未来・第432号


            未来第432号目次(2026年2月19日発行)

 1面  高市自民 議席3分の2超
     生活防衛・改憲阻止の大運動を

 2面  教育基本法改悪から20年 大内裕和さんが講演
     都教委包囲・首都圏ネットが集会

     〈投稿〉
     ミャンマークーデタ・総選挙を許さない
     外務省大阪分室要請行動に参加して      

 3面  柏崎刈羽原発6号機を再起動
     この暴挙を許すな 2月9日
     寺田理

     「しょうがいしゃ2025大フォーラム」報告(下)
     関東「障害者」解放委員会 前田昇

 4面  日本の朝鮮植民地支配がもたらした朝鮮人の原爆被害
     12月14日大阪

 5面  破産した万博から維新壊滅へ(下)
     総選挙・市長・知事選で都構想狙う
     剛田力

 6面  世界が黙殺を続ける虐殺
     パレスチナ・ガザ 奈良で講演会
     2月1日

     〈昭和100年〉を撃つ!A
     「皇紀2600年」祝賀キャンペーンの裏側

     神戸港の軍事使用に反対する討論集会
     ねらわれる天然の良港
     12月14日

 7面  投稿
     大分、無人駅裁判に参加して
     障害者の移動の自由阻害

 8面  衆院選各地で奮闘
     厳しい結果 戦線再構築の必要

     〈投稿〉
     『福音派 終末論に引き裂かれるアメリカ社会』(加藤喜之・著)を読む

     カンパのお願い

1面

高市自民 議席3分の2超
生活防衛主催:3・7脱原発全国集会実行委員会・改憲阻止の大運動を

病気休養に入りながらも最後の演説に立った山本太郎れいわ代表と駅前を埋める聴衆
(2月6日 大阪市)

極右ポピュリスト高市の勝利

1月23日解散、27日公示、2月8日投開票の第51回衆議院選は、極右ポピュリスト高市早苗の率いる自民・維新政権が3分2を超える議席を獲得し地滑り的勝利となった。戦後最短期間のパールハーバー的奇襲選挙で、自民党は結党以来最大の議席を得た。
選挙の争点隠しとしての「消費税値下げ(食料品2年間廃止)」は公約に入れたが選挙中は言及せさよなら原発関西アクション2026ず、選挙後には「国民会議を設置し夏までに中間報告をまとめる」とした。要するに「やらない」ということである。労働者・市民の喫緊の要求としての物価値下げには、補正予算ところ:中之島公園女性像前を組んだとうそぶき具体策を講じようとはしない。賃金130万円の下落という「失われた30年」をつくりだしたのは自公政権でありながら、その責任にはふれず、初の補正予算を組んだとうそぶき具体策を講じようとはしない。賃金130万円の下落という「失われた30年」をつくりだしたのは自公政権でありながら、その責任にはふれず、初の女性首相が「強く成長する日本」をつくり出せるかのように演出する。
国論2分が予想されるスパイ防止法などは師匠・安倍晋三にならい選挙の争点にはせず、選挙後に多数派国会で「国旗損壊罪」、国家情報局創設などをグイグイ進める算段だ。そして安倍すらできなかった憲法改悪に「環境を作る」と手を染めようとしている。
戦後80年、戦争をしない国であったこの国とわれわれは、高市勝利により重大な歴史的岐路に立たされているのだ。

裏切り者・中道の惨敗

高市をしてここまで勝たせた最大の原因は、旧立憲民主党と公明党の合併による「中道改革連合」のていたらくである。
立憲は24年総選挙では「野党第一党」として多数の議席を得たものの、政権奪取の気概もなく「寝ていた」。25年参議院選で「日本人ファースト」なる排外主義が吹き荒れてもこれと対峙せず、選択肢から完全にスルーされた。
この排外主義の大きな流れを高市が簒奪せんと、対中国嫌悪感情を煽りまくり、解散総選挙に言及するや立憲は「立憲主義」をかなぐり捨て、安保法制・原発を容認し「中道改革連合」結成に走った。この時点での「希望の党」結成時の枝野幸男のように決別・新党結成を選ぶものは皆無だった。新たな党の理念・めざす社会や、そこへの新たなリーダー・人格的代表はおらず、この時点で敗北は必至だった。
高市は眉毛の色を変え、背筋をただし、紺色の服で新しさ・力強さを演出した。野田や斉藤は旧態依然のままだった。結果当然にも旧民主党時代の岡田克也、小沢一郎、安住淳など名だたる幹部連中は次々と議席を失い、「ミスター年金」の長妻昭がわずかに比例復活した。
敗因はあまりにも明らかだ。自らの党の理念をかなぐり捨てて、公明党票を当てにして「当選できそうだ」の誘惑にはまり込んだことだ。言うまでもなく階級闘争の一形態としての選挙戦は、とりわけ小選挙区制という選挙制度では51%獲得すれば勝利する。そのための「戦争」なのである。これまでの政権与党の一角にいた公明党にハナから期待する時点で、敗北は必至で、日を追うごとにその流れは強まった。人民を戦争の道に引きずり込むため中道を提示し選択した指導者・候補者は万死に値する。

左派・リベラルも後退

この「中道」の歴史的惨敗の中、本来ならその空隙をぬって左派・リベラルが伸長するのがヨーロッパはじめ各国階級闘争だが、共産・れいわ・社民も後退した。
25年7月参議院選に至る過程で、初めて参政党という排外主義政党が登場したことに対し、共産もれいわもこの課題を対象化しなかった。
このことの上に高市は「台湾有事」発言以降、中国敵視の感情を参政党・日本保守党らとともにあおりまくり、衆議院選はある種「対中国戦争」選挙戦として煽られた。
ここでも日中不戦・日中友好の大キャンペーン、国際主義的連帯を掲げない限り、勝負にならないことは明らかだった。
またれいわ新選組は、山本太郎代表に全面依存した上に組織的分散性の弱点が、代表の病気による議員辞任の中でもろに出てしまった。もちろんその分を大石・櫛渕共同代表や各候補者が奮闘したとはいえ、得票数・議席数とも大幅減となった。「代表が帰ってくるまで自分たちで頑張る」と、山本太郎代表の最終日演説を今後の出発点にして奮闘する以外、今回の敗北をそそぐ道はないのではないか。

高市極右ポピュリズムの脆弱性

確かに高市は自民党結党以来の多数議席を獲得した。しかし権力基盤が強固なわけではない。自民党自身が派閥時代と変わり、新たな組織体制が築かれているわけではない。高市旋風で当選したのはチルドレンでしかない。また高市自身が平気でウソをつき(NHK日曜討論「手のケガ」欠席)、消費税減税先送り・軍事予算拡大で国民生活を破壊するし、トランプ依存・国際的争闘戦での脆弱さは変わらない、さらには自己の統一教会・宗教団体寄付金などスキャンダルも多数ある。
ただ高市は安倍と同じく、自己の危機と人民の怒りをマスコミ(総務相時のTV停波恫喝)や官僚・警察・検察を使って封殺してくる人物である。
確かに国会では多数を得たが、人民的信認は4人に1人だ。小選挙区制という制度の下、絶対得票率27%で8割の議席を得たに過ぎない。今後の勝負は高市VS人民に移行したのだ。

中国への排外主義許すな・軍事大国化阻止!改憲・原発・核武装化阻止!生活防衛・消費税撤廃!の大運動を

今回の高市勝利は、アメリカ・ヨーロッパ各国でも現出している極右ポピュリズム台頭の一形態だ。既にヨーロッパ・アメリカでは極右の台頭に対して、ドイツの左翼党、ニューヨークのマムダニ市長、ポルトガルのセグーロ氏の勝利など、人民の反撃が始まっている。日本でも高市が物価高騰を放置するなら、人民的怒りが噴出するだろう。若い世代は現役利益につられているが、短期日の間にその化けの皮がはげるだろう。「強く成長する日本」などありえないからだ。軍需産業のみが肥え太る経済などまっぴらだ。
中国に対する敵視は長く続けば経済的破綻をきたす。非核三原則見直しや憲法改悪の動きには反戦平和の運動が強まるだろう。
26年階級闘争は2・8で新たな段階に入った。極右ポピュリスト高市の弱点を突きまくり、沖縄・西日本各地の反戦・反基地闘争、全国の反原発闘争、あらたな改憲阻止闘争を高揚させていこう。物価高騰・生活破壊に消費税廃止を先送りするなら人民的反乱は不可避だ。
左派のリーダーはこれまでの戦後階級闘争の弱点をえぐりだし、思想、綱領、組織、運動、人事、統一戦線において公平でオープンな論議をおこない、運動・組織の刷新・改革を励行しよう。ピンチをチャンスに変えるため新たな努力をしていこう。ともに闘わん。

