未来・第437号


            未来第437号目次(2026年5月1日発行)

 1面  改憲発議宣言の高市政権打倒
     メーデー・憲法集会の高揚を!

     『未来』紙代値上げのお知らせ
      7月から1部300円

 2面  「スパイ防止法」緊急学習会
     また戦争を始めるのか

 3面  「6・7原発のない明日を! 全国集会inおおさか」へ
     自然エネルギーへの転換を

     イラン反戦・9条を守れ 各地で行動

            4面  セックスワーク論批判(下)
     買春禁止法を制定せよ
     売春防止法を廃止せよ
     岡田恵子

 5面  DEF PRESIDENNTO NOW
     世界を揺るがした8日間

 6面  通信KOSUGI(18)
     ヘイトにNO!
     さらに大きなたたかいに

     昭和100年を撃つ!E
     スポーツ花盛りと戦争準備

 7面  4・7東京 核武装は許さない
     日本政府は非核三原則を守り実行を

     沖縄日誌3月
     自衛隊の対決続く
     高校生と船長の死を追悼    

     関西各地が連携し軍拡に反対
     ほうそのネットが総会と講演会
     4月12日 京都府精華町     

 8面  都構想タウンミーティング
     反対の声、多数

     書評
     『ルポ 戦争トラウマー日本兵たちの心に傷にいま向き合う』
     後藤遼太、大久保真紀 朝日新書

           

改憲発議宣言の高市政権打倒
メーデー・憲法集会の高揚を!

小西誠さん(元自衛官)を招いて大阪反戦集会に230人が参加。舞鶴、京丹後、祝園、神戸からも発言(詳報次号)

改憲発議・挙国一致体制構築許すな

1月解散・2月総選挙で衆議院3分の2を超す316議席を得ながらも、個人的政権運営や、トランプのイラン戦争の長期化=中東石油危機をはじめとする内外の危機に対し、それをクーデタ的に突破せんとしたのが、4・12自民党大会での高市首相の「改憲の時は来た。次期大会までに改憲発議を」の大号令だ。
総選挙では316議席確保したが、得票数では21年10月の岸田総選挙とほぼ同数だ。25年7月参議院選で参政党に岩盤右派票を奪われた高市は、高支持率と野党準備不足のうちに「強い日本」「積極的財政政策」をかかげ、野党の体たらくで圧勝した(立憲減127⇔自民増125)。しかし自民党員や中間支持基盤(農協・医師会・経済団体)が回復したわけでもなく、初の女性首相・経済回復の期待値による勝利であった。
自民党内での政治基盤の弱さを克服し長期政権を形成し、歴史修正主義貫徹(靖国神社参拝など)、スパイ防止法・国家情報局新設、国旗損壊罪制定、皇室典範改悪などをおこなうには新右派潮流形成=高市独裁が必要だ。そのための戦略的柱として「1年内改憲発議」を宣言したのだ。連立与党維新の副首都・大阪都構想も、戦時の首都機能構築にある。
既にこれを見越して旧安倍派の萩生田らは派閥活動を開始し、参議院は反高市・親高市に2分しつつある。旧来の派閥連合党復活の中で、高市をトップにポピュリズム的手法での総翼賛・危機突破政権化である。ついで官僚・利権集団・経済界も動き始めた。高市軍拡路線で恩恵を受ける造船・兵器産業、電気・原発産業や、自衛隊、宗教右派などを軸に、憲法改悪発議から高市総翼賛体制構築を狙っているのだ。

空港・港湾の軍事使用を許さない

続いて航空・宇宙産業とこれに連なる官僚どもも高市軍拡路線と歩をあわせている。一つは成田空港の拡張で、未買収地には強制収用も辞さない強権方針だ。さらに全国各地の空港・港湾を「特定指定」し、平時に空港・港湾を整備し、戦時には軍事空港・補給基地に使うというものだ。
特に沖縄=南西シフトに続き九州各県も進捗し、いよいよ関西圏が軍事システムに組み込まれようとしている。神戸港に続いて大阪湾・瀬戸内海の大阪港、堺泉北港、姫路港がすべて特定港湾に指定される。空港は4月1日公表の神戸空港に続き、伊丹空港、関西空港が、反対運動の動向を見ながら指定されようとしている。
この中で特に神戸港・神戸空港は、港内に、三菱重工、川崎重工という日本1・2位の軍需産業を持ち、一大軍事拠点にされようとしている。
ここ数年来の京都・祝園闘争、今年からの舞鶴闘争と連携し、神戸港の軍事使用反対の闘いが正念場に入ろうとしている。三里塚(成田)空港と並び、東西軍事空港反対の闘いとしても26年夏・秋の闘いを爆発させよう。

軍事大国化・戦争国家化粉砕、高市政権打倒

軍事大国化・戦争国家化粉砕の闘いは2022年安保3文書の改定以降、沖縄・九州を先頭とする反基地闘争の持続的高揚がつづいている。敵基地先制攻撃のための長射程ミサイル配備に対して、沖縄に続いて熊本・健軍はじめ各地で「攻撃することも、攻撃されることも反対」の住民決起が始まっている。沖縄に始まったこの攻撃は、この列島に住む限り「逃げ場がない」のだ。だとするならば戦争したがる首相とその政権に政策を変えさせるか、変えないならば政権交代・打倒するしかない。
ウクライナ戦争以降、戦争のリアルが迫り、「中国が攻めて来たら」の言動が排外主義と一体でバラまかれているが、戦争したがる政府を打倒すれば戦争にはならないのだ。おりしもアメリカでは数百万のデモと結合し、トランプ派が各地の州・大都市で敗北し、欧州各国は米軍基地使用を拒否している。トランプとプーチンという世界最悪の「王様」に支えられたハンガリーでもオルバン政権が打倒されたではないか。軍事費をGDPの2%や3・5%にしようとする(原資はわれわれが払う税金)政権はとっとと変えればよい。

改憲発議阻止の決戦に立ち上がろう

危機に立つ高市は人民の闘いが高揚する前に憲法改悪を国会で発議しようとしてきた。この攻撃を先んじて改憲の動向を感じ取った労働者・人民、青年・学生、女性を先頭に、3月中下旬から新たな闘いが始まった。高市訪米前の決起は百人単位だったが3月下旬からは千人単位・万人規模に一気に拡大し、全国150都市に広がった。憲法改悪か9条守れかで数百万が激突する階級決戦が訪れようとしている。
野党のていたらく、分裂・消滅の危機を突破し、新たな人民の決起が始まった。帝国主義日本・高市内閣の腐朽化のもとで、原発推進や生活保護再引き下げや、女性差別をはじめ差別排外主義・人民分断と生活破壊がかつてなく強まっている。それらの総攻撃の基本柱が「高市改憲1年内発議」だ。
今夏・今秋から来春にかけ、高市と闘う百万人民の決起の中に、社会主義の旗=『未来』と『展望』の旗を掲げ闘いぬき、資本主義の終焉を作り出そう。共に闘わん。

『未来』紙代値上げのお知らせ
      7月から1部300円

『未来』読者の皆さん。『未来』新聞社と革命的共産主義者同盟再建協議会は、この7月から新聞『未来』の紙代を、1部300円に値上げすることを決めました。諸物価高騰のおり読者の皆様にはご負担をかけますが、よろしくご理解・ご協力をお願いします。
周知のとおり『未来』は、革共同中央の官僚的組織運営と金銭的腐敗を弾劾し2006年3月14日に決起し、2年弱の党内闘争を経て2008年1月の『革共同通信』、その後『未来』として刊行してきました。それ以来、月2回のタブロイド判新聞ながら、紙面を6面から8面に増やし、定期発行を守ってきました。
そして日本における左派運動、反戦反基地、安保・沖縄闘争、反原発闘争、差別・排外主義との闘いなどで、革共同中央・前進派のセクト主義とは異なる戦闘的共同闘争の一角を担ってきたと自負しています。
しかしながら財政問題では、20年近く1部200円を維持してきましたが限界を迎え、ここに1部300円に値上げせざるを得なくなりました。今後は広く読者の皆様の理解と『未来』拡大へ協力をいただき、この価格を維持していきたいと考えます。紙面の充実のため意見・投稿もお寄せいただき、危機に瀕する左派運動の再興のために、ともに闘っていきましょう。
なお、6月までは現行価格で運営し、6月末日までになされたお支払いは現行価格が適用されます。また郵送料は現行のままです。よろしくご理解・ご協力お願いします。

2026年5月1日

『未来』新聞社
革命的共産主義者同盟再建協議会

2面

「スパイ防止法」緊急学習会
また戦争を始めるのか

4月12日大阪市内で「スパイ防止法」緊急学習会がひらかれた。永嶋靖久弁護士が「インテリジェンス(情報収集と分析) 『スパイ防止法』体制とは何か」と題して講演した。会場は百人が参加し満杯だった。主催は新聞うずみ火。
永嶋弁護士は、22年安保3文書改定による戦争する国造りと一体で対敵情報戦と市民監視・弾圧体制がつくられようとしていると警鐘を鳴らした。以下要旨を紹介する。
3月13日に国家情報会議設置法案が国会に提出された。国家情報局を設置しますという法案。国家情報局は、情報の収集・分析の司令塔といわれる。最大のものは対外情報庁(日本版CIA)をつくるかどうか。4月2日から衆議院で法案の審議が始まっている。新聞で見出しになっているのは「外国勢力の偽情報調査」。市民の監視強化にはならないと首相は言っている。それが本当かを考えていきたい。

(1)インテリジェンスの体制づくりは今、どこまで来ているか?

