トランプのイラン侵略弾劾
自衛隊派兵反対・国際反戦闘争を
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| 神戸港の軍事使用・原子力潜水艦建造に反対し集会(3月15日 神戸市)記事3面 |
2月28日、最初の攻撃で米軍はトマホーク巡航ミサイルで、イラン南部ミナブ州のシャジャラ・タイバ女子小学校を攻撃し、少なくとも175人の女子児童を殺害した。精密誘導を誇るトマホークが「誤爆」したとする弁解も認めがたい。その後の攻撃でも米軍は、石油精製施設をはじめ、電力、淡水化施設など砂漠の民にとってのライフラインを意識的に攻撃している。イスラエルがガザと西岸で、ロシアがウクライナでやっていることと同じである。ジェノサイド攻撃で、住民に恐怖を与え、屈服させようとしているのである。
3月8日、イランの「専門家会議」(聖職者88人で構成)はハメネイ師の後継者として、ハメネイ師の次男、モジタバ・ハメネイ師を新最高指導者に選出した。徹底抗戦の決意の表れである。「ディール」(取引)の手段として安易に戦争を発動するトランプは破産を突きつけられている。
第1章 米軍攻勢の行き詰まり
2月28日の米軍とイスラエル軍の開戦攻撃は、停戦交渉中に相手の政治・軍事中枢を抹殺する「斬首作戦」をおこなうというだまし討ち作戦であった。緒戦の攻撃でイスラエル軍は、イランの最高指導者ハメネイ師やイラン革命防衛隊の総司令官など政権幹部を殺害した。他方、米中央軍も発表では、「壮絶な怒り作戦」を開始、革命防衛隊の指揮統制施設やミサイルやドローンの発射基地、軍用飛行場を攻撃した。
3月3日、イスラエル軍はコムで開かれていたイランの「専門家会議」を攻撃、またテヘランにあるイラン政府の最高安全保障委員会の建物やインフラを攻撃した。イラン赤新月社はこの段階でイラン国内の死者が787人に上ると発表した。
米軍は、今回の攻撃にあたって、2個空母打撃群、航空機3百機、将兵5万人を中東に配備していた。これはアフガニスタン・イラク戦争以来の規模であるが、地上戦を実行するには足らず、米軍はさらに3つ目の空母打撃群の配備を検討しているという。その中で、米軍はインド東部の国際観艦式に参加したイランのフリーゲート艦を潜水艦から魚雷を発射して撃沈している。米軍のやっていることは意図的「誤爆」か、戦時国際法も無視する越境攻撃ばかりである。そもそも米軍とイスラエル軍は、国連安全保障理事会への報告と承認はおろか、自国の議会の承認ぬきに戦争をはじめているのである。
第2章 トランプの大誤算
第1に、イランは中東1の大国である。国土面積は日本の4・4倍、人口は9千万人を超えている。いずれも中東で1、2を争う。
第2に、政治基盤ががっちりしている。そのうえ独自の軍事力を築いてきた。
第3に、20世紀に3度も革命をやった国であり、反米・反英・反露・反王政が根付いている。1905年には、部族社会に乗っかった封建的なガジャール朝に人民の蜂起によって憲法と議会設置を認めさせた「立憲革命」が起こっている。1951年には国王を追放し、英帝国主義の石油支配を国有化によって打ち破る民族主義の革命が起こった。1979年、全人民的蜂起を基盤にしたいわゆるイラン・イスラム革命によって、米帝の中東における2大支柱となってきたパーレビー王政を打倒した。
第4に、軍事的に、ホルムズ海峡の封鎖が想定より早かったことやイランの報復が想定以上に大規模で広範囲に及んだことも米軍やトランプを追い込んでいる。
政治情勢を含め、追い詰められているのはトランプである。米国内の物価高が止まらず、エプシュタイン文書が暴露されるとトランプは窮地に陥る。ICE(アメリカ移民・関税執行局)による移民政策も不人気であり、11月の米中間選挙に向け挽回の展望が見いだせないために、対外的軍事冒険主義で取り戻そうとしているのである。
トランプ自身、戦争の展望について動揺極まりない。戦争の期間について、開戦直後は2、3日で片付くと言っていた。つぎに4、5週間となり、現在ではそれより長い期間と言いつつ、具体的期間については示せない。戦争目的に関しても、最初はイランの「市民」の蜂起に期待する姿勢を示していたが、次に「親米」の指導部を選出するために自ら「介入する」と言い、最後はイランの無条件降伏、指導部全員を排除するまで戦争は終わらないと言っている。米指導部の間でも、トランプ、ルビオ国務長官、ヘグセス国防長官の3人の発言がことごとく矛盾し、時に対立している。世論調査の結果もトランプに芳しくない。どの調査もイラン攻撃に「反対」や不支持が多い。
第3章 トランプとネタニヤフの狙い
トランプは今年11月に中間選挙を抱えている。ネタニヤフは今年10月と言われるイスラエル総選挙に直面している。両者とも、大統領・首相であるがゆえに刑事訴追や汚職での告発を逃れている。敗北すれば即刑務所行きなのだ。ネタニヤフは今のところ、国内情勢で危機が突きつけられていることがまだ見えにくい。しかしトランプはあらゆる抗弁にも拘わらず、支持の中枢であるMAGA(アメリカを再び偉大に)派のなかですら信認を失いつつある。
アメリカでは厭戦気分が広がる中で、ネタニヤフが「米国を戦争に引きずり込んだ」という疑念が広がり始めている。爆殺されたハメネイ師の動向を察知したのが米CIAではなくモサド(イスラエルの首相直轄の対外情報・諜報機関)であり、攻撃したのもイスラエルの航空機であったことが根拠になっている。現にネタニヤフとトランプは昨年末から2回対面で、電話で15回も会談している。2月23日の電話でネタニヤフは2月28日朝ハメネイと最高幹部が集まるとの情報を伝え、戦闘開始を訴えたと言われる。いずれにせよトランプはネタニヤフに鼻づらを引き回されているのである。
米国とイスラエルの攻撃にイランの軍・民は激しく抵抗、反撃している。3月2日には早くもイラン革命防衛隊がホルムズ海峡封鎖を宣言した。3月6日にはイラン軍は米国とイスラエル以外の船のホルムズ海峡通過を認める方針を表明し、7日にはイラン大統領が近隣諸国からの攻撃を受けない限り、今後は攻撃しないと表明した。他方、革命防衛隊はUAE(アラブ首長国連邦)とヨルダンに配備された米国のTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)のレーダー及びカタールに配備された米軍の長距離早期警戒レーダーを破壊したと発表した。そのうえでイランはイスラエルに向け弾道ミサイルを大量発射している(第22波と発表)。
3月10日、イランが石油輸送の要衝、ホルムズ海峡の航路に機雷を敷設し始めたとアメリカのメディアが報じた。事実であれば、米帝・米軍とイスラエルの現政権による不当で理不尽な攻撃が、ついに世界経済を破壊し、危機に追いやり、そして湾岸の産油国にダメージを与えるイランの反撃が始まったということである。
第4章 始まった中東大再編
ガザを抹殺する「平和協議会」
トランプが2025年9月末に提案、イスラエル軍の撤退とハマースの武装解除を謳う。昨年11月17日の国連安保理決議2803号に基づくとは言え、国連の枠組みとは無縁のトランプ個人の私的提案である。議長はトランプが終身務める。参加国は10億ドルの分担金を払い、「国際安定化部隊」に兵力を出す。今年1月に発足、現在では30カ国が参加を表明している。インドネシア、カザフスタンなどが軍を出している。トルコやカタールの参加はイスラエルが拒否している。英独仏伊西など西欧諸国は参加を拒否し、日本は今のところ参加していない。ハマースを排除し、イスラエルには分担金なしに開発利権をすべて与える仕組みとしている。さらにガザ地区を1949年の停戦ラインから4分の1の面積に切り縮め、パレスチナ人の主体性、自己決定権をすべて無視し、トランプの「地中海のリビエラ」構想に基づく開発利権はすべてイスラエル企業とトランプ関連企業が得ることになっている。さらに問題は事業の範囲をガザに限定していない。むしろ中東全体のどこにでも拡大する可能性がある。その点では、ネタニヤフの「大イスラエル」構想を取り込んでいる。一言で言えば、パレスチナ人に「自治を与える」名目で、パレスチナ排除と虐殺攻撃の手段となったオスロ合意の劣化版である。
破産しつつある「アブラハム合意」
