1面
米帝のベネズエラ侵略弾劾
中国敵視・トランプ支持の高市許すな
関生元旦闘争に450人
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| 恒例の元旦行動。今年は450人が結集(1月1日大阪市) |
26年階級闘争は1月3日の米帝トランプによるベネズエラへの軍事攻撃・マドゥロ大統領拉致で始まった。世界の警察官の地位を失って久しく、25年12月の国家安全保障戦略では「他は放棄するから西半球には手を出すな」と宣言し、8月から準備した政権転覆・「斬首作戦」を強行した。麻薬汚染を口実に埋蔵量世界一の石油を略奪し、暫定政権も屈伏させ、今後はアメリカがベネズエラを運営するという。更にコロンビア・グリーンランドにも食指を伸ばしている。武力による現状変更はロシア・プーチンのウクライナ侵攻と同じだ。多くの国がトランプを批判したが、高市政権はトランプの蛮行に一切触れない。中国は批判する高市のダブルスタンダードを許すな。今こそトランプ・高市弾劾の闘いに起とう。
1月1日10時から大阪府警本部前で関生弾圧に抗議する元旦行動が450人の結集でおこなわれた。集会冒頭、大阪府警本部に対するシュプレヒコールで開始された。
大阪府警は不当弾圧をやめろ! 大阪府警は法律を守れ! 大阪府警は憲法を守れ! 大阪府警は労働問題に介入するな! 検察・警察による労働運動弾圧を許さないぞ! 労働運動つぶしを許さないぞ! 検察・警察による事件づくりを許さないぞ! 警察は無罪になったメンバーに謝罪しろ! われわれは最後の最後まで闘うぞ! 労働組合は闘うぞ! 労働者・市民は連帯して闘うぞ! 完全勝利するまで闘うぞ! 団結してがんばろう! 勝利するぞ!
主催者あいさつ
最初に全港湾大阪支部の小林勝彦委員長が主催者あいさつ。小林さんは、最初の2019年には200人が集まり、昨年は500人が集まった。われわれ闘う労働組合がもう一度原点にもどっておかしなことにはおかしいという運動をやっていきたい、こういう闘いが力を生む、そういった元旦行動にこれからもしていきたいと決意を語った。
関生支部が決意表明
関生支部・湯川裕司委員長は、現状をふりかえり、弾圧を打ち破りながら資本とたたかって組織拡大していくという大方針を語った。
@弾圧を打ち破りつつある。昨年2025年は、加茂生コンの吉田組合員の無罪が維持されたり、私も全然不本意ですけれども、一部無罪で懲役3年・執行猶予5年というような形になりました。納得しているわけではありませんが、なんとか、かろうじて、みんなが無事外に出て活動ができる環境ができたというふうに思います。
今年は、京都地裁での無罪判決に対して検察が控訴してきたので、控訴審の争いになっていきます。滋賀の1次、2次事件の上告審、加茂生コン事件の上告審というような争いになっていきます。裁判闘争を基本にしながら抗議デモもおこないながら弾圧に勝利していきたいと思います。
A弾圧と闘いながら資本家との闘いに重心を移していく。資本家との闘いが本来の労働組合の闘いであり、今後、この領域に関しても、ますます力を入れていきたいと考えています。大阪広域協との闘いでは、去年、江坂生コンで組合を公然化しました。これは解雇事案ですけども、ようやく大阪広域協に組織ができました。これからも、ひとつひとつ組織拡大をして闘っていきたいと思います。
権力弾圧の背景にいるのが大阪広域協などの資本家です。だから権力弾圧だけで物事を見るのではなくて、弾圧を打ち破りつつ、弾圧の背景にいる資本家との闘いをおこないながら、組織拡大していくことが重要になってきています。
B弾圧をうちやぶりながら組織拡大を。今、日本はどんどん右傾化しており、わけのわからん人たちがたくさん保守を名乗っています。これに乗っかっている企業は大阪広域協も含めて一般企業でもいっぱいあります。こういう企業ではセクハラ、パワハラ、不当労働行為、解雇、こんなことが乱発されています。私たちはこれらをしっかりひろいあげて組織拡大をめざすことが大切です。弾圧がはじまって丸8年になりますが、組織拡大をしながら産業別労働組合をしっかり根付かせる闘いを前年に増してこれからも取り組んでいきたいと思います。
支援団体・連帯アピール
反弾圧京滋実行委員会、労働組合つぶしを許さない兵庫の会、関生弾圧を許さない東海の会からあいさつがあった。
大石あきこ衆議院議員は「裁かれるべきは警察であり、自民と維新が悪魔合体した高市政権です。1月23日から通常国会が始まります。私は憲法審査会の委員になっていますが、そこで改憲攻撃に徹底的にあらがっていきます。労働者、生活者のみなさんといっしょにたたかってこの社会を変えていきましょう。高市政権にデッドボールを当てていきたい」と決意を語った。
大椿ゆうこ前参議院議員は、「関生弾圧は関生だけの問題ではありません。労働3権が私たちから奪われるかもしれないという、働く人たちの問題なのです。関生弾圧は三井、国鉄とならぶ国家的不当労働行為だと弾劾される日が必ずくると思います。長い闘いが続いていますが、みなさん、今年もがんばりましょう。私も国会に戻って、バッチバチにこの関生問題を取り上げることができるよう頑張りたいと思います。みなさん、いっしょにがんばりましょう」。
朝鮮総連大阪府本部は「日本は危険な曲がり角を曲がり切ったのではないかという実感があります。高市政権はこの閉塞状態を戦争に一気にもっていこうとしています。その口実として、中国が攻めてくる、朝鮮が攻めてくる、ロシアが攻めてくるとして社会全体を戦争にむかってもっていこうとしています。その一環として関生をはじめ、たたかう労働組合を徹底的に弾圧する、朝鮮総連をはじめ、平和を求める団体を、徹底的に弾圧してきています。今、日本ではいろんなレベルでこれらとの闘いがおこなわれていますが、それらは今、バラバラなんです。力を結集していく闘いこそが今の現状を打開していく力になります。みなさん、この社会を変えていくために力をあわせて闘っていきましょう」。
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| 米帝のベネズエラへの軍事攻撃に対し1月4日から各地で弾劾行動。写真はアメリカ領事館前(1月6日 大阪市) |
各労組から発言
全港湾神戸支部、港合同、なかまユニオン、北大阪ユニオンがあいさつ。〈法円坂55〉による替え歌とインターナショナル斉唱があり、最後に連帯アピールとして、老朽原発うごかすな! 実行委員会・木原壯林さん、米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会の滝川順朗さんがアピールした。
<2面
2026年『未来』新年アピールT 25年総括(下)
軍事大国化、生活破壊へ突進
反戦・反基地、反原発、生活防衛の共同闘争を
(W)新次元に入った排外主義との闘い
2025年階級闘争で、旧来にもまして重要な位置をもったのは、差別・排外主義との闘いであった。これまでも日本社会では帝国主義の人民分断・差別支配の要として差別・排外主義扇動が、古くは関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺、長きにわたる部落差別攻撃と水平社以来の部落解放闘争、昨今では在特会やヘイト集団のヘイト攻撃との闘いが続けられてきた。
ここ10数年のヘイト攻撃では、24年からは選挙戦・街頭宣伝として公然となされてきた。特に24年の東京都議選・兵庫県知事選ではSNSを使ってのフェイク・デマ攻撃が一挙に拡大。いわば道端にガソリンをまき、マッチを擦る輩が登場したのだ。その典型の立花孝志はフェイクと犬笛で襲撃を繰り返し兵庫県知事選を勝利に導いた。参政党は歴史修正主義と人権否定集団だが、没落日本のルサンチマンを「日本人ファースト」でくすぐり選挙戦を展開した。外国人居留区に押しかけ、大都市の演説には数千人が群り、それをスマホで拡散した。結果参政党はそれまでの極小勢力が、野党第一党を争う立憲・国民と同程度に並び、参議院で15の議席を占めた。
この参政党の躍進は自民党をも揺さぶり、石破自民党の元では岩盤右派が参政党に流れたとし、それを取り戻すには高市しかないと、宗教右派や岩盤右派が自民党総裁選に決起した。これまで排外主義・ヘイト集団は少数派であったが、25年参議院選を通じて国政政党として、また自民党総裁選を左右するポジションを得た。
参政党的排外主義は外国人だけでなく、女性=ジェンダーや障害者やLGBTQなどに対する社会的差別と結合し、しかも事実に基づかないフェイク・デマと「犬笛」を駆使し、社会の全分野に及んだ。高市が首相になるや「高市がガラスの天井を打ち破って首相になったことをフェミニストはなぜ喜ばない」との「批判」をたれ流している。