自民党、衆院選、政権公約

「インテリジェンス(情報の収集・分析等)/国家インテリジェンス機能を抜本的に強化。国家情報会議設置法を早期に成立させ、官邸直属の国家情報局を創設。対外情報機関を設置。また、他国からの不当な介入を阻止するため、外国代理人登録法等の関連法制を整える」。スパイ防止法という言葉は自民党では出てこない。ポイントは国家情報局、その次に外国代理人登録法等。

高市首相施政方針演説

永嶋弁護士が資料を駆使し講演(4月12日 大阪)

「インテリジェンスの司令塔を強化すべく、内閣総理大臣を議長とし、関係閣僚から構成される国家情報会議を内閣に設置する。内閣情報調査室を国家情報局に格上げし、関係機関からの情報を集約し活用する。その分析結果も活かし、外国からの不当な干渉を防止するための制度設計を進めるなど、必要な対策を講じる」
2月24日衆院本会議において、中道改革・小川代表からスパイ防止法について問われて、高市は「外国勢力が、わが国の意思決定に不当に干渉するリスクが生じており、そのような活動を阻止するための仕組みが求められている」と答弁。
また、首相就任前の高市は「スパイ防止法、『行政通信傍受を可能に』、外国勢力が対象」という発言をしている。

(2)国家情報局=「インテリジェンスの司令塔」

情報収集・分析と対処が国家情報局の仕事。国家情報会議(議長=内閣総理大臣、議員=関係閣僚)の事務局が国家情報局。内閣の中に現在ある国家安全保障会議・国家安全保障局(2013年創設)に加えて国家情報会議・国家情報局(=内閣情報調査室を格上げ)を新たにつくる。新しいお役所をつくるということは、国家安全保障戦略の改定・実現のための、情報の収集・分析・対処にあてる予算・人員が大幅に増強され、権限が拡大されるということ。

国家情報局はこれから何をするのか

高市首相は「外国勢力が偽情報の拡散を含む影響工作をおこなうことは国家の安全や国益を揺るがす脅威になり得る」「(日本の市民団体などの活動は)調査審議事項にはならない」という。

(3)「外国勢力の影響工作」とは何か

諸外国の「外国代理人登録」制度

外国勢力の活動を透明化するためにつくられている制度として、次のようなものがある。米国の外国代理人登録法(1938年制定)、英国の国家安全保障法(2023年制定)、仏の外国の干渉を防止するための法律(2024年制定)、ロシアの外国の影響下にある者の活動の管理に関する法律(2022年制定)。米国はナチスとの戦いのために1938年にできた。ロシアはウクライナ戦争開始直後につくり、英・仏も同戦争を契機にできた。
いずれも外国代理人に登録を義務づけ、登録せずに活動した場合には処罰する。会計検査が義務化され、会計報告をしないといけない。

「外国エージェント法」が自由を奪う

ロシアは、同法制定の前に1996年外国エージェント法(「非営利団体に関する法律」)をつくり、2012年に同法改正。2013年12月アムネスティによると「1000以上のNGOが家宅捜索を受け、多数が警告を受けた。いくつかの有名な人権団体は罰金を科せられ、閉鎖に追い込まれたところもある」「対象となる団体は多岐にわたり、市民的、政治的、社会的、経済的権利に関わるNGO、環境問題に取り組むNGO、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、インターセックスの差別問題に取り組むNGOなどの活動が影響を受けている」
アメリカでも、ロバート・メネンデス上院議員(当時)が外国代理人登録法違反で禁錮11年の判決をうけた。イギリスでは、大学が外国からお金をもらっておこなっている研究はたくさんあるから、これらも対象になる。
「外国エージェント法」は、ロシア、キルギス、ジョージア、ハンガリーなどで、権威主義者たちが批判的な声を消し、自らの支配を監視から守り、権力掌握を強化する主要な手段となっている(24年9月、ヒューマンライツウオッチ)。これに反対する何万ものデモが起きた。

「外国勢力の影響工作」の調査・監視

政府が外国勢力の手先とみなす「日本国内の人物や運動を調査・監視する」ということ。日本国内にいる人間、国内の運動を監視しなかったら、影響工作なんか監視できない。→調査・監視の次に出てくるのは、取締=「外国からの不当な干渉を防止する制度」である。しかし、誰が外国勢力の手先(外国代理人)なのか、何が防止しないといけない干渉なのか、とてもあいまいで、はっきりしない。

(4)何が「偽情報」か、誰がどうやって決めるのか?

ロシアでは、22年3月虚偽軍事情報流布罪ができて、BBC、CNN、その他の世界の報道機関がロシアでの報道を一時停止した。ロシア軍についてクレムリンが嘘だという情報を流したら逮捕されるという状況になったので報道を停止した。それくらい迫力がある。
アメリカでは26年3月ホワイトハウスが「CNNはエピック・フューリー作戦(イランの作戦)の圧倒的な成功を貶めるためにウソをついている」と発信。ロイターは「トランプ政権がイラン戦争報道巡り『反逆罪』言及も」と報じた。
日本では高市首相が4月7日、自衛隊派遣と今井尚哉氏を巡る報道を「完全な誤報」と否定。このように、政府の意に反する情報はすべて「偽情報」にされてしまう、そして調査・監視・取締の対象になるのでは。

(5)市民の監視強化

「行政通信傍受」とは

高市が必要だと言っていた「行政通信傍受」とはどのようなものか。盗聴と言っても今は、光ケーブルの中を流れているデジタル通信を丸ごともっていく。犯罪があったから、その証拠を集めるために、サイバー上の情報を取得するのが司法盗聴。裁判所の令状でおこなう。
犯罪とは関係なく外国の干渉があるのではないかと盗聴するのが行政通信傍受。行政盗聴は裁判所の令状はいらない。イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスには、すでに行政盗聴の法律がある。
「市民の監視強化」をしないなら、誰が外国勢力か、外国勢力の手先か、何をしているか調査・監視できない。国家情報局をつくるだけでは監視強化が不十分という理由で、行政盗聴制度をつくろうとするだろう。

(6)情報の政治利用の危険性を高める

国防保安法制定時(1941年2月)の政府答弁。「帝国の国家機密を探知収集しようとする諜報活動、及び帝国を内部的に崩壊させようとする謀略活動がおこなわれておりますので、…全く外敵に対抗するためのものであります、決して国内の一部の者を目当てにして立案したものではありません、又決してこれを国内政治に利用するようなことは致さないのであります」。
高市答弁はこれとそっくり。

(7)「国家情報局」や「対外情報庁」がなぜ必要か?