2面

教育基本法改悪から20年 大内裕和さんが講演
都教委包囲・首都圏ネットが集会

講演する大内祐和武蔵大教授(2月7日 東京)

2月7日、都内で「愛国教育と戦争を許さない! 教育基本法改悪から20年」と題する都教委包囲・首都圏ネット総決起集会が開かれ、60人の労働者・市民が集まった。 武蔵大学教授・大内裕和さんが「教育基本法改悪から20年〜『21世紀ファシズム』にいかに抗するか」と題して講演した。
以下、講演の概要を紹介する(文責・本紙)。

大内さんが講演

2006年教育基本法改悪から20年、予想通りの事態(※民衆の意識や社会の変化)が進んでいる。
教育勅語は天皇制への統合装置として広く機能した。戦前体制の根幹として機能していたのは「明治憲法というよりも教育勅語」とした丸山眞男は慧眼だった。
1947年3月に教育基本法が成立、「個人の尊重」「平和主義」「日本国憲法との一体性」が柱。同年6月に教育勅語の排除・失効が決議された。教育基本法は教育勅語の否定という意義を持つ。
2006年、教育基本法が改悪された。旧教育基本法第2条が「教育の方針」だったのが新法第2条は「教育の目標」となった。単なるタイトルの違いではない。「我が国と郷土を愛する」態度を目標とする愛国心教育が盛り込まれた。旧法10条は「教育は不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」とあるのが、新法では「教育は不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適切に行われなければならない」となっている。立憲主義ではなくなっている。旧法が個人中心だったのが新法は国家中心になっている。安倍政権の「戦後レジームからの脱却」の文脈でおこなわれた。教育が主権者(国民)のイニシアティヴから国家・行政の管理下に移された。
有権者の意識の変化はスマホ動画より学校教育の影響が大きい。これまで改憲ができなかったのは学校教育を自由にできなかったから。06年の教育基本法改悪以後、戦後教育運動の柱の一つを失った。
安倍政権を生み出したのは1990年代の小選挙区制、新時代の日本的経営、自由主義史観、小選挙区制による自民党の中央集権化、日本社会党の消滅。「加藤の乱」・経世会グループの自民党離党で清和会がヘゲモニーを握った。高市が総裁になったのは自民党内のパワーバランスが(こうした過程で)変わったから。
1995年の日経連・新時代の「日本的経営」が出され、労働者の3分類=差別化と資本独裁がおこなわれた。まかり通ったのは全体としては階級闘争が敗北してきたから、非正規雇用労働者数は1990年の870万人から2022年には2046万人にもなり、大量の「アンダークラス」が発生した。分断を生みやすくなって、そこを狙って(右派が)動画を作っている。世帯所得中央値は1995年には550万円だったのが2018年には437万円。負担を新しい世代に押し付けた。この構造と闘うことなくして極右化との闘いはない。
大内さんの講演は、その他、参政党・国民民主党の「内向きの排外主義」や「現役世代vs高齢者世代」の対立を煽ることによる医療費・社会保障カットや、米民主党が労組よりも企業・金融業界を重視したことがトランプ政権を生み出したことなどを徹底的に批判し、「21世紀のファシズム」に対抗できるのは「21世紀の社会主義(新自由主義グローバリズムを批判する左派)」以外にはあり得ない、と結んだ。

各アピール、決議

被処分者の会から近藤徹さん、第五次訴訟原告、英語スピーキングテストに反対する教師、NAS・海外物産(いずれもイスラエルの兵器を輸入する商社)・防衛省前で殺人ドローン輸入に抗議するスタンディングをおこなっている学童支援員(元高校教師)の方などからアピールがあった。
最後に、「平和主義を投げ捨て、戦争へと暴走する高市政権を打倒しよう!」とする集会決議案、「国旗損壊罪の成立をゆるさない!」とする特別決議案が採択された。

〈投稿〉
ミャンマークーデタ・総選挙を許さない
外務省大阪分室要請行動に参加して

外務省大阪分室前で要請行動(1月30日)

日本政府は国軍の総選挙を認めるな

クーデタから6年目になる1月30日、20人を超える在日ミャンマー人と日本人が外務省大阪分室に対して、ミャンマーで国軍が強行しているいつわりの「総選挙」なるものを認めるなという趣旨の要請行動をおこなった。
ミャンマーでは国軍によるクーデタ以来、国軍に対する民主派および少数民族の闘いが激しく闘われている。その結果、国軍の支配地域はヤンゴンなどの大都市周辺等に極小化されてきた。
2020年の総選挙で民衆の圧倒的支持を得たアウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)を解党したうえで強行されている「総選挙」は民主的なものとはとうていいえない。在日ミャンマー人やそれと連帯する日本人はこんな「総選挙」は認めることはできないと今回の行動に立ち上がったのである。
東南アジア諸国連合(ASEAN)は1月20日、選挙の監視団を派遣することを拒否し、投票結果も認めないとマレーシアのモハマド外相が発表した。また、トム・アンドリュース国連特別報告者は昨年12月28日、「民間人を爆撃し、政治指導者を投獄し、あらゆるかたちの反対意見を犯罪化し続ける軍政による選挙は、選挙とはいえない。それは銃口を突きつけた不条理劇だ」と述べ、今回の選挙結果を拒否するよう国際社会に訴えている。これに応えるようにイギリスもEU(欧州議会)も国軍による総選挙をいかさま≠セとして認めていない。

アウンサンスーチー国家顧問と政治犯全員を釈放せよ

アウンサンスーチー氏は昨年6月で80歳を迎えた。国軍はアウンサンスーチー氏をどこの刑務所に収監しているのかも明らかにしていない。アウンサンスーチー氏は長期の勾留で健康を害し食欲がなくなり髪も抜けてきていると伝えられている。

国軍を支えている最大勢力は日本

要請書では、国軍が経営し、ミャンマー経済を支配しているミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)やミャンマー・エコノミック・コーポレーション(MEC)に対して制裁を科すように要請している。日本は安倍政権以来、ミャンマーに対する最大の支援国となり、最大の投資国になっているのだ。

在日外国人の権利の保障を

要請書では在日ミャンマー人をはじめとするすべての在日外国人の権利の保障が訴えられた。具体的には、@クーデタ以後、ミャンマー国民に対する緊急避難措置として在留期間の延長と就労を認める「特定活動」を認められてきたが、これを引き続き延長すること、Aミャンマー人をふくむすべての人たちの難民申請をただちに認めること、Bミャンマーを含むすべての外国人に適用されているヘイトスピ―チ解消法からさらにすすんで罰則のある差別禁止法と人権保障法を制定すること。

多くのミャンマー人が参加

要請行動には多くのミャンマー人が参加した。日本に来て7年目になる在日ミャンマー人は、民主化闘争に参加していた弟が身辺に危険が迫ったことを知り、オーストラリアにむけて出国する日の前夜、自宅が国軍に襲撃され頭部を銃弾で打ち抜かれて死亡したという。また北海道からわざわざ参加したという在日ミャンマー人もいた。
在日ミャンマー人たちの民主化への思いに応えていける運動をさらにつくりあげていくことは日本人の側の大きな課題であることを痛感した。(三船二郎)