この分野での既成政党の屈伏は恐るべきものがある。左派内部でも、立花孝志=N国や参政党に街頭で対決するカウンター行動を忌避する言動も多々ある。「あのような闘い方は支持を狭める」「無視するのが一番」とか。だが1920年代30年代、ナチスを無視することが有効だったのか。街頭制圧戦や地域社会での闘いを有効かつ戦略的に組み立てることが、今改めて問われている。
反グローバリズムと差別排外主義を扇動する輩には、インターナショナリズムと社会主義の道を照射し、彼らの土壌を消滅させねばならない。この攻撃の中での一歩の屈伏は、高支持率高市政権の大軍拡予算・軍事大国化への全面屈伏となる。いわば「尊王攘夷」と富国強兵と関東大震災での朝鮮人・中国人大虐殺が、アジア・太平洋侵略戦争となり、日本自体も破滅したことを「昭和100年」の真実として指し示さねばならない。高市自民党・ネット右翼・維新・参政党・保守党らあらゆる差別・排外主義者どもの跳梁・跋扈と闘おう。またこの攻撃に声をあげている、ジャーナリスト・TVコメンテーター、研究者たちと連帯し、ともに闘い抜いていこう。
その上で差別・排外主義との地域・日常的闘いを全分野で広げていこう。@狭山・部落解放闘争は、25年3月11日、「再審未だならず」の中、石川一雄さんの無念の死を迎えた。この悔しさを早智子さんの第4次再審請求審の継続で闘おう。再審法改正には法務省・自民党反動派が群っている。「狭山市民の会」の闘い−狭山キャラバン−2・23集会(西成区民センター)の闘いの高揚を実現しよう。また差別・貧困が襲いかかる被差別部落での生活防衛・差別糾弾闘争と連帯していこう。
A障害者解放闘争は「自分たちのことを勝手に決めるな」と「大フォーラム運動」を先頭に、地域で日常的に闘い抜かれている。その中で参議院選挙では木村英子さん(れいわ新選組)が12万票を超える得票で2期目の当選を勝ち取った。この闘いの中に未来がある。国民民主党らの安楽死攻撃を許さず、またろうあ者の闘いと手話運動の意義を学び、ともに闘っていこう。
B女性解放闘争はヘイト集団が絶えずジェンダーフリー・フェミニズムへの攻撃を繰り返し、政権は「天の半分」を占める女性を取り込み分断する攻撃を繰り返してきた。また左派運動内部でも女性差別の横行を突破するに至っていない。フェミニズムに対するバックラッシュ攻撃と対峙し、人民分断・差別支配を打ち破る女性解放闘争を、3・8国際女性デーを始め各種行動で共に闘いぬいていこう。
C沖縄への差別的な基地強化攻撃・米兵による性暴力の頻発は、人民分断支配で軍事大国化・「再びの沖縄戦」を強要する攻撃である。総括の軸をなす安保・沖縄闘争を全力で闘うとともに、琉球の人々・在日本の出身者の自己決定権行使に応える闘いを発展させていこう。
D日本資本主義の没落の中で、東京・大都市一極集中が進み、地方の衰退が激しい。この中で農業・林業・水産業が激しく切り捨てられ、限界集落が続出している。戦後一貫した自民党「猫の目」行政は、今回のコメ問題でも、前農相と現農相の方針が180度違い、農民の疲弊は進む一方だ。自然相手で自然との共生の中に未来を求める営為は、地産地消的地域社会づくりと政治・政策が結合すれば再生可能だ。大資本優先攻撃と大規模農業化とも闘い抜いていこう。60年に及ぶ三里塚闘争はこれまで幾多の人々が人生をかけて闘い抜いてきた。今また新滑走路建設を狙い、市東さん・萩原さんらの営農を破壊せんとする攻撃。これに対し新たな闘いの輪を創り出そう。「来るもの拒まず」の戦闘的共同闘争を守り発展させていこう。
Eアイヌ民族の闘いに思いをはせ連帯していこう。
(X)戦争に反対する国際主義的連帯闘争
2022年2・24以降のロシアの軍事侵攻に対するウクライナ人民の闘いは、「トランプの和平=領土の割譲」の困難を強いられているが、ウクライナ人民の民族解放の闘いは不滅である。4年目の2・24を闘おう。
2023年10・7を契機とするパレスチナ人民の闘い・ガザジェノサイドへの怒りは、アメリカ・ヨーロッパ各地をはじめ全世界で持続している。全世界の反戦闘争がイスラエル・ネタニヤフ政権を追い詰めている。ジェノサイドに対する怒りは全国各地でも連綿と継続している。この中に排外主義を打ち破る国際主義的連帯闘争の芽がある。パレスチナ人民の闘いにどこまでも連帯していこう。
西半球は米帝のものとする12月国家安全保障戦略のもと、1月3日トランプによるベネズエラの石油資源強奪の軍事行動が強行された。空爆と特殊部隊を使っての「斬首作戦」で、人民的離反があろうと独立国の大統領を拉致し他国で裁判にかける権利などどこにもない。プーチン以上の犯罪行為だ。
ミャンマー人民と国軍との闘いも粘り強く続いている。クーデタで政権を掌握した国軍を支えているのは麻生太郎自民党副総理ら日本の政治家・政権と中国政府だ。彼らの支援なしには国軍は存続できない。さらに朝鮮・韓国・台湾・フィリピン・インドネシア・アジア人民を米帝トランプと一体で抑圧しているのは日本政府だ。在日アジア人民・全世界人民と連帯し、排外主義を打ち破る国際主義を闘い取ろう。
(Y)青年・学生・女性を先頭に社会主義をめざす闘いを
(1)青年・学生・女性を先頭とする闘い
@資本主義が歴史的生命力を失い、破産と自滅と凶暴な戦争・勢力圏化に訴える過程に入った。経済的困窮・戦争・民族抑圧を解決できない国連や「国際社会」への批判も拡大している。すべての地域で、最も困窮を強制される女性や青年・学生が全世界でたちあがっている。また女性は雇用・賃金での差別、家庭内労働・子育て過程でも困難を強いられている。女性首相の誕生はこの分野の改革を促すものではなく、逆に「働いて、働いて、働きまくる」ことを強制されるものでしかない。青年層は非正規雇用増大で就職率が改善された(安倍政権時代)とし、手取りが増えるかのように演出される(高市政権)が、根本的なところで改善されるわけではない。労働組合や自治組織に結集し、資本家・大学当局と闘い抜くことによってのみ改善もなされる。この領域において革命的左翼は青年・学生・女性と連帯・共闘しなくてはならない。
2023年以降の国大法攻撃・儲かる大学・卓越大学の攻撃は、大学・学生を資本と軍事研究のしもべにしようとしている。東大・一橋大・山口大をはじめとする国立大学の学費値上げは20%を超え、もはや「安価に学べる国立大」など存在しなくなりつつある。私立大学でも少子化の中で生き残りをかけての延命策のため、学費値上げ、「儲からない大学」の廃校、民主主義的な建学理念の廃棄などが続いている。学生大衆の学ぶ権利をはく奪し、資本の人材育成のみをめざす当局・資本家たちを許してはならない。学生大衆・親からの収奪を大学生と一体となってはね返すべく、給付型奨学金の大幅拡大・低額の学生寮の維持などを学生の自立的・自発的決起で勝ち取り、次世代をもつなぐ運動を継続させ、最終的には教育無償化、大学の学生・教員による自治を目指していこう。
A学生の自立的・自発的決起の条件が充満しているにもかかわらず、自己の党派の利害に沿った運動以外認めない革共同全国委=『前進』派の学生運動指導が歴史的破産をきたした。25年9月矢嶋全学連委員長らの反乱・決起だ。『前進』派は一定の学生の決起を組織してきたが、その指導は個別大学の現実にはかみ込まず、最終的には「トランプの中国侵略戦争反対」に絞る自党派の同心円拡大運動であった。その指導の破産と「女性差別事件」を契機に闘う学生を排除した。また10・12三里塚闘争に対して「テロル的恫喝」を加え、結果10・12闘争は中止となった。「謝罪と自己批判」を表明したが、自己の政治的言動が及ぼす社会的意味を考えられない大国主義的言動でしかない。また12・5米国家安全保障戦略では「西半球支配を第一」にしている(「ドンロー主義」)にもかかわらず、前進派は言説の一貫性として「対中国戦争第一」を強要している。『前進』派から決別した学生や、大学内部の闘いと政治闘争の結合をめざす学生決起とつながろう。
(2)希望は社会主義
@トランプのアメリカを先頭に反動の嵐が吹き荒れる時代が終わり始め、社会主義や地域主権を掲げた勢力が着実に拡大しつつある。希望は、腐敗した最末期資本主義の打倒と、自由・平等・相互扶助の社会主義の中にある。
社会主義の実現は政治権力を奪取し、資本主義的生産様式を多数派の行為として廃絶する中にある。生産手段の社会的共有をすすめ、公共交通、住宅、教育、高速道路・水道・医療や通信も含め社会的インフラは無償に。財源は富裕層の高額納税、GAFAなどから徹底収奪、生産手段の社会的所有から協働・平等の社会運営力を身に着けていくことだ。
A究極的には戦争と貧困=低賃金と失業に逢着する帝国主義を打倒し、侵略戦争には民族解放・革命戦争・自決権の行使を。帝国主義国人民は自国帝国主義の打倒を闘いとろう。帝国主義軍隊を解体し、「人民に銃を向けるな・兵士は人民の仲間」を掲げて革命的反軍闘争を闘おう。
核と人類は共存できないこと、核兵器廃絶、原発ゼロを目指し、自然エネルギーを活用していこう。あらゆる差別・抑圧からの解放を、解放主体を基礎に据え、闘いを前進させよう。子どもの意見表明権を承認し、諸権利を共に闘い取ろう。