アブラハム合意とは直接には、2020年8月13日にUAE(アラブ首長国連邦)とイスラエルとの間に結ばれた平和条約および国交正常化の合意を指す。その後、スーダンやモロッコがこれに倣ってイスラエルとの国交正常化に踏み出した。これら全体をも、アブラハム合意と呼ぶ。その目的は、アラブの大義とされたパレスチナの解放、入植植民地国家イスラエル解体の目標を捨て、イスラエルと和解することである。米国およびイスラエルの目的はこのアブラハム合意を拡大し、サウジアラビアとイスラエルの和解=国交正常化を実現することであった。ところがこの試みは、2023年10月7日のパレスチナ解放勢力の一斉蜂起によって完全に粉砕された。アラブの大義を捨て、イスラエルおよびアメリカの中東支配をふたたび許すのかという突きつけがアラブ諸国におこなわれたのである。
イラン・パキスタン安全保障協定構想
平和評議会とアブラハム合意に対抗する中東の外交軸がイラン・パキスタン安全保障協定構想である。パキスタンとイランを和解・同盟関係に結び、これに中東のもう一つの大国、トルコが加わるというものである。もともと国境を接しているイランとパキスタンは2点の利害をともにする関係がある。1つは両者の国境地帯にまたがって居住するバローチ族の分離運動への対応であり、もう1点は、ペルシャ湾とホルムズ海峡を通らないでイランの原油と天然ガスを陸路で輸送する計画である。前者については両者の利害の一致と共同歩調が確認されている。後者についてはイラン・パキスタン・ガスパイプライン建設が2005年に合意され、その後のイラン側の1150qが2024年に完成しているが、パキスタン側の780qは完成していない。
これが完成すれば、ホルムズ海峡を通さない外部への原油・天然ガス輸送ルートができる。これを一番期待し促進しているのがトルコと並んで中国であろう。中東大再編の焦点となる。
この構想にはもう1点の問題がある。パキスタンはイスラム圏で唯一核武装している国である。もしイランと同盟関係が形成されれば、イランの濃縮ウラン問題どころではない。われわれは核シェアであれ、「拡大抑止」であれ、核による抑止力という考えにいっさい反対する。しかし核問題を悪化させ、問題を拡大しているのは米帝トランプであり、イスラエルのネタニヤフである。これ対し、イランの最高指導者であるホメイニ師とハメネイ師は一貫して核保有に反対してきた。イランは核不拡散条約(NPT)体制に入っていて国際原子力機関(IAEA)の査察も受け入れている。政権として一度も核保有を目指すと主張したことはない。他方で、核保有国であることが公然の秘密のイスラエルはNPT体制に入っていない。核保有国が非核保有国に核保有を口実にして攻撃を仕掛けたというのが今回の事態の真相である。
第5章 原油高〜物価高〜新たな世界経済危機
3月8日現在ペルシャ湾内にとどまっている船舶は2千隻、うち112隻がタンカーである。日本関係の船舶はうち45隻(朝日TV 2026・3・8有働Times)。日本関係の船の乗員(乗務員と乗客で、日本人とは限らない)は総計8百人。湾岸地域を航行する船舶の約2万人の船員とクルーズ船の約1万5千人の乗客らが足止めされている。
3月2日にイラン革命防衛隊が、世界の石油消費量の約2割が行き来するホルムズ海峡の封鎖を宣言した結果、原油先物市場で指標となるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)の3月6日の終値は1バレル90ドルで終えた。1週間の上昇率は35%と過去最高を記録した。カタールのカアビ・エネルギー相が、「湾岸諸国のエネルギー輸出業者は数日以内に生産を停止し、原油価格が150ドルまで上昇する」と述べている(日経2026・3・8)。同じことの米アナリストの観測によれば、3月6日にWTIが一時1バレル当たり92ドル台に上昇(22年3月以来)、ジェット燃料がイラン攻撃後4割上昇、航空運賃への影響も即強まっている。それとともに肥料などの供給混乱で食品価格が「10%以上上昇の可能性」が言われている。全世界的物価高の中で、日本は、円・国債・株式のトリプル安に見舞われている。円の暴落、国債の投げ売りの先に控えているのは、ハイパーインフレと国家的破産であり、労働者人民が塗炭の苦しみに陥る状況である。
第6章 日本・高市の反動的対応
3月5日、高市は独首相との電話会談で「イランの行動を非難する」と発言。その一方、国会では米国とイスラエルのイランへの攻撃につき、「法的評価は差し控える」と発言した。翌3月6日、高市は来日したカーニー・カナダ首相に「イランの行動を非難する」とエスカレートした。さらに日本政府は米国からの要請があった場合、自衛隊の派遣を検討しているという報道がなされた(東亜日報2026・3・7)。哨戒機や空中給油機など「非戦闘装備」の投入を検討しているという。これらの「装備」は空中戦や地上目標の爆撃に使われるものであり、武器システムのなかではまさに「攻撃的装備」に他ならない。
自衛隊のペルシャ湾周辺への派遣の法的枠取りを検討すれば次のケースがある。
(1)存立危機事態」を認定すれば、集団的自衛権を行使し出動ができる。
(2)「重要影響事態」を認定すれば、米軍等の後方支援はできる。
(3)「海上警備行動」を発令し海自艦を派遣することでは警察行動しかできない。
(1)(2)の場合は「日本の存立が脅かされる」こと、ないし「放置すれば日本への直接の武力行使に発展する」ことの認定が必要。いずれの場合も、前提として、米軍とイスラエルの行動が国際法的に認められるという判断が迫られる。
すでに横須賀や沖縄の米軍基地からはイージス艦や強襲揚陸艦などの米海軍艦艇が中東に向け出動している。それを認めていることはすでに高市政権のトランプへの加担の始まりである。スペイン政府はNATO加盟国であるにもかかわらず、自国の空港や港湾をイラン戦争のために使用することを拒否している。
米国やイスラエルの戦争を阻止するためにできることは全部やりつくそう。
3月13日の米FOXニュースによれば、米海軍の佐世保基地に配属されている強襲揚陸艦トリポリと、駐沖縄海兵隊の即応部隊「第31海兵隊遠征部隊」を中東に派遣すると米国防当局者の話として報じた。海兵隊と海軍の米兵をそれぞれ2500人を増派する。
トランプは、中国・フランス・日本・韓国・英国と具体的国名を挙げて湾岸地域に艦艇を派遣することを期待すると、3月14日の深夜にSNSで発信している(テレ朝2026・3・15)。
日本が輸入する原油は9割以上がホルムズ海峡を通って運ばれている。ただし備蓄が250日分ある。それに対して天然ガスはホルムズ海峡を通過する量は11%に過ぎない。しかし天然ガスは長期備蓄ができず、在庫は3週間分しかない。いずれにせよ、自分で輸入する原油や天然ガスは自国の兵力で守れという強烈な圧力が、トランプからかけられるであろう。
メディアでは掃海艦隊を派遣せよといった声が乱れ飛んでいる。しかし交戦中に掃海することは相手国の武装解除を図ることであり、純然たる交戦行為とみなされる。91年、日本の掃海艦隊のペルシャ湾への出動も湾岸戦争の停戦後の事である。停戦・休戦後の掃海であっても危険な作業である。第2次大戦直後の日本周辺海域でおこなわれた旧海軍による掃海では77人が死亡している。朝鮮戦争ではまだ戦闘継続中に、米軍の命令で朝鮮海域に出動した旧海軍の掃海部隊のうち若い兵士が1人死亡している。
この3月8日の深夜、熊本市の健軍駐屯地に長射程ミサイルの発射機などが搬入された。日本の全土を基地化する攻撃の第1歩である。高市の前のめりの軍拡攻撃にもかかわらず、日本の労働者人民は他国の労働者人民の血を吸って生きることに甘んじていない。共同通信が3月7、8日に実施した次のような世論調査がある。
(1)殺傷能力がある武器輸出を「認めるべきでない」56・6%、「認めるべき」36・9%
(2)中東情勢悪化を「懸念している」(「ある程度」を含め)85・4%
「懸念していない」(「あまり」を含め)13・7%
(3)自民党衆院議員へのカタログ配布は、「適切でない」65・7%、「適切」30・2%
(4)イスラエルのイラン攻撃が国際法に違反するかどうかの判断を避けている政府の対応を「支持する」50・0%、「支持しない」42・9%
(5)高市内閣の支持率は65・7%(2月調査より3・2ポイント下落)、不支持率24・0%
戦争に突入する自国政府を倒せ
国際連帯は、参戦する各国で政府を打倒する巨大な闘いを展開することによってしか勝ち取れない。パレスチナ人民、イラン人民、ウクライナ人民と連帯し、日本帝国主義・高市の侵略戦争への突入を阻止しよう。米侵略戦争への加担を許すな。