3面

柏崎刈羽原発6号機を再起動
この暴挙を許すな 2月9日
寺田理

2月9日、東京電力は柏崎刈羽原発(新潟県)6号機をふたたび起動させた。この暴挙を弾劾する。6号機は、制御棒をめぐる異変、トラブルが頻発しており、問題は解決していないままである。
2025年6月以降、立て続けに何度もトラブルが起きている。昨年6月30日、制御棒の引抜きに使う電動機が正常に作動せず、8月25日、制御棒の引抜きができないトラブル。今年になってからは1月14日、制御棒の引き抜き時に警報が鳴るトラブル、1月17日には制御棒の引抜きを防ぐ警報が鳴らないトラブル。そのため、当初20日に再起動と発表していたが、急遽延期し21日に再起動となった。
ところが、その再起動のわずか5時間30分後に制御棒のトラブルが発生し、運転を停止した。23日未明、起動から29時間後に原子炉は冷温停止した。
そして、今回2月9日の再起動である。東電はインバーターの設定を「検知しない」に切り替えて、再起動したのだ。東電は「インバーターの検知機能は不要」といなおっている。
東電は2023年にすべての制御棒のインバーター(電力変換器、モーターの回転速度を変える装置)を交換していた。原子力規制庁は「インバーターの設定にずれがあった。モーターが始動するときに電流の乱れが生じて、これを異常と感知して、警報が鳴った」と報告している。つまり「検知しない」に設定を切り替えれば、異常があっても警報は鳴らない。
このような技術的トラブルは、いたるところで発生している。これからも発生する。今回の事故を「インバーターの設定ミス」ですましてはならない。東京電力は、原子炉の安全性を抜本的に検証するべきだ。

なぜ再稼働を急ぐのか

東京電力は新たな経営再建計画(第5次再建計画)をつくり、これが政府に承認された。2023年地点で、事故処理費用は23・4兆円(賠償9・2兆円、廃炉8・0兆円、除染4・0兆円、中間貯蔵施設2・2兆円)になっている。廃炉費用はさらにふくらむ。このうち、東電は16兆円を返済する必要がある。
東京電力は、毎年5千億円を返済する計画になっている。このため、柏崎刈羽原発を稼働させて、1基あたり1年間に1千億円の収益改善効果を見込んでいる。
政府は、第7次エネルギー基本計画で、「原子力を最大限活用する」方針を打ち出している。東京電力は実質的に「国有化」されている。経済産業省(資源エネルギー庁)は、この株を売却して、除染費にあてる計画だ。

再稼働ありきの姿勢

東京電力は安全性を無視し、原発再稼働を急いでいる。その結果、今回の事態がおきた。安全性を軽視する東京電力は、原発を動かす資格も技術力もない。
規制基準は「安全性」を保証するものではない。そのことは規制委員会委員長が何度も明言している。「規制基準に適合=安全」ではない。
安全性が保たれていない。今回の「制御棒トラブル」は、このことを示している。東京電力は原子炉を稼働させてはならない。
東京電力福島第一原発事故は、地震と津波の問題を突き出した。ひとたび原発事故をおこせば、生業が破壊され、土地に人が住めなくなる。この現実を突き出している。
浜岡原発で基準地震動の捏造事件が発覚した。データを捏造しなければ規制基準をクリアできない。規制基準は「絵にかいた餅」であることを指し示した。
時を同じくして、柏崎刈羽原発で「燃料棒トラブル」がおきた。原発の安全神話は崩壊している。新潟県民は柏崎刈羽原発の再稼働に反対している。それにもかかわらず、東電と政府は無謀にも6号機を稼働させた。人々の命と生活は軽視され、原発の稼働だけが優先されている。
東電福島第一原発事故の原因は、今も解明されていない。その東京電力に原発を運転する「適格性」はない。東京電力は柏崎刈羽原発を停止し、廃炉にするべきだ。
東京電力と政府・資源エネルギー庁に怒りの声をあげよう。原発に依存しない社会を実現しよう。

「しょうがいしゃ2025大フォーラム」報告(下)
関東「障害者」解放委員会 前田昇

宮古島の自立生活センター代表からは、政府が「台湾有事」の備えとして、避難計画を進めていることについて、危機感が表明された。「畜産農家からは『財産の牛や豚を捨てろと言うのか』。『畜産農家にとって牛などの家畜は生活の糧であり、築いてきた財産だ』と反発の声が挙がっています」、「島が攻撃を受けてしまえば、住む家さえもなくなってしまう事も、現在起こっている。ウクライナやパレスチナの戦争をみればわかります」、「私自身、避難時や避難先での生活には不安でしかありません。そして今現在、日常の生活にヘルパーがいなければ生活できない、しょうがいしゃや身体の不自由な高齢者は特に大変だと思います。医療的ケアを受けているかたの在宅や施設・病院からの避難も簡単なものではないでしょう」。
第2次大戦時には、島が攻撃され、避難から取り残されるしょうがいしゃがいたことも語り継がれている。そして、この島には、ハンセン病施設「南静園」があるが、戦時中には、栄養失調からハンセン病患者が増加し、この施設に強制隔離された。「脱走すると木刀で叩き、気を失えば水をかけ更に木刀で殴るといった蛮行を繰り返し『あんたが死んでも、死にましたと書いた葉書を一枚送れば済むことなんだ』と言いながら殴打したり、園の巡視の中には『国の米食い虫』と言うものさえいて人間扱いされていなかった」と語った。挙句の果てに日本軍は、この施設の入所者を追い出し、占拠したのだった。この島の人々に、またもや塗炭の苦しみを強いようとしている日本政府への強い怒りを覚えた。

世界の変革を

2026年1月3日、アメリカのトランプ政権は、ベネズエラへの侵略をおこない、グリーンランドの領有への野心をさらけ出し、むき出しの帝国主義者としての本性を示した。これにより、ますます各国の軍事力増強が推し進められ、社会保障は切り捨てられて行くだろう。トランプは、現在の1・6倍の軍事予算を議会に要求している。
他方、アメリカの市民は、政府の移民排斥に対して体を張って闘っており、また各国での反戦闘争も強まってきた。日本でも、11月におこなわれた〈障害児を普通学校へ全国連絡会〉の大会には、各地から212人が結集し、12月の日弁連人権大会では、「ともに学び・育つインクルーシブ教育及びともに生きるインクルーシブ社会の実現を求める決議」が採択された。
12月4日に、国連の「しょうがいしゃ」権利委員会のキム・ミヨン委員長がおこなった日本での講演では、国連の人権理事会が高齢者の権利条約策定に向けての検討を開始したこと、「2025グローバル『しょうがいしゃ』サミット」において、「人口の15%を占める『しょうがいしゃ』を基準に、国際開発・ODA・社会開発財源の最低15%を障害インクルージョンに配分すべき」ことを宣言したことを語り、「わたしは死ぬまで闘い続ける」との決意を表明した。こうした日本と世界の人々と連帯し、世界の変革を実現しよう。(おわり)

(闘争案内)

第10回狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西
とき:2月23日(月休)午後1時 ※午後4時半 パレード(JR新今宮駅近くまで)
ところ:西成区民センターホール(大阪市西成区)
主催:狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西実行委員会

ストップ!長射程ミサイル・弾薬庫 健軍駐屯地を平和の輪でつなごう!2026
とき:2月23日(月休)午後1時〜3時
ところ:健軍本町公園(熊本市東区健軍本町)
主催:ストップ! 長射程ミサイル・県民の会

ウクライナ侵略4年 JR大阪駅前スタンディング>
とき:2月24日(火)午後6時〜7時
ところ:JR大阪駅東南側バスターミナル(人民広場)
呼びかけ:「しないさせない!戦争協力」関西ネットワークなど5団体
賛同:おおさか総がかり行動実行委員会

三菱・防衛省は長射程ミサイルを作るな!配備するな!3・7小牧集会
とき:3月7日(土)午後1時半 ※デモ出発 午後4時15分
ところ:学び創造館あさひホールラピオ5階(名鉄「小牧駅」西口より歩5分)
主催:三菱・防衛省は長射程ミサイル作るな!配備するな!3・7小牧集会実行委員会

とめよう原発!3・7全国集会〜フクシマ原発事故から15年〜
とき:3月7日(土)午後1時 ※午後2時半 パレード出発
ところ:代々木公園B地区(ケヤキ並木・野外ステージ)
主催:3・7脱原発全国集会実行委員会

バイバイ原発 3・7 きょうと
とき:3月7日(土)午後2時
ところ:円山公園音楽堂
主催:バイバイ原発きょうと実行委員会

さよなら原発関西アクション2026
とき:3月8日(日)午後2時 ※デモ出発 午後3時50分
ところ:中之島公園女性像前
主 催:さよなら原発関西アクション実行委員会