B議会での闘いと革命的大衆闘争の結合を図ろう。政治的変革は絶えず大衆闘争・大衆の要求と一体で実現しなくてはならない。選挙と一体の社会運動を全社会・全領域に構築し、高市政権に屈伏する既成政党を弾劾し左派政党の再生を図ろう。更に司法・検察・警察権力の横暴を許さず、スパイ防止法の制定を阻止しよう。
(Z)共闘の拡大と地区党を軸とした未来派の闘い
(1)戦争・貧困と闘う戦闘的共同闘争を
高市政権の軍事大国化・核武装・原発推進・差別排外主義や、トランプ政権の戦争攻撃に、危機感を持ち立ち上がる人々が続出している。これらの人々は階級の仲間である。既成政党の屈伏と、22年安保3文書に十分に闘えなかった我々も、昨年以来の新たな闘いの開始の中で多くの人々と邂逅する日々だ。共同闘争の積み上げと、選挙戦での野党候補の押上げも闘い取ろう。
その際に我々は革共同の負の責任も明白にしたい。新左翼の行き過ぎた党派闘争への自省である。一つは67年10・8闘争前夜の社青同解放派へのリンチで、今一つは83年3・8分裂を契機とする第4インターへのテロの行使だ。ここには政治の軍事への優位が失われ、政治的窮地を軍事で打開する誤った思考がある。革命的左翼内の党派闘争・理論闘争は必要だが、他党派への打撃こそ自己の優位とするカクマル流の思考から我々も自由ではなかった。
カクマルとの闘いは1968年6・15日比谷(他党派解体のための党派闘争路線)、69年11月後(権力弾圧と一体で革命派を襲う)、71年12・4反革命から92年カクマル分裂(本体と動労の分裂、松崎派の勝利)に至るまでは「内ゲバ」ではない。だが対カクマル戦争を反ファシズム解放闘争=全人民闘争にできなかった責任は我々にある。それとも一体で「党」に対する忌避感を生み出し、「党は害毒」とする無党派主義・サークル主義発生の責任も革共同にあった。
(2)地区党活動は全人民決起のカギ
革共同の原点で、67年10・8羽田闘争以来の新左翼運動を創り出した根拠は62年のカクマルとの決別をもかけた3全総にあった。職場における闘い・統一戦線の駆使などを地区党建設で止揚していく。職場・地域の闘いと密着した機関紙活動で階級全体の前進に責任を取る闘いだ。
『未来』はその今日的役割を担い、昭和百年、戦後80年の歴史的節目に、戦争・貧困と闘う人民の進むべき道を示したい。高市に声をあげている人々と連携し、紙面改革をおこない、ネット戦略にも挑戦し、宣伝扇動の大改革を実現していく。個別・具体の闘いに執着し、階級的共同闘争で搾取と抑圧の根源としての帝国主義を打倒し、社会主義・共産主義をめざしていこう。
これらの課題はこの1年で高市を打倒できるかにかかっている。2026年を革共同の歴史的総括の上に、未来派として全面出発を実現しよう。ともに闘わん。(おわり)
3面
投稿
関生弾圧を許さない
今年も大阪府警本部前で行動
労働組合と運動の組織化が弾圧への回答
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| アピールする東海の会 |
〈労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会〉主催の元旦行動は、産別労組や地域労組、基地や原発に反対する市民団体、外国人等の人権を守るために闘う団体などの450人の仲間が大阪府警本部前に結集しました。
右傾化の下で労働組合の組織化を
集会は司会の大阪教育合同・酒井さとえさんの挨拶、大阪全労協の南守さんのシュプレヒコールで始まりました。
主催者を代表して全港湾大阪支部・小林勝彦委員長が発言、「2百人から始まった元旦行動も8回目、5百人が集うような場になった。たくさんの種類のビラが配られている。闘う仲間が集まって新年を始める場となっている」と行動の意義を語りました。
関生支部・湯川祐司委員長は「昨年は一部無罪判決が出て、納得できない内容もあるが、関生支部が外で活動できる環境はできた。裁判は大津1次2次事件の上告審、加茂生コン事件の上告審、京都事件の控訴審を大衆的に闘うことを継続していく。昨年は大阪広域生コン協組内で江坂生コンの公然化を実現した。政治が右傾化しているのに伴って使用者側も右傾化し、そのような会社ではセクハラ・パワハラ・解雇・不当労働行為が乱発される。これらの課題を拾い上げて労働組合に組織化し、産業別労働運動を再建していく」と決意を語りました。
反弾圧京滋実行委員会の稲村守代表は昨年2月の京都事件完全無罪と11月の湯川委員長の実刑のくびきを打ち砕いた勝利の意義を語り、治安維持法制定から101年、1月18日に京都で講演集会を開催することを報告しました。兵庫の会からは兵庫ユニオンの細川さんが発言、地域の労組が結集して運動を続けてきた中で、関生支部の大浜資材の争議に連帯した行動を始めることが報告されました。〈関生弾圧を許さない東海の会〉柿山朗事務局長は7年の活動・月1回の街宣を通して関生弾圧の不当性が徐々に社会に浸透しつつある手応えを報告しました(写真上)。11月18日の大津1次事件の判決はまるで中身がなく、これが現在の司法の限界を示しているとし、運動を続けることが大切であるとしました。
労働者の側に立つ議員が必要だ
毎年この元旦行動に参加しているれいわ新選組の大石あきこ衆議院議員は警察・検察が取り調べで「関生を削る」と発言しているがこれが弾圧の本質だとしました。維新と「悪魔合体」した高市政権に対して、憲法審査会の委員となった自分はこれからも執拗に闘っていくと決意を語りました。
社民党副党首・大椿ゆうこ前参議院議員は、昨年の選挙では関生支部組合員の顔が浮かび何としても当選したかったが残念だった。国会で関生弾圧を取り上げる議員が2人しかいないのは大問題だ、労働者、労働組合と一緒にたたかう議員は絶対に必要だとしました。
朝鮮総連からも連帯
朝鮮総連大阪府本部からは、「台湾有事発言など、日本は危険な曲がり角を曲がったと感じられる。口実として中国・朝鮮・ロシアを仮想敵とし、闘う労組の委員長を逮捕する。力を合わせて闘うしかない」と熱い呼びかけがありました。
全港湾神戸支部の役員は「労組弾圧は労働者への弾圧」と指摘。反弾圧実行委の会計担当をつとめる港合同・中村委員長がカンパアピール。なかまユニオン井手窪啓一さんは「裁判をたたかいつつ労組を組織化することが本当の勝利だ」と指摘しました。
北大阪ユニオンの組合員でもある木村真・豊中市議は、反資本主義を鮮明化することの重要性、また、福祉職場を例にユニオンに持ち込まれる案件が社会の矛盾を反映していると指摘しました。サポートユニオンwith youのコールでシュプレヒコールをおこない、恒例のグループ法円坂55による歌と演奏がありました。
反原発・反基地運動から
老朽原発うごかすな! 実行委員会・木原壯林さんは、原発依存社会への右旋回を弾劾し、日本は自然エネルギーで自足することをめざすべきだとしました。原発に反対する集会に毎回参加する関生支部役員を紹介、「昨年は裁判闘争の前進と、関生支部組合員が運動に来られるようになり、再生の第一歩の年となったように思う」と述べました。
米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会の瀧川順朗さんは「文民統制」など関係なく日米合同訓練がおこなわれている実態を暴露し、他方、西日本各地で基地強化に反対する住民の運動が拡大していることを報告しました。大阪全労協・南さんのまとめと、きょうとユニオン・服部恭子さんのシュプレヒコールで集会を終えました。
関生弾圧に反対する元旦行動が、労組や住民運動の連帯を深める場になっていることはとても意義深いことです。(報告・愛知連帯ユニオン)
4面
高市核武装方針粉砕を
非核三原則破壊許すな
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| 核戦争の危機に多くの人が広島に(8月6日 広島) |
T高市政権がもくろむ核武装
(1)高市首相は10月24日の所信表明演説で、安保3文書を26年末までに改定すると明言した。新たな3文書から、非核三原則を削除することをもくろんでいる。
日本政府は、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」とした非核三原則を、国是としてきた。1971年、当時の佐藤首相が、安保・沖縄闘争に追い詰められて非核三原則の順守を盛り込んだ決議が国会に提出し採択された。以降、歴代政権もこれを「堅持する」として継承してきた。
12月18日には、首相官邸幹部が、個人的見解と断りつつ、「日本は核兵器を保有すべきだ」と述べた。後日それは高市首相に対し安全保障政策などについて意見具申をする立場にある尾上定正総理大臣補佐官であることがわかった。