25年10月日経新聞は「CIAや英秘密情報部(MI6)、モサドなどは機密情報の収集のために敵国に外交官や企業家などの表向きの肩書きを持つ工作員を送り込んできた。日本は戦後、こうした活動を控えてきたが、外国での情報活動に消極的では、敵国のスパイ活動を防ぐのも難しいのが実情です」と言っている。イラン戦争を見たとき、CIAやモサドが重要な役割を果たしているが、こんなものが必要なのか。
?どこから始まり、どこへ行くのか?
22年の国家安全保障戦略の改定から始まった。「現在の中国の対外的な姿勢や軍事動向は、…これまでにない最大の戦略的な挑戦である」と規定し、防衛体制の強化、反撃能力の保有、2027年度防衛予算GDP2%を決めた。さらに「情報に関する能力の向上」として「情報収集能力の大幅強化(特に人的情報収集)。統合的な形での情報集約の体制整備。認知領域における情報戦への対応能力強化。偽情報対策の新体制の整備等」がある。戦争領域は「陸、海、空、宇宙、サイバー、認知」とあり、認知は6つ目の戦争領域。
   26年3月に陸自に情報作戦隊、海自に情報作戦集団を新編した。3月31日には熊本県健軍駐屯地と静岡県富士駐屯地に長射程ミサイルを配備した。同日「緊急事態を想定した避難施設(シェルター)の確保に関する基本方針について」閣議決定した。日本中にシェルターをつくらないといけないような情勢となっている。日本はまた戦争を始めようとしている。反撃する闘いが必要だ。(H)

3面

「6・7原発のない明日を!
全国集会inおおさか」へ
自然エネルギーへの転換を

(1)高市政権は、ますます反動性をつよめている。憲法改悪に突っ走っており、非核三原則の見直しや武器輸出制限の撤廃にのめりこんでいる。原発についても、「資源国に頭を下げる外交を終わらせたい」として「エネルギーの国内自給率100%」をかかげ、「既存原発の再稼働、革新軽水炉への移行、小型モジュール炉」など、原発推進を加速している。
しかし、この論理はまったくでたらめである。原発は燃料であるウランを100%輸入に頼っており、再処理技術なども外国(フランス)に頼っているのである。むしろエネルギー政策の鎧のもとで、実態は核武装への道を突っ走っているのである。
さらに米国・イスラエルのイラン侵略戦争にともなう石油危機の中で、ますます原発の活用は叫ばれ、強まっている。
しかし、世界において電源構成における原発の比率は数%もなく、日本においてもエネルギー構成において原発はわずか10%にも満たないのである。第7次エネルギー基本計画においても原子力は20〜22%とされており、その目標も実際にはその半分以下しか達成されていないのである。この原発に全国の電力会社などは年間6兆5千億円以上の巨額の費用を投入している。これは原発を隠れ蓑にした、三菱や日立などの原発=軍需産業やゼネコンへのカネの垂れ流しである。こういう構図を許してはならない。核と人類は絶対相容れないのだ。

(2)6・7集会はサブタイトルとして「原発依存を加速する政権許すな」をかかげる。このことは、高市政権のエネルギー・原発政策と真っ向対決し、戦争政策と真っ向対決するということである。そういうたたかいとして、これまでの集会を質・量とも凌駕する壮大なたたかいとして実現しなければならない。
その上で、6・7集会では、
第一に、この1月に発覚した浜岡原発での耐震設計データの捏造・改竄を徹底的に糾弾し、こういうことを見抜けなかった、いやむしろ隠蔽しようとした規制委員会の無能、でたらめ、インチキを徹底的に糾弾しなければならない。昨年2月には規制委員会に外部通報・公益通報がされていた。にもかかわらず、約1年間にわたって規制委員会はこの事実を隠していたのである。
原発の安全性を担保する耐震データが偽造されていたという重大事態である。一刻も早く真偽を確かめねばならない事態にあるにもかかわらず、1年近く放置=隠蔽していたのである。25年という年は柏崎刈羽原発の再稼働にむけて、地元同意=知事の同意が大きな焦点になっていたのであり、そのとき、原発の安全性がデータ偽造・捏造にもとづいて認可されていたということが明らかになったら、原発の安全性の根拠が吹っ飛んでしまうのである。だから規制委員会は1年近く隠したのである。
さらに規制委員会はこの事実の前に全原発の審査を見直せという声に対して、「その必要はない」と拒否している。捏造・偽造を発見できないし、しようともしない規制委員会を糾弾し、全原発審査のやりなおしをおこなわねばならない。
また、規制委員会の審査合格を「規制委員会が安全だといっている」と詭弁をろうして、特に22年以降運転禁止をもとめる仮処分や原発裁判において、ことごとく請求を退けてきたのである。
司法判断そのものが、捏造とペテンで組み立てられてきたということである。到底人々を納得させることはできない代物である。裁判所は、全ての原発裁判を一からやり直せ。こうした声を大きく上げていかねばならい。

(3)第二に、「乾式貯蔵NO!」を全国に轟かすたたかいである。そもそも乾式貯蔵をめぐる問題は単に乾式か、プールでの水冷保管かの問題ではない。使用済み核燃料をプールから引き上げ、乾式に移すことで満杯に近づきつつあるプールに空きを作ろうとする攻撃である。逆に言えば乾式貯蔵を許さなければ、プールは早晩満杯になり、原発を動かすことはできなくなる。
青森県・六ヶ所村再処理工場の稼働が見通せない中で、乾式貯蔵は原発延命の柱であり、全国の原発で乾式貯蔵導入が狙われている。原発を動かし続けるための乾式貯蔵反対!をかかげて25年に全国に大きく柱を打ち出したが、さらに大きく乾式貯蔵NO!のたたかいを告げ知らせるたたかいである。
同時に青森・六ヶ所村の再処理工場について、「26年度中の完成」に向けて、策動が繰り広げられているが、われわれは、再処理工場は完成しないということを言い切らねばならない。文字通り「使用済み核燃料の行き場はない」のだ。

(4)第三に自然エネルギへの転換を強く打ち出すたたかいである。

世界は紆余曲折を経ながら自然エネルギーに向かっている。2024年に世界で導入された自然エネルギーなどの再生エネルギーは582GW(ギガワット)で、原発582基分に相当する。しかし、日本では年間6〜8GWにとどまっている。
そもそも日本は太陽、水、地熱などの資源が豊富に存在しており、3・11以後きっぱり原発から手を切り、自然エネルギーに転換していれば、新たな社会を展望しえただろうし、世界において自然エネルギーの先頭を走っていたであろう。しかし、原発に固執し、その道をネグレクトしてきた。政府の誤った判断、方針で世界の流れから大きく取り残されたのである。
いまこそ、自然エネルギーへの転換をかちとらねばならない。人が人らしく生きられる社会、原発事故の心配がない安全な社会を作り出そう。
?〈老朽原発うごかすな! 実行委員会〉は6・7集会の成功のために全力でたたかっている。「できることはなんでもやろう」と日夜奮闘している。各地での学習会、座談会、ヒトリデモ、アメーバーデモ、団体オルグなどなど。また、6・7集会への賛同をひろく集めている。多くの賛同を集中しよう。詳しくは最寄の人に問い合わせてください。
ありとあらゆる行動の積み上げの上で、6・7集会にこれまでをはるかに超える大結集を勝ち取ろう。集会後、御堂筋を長蛇のデモで、道行く人に大きな声で原発反対!自然エネルギーへの転換を訴えよう。
6月7日、うつぼ公園(大阪市西区)に総結集しよう。(仰木明)

イラン反戦・9条を守れ 各地で行動

4・8大阪2000人  スタンデングからヨドバシ1周デモ
4・11神戸に230人 「日中不戦」の横断幕
4・12尼崎 イラン人道支援にカンパ38000円

























































(闘争案内)

つながろう 憲法いかして平和な世界を!憲法大集会2026
とき:5月3日(日)午後1時  
ところ:有明防災公園(東京都江東区)
主催:5・3憲法集会実行委員会

輝け憲法!平和といのちと人権を!おおさか総がかり集会
とき:5月3日(日)午後1時40分
ところ:扇町公園(大阪市北区)
主催:おおさか総がかり行動実行委員会

ピースフェスタ inおおさか2026
とき:5月10日(日)午前11時〜午後4時
ところ:いくのパーク(御幸森小学校跡)
主催:ピースフェスタ実行委員会

「都構想・法定協」設置 異議あり 5・12市民のつどい
内容:府議会・市会からの報告と課題提起
とき:5月12日(火)午後6時半
ところ:国労大阪会館・3階ホール(大阪市北区)
主催:市民の力で政治を変えよう!大阪アピール/市民のための政治を求める大阪市・市民連合
賛同団体:どないする大阪の未来ネット

パレスチナ難民に帰還権を イスラエルは侵略やめろ
とき:5月16日(土)午後5時半〜6時半
ところ:JR大阪駅南東側バスターミナル・人民広場
呼びかけ:関西ガザ緊急アクション

米軍Xバンドレーダー基地撤去!5・24京丹後現地集会
とき:5月24日(日)午後1時  
ところ:米軍Xバンドレーダー基地・ゲート前
主催:米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会
※京都発バス:午前8時30分、JR京都駅八条口アバンティ前集合

動乱の時代をどう生きるか?〜戦争の歴史から考える〜
講師:山ア雅弘さん(戦史・紛争史研究家)
とき:5月24日(日)午後2時〜4時半
ところ:芦屋市民センター401
主催:芦屋「九条の会」