4面

日本の朝鮮植民地支配がもたらした朝鮮人の原爆被害
12月14日大阪

昨年12月14日、「『救援関西』発足34年の集い」が大阪市内でおこなわれた。主催は、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西。〈韓国の原爆被害者を救援する市民の会〉会長の市場淳子さんが、「日本の朝鮮植民地支配がもたらした朝鮮人(朝鮮半島出身者の総称)の原爆被害」というテーマで講演した。その講演要旨を報告する。

■市場淳子さん講演■

韓国では、1967年に韓国原爆被害者協会(68年に社団法人)が誕生した。こうして、賠償請求運動が本格的にはじまった。今日まで50年間、韓国の被爆者は生き延びるために闘ってきた。これに連帯して、日本で1971年に〈韓国の原爆被害者を救援する市民の会〉が結成された。
植民地支配の結果、在日朝鮮人は広島と長崎で被爆させられた。韓国の被爆者は日本政府に謝罪と賠償を求めている。しかし、今日まで実現していない。

なぜ、韓国に原爆被害者が存在するのか

韓国の原爆被害者の数は約7万人で、このうち約4万人が爆死している(下表を参照)。朝鮮人被爆者が、被爆者総数の約10%も占めている。しかし、朝鮮人被爆者にたいして、日本政府は一度も調査していない。
1931年以降、広島県下の朝鮮人はぐんぐん増加している。朝鮮半島では植民地支配のために農業が破壊され、日本に渡航をよぎなくされた。1939年には強制連行もはじまり、44年には徴兵や徴用が朝鮮人にも適用された。広島では、陜川から移り住んだ人が多かった。日本が朝鮮を植民地支配していなければ、日本に移り住むことはなかった。
当時、広島は軍都であった。ここに三菱などの軍需工場があった。仕事をもとめてやってきた人もいれば、強制的に動員された人もいる。広島にやってきた朝鮮人は植民地支配の結果なのだ。

韓国被爆者の闘い

1965年、日韓条約が締結された。このとき、韓国原爆被害者協会は謝罪と賠償を要求した。しかし、日本政府は「日韓請求権協定で、すべての賠償問題は解決ずみ」という対応を繰り返した。なお、韓国政府は日韓条約の交渉過程にかかわる全文書を公開(2005年)しているが、この過程で、原爆被害者問題はいっさい扱われていない。
1970年、在韓被爆者の孫振斗さんの闘いがはじまる。孫さんは、日本で生まれ育ち、広島の工場で働いており、ここで被爆した。その後、孫さんは外登証の不保持で捕まり、日本語しか話せないのに強制送還される。原爆症を発病したが、韓国では十分な治療を受けられなかった。
当時、日本に住んでいない被爆者には原爆手帳は交付されていなかった。孫さんは原爆症を治療するために日本に密航してきて、密航罪で逮捕される。1972年、孫さんは「日本人として被爆させられたのだから、原爆手帳を交付せよ」と獄中から裁判をおこした。 

1978年、孫振斗さんの闘いは最高裁で勝利した。原爆医療法(当時)は韓国被爆者にも適用されることになった。この反動として、1980年に厚生省(当時)が「受忍論」を打ち出した。
孫さんの闘いによって、「渡日治療」がおこなわれるようになった。「渡日治療」は349人(1980〜86年)に実施された。治療手当は日本に滞在する間だけしか支給されない。日本国民として動員して被爆させられた。だから、日本人と同等に、補償されなければならない。

1990年代の闘い

韓国では1987年に「民主化宣言」がおこなわれ、韓国社会はおおきく変わった。当時、韓国に被爆者が約2万人存在していた。1991年に、金学順さんが日本軍「慰安婦」として名のりをあげた。以降、韓国社会の目が植民地のもとで被害を受けた人びとにもむけられるようになった。
1990年、日韓首脳会談がおこなわれた。このなかで、@サハリン残留朝鮮人、A原爆被害者、B在日朝鮮人2・3世問題、この3つのテーマが協議された。「協会」は治療費として2百億円を要求していた。しかし、日本人被爆者に1400億円の治療費を出していながら、日本政府は韓国人には1回限りの一時金として40億円しか提示しなかった。韓国被爆者は「日本人と同等に補償せよ」と叫び、金額の問題があらそわれた。
このとき、李孟姫さんがソウルの日本大使館前で自殺をはかっている(一命はとりとめた)。のちに、李さんは「わたしが死んでも、残る人びとが日本の取り組みで補償されるように願って、自殺をおこなった。わたしが死ぬ場所として、ここがよいと思った」と語っている。

2000年以降の闘い

日本政府は402号通達で「国内にいる被爆者にかぎられる」としていた。1998年、郭貴勲さんが「被爆者援護法裁判」を大阪地裁に提訴した。郭さんは裁判で「この通達は違法だ」と主張した。
2002年、大阪高裁判決は「被爆者はどこにいても被爆者である」として、郭さんは勝利した。日本政府は控訴を断念し、この判決が確定する。こうして、2015年までにすべての行政訴訟で勝利した。
2016年から、海外に住む被爆者にも援護法が適用されるようになった。しかし、今日でも、朝鮮民主主義人民共和国に住む被爆者には適用されていない。

「徴用工」をめぐる裁判

強制労働にたいする補償を求めて、1995年に長崎と広島の元「徴用工」は三菱重工を相手に裁判をおこした。このとき、三菱の経営者は「これは一企業の問題ではなく、いかんともしがたい」と述べている。日本での裁判は敗訴した。
2018年、韓国の大法院は元「徴用工」被害者の訴えを認め、日本の加害企業(三菱重工)に賠償判決を出した。日本政府が「指導」をして、日本企業は賠償を拒否した。 2023年、尹錫悦大統領(当時)は「第三者弁済」方式を採用し、原告の家族を切り崩していった。こうして、尹政権は日本政府と日本企業の責任を免罪した。これをもって、日本政府は「日韓関係が良好になった」と言っている。

これからの闘い

植民地支配によって、人間の尊厳が失われた。しかし、日本政府は植民地支配を謝罪していない。今後、〈市民の会〉はこのことを問題にしていきたい。これからの闘いとして、次のような課題が残っている。
□〈韓国原爆被害者協会〉の闘い
@韓国人原爆被害者支援特別法(2016年制定)には2、3世の補償は書かれていない。2、3世問題が残されている。
A2027年に原爆被害者記念館が韓国で造られる。今年、この工事がはじまる。
B日本政府とアメリカ政府にたいして、謝罪と賠償を求めていく。この一環として、2026年にニューヨークで民衆法廷がおこなわれる。

□〈市民の会〉の闘い
C朝鮮民主主義人民共和国に住む被爆者にたいして、日本政府は医療補償をおこなっていない。私たちは、すべての朝鮮人被爆者にたいする治療を日本政府に要求していく。
D「市民の会」は、韓国の大法院判決を無視しつづける三菱重工と日本製鉄にたいして、本社前で街頭行動をおこなっている。これからも「賠償金を支払え」と訴えていく。
E植民地支配と人間の尊厳を訴えていく。日本政府は「日韓請求権協定ですべて解決ずみ」との主張を変えていない。これを批判していく。

(闘争案内2)

International Womyns' Day 女性のエンパワメントと政治
とき:3月8日(日)午後2時
ところ:ドーンセンター5F大会議室(大阪市中央区)
主催:ウーマンズパレード実行委員会

福島事故から15年のつどい 終わらないフクシマ
とき:3月8日(日)午後1時半〜4時15分
ところ:兵庫県加古川総合庁舎1F・講座研修室
主催:脱原発はりまアクション

反戦・反排外 御堂筋1000人デモ
とき:3月20日(金休)午後3時半 ※午後4時 デモスタート
ところ:堀江公園(大阪市西区)
主催:反戦・反排外 御堂筋1000人デモ実行委員会

「どうなる?どうする?外交・防衛政策と沖縄」
とき:3月21日(土)午後1時50分~3時45分
講演と対談:高良沙哉さん・飯島滋明さん
ところ:エルシアター(エルおおさか2F)
主催:とめよう戦争への道・めざそうアジアの平和2026春 関西のつどい実行委員会