高市は「守るべき政策だ」と強調するが、政策というのは、「日本にとって何かを達成するために必要であれば、変更することはあり得る」ということだ。
(2)防衛大臣の小泉が昨年11月の民放番組で原子力潜水艦導入の必要性に言及した。防衛相が原子力潜水艦の保有について具体的に言及したのは初めてだ。
小泉は「原子力を自衛隊の艦艇の推進力として利用することは、憲法上は禁止されるものではないと認識している。非核三原則は、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず、という政策上の方針なので、船舶の推進力として原子力を利用することを禁止するものではないと認識している」と明言した。
高市も自衛隊の原子力潜水艦導入の可能性に関して、「あらゆる選択肢を排除せず、抑止力・対処力向上に必要な方策を検討していく」と述べた。首相が代表的な攻撃用兵器である原潜導入を示唆したのだ。
10月20日には、自民党は保守性向の日本維新の会と「次世代の動力を活用したVLS (垂直発射装置)搭載潜水艦の保有に係る政策を推進する」という内容が含まれた連立政権合意書を交換していた。
原潜は代表的な攻撃兵器で、日本政府が標榜してきた専守防衛原則を踏みにじる。2022年の敵基地攻撃能力の保有宣言などを通じて、日本の専守防衛原則はすでにかなり損なわれたが、画次元的エスカレートだ。
(3)現在、世界で原潜を持っているのは、アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランス、インドの6カ国、さらにオーストラリアが保有しようとしている。日本が原潜を所有する前には原子力基本法、莫大な費用、人材育成、近隣諸国の反応といった問題が大きく立ちふさがっている。
@55年に原子力基本法が制定された。第2条には「原子力利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする」と書かれている。
A原潜は通常型に比べて桁違いの建造費が必要となる。米最新鋭の攻撃原潜は1隻当たり約3500億〜4千億円と推定されている。さらに、日本が初めて原潜を建造する場合、設計開発費や原子炉関連施設の建設費を含めると、1番艦は総額1兆円を超える可能性すら計算されている。アメリカ海軍のものを超える。現実的には攻撃原潜のバージニア級が想定されるが、低コストを意識して設計されたバージニア級でも、建造には約4千億〜6千億円が必要。国産の最新型の高性能ディーゼル潜水艦『たいげい型』は8百億円で建造が可能だから桁が全く違う。さらに、維持整備や運用経費がかかる。米原潜の年間運用費は約5千億円とされている。1隻が出航して任務にあたり、帰港して乗組員が休養を取る、整備中の原潜とのローテーションや部品ストックのため、常時1隻を運用する、のサイクルを回すためには最低でも4隻が必要になる。運用経費だけで2兆円が必要となる。
B人手不足が深刻な海自の体制自体、見直しが必要で、万が一の放射能漏れに備える原子力工学の専門人材の確保も容易ではない。原子力機関を安全に運用していくためには高度に専門化した乗員や技術者が不可欠である。海上自衛隊にはそのような人材はおらず、新たに教育をおこなう必要がある。10年前から教育を施さなければ安全な運用はできない。
乗員数は約140人、このうち半数以上が何らかの原子炉に関する知識が求められる。少なくとも4隻で3百人近くの教育が必要になる。
C原潜は大出力電力により垂直発射システム(VLS)を多数搭載し、長射程の対地・対艦ミサイル発射・展開する能力も持つ。敵基地攻撃能力そのものだ。
軍事目的に原子力が使われることは許されない。原潜の建造、保有は日本の核武装・戦争国家への画歴史的エスカレーションであり、絶対に許されない。
U核武装許さない被爆者のたたかい
「非核三原則」は、「核つき返還」を拒否する沖縄のたたかいや、核絶対否定の理念でたたかってきた被爆者のたたかい、さらには70年安保沖縄闘争の巨大な爆発が日本政府に強制してきたのだ。
「核と人類は共存できない」「核絶対否定」の理念に込められた思いについて、森瀧市郎さんは、以下のように述べている。森滝さんは「日本被団協」を準備段階から牽引し、初代理事長も務めた。
「軍事利用でも平和利用でも核の開発利用には、常に放射線被害の可能性がからんでいる。ウラン採掘の段階から放射性廃棄物の処理の段階に至るいわゆる核燃料サイクルの全ての段階で、放射線被害の可能性がある。その際に、被害者は多くの場合、弱いものの側に、差別抑圧されているものの側に生ずるのである。核開発利用は、構造的に差別・抑圧の上に成り立っているのである」
被爆者は核廃絶と国家補償を求めたたかった。体験を語り、被害の実相と核兵器の非人道性を告発し続けた。「ふたたび被爆者をつくるな」を合言葉に、核兵器廃絶と原爆被害への国家補償を訴え続けた。被団協は、核軍縮に関する国際会議などに代表者を派遣し、国内外に被爆の実相を伝えているほか、原爆による健康問題の相談事業も実施した。こうした活動が評価され、2025年のノーベル平和賞に日本被団協が選ばれた。
安全保障を担当する首相官邸関係者が「日本は核保有すべきだ」と発言したことに対し、被爆者団体はただちに抗議の声を上げた。
「ふげん」事故
昨年、12月23日午後、福井県敦賀市にある廃炉作業中の「ふげん」(新型転換炉)で、放射性物質トリチウムを含む水約20mlの漏洩が起きた。これは「ふげん」廃炉の構造的破綻を示している。日本国産の「新型転換炉」の原型炉。世界初のプルトニウムを本格的に利用する炉であり、MOX燃料の燃料数も772本と世界最大。
@この作業は「ふげん」からフランスへの使用済み核燃料の搬出(2026年度期限)という、破綻寸前の計画に縛られている。今回の事態は「2040年度廃炉完了」という絶対に遅れられないスケジュールと、フランスへの燃料搬出期限という二重のプレッシャー下、作業を急いだ結果のミスだと考えられる。
A20mlの液体漏洩でも、室内の空気中放射能濃度は急上昇した。しかも配管内の水の残量も明らかにされていない。より深刻な事態の可能性もある。
B原子力推進派は、大失敗に終わった「もんじゅ」に比して、「ふげん」は「成功」だったとの虚構を語る。しかしコストが高すぎて商用化は断念されたが、発電を目指した2号機建設も中止した。結局「高くつく実験」のままで終わった。さらにいま進めている廃炉費用が膨大にかかる。33年計画で、実質的な負担総額は、建設費7百億円、廃炉費用2千億円+フランス委託費350億円(基本契約)+搬出遅延による追加コスト3百億円以上+戻ってくる廃棄物の管理・処分費(未定)。確定分だけで約3350億円、未定分を含めれば5千億円超になる。
Cフランス頼みは破綻する。フランスの原発が止まる事態が近づけば、日本からの委託燃料などの受け入れは拒否される。フランスが受け入れ不可能になれば、「ふげん」廃炉は完全に行き詰まる。「2040年度更地化」など、すでに破綻している。
Dさらに、仮にフランスで再処理が進んだとしても、国際ルールにより、高レベル放射性廃棄物 (ガラス固化体)と回収プルトニウムは日本に返還される。通常の使用済ウラン燃料でも、ガラス固化体が天然ウラン鉱石レベルに減衰するまで約10万年を要する。MOX燃料のガラス固化体はさらに深刻。冷却期間も50〜100年と2倍必要で、放射線量も高く、最終処分場の面積も2〜3倍必要になる。行き場がない。
E結論。自国で処理できない核廃棄物を、他国のパンク寸前の廃棄施設で処理させてもらうという破たん必至の計画の脆弱性が露呈した。まさにふげんは、日本の核燃料サイクル政策の破綻そのものの縮図だ。原子力政策を終わらせなければならない。
軍事大国化に突進する高市政権打倒
日本では、原子炉を動力源とする船として「商船むつ」が建造された。当時の佐藤政権は「原子力船としては、潜水艦を目標に開発する」と考えた。将来の原子力船時代に備えるという国家プロジェクトの下、むつは1969年に進水した。しかし太平洋上で放射線漏れを起こし、帰港できずに漂流を続けた。
現在は、原子炉は取り外されたが解体できず、むつ科学技術館に展示されている。原潜の末路を想像させる。
「核と人類は共存できない」。核武装をもてあそぶ高市政権を打倒しよう。(堀健造)
5面
情勢研究
「3・11」を引きおこした東京電力による柏崎刈羽原発6号機 再稼働許すな
東京電力・柏崎刈羽原発は、新潟県柏崎市と刈羽村にまたがっている。ここに7基の原子炉があり、合計出力は821万2千kWに達し、世界最大の原子力発電所だ。発電された電気はすべて首都圏に送られる。地元住民は、ここでつくられる電気の恩恵をいっさい受けることなく、事故の危険性と放射性廃棄物だけが押しつけられている。原発を必要としているのは、政府と東京電力なのであり、新潟県民は柏崎刈羽原発を必要としていない。根本的な対立構造が、政府と住民の間に存在している。