4面

セックスワーク論批判(下)
     買春禁止法を制定せよ
     売春防止法を廃止せよ
 岡田恵子

[ドイツの失敗の原因男性の差別意識爆発

このドイツの政策は大失敗だったといわれており、ドイツ政界で問題になっている。合法化で男性が買春が社会的に容認されたと勘違いし、差別意識が噴出、買春への需要が増大した結果、社会全体がコントロール不能に陥ってしまったのだ。移民労働者の受け皿としてほとんど人身売買で連れてこられた女性たちが性売買に従事させられており、供給が増えることで客からの無理な注文を断りにくくなり、単価が下がり、健康を害する売春者が続出するというこの世の地獄絵が現出した。最大手のチェーン店の経営者はビジネスの成功者としてテレビでもてはやされていたが、人身売買の罪で逮捕、有罪が確定している。登録した人ばかりで構成されているはずの最大手で、多くの地下売春者がいたのである。ドイツ性売買業界にはヤクザや半グレは少なかったのに、人身売買を仲介するロシア、イタリア、アフリカなどのマフィアや呪術師、ルーマニアのクランと呼ばれる反社会的組織が跋扈する状態になってしまった。当然暴力で女性たちを支配している。
セックスワーク論の理論通りにやればスティグマが減るはずだったが、売春者のスティグマは全くなくなっていないし、全体の賃金・条件を下げてしまった。「大人の同意」ばかりの性売買になるはずだったが、ドイツの男性たちは移民女性の性を「歪んだ同意=強制」で買いつけ収奪している。セックスワーク派はスウェーデンの「失敗」をことさらに指摘するが、ドイツの失敗を無視することは恣意的と言われてもしかたないだろう。

\性売買の日本の特殊性

現代の女衒=ホスト・スカウト
性産業の「病」巣ホスト・スカウト

日本の特殊性その@はホスト・スカウトの問題である。ホストに貢ぎたい一心で売春に追い込まれる若い女性が多数いるのだ。セックスワーク派はホスト問題に触れている様子はほとんどなくこの問題を抜きに日本における性売買の話をすることはきわめて不誠実な態度である。
日本には長い女衒の歴史がある。遊郭に貧しい女性をだましたり甘言を弄したりして連れさるノウハウの蓄積は世界にはないものだという。女衒が博徒、テキヤと融合して暴力団を形成し日本の性産業はこれらとのつながりが極めて強い。
現代の女衒はホストクラブとして生き残って女性たちをほとんどギャンブル依存症のようにホストにはまらせ、売春に追い込んでいる。若い女性は売春という打ち出の小づちがあることを計算して依存症にするのである。昨今問題になっている新大久保などの「立ちんぼ」の中の多くの人がホストに貢ぐお金が欲しくてやっているといわれている。
女性はホストクラブという広義の性売買において買う側になっても搾取され、性売買で売る側になっても搾取されるという典型である。10代、20代の若い女性が売春で稼いだお金を一晩で何百万も使うホストクラブは異様としか言いようがない。「売掛金」という借金を払うために海外に出稼ぎ売春する人が多発、多すぎて若い日本人女性が入国を拒否されることが続出した。
スカウトとは、路上やホストとの協力関係で女性を売春業者に紹介し、女性が在籍する限り紹介手数料をとる巨大人身売買組織だ。このスカウトたちが「ケア」することで女性たちをさらにホスト沼に追い込むのである。25年に風俗営業法が改正されホストの色恋営業が禁止され、スカウトそのものが禁止された。巨大かつ悪質な収奪的組織をまず解体すべきである。
前述のセックスワーク派として紹介したSWASHはこれらのホスト問題には一切スルー、海外の問題も貧しい移民に矛盾が集中していることには全く触れない。これはきわめて不誠実だと思う。

女性に対する差別意識

性売買における日本の特殊性そのAは、男性の女性に対する差別意識の強さだ。それを反映しているのが売春防止法だ。日本は長い公娼制度の歴史を持っている。売春防止法で売る側には恣意的に取り締まることができ、買う側には一切の罰則規定はない。男性の女性差別意識が強く、男性の性欲は全面的に肯定される誤った文化ゆえである。安易に「セックスワークは女性の自己決定」論という欺瞞に賛成する人が左翼にもいるが、真の自己決定であるのか再考し、同意の歪みを見極め、そこに潜む暴力性、男性としての自らの差別性を自省してほしい。
「性の商品化」文化が極限まで追求された日本の惨状を解決しなければならない。日本ではコンビニで普通に女性の下着姿が表紙のポルノが陳列されているが、欧米ではまずないことだそうだ。「男=買う人、女=買われる人」という性の商品化文化を廃絶しなければならない。女の子たちが自分は大人になればこのように男に性的に見られ、評価され、買われる存在であると内面化しながら成長する痛ましさに震撼せよ!逆に男の子が自分はこのように大人になれば女性を物質として眺め、評価し、買う特権を持っていると誤った権力感を内面に育てながら成長する暴力の肯定を直視せよ!
日本においては買春者へのスティグマ(=恥の刻印)はほぼゼロに近い。まず男性の意識の変革が必要なのである。

日本女性の貧困

日本の特殊性そのBは女性の地位の低さである。日本の特殊性を考えればセックスワーク論が欺瞞であることがわかる。そもそも日本は「世界に冠たる巨大性産業の存在」という不名誉を頂戴しているが、それに比例するかのように女性の地位は先進国で最低だ。多くの女性はどんなに働いても自立できる賃金は得られない。女性の貧困をまず対策してから性売買の話をしなければならないはずだ。「売春女性に負のスティグマを植え付けるので貧困と性売買を結び付けるな」と日本のセックスワーク論の中心人物である要ゆきこ氏は言っている。そもそも貧困であることがなぜ恥なのか?資本主義が女性に貧困を強いていることを訴えることがどうして恥なのか。そもそも論として反労働者的である。

女性の「心の空白」はなぜ生まれるのか

世界的に性売買に入ってしまう人の多くが、幼いころの成育歴に何らかの性的な経験があるのではないかと言われている。もちろん全員ではない。例えば親の養育態度に問題があり、子どもの容姿をほめたりけなしたりするなどその子の価値を性的に評価してばかりいると、性的な他者の評価を子ども自らが内面化(受け入れ当たり前だと認識)する。このような女性の「性の商品化」が日常に氾濫している環境では、女の子は自分は性的な客体として自己を認識し、性を主体的にコントロールできなくなる。
ホストから色恋営業と呼ばれる偽物の優しい言葉で頼られると、ホストに貢ぐことで自分を評価してほしいと依存するのである。お金で買った「承認、チヤホヤ、自分に注目してくれること」をまるで本物であるかのように「錯覚したい」という感情が生まれる。つまり瞬間の痛み止めとしての性売買とホスト沼というわけだ。
性暴力を受けた人はさらに「再演」という心理がはたらくことがある。「再演」とは自分でコントロールできなかったトラウマ的経験の記憶を、何回も再演することで「自らコントロールできた」経験で埋め尽くし、記憶を塗りなおそうとする自己防衛規制だ。反対に再演をおそれる被害者も多い。「二秒の視線」問題は根本的にはこの再演の問題である。
同じように虐待の親の元に育っても男の子は自分の性的な魅力のみにすがってまるで自虐・自傷のような行動=性的逸脱にはならない。むしろ逆に暴力は連鎖するといわれ加害的な行動をとるようになる。この違いは何か。そもそも性を売るという選択肢が少ないことに表れているが、自らは傷つけないで他者を傷つける手段があるからである。自らの特権を行使してDVやモラハラ、パワハラになることが可能なのだ。

]性売買から離脱できる社会づくり

女性が様々な理由で性売買に従事したとしても、一定の年齢になったらほとんどの人が性売買から排除される。このことを当事者運動は無視あるいはスルーしてしまう傾向がある。「今は離脱を望まない」その気持ちは尊重されなければならないだろう。しかし本当にサービスなら熟練者のほうが価値が高いので賃金は年齢によって上がるはずであり定年まで働けるはずだが現実はそうではない。
離脱したい人や年齢を重ねることによって排除される人がいる以上、社会は離脱できる条件を作らなければならない。多くの元売春者が離脱の困難性を訴えているのは離脱できる環境がないためだ。
マルクス主義的性売買論とセックスワーク論の違いはここにある。前者マルクス主義フェミニズムはそもそも性売買は女性への性暴力ととらえており、さらにこの業界にいる女性の消費・使い捨てを許さない。セックスワーク論者は討論さえも拒否するのである。セックスワーク論は売春者の真の利害を代表していない。女性差別的構造はこのままで、次々とホストや貧困により若い女性を業界に流入させ、解雇されるまでもなく自然に淘汰され、業者は責任を取らなくてもよい構造であることを肯定している。これほど業者にとって都合のいいことがあるだろうか。どう見ても業者の利害ではないか。売春者は貧困やトラウマの痛みから逃れて束の間生存が許されても、いずれその生存空間からも排除されようとしているのだ。
性売買廃止論は女性の貧困、抑圧によって性売買に女性が流入してしまう入口を小さくし、出口を大きくして離脱を容易に決断できる構造にすることである。そして最終的には性売買そのものが無くなる社会を目指すことだ。
今日的課題は何よりまず日本においては強制的収奪の巨大落とし穴であるホスト・スカウトを縮小させることだ。そして北欧方式(売春者非犯罪化、買春者犯罪化)を採用し、売春=売る側を非犯罪化せよ。