福島からあなたに伝えたいこと〜国・東電に奪われた いのち・ふるさと・くらし・そして尊厳〜
お話:武藤類子さん、末田一秀さん
とき:3月22日(日)午後2時〜4時 ※集会後、デモ
ところ:兵庫県学校厚生会館3F大会議室
主催:脱原発兵庫ネットワーク

パレスチナ土地の日 連帯集会&デモ
とき:3月29日(日)午後3時 ※御堂筋デモ出発 午後4時10分
ところ:新阿波座公園(大阪市西区)
主催:関西ガザ緊急アクション

3・29芝山現地闘争
とき:3月29日(日)
ところ:芝山現地
主催:三里塚芝山連合空港反対同盟



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5面

破産した万博から維新壊滅へ(下)
総選挙・市長・知事選で都構想狙う
剛田力

海外パビリオンの解体工事が本格化するのはこれから。解体業者74社でつくる大阪府解体工事業協会は閉会前の9月26日、万博協会に適切な業者選定や契約を求める上申書を提出。府解体工事業協会は「未払い問題は大きな不安要素」と訴えている。解体工事ではパビリオンという形も残らないのでそのまま逃げて、支払われない懸念がある。

W カジノ

万博は麻酔

万博は「楽しんだ」人たちにとっても、不満、不安から目をそらす麻酔に過ぎなかった。
閉幕し、麻酔が切れると「万博ロス」に陥るのは、イベントが成功していないという証拠だ。暗い未来ばかりを想起させられる世相に、だから手っ取り早く盛り上がれるイベントに飛びついた。会期中におこなわれた参院選では「日本人ファースト」をキャッチコピーに参政党が躍進した。現実生活の苦しみ、不安感の原因を外国人に転嫁する動きだ。石毛事務総長は「多様でありながら、世界は一つというメッセージを送ることができた」と強調するが、万博の最中に、排外主義的な動きが強まるのは、皮肉というだけではすまされない。

「大阪万博は壮大な失敗だった 維新デマを許さずカジノをとめよう」集会に300人(12月12日 大阪市)

維新は「カジノによる成長」を次の「麻酔」にしようともくろむ。

万博の目的もカジノ準備にあった。カジノ・IRは2030年秋ごろに開業する予定で、2025年4月に施設の工事が始まった。スロットマシンなどの電子ゲーム約6400台やポーカーなどのテーブルゲーム約470台を置き、年5200億円の売り上げの約8割(4200億円)をカジノが稼ぐ想定になっている。府市はIRの開業後、カジノの入場料や事業者からの納付金で年1060億円の税収増を見込む。
@維新は「カジノに税金は1円も使わない」と繰り返してきたが、公費負担は膨らむ。現地は軟弱地盤の人工島で、条件が厳しく万博でも会場整備費が当初見込みの2倍弱の2350億円に達した。IR用地でも市が788億円を負担するが、地盤沈下の対策費は含まれていない。さらに膨らむ可能性がある。強固な地盤まで届く杭(80mとも推定)を打ち込む地盤改良工事が不可欠で、その費用788億円を大阪市が負担する。しかし、そこに地盤沈下対策は含まれてない。昨年9月発表建築物整備費は1兆1285億円となり、5月9日時点の整備計画で示した費用から約3200億円増加している。
Aカジノは一定の率で必ずギャンブル依存症を発症させる(海外研究で0・4%〜2%程度)。本人だけでなく家族と地域社会全体に大きな不幸や損害を与える。そのようなカジノ事業に大阪府や大阪市という地方自治体が莫大な予算と市職員をつぎ込んで、市有地である夢洲にカジノ施設を建設すること自体あってはならない。
B大阪IRについて3市民グループによる計6件の訴訟が提起されている。IR カジノ住民訴訟はすべて、大阪市とIR株式会社との土地の賃貸借契約および使用貸借契約(無償で物を借りて後に返還する契約。賃貸借との違いは賃料等の対価を払うかどうか)をめぐって争われている。IR株式会社と大阪市とのIR用地の賃貸借関係は、賃料を不当に安くする、更にその上でIR株式会社ができるだけ賃料を払わなくてもよいように取り計らう、という2段構えになっている。夢洲のカジノ用地と万博用地に電気を供給する関西電力の変電所用地は大阪市の鑑定で33万円/uなのに、隣のカジノ用地は土地価格を12万円/uと計算して賃料を安くしている。
共同訴訟も含む住民のたたかいで、IR事業計画を廃止に追い込もう。

X あがく維新

高市の軍門に下る

@維新の会は、大阪でカジノIRを成功させるのが至上命題だ。「時の政権に協力する見返りに大阪に利益誘導をする」というのが維新のやり方だ。維新が閣外協力することを関西財界は歓迎した。関西財界は、そろってMGM大阪に出資している。これ以上地元財界で資金負担をする余裕はない。ポスト万博プロジェクトは国にお金の面倒を見て欲しいのだ。国の協力なしにカジノは実現しない。
他の政策に多少の違いがあっても、カジノIRが開業予定の2030年までは、維新が自民との協力関係を破棄することはないだろう。
A吉村が、臨時国会で定数削減法案を提出したが審議すらされなかったと怒りを示すのは、ポーズに過ぎない。高市は自維合意文書にある議員定数は「(文書記載されたとおり)『目指す』というだけです。しかも、あの法案のかけられる委員会の委員長は野党。そんなもの今年中に通るはずありません。自民党の議員で今年通ると思ってる人は1人もいませんよ」との趣旨の発言をした。維新は臨時国会で企業団体献金禁止する法案を、定数削減を持ち出してきて潰したのだ。

あくどい国保逃れ

@離党が相次いでいる。除名処分を受けて衆院会派「改革の会」を結成した3議員が、自民党会派に入った。和歌山の林佑美衆院議員(比例近畿ブロック)が10月に、離党した。地方議員の離党も続いている。
議員定数削減を「身を切る改革」というが、維新で離党や不祥事が相次ぐ原因は、「身を切る改革」のでたらめにある。
A「国保逃れ」はその実態をあからさまにした。維新に所属する兵庫県内の地方議員4人が同一の社団法人の理事を務め、「国保逃れ」をしていたことが発覚。しかも、この手口を宣伝して勧誘している、悪質な「一般社団法人」の代表理事が、維新の衆院議員の元公設秘書だった。これとほぼ同じ事案が、東京維新でも発覚した。
個人事業主などは国民健康保険や国民年金に加入することになっており、保険料は全額「自己負担」である。歳費や議員報酬を主たる収入とする国会議員や地方議員も、これに該当する。
ところが、個人事業主でも法人などからの収入があるなどすれば、会社員と同じように健康保険に加入することができる。維新の議員はこの制度を悪用し、意図的に法人役員の報酬を低く設定することで健康保険料を最低水準に抑えてきた。それも組織的にやってきたのだ。保険料の苦しみは尋常でない。そんな民衆の心を踏みにじる議員が維新にわんさといたことがついに暴かれた。
維新は、約8百人の特別党員のうち45・3%が社会保険に加入していたと発表し、6人を除名処分した。日本維新の会のなかで組織ぐるみ「国保逃れ」が常態化していたのだ。維新の国保逃れは根深く、あくどい。
@「社団法人」の代表は日本維新の会の衆議院議員の元秘書で、兵庫県議選にも立候補した。
A国保逃れ方法を維新の議員が利用し、勧誘に「維新の議員も多数利用しているから問題はない」と宣伝されていた。
B東京でも日本維新の会の元区議が、法人を運営し、その手口を維新議員らのLINEグループで宣伝して勧誘している。
Cそもそもこれらの「社団法人」が保険料を減らすことを目的に設立されたのだ。
B維新は「社会保険改革」を掲げてきた。吉村は「身を切る改革をやり、あまりにも大きい社会保険の負担を下げる」とうそぶいてきた。しかし維新府政下で、大阪の保険料は全国最高水準となっており、さらに値上げするとしている。維新府政は全国に先駆けて2024年度に国保料を府全体で「完全統一」し、市町村独自の減免や財政支援の解消を強制してきた。

府市ダブル首長選

国保逃れ問題隠ぺいのために吉村が打ち出したのが府市ダブル首長選だ。維新内の意思一致もおこなわず、吉村の独断で強行した。あがきの最たるものだ。「都構想に3度目の挑戦をするため」というが、維新大阪市議団ですら総会で反対決議し、国会議員団は総会出席者約40人のうち約25人が反対し、賛成は数人にとどまった。このため1月15日の、辞職と知事・市長の出直しダブル選表明の記者会見は、予定時刻より1時間40分遅れて始まる体たらくだった。
主要政党は対立候補をたてない。ダブル首長選で2人が再選される結果に終われば、任期が切れる来年4月に選挙を再びおこなわなければならない。

