限する「5類型」を撤廃し武器輸出を全面解禁、敵基地攻撃能力を持つ長射程ミサイルを配備、「国家情報会議設置法」を成立させ、国旗損壊罪を創設する準備、「皇室典範」の改訂、憲法改悪の動きなど。これらの狙いは、戦争態勢の構築にある。ここでは、皇室典範の改訂問題について考えていきたい。

これまでの経過

天皇制を安定して存続させるために、天皇はどのように継承されるべきなのか。今日、この問題は支配階級にとって重要なテーマになっている。皇室典範の改訂にかかわる論議は、天皇継承問題が出発点になっている。まず、この間の動向を振り返っておこう。
・2005年11月、小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が報告書をまとめ、ここで女性・女系天皇を容認した。自民党保守派は男性・男系天皇に固執しており、この報告書に猛反対した。
・2017年6月、「天皇退位特例法」が成立。ここで、「安定的な皇位継承」を検討する、このことが付帯決議された。
・2021年3月、「安定的な皇位継承を検討する有識者会議」が発足。
・2024年5月、国会の与野党代表者協議が初会合ひらく。
・2025年10月、高市政権が発足。
・2026年2月、施政方針演説で、高市首相は皇室典範の改訂を明言した。
・2026年4月、与野党代表者協議が1年ぶりに再開。
・2026年5月15日、与野党代表者協議(今年2度目)がおこなわれ、森英介衆院議長(自民党)は早急に「立法府の総意」をとりまとめ、今国会で成立させる意向を表明した。
・2026年6月5日、衆参両院・正副議長が各党会派に「とりまとめ案」を提示した。

皇室典範改訂〜高市政権の狙い

高市政権は衆議院選挙に大勝して、衆議院は「一党独裁」になった。これ以降、皇室典範を改訂する動きが急速に進んでいる。国会の論議をみているかぎり、ここでは「皇位継続」に賛成であることが前提になっており、反対する勢力はあらかじめ排除されている。
与野党代表者協議では、2案(2021年12月に政府の「有識者会議」がとりまとめたもの)について議論がおこなわれている。それは、@「女性皇族が結婚後も皇族の身分を持つ」(身分保持案)、A「旧宮家出身の男系男子を皇族の養子とする」(養子案)だ。
@案において、さらに「女性皇族の夫と子に皇族身分を付与する」かどうかで、意見がわかれている。自民党、日本維新の会、公明党などは「夫と子に皇室身分を付与する」ことに反対している。それは将来的に女系天皇(母方のみが天皇の血を引く)に道を開くことになるからだ。いっぽう、中道改革連合の野田佳彦・元首相は「皇室身分を付与する」ことに賛成している。
中道改革連合は@案を容認し、A案に反対してきた。しかし、5月の党内意見集約で、中道改革連合はA案も条件付きで賛成を示している。
高市は、@案よりもA案に固執している。それは@案では将来的に女系天皇の容認につながるからだ。自民党の保守派と維新の会は、「天皇は男系で男性天皇」に固執して、A案を優先することで一致している。
6月5日、衆参両院正副議長は@A案の両論併記でとりまとめて、与野党代表者協議に示した。「女性皇族の夫と子に皇族身分を付与する」件については、議論がわかれるところなので、触れないようにしている。また、とりまとめ案は「天皇は男性・男系」をほのめかす内容になっている。
森衆院議長は「すべての政党の賛成をえなくてもよい」と述べている。高市政権は立憲民主党を引きこんで、これを「立法府の総意」にしようとしている。A案に反対している勢力は排除されており、けっして「立法府の総意」ではない。高市は野党を天皇制に屈服させ、天皇制のもとに挙国一致体制をつくろうとしている。

天皇制とは何か

国会の代表者協議は天皇制問題にふれないで、皇位継承問題だけを議論している。高市政権はこのような策略で、皇室典範を改訂しようとしている。どうして象徴天皇制が問題にならないのだろうか。日本国憲法と皇室典範を具体的にみておこう。
〈日本国憲法〉
(第一条)天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
(第二条)皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
〈皇室典範〉
(第一条)皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
(第五条)皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王を皇族とする。
(第九条)天皇及び皇族は、養子をすることができない。
(第十二条)皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。
これらの条文には、人権上の問題点が内在している。この点は国会でいっさい議論されていないのだ。いくつかの点を指摘しておきたい。
第1、「天皇」「皇族」という身分制が存在している。憲法では、身分制は撤廃されている。この矛盾はどのように解消するべきなのか。
第2、すべての人びとは、個人として尊重される。国会論議では、当事者の存在は無視されている。だから、国会論議はグロテスクなものになっている。
第3、天皇制のもとに、女性差別が公然とおこなわれている。「血でつながった身分」が存在し、「尊い」ものとされている。これが女性差別、部落差別、障碍者差別、外国人差別などをつくりだしている。天皇制は社会差別の元凶なのだ。
第4、「天皇制」は「日本国民の総意に基く」ものではない。正確には「支配階級の総意」に基いている。近代天皇制は「王政復古」(1867年)以降につくられたものだ。この天皇制国家がアジアを侵略し敗戦(1945年8月15日)にいたった。
第5、天皇ナルヒトは夫妻で「慰霊の旅」をおこない、また一家をあげて皇室外交をおこなっている。天皇ナルヒトは天皇制をアピールし、天皇制を維持するために、このように動いている。
第6、人民は戦争に反対であり、国のために戦いたくもない。国家が戦争をはじめるとき、国家は国民を戦争に動員する必要がある。こうして、国家の方針に従う国民をつくるために、高市政権は天皇・天皇制を持ち出している。