新潟県中越沖地震(2007年)により、柏崎刈羽原発はおおきな損傷を受けた。3号機の屋外変圧器が炎上し、原発全体で約3700カ所の損傷や異常が確認されている。その後、運転が再開されるが、東電福島第一原発事故(2011年)がおきたことにより、すべての原子炉が停止した。2017年に6・7号機が原子力規制委員会の審査に合格しているが、今日まで再稼働は実現できていない。
柏崎刈羽原発をめぐる動き
柏崎刈羽原発の建設計画は1960年代の末に始まっている。以後、地区労が反対運動を牽引し、原発反対運動が根強く存在している。1996年、新潟県の巻町に計画していた原発(東北電力)は住民投票によって中止になった。福島第一原発事故をおこした東京電力が柏崎刈羽原発を所有している。事故の原因が解明されない限り、柏崎刈羽原発の再稼働は絶対に認められない。こんな声が新潟県民に強く存在している。
2016年、再稼働慎重派の米山隆一知事が誕生した。この知事選挙で再稼働問題が最大の焦点になり、知事選は事実上の「県民投票」として争われた。米山県知事(当時)は福島第一原発事故の原因が明らかにならないかぎり、原発の再稼働をみとめない方針をとっていた。2017年、福島第一原発事故を検証し、再稼働の是非を判断するために、米山知事は原発検証委員会を設置した。福島第一原発事故について、@事故原因の究明、A健康と生活への影響、B安全な避難方法、この3つについて、独自に検証をすすめた。
福島第一原発事故の原因については、現在もほとんど解明されていない。炉心損傷がどのようにすすんでいったのか、放射性物質はどこから、どのような経路で放出されたのか。こんなことも分かっていない。それにもかかわらず、政府はすでに14基もの原発を再稼働させている。
2018年6月、米山知事の辞任にともない、県知事選挙がおこなわれた。おおくの県民は再稼働に反対していた。自民党出身の花角英世は選挙運動で「再稼働容認」を口にすることはできず、「再稼働の是非は、県民に信を問います」と約束した。こうして、花角は知事に当選した。その後、知事はいかなる方法で「県民の信を問う」のか、この方法が県民の関心事になってくる。
2021年、柏崎刈羽原発でIDカードの不正利用とテロ対策の不備などが、あいついで発覚した。東電は管理者能力を持っていなかった。原子力規制委は、事実上の運転禁止を命じた。再稼働は政府の思惑どおりには進まなかった。
原発検証委員会をつぶす
政府は新潟県知事を巻き込んで、原発検証委員会をつぶそうとした。2022年の夏から、新潟県は池内了統括委員長に圧力をかけはじめる。池内さんは「県民のための検証」を求めており、「事故の未解明事項」「東電の適格性に関する疑義」「避難の実効性」について、さらなる検証を求めていた。
政府は県と県知事にたいして「国策」の圧力をかけた。地方自治体はこの圧力に屈して、国の方針に従う存在でしかなかった。花角知事は再稼働派の先兵になっていた。
花角知事は、池内さんの総括報告書を拒否し、3つの検証委員会の報告書を出すことによって、原発検証委員会の区切りをつけようとした。新潟県は池内さんに辞任をせまった。池内さんは辞任しなかったので、花角知事は2023年に池内さんを解任している。国の方針に従う存在でしかなかった。花角知事は再稼働派の先兵になっていた。
東電は福島第一原発事故をおこした加害企業であり、事故を反省していないし、責任を感じてもいない。この東電に原発再稼働をする資格があるのか。東電の「適格性」が現在でも問われている。
新潟県民の意思
新潟県民は「再稼働の是非については県民一人ひとりが決めるべき」とする立場をとっている。県民は〈柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会〉を立ち上げ、2024年10月から県民投票条例を作るために署名運動をはじめた。
こうして、25年2月までに約14万3千筆の有効署名を集めた。新潟県の有権者数は約180万人(2025年9月現在)であり、必要署名数は3万6千人だ。この署名数は再稼働にたいする関心の大きいことを示している。3月27日、〈求める会〉は新潟県に署名を提出した。
〈柏崎刈羽原発の是非を考えるネットワーク〉は、県民意識調査(25年11月実施)を独自におこなっている。この調査では、62%の住民が県民投票を望んでおり、「どちらかといえば反対」を含めると61%の人びとが再稼働に反対している。
新潟県の「県民意識調査」(2025年9月実施)においても「どのような対策をおこなっても再稼働するべきではない」が40%を占めている。「東京電力が柏崎刈羽原発を運転することに心配」という回答は60%を超えている。県民は東電に怒っている。
政府と東電は、巻原発の事態だけは避けたいと考えており、県民投票には反対している。この点において、国と住民の意思はまっこうから対立している。県民は地方自治に根ざした民主主義の実現を求めている。いっぽう、政府は選挙という「民主主義」の形態を利用して、国家の意思をつらぬこうとしている。
再稼働のたくらみ
福島原発事故をおこした東電にとって、柏崎刈羽原発の再稼働は早急に達成するべき課題であった。100万kWの原発が1年間稼働すれば、約1千億円の利益が発生する。東電は経営的に柏崎刈羽原発(6・7号機)の再稼働をおこないたい。
福島第一原発事故による廃炉・賠償・除染費用は、合計で23兆4千億円と見積もられている。資金は国が交付国債を発行して立て替えている。このうち16兆円超について、東電が毎年5千億円ずつ分割返済する仕組みになっている。
政府は福島第一原発事故後も、原発事故を反省することなく、原発を推進してきた。第7次エネルギー基本計画で、ますます原発回帰政策をとっている。東電は実質的に国有化されている。東電の経営が安定しなければ、東電に貸した資金が回収されない。こうして、政府(経産省)と東電は一体となって再稼働を進めているのだ。2023年、規制委は「運転禁止」命令を解除した。
2025年、1年間の動き
柏崎刈羽原発6号機は1996年11月に発電をはじめている。改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)で、電気出力は135・6万kWの大型炉だ。運転開始から30年ちかくになる。その間、2007年に中越沖地震で大きな被害をうけた。2012年3月に定期検査のために停止して以降、約14年間にわたって停止している。この間に劣化、腐食などが進んだ。こんな原発の再稼働を認めることはできない。
6号機は、2025年にも2つの事故をおこしている。8月に制御棒駆動機構でトラブルが発生し、制御棒が駆動しなくなった。また、11月には電波伝送系統の不具合をおこした。これに対して、東電は部品の交換や代替措置で済ませ、経年劣化にたいする対策をおこなっていない。これらの事故について、老朽化による原因が懸念される。
つぎに、昨年(2025年)1年間の動きを見ておこう。
◇4月18日。新潟県議会は「高度な専門知識が必要とされる複雑なテーマ」という理由で、「県民投票条例案」を否決した。この時、花角知事は否定的な意見書を議会に提出して、否決を誘導している。県議会は県民の意思を裏切った。
新潟県民は2012年にも〈みんなで決める会〉による県民投票条例案を提出した。この時も、同じように否決されている。地方自治体は国の僕になりさがっている。なんとしても県民投票を阻止するという国家権力の意思がここに貫徹されている。
◇10月16日。村瀬佳史(資源エネルギー庁長官)と小早川智明(東京電力社長)がわざわざ県議会に出席し、自民党議員の質問に応えるかたちで、次のような提案をおこなった。
小早川社長は@1・2号機を廃炉にする、A10年間で1千億円の資金拠出をおこなう、この2つの約束を表明した。政府は2024年、原発事故に備えた道路整備事業に1千億円を提示した。政府と東電あわせて合計で2千億円を超える資金を条件にして、このような形で再稼働を認めさせようとした。この「アメとムチ」の政策は、原発事故以前・以後も変わっていない。
◇10月21日。花角知事は「県民の意思確認」の方法として、県議会での決議が有力な選択肢になるとの考えを述べた。県議会ならば再稼働が認められるから、花角は県議会で「県民の信を問う」ことをおこなった。
◇11月21日。花角知事は、記者会見で「再稼働を容認する」ことを表明した。こうして、東電は柏崎刈羽原発6号機を1月20日に再稼働する方針を決めた。新潟県民の60パーセントが再稼働に反対している。しかし、県民が求めた住民投票が否決され、直接民主主義が打ち砕かれ、行政と資本の専制が貫徹されていった。
これからの闘い
2025年11月25日、県庁を取り囲む「人間の鎖」行動がおこなわれた。この行動に1200人が参加した。多くのメッセージボードには「再稼働の是非は、私たち県民が決めたい」と書かれていた。これが正直な県民の気持ちなのだ。