軍事費最優先の政治

高市と維新は新自由主義では一致している。巨額の献金をおこなう大企業と富裕層だけが潤い、貧富の格差は拡大していく一方で、日本を戦争に導く政策は、ますます加速する。高市・吉村トップ会談では、「日本版CIA」とされる「国家情報局」創設の推進などが合意された。原子力潜水艦の保有や殺傷兵器の輸出解禁に向けた両党の協議も進み、軍事費増額にも前のめりだ。どんどん戦争準備に走り、軍事費最優先の政治が続く。
またぞろ出てきた「都構想」を粉砕し、選挙でも追い詰め維新を人民の力で解体に追いやるたたかいが今こそ求められている。(おわり)

6面

世界が黙殺を続ける虐殺
パレスチナ・ガザ 奈良で講演会
2月1日

2月1日、奈良市内で「パレスチナ学習会・奈良」がおこなわれた。
主催は〈パレスチナ・集い視る〉。ジャーナリストの藤原亮司さん(ジャパンプレス所属)が「ガザ侵攻、世界が黙殺を続ける7万人超の虐殺」というテーマで講演した。メディアでは報道されていない内容の講演だった。藤原さんの講演の一部分をここに紹介する。

〈藤原亮司さんの講演〉

ガザの現実

2023年10月、イスラエルがガザ空爆を始めて以降、ガザではすでに7万5千人以上が殺されている。メディアは「イスラエルとパレスチナの戦争」といったりするるが、これは誤りだ。1948年に土地を奪われた人びとの抵抗運動が続いている。
ハマースが襲撃した場所は、もともとイスラエルの入植地であった。イスラエルは緩衝地帯をつくり、1977年からシオニストが入植をはじめた。ここにすむ住民は「屯田兵」だった。こんな事実が、すっかり忘れさられている。
昨年10月から、にせの「停戦」がはじまった。これ以降も5百人以上が殺されており、けっして停戦ではありえない。ガザからパレスチナ人を追放してしまう。これがイスラエルの狙いなのだ。住んでいる人たちが「自発的に出ていった」という形をつくり、そこをイスラエルのものにしている。
ガザが封鎖されて20年以上もたち、産業がなくなってしまった。報道では、失業率は30〜40%になっているが、私がガザを取材した2014年ころ、実感として失業率は70〜80%だった。行政は失業者に仕事をあたえ、おたがいに分け合って1日2〜3時間の労働をしている。こういう人びとは失業者統計に入っていないので、失業率は実際より低くなっている。
2002年頃、ガザはだれでも入れた。2004年から、イスラエル政府の発行するプレス・カードが必要になり、一般のジャーナリストはほとんど入れなくなった。
ここ1年、イスラエルはパレスチナ人をガザから追放するために、政策的に「飢餓」をつくりだしている。食料配布地にパレスチナ人を集め、そこを銃撃している。パレスチナ人はガザ人道財団(GHF)にひとりも参加していない。
援助物質の小麦粉を手に入れることができたとしても、ガザには燃料がないので、料理ができない。ひとかかえのマキが40ドルもする。このように、ガザで生きることが抵抗なのだ。
ハマースは「イスラム抵抗運動」の略称だ。ハマースには、@政治部門、A社会福祉部門、B軍事部門(カッサーム旅団)がある。ハマース全員が武装組織のメンバーではない。ところが、西欧諸国はハマース全体を「テロ集団」に指定して、「ハマースはみんな悪い奴ら」に作り上げている。

イスラエルという国

私は、イスラエルも取材してきた。イスラエルのユダヤ人にとって、イスラエルは民主的でたいへん住みやすい国だ。しかし、パレスチナにたいして、何をやってもよいのだ。イスラエルでも、反戦デモがおこなわれている。しかし、これは「パレスチナ人を殺すな」というデモではない。
イスラエルの政治家は「自分たちはホロコーストを経験したのだから、自衛権がある」と言っている。しかし、イスラエル国内で、ホロコースト体験者は「逃げてきた弱い者」として差別されている。自分たちの都合にあわせて使い分けている。
イスラエルにもアラブ人(20%)が住んでいる。彼らは2級市民として差別されている。かつて、パレスチナ人はイスラエルに働きにきており、交流があった。しかし、今はなくなっている。イスラエルに住むユダヤ人は、パレスチナ人の存在を知らないし、また知ろうとしない。

日本も他人ごとではない

能登半島地震で、水道管が破裂した。この時、イスラエル企業が衛星写真を使って、壊れた個所をさがした。ガザの地下トンネルを見つけるために、この技術を開発した。この軍事技術が民間に使われている。今では、水道水の漏水を見つけるために、全国の地方自治体が、この企業と契約している。
日本政府はパレスチナ政府にさまざまな「人道支援」をおこなっている。例えば、道路工事を請負い、パレスチナ人を雇用している。道路はユダヤ人専用道路であり、パレスチナ人を分断するために利用される。政府、経済界にたいして、わたしたちは抗議の声をあげるべきだ。

私たちは何をするべきか

イスラエルは海外からの「援助」という形でカネを出させて、占領をつづけている。これが「オスロ合意」なのだ。パレスチナ「自治」政府の公務員は、援助物資を自分たちで分けあって、焼け太っている。パレスチナ「自治」政府は、イスラエルのかいらい政権になりさがっている。 
イスラエルはパレスチナ人を虐殺して、人間の尊厳を奪っている。将来の人生設計を自分で決めることができない。パレスチナの若者たちは、このような状態においやられている。私たちもここに加担している。このことをしっかり認識したい。ガザに連帯するために、この現実をみつめていこう。

〈昭和100年〉を撃つ!A
「皇紀2600年」祝賀キャンペーンの裏側

太平洋戦争突入の前年1940年に、神武天皇が即位してから2600年を迎えたとして、「皇紀2600年」を祝賀する行事が国を挙げて繰り広げられた。「紀元は2600年、嗚呼1億の胸は鳴る」などという歌が作られるなど、国民の愛国心と対外侵略をあおる一大キャンペーンであった。
そのころ中学(旧制)に通っていた次兄が、「神武天皇から数えて2600年というのはおかしい。百何十歳も生きた天皇が何人も存在したことになるが、それは絶対にありえない」と指摘した。次兄は御多分にもれず軍国少年であったが、合理主義者の一面もあった。ハナ垂れの軍国ガキだった私は兄を尊敬していたので、その説を率直に受け入れた。
当時は国民学校(小学校のこと)3年生になると、実在しなかった神武天皇をはじめ歴代天皇の名をすべて暗唱することが義務づけられていた。私は嘘っぱちの話を暗唱させられるのが嫌で、それ以来何事につけ暗記することを敬遠するようになった。
ところが幸いにも3年生になった1945年の春、教室が兵舎に変わり、生徒は「分散教育」とやらで村内の神社や寺に分けられて、午前中だけ女子青年団員が世話をするようになった。通常の授業はおこなわれず、歴代天皇の名を暗唱するどころではなくなってホッとした。その年の夏休み中に、日本は敗戦を迎えた。
私は歴史にたいする興味を人一倍抱いていたが、その後も一貫して暗記には拒否反応をし続けた。世間一般は歴史の学課を暗記モノとしているが、私は「鳴くよウグイス平安京」とか「いい国創ろう鎌倉幕府」などというナンセンスな歴史教育とは無縁であった。そんな歴史教育が社会の変化やその背景についての正しい見方を身につけるうえで、クソの役に立たないことは言うまでもない。
NHKをはじめ歴史を扱ったTV番組が目立つ。「大河ドラマは歴史の勉強になる」などという人もいるようだ。しかしドラマでもドキュメントでも歴史番組の主人公は、ほとんど支配階級に属する人物である。このようにして、歴史は英雄たちによって作られる≠ニいう考え方が人びとの頭の中にインプットされていく。
数年前に新設された静岡市歴史博物館の展示物のメインは、今川義元と徳川家康である。私の友人らの努力でようやく、ステンドグラス作りの名人など職人たちの優れた業績を伝えるコーナーが申し訳程度に設けられた。
搾取され収奪され抑圧され、生きていくために抵抗した民衆の営みを中心にした本物の歴史を発掘して継承していくためには、私たち自身が努力するしかない。そこから初めて教訓を共有し、支配者どもへの憎しみと闘う勇気が湧いてくるのである。
大庭伸介