今後の動き

今後の政治動向をみておこう。野党代表者協議(6月10日)において、「立法府の総意」と称する「国会見解」を決定し、高市首相に報告する。これを受けて、政府は「皇室典範改訂案」を国会に提出する。高市首相は今国会で成立をめざしている。 高市は「すでに論議が尽くされている」と理由をつけて、短時間で国会審議を終えて採決する方針だ。このために、「立法府の総意」を押し出して、国会前での反対運動をおさえこもうとしている。
現在、高市政権は「国論を二分するような政策」を強気に進めている。これを総合的にみすえて、天皇制・天皇制イデオロギー攻撃とも闘っていこう。皇室典範の改訂に反対しよう。国会前と街頭で、天皇制反対の声をあげよう。(寺田理)

(闘争案内)

司法の崩壊止めよう!最高裁共同行動〜人権を守れ!三権分立を守れ!「6・17判決」を正せ!〜
とき:6月15日(月) 
午前11時半 プレ集会
正午〜午後1時 リレースピーチとヒューマン・チェーン
ところ:最高裁正門周辺
主催:6・17最高裁共同行動実行委員会2026

第10回人権問題シンポジウム(連帯ユニオン人権部主催)
講師:藤田早苗さん 「武器としての国際人権〜思いやりと人権は別物〜」 とき:6月20日(土)午後6時半〜8時半 
ところ:エルおおさか南館大ホール
主催:連帯ユニオン人権部

農楽まつり〈三里塚闘争60年〉
とき:6月21日(日)午前10時半 ところ:市東さんの南台農地、集合→萩原さんの清水の畑までデモ→正午、農楽まつり(清水の畑)飲食あり、小雨決行
主催:三里塚芝山連合空港反対同盟

沖縄を再び戦場にさせないスタンディング
とき:6月28日(日)午後2時〜3時
ところ:大阪駅前御堂筋口バスターミナル
主催:沖縄を再び戦場にさせない実行委員会

関生京都事件高裁公判 集会&グルグルデモ
とき:7月3日(金) 
午後0時半 前段集会 西天満若松浜公園
午後1時半 開廷
午後4時 デモ

日本の植民地支配と台湾の近現代史
講演:駒込武さん(京都大学大学院教育学研究科教授)
とき:7月4日(土)午後2時 
ところ:国労大阪会館3F・大会議室
主催:南京の記憶をつなぐ2026

祝園ミサイル弾薬庫問題を考える奈良の会・第3回総会
とき:7月5日(日)午後2時〜3時半 
ところ:奈良市北部会館・多目的室1(近鉄「高の原駅」すぐ)
主催:祝園ミサイル弾薬庫問題を考える奈良の会

第16回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会
講演:高橋哲哉さん(東京大学名誉教授)
とき:7月19日(日)午前10時〜午後4時半
ところ:エルおおさか6階大会議室
主催:第16回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会実行委員会



4面

2800人が舞鶴軍港を包囲(上)
全国の反基地団体が集う

北吸(きたすい)岸壁前で抗議する教職員組合(5月31日 舞鶴)

5月31日、トマホークミサイルの配備に反対して、海上自衛隊舞鶴基地がある京都府舞鶴市において「基地を包囲するヒューマン・チェーン」と「トマホークミサイル配備反対集会」がひらかれ、ヒューマン・チェーンには2800人、集会は2100人が参加した。
主催は、5・31 Peace Action in 舞鶴実行委員会。

正午、ヒューマン・チェーン開始

スタンディングアピール・ヒューマンチェーンは、全国の危機感にあふれた人々によって海上自衛隊舞鶴基地周辺で決行され、午前10時、担当位置受付、11時半、配置開始、正午、ヒューマンチェーン完成。2800人の人間の鎖は、両手をつなぎあい成就された。

トマホークミサイル配備反対集会



高橋一郎さん

休憩、移動をはさんで、午後1時からトマホークミサイル配備反対集会がひらかれた。ひとつの会場にはいりきらないため、集会は2会場にわかれて同時開催となった。第1会場は基地に隣接した舞鶴市総合文化会館、第2会場は同会館の北側に隣接する舞鶴前島みなと公園(筆者は第2会場に参加したので、その様子を報告する)。

舞鶴だけの問題ではない

冒頭、京都在住のシンガーソングライター川口真由美さんがライブ演奏。「苦いコーヒーと甘いデーツ」などを熱唱し、盛り上げた。
主催者あいさつを実行委員会共同代表の高橋一郎さんがおこなった。
「1984年、米国太平洋艦隊の核巡航ミサイル搭載艦隊の舞鶴寄港に、京都府民運動連絡センターの呼びかけで、5・27舞鶴港に『トマホーク来るな! 核戦争阻止』と27000人の市民が反対行動に決起し、人間の鎖で撃退しようとした。
今回は、海上自衛隊舞鶴基地のイージス艦2隻にトマホークミサイルが配備されようとしている。
イランへの米軍による先制攻撃は、やはりトマホーク・ミサイルによる直撃で、女子小学生175人が犠牲になった。
舞鶴市役所は基地のすぐそばにあり、西側には、中舞鶴の住宅地がある。そこでは、市民の日常生活が営まれている。舞鶴市の一市民として、ヒューマン・チェーンに参加してきました。
舞鶴にトマホークがこなければそれでいいということではない。このままでは、トマホークが向かう先で、私たちと同じ市民生活が破壊され、他の国との関係では、加害国になってしまう。舞鶴だけの問題ではなく、日本と世界の問題だとそのことを深く理解しなければならない。舞鶴市民の一人として、このまま黙っているわけにはいきません。私たちは決してあきらめません」

「B自衛隊桟橋前」の掲示板 舞鶴基地の形状がよく判る

リレートーク

第2会場=屋外には第1会場に入れない人が多数参加(5月31日 舞鶴市)