3月1日、イスラエルのイラン攻撃に日本政府はNOを示せと大阪、広島、東京で街頭行動。長崎の被爆者4団体が3月13日、米国・イスラエル・日本政府に抗議した。3月10日には、米国とイスラエルのイランへの軍事行動に危機感を持つ人々が国会前に8千人、19日には11000人もの人々が結集し、戦争への危機感とともに改憲情勢の切迫に抗議する行動に立ち上がった。
世界では3月7日、イラン攻撃から1週間目に、全米各地、ニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルスをはじめとする55都市でイラン戦争反対デモが闘われた。同日、英国ロンドンでも「虐殺反対」「イランから手を引け」デモがおこなわれた。
イスラエルでは3月5日エルサレムで初めて反戦デモが中心街でおこなわれた。デモ規制で50人に参加者が限定されたが、「虐殺反対」などを掲げ、通行人の右翼と激突して貫徹した。(落合薫)
3面
3・15布施祐仁講演会
戦争準備を全面暴露
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| 海員組合教宣部長だった藤丸徹さんがミナト神戸について語った(3月15日 神戸市) |
去る3月15日神戸市で、布施祐仁講演会があり150人を超える人が集まり大成功しました。主催は〈神戸港の軍事使用を許さない会〉〈こわすな憲法! いのちと暮らし市民デモHYOGO〉の2団体が中心の布施祐仁講演会実行委員会でした。今まさにイラン戦争が始まっている中、実に時を得た講演会で多くの参加がありました。
主催者挨拶として集会実行委から10・19祝園大集会でも発言した中村伸夫さんが、米軍艦船来航と阪神基地隊強化と原子力潜水艦建造で神戸港の軍港化が狙われているなかでの本集会の意義について訴えた。
沖縄西日本各地で進む戦争準備を全面暴露
ついで「沖縄西日本各地で進む戦争準備と神戸港の役割」をテーマの講演に移りました。布施さんは、沖縄・西日本各地で進む戦争準備と神戸港の役割について講演し、まず高市首相の政権運営について、衆議院の3分の2を単独確保したことで「重要な政策転換を何としてもやり抜いていける」との発言を紹介し、防衛力の抜本的強化をこれまで以上のスピード感で進める方針を示していると分析。台湾有事を想定した軍拡の背景として、アメリカのトランプ政権が発表した国家安全保障戦略に触れながら、この戦略では「第一列島線(九州南端の種子島から南西諸島、台湾、フィリピンの島々に連なる中国の目の前にあるライン)全域における侵略を阻止できる軍事力を構築する」とし、台湾侵攻の抑止を最優先課題と位置づけていることを説明しました。
アメリカは同盟国に集団防衛のための支出増加と行動面での貢献を求めていることを指摘し、また日本の南西諸島への自衛隊配備については、当初は日本の南西諸島防衛が主眼だったが、アメリカの台湾有事想定軍事戦略に組み込まれてしまったと分析。昨年暮に新設された海上輸送部隊については、海上自衛隊の隊員や装備、物資を南西地域に輸送する専門部隊で、神戸の阪神基地隊にも配備される予定であると報告。また祝園は高速道路へのアクセスが良く、神戸の阪神基地隊まで短時間で長射程ミサイルが輸送可能であると指摘しました。
後半で布施さんはピンチをチャンスに捉える視点から、兵器や弾薬はお金で買えるが人は買えない、自衛隊員の慢性的な不足を指摘しました。更にトランプ政権は対中融和に傾いており、アジアからは引き、南北アメリカ支配に関心がある。そうなれば台湾有事に前のめりの高市政権は梯子を外され、日本が単独で中国と軍事対峙することになり「亡国の道」になる、と高市政権の弱点を警告しました。
講演後の質疑応答では、日本が台湾にこだわる理由について、日本独自の判断ではなくアメリカとの関係維持を重視した結果であると説明した。戦後日本はアメリカの世界戦略において価値ある国になることを目指してきたため、アメリカが台湾有事に注目すれば日本も追随する構造があると分析した。世界の多極化について、布施さんはG7の世界GDP占有率が70%から40%台に低下し、もはや一部大国が世界を支配する時代ではないと分析した。多極化により大国以外の国々が連携すれば、大国の好き勝手を阻止する新しい秩序構築が可能であると提案した。その他の質問にも丁寧に答えてくれました。
地元・神戸の闘い
講演後、各団体からアピール。粟原富夫神戸市議が非核神戸方式の危機について、1975年に制定された非核神戸方式は、軍籍船の入港時に非核証明書提出を義務付ける制度だが、2000年と昨年の2回にわたり例外的に認められた。さらに3月17日から19日に自衛隊艦船3隻がポートアイランド西岸壁で一般公開される。これは非核神戸方式制定51周年の3月18日に合わせた意図的な挑発であると述べた。
次に元海員組合の藤丸徹さんは、神戸港は1980年代まで世界第4位の貿易港だった。造船、船舶機器メーカーなど海事クラスターが完備された魅力的な港で、これは海軍にとっても同様に魅力的である。2000年にアメリカ領事館関係者との面談を紹介し、経済協力を名目に非核神戸方式撤廃を要求されたが、市民の強い支持を理由に断ったと話した。
市民デモHYOGOの片岡英夫さんは、平和憲法と人と命と暮らしを守る活動を継続する決意を表明し、神戸港の戦争利用に絶対反対の立場を示した。
〈戦争とめよう! 4・19大阪集会実行委員会〉の山本将嗣さんは、4月19日の大阪集会と5月31日の舞鶴基地包囲行動について案内した。海上自衛隊イージス艦へのトマホーク配備が進む中、舞鶴のイージス艦「あたご」「みょうこう」の2隻が4月以降改修予定であると報告した。
自衛隊防衛省への申し入れ行動をしている梶原義行さんは、242回目の申し入れ予定と、戦争を望まない自衛隊員との連帯を重視し、神戸港軍事利用反対の署名を提案した。
まとめでは実行委員会の山下ななさんが今後の予定として、3月22日の非核神戸方式51周年記念集会、3月18日の自衛隊艦船一般公開の調査見学、などを提起した。また参加者は155人に達し、カンパも58916円が集まったことも報告された。
年末から準備を始めたが衆議院議員選挙もあり、実質わずか1カ月余りでこの集会を成功できて良かった。次に繋がる取り組みだったと思った。(大北健三)
沖縄日誌1〜2月 総選挙中の安住発言弾劾
反動激化の中、懸命の闘い
2026年1月1日 名護市辺野古の浜で「初興し」(ヘリ基地反対協主催)が開催され、各地から多くの人が参加。初日の出は拝めなかったが、今年こそは必ず平和を勝ち取ると祈りをささげた。
10日 辺野古新基地を巡り、沖縄防衛局が大浦湾側で石材投下を開始して2年となった。ヘリ基地反対協・海上行動チームは「海上大行動」を開催。カヌー31艇・抗議船4隻などがパレード。「戦争につながる基地はいらない」と抗議の声を上げた。
18日 任期満了に伴う名護市長選挙が告示され、渡具知武豊さん(自民、公明、国民民主、維新推薦)、翁長久美子さん(共産、立民、社民、社大推薦)と伊波勝也さんが立候補。25日の投開票に向けて選挙戦に突入。
19日 新党「中道改革連合」の綱領発表会見で、名護市辺野古の新基地建設について、安住氏は「政権をいざ担うとなればストップすることは現実的でない」と述べた。玉城デニー知事はじめ県内各政党に驚きの声が上がった。
22日 宮古島市で、宮古島への陸自配備に対し2017年11月から始まった抗議活動が22日で3000日を迎えた。〈ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会〉は、陸自駐屯地前でスタンディング活動をおこない「命のある限り諦めない」と抗議の声を上げた。
25日 名護市長選挙が投開票され、渡具知武豊さんが3期目の当選を果たした。翁長久美子さんは敗れた。
(詳細は本紙433号・名護市長選挙)
2月8日 第51回衆議院選挙が投開票され、沖縄4選挙区全区で自民候補が勝利した。〈オール沖縄〉勢力は2014年に誕生して以来初めて、選挙区で全敗した。立民と公明は「中道」を結成して2区、3区、4区で擁立したが敗れた。特に2区では〈オール沖縄〉が「中道」と社民に分裂、両方の票の総計では自民候補に勝っていただけに残念であった。沖縄では「中道」の安住氏発言の後、辺野古問題を曖昧にしたことが、従来の「オール沖縄」支持層の反発を買った。