買う側を犯罪化せよ 売る側は非犯罪化せよ

タイ人少女事件をきっかけに「買春者処罰法」あるいは「買春者処罰」が要求されている。タイ人少女事件とは12歳の少女が人身売買のように連れてこられ、売春に従事させられ、買った側は全く処罰されていない事件のことである。日本では児童までもの性的サービスへの需要が存在し、明らかな国際的な人身売買を招いており需要を抑制する以外にこれらは無くならないからだ。自民党が本気で買春禁止法を制定しようとしているとは思えないが、女性の離脱支援とセットであるなら買春禁止法は大賛成すべきだ。また日本は買春者に対する刑罰を経験していない珍しい国なので、安全を確保する細かい罰則規定を明記する買春者処罰が必要だ。同時に北欧方式を目指して売春者の完全無罪化つまり売春防止法の見直しともセットでなければ意味がない。
しかし所詮、法でさばいたところで地下にもぐるだけで結局はいたちごっこだ。「買春禁止法を制定すると売春する側が生活に困窮する」という珍奇な論が出回っているがそもそも日本においては性産業は巨大産業だ。縮小が求められているときに何を言い出すのだ。何より大切なのはあらゆる「性の商品化」を廃絶すること以外に一切の根本的な解決はない。ポルノ、セクハラ、DV、性暴力、女性へのあらゆる暴力をこの社会から根絶することが最重要課題なのだ。
セックスワーク論は論としては、世界的に左翼男性すらも侵食して優勢を誇っていたが、その主張を忠実にかつ徹底的に行ったドイツにおいて、男性による女性の性的収奪の容認ととらえられ、女性差別、移民差別を爆発させる着火剤になってしまった。失敗の規模が大き過ぎかつ悲惨すぎた。
セックスワーク論に対して徹底的に反対していかなければならない。(おわり)

5面

DEF PRESIDENNTO NOW
     世界を揺るがした8日間

2025年5月、Apple TVで公開された『DEAF PRESIDENT NOW』(以下、DPN、今こそ、ろう学長を)というドキュメンタリー映画。

1988年3月、アメリカ・ワシントンD・C・にある、ろう者のための大学で、ろう学生がDPNのスローガンを掲げて闘った8日間の記録である。
このろう学生の闘いは大学の保守的あり方を変えた革命運動であり、障害者解放をかけた闘いである。
ろう者のための大学は1864年に、エイブラハム・リンカーン大統領が発行した連邦憲章により設立されたギャローテッド大学で、創立以来124年、学長が聴者であった。6代目のジェリー・リーが1987年に辞任し、後任に学長候補者が3人に絞られ、1人が聴者で、残り2人がろう者であった。

3人の候補者
1、エリザベス・ジンサー博士。ノースカロライナ大学グリーンズボロ校の副学長。手話をあまり知らない
2、I・キング・ジョーダン博士。21歳で交通事故により失聴。ギャローテッド大学文理学部長。
3、ハーヴィー・コーソン博士。生まれつきろう者で、ろう学校の校長。

ろう者の学長の選出を期待した学生たちは3月1日、集会に参加し、DPNのバッジやビラを配布した。アレン・サスマン教授は演説の中で「これは歴史的出来事です。ろう者による最初の公民権運動と言えるでしょう」と宣言した。
3月6日、日曜日の夜、聴者であるエリザベス・アン・ジンサーを7代学長に任命すると理事会長が発表した。この決定に対して、学生たちは「我々の世界を理解しないリーダーを受け入れることはできない」と決死の覚悟で立ち上がった。この学生運動を牽引した学生は4人で、前自治会長のティム・ラルス、自治会長に選ばれたばかりのグレッグ・フリボク、さらにフリボクと自治会長選で敗れた2人の学生。特に自治会長のフリボクはメディア出演し、アメリカ手話(ASL)で学生たちの決意を述べ、国民の支持を得た。
3月7日、月曜日の朝、直ちにキャンパスを封鎖し、授業をボイコットし、抗議会をおこない、以下の4つの要望を理事会に提出した。
@エリザベス・ジンサーの即時辞任と、ろう者学長の任命。
A理事会長の即時辞任(7年もいながら手話ができない)。
B理事会の構成は、ろう者が過半数であること(17対4の比率であった)。
C学生たちへの処罰はなしとすること。

3月8日、抗議活動は継続し、組織化が進み、勢力を増してきた。教職員は学生主導の抗議を支持する投票をおこない、理事会に対する統一戦線が形成された。支援を求めるため、連邦議会議事堂まで行進した。
3月9日、数千人の学生、教職員、支持者がキャンパスから理事会が会合するメイフラワーホテルまでデモ行進した。理事会と直接対峙し、意見を求めた。
世界中の報道陣が大学のキャンパスに殺到し、多くのアメリカ人が、憐みの対象としかみなかったろう者が自らの意見を主張している姿を目にした。
学生には世界中からろう者や聴者の支持者が加わり、国立ろう工科大学(ニューヨーク州ロイチェスター)の3百人のろう学生がバスで駆けつけてきた。他にもアメリカ合衆国やヨーロッパのあらゆるところから支持者がやってきた。
3月10日、新学長ジンサーは自身の権威を主張しようとした。理事会長のジェーン・スピルマンは新学長とともに全国テレビに出演し、学長を聴者にしたのは、「ろう者は社会に出ても機能する準備ができていないから」と発言した。この発言は非難され、抗議者たちを支持する世論を作り出した。その日の夜、ジンサーは辞任を表明し、有効な統治ができないことを認めた。4つの要求のひとつを満たしたが、それでもすべての要求を果たすまで闘いを続けてきた。
3月11日、連邦議会議事堂まで行進し、リーダーたちはそこで演説を始め、署名を集めた。デモの申請をしなかったので、警察官が拡声器で規制しようとした。だがデモ参加者たちが聞こえないことに気づいた警察官は現場までエスコートした。
3月13日の日曜日、抗議行動から始まって1週間、夜、理事会が記者会見を開き、抗議者たちの4つの要求すべてに同意したことを発表した。
@I・キング・ジョーダン博士が第8代学長に就任し、124年の歴史で初めてのろう学長となった。
A理事会のろう者メンバーであるフィリップ・ブラヴィンが新しい理事会長に任命された。
B理事会は、理事会における51%のろう者多数の実現に向けたタスクフォースの設置に合意した。
C抗議に関わった誰に対しても処罰がないことを保証した。

I・キング・ジョーダン新学長の就任挨拶で、「deaf people can do anything except hear」(ろう者は何でもできる、聞くこと以外)と全米ろう協会事務局長だったフレッド・シュライバーの言葉を引用した。 
ろう者のアイデンティティと文化の重要性を確立し、アメリカ公民権運動の重要な一部としたろう者コミュニティの自己決定権とエンパワーメントを象徴する闘いである。
ろう者の学長を選出するための闘いは終焉したが、この闘いから2年後1990年に、J・ブッシュ大統領はADA(障害を持つアメリカ人法、Americans with Disabilities Act)「障害に基づく差別を禁止し、職場に障害のある従業員に適切な便宜を与えることを義務付けるアメリカ障害者法」に署名し、法律として施行した。
前自治会長として学生運動を牽引したラルス氏は後に「闘いはまだ終わっていません。私たちは常にこの世界における平等のために努力する必要があります。しかし私たちはその旅を始めました。そして今日、私たちは、その灯火を掲げ続ける中で、DPNはdeaf people nowの象徴なのです」と語った。
ギャローテッド大学のろう学生がストライキ、デモをおこなったことにより、ろう学長が選出されたというニュースは知っていたが、今改めてその内容を知ると、DPN(今こそ、ろう学長を)というのはろう学生の切実な当たり前の要求であり、それが実現できたのはすごいことだ。ろう者コミュニティにおける革命だと強く感じた。
2025年1月20日、井出安優香さん裁判で、逸失利益を健常者並みにとする判決が出されたことを思い出す。ろう者が低く見られているのかと怒りを覚え、安優香さんの両親をはじめ、多くのろう者、支援者の署名、ろう弁護士を含む弁護団の力で勝利の判決をかちとった。その勝利はろう者への偏見と差別を打ち破った勝利である。だがまだ終わっていない。deaf people nowというのは、ろう者よ今立ち上がれという意味だと思う。そうだ、私たちも闘い続けなければならないのだ。そして戦争への道を突き進もうとする高市政権を打倒しよう。(大見茂子)