原発再稼働の「地元同意」について、政府は立地自治体の首長の判断でよいとしてきた。しかし、これでは民意は反映されない。新潟県民は、このやり方に納得しなかった。住民は「民主主義のあり方」を問題にしていた。
県民投票は実現しなかった。しかし、あきらめることなく、県民は地方自治を求めて粘り強く運動を続けていくであろう。県民の理解を得なければ、原発は動かせない。この事実を歴史にきざむまで、政府にたいする闘いは続いていく。
地方自治体は地方自治法の精神にのっとり、住民の利益のために政治をおこなうべきだ。新潟県と花角知事は政府の下請け機関になりさがっている。新潟県民は、この現実をつぶさに体験した。あきらめることができても、納得できるはずがない。
県民は簡単にあきらめることはしない。だから、自治を求める声は、これからも続いていく。まず、今年4〜5月におこなわれる県知事選挙で、花角知事に「NO!」を突きつけることだ。
1月20日に、東電は再稼働すると言っている。国策に屈服することなく、「再稼働反対」の声をあげていこう。今年の県知事選挙で、花角知事を落選させよう。(寺田理)
6面
最高裁判決以降の動きを確認する報告集会
厚労省の再減額方針許さず闘い続ける
昨年6月27日、生活保護基準切り下げ違憲訴訟は、最高裁で歴史的勝利判決を勝ちとった。それを受けて、原告団は、すべての生活保護利用者に対して真摯に謝罪すること、減額改定前基準との差額保護費の全額を補償すること、原因を究明して再発を防止することなどを求めてきた。しかし厚労省は11月21日原告の要求を踏みにじる再減額方針を発表した。
12月14日大阪市内で、〈引き下げアカン!大阪の会〉主催による「最高裁判決以降の動きを確認する報告集会〜だまってへんでこれからも〜」が開かれ、原告や支援者が集まった。
和田信也弁護士が「最高裁判決に対する厚労省の対応」について報告
◇地方議会での意見書採択
大阪市及び大阪府で「最高裁判決に基づき全ての生活保護利用者に対する速やかな被害回復措置を求める意見書」が全会一致で採択された。しかし「謝罪」は入らなかった。意義のある意見書採択だ。山形市、埼玉県の上尾市・北本市、東京都の町田市・小金井市でも採択されている。
◇専門委員会での審議
厚労省は謝罪をするのではなく、専門委員会を開いて検討するとした。専門委員会は8月〜11月に9回開催された。弁護団は、傍聴し意見書などを提出し判決の内容や解釈についてこちらの考えを述べてきた。11月17日に報告書がまとめられ18日に公表。
専門委は、デフレ調整の改定率として「マイナス2・49%、マイナス5・54%、マイナス4・01%」の3つの案を出し、「再度改定することは、生活保護法第8条2項の規定に沿う」とした。8条2項には「最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これをこえないものでなければならない」とある。超えていれば引き下げ可能とした。ゆがみ調整については「判決で違法とされておらず、制度全体の合理性・公平性確保の観点から、全ての対象者に再実施が可能」とした。専門委は、これをしなさいとは言ってないが、他方で再減額をやってもいいというお墨付きを与えたのだ。
◇補正予算案
補正予算案には、1475億円を計上。内訳は、保護費の追加給付費用1055億円、支給事務に係る自治体への補助401億円、相談センターの設置等17億円、原告への特別給付費用2億円。
◇今後の展開
12月17日補正予算案が可決後、来年1月〜12月再改定するためにシステムの改修がおこなわれ、それができた自治体から順次、保護変更決定が開始される。保護変更決定が各人に告知されたら、それに異議を申し立てる審査請求を出すことになる。審査請求をしないと次の裁判はできない。お金は受け取っても、受け取らなくても裁判はできる。
国の対応策の問題点と今後の闘い
小久保哲郎弁護士のレポートを事務局長・雨田信幸さんが読み上げた。(小久保弁護士は体調を崩し欠席)
◇問題点
第1の問題は、減額処分を取り消す判決を受けた原告との関係では、改訂前基準との差額保護費の給付請求権が発生していることに争いはないのに、これを削るのは、さかのぼって不利益な変更をする遡及立法、いわば「後出しじゃんけん」であって許されない。
第2に、最高裁判決で違法と断罪された「デフレ調整」と別の理由を持ち出して、再度の減額調整をおこなったこと。デフレ調整はマイナス4・78%。今回、厚労省は、当時の下から10%の低所得世帯の消費水準と比較した新たな減額調整でマイナス2・49%にした。ちょうど半額に値切る形。しかし、裁判の中で主張できた理由を後になって蒸し返して再処分をおこなうのは、紛争は1回で解決すべきだという要請に反し許されない。これは、専門委員会でも法学系の委員が、そろって指摘していたことだ。
第3に、この再度の減額調整分について、原告に対しては「特別給付金」という形で穴埋めをし、原告とそれ以外の人で差をつけたこと。原告から訴えられるリスクを下げ、原告と原告以外を分断する姑息な意図が見える。
◇背景に差別と偏見
結局、訴訟の敗者である厚労省は、最高裁判決の意義をわい小化し、被害補償額を値切るために専門委員会を隠れ蓑として利用した。最初からそうしようと決めていたんだと思う。司法判断を軽視し、生活保護利用者の人権や尊厳を軽視する判断だ。優生保護法訴訟では、昨年最高裁で画期的な違憲判決が出た翌日には、担当大臣が謝罪し、被害の全面回復に向けて原告側と誠実な協議を続けている。
なぜ、そのような差が生じるのか。1つは、再発防止に向けた原因究明を一切おこなうそぶりもないことにあらわれているように、違法な引き下げを主導した国会議員、生活保護を利用することを「さもしい」とか「恥だ」とか言った高市、片山議員ら首謀者が総理大臣や財務大臣として未だに政権の中枢にいることだ。もう1つは、残念ながら未だに生活保護に対する偏見や差別意識が国民の中に根強くあって、こうした国の判断に対して国民的な批判が沸き起こるまでには至っていないことだ。
◇大きな成果と私たちの力の再認識を
しかし、決して10数年前の振り出しにもどっているわけではない。大手マスコミやネットメディアは熱心に取材し、国の対応に批判的な報道を続けてくれている。半額に値切られたとはいえ、これから300万人の生活保護利用者に対し、被害補償がされる。これは世界初で前例のないすごいことだ。
私たちは、ただの蟻の大群ではなく、巨像を倒した蟻の大群だ。29地域で1027人の原告が立ち上がり、3百人の弁護士と支援者が支えてきた。10数年の取り組みで各地域での力強い運動と全国の強固な連帯が構築されている。分断や対立に決して陥らず、団結と連帯を守り、皆さんと闘い続けます。
原告の発言や質疑応答
厚労省交渉に何度も行った原告の新垣さんは「厚労省は、私たち全員に向き合わない姿勢が著しい。最低審査請求まで闘いたい」と発言した。他の原告や支援者からは、「再度引き下げなんて許されない」「下位10%の低所得世帯と比較してマイナス2・49%にすること自体がおかしい」「審査請求し裁判するしかない」「厚労省の態度に憤りを感じる。これからも声を上げていく」「私たちは、代表して裁判をしているだけで、原告とそれ以外を分けるのはおかしい。返すものは返してもらって、下がったままの金額でこの先やって下さいというのは納得しがたい」「厚労省の引き下げは犯罪だと思う。放っておいたらもっと悪いことをする」「補償なのに給付というのはおかしい」「前回は審査請求が1万人だったが、次は10万人の審査請求をしよう」などの意見があり、厚労省の再減額を許さず、審査請求し再度の裁判へと闘い続ける決意が表明された。(花本香)
(闘争案内)
関西ガザ緊急アクション講演会〜ガザ虐殺は私たちに何をつきつけているのか?〜
講演:役重善洋「対イスラエルBDS(ボイコット・資本引揚げ・制裁)運動の現状と課題」
とき:1月18日(日)午後2時〜4時半
ところ:PLP会館4階・中会議室
主催:関西ガザ緊急アクション
「平和への道」上映&反戦/平和討論会
とき:1月31日(土)午後2時〜4時半
ところ:エルおおさか研修室2
主催:「平和への道」上映&反戦/平和討論会実行委員会
◇実行委員会呼びかけ団体(関西共同行動・ヨンデネット大阪・大阪韓国 連帯情報交流会)
都教委包囲・首都圏ネット 2・7総決起集会
講師:大内裕和さん(武蔵大学教授)
とき:2月7日(土)午後6時
ところ:文京区民センター3A
主催:都教委包囲・首都圏ネット
許すな!大軍拡と排外主義 止めよう!生活破壊と戦争への道
講師:小西誠さん(軍事ジャーナリスト)
とき:2月11日(水・休)午後1時半
ところ:天王寺区民センター(大阪市)
主催:「日の丸・君が代」強制反対大阪ネット
第10回狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西