9日 名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前でこれまで通り、市民が抗議の声を上げた。〈オール沖縄〉勢力の議員が落選したことに市民は「国会で沖縄の声が届かなくなるだろうが、自民党の議員にも声を上げて」と注文した。
11日 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移転を巡り、米シンクタンク太平洋評議会に派遣されている現役の海軍中佐が「辺野古の代替施設が完成した後も普天間飛行場を維持すべきだ」と報告書を発表した。中佐は「運用能力が高く安全だ」と普天間飛行場を評価。辺野古の代替施設は「滑走路の長さも運用能力もない」と指摘し、双方とも活用すると主張。
普天間飛行場を巡っては、2017年6月当時の稲田朋美防衛相が、辺野古新基地ができても「米側との条件が整わなければ返還されないことになる」と発言、物議をかもした。
16日 米国防総省が普天間飛行場の代替の長い滑走路の選定がおこなわれるまで「普天間飛行場は日本に返還されない」との見解を示した。2017年4月に米会計検査院が辺野古の滑走路が短いと懸念を示した勧告に、国防総省が2025年9月30日付で回答したことが明らかになった。
「辺野古移設が普天間飛行場返還の唯一の選択肢」という大義名分は日米合意の両当事者によって根底から覆された。(杉山)
4面
3・8 さよなら原発関西アクションから
石地優さんが訴え
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| 大阪市役所横から関電本店に向けデモ出発 |
(乾式貯蔵問題にかかわる部分のみを紹介します。文責・見出しとも本紙編集委員会)
福井県は嶺北と嶺南がありますが、南と北に分かれているのですが、原発があるのは嶺南で、そこの若狭町から来ました、石地と申します。今日は福井の話を少しばかり聞いていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
使用済み核燃料の流れについて説明させていただきたいと思います。県内の原発使用済み核燃料プールがもう満杯に近づいているため、それはもう搬出先がないからです。本来の搬出先である六ケ所再処理工場ですね、いまだに完成してなくて、送ることができません。それで、なおかつ、プールが一杯になったんで、このままいくと原発が止まることになります。それで、関西電力は、これではどうもならんということで、出してきた案が乾式貯蔵という一時保管の場所の施設のことです。
乾式貯蔵と中間貯蔵
乾式貯蔵とよく似たものが、中間貯蔵という言葉があるんですけども。これは、言葉が違っても中身は一緒です。中間貯蔵というのは、原発の外、構外で作る施設が中間貯蔵といって、原発の構内に作るものを乾式貯蔵といっています。
それで、関西電力は、いままでは構内には作らんという方針で来たんですけども、もうどうもならんようになって、原発の構内に乾式貯蔵を作ることを福井県に願いを出しています。理由はただ一つ。燃料プールが満杯になって、六ケ所の再処理工場に送れないと、このままいったら原発が止まるからです。
だから、原発が止まるんで、燃料プールを空けるために乾式貯蔵に移したいということです。乾式貯蔵に入れたら、プールが空くのでこのまま継続して運転できる。関西電力の目的は、乾式貯蔵を作って原発の運転継続をしたいということが、このことでよく現れてると思います。
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| 石地優さん(7月22日) |
乾式貯蔵ができなければ原発は止まる
これさえあれば、関電は六ケ所の再処理工場が動かなくても、原発構内の乾式貯蔵にさえ移せば、原発の運転続けられるんです。僕は、関西電力は、六ケ所再処理工場動かすことに一生懸命になってるんじゃなくて、原発構内に乾式貯蔵作って、そして運転続けたいというのに一生懸命になってるなと思います。
ということは、逆に考えたらですね、乾式貯蔵ができなければ、関西電力の原発は止まる。ということは福井県の原発は止まるということなんです。このことが、いま私たち福井県に住んどって長いあいだ原発止めて、なくなってほしいなと思う者にとってはそういう意味では大きなチャンスじゃないかなという風に思っています。
行き場がなくなる使用済み核燃料
そういうことの中の、乾式貯蔵のカギ握ってるのは六ケ所の再処理工場です。六ケ所再処理工場は30年近く、完成してなくて、今月中に、いま、規制委員会の審査受けてるんですけど、その審査の説明を終えるといってますけど、でもむつかしそうです。いままで何度も延ばしに延ばして、この3月も延ばしたら、福井県に対する信用も落ちるんで、それはそれで、一つの大きな問題なんです。
だから、六ケ所再処理工場に持っていけなかったら福井県の使用済み核燃料は行き場がなくなるんで、それで、行き場がなくなれば、原発が止まるという、こういう理由の話です。
余剰プルトニウム問題
それで、もし、六ケ所再処理工場が完成して動いたとすれば、どうなるかということなんですけども。完成して動いたとしても、余剰プルトニウムといって、日本はプルトニウム、いま40トン超えるプルトニウム現に持ってるんで。このまま持っとったら、核爆弾作るんかという風に各国からいわれてて、それで日本の国としてもプルトニウム処理した分以外は再処理しませんという方針立ててます。
ということは、どういうことかというと、今、日本でプルトニウムを処理できるのは、プルサーマルという原発の運転だけです。これは高浜の3、4号と伊方の3号と玄海の3号の4つしか動いてません。それも今フルに動いてなくて、動いたり、動かなかったりという状態です。だから、その4基を今までの実績で動かしたら、いくら頑張っても10%程度の再処理工場の操業しかできんのとちがうかというのが計算からでてきます。それで考えれば、六ケ所がもし動いても、今、能力の10%ほどしか操業できないわけですから。ということは福井県のことでいえば、福井県の使用済み核燃料はほとんど六ケ所へ出ていくことがないということです。けども、原発構内に乾式貯蔵をつくったら、そこに使用済み核燃料が移されて、福井県から出ていかなくても、関西電力の原発は動き続けることができるということです。
ということはずっと構内に、原発の構内にたまり続けるということ。さっき4590トンたまってると言いましたけども、これが直ぐに5千トンになって、また増えていくということになるということだと思います。
福井県にたまりっぱなしになる
福井県から使用済み核燃料だせば、ええんかどうかという問題は、これはまた別問題としてあるんですけども。けれども、歴代の知事も福井県民の多くの人も、福井県の中で、使用済み核燃料ずーっと置きっぱなしになることには、いいと思ってない部分がたくさんあります。ということは、行政として、福井県の本音は原発の運転はしたいと思ってると思います。現にそういうことずっとやってきてますから。けども、使用済み核燃料は置いときたくないというのも、これも福井県の行政としての本音やとおもいます。だから、相反すること、原発運転したら、使用済み核燃料がまちがいなく増えるのに、その使用済み核燃料は福井県から出ていかない。ということはたまり続けるという、相反することがいま福井県の中でせめぎあいを起こしてるんです。
このことを考えたら、まずは乾式貯蔵を動かさないという形を実現できれば、いままで原発を止めようと思うと、首長は、原発に反対する首長さんがなるとか、それから、原発の裁判ですね、裁判で止めるとか、それから、住民投票で止めるとか、こういうことで止めるのが、今まで止めてきたと思います。しかし、今回は、そういうことをしなくても、乾式貯蔵さえしなければ止まるということを、きょうは皆さんにぜひとも訴えたくて、それも福井県の地元ではいま言うた事実、「六ケ所へは、ほとんどで出ていかない」ということをほとんど知らないので、そういうことを県民の人にしっかり伝えれば、まともに考えれば、こんなんでよくない。福井県にずっとたまりっぱなしになることを是としないわけですから。このことをしっかり多くの人に伝えれば福井県の中で、乾式貯蔵できなくなって、原発が止まる。
動いている原発の半分は福井県
福井県の原発が止まれば、いま日本で動いている原発の半分は福井県の原発なわけですから、他の原発にも大きな影響を与えると思います。がんばって、そういう方向性で行きたいなと思って、今日みなさんに、そのことお伝えしたくて寄せていただきました。