6面

通信KOSUGI(18)
     ヘイトにNO!
     さらに大きなたたかいに

4月12日、神奈川県内の2つの駅頭でヘイトスピーチがまき散らされた。

ヘイト街宣に反対し、川崎市で多数の市民が署名活動対(4月12日)

川崎市条例がヘイトの抑止に

一つ目は川崎駅前での渡辺賢一の「日の丸街宣倶楽部」。
「ドン、ドン、ドン、ドン、差別はやめろ!」・・・
川崎駅北口前、何とかマイクを続けようとする「日の丸街宣倶楽部」の差別主義者の渡辺。しかし、大太鼓やドラムの音、さらにみんなの怒りの声にかき消されてよく聞こえない! 差別主義者は最後になってやっと5人、それを取り巻いてのカウンター市民の圧倒的多数。そして中央口では〈ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク〉のマイクスピーチとチラシ配布、そして全国で始まった「ヘイトにNO!全国キャンペーン署名」、ここにも多くの市民ががんばっていた。
なによりも、「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」、2019年に制定されたこの罰則付きの条例によって、さすがのヘイタ―もマイクでは言葉を選ばざるを得ない。条例に抵触しないように気を使っていることがわかる。それには2016年施行の「ヘイトスピーチ解消法」や、この条例をしっかりと守らせる市民の力があったし、もちろん、その源泉には在日の被害当事者の方がたの存在があったのだ。
ヘイト渡辺は迫力もなく、時間が来て、警官隊に守られながらスゴスゴと駅の階段を登っていった。

藤沢駅前で「モスクをつくらせるな!」のヘイト街宣

藤沢駅前の歩道・2階遊歩道に抗議の市民が多数。河合らを激しく弾劾した
消沈する河合悠佑

そして二つ目は、川崎駅から列車で南へ30分ほどの藤沢駅前。
12日、ここでのヘイトデモ首謀者は埼玉県戸田市の市議会議員河合悠祐。いつものように日の丸をマントにしてカッコをつけている。「日本大和党」党首と。
河合は京都大学卒で同志社大学院を出たと言い、戸田市議選挙で歴代最多票を取ったという人物。河合は、川口市や蕨市でも、「埼玉にいるクルド人が治安を悪化させている」、「即時強制送還しろ」「叩き出せ」などと、中東の先住民族であり、庇護を求めて日本に来たクルドの人々に対して、まったくのデタラメ発言で差別を繰り返しているレイシストだ。
藤沢では、イスラム教徒の礼拝所であるモスクの建設に言いがかりをつけて差別暴言を吐く菊竹進というヘイターが藤沢市議になろうと狙っている。河合はこれにも乗っかろうとして、埼玉から東京を超え藤沢まで遠征してきたのだ。 
このように差別主義者が各地の自治体選挙に立候補して、ヘイトスピーチを「選挙運動だ」として、騒ぎまくり、あわよくば当選しようと試みている。
「モスクをつくらせるな!」、「イスラムは土葬だから衛生に悪い」、「日本の法律よりコーランに従う者が増える」・・・まったくの根拠ないレイシズムだ。こうしたヘイト街宣をおこない、それをユーチューブで拡散している。モスクはすでに全国に170もあって、もちろん何の問題も出ていない。 
この日、藤沢駅前においてもこうしたヘイタ―に対して、多くのカウンター市民が差別への抗議を取り組んでいた。市民の有志が藤沢市議会議員に対してこのヘイト街宣を現場で視察するように要請し、また差別をなくすような条例の制定を求めている。 

差別にNO! ヘイト街宣をやめろ!
全国でいっそう大きなたたかいを

このような各地に跋扈するヘイトスピーチを止めなければならない。 
     この今、外国人の在留手続きの手数料を最大30倍にしようとするなど入管法のさらなる改悪がもくろまれている。高市政権は「外国人の規制強化」や「スパイ防止法」をアピールし、参政党なども「日本人ファースト」を掲げている。

                そうした政権や政治家の姿勢に呼応して、各地でヘイトスピーカーが跋扈しているのだ。「イラン侵略戦争反対!」「高市やめろ!」の大きな行動が全国で高まっている。「外国人へのヘイトにNO!」、「差別を許すな!」の声もいっそう高めていかなくてはならない。(神奈川・深津利樹)

昭和100年を撃つ!E
スポーツ花盛りと戦争準備

いま私は「要支援2」でリハビリに通っている。送迎車のなかで同年輩の女性が大リーグの大谷選手の活躍に、「この年になって、こんなにうれしいことに出会うとは思ってもみなかった」とはしゃいでいる。
サッカーのJリーグが誕生したとき、地元の自治体が一斉に多額のカネを投入して、支援体制を組みPRに努めた。以後、バスケットなど他の競技にも同様のキャンペーンを張るようになったのは、ご承知のとおりである。
最近のテレビはニュース番組をはじめとして、スポーツ花盛りである。その背後に権力者の意図を感じるるのは、私だけではないだろう。
国際大会に出場する選手たちは口をそろえて、「日の丸を背負って闘うのは特別の思いがある」と語っている。
ちなみに第二次世界大戦の同盟国であったドイツやイタリアは侵略戦争を反省して、国旗のデザインを替えている。日本だけが日の丸を踏襲している。侵略の歴史を反省していない象徴ではないか。
かつてヒトラーはスポーツが国民の愛国心を駆り立てることに着目して、1936年のベルリンオリンピックを最大限利用した。史上初めて聖火リレーを組織し、多額の国費を投じて映画を制作し、ラジオや出版物などを総動員した。メダリストたちは国民的英雄として祭り上げられた。
第一次世界大戦の敗北と超インフレによって打ちひしがれていたほとんどのドイツ人は、初めて我が祖国≠ナオリンピックが開催されたことに誇りを感じ、主催者であるヒトラーをほめたたえた。多くのドイツ人にとって、オリンピックは民族的快挙と映ったのである。
その一方でヒトラーはヴェルサイユ平和条約からの離脱をはかって、非武装地帯のラインラントに侵出した。スペイン内戦に介入し、日本と防共協定を締結したのも、この年であった。
日本では、女子2百メートル競泳に出場した前畑秀子選手の健闘に、日本放送協会のアナウンサーが「前畑ガンバレ!前畑ガンバレ!」と絶叫調に連呼し、国民を興奮のルツボに巻き込んだ。その翌年、日本は中国侵略戦争を本格化させ南京大虐殺をおこなった。 為政者にとっては、社会の矛盾や戦争の準備から国民の眼をそらし、愛国心をかきたてるうえで、スポーツ・イベントほど有難いものはない。
しかし、スポーツに背を向けるのは、私たちのとるべき態度ではない。港合同の仲間たちのように、永年にわたって朝鮮高校のサッカーチームを応援し続けて友好を深めている好例もある。
スポーツをプロレタリア国際主義と民族主義克服のため、積極的に活用する途をさぐっていこう。 

           大庭伸介

(闘争案内)

5・31Peace Action in 舞鶴〜トマホークミサイルは必要ですか?〜
とき:5月31日(日) 
ヒューマン・チェーン 正午スタート(会場:自衛隊舞鶴基地周辺)
トマホークミサイル配備反対集会 午後1時
開会→舞鶴市総合文化会館ホール/舞鶴前島みなと公園
主 催:5・31Peace Action in 舞鶴 実行委員会

原発のない明日を!全国集会inおおさか
とき:6月7日(日)午後1時
ところ:うつぼ公園(大阪市西区)
主催:老朽原発うごかすな!実行委員会



7面

4・7東京 核武装は許さない
日本政府は非核三原則を守り実行を

議員会館前で300人が行動(4月17日)

4月17日、「被爆者とともに声を上げよう 日本政府は非核三原則を守り実行を 4・17議員会館前集会」がひらかれ、平日の午後ながら300人の労働者・市民が集まった。よびかけは、日本原水爆被害者団体協議会。事務局は原水爆禁止日本協議会/原水爆禁止日本国民会議。