つづいてリレートーク。最初に、神戸港の軍事使用を許さない会・松田耕典さん。
「昨年9月、呉羽真弓さんに神戸に来ていただいて、祝園から東神戸・深江の海上自衛隊阪神基地隊までミサイルが運ばれてくる事を知り、わが事とし闘い始めた。神戸には戦前から軍需工場があり、西宮には紫電改をつくっていた川西航空機があり、西宮・神戸は空襲を受けた。『火垂るの墓』では兄妹2人が西宮・三宮で食べ物もなく亡くなっていった。ガザの現実もそうだが戦争になればこうなる。この道を歩んではならない。
3月には、外交・安保問題に詳しい布施祐仁さんに講演いただき沖縄・西日本の全体構造がわかった。高市首相は防衛力を強化し、西日本各地を軍事拠点に変えようとしている。国産原子力潜水艦を造る計画があるが、神戸にある川崎重工、三菱重工の造船所でしか潜水艦はできない。深江にある海上自衛隊阪神基地隊は祝園からのミサイル・弾薬を沖縄に送る。神戸空港は、自衛隊が平時から使用する特定利用空港に指定されようとしている。高度経済成長を経て、阪神淡路大震災、コロナ・パンデミックの受難で産業空洞化が進んだ、神戸港を西日本最大の補給基地にしようとしていることを許してはならない。
5月の神戸市議会経済港湾委員会で、粟原市議らが1時間半、こうした問題を追及した。〈神戸港の軍事使用を許さない会〉はできたての団体ですが、6月の日米合同軍事演習=レゾリュート・ドラゴン26反対、9月の沖縄県知事選の勝利にむけて大阪・阪神間の市民の決起を作り出していきたい。ともに闘おう」と訴えた。

祝園ネット 呉羽真弓さん

呉羽真弓さん

続いて祝園ネットの呉羽真弓さんが発言。「私たちは、『二度と戦争をしたくないし、平和でこそ文化は香り立つ祝園全国集会』(10・19けいはんな記念公園2700人)で『次は舞鶴だよね』と誓い合った通り、やってきました。京都南部、奈良、京田辺、木津川の仲間と一緒に。『京都が危ない』そんな気持ちで集い、つながること。防衛局は、私達の暮らすすぐそばで、トマホークなどを格納する弾薬庫を14棟も拡充する計画です。何をどのようにどこへどういう風に保管するのか、住民が尋ねても、回答がありません。15000筆の署名で要求しても、説明できません。東京ドーム100個分もある弾薬庫ですが、車でも、歩いても、中で何をしているのか、まったくわかりません。ただ一つ、京奈和自動車道の北門を出入りする工事車両で判断するぐらいです。情報通の布施祐仁さんは、トマホークなどの武器を阪神基地隊や神戸港などとアクセスするのに好適な位置に祝園弾薬庫はあると説明しています。
増設工事のために刈り取った草や土を、杜撰に川に投げ捨てているのを、私の仲間が動画で撮影してくれました。こんなやり方には信頼感を持てません。私は母として、人として、子どもとして、孫として、二度と戦争をすることも、荷担することもしたくありません。ミサイルは、私たちと同じどこかの普通の市民を傷つけることになります。同じ市民として、毅然とこの戦争準備に反対しなければなりません。今こそ党派を超えてみんなとつながってゆく。市民の広がりでしか、とめられない!」(つづく/MS)

昨年9月にできたばかりの神戸の会が発言(5月31日 舞鶴市)



















集会宣言(案)

全国から平和への願いを、声を、希望を集めて、ヒューマンチェーンでつながった本日5月31日。
舞鶴だけでなく、日本各地で急速に軍事拡大が進んでいることが改めて明らかになりました。今年の3月には静岡の富士、熊本の健軍分屯地に長射程ミサイルが配備されました。佐世保配備のイージス艦「ちょうかい」にはすでにトマホークミサイルが搭載され、今後、舞鶴配備の2隻のイージス艦をはじめ、横須賀、佐世保の全8隻のイージス艦にトマホークミサイルが配備される計画です。これにより自衛隊は「敵基地攻撃能力」を保有することになります。
トマホークミサイルは、先制攻撃用のミサイルで、先のイラン戦争でも1000発以上が使用され、女子小学生と先生175名を含め多くのイラン市民の命を奪いました。トマホークミサイルの配備は、歴代の自民党政府が強調してきた「専守防衛」を投げ捨てるもので、明確な憲法違反であり、絶対に許すことはできません。
そのため、精華町の陸上自衛隊祝園分屯地には、国内最大規模の14棟もの弾薬庫の増設計画が進められており、この舞鶴でも4棟の弾薬庫の増設が計画されています。さらに、総監部を地下化する工事も始められています。舞鶴が敵の報復攻撃で焼け野原になっても、最後まで闘える体制を整備するものです。
中国を仮想敵国とし、「台湾有事」をにらんで急速に進む「戦争国家づくり」を私たちはとても認めることはできません。政府は「抑止力・対処力を高め、国民の安全安心につながる」と言いますが、果たしてそうでしょうか。日本で進む大軍拡は、かえってアジアの安全保障に緊張をもたらし、際限のない軍拡競争をもたらすことにつながります。高市政権が閣議決定した「殺傷能力のある武器輸出」の容認も、軍事産業育成と軍事ブロック強化につながるものです。
ウクライナ、ガザ、イラン・・私たちは二度と戦争をしたくない。
戦争で一番の被害者は市民です。そして、武力では決して平和は守れない。これが歴史の教訓です。私たちは、政治的立場、支持政党、思想信条を超えて「平和を守れ」「憲法壊すな」「9条守れ」の声を強く上げたいのです。「戦争するな」の一点で、今日からさらにつながりを広げ、戦争への道にストップをかけましょう。

2026年5月31日
トマホークは必要ですか? Peace Action in 舞鶴 集会



(集会プログラム)