神戸港の軍事使用に反対する討論集会
ねらわれる天然の良港
12月14日

会場にはいりきれない人も(12月14日)

昨年12月14日神戸市内で、「神戸港の軍事使用に反対する討論集会」が開かれ主催者の予想を超え70人の参加があった。立ち見が出て、レジメも無くなるなど嬉しい悲鳴。
まず、粟原富夫神戸市議が「非核神戸方式の今」と題して次のように語った。非核神戸方式の節目の今年3月24日、米国艦船ウオーリア号の非核証明書無しでの入港に触れながら、12月市議会で非核神戸方式の尊重について一般質問したと報告した。その核保有能力のある米艦船が今年中に入港することにとの情報がある。非核証明には外務省の証明では不十分で入港許可には非核証明が必要。トランプ政権が海洋発射型核巡航ミサイルを艦船に配備する動きがある中、非核証明書を提出させることが重要」と指摘した。これに対して、神戸市からは「非核決議を尊重し、個別艦船の非核確認を行い、港湾管理者として港湾法に基づく管理を行う」との答弁がされた。粟原神戸市議は、今後は特定利用港湾など港湾法の自治体管理権限を、国が制限する動きが強まる中で、更に踏み込んで商業港としての神戸港を軍事使用させない段階まで高めていく必要がある、と訴えた。
続いて司会から、神戸港の川崎重工業と三菱重工神戸造船所で原子力潜水艦が造られる話がある。高市政権は新世代エネルギー活用と言ってるが、これはハードルが非常に高い。原子炉の危険性と1桁多い膨大な費用が掛かるからだ。しかし油断せず、注視して行こうと述べた。また東灘区の住民は、「祝園弾薬庫から長距離ミサイルを海上自衛隊阪神基地隊に運び、南西諸島に運搬されようとしている」、その時は大きな闘争をしましょう、と語った。
休憩の後、小橋かおるさんが〈ベテランズフォーピース・平和を求める元軍人の会〉の活動報告と、10月に粟原神戸市議と面談したケムさんからのメッセージとバナーを紹介した。バナーには英語で「私たちの自治権を尊重して」と書かれていた。最後に、陸自伊丹千僧駐屯地に250回も申し入れ行動をしている梶原義行さんの報告もあった。
まとめとして主催者は、3月には米国艦船が入港する、しないにかかわらず大きな集会を開催したいと提案した。(大北健三)

港神戸を戦争に使うな!3・15布施祐仁講演会
とき:3月15日(日)午後2時
ところ:神戸市教育会館6Fホール
主催:3・15布施祐仁講演会実行委員会



7面

投稿
大分、無人駅裁判に参加して
障害者の移動の自由阻害

大分でおこなわれてきた「JR駅無人化反対訴訟」(被告・JR九州)は、昨年末の12月25日最終意見陳述を迎えた。この日は、原告代理人・弁護士の徳田靖之さんと、原告の釘宮好美さんが最終意見陳述をそれぞれ15分おこなった。

徳田弁護士が意見陳述

徳田弁護士の意見陳述では、訴訟の当初、JR九州は原告の障碍者を前にして、「赤字が20億円もあり、ご不自由をおかけするが、ご理解ください」と言っていた。
ところが、財政状態を良く吟味すると、民営化したときに公的援助として3800億円、その後も莫大な黒字財政のもと、年間100億円を超す株主配当や役員報酬がおこなわれているのである。このことについて、徳田弁護士は「これは背任にあたりますよ」と報告会で述べていた。
この事実を突きつけると、被告は早々に主張を翻し、「赤字対策ではない。将来的な鉄道ネットワークの維持のため」とあいまいな主張に転換したのです。被告は、意図的に私たちを騙してきたのです。
被告のような大企業、しかも鉄道という公共交通機関の事業を担い、そのために莫大な公的援助まで受けているという立場にある大企業によっておこなわれたということこそが本件駅無人化の本質と明確に突き出しています。
次に徳田意見書は、1点、津久見駅で起きた視覚障害1級女性のホーム転落事故を、転落事故として認めようとせず、原因究明もその後の転落予防対策も何らおこなおうとしない被告の姿勢は、駅無人化を推進しようとするがために、被害を受けた女性の命の尊厳を冒涜する行為であり、その姿勢は、駅無人化計画の説明会において、平然と原告の方々を欺瞞した行為と同質の行為だということと津久見事故のみならず駅無人化計画を推し進めようとする姿勢が同質の冒涜であると、被告を厳しく断罪しました。
そして、ネット上で原告たちに浴びせられている「わがままだ」「JR九州は営利を目的とする企業なのだ」「駅無人化はやむを得ない」などの主張を取り上げたうえで、憲法判断を、裁判官に求めた。憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される」と規定している。この条項にいうすべての国民には、障碍者は入るのでしょうか、と突きつけた。
「平等原則を規定した憲法14条も、障害や疾病は、差別してはならない事例としては上がってきません。」
本件で私たちが請求の根拠として依拠している、「障害者差別解消法」が全面施行されたのは、平成28年(2016年)4月1日です。私たちの国の、障害のある人たちの人間としての尊厳回復は、これほどまでに後回しにされてきたのです。
その意味で、本件訴訟において問われているのは、障害のある人たちが個人として尊重されることを、日本国憲法13条は保証しているのだということを、司法の名において、明らかにすることを通して、憲法の復権を図ることだと、私は思います。
原告の訴えを「わがまま」と批判する人たちの認識は、こうした私たちの国の、障害のある人たちを憲法の保障から除外し続けた諸施策に起因していることが明らかだからです。
判決にあたって、裁判官の皆さんには、ぜひとも、この点を深く認識していただきたい、と意見陳述を締めくくった。

原告が意見陳述

次におこなわれた原告・釘宮さんの意見陳述を紹介します。釘宮さんは、まず事故が起きた津久見駅の事から陳述を始めました。
津久見駅は、ホーム上にはホームドアはなく、ホームから転落した際にホームの下に逃げ込める避難スペースも設置されていません。線路からホームまでは高さ1メートル余りあるため、自力でホームに上がることはできません。点字ブロックは設置されていますが、視覚障碍者が「これ以上先に進んではいけない」ことを示す内方線付き点状ブロックの設置は一部にとどまっています。
また、ホームには録画機能の付いていない監視用のビデオカメラが設置されていますが、無人化によって、駅員がカメラを確認することがなくなったため、だれもホームでの重大事故に気付くことができなくなりました。さらに、侵入禁止エリアはありますが、だれでも簡単に侵入できるようになっています。視覚障害の方であれば、フェンスの存在に気付かず、容易に侵入してしまう構造です。
かくも危険な津久見駅を無人化したこと自体恐ろしいことですが、2022年12月に転落死亡事故は起きてしまいました。
それまでの被告は、張り紙で注意喚起しているというだけで、それらは視覚障碍者には意味を持たないと何度訴えても、耳を貸そうとしませんでした。このことをきっかけに、私は企業としての安全対策の必要性を再認識し、無人化拡大方針を改めてくれるだろうと思っていました。 
しかしながら、被告の対応は真逆でした。津久見駅事故について、被告は、駅員がいても防げなかったため、無人化が原因で発生した事故とは認められない、といった見解を明らかにしたのです。これは言い方を変えれば、視覚障碍者は駅員がいてもホームから転落するのだから、どうしたって救いようがないと言っているのと同じです。公共交通機関として信じがたい発言です。視覚障碍者は、いつホームから落ちて命を落としても仕方のないことなのでしょうか? 統計によれば、障碍者のホームからの転落は、直近の10年間で平均74・4件も発生しています。この74人の犠牲になった方々は仕方のない命なのでしょうか?
また、被告は、転落した被害者の方に対して、自殺の可能性を示しました。もし今後、私が無人駅で万が一にも転落してしまったら、きっと私の事も自殺として片付けられるのでしょう。
被告は人命を軽視して、すべてを障碍者のせいにする、挙句の果てには経営難を理由に今後も何も対策をしないと、堂々と宣言する企業です。
それから、裁判官の皆さんにも言いたいことがあります。駅のホームを歩くとき、足の裏に全神経を集中させ、毎回、命がけで歩いています。音声案内を聞くことまではできません。私は、こうした実情を、裁判官の皆さんにも判ってもらいたいと、切に願ってきました。裁判官にはアイマスクをしてホームを歩いてもらいたかったのです。ですが、それは実現しませんでした。 
そうであるならば、裁判官の皆さんには、せめて想像していただきたいのです。駅という構造ほど危険である場所はありません。ホームは高く、下り階段がある場合が多く、一つ間違えれば転落し、命を落とす危険のある構造物です。 
これは明らかに私たち障碍者の移動の自由を阻害していると思います。目が見える人は、目をつぶって歩けと言われたら、たとえ平坦な道でも恐怖が襲い、10秒も目を閉じていられないのではないでしょうか? それを私たちは、駅のホームでやっているのです。目が見えないからと言って、恐怖に慣れることなどありません。どれだけ恐ろしいことなのか、想像力をフルに働かせて、私たちの恐怖を理解していただきたいのです。
私は、この裁判で、私たちの主張が間違っていないと認めてほしいのです。いつ、なんどき、誰かが障碍を持ってしまったとしても、「あの裁判があったおかげで社会は優しく温かい」、そういってもらえるように、原告としての私には、使命があると考えています。
司法はどう考えますか? この裁判は、私たちの命と未来がかかっています。私は絶対にあきらめません。これからも声を上げ続けたいと思っています。