日本被団協事務局長あいさつ

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)事務局長の濱住治郎さんが挨拶。
「原水協・原水禁の支援で本日の(核兵器廃絶のために努力することを求める)政府への要請と集会ができた。日本被団協は結成から70年、会員の平均年齢は86歳になっている。政府に核兵器禁止条約(TPNW)批准を強く求めている。佐藤内閣以来の『持たず、作らず、持ち込ませず』という非核三原則の国是について、安保三文書改訂に伴って見直しに着手した。閣僚の『非核三原則は見直すべきだ』という発言は許せない。高市首相は憲法改悪の発議をしたいと発言した。なぜ(戦後の日本が)非戦憲法にしたのかを考えねばならない。広島・長崎を体験したから、戦争はしない・できない。(憲法9条は)被爆者の思いと一致したものだ。国連安保理常任理事国が横暴な戦争をやっている(から核兵器が戦争を抑えるような議論は嘘)。日本政府が核廃絶を訴えることを求める。被爆者がいなくなる前に新たな被爆者が生まれるかもしれない。日本が主導的な役割を担うべきだ」

原水協・安井正和事務局長らが発言

「本日の政府への要請行動に47人の被爆者など約百人が参加した。外務省の中村仁威軍縮不拡散・科学部長に署名の目録を渡した。NPT再検討会議(※4月27日〜5月22日国連本部)に日本が役割を果たすよう要請書を渡した。トランプはNPTの前提を破壊する行動をしている」
国民民主党・堂込麻紀子参院議員、立憲民主党・三上えり参院議員、中道改革連合・平林晃衆院議員、日本共産党・吉良よし子参院議員、日本維新の会・新実彰平参院議員、公明党・平木大作参院議員、社民党・福島みずほ参院議員、れいわ新選組・山本譲司衆院議員がアピール。広島・長崎の被爆者の方の発言の後、原水協常任理事の嶋田侑飛さんがNPT再検討会議に向けた派遣団の決意表明。「95人の派遣団で行く。一、国連憲章の順守を各国に求める 二、日本政府に核兵器廃絶と国際平和への主導的役割を求める 三、核兵器の非人道性を訴える展示をおこなう。『自国の防衛のために核兵器は必要』と主張する人がいるが、実際に戦争をやっているのは核を持つ常任理事国。核兵器廃絶は平和の必要条件。原水禁はNPT再検討会議に25人参加。労組、高校生もアピールする予定」
日本生協連の代表は、1951年の生協連成立以来「平和が生活の基本」としていたことを訴えた。NPT再検討会議の期間中、日本時間の毎朝8時にNYからネットで会議の状況の速報をおこなうことが発表された。

沖縄日誌3月
自衛隊の対決続く
高校生と船長の死を追悼

3月4日 名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で、「さんしんの日」に合わせ市民が三線の演奏や踊りを披露し、辺野古から平和や新基地建設中止を願った。
7日 名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で「第55回県民大行動」が開かれ、市民550人が参加。今年初めての大行動に、開始前シュプレヒコールで声を上げた。稲嶺進共同代表は、米国防総省が普天間飛行場を返還しない可能性に言及した問題に触れ「日本政府は辺野古が唯一、辺野古ができないと普天間は帰ってこないと言ってきたが、みんなうそ。われわれは黙っているわけにはいかない」と訴えた。
13日 宮古島の〈ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会〉共同代表・清水早子さんと上里清美さんが那覇地裁平良支部に国家賠償請求訴訟を提起した。昨年8月、陸自宮古島駐屯地の比嘉隼人司令から恫喝を受けた問題。清水さんらは「国家権力を実施する立場の自衛官が、恫喝によって一般市民の言論活動を圧殺した前代未聞の事案」と指摘。220万円の慰謝料と、新聞への謝罪文掲載を求めた。
 同日 米国とイスラエルによるイラン攻撃を巡り、在沖米海兵隊を中東へ派遣することが明らかになった。沖縄戦で多くの人が犠牲となった沖縄は、再び「出撃の地」になった。戦争体験者や市民団体の人は在沖米軍の派兵に「戦争に加担しているような気がして苦しい」と胸の内を語った。
14日 辺野古の「浜テント」で座り込みを始めて14日で8千日となった。座り込みは2004年4月19日、政府が辺野古沖の海底ボーリング調査を実施した日に始まった。座り込みの開始から22年が経過する。同日午前に「浜テント」前で集会が開かれ、市民120人が参加。ヘリ基地反対協の仲村善幸共同代表は「最も危険な普天間の返還がメインだったはずだが、政府は県民を欺いてきた。基地のない沖縄を目指す運動を」と訴えた。安次富浩さんは反対運動を振り返り「新基地建設反対をあきらめることなく全世界に問題を訴えなければならない」と述べた。
16日 午前10時10分頃、名護市辺野古の辺野古崎付近の沖合で、研修旅行中の同志社国際高校(京都府)の生徒18人が乗船していた「平和丸」と「不屈」の2隻が転覆し、乗組員3人を含む21人が海に投げ出された。「平和丸」に乗っていた女子生徒と「不屈」の船長の2人が死亡した。転覆した2隻は「ヘリ基地反対協」が工事の監視や抗議に使用してきた。16日夜に会見を開いたヘリ基地反対協は「心からお詫びしたい」と謝罪した。
17日 事故を受けてオール沖縄会議は幹事会を開き、県内各地で取り組んできた抗議活動を今週中は自粛すると決めた。海上での抗議行動を当面中止し、安全対策や事故原因の究明に努める考えを示した。
20日 午前、第11管区海上保安本部は、ヘリ基地反対協の事務所と海上行動の活動拠点「テント2」に家宅捜索に入った。
21日 玉城デニー知事は28日に予定していた知事選の立候補を「事故を重くとらえて、今がタイミングではないと判断」して延期した。
23日 転覆事故から1週間、キャンプ・シュワブゲート前で市民が座り込みを再開した。亡くなった2人の冥福を祈り、参加者全員で黙とうした。拡声器を使った抗議は自粛し、無言でプラカードを掲げて抗議の意思を示した。(G)

関西各地が連携し軍拡に反対
     ほうそのネットが総会と講演会
     4月12日 京都府精華町

4月12日、〈京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク(ほうそのネット)〉が、第3回総会を精華町役場交流ホールでおこなった。
総会では、この1年間の闘いが報告され、今年の闘う方針が提起された。5・31舞鶴全国集会を全力でとりくむ。10月25日、けいはんなプラザで講演集会をおこなう。これらの方針が提起された。また、新たに2人の女性が副代表に加わった。この体制で、今年も闘っていこう。
名取哲夫さん(憲法・平和舞鶴ネット)が「5・31 Peace Action in 舞鶴」の取り組みについて報告した。名取さんは「舞鶴市は戦後も海上自衛隊の基地がおかれ、軍都になっている。舞鶴市の人口は7万5千人だが、自衛隊員が3500人も住んでいる。自衛隊に反対できない状況に置かれている。戦争に駆り出されるのではないかと、自衛隊員は不安に思っている」と話した。

住民目線で考えるミサイル弾薬庫

総会が終了した後、柳澤協二さん(元・内閣官房副長官補)の講演集会が同じ会場でおこなわれた。柳澤さんは「住民目線で考えるミサイル弾薬庫」のテーマで講演した。会場は満席でうまり、約250人が参加した。
柳沢さんは「防衛力は必要」という立場で、「抑止力は本当に機能しているのか」と指摘した。「抑止力」は、軍事力を保持することによって、相手に反撃される恐怖を抱かせて、攻撃を抑止する能力のこと。政府は「抑止力を持てば、外部からの侵攻を阻止できる」と説明している。柳澤さんは「政府は何を抑止したいのか。離島への攻撃なのか、台湾への侵攻なのか、日本への攻撃なのか。この点を明らかにしていない」と述べた。
また、柳澤さんはイラン戦争について次のように述べた。「米国とイスラエルがイランの体制転換をねらった。イランの武装力は、米国とイスラエルにたいして抑止力にはならなかった。また、イランは米国とイスラエルの空爆に恐れることなく、さまざまな反撃をおこなっている。このように、相手の攻撃を恐れなければ抑止力は機能しない」。だから、「政府は戦争を回避するために外交努力をおこなうべきだ」。侵攻なのか、日本への攻撃なのか。この点を明らかにしていない」と述べた。
政府は「攻撃のための軍事力ではなく、相手に攻撃をさせないため」といっている。国の戦争意思を隠蔽するために、「抑止力」は軍事拡大の論理として使われている。軍事基地に反対する住民は「抑止力」に騙されてはいけない。現在、高市政権は戦争をやろうとしており、住民はこれに反対している。この構図をしっかりと押さえておくべきではないだろうか。柳澤さんの講演を聞いて、このように思った。(T)