5.31Peace Action in 舞鶴
トマホークミサイル配備反対集会 プログラム(前島みなと公園会場)

12時30分開場 13時開会
平和のステージ 川口真由美さんライブ
京都在住のシンガーソングライター 戦争反対・護憲・反原発などの運動に参加しながらメッセージを込めた演奏を行っている。大切ないのちが戦争で奪われる惨状に対し、平和への願いを込めたミニアルバム 「苦いコーヒーと甘いデーツ」

主催者挨拶 実行委員会共同代表 高橋一郎

リレートーク@(各地の取組の交流)
・松田耕典さん 神戸港の軍事使用を許さない会事務局担当
・呉羽真弓さん 京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク 共同代表
・永井友昭さん 米軍基地建設を憂う宇川有志の会
・梶川 憲さん 京都憲法守り・いかす京都共同センター共同代表
・関本長三郎さん 舞鶴戦争・空襲メッセージ編さん委員会代表 

参加政党紹介

リレートークA(各地の取組の交流)
・池田年宏さん 大分敷戸弾薬庫問題を考える住民ネットワーク
・清水早子さん ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会 共同代表
・沖縄・西日本ネットワークの皆さん
広島 新田秀樹さん、愛知 山本みはぎさん
岐阜 近藤ゆり子さん、横須賀 木元茂夫さん
・海北由希子さん 平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本事務局長
・竹内康人さん 富士にミサイルはやめて!の会・静岡 共同代表
・三上智恵さん ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会 設立呼びかけ人
・岸 牧子さん トマホークアクション2025
・森 芳郎さん 呉地区平和委員会 事務局長

集会宣言(提案と採択)
閉会 司会者



5面

自衛隊の市中パレードに抗議
戦争と海外派兵の準備をするな
兵庫 加西市 5月30日

県道前でパレードに抗議する人々(5月30日加西市)

5月30日、加西市で自衛隊パレード

5月30日、兵庫県加西市役所前の県道で、青野ヶ原駐屯地の自衛隊員・車両が戦車を先頭に市中行進をおこなった。駐屯地開設50年、兵庫県下で初めてのことで、地元加西市はこの行進を全面サポート、「威風堂々」と賛美した。見物には子ども連れの親子を先頭に2000人ほどが参加したが、憲法を生かす会・神戸港の軍事使用を許さない会など50人が「私たちは自衛隊員が戦場で死ぬことを望みません」という横断幕を掲げ「パレード反対・戦争反対」の声を上げた。子どもの中には「せんそうハンタイ」と唱和する子もいた。

3月18日には神戸港に自衛艦3隻が入港

それに先立つ3月18日には自衛艦「てんりゅう」など3隻が神戸市ポートアイランドに入港。これを4000人ほどの市民が見学。中には保育所の子どもが集団で参加する姿も。子どもに戦争=人殺しの武器・艦船を見学させることは、「辺野古海難事故と同志社高校平和教育は教育基本法違反」をはるかにこえる違反ではないか。神戸市一番の繁華街・マルイ前では戦闘服を着た自衛隊員(海上自衛隊阪神基地隊所属など)が広報活動をしている。ウクライナ戦争以降、戦死する可能性がある自衛隊員への応募は減少しているためだ。専守防衛に徹し(海外に行かない)、災害救援活動などに従事するなら応募者が増えるかもしれないが。

ミナト神戸・国際平和都市に軍隊・軍艦は要らない

神戸市議会は1975年に「非核神戸方式」を全会一致で決議し、以来50年核兵器を持たない証明をしないと米艦船などは入港できないできた。しかし神戸市東端の深江には海上自衛隊阪神基地隊があり、輸送艦「にほんばれ」などの母港で、武器弾薬を沖縄の前線基地に送る。
神戸港を中心に、神戸空港・大阪空港(伊丹)、姫路港、陸自総監部〈伊丹〉、青野ヶ原演習場(加西市)など兵庫県下の基地・軍需工場・港湾などのネットワークを、いつでも戦争ができる体制に転換させようとする攻撃を許してはならない。(MK)

(闘争案内)

原発のない明日を市民の力で!
とき:7月20日(月休)午後2時〜4時半
ところ:茨木市クリエイトセンター204&205
主催:反原発自治体議員・市民連盟関西ブロック
※午後1時半〜1時50分 関西ブロック総会(一般の方もご参加いただけます)

判決前集会(原発賠償関西訴訟)
とき:8月1日(土)午後
ところ:エルおおさか708
主催:KANSAIサポーターズ
共催:原発賠償関西訴訟原告団・弁護団

沖縄知事選勝利集会in大阪
報告:具志堅隆松さん(沖縄・西日本ネット)
とき:8月23日(日)午後2時〜4時半 
ところ:大阪市西区民センター
主催:8・23集会実行委

「死の商人国家」になる日本〜武器取引の現状を暴く〜
とき:8月29日(土) 午後2時半〜4時半 
ところ:エルおおさか5F・視聴覚室
主催:しないさせない戦争協力関西ネットワーク
※午後2時〜2時20分 同ネットワークの年次総会



6面

〈投稿〉
普天間返還合意30年
辺野古新基地完成後も普天間返還ならず(下)
2026年5月21日 名護市在住 島袋利久

普天間返還合意の経過

(承前)