とき:2月23日(月休)午後1時
※午後4時半 パレード(JR新今宮駅近くまで)
ところ:西成区民センターホール(大阪市西成区)
主催:狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西実行委員会
バイバイ原発 3・7 きょうと
とき:3月7日(土)午後2時
ところ:円山公園音楽堂
主催:バイバイ原発きょうと実行委員会
7面
2026年『未来』新年アピールU 情勢・高市政権論(下)
大軍拡・大衆収奪の高市打倒
戦争挑発と危機あおりを許すな
第4章 極右は世界的に退潮
@米帝1極支配の終焉
ソ連崩壊後の米帝1極支配は、世界の石油を支配していること、その要としてドル通貨があること、それら一切を支える中東に対する軍事支配という3つの柱からなりたっていた。2021年8月の米軍のアフガニスタンからの撤収は、約20年続いた「史上最長・最悪の戦争」を終結させた。これによって、米軍はいまだ中東に巨大な米軍基地を維持しているとはいえ、中東と欧州における決定要素ではなくなった。
第2の柱であるドル支配について、米帝は、セブン・シスターズが世界の原油生産を独占できなくなった後も、原油取引にドル通貨を強制することによって石油支配を維持することができた。ところがドルの対金交換比率が、1971年のニクソン・ショックで、ドルと金の交換を停止して以降、いまや100分の1になっている。それだけドルが減価したということである。もはや産油国がドルで取引をして、アメリカの銀行に預金し、米国債を買うメリットはどこにもない。
AG20南アフリカ会合での米破産
11月22日、南アフリカで開かれたG20首脳会議では異例のことに冒頭に首脳宣言が採択された。トランプが南アでのありもしない「白人差別」を批判し、開催自体に反対し、代理も出さずに欠席したが、抗議は無意味であった。宣言は、米が欠席、カナダが棄権した以外は満場一致で採択された。
しかも宣言の内容は、米帝1極支配の終焉を謳いG20は多国間主義に立ちすべての参加国が国際的義務に従い、平等な立場で参加することを謳った。世界貿易機構(WTO)規範に反する一方的な貿易慣行に反対を表明し、なによりも「占領下パレスチナ地域(ヨルダン川西岸とガザ地区)、ウクライナ等における「正当で包括的かつ持続的な平和の実現」を宣言した。さらにトランプが嫌がる、気候変動問題や途上国の債務などについても言及している。トランプに対してグローバル・サウスの国々の要求を強く反映する内容を突きつけたのである。
新自由主義の破綻のうえに米帝1極支配の終焉は各国における新自由主義の破産、それを巡る極右ポピュリズムと左翼・社会主義の激突として表れている。新自由主義は、1980年代に米・レーガン、英・サッチャー。日・中曽根によって駆動され、米・クリントン、英・ブレア、日・小泉純一郎によって完成すると同時に行き詰まりを迎える。その旨とするところは、限界に達した戦後資本主義世界を、自然や生態系、人間の再生産の条件(結婚・出産・育児、保育・教育・医療・介護)などを破壊しても蓄積を強行するところにある。
それは同時に第3世界の飢餓や貧困、全世界の政治的民主主義、共生的価値観の破壊をもたらす。「自己責任論」によって社会はズタズタにされ、社会の分断と亀裂は極限的に高まったのである。そこに表れたのが極右ポピュリズムだ。排外主義を煽り、国内のマイノリティに攻撃の矛先を向け、その実は巨大資本と自らを含む支配階級の利益を図ってきたのだ。トランプだけでなく、欧州極右、日本における安倍派系統の自民党や参政党などの新興右翼は全部その流れにある。しかしトランプに見られるように、このような手法は限界を迎えている。関税戦争による物価急上昇やベネズエラへの新たな軍事介入に米労働者人民の怒りが爆発しつつある。欧州極右も限界が見えてきた。1周遅れの高市政権は政治基盤形成にめどが立たない。今こそ、極右ポピュリズムと闘う陣形を形成する時だ。
第5章 いまこそ社会主義を
@社会主義を掲げるアメリカ人民
11月4日の米自治体選挙で最大都市ニューヨーク市長選挙にゾーラン・マムダニという名の若者が当選した。ソシアリスト(社会主義者)を名のって民主党の予備選で現職のアンドリュー・クオモ市長を下して民主党の候補者となった。インド系ウガンダ人で、シーア派イスラム教徒という二重三重のマイノリティである。彼は選挙活動を通じて、超富裕層と権威主義者を徹底的に攻撃し、200万人の家賃安定化物件入居者の家賃凍結、すべてのバス路線の運賃廃止、費用負担なしの普遍的保育の3大要求を掲げた。家賃や食料品が日本の6倍という高インフレのニューヨーク市民に直接訴える政策である。1年間にも及ぶ彼の選挙活動は、最終的に10万人のボランティアが決起し、電話作戦、戸別訪問、党員登録者名簿当たりの3点セットの活動を展開した。
同日実施された西海岸ワシントン州シアトルの市長選挙では同じく公然と社会主義者を名のるケイティ・ウィルソン(43)が当選した。シアトルは81万都市でアマゾンやマイクロソフトなどのIT企業が集まる。新市長は無期限スト入りしたスターバック労組支持を表明し、富裕層への課税による住宅建設を訴えた。その他、ニュージャージー州知事選でマイキー・シェリルが、バージニア州知事選ではアブゲイド・スパンバーガーが当選した。2人とも民主党穏健派とされる女性である。12月9日のフロリダ州マイアミという30年間共和党が独占してきた市長選挙で、民主党系のアイリー・ヒギンズが約60%の票を集めて当選した。トランプ・共和党は連敗である。共和の上下議員の中には2026年の中間選挙を待たずにトランプの関税政策やベネズエラへの軍事介入を支持しない動きが出ている。問題は選挙にとどまらない。トランプの貧困層や移民を差別抑圧する政策に対して、6月14日、10月18日の2度にわたり「ノー・キングズ・デー」デモが全米で500万人、700万人の規模で闘われた。また20世紀末以来の労働運動の沈滞を打ち破る戦闘的労働運動の潮流が、「社会運動ユニオニズム」として始まっている。社会運動の方法を用いながら、低賃金労働者や有色の人々、女性が先頭に立ち、地域社会の変革をかけて闘うものである。例えば、「バス・ライダーズ・ユニオン」なる「組合」が結成され、定期券値上げにストップをかけている(土屋和代「ノー・キングスデモの水脈」、世界26年1月号)。
A社会運動・社会主義を目指す欧州
欧州では極右が頭打ち、左派が頑張っている。例えば24年のフランスの総選挙の第1回投票では、極右の国民連合RNが第1位だった選挙区が297、「新人民戦線」(社会党・エコロジスト・メランションが代表の極左「フランス不服従」LFT・共産党の4者の連携)は159、アンサンブル(マクロン与党)は70であった。ところが第2回投票では「反ファシスト」「極右は絶対にダメ」という声におされ新人民戦線と与党連合に投票が集中され、新人民戦線193、与党連合165、RNとその連携143と、極右は第3位に沈んだ。英国でも極右が躍進していたが24年7月の総選挙では労働党が政権を奪還した。その半年後のドイツの総選挙では、極右のドイツのための選択肢AfDが152議席を取って第2党となった一方で、左翼党(Die Linke)は前回の39議席から64議席に躍進した。明らかに極右は頭打ち、左翼が頑張っている。
欧州の特徴は、「リベラル」と言えば新自由主義と理解されることである。英労働党のブレア、仏社会党のミッテランとその後継などがそれに該当する。彼らはいまや労働者人民に徹底的に嫌われている。代わりに評価されるのが、「社会民主主義」「社会運動」「社会的連帯」など、「ソシアル(社会)」を強調する動きである。貧困や移民排斥にNOを突きつけ、「社会的連帯」を強調するものである。アメリカと比べて、スターリン主義の傷痕が深い欧州においては「社会主義」と直接には言いにくいものがあるようである。
B新自由主義と極右ポピュリズムにNO
安倍と高市は、世界で1周遅れ、2周遅れの極右で新自由主義者である。彼らを追い詰めるには小泉純一郎と安倍晋三の双方を追い詰めるような闘いが必要となる。現在の全国的政治闘争の環は、反戦・反基地・沖縄闘争と反戦・反核・反原発闘争である。「敵基地攻撃」論と南西方面戦略に基づく大軍拡が迫っている。全国に配置される弾薬庫、長射程ミサイルの配備ポイントと、それをつなぐ兵站の環としての「特定港湾・空港」が指定され、すでに実働訓練が開始されている。対中国戦争挑発の最前線となる与那国島、最初の配備拠点としての熊本市の健軍駐屯地、最大の弾薬庫=京都府南部の祝園弾薬庫では住民の危機感が燃え上がっている。老朽原発を再稼働し続けようとする関西電力はついに使用済み核燃料の乾式貯蔵やリプレースに手を付け始めた。原発を永続化することを目的とするものだ。小型炉や核融合炉など机上の空論にも高市は手をつけようとしている。非核3原則の「再検討」や原子力潜水艦の開発は日本の核武装に直結する。東電の柏崎刈羽原発の再稼働や北電の泊原発の再稼働など許してはならない。