つい先日、美浜原発のすぐ近くで、集落にチラシ配りに行ってきました。何人かの人と話ができました。そのうちの2人の人が「私は原発のことが気になってるし、集会にもいきたいんです。けども集会に行くと、知れると、そのことがものすごく怖い、で、集会にいけません」というかたが2人おられました。話しできた人の中の2人がそういうかたちなんで、こういう現実も考えれば、ちゃんとしっかり伝われば、原発から抜けてって、福井県、原発のない福井県にしていくことが県民の思い、主流、主力になるんじゃないかと感じますので、皆さんもこれからも引き続きご支援お願いします。ありがとうございました。(原子力発電に反対する福井県民会議・事務局次長)
5面
3・8 さよなら原発関西アクションから
菅野みずえさんが訴え
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| 菅野みずえさん |
原発があるかぎり次はあなたの番
貴重な時間を与えていただきましてありがとうございます。
私は福島県双葉郡浪江町下津島というところから避難して来ております。仮設住宅で5年を暮らしました。先が見えなくて、それまでは、腐ったミカンみたいに、あなたたちが逃げてくるから、高速道路を通じて、関西まで汚れが広がったではないかと言われた時に、ああ、私はいてはいけない腐ったミカンだというふうに思いました。でも5年を暮らして、ゆき場所がなくて、また関西へと避難してきました。
そして関西で同じようないなかの町で自治会に加えていただいてくらしています。それは避難したことの生活の続きなんだというふうにおもっています。原発賠償関西訴訟という裁判をしています。9月2日に判決が出ます。その判決に向けて、わたしたちは、公正な判断をしてくださいという署名を集めています。今この会場でもたくさん署名にご協力いただきまして、ありがとうございます。
国民が裁判所に公正な判断をしてくださいとねがわなければならない司法の状態が生まれてしまいました。私たちは、3権分立と習い、そして司法はいかなる権力にも左右されない判断をするのだ、その基本は、憲法だと習ってきました。そして、ばあさんになって、それはちがう世界のことになってしまったんだということを、次から次へと原発事故以後身をもって知らされることになりました。
東京電力は私たちの仮設にもやってきました。そこへ東電の関係者が壇上から、「みなさん、東北大震災おみまいもうしあげます。私たちも同じ津波被災者です。わたしたちも大事な原発を津波でうしないました。…」という風に恥ずかしげもなく言ってのけました。住民は怒って、「こんな話を聞いていたらオラたちは認めてしまったことになる、帰るべ!」と立ち上がって帰ってゆきました。
でも今思います。避難している私たちの姿は、福井で原発が事故ったならば、皆さんの未来です。やがてみなさんがどこかの会場に立って、福井の原発のことを話す日が来るかもしれません。わたしは今、福島をわすれないといわれることに、「それはちがうだろう」と思っています。
終わってもいない原発事故は、新しいかたちをかえて、私たちの生活にのしかかってきています。皆さんの知らないところで、そして反対する住民がいなくなった街まちで。福島県浜通りは、すぐにでも軍需工場に転嫁できる工場が建ち並んでいます。そこには監視する市民がいません。復興予算で3分の1は税金が払ってくれます。そういうところで、新たな事業が展開されている。
今、首相が戦争したい国にしてしまうんじゃないか? おばあちゃんは、本当に不安に思っています。でも早苗ちゃんのオウンゴールは原発です。あの早苗ちゃんに向かって、原発のどこかに打ち込んだらそれで勝ててしまうんだということを知らない首相っていったい、どんな思考の持ち主なんだろう、というふうに思います。
原発はなんにも豊かな未来をもたらしませんでした。そのことを本当に日々身をもって感じています。私は、ばあさんですから、人生の大半は平和に暮らしました。でも子どもや孫たちがどうなるのか。子ども達は、私はどこのだれなのかわからない状態で避難して、新しい町の住人になっています。
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| 中之島公園女性像前で集会(3月8日) |
私の孫は、いま兵庫県明石市でくらしています。保育所で習ってきます。「知らないおとなと、話したら、いけないんだよ。ポケットに手を突っ込んで歩いたら、いけないんだよ。」そうして私に注意します。「ポケットから手、出しな」(笑)
でも、わたしは子どもが知らない大人にはなしかけられたら、逃げるんだと習うところで子育てをしなきゃいけない子どもたちのことを考えます。本当なら子どもはだれにもだいじにされて育てるはずです。そういうこどもたちは、ふるさとをなくしました。わたしにとって、あの地域は故郷ではありません。故郷は出て懐かしいところ、私が奪われたのは、私のくらし。
故郷というのは、一緒に老いるはずの友達です。どこに何があるかわかるくらし。既往歴をわかっているかかりつけの病院、くせ毛の私でもちゃんときれいに切ってくれる美容室がある暮らし・・・そういうあたりまえの暮らしをなくしました。
それはあしたの皆さんです。福井の原発が事故ったならば、8割の放射性物質が国土へと流れてきます。私たちは8割の放射性物質が海に流れる太平洋側に原発がありました。日本海側にある原発事故がおこれば、8割の放射性物質は、こちらへながれてきます。そのことをわかって子どもたちに語りかけてください。
ここにたくさんの若いひとたちが一緒に参加してくれるようなそんな、運動の展開を皆さんとご一緒にしていきたいとおもいます。そして、年に1回の反原発のメモリアルのような集会ではなくて、沢山の原発あぶないよね、と話せる小さな集会が、そこかしこで若い人といっしょにできたらいいなとおもいます。どうか避難をして来ている私たちを利用してください。小さな場所で私たちに語らせて下さい。そして、原発は福島のことじゃなくてどこにでもあることなんだ。明日のわたしなんだ。そんなふうに話せるようになったらありがたいと思います。共にご一緒に頑張りたいと思います。
そして、わたしたちの9月2日の判決をどうか見守っていただけたらと思います。 ありがとうございました。
神戸で150人が集会
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| 集会を終え元町からデモに出発(3月22日 神戸市) |
3・11福島第一原発事故から15年の3月22日に、原発事故被害者団体協議会共同代表・武藤類子さん「福島からあなたに伝えたいこと」の話をメインの兵庫脱原発集会に150人が参加した。また「はんげんぱつ新聞」編集長末田一秀さんの報告をうけ、デモ行進をおこなった。
武藤類子さんは、「福島第一原発事故後、事実の隠蔽、データーの書き換えなど原子力発電を守ることに終始している。廃炉作業は放射能検知の中、4000人の被ばく労働でなされている。福島からの避難者は5・4万人が帰れていない。また、汚染された土は汚染土から除去土壌、再生資材、復興再生土、と呼名を変え責任を誰も取らない」と訴え、「夢」「未来」「再生利用」「寄り添って」に真実なしと詠んだ。
(闘争案内)
「国旗等損壊罪」は国のかたちを変えるヤバい法律!「国旗等損壊罪」に反対する4・11集会
とき:4月11日(土)午後6時
ところ:文京区民センター2A会議室
主催:「国旗等損壊罪」反対連絡会(080―5672―1735渡部)
「スパイ防止法」緊急学習会
講師:永嶋弁護士
とき:4月11日(土)午後2時半
ところ:クレオ大阪西・2階研修室
主催:新聞うずみ火
講演会「パレスチナ・ガザの歴史と現在」
講師:岡真理(早稲田大学)
とき:4月12日(日)午後2時〜4時半
ところ:東京大空襲・戦災資料センター
主催:東京大空襲・戦災資料センター
平和のための住民によるミサイル弾薬庫会議
お話:柳澤協二氏(元内閣官房副長官補/安全保障・危機管理担当)
とき:4月12日(日)午後2時〜4時
ところ:京都府精華町役場2階交流ホール
主催:ほうそのネット
大軍拡と壊れゆく私たちの暮らし 小西誠さん講演集会
〜本当に中国と戦争をするのですか〜
とき:4月18日(土)午後2時
ところ:奈良公園バスターミナル東館・レクチャーホール
主催:小西誠さん講演集会実行委員会
戦争とめよう!4・19大阪集会