辺野古埋め立てをめぐる県と国の訴訟は原告不適挌(訴える権利がない)として、全て門前払いを受け、審理されずに敗訴しました。三権分立と司法の独立性を疑う裁判結果であります。
2018年に始まった辺野古側南部埋め立て区域はほぼ終了しましたが、工事全体から見れば課題が多く残されている。2025年1月に軟弱地盤改良工事の杭打ちが開始。計画では約4年で7万1千本ほど打ち込む予定だが、軟弱地盤の最深部では90メートルあり世界的に見て70メートルまでの杭打ち作業の実績はありますが90メートルまでの工事は無く、専門家達は技術的には困難としています。また、埋め立て土砂も県内での調達では不足で、九州、四国から調達する予定ですが実現の見通しは立っていない。政府見解では2036年以降に完成し返還されるとしているが政府関係者すら「36年までは移設が完了しないのは明らかだ」と語っている状態です。
2013年日米両政府は普天間飛行場返還にあたって8条件。現在の進行状況
@飛行場関連施設の辺野古キャンプ・シュワブ移設。
・埋め立て工事の進行状況に合わせ整備する。
A航空部隊・司令部機能及び関連施設のシュワブ移設。
・埋め立て工事の進行状況に合わせて整備。
B新田原基地及び築城基地の緊急時の使用のための施設整備。
・新田原基地は整備完了。築城基地は滑走路延長に着手。
C代替施設が確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用改善。
・緊急時に円滑な利用調整を行うために必要な法的枠組みは整備済み。
D交通渋滞及び関連する諸問題の発生の回避。
・日米間で調整中。基地内道路の整備も想定。
E隣接する水域の必要な調整の実施。
・日米間で調整中。
F施設の安全な運用の能力の取得。
・埋め立て工事の進行状況に合わせて必要な施設を整備。
GKC130飛行隊による岩国基地の本拠地化。
・岩国基地への移駐完了。

以上の8項目ですが、アメリカは長い滑走路と緊急時の民間空港の自由使用や交通渋滞回避のための基地と基地間の連絡直通道路の新設を新たな条件として出してきた。このように小出しに移設条件を拡大し、日本の国税で米軍基地の新設及び整備をし、全国の主要民間空港や主要な港湾施設の自由使用が目論まれています。全てがアメリカの軍事優先に決められる可能性が大である。

ヘリ基地反対協などが声明

〈「辺野古を造っても普天間は返さない」米国見解に抗議し、辺野古新基地建設工事の即時中止と普天間基地の無条件返還を求める声明〉

  名護市辺野古の米軍新基地建設に関し、米国防総省が、米政府監査院(GAO)に提出した公式回答で、新基地が完成しても別の長い滑走路を用意できない場合、普天間基地は返還されないという見解を示した。新基地の予定滑走路(1800メートル)が普天間基地(2740メートル)より短く米軍のニーズに足りないこと、辺野古基地の完成後も米軍が普天間基地を使い続ける意向であることは、これまで非公式に米軍筋から、また日本政府筋からも繰り返し漏れ伝えられてきたので、そのこと自体に今さら驚きはない。しかし米国の公式見解として示されたのは初めてであり、大浦湾の軟弱地盤改良工事が行き詰まり新基地の完成が見通せない現状の中で出てきたことも看過できない。
1995年の米海兵隊員による集団少女暴行事件に対する県民の怒りに直面した日米両政府は「沖縄の過重な基地負担の軽減」を図るとし、1996年、県内移設条件付きの普天間基地返還(辺野古に代替施設を造ったのち普天間基地を返還する)で合意した。当初の5〜7年という期限はとっくの昔に過ぎ去ったが、日本政府は地元住民・県民の圧倒的な新基地反対の民意を蹴散らして工事を強行し、防衛省や沖縄防衛局へ幾度となく抗議に赴く私たちに、壊れたテープレコーダーのように、「辺野古移設」が普天間基地返還のための、すなわち沖縄の基地負担軽減のための「唯一の選択肢」だと繰り返してきた。
国民のほとんど、そして普天間基地を抱える宜野湾市民を含め県民の多くも「辺野古新基地が完成すれば普天間基地は返還される」と思い込まされてきた。県民も国民も30年近く米国・米軍に騙され続けてきたことになる。
本来なら、国家間合意である「沖縄の基地負担軽減=普天間基地の返還」を反故にする米国に対し、いちばん怒るべきは、日米合意の一方の当事者であった日本政府である。相手の合意違反に厳重抗議し、撤回させ、合意を遵守するよう迫るべきだ。しかしながら日本政府は逆に合意違反を容認し加担してきた共犯者だと言わざるを得ない。
「辺野古移設が普天間基地返還の唯一の選択肢」という大義名分は日米合意の両当事者によって根底から覆された。辺野古新基地建設によって普天間基地は返還されず、沖縄の基地負担はより重くなることが明らかとなった。国を相手にした沖縄県の裁判はことごとく敗訴したが、その前提となっていたのがこの大義名分だった。それが崩れた今、最高裁判決も意味をなさなくなった。
大義のない辺野古新基地建設は、国民の血税を浪費し、世界に誇るべき生物多様性の海・貴重な自然と地元住民の暮らしを破壊するだけの愚かしい計画・工事でしかない。私たちは今回の米国見解に満腔の怒りを持って厳重に抗議するとともに、日米両政府に対し、次のことを強く要請する。