判決は4月23日

二人の意見陳述の要旨は、このようだったと思います。
判決は、26年4月23日、15時からとなっています。全国から大分にはせ参じて、勝利判決をみまもりましょう。(新川幸雄)

8面

衆院選各地で奮闘
厳しい結果 戦線再構築の必要

1月23日解散、27日公示、2月8日投開票の総選挙は、高市奇襲攻撃により中道(立憲・公明連合)の惨敗、左派・リベラルの失速、自民・維新が3分2以上を占める結果となった。『未来』紙上で支援を表明した各候補は奮闘したものの厳しい結果となった。しかしながら各候補は、高市の消費税減税・物価値下げのうやむや化、安保3文書先取り改悪・憲法9条改悪攻撃に対し、直ちに新たな戦線を構築し闘う決意を固めている。

長谷川ういこ 兵庫8区(尼崎市)

木村英子さんとトーク(2月1日 尼崎市)
木村英子さんを迎え60人が集まる(2月1日 尼崎市)

小選挙区で初めて立候補の長谷川ういこさん(れいわ新選組)は解散が報じられるや成人式街宣から直ちに闘いに突入した。
事務所を構えた三和商店街は典型的な尼崎の下町。ここから連日尼崎の各ターミナル・団地などにでかけ訴えを展開。
2月2日の公開討論会では自民党候補・維新候補を激しく弾劾するとともに、返す刀で安保法制を容認した中道候補も切った。個人演説会では木村英子参議院議員の支援を受け、障害者運動先進地の尼崎により密着していくことを宣言。
最終日は阪神尼崎から三和商店街まで丸尾まき県会議員とともに練り歩き。商店街が活発な尼崎がますます好きにと訴えた。
結果は1万210票だったが、超短期の「落下傘候補」が多くのボランティアに支えられ獲得したこの数は確実に次につながることを確信した。

つじ恵 愛知15区(豊橋市・田原市)

個人演説会で力強く訴えるつじ恵さん

愛知15区(豊橋市・田原市)で2度目の挑戦となったつじ恵さん(れいわ新選組)。日頃から政治活動を持続していたとはいえ弁護士業もあり、突然の解散・総選挙=高市奇襲に全力で闘った。
出発式は事務所前にある口の字型歩道橋。その後は連日豊橋市・田原市の隅々まで回る作戦。途中豊橋市出身の哲学者・西谷修さんの支援を受け、最後は政治学者・白井聡さんがマイクを握った。
投票結果は9835票。前回に比し少なかったとはいえ、れいわ全体の落ち込みと比し大健闘。選挙後2週間でただちに新たな戦闘宣言を発する集会を開く。高市の憲法改悪・軍事大国化の悪行には、引き続き弁護士として政治家として闘う決意をみなぎらせている。
















西尾けいご 大阪9区(茨木市・箕面市・豊能町・能勢町)

最終日、候補者と支援の市議らが勢揃い(2月7日 茨木市)

大阪9区(茨木・箕面・豊能・能勢)で闘った西尾けいごさん(社民党)は、27歳の若手活動家。沖縄の遺骨収集問題から活動を始め、社民党の議員秘書などもやり、今回急遽立候補。
この地域には多くの市民派市議・町議がおり、この支援を受けて広い9区をくまなく疾走。社民党存亡の危機に立ち向かった。
結果は落選ながら新人として3万493票を取る大健闘。今後の護憲・反戦運動の旗手としての活躍が期待される。

〈投稿〉
『福音派 終末論に引き裂かれるアメリカ社会』(加藤喜之・著)を読む

実存主義という言葉に、美的、倫理的、宗教的と冠して考えることは、それほど無駄なことではない。それぞれの範疇に、弁証法的な支配と競争があり、またそれを横断する空間の反転する延長がありうる。キリスト教国家というレヴェルの現状報告でもあり、その歴史が簡明に描かれている本といえる。この三つの相貌の通過点としての政治家として、トランプが出現すること、それは、いかなる次元においても、政治から解放されることはないという証言かもしれない。
マルクスは、宗教はアヘンと言ったが、現在に至るまで、麻薬も宗教も無視できるレヴェルにない。天皇制と言い、創価学会といい、あいまいな日本の思想風土を過去のものとしない。テキストは伝わらず放置され、あいまいさだけが支配する。あいまいさは、密教とは縁もゆかりもないと思う。仏教や神道は、書かれた文字表現について、小学校からきちんとおそわらない。なむあみだぶつが、ネパールでは、ナーモアーマンダブッダーガヤであることを伝える僧侶はすくない。50音表記法が、中国仏典を読むための発音記号だったこともきちんと教えない。中国や朝鮮からの渡来人なしに古代の文化はなかったともいえなくはない。署名の意味が軽んじられる由縁ではないか。現代の政治犯罪では、政治家の言葉の隠蔽、証拠隠滅も盛んだ。
また宗教とくれば、日本人ほど、お札を信じている国民はいない。権力体制の崩壊が、貨幣体系を破壊するとき、今日の千円が明日、5百円の価値しかなくなる、百円の価値となれば恐慌だろう。昨日はラーメンが5百円で食べられたが、今日は千円を超すのが、現代。左翼ならば、物神化すなわち貨幣制度の宗教問題ではなくグローバル経済の問題として、置きなおすことができるが、貨幣価値が大きく揺らいでいることは、消費税だけの問題ではない。極右化しても意味がない。
「資本論」最終巻のエンゲルスの補遺には、イギリスの株式市場が、アフリカを破壊し、ヨーロッパの帝国主義者のものにされたと書かれている。新しい植民地主義がトランプの海外への干渉を拡大し、その背後にある力は、原子力であり、半導体という疾走するテクノロジーが核心にあることもわすれてはならない。
キリスト教の3位一体(父と子と聖霊)が、資本主義が主流となる近代では、市民、資本、自我の三位一体となり、この三角形から出ている人々には、生きる未来を算段することができない。こちらの事情はそうだとして、安保条約国のアメリカのキリスト教福音派とはなにかを伝える人は以外に少ない。これが、トランプ大統領を生む支持母体のひとつであるときいても、どんな宗派なのか、まともに語れる人は少ない。アメリカ大陸における白人勢力のアイデンティティだけでは現代アメリカは救われない。いよいよ、アメリカ・トランプ政権は、日本にGDP比5%の軍事費を要求しそうだ。宗教的実存主義となれば、理知の世界にはおさまらない。
トランプ大統領を生む「福音派」とはなにものか、この本は、アメリカ社会のキリスト教福音派をつまびらかに教えてくれる。たとえば、パレスチナ問題。(つづく)(南方史郎)

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