8面

都構想タウンミーティング
反対の声、多数

吉村洋文・大阪府知事知事(日本維新の会代表)がめざす大阪都構想の3回目の住民投票めざして、維新の大阪市議団はタウンミーティングを約1カ月にわたり市内全24区で開催とし、4月5日から始まった。

会場前で抗議のスタンディング

福島区(第4回目)の様子

維新の都構想タウンミーティングには、かつては賛成派が多数かけつけたが、3度目の住民投票をめざす今回は反対派が多数かけつける事態に様変わりした。
4月5日城東区を皮切りに、浪速区、此花区、福島区でおこなわれたが、私たちは毎回カウンター行動をおこなっている。今回は、福島区について報告する。
4月12日、18時30分〜19時40分まで、維新タウンミーティングは福島区民センターで開催された。私たちは開会1時間前から会場入り口で、「都構想やめろ」のバナーを3枚掲げて、スタンディング、マイクアピール、ビラまきを13人でおこなった。〈大阪市をよくする会〉の女性1人も隣でマイクアピールしながらビラ撒き。ビラの受け取りはよく、「反対だ」と言って笑顔で入る人が多かった。自転車で来た2人は「都構想反対のデモはないんですか」と聞いてきた。5月12日に集会がある旨告げた。途中から維新議員3人が出てきて、「敷地から出て行け」と言ったり、カメラで私たちを撮影したりしてしばらく監視。

手荷物検査と写真・録音・録画禁止

今回私はタウンミーティングに参加した。受付けで手荷物検査をしていたが、どっと入ったので私たち何人かはすり抜ける。「住所・氏名・連絡先」の記載欄があり「写真、録音、録画は禁止です」にチェック蘭がある。氏名・住所だけ書いて出すと、同蘭にチェックを入れろと言われた。手荷物検査と写真禁止には驚いた。いずれも住民との対話集会に必要ないものだ。タウンミーティングの様子を公開されることを恐れて対策をエスカレートさせている。これが落日維新の姿だ。
会場は参加者が一杯で約80人。うち福島区民は約半数。司会はホンダリエ市議、竹下市議団幹事長が説明役、美延映夫衆議院議員、福島区選出市議の4人が前にいた。

「都構想の説明はやりません」

ビデオで、吉村知事が「都構想推進に市議団と溝はない。同じ方向をむいている」と発言し横山市長があいさつ。竹下幹事長が、パワーポイントで維新がやってきた政策「身を切る改革、二重行政の解消、議員定数削減、万博」の宣伝。次に都構想は「二重行政の永久解消、成長戦略の一元化、住民サービスの充実」の利点があるとした上で、「区割りや役割分担はこれからなので今日は都構想の説明はやりません。副首都法案は国会に提出しますが、決まってないので、これもやりません」と言う。
続いて竹下は、「市議団は全員都構想に賛成であり、それを着実に進めたいのでタウンミーティングを開いている。法定協議会を開いて都構想の設計図づくりをやっていいかどうかお聞きしたい。賛成の人は青のパネルをあげてください」と言う。振り返って見ると、青は1人で、赤が多数、上げてない人も多かった。司会が賛成の人から意見を聞くと言って、30代の女性が発言「なぜ都構想に反対するのかわからない。もっとわかりやすく説明を」。拍手なし。

賛否を問うなら中身を示せ

あとは10人くらい反対の意見ばかり。各人の意見の後は大きな拍手がおこった。40代男性「都構想がどんなものかわからない。2回否決された。そういう人が一杯いるのになぜ強行するのか。都構想の中身を示せないのに法定協議会を開いてよいのか」。50代男性「大阪の特別区をつくるのに、吉村知事は大阪府民も住民投票すると言っている。副首都構想も決まっていないのにしゃべっているが、どう思うか」、これには美延議員が副首都構想はこれから国会で議論し6〜7月に可決予定としゃべっただけ。女性「大阪府下全域、千早赤坂村までタウンミーティングするんですか」、男性「都構想と副首都構想は別だ」。30代女性「住民を置き去りにしている。吉村の前のめり発言をどう思うのか」、20代女性「福島区の住民だが、意見を聞くというのであれば、中身を示さないと。中身がないならビラの案内で言ってることと違う」。80代男性「2回の住民投票にいくらかかった? ダブル選にいくらかかったのか?」、これに答えられず、ダブル選について司会は「市は6億円」とごまかす。会場から「28億円じゃない」という声。60代女性「大阪市を廃止にしないで。政令指定都市を守ってください」。まだ挙手する人がいたが途中で打ち切り、「意見は用紙に書いて下さい」と言って終了した。
会場の外では、暗い中でペンライトを持って「都構想やめろ」のスタンディングがおこなわれ、退場する人たちを見送っていた。 最後に発言者3人が私たちに合流し一緒に記念撮影をした。(花本香)

書評
『ルポ 戦争トラウマー日本兵たちの心に傷にいま向き合う』
後藤遼太、大久保真紀 朝日新書

第1次世界大戦時、その塹壕戦のなかで「戦争精神症」の兵士がたくさん発生した。終戦後の帰還兵のなかにもみられた。第2次世界大戦でも同様であった。これらは個人的な問題として扱われ、やがて忘れ去られていった。
日本では、「戦争神経症」患者は国府台(こうのだい)病院(千葉県市原市)に収容された。1945年8月末までに、のべ約1万人が治療をうけている。「戦争神経症」患者は皇軍兵士にあるまじきものとして、社会から隠されていた。
第2次世界大戦以降、米国は朝鮮で、ベトナムで、侵略戦争をおこなった。ベトナム戦争後において、約30%の米国帰還兵がアルコールや薬物依存、暴力などの問題を抱えていた。これは反戦運動のなかに位置づけられ、社会問題になった。さまざまな症状は個人の資質とは関係なく、戦争行為によって発症するものと認識され、「PTSD(心的外傷後ストレス症)」という診断名がつけられた(1980年)。
自然災害や戦争、性暴力、事故などによって、心が耐えられないような衝撃を受け、後々まで長く影響する。この心に傷≠トラウマと呼んでいる。トラウマ反応のなかでもっとも代表的な症状がPTSDなのだ。
今まで、トラウマ研究は2つの面でおこなわれてきた。ひとつは、戦争トラウマ、震災トラウマなど「惨事トラウマ」の研究だ。もうひとつは家庭内暴力(DV)、性暴力などの被害者のトラウマ。これはフェミニズム運動の中で、明らかにされていった。

戦争トラウマとは

2023年6月、「PTSDの日本兵と家族の想いと願い・大阪集会」が開催された。この集会をきっかけにして、朝日新聞記者が当事者を取材し、新聞紙面に発表してきた。本書は、これらの記事を加筆して、一冊にまとめたものだ。
日本軍元兵士が戦争トラウマで苦しんでいるだけではなく、日本軍の捕虜になった兵士のなかにも戦争トラウマに苦しんでいる人がいる。この人たちを取材して、戦争の非人間性をしっかり押さえている。
元日本軍に関する戦争トラウマを考えるとき、日本軍はアジア・太平洋でなにをおこなったのか、その加害性をしっかり押さえたうえで、この問題に接する必要がある。国家がおこした戦争に人びとを強制的に動員した。国家は国民に殺し殺されることを強いた。しかし、国はそのケアをおこなわなかった。

ドキュメンタリー映画『父と家族とわたしのこと』

戦争トラウマは当事者が苦しむだけでなく、家族が引き込まれる。その結果、家族もPTSDになるというケースが多くみられる。現在、ドキュメンタリー映画『父と家族とわたしのこと』(監督:島田陽磨)が、全国で上映されている。この映画は、戦争トラウマを父に持つ人たちを取材して、その想いをていねいに記録している。
藤岡美千代さん(大阪市在住)は、幼い頃に父から激しい虐待を受けた。父はシベリアに抑留されて、帰国した。父は酒を飲むと暴れた。家庭内暴力を受けることによって、彼女自身もまたトラウマを抱えることになる。藤岡さんは今でも父の写真を見ることができない。このように、戦争トラウマは当事者だけではなく、2世・3世へと受け継がれていく。この家族にとって、戦争はいまも継続している。
ロシアによるウクライナ侵略戦争のなかで、双方の国で戦争トラウマが増えている。イスラエル軍の爆撃を受けるガザでは、爆撃をうけた子どもたちがPTSDを発症し、苦しんでいる。現在の戦争では兵器の破壊力が大きくなっている。攻撃する側、攻撃される側、その双方で戦争トラウマがたくさんうまれている。
高市早苗政権は戦争をやろうとしている。高市首相は「国家の生存のために、戦争はやむをえないもの」と考えている。高市政権を打倒しなければ、人民は国家に殺されてしまうのだ。