◇辺野古新基地建設工事を直ちに中止し、計画を白紙撤回すること
◇普天間基地を無条件返還すること

2026年2月26日

ヘリ基地反対協議会/辺野古住民の訴訟原告団/辺野古弁護団

最後に

2026年2月16日、名護市辺野古新基地建設について、米政府監査院(GAO)に提出された公式回答で、新基地が完成しても別の長い滑走路が確保できない場合、普天間飛行場は返還されないという見解が示された。(辺野古滑走路1800メートル、普天間2740メートル)
新たな事実は2025年9月、米国国防総省が米政府監査院(GAO)に出された公式文書で辺野古新基地が完成しても、「代替施設」では「能力が不足する」ため普天間飛行場の代替となる「長い滑走路」が選定されるまで普天間飛行場は日本側に「返還しない」と明記された公式文書が判明しました。
2017年7月、稲田朋美防衛大臣(当時)が「米国との具体的な協議、また、その内容は調整がととのわない」ことがあれば、普天間飛行場は「返還されない」と国会で答弁した事実がある。
辺野古新基地建設に反対するオール沖縄会議は、たとえ辺野古が完成しても普天間返還されず「普天間も辺野古も使う」と言う日米両政府に対して強く抗議しました。そして「辺野古新基地建設を即時停止し、普天間基地の閉鎖、返還を要求して来ました。その根拠は稲田朋美発言に示されたように、すでに日米間に「密約」があったことも証明されたことです。
自公政権及び安保マフィア等の利権財閥は「世界一危険な普天間基地返還」のためには、「辺野古移設が唯一の解決策」と言い続けて来ました。そして、沖縄県が裁判に訴えた「辺野古埋め立て承認撤回、埋め立て設計不承認、埋め立て工事代執行差し止め」などの裁判はことごとく「原告不適格=栽判に訴える権利無し」と門前払いをして来ました。そして、自公政権は辺野古基地建設反対の沖縄の民意を無視し、工事を強行することで「国に逆らっても勝てない」と言う諦めムードを演出しながら、一方では「再編交付金、補助金」をばら撒き利益誘導で「辺野古新基地建設容認」の既成事実を積み重ねて来ました。
しかし、既に稲田発言で示されたように、日米両政府の間では「密約」は存在し、普天間は継続使用する。そして、完成後も辺野古新基地を運用し在沖米軍基地の機能強化拡大を決めています。
基地があれば攻撃される。2015年日本会議安倍政権は安保法制を制定。集団的自衛権を呼び水に2022年岸田政権は安保3文書を改定した。高市自維極右政権は、沖縄から北海道まで長射程ミサイルの設置運用を開始した。更に、殺傷能力のある武器輸出を解禁、国家情報局の新設、スパイ防止法等を狙っている。このような、反動的攻撃は沖縄を戦場にする事を想定して「台湾有事は日本有事」と南西諸島に自衛隊ミサイル配備、基地の拡大強化をしてきました。
高市自維政権は中国侵略戦争にひた走り、自衛隊の軍備強化、専守防衛から敵基地を先制攻撃する軍隊を目指し、憲法9条の改悪を「改憲の時は来た。次期自民党大会までに改憲の発議を!」と号令を出しました。そして中国への排外主義と脅威を煽り一気に改憲に突っ走りだしました。
日米両政府は朝鮮、中国への「台湾有事」を口実に侵略戦争を遂行する事を共通利害とすることが今回の公式文書で明らかになりました。自公政権は選挙のたびに「世界一危険な普天間の危険性除去は辺野古が唯一の解決策だ」と繰り返してきた事は日米合作の詐欺とペテンの猿芝居だった事を証明しました。そして沖縄人民に軍拡軍事費の増大と物価高、生活苦を強い、あたかも中国が日本本土に攻め入ってくるような中国脅威を煽り政府の無策を排外主義に転嫁し、軍事費を9兆円に拡大しました。そして、国民の関心を「国を守る」とのデマゴギーで組織しています。
沖縄を2度と戦場にしてはなりません。歴代の自民党政権は沖縄振興策や再編交付金等の「カネをバラまき」米軍基地反対の沖縄の民意をねじ伏せてきましたが、沖縄人民は辺野古新基地やこれ以上の米軍基地押しつけには拒絶反応があります。
米政府監査院文書は、2017年の報告書では「新基地の滑走路短縮に伴う能力面の不足を指摘し、任務要件を満たす滑走路」を選定するなど、是正するよう国防総省に勧告していたことに対する米国国防総省の回答書であります。国防総省は「辺野古の代替施設の滑走路が普天間より短いため普天間の任務の一部は受け入れられない。これらの任務を支え得るため、長い滑走路を確保する必要がある」とし、「代替滑走路の選定の最終責任は日本政府にあるから、選定が完了するまで普天間は日本側に返還されない」と踏み込んで明記してあります。
2013年4月、日米両政府は総合計画で、代替施設で再現できない長い滑走路による活動に備え、緊急時に民間施設を活用できるように改善する事を返還の前提条件の一つに挙げており、稲田発言はこれに直接答えたことになっています。米国防総省の回答書はこの条項の履行が返還に直結する事を言葉ではなく2017年、稲田発言より10年後の2026年、米国防総省文書で明示された。まさに日米合作の詐欺的行為が判明したことで大きな衝撃になったといえる。
最近の沖縄タイムス、琉球新報では「普天間返還条件の渋滞対策! 辺野古への高速道路接続案」などが報道されました。また新たに普天間返還のハードルを高くしてきました。返還合意から30年も長きにわたって宜野湾市民は米軍による基地被害、事件、事故の犠牲になってきました。先の衆議院選挙の敗北により国会で沖縄基地問題を取り上げることは少なくなってきますが政治変革は投票する事だけではありません。選挙活動は現場の大衆運動の力と多くの人民決起が結合して初めて勝利の道を踏破することが出来ます。
小選挙区制は自民党にとって都合の良い選挙制度なのです。有権者の30%未満で国会議員の80%も獲得でき自民党は大幅に議席の過半数を取ったと騒いでいますが、このようなトリックも暴かなければなりません。たかだか全有権者の30%未満の投票で80%の議席を独占できる不条理を糾しましょう。自民党は国民の一票の重さに段差をつけ、平等、公正を標榜する民主主義とは大きくかけ離れ民主的諸権利を奪っています。
われわれは「普天間返還合意から30年にあたって」の伊波洋一議員の声明文の主旨に添い粘り強く普天間基地閉鎖撤去! 辺野古新基地即時停止に向けた闘いを本土沖縄を貫き国際主義の旗を高々と挙げ、アメリカ、トランプによるベネズエラへの強盗戦争反対! アメリカ、イスラエルによるイラン侵略戦争阻止、パレスチナガサ侵略虐殺を阻止。
高市は憲法改悪、安保3文書改定、非核3原則解体「台湾有事は日本の有事」と「祖国防衛」を煽り沖縄を戦場にしようとしています。我々は2度と沖縄を戦場にしない、させない! 沖縄の米軍基地から殺人部隊を中東などの戦場に送らない闘いの陣形を強化しなければなりません。
高市早苗首相は72年日中共同声明において@日本政府は中華人民共和国政府が中国唯一の合法政府である事を承認する。A中華人民共和国政府は台湾が中華人民共和国の領土の不可分な一部であることを重ねて表明する。日本政府は中国の立場を理解し尊重する。B日本、中国政府は主権及び領土の保全の相互の尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することを合意すると条文にある。78年日中平和友好条約に沿ってその精神に立脚し「台湾問題」は中国の内政問題であるので干渉をしてはなりません。高市は、連綿と作り上げてきた日中友好関係を破壊することを止め「存立危機」答弁を撤回し中国人民に謝罪せよ。(おわり)