講演:小西誠さん(軍事ジャーナリスト・元自衛官)
とき:4月19日(日)午後2時〜4時半
ところ:大阪市立住まい情報センターホール
主催:戦争とめよう!4・19大阪集会実行委員会
2026春闘集会
講演:片山夏子さん(東京新聞記者)
とき:4月22日(水)午後6時半
ところ:文京シビックセンター区民会議室5階C
主催:被ばく労働を考えるネットワーク
つくいやまゆりえん じけん から じゅうねん かながわしんぶん・きしゃ なりた ひろきさん の おはなしを うかがう かい
講師:成田洋樹さん(神奈川新聞記者・論説委員)
とき:4月26日(日)午後2時〜4時半
ところ:とうきょうと しょうがいしゃ ふくしかいかん 2かい きょうしつ
6面
南鳥島を「核のゴミ」の最終処分場にするな
経済産業省は、南鳥島を高レベル放射性廃棄物(「核のゴミ」)の最終処分場にしようとしている。経産省は3月3日、「文献調査」を受け入れるように、東京都小笠原村の渋谷正昭村長に申し入れた。これにつづいて、14日に父島、21日に母島で、経産省は住民説明会をおこなった。
高レベル放射性廃棄物の最終処分場をめぐって、これまでに北海道寿都町と神恵内村、佐賀県玄海町の3町村で調査がおこなわれている。最終処分場の選定調査は、第1段階(文献調査)、第2段階(概要調査)、第3段階(精密調査)にわかれ、調査完了までに20年以上を要する。
上記3市町村の場合は、いずれも地元自治体が調査を申し入れたケース。寿都町と神恵内村では第1段階の文研調査が終了している。玄海町では文献調査がおこなわれている。しかし、北海道の鈴木直道知事は、第2段階の概要調査への移行に反対している。佐賀県の山口祥義知事も処分場の受け入れに反対している。このような状況にあり、最終処分場建設の手続きが進展していない。
これを打開するために、経産省が政府の方針で小笠原村長に申し入れをおこなった。これを受託するかどうか、小笠原村が判断することになる。突然に降ってきた話に、地元住民は困惑と不安の声をあげている。小池百合子・東京都知事は「(最終処分について)将来への先送りはできない」と述べており、受け入れるようだ。
南鳥島について
南鳥島は東京から南東に1950q離れた太平洋にある孤島。島の面積は11・5平方q、最高標高は9mで、三角形をした平坦な島だ。行政上は東京都小笠原村に属するが、小笠原諸島の父島から東南東に約1200qも離れている。
南鳥島の全土が国有地になっている。島に住民はいないが、自衛隊と国土交通省の職員が常駐している。現在、防衛省は地対艦ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」(射程1000q)の射撃場として整備している。2026年度以降の運用をめざしている。
南鳥島は約1億5千年前(白亜紀〜新生代初期)に火山活動でうまれた。このマグマが固まった玄武岩の土台のうえに、サンゴ礁による石灰岩で覆われている。現在、マグマ活動は終了している。
南鳥島は太平洋プレートの上にあることから、「地質的には安定している」と考えられている。尾池和夫・京都大名誉教授(地震学)は「南鳥島は火山の噴火や地震がない太平洋プレートの上に載っている島」と話している。しかし、ボーリング調査をしてみないかぎり、地下の地質について詳しいことはわからない。
最終処分場について
政府は、使用済み核燃料の処分について「核燃料サイクル」方針をとっている。使用済みの核燃料は、すべて再処理をおこない、プルトニウムをとりだす。この作業のなかで、高レベル放射性廃棄物と高レベル放射性廃液が発生する。高レベル放射性廃液は再処理工場でガラス固化体にされる。日本にはすでに約2万6000本のガラス固化体に相当する高レベル放射性廃棄物が存在している。
高レベル放射性廃棄物とガラス固化体は最終処分場にもっていって「地層処分」(最終処分)をおこなう。地下3百m以上の場所にこれを埋めて、10万年以上も管理する必要がある。
日本政府は最終処分場を決めないで、原発を動かしている。原発が稼働すれば、高レベル廃棄物はかならず発生する。つまり、「トイレのないマンション」なのだ。
南鳥島の問題点
最終処分場の候補地選定は2020年からはじまった。応募する自治体はほとんど増えていない。この状態を打開するために、政府が主導する形で南鳥島を選んだ。
経産省は、どうして南鳥島に決めたのだろうか。ひとつの理由は、南鳥島はすべて国有地であり、また住民がいない。反対運動がおこり難く、建設しやすいことだ。もうひとつの理由は、南鳥島は太平洋プレート上にのっていることから、「地質的に安定している」可能性があることだ。
最大の問題点は、経産省(政府)が主導して地元に申し入れをおこなったことにある。現在、自衛隊のミサイル基地や弾薬庫においても、防衛省は「安保政策は国の専権事項」といって住民の声を無視して、建設を強行している。こんなやり方を許してしまえば、政府のやりたいことが自由にできてしまう。国民主権が破壊される。人民の民主主義を守るという立場から、こんなトップダウンを許してはならない。
南鳥島は太平洋プレートの上にあるが、太平洋プレートの岩盤については地質学的なことはよくわかっていない。海水がどの程度浸透しているのか、こういうこともわかっていない。南鳥島の最高高度は9メートルしかないから、地球温暖化で海水面が上昇するような事態になれば、沈んでしまう可能性も出てくる。
また、これは国際問題になる可能性があるのだ。「核のゴミ」を太平洋の地下に捨てるのと同じではないのか。1980年頃、日本政府は「低レベル放射性廃棄物」ドラム缶を太平洋に投棄しようとした。これが国際的に問題になり、海洋投棄は中止になった。
南鳥島を「核のゴミ」最終処分場にしてはならない。この経産省方針に断固として反対しよう。東京都民を中心に、反対運動をつくりだしていこう。(新川健)
投稿
石川一雄さん逝去1周年
追悼のつどいと新たな決意
昨年3月11日、狭山事件の犯人とされ62年間無実を訴え続けた石川一雄さんが無念の死を強制されました。そして1964年の3月11日は浦和地裁・内田裁判長が「犯人取り逃がしによる被害者殺害」の責任逃れと失態をとりつくろうため、部落差別を利用して石川さんを「犯人」に仕立て上げた警察・検察のシナリオ通りにわずか半年の「審理」で死刑の判決を下した日です。石川一雄さんは3月11日に二度殺されました。なぜ石川一雄さんが生あるうちに晴天晴れて無実を明らかにすることができなかったのか。「人の世に熱あれ! 人間に光あれ!」という水平社宣言の精神を体現するように貧困と差別による冤罪と真正面から闘う石川さんの姿に学び連帯してきた者として、今一度、自らの在り方を問い直し取り組んでいきたい。
3月11日、石川さん逝去一周年のこの日、地元埼玉(狭山市市民会館)で部落解放同盟中央本部と埼玉県連合会の主催で「石川一雄さん追悼集会」が持たれました。「狭山第4次再審請求に勝利し、石川さんの無念をなんとしても晴らそう」との思いの結集の場です。一雄さんの遺志を引き継ぎ、第4次再審の申立人として闘う早智子さんのブログ「冤罪・狭山事件」からその様子を紹介します。
「2026年3月11日は、石川一雄1周忌・追悼集会・・・12時から13時までは狭山市駅西口での『3・11追悼スタンディング』献花台まで設けてあり驚いた。関西、東北、九州、関東から多くの人に来ていただいた。一雄がいない今、だからこそ狭山の新しい強い風を吹かそうと創意工夫した取り組みが始まっている。道行く人にも献花を呼びかけると多くの人がそれに応えてくださった。80人以上の人が来てくださったのではないか」
「13時30分から追悼集会。会場いっぱいの人。420人以上の人が駆けつけてくださったそうだ。一雄よかったね。みんな一雄のこと、一雄の闘い、一雄の思い、しっかりと胸に刻んでいるよ。うれしかったのは、以前、一雄の保護司をされていたAさんが会場に来てくださっていたことだ。保護司を定年で辞められるとき『一人の人間としてこれからも応援していきたい』と言ってくださった。一雄と長く接していて、一雄の正直で、まっすぐな生き方や、悲しみや無念。それでも前向きに懸命に生きている一雄の生き方に共鳴し、無実を確信してくれたんだと思うよ。悲しさで胸が張り裂けそうなのに、不思議だね一雄、力が湧いてきたよ。」
「無実の人を救おう! 連絡会」発足