厚労省は、生活保護費を削るため、違法とされた計算方法とは別方式で削ろうとしている。医療・教育・介護・保育など物価高騰が直撃する労働者人民の生活を支えるためには全国的闘争体制と地域日常闘争を結合する必要がある。選挙闘争・議会での闘いなどを社会運動の環として闘うことが必要だ。また7・7の発展としての入管闘争、女性解放闘争・部落解放闘争・「障害者」解放闘争を根底から再構築しなければならない。前進506号論文、田島論文、島田論文を再検証し、新自由主義が破壊しつくした地平のうえに被抑圧・被差別人民の自己解放の闘いに学び、新たな7・7を切り開こう。外国人排斥、排外主義立法を許すな。部落差別ゆえの、ハンセン病差別ゆえの冤罪を打ち破り、再審を速やかに実現する制度を、新自由主義の下での女性差別・抑圧を革共同の自己変革をかけて闘おう。選択的夫婦別姓を勝ち取ろう。セクハラ・パワハラ裁判、労働・教育・介護における「障害者」の差別と隔離を打ち破り、インクルーシブな社会を実現へ。今こそ極右ポピュリズムと闘う陣形形成の時だ。(おわり)
8面
1・25名護市長選
翁長クミコさんの勝利を
2026年「沖縄統一地方選」の先陣を切る名護市長選が、年明け早々の1月18日(日)告示・1月25日(日)投開票の日程で行われます。9月県知事選を最大の山場とする政治決戦初戦の大事な選挙です。
この名護市長選では、名護市政野党議員団を中心とする名護市長選候補者選考委員会からの出馬要請に応え、名護市議会議員の翁長クミコが立候補を決意いたしました。
翁長クミコは、2010年初当選以来、現在名護市議4期目。与野党問わず市議会議員の中でも政策通として光る存在であり、また名護市女性ネットワーク協議会の会長としても活躍するなど、幅広く奥深い活動には日頃から定評があります。辺野古新基地問題に端的なように、2代にわたる相反する市長の市政運営を経験し、市民生活向上に果たす行政の役割の重要性を十分理解し、遂行する能力、リーダー力には何ら遜色もありません。まさに即戦力です。
市長選は3選を狙う現職市長との対決です。過去選挙では、政府・自民党の全面バックアップの下、企業ぐるみ選挙を繰り広げてきた経緯があります。今回も同様の構図が想定されますが、現職に挑むのですから、市民の力を結集した総戦力で臨むことで勝利の扉をこじ開けねばなりません。
出費多大な折りですが、なにとぞ名護市長選の意義をご理解いただき、翁長クミコ必勝! に向けて皆様からの物心両面にわたるご支援を心からお願い申し上げます。
2025年10月吉日
翁長クミコ後援会
会長 稲嶺進
口座記号番号 01790ー2 174498
加入者名 翁長クミコ後援会
原発被害の全面解決へ共に歩む12・13東京集会
12月13日、東京・日本教育会館で「ふるさとを返せ津島原発訴訟〜汚したらきれいにして返せ〜 原発被害の全面解決へ共に歩む12・13東京集会」がひらかれ、労働者・市民、この闘いを支持する法学者のゼミの学生など271人が参加した。主催は、津島原発訴訟原告団、同弁護団、都民要求実現全都連絡会(都民連)、東京地評。
各発言の概要を紹介する。
今野秀則・原告団長
「(原発事故で)最大16万人避難した。この地域は山背(太平洋の寒流の上を渡ってくる風)でたびたび飢饉になる豊かでない土地。伝統的な祭り・芸能を引き継ぐことで生きがいを見出していた」「(事故で避難して)長くても1週間で戻れると思っていた。原告団は百人が亡くなった。(残してきた家屋を)負の遺産を残すべきでない、と断腸の思いで解体した人も多いが、まだ4〜5割。2022年6月17日の最高裁判決(国の責任を認めないという判例)を(仙台高裁で)ひっくり返したい。ご協力を」
弁護団による基調報告
つぎに白井劔弁護士が「680人の原告がいる。『汚したものをきれいにして返せ』という主張を(司法は)認めなかった。国の責任を認めさせる、きれいにして返させるというのが目標。(これまで)全ての判決が6月17日最高裁判決にひれ伏している。地震のせいで原発が壊れ、津波のせいでバックアップができなかった。対策を取らなかったのが不作為。難しい裁判にあえて挑戦している」と発言。
9月19日、仙台高裁で証言に立った盛岡大学・長谷川公一学長
「東電がシビアアクシデント対策を怠っていたと証言した。B・5・b(ビー・ファイブ・ビー、米原子力規制委員会=NRCが2002年2月25日に発令した命令を構成する条項で保安院は2度にわたって調査していた)の対策を実施していたら事故は起きなかった」
東京土建・佐藤豊副委員長
「『日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名』を2021年から取り組んでいる。12月、7年ぶりに福島現地を見学した。必要なインフラが整えられていない」
日本環境会議の方
「学会が誰も福島に来ない。本日付で2025年6月20日付『閣議決定』(※帰還困難区域のバリケード撤去・立ち入り規制緩和で放射能対策を住民の自己責任とする)の撤回と見直しを求める声明を出した」
福島原発被害東京訴訟原告の鴨下美和さん
「8歳と5歳の子どもを連れて2年間母子避難した。区域外避難を含む3百人が原告になった。原告の訴えを聴くのもつらいことばかりだが、訴えなければなかったことにされる。小柄な今野さん(原告団長)の体の中に憎しみが満ちている。来年(2026年)は全国で結審し、判決が出る」
6・17最高裁共同行動2025実行委員会の武藤類子さん
「裁判が無ければもっとひどいことになっていた。仙台高裁で6・17最高裁判決を覆す判決が出ることを願う」
さらに都内の大学で津島訴訟を扱っている教授のゼミの学生、津島地域出身で東北地方の大学に通いながら伝統芸能に取り組んでいる学生も発言に立った。
投稿
新年に想う(上)
南方史郎
安保関連3文書、非核3原則など高市内閣の見直しに抗して、核兵器保有国が、核兵器をもたない敵国の原子力発電所、核開発研究所などを破壊する核の恐怖の時代を止めよう。
第2次世界大戦における最終決戦が、旧日本帝国対米英仏連合国同士の原爆製造のゴール競争にあったともいえる。新しい時代のひとつの究極兵器へのヒントが、アインシュタインがトルーマンに送った手紙に発することは、歴史的に有名な話といえる。量子力学の元素の分裂や核融合時のエネルギー問題の理論が、原爆製造の実践へと向かわせる。ドイツや日本は、すでに米軍の軍事力の水準には追いつけぬほど戦費の窮乏、エネルギー資源払底、軍人の意気の低下・傷病戦死者の増加に悩んでおり、後に明確になる原爆製造の米国への政治経済体制の全体統制化、その最適総力体制を満たす人員的知的力量のすさまじさは、国際的に実験成功前から、明瞭だった(マンハッタンプロジェクト)。
1945年7月16日(ポツダム会談中)米国ニューメキシコ州における原爆実験成功は、8月6日の広島への原爆投下、新興社会主義軍ソ連の8月8日対日宣戦布告と中国東北部・朝鮮侵攻。それにむけての世界的カウンターとしての原爆投下、9日(長崎)ののち、ドイツ軍に続く日本の無条件降伏と原爆の威力を背景とする朝鮮戦争であった。
新しい時代は、韓国―米国と朝鮮民主主義人民共和国−ソヴィエト・中国の対抗関係の均衡を探る時代となった。それでも旧日帝軍は警察予備隊として米軍傘下に編入されることになる(核の傘)。それが、徐々に米ソの核弾頭数のエスカレーション、核開発競争へとなってゆく。
旧日帝の太平洋戦争は終わるが、社会主義軍と帝国軍との戦争はおわらなかったともいえる。その言葉が「ATOMS FOR PEACE」という1953年国連でのアイゼンハワー演説であり、帝国軍という規定は、トルーマン大統領の原爆という神器を神が米国にたまわったという8月9日ラジオ演説からくるものだった。
ソヴィエトはほぼ5年後に、核実験に成功する。ソヴィエトが崩壊して、さらに次の敵は「アラブとなった」とつぶやいたのは、大英帝国のサッチャーだったという。
原爆製造の国家総動員の体制のあとで、二つの原爆(広島と長崎)の「消費」だけでは、国が持たないと根をあげたトルーマン〜マッカーサーは、核開発の世界市場開放戦略構想にでる。このとき、ひらばのアメリカ兵は、「原発が各国にあれば、核の地雷を攻撃することで、原爆などで攻撃する必要は、なくなりますね」と語り合っていたという。(敵がなくなれば、平和がきますねとでもいうのだろうか。結局、ジェノサイドの応酬になってしまった。ちなみに核燃料製造関連施設は、原爆保有国の原発工場の何倍にも及ぶという。例えば劣化ウラン弾、核保有国の核不拡散防止条約からの撤退、原発内での燃料秘密精製など、など)(つづく)
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