7面

辺野古ブルーアクション
「辺野古唯一」はウソ

6月6日、新宿駅南口で毎月恒例の「辺野古に新基地は作らせない!! 新宿南口連続辺野古ブルーアクション」がおこなわれ、多くの市民が集まって、沖縄の基地被害、辺野古新基地建設の不当性を訴えた。呼びかけは、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック。
この日の行動は《「辺野古 唯一」はウソだ! 普天間基地を返せ 6月アクション(5月30日〜6月14日)》の一環としておこなわれた。(写真上)
終了後、6月13日15時からの新宿駅東口(旧アルタ前)の共同行動(主催・辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会)、6月25日18時半から東京・日比谷図書文化館地下1階コンベンションホールでおこなわれる集会「沖縄はいま ふたたびの戦場を拒否する」(主催・沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)への結集が呼びかけられた。

防衛省抗議行動
ミサイル配備許すな
6月1日

6月1日、毎月恒例の防衛省抗議行動がおこなわれた。主催は、辺野古への基地建設を許さない実行委員会。沖縄現地から〈ミサイル配備から命を守るうるま市民の会〉共同代表・照屋寛之さんのアピールを電話で受けるなどし、防衛省に辺野古新基地建設・南西諸島ミサイル配備等への抗議を叩きつけた。(写真)

米軍Xバンドレーダー基地撤去
京丹後で現地集会
5月24日

自衛隊基地にも抗議(5月24日 京丹後市)

5月24日、米軍Xバンドレーダー基地撤去! 京丹後現地集会が米軍基地前でひらかれ、地元をはじめ、関西各地から70人が参加した。主催は、米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会。京都府京丹後市にあるこの米軍基地(米軍経ヶ岬通信所)は、Xバンド波を用いた強力レーダーで、中国、朝鮮を監視し、ミサイルと連動する侵略最前線基地である。国内では、青森県の車力とここ経ヶ岬の2カ所にしかない。

主催者あいさつ

主催者を代表して、米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会の瀧川順朗さんがあいさつ。
1月3日、米国トランプがベネズエラ侵略、2月28日には米国とイスラエルがイランを侵略。世界の底が割れている。国内では高市政権が軍事費対GDP比2%から3・5%への動き、武器輸出5類型の撤廃を閣議決定した。この基地でも、市長や防衛省(近畿中部防衛局)が知らないところで日米合同訓練が勝手におこなわれた。
抑止力というが、そんなもので戦争は防げないどころか、かえって戦争をあおるだけだ。軍拡だ。地元民にも害悪だけをもたらす。米軍基地から出る発電機の騒音で、住民は苦しめられている。一刻も早くこんな基地は撤去しよう。

地元住民が発言

地元からは、京丹後市議・永井友昭さん、〈米軍基地建設を憂う宇川有志の会〉代表・増田光夫さんが発言。
連帯あいさつは、京都(ほうそのネット)、滋賀、大阪(関西共同行動)がおこなった。

町内をデモ行進

集会を終え、全員バスに戻り、基地のある集落の東端まで移動。そこから西に縦断するかたちで集落内をデモ行進した。農作業を止めて、大きく手を振る人、玄関前に出てきて手をふる人など、あちこちで反応があった。きなくさい情勢のなかで住民が戦争の足音への危機感をもっていることが現れていた。

自衛隊基地、米軍基地に抗議行動

デモ行進は集会をした地点まで戻りそこで終了。休憩の後、自衛隊と米軍への抗議行動に移った。自衛隊(航空自衛隊経ヶ岬分屯基地)の前でシュプレヒコールをあげ抗議行動、つづいて米軍Xバンドレーダー基地前で抗議行動をおこなった。(NZ)

8面

夏期カンパアピール
新たな安保・沖縄闘争へ闘争資金を

全国で新たな安保沖縄闘争が求められている(写真は3月18日神戸港に入港した自衛艦と見物客)