2024年9月26日の袴田事件再審無罪につづく、福井女子中学生殺人事件の再審無罪(2025年8月)にもかかわらず2026年1月28日菊池事件、2月16日の飯塚事件と相次ぐ再審請求棄却になるなど動と反動がせめぎあうなかにあって2月25日には滋賀県日野町事件の再審開始決定の朗報に接して、「この一年涙の枯れる日のなかった」早智子さんは「今日から涙を消して闘います」(追悼スタンディング)との決意を表しています。
また2月20日には「えん罪・再審(やり直し裁判)の法改正を! 大署名運動キックオフ市民集会」が東京・イグナチオ教会で開催。署名呼びかけ人として袴田ひでこさん、石川早智子さんをはじめとした冤罪被害者、法曹界・作家・マスコミ・宗教界・元議員・平和人権活動家など多数が加わった「無実の人を救おう!連絡会」が新たに発足して闘いの輪を広げようとしています。
世襲・裏金・統一教会の高市政権の化けの皮を剥ぎ、戦争と差別貧困の根絶へ、共に進みましょう。
平井二郎
7面
通信KOSUGI
三菱・日鉄・不二越
強制連行・強制労働(徴用工)訴訟支援行動に参加
毎月定例の三菱・日鉄前行動
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| 東京丸の内、三菱重工前で行動(3月12日) |
毎月定例で三菱・日鉄前での「丸の内行動」がおこなわれており、3月12日の行動に参加した。
2018年に韓国大法院が、日本製鉄と三菱重工に強制動員された被害者への賠償を命じて以降、過去に強制動員をおこなった他の日本企業に対しても賠償を命じる判決が続いている。
しかし、いずれの企業も判決を履行しようとはしていない。そして韓国の尹錫悦前大統領は、日本の企業の債務を肩代わりする「第三者弁済」を主導。しかし尹政権は「光の革命」で打倒された。
ILO(国際労働機関)の「条約及び勧告の適用に関する専門家委員会」が、2024年に続いて今年も2月13日に「戦時中の産業強制労働及び軍事性奴隷制問題が未だに完全に解決されていない」として、改めて、「被害者の期待に応え、請求を解決するための適切な措置を遅滞なく講じる」ことを日本政府に求める報告書を公表した。ILOだけでなく国連などの多くの人権機関が日本政府に勧告を出し続けている。
このような人権侵害をおこなった企業は、ただちに被害者に謝罪と賠償をしなければならない。
この日も〈名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会〉や〈日本製鉄元徴用工裁判を支援する会〉、そして〈韓国の原爆被害者を救援する市民の会〉の市場淳子さん(本紙432号に記事)や支援者が企業前で強く抗議した。しかし三菱重工は、こちら側の資料さえ受け取らないという不当な態度であった。
4月9日にさらに大きな行動が予定されている。
富山・不二越での株主総会行動
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| 不二越株主総会前で行動(2月25日 富山市) |
それに先立って2月25日、富山県にある当時軍需企業であった「不二越」で株主総会があり、今年も原告が総会に出席、社長に対して直かに発言。また正門での抗議集会を開き、それを妨害する右翼と対峙する行動があって参加した。
不二越強制動員訴訟の原告、被害者であった故林永淑さんの夫・金明培さん(95歳)は社長に対して、「私の妻は12歳の幼い年齢で、故郷から遠く離れたこの富山の不二越まで連行され、日本の侵略戦争のための強制労働を強いられた。2024年韓国大法院の判決で原告が勝利したが、不二越は2年経った今も判決に従っていない。あなたがたの法的責任、歴史的責任は永遠に残る。…一滴、一滴と落ちる水がやがて岩をも砕くのだ。私が生きている間に、不二越は判決に従い、謝罪し、賠償せよ。」との怒りの発言をおこなった。
原告がこうして株主総会に出席して発言する権利を継続して勝ち取り、また抗議集会が正門前で公然と開かれることは重要なことだ。
株主総会に先立って開かれた門前集会では、金明培原告、付き添いの金英丸さん(キム・ヨンファン民族問題研究所対外協力室長)らがアピールし、われわれ支援者も会社を弾劾、また妨害のため門前の道路を何回も執拗に周回し、罵声をあげ、また正門に向かって車を突っ込ませる北陸三県と岐阜から来た右翼への抗議の行動を続けた。私も「富山県警はどちらを向いているのか! ヘイトスピーチ規制法違反だ。しっかりと規制しろ!」と声をあげた。この行動は韓国で報道され、国内では北陸地方の新聞が報道した。
午後の報告集会では、金明培さんが株主総会の報告を、「日韓の新しい市民連帯にむけて」として金英丸さんが、また「長生炭鉱水没事故〜遺骨発掘の現場取材の報告」としてジャーナリストの安田浩一さんが、さらに尹奉吉義士[注]暗葬地保存会会長の朴賢沢さんの話もあった。尹奉吉義士に対して全国から右翼が攻撃している。
この不二越訴訟、1991年に川崎の日本鋼管に強制連行された金景錫さんが訴訟を起こし、勝利和解を勝ち取って富山に渡り、「金沢に暗葬された尹奉吉義士の遺志を私が引き継ぎ民族運動としてこの強制労働問題をたたかう」と言って不二越訴訟を取り組んできたのであった。
さらに全国から支援を強めていきたい。
[注]尹奉吉義士
1932年中国上海の魯迅公園での天長節式典に手榴弾を投擲。白川陸軍大将ら高官2人が死亡、重光葵(後の外相)の片足を吹き飛ばすなど2人が重傷、式典を完全に爆砕した。尹義士は捕らえられ、石川県金沢で銃殺刑となってごみ箱付近に暗葬された。
2月7日に李在明韓国大統領が魯迅公園を訪れ、「尹義士が祖国の主権と民族の尊厳を堂々と世界に明らかにした」と述べた。(神奈川・深津利樹)
〈昭和100年〉を撃つ!D
2・26事件と天皇の「毅然たる」対応
1936年2月26日未明、折柄の雪をついて陸軍の青年将校たちが近衛歩兵連隊などの1400人の兵士を率いてクーデターを起こした。「君側の奸を討つ」として、首相官邸など数カ所を襲撃し、大蔵大臣ら数人を殺害。そして首相官邸や陸軍省・警視庁を占拠し、東京市に戒厳令が敷かれた。
この反乱に天皇は「毅然」として対応し、自ら鎮圧に乗り出すとまで息巻いた。結局、反乱軍は2万4000人の兵に包囲され無血鎮圧された。
天皇が激怒した理由は決して軍部の増長や民主主義の危機にたいしてでなく、「朕の股肱の臣」を殺害したことにたいしてであった。つまり自分の家来を殺したことに怒り心頭に達したにすぎない。
2・26事件を機にメーデーを禁止するなど、軍部の政治的発言が一気に強まった。
このころ農村の疲弊は極に達していた。農村出身の青年将校たちは、こうした状況をもたらした元凶とみなした連中を殺害したのである。
都会の飲食街も火の消えたような状況を呈していたが、将校たちは毎晩のように高級料亭で酒宴に興じていた。
1933年秋、ドイツの通信社の通信員として来日したゾルゲは、農村地帯をつぶさに調査して実態の把握につとめた。そして「いま有能なプロパガンディスト(宣伝家)がいれば、軍人たちが大きな顔でのさばることはできないだろう」と日記に記している。
実はその少し前、1930年代の初頭、労働者や農民の運動が戦前最大のピークを示していた。労働者の組織率、争議件数、争議の参加数がいずれも最高の水準に達していたのである。1932年には東京をはじめ全国で「米よこせ闘争」が大衆的に展開され、具体的な成果を挙げていた。
一方農村では、小作争議が激化していた。横暴な地主の搾取にたいして、小作人たちは鎌や竹槍などで武装し、地主宅や警察署・裁判所などを襲撃する事件が頻発していた。
しかしそうした闘いは、官憲によって各個撃破され沈静化していった。
左翼の指導部は個別の闘いを横につなげて、資本家や地主の搾取と収奪、官憲の抑圧の意図とその実態を曝露して広範な世論を喚起し、敵を包囲することに失敗したのである。
共産党はスターリン支配下のコミンテルンの〈社会ファシズム〉論に従って、合法的な大衆団体の幹部を主敵とみなし、主導権争いにあけくれ、セクト的な批判を集中させた。社会民主主義は大衆を欺瞞するものでファシズムよりも悪質であるとして、合法的な労働組合や農民組合の幹部を攻撃することに躍起になっていたのである。
合法政党の側は、お互いに小さな違いにこだわり、離合集散を繰り返していた。これでは国家権力の攻撃に叶うはずがなかった。
2・26事件は労働運動や農民運動など民衆の闘いの敗北のうえでおきた支配階級内部の抗争であり、これを契機にして、その翌年、日本は全面的な中国侵略戦争に突入するに至った。