読者の皆さん。闘う仲間の皆さん。イラン戦争・ホルムズ海峡封鎖によってG7の中で日本が一番打撃を受けています。ところが、高市政権は石油・ナフサ資源危機にあるのに「節約」や中東危機によるインフレ対策も後手後手に回っています。
日米会談でトランプのイラン戦争へ派兵を要求され、高市は寸前までいったが、できなかった。憲法9条と反戦平和勢力の存在によって阻止されたのです。
小泉防衛相は武器輸出のため走り回っています。
国会では国家情報会議設置法を成立させ、スパイ防止法が準備され、国旗損壊罪を画策しています。すでに敵基地攻撃能力として長距離ミサイル配備や全土の基地強化、軍事予算の増額が、対中国敵視・「台湾海峡有事」を口実にすすんでいます。戦争国家への道をこれ以上許すかどうかの瀬戸際です。
インフレで実質賃金4年連続減、今年1万品目の飲食料品の値上げ(帝国データバンク調べ)という。他方で国内上場企業の2026年3月期の純利益は5年連続で過去最高で、3メガバンクの利益も3年連続の最高益。生活はますます厳しくなっている。高齢者の求職も最多という。これは「略奪的蓄積」ではないか。「富の再配分」が必要だ。
26年前半、1月解散総選挙で高市1強政権が登場し、野党は軒並み後退したが、われわれは極右高市打倒を掲げて闘ってきた。
沖縄と健軍・静岡・祝園・舞鶴・神戸港での基地反対闘争や反原発闘争、3度目の都構想と闘っている。「1年内改憲発議」と真っ向から闘っていかなくてはならない。辺野古新基地建設反対運動への攻撃が激しいが、米国防総省は公式文書で辺野古新基地が完成しても普天間基地は返還しないと言っている。にもかかわらず小泉防衛相は否定した。基地押しつけが増えるだけではないか。
再建協(革命的共産主義者同盟再建協議会)は、3・14決起から、2011年3・11東日本大震災・東電福島第一原発事故以降の反原発闘争を闘いぬき、2015年戦争法=安保法制反対を闘いぬいた。昨年から、新たな安保・沖縄闘争の大爆発に向かって、沖縄・南西諸島・全土軍事基地化と闘う反戦・反安保闘争の構築へ闘っている。
60年、70年安保闘争を闘い、破防法弾圧や権力の超治安弾圧と闘って、二重対峙・対カクマル戦争と革命的武装闘争の地平を開いてきた。三里塚闘争や革命的議会主義・住民闘争、差別・排外主義と闘い、憲法闘争も闘いぬいてきた。被災地運動と非正規労働運動を闘ってきた。,br> われわれは革共運動の歴史と責任を引き受ける。この経験と教訓を新たな世代に充分継承できていないことを捉え返し、今春新たに決起した青年労働者学生とともに改憲阻止・極右高市政権打倒へ闘っていく。単なる政権交代ではない。戦争したがる政府(帝国主義)を打倒する革命に他ならない。
ヨーロッパやアメリカでは社会主義が帰ってきた。
反帝・反スタ、世界革命の旗は堅持する。階級とともに闘う党の意義は今こそ問われている。
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『シリアの家族』
小松由佳著 集英社 2020年9月刊 2200円+税

『シリアの家族』は小説ではない。ルポルタージュ作家による取材報告でもない。著者の家族におきたことをそのまま記録している。小松由佳さんはドキュメンタリー写真家。小松さんは風土に根ざした人間の営みに興味を抱き、草原や砂漠を精力的に取材している。
2008年10月、小松さんはイラクを取材し、パルミラに住むアブドゥルラティーフ一家と出会った。一家の長・ガーセム(当時、70才はじめ)は、遊牧民ベドウィンであった。彼は16人の子どもにめぐまれ、砂漠の街パルミラに一家(3世代約60人の大家族)をかまえ、ラクダの放牧をおこなっていた。小松さんはガーセムの語りに魅せられ、訪問をくりかえす。
2012年5月、小松さんはガーセムの12男のラドワンと結婚している。こういう理由から、「シリアの家族」とは、小松さん自身の家族のことなのだ。本書はノンフィクションに分類されるのであろうが、私的な「家族の記録」であることが最大の魅力になっている。

シリア現代史

本書では、2008年10月から24年12月まで、アサド政権下のシリアでおきたこと、「シリアの家族」とその周辺におきたことなど、小松さんが知り得た範囲で記されている。シリアでは、2011年3月に「アラブの春」の民衆運動がはじまった。また、オアシスの街パルミラは15年5月から17年3月までイスラム国(IS)に占領されている。この時、ロシアの爆撃によってアブドゥルラティーフ一家の家は破壊されてしまった。以後、シリアは反体制派とアサド政権との間で内戦が続いていくが、2024年12月にアサド政権が崩壊。25年1月、シャーム解放機構(HTS)の指導者シャラアが暫定政府大統領に就任し、新しいシリアが出発した。

当事者の語り

この激動の中で、さまざまな事がアブドゥルラティーフ一家に起きている。まず、6男のサーメルは、反体制運動に参加したことで秘密警察に逮捕される。12男のラドワンは政府軍を脱走し、ヨルダンにのがれて難民になった。16年8月、ガーセムはトルコに移住。10男アブドゥルメナムは、トルコから難民船にのってギリシャにたどり着き、フランスを経由してイギリスに移住した。
これらの体験が、当事者の声として語られている。アサド政権下でどのような弾圧がおこなわれたのか。シリア難民はどのような思いで、欧州をめざすのか。このようなことが当事者の声で語られている。
また、イスラム社会は男性優位で成り立っている。女性は家族を支える存在でしかないのだ。この家父長制について、小松さんはとうてい納得できない。このような指摘はたいへん興味深いところだ。
ガーセムは、砂漠で遊牧生活をしていた。土地に縛られることなく、自由に移動していった。当時、砂漠には国境線は存在しなかった。ガーセムの語りが魅力的だ。本書にくわしく記されている。

新しいシリアの建設へ

ラドワン(小松さんの連れ合い)は、2013年11月から日本に住んでいる。11年後、シリアはアサド政権から解放された。ラドワンはこれを機に、シリアに帰国を決断する。ラドワンと別れてくらすことになるが、小松さんはラドワンの決断を祝福している。
本書は、小松さんの父ガーセムと兄サーメルにささげられている。ガーセムは移住の地トルコで亡くなった。サーメルはサイドナヤ刑務所で獄死した。(鹿田研三)

(お知らせ)

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7月より一部300円となります