大庭伸介
(闘争案内2)
高市一強といかに闘うか〜ドイツ・欧米の左派の闘いから学ぶ〜
講師:木戸衛一(大阪大学招へい教授)
とき:4月26日(日)午後1時半
ところ:PLP会館5階会議室(大阪市北区)
主催:4・26木戸衛一講演会実行委員会
チェルノブイリ40年・フクシマ15年の集い
とき:4月26日(日)午後1時半〜4時半
ところ:大阪市総合生涯学習センター(第1研修室)
主催:チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西
「アジアから問われる日本の戦争」展2026
とき:5月2日(土)〜4日(月休)
1日目 午前10時半〜午後6時
2日目 午前10時半〜午後5時
3日目 午前10時半〜午後4時
ところ:阿倍野市民学習センター(大阪市阿倍野区)
主催:「アジアから問われる日本の戦争」展2026実行委員会
8面
高市訪米・トランプ会談に反対
トランプの「世界戦争」に怒り
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| 太田昌国さん |
3月14日、東京・文京区民センターで「許すな!米軍によるベネズエラ攻撃『西半球』はアメリカのものじゃない!高市首相は『台湾有事=存立危機事態』発言を撤回しろ! 対中最前線を買って出るな!高市訪米・トランプ会談に反対する3・14集会(連絡先/破防法・組対法に反対する共同行動、資本主義を超える新しい時代を拓く反戦実行委員会)が開かれ、多くの労働者市民が集まった。
ラテンアメリカを中心とした民族問題研究者の太田昌国さんが「トランプ『西半球』支配戦略とラテンアメリカ―ベネズエラ攻撃から見えてくるもの」と題して講演した。
以下、講演の一部を紹介する。
太田昌国さん講演
メキシコのジャーナリストの言葉がある。アメリカ人は決して鏡で自分の顔を見つめることはない。常にだれかを責める/責める対象を鏡に見つけ出す。アジア人とアヘン、イタリア人とアルコール、アフリカ系アメリカ人とクラック、コロンビア人とコカイン、メキシコ人とフェンタニル。そして今は「ベネズエラ大統領と麻薬」、「イラン指導部と核兵器」を論う―自国が麻薬の、世界最大の消費地であることに頬被りして、かつ、自国こそが実際に核兵器を投下し民間人を大量虐殺した世界で唯一のテロリスト国家であることに無自覚なまま。
2017年〜2021年の第一次トランプ政権時にすでに、マドゥーロ政権打倒のために軍事力を行使する選択肢も持つ政策を実施。失敗に帰したが、演説中のマドゥーロ大統領をドローン攻撃で暗殺する計画もあった。大統領トランプは「ベネズエラは実質的に米国の一部だから」と大統領補佐官ジョン・ボルトンに対して発言していた(『ジョン・ボルトン回顧録:トランプ大統領との453日』朝日新聞出版、2020年)
2025年9月〜12月、米海軍はベネズエラ沖のカリブ海で、麻薬船攻撃を目標とする軍事行動を開始。攻撃される船舶と麻薬組織との関係や積荷の内容など証拠をいっさい示すことなく、国際水域で乗組員を殺傷する軍事作戦を展開。超法規的な殺人行為による死者は年末までに100人以上。
2025年11月、米国が「国家安全保障戦略」を発表―@米国に大量の移民を送ることを阻止するに十分な統治を米国は維持する。 A米国の勢力圏に含まれる政府は、南部カリブ海および東部大西洋での、麻薬船とされる船舶に対する攻撃作戦に協力することが求められる。 B我々は、敵対的な外国勢力の影響を西半球から排除し、同地域の重要資源を敵対的な外国勢力に掌握させない半球を望んでいる。また、西半球を米国の重要なサプライチェーンの基盤として維持したい。そのために重要な戦略拠点への継続的なアクセスを確保する。この方針を、トランプが「ドンロー・ドクトリン」と自称した。
2026年1月3日、米陸軍特殊部隊「デルタフォース」が大統領夫妻の拘束・拉致を担当。中国製の防空レーダーを破壊し、ヘリ機が超低空で大統領邸に着陸し、隊員が邸内に突入。大統領護衛の任に当たっていたキューバ兵32人が死亡。トランプは新型兵器の使用を示唆。「強烈な音波のようなもの」「頭が内部から爆発するような感覚」「全員の鼻から出血が始まり、血を吐く者もいた」との、生き延びたベネズエラ兵の証言あり。
トランプはこの軍事作戦の成功を自賛し、「安全で適切、賢明な政権移行が実現するまで、我々が国を運営(run)する。誰かがベネズエラを掌握することは許されない」「我々が儲かるやり方でベネズエラを再建する」と語る。
1月5日、国連安保理でウェルツ米国連大使は「ベネズエラに対する戦争ではない。国を占領しようとはしていない、これは法執行活動だ」と語る。
1823年、米大統領モンローによるモンロー教義=「アメリカ(南北アメリカ大陸全体)はアメリカ人(北米人)の手に」が発表された。ライバルの欧州列強を西半球から排除することで自らが独占しようとするもの。ナポレオン軍のスペイン侵攻によってスペインが弱体化し、3世紀有余ものあいだ植民地支配をしてきたラテンアメリカ全域で独立運動が高揚し、実際に独立が成就してゆく時期に狙いを定めて発せられた。
1839年、米ジャーナリストのジョン・オサリヴァンが「神によって与えられたこの大陸に我々(米国)が拡大するという明白なる運命(manifest destiny)」と扇動した。
1845年、元来メキシコ領で、米国の助勢で1836年に独立したテキサスを併合(報告者註…この時点でメキシコは独立も併合も認めていない)。メキシコがスペインから独立して25年後の、国家形成の揺籃期の未熟さを衝いたことに留意すべき。1846〜48年、メキシコに戦争を仕掛け、勝利して、テキサス、ニューメキシコ、ユタ、ネバダ、アリゾナ、コロラドとワイオミングの一部、カリフォルニア、つまり太平洋にいたる広大な領土を1500万ドルで割譲させる。
その他、1890年のサウスダコタ州ウーンデッド・ニーでの第7騎兵隊による先住民大虐殺を以て国内の抵抗勢力を平定してから米がフィリピンやキューバの勢力圏化を進めたこと、ベネズエラではマラカイボ湖の湖上生活する先住民を見た征服者たちが「小ベネチア」=ベネズエラと呼んだ。(江藤徹)
NO WAR! YES9条 市民と野党の共同アクション ペンライト集会
と き:4月5日(日)午後6時半
ところ:東京・池袋駅西口
主 催:安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(市民連合)
国会正門前大行動
とき:4月19日(日)午後2時
ところ:国会正門前
主催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
9条改憲NO!全国市民アクション
都構想やめろ!
勝つまでジャンケン許さない
維新は民意に従え
都構想は、2015年と2020年、2度の住民投票で否決され決着済みです。その民意にしたがうのが民主主義のルール。3度目の住民投票なんてありえません。
維新の看板政策のために、権力の座を利用して「勝つまで住民投票」をやるのであれば、権力者の横暴・税金の私物化であり、独裁政治にほかなりません。
大阪市の廃止は許さない
都構想の一番の問題は、政令指定都市である大阪市が「廃止」されることです。大阪市が、いくつかの特別区に分割され別々の自 治体になります。
「特別区」はその財 源と権限をうばわれ、 大阪府の従属団体に なります。都構想とは、豊富な財源と権限を持つ政令指定都市の座を大阪市がみずから放棄する愚策です。いったん分割されると元の大阪市にはもどれません。
住民サービスは徹底削減
大阪市が解体されて、小さな財源と権限しかもたない特別区になると住民サービスは徹底的に削られます。
ある特別区が国民健康保険料を引き下げようとしても独自の判断ではできません。住民のための事業は縮小して、カジノや大企業本位の都市づくりに財源を持っていくことがねらいです。
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| 大阪維新が企画するタウンミーティング一覧 |
三重行政はみんなの苦しみ
大阪府→「一般事務組合(大阪市の多くの業務が引き継がれる正体不明のもの)」→「特別区」という3重行政になるのです。特別区はその財源と権限のほとんどを大阪府に持っていかれるので他の一般市以下の自立性のない不完全な自治体になるのです。みんなを貧しくする都構想に反対しよう。










