極右高市戦争政権と全面対決を
軍事大国化・排外主義 許さない
沖縄・反基地・反原発闘争の発展へ
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| 高市政権成立前夜に祝園ミサイル反対闘争が全国闘争として2700人の結集で高揚(10月19日 京都府精華町) |
10月21日、自民党総裁・高市早苗が維新との連立により首相に指名された。この3カ月間、少数与党・自民党の党内抗争と公明党の政権離脱は、階級統括・支配政党としての自民党の危機の深さを人民の前に示した。自民党総裁・高市は急きょ維新との連立に踏み込み、全国展開の展望を喪失した維新が連立に飛びついた。
閣僚人事と所信表明演説から見えるものは、人民の生活困窮を顧みず戦争遂行体制を築くため、安倍の敷いたレールを進む「第3次安倍政権」の姿に他ならない。安倍の遺産としての敵地攻撃(先制攻撃)能力保持、「開かれたインド太平洋戦略」、今井尚哉ら安倍時代の官邸官僚の再配置など、安倍ができなかった戦争体制構築を遂行する政権だ。安保三文書前倒し実現、軍事費GDP比2%から3・5%へ、憲法改正などを最終章とし、第1章はひとまず経済対策、その間の各章は各種「安全保障」でくくり、社会の全分野における戦争遂行体制構築を狙うのが高市所信表明であった。
破産したアベノミクス(株価上昇、円安、トリクルダウンは起こらず、失われた10年が続いた)を受け継ぐサナエノミクスは1年も持たず破産するだろう。軍事大国化攻撃は、労働者人民の新たな安保・沖縄闘争=反戦・反基地闘争、反原発闘争、反排外主義闘争で粉砕されるだろう。
自民党支配体制(自公体制)の崩壊
8〜10月の「3カ月の政治空白」は、経済失政・賃金下落、「失われた30年」への持続的反乱が、支配階級・政治委員会を直撃したものだ。高市・玉木・維新らの右往左往ぶりは、高市連立政権が盤石でないことを示した。
2年前から猛烈な物価高は100円の清涼飲料水が150円に、米価も2倍など全商品に及び社会生活を直撃している。30年間賃金が上がらないことへの怒りは充満している。もはや分厚い中間層などどこにもなく、富裕層と低所得層の分岐が進み、政治的・社会的分断が激しく進んでいる。
そのうえで軍事費だけが急激に膨張しており、これに歯止めをかける政党がどこにもない。安倍時代の一強多弱は過去の話で、24年衆議院選以来の自公少数与党化・多党化・現状変革への動きは没落社会日本への怒りとして渦巻いている。没落の原因を外国人に求める排外主義鼓吹が吹き荒れ、高市は「強い日本(経済)」を訴え総裁選・首相指名で勝利した。
だが26年にわたる自民党政権を支えてきた公明党が連立から離反した。公明の選挙協力なしに自民の議席確保はなく(全選挙区で1・5万から2・5万の公明票が下支え)、高市を選択した自民は大きく右に舵を切った。公明が本格的に野党化すれば、さらに激しい政治抗争・階級対立が具現化するだろう。
この自民党の危機救済に自己の延命をかけて登場したのが維新だ。彼らは裏金問題への怒りを衆議院定数削減にすりかえ、大阪副首都構想実現で閣外協力についた。しかし第2自民化した大阪維新に再生の道はない。身を切る改革につぐ戦略・方針はなく、1年以内に連立離脱か吸収合併の道をたどるであろう。
10・24所信表明を全面的に批判する
@緊急経済対策
冒頭から物価高・経済を言うが、3カ月の空白の上に実行策は先に延ばし、人民の困窮など考えていない。参議院選で全野党が言及した消費税引き下げはしない。どこが積極財政だ。株価だけが上がり円安は強まり、猛烈なインフレ基調になる。医療・福祉予算の切り下げは、高齢者医療や高額医療費削減で始まっている。「手取り」「賃金上昇」に言及しても、事業者の経営が苦しくなるとし、大企業の内部留保吐き出しには言及しない。緊急経済対策としての2万円給付もしない。ガソリン税早期廃止は決定済みだが26年2月と言う始末。「103万円」問題も、相変わらず「真摯な論議」を「検討」という対応で、「検討使」と揶揄されている。
「強い経済」を叫ぶが、想定しているのは軍需産業推進・防衛装備移転三原則の改廃で武器輸出大国になることだ。三菱重工や川崎重工などの軍需産業が急成長するため、軍需輸出に活路を求め原子力潜水艦製造すら企んでいる。
A危機管理・経済安保・食料安保・エネルギー・国土強靭化など
施策全般で頻出するのは安全保障・危機管理である。エネルギーでは原子力活用で次世代革新炉に言及した。農業・食糧問題では、小泉前農相の「増産」を鈴木新農水大臣は減産に再転換した。すべて「高度国防国家」建設の視点から、官邸主導で危機管理を図っていくため今井尚哉や安倍官邸官僚を再登用するが、安倍的政治力のない高市少数与党政権が官僚機構を使いこなせるわけがない。
B健康医療も安全保障観点から、地方と暮らしは特別策なし
日本社会を覆う「人口減少・少子高齢化」については内閣的継承性なく、改めて議論を進めるとするのみ。高齢化医療は病床の適正化の名で切り捨て、高額医療費控除も削減する。女性・ジェンダーについては、女性の医療疾患への言及のみ。依然続く女性の社会的差別、選択的夫婦別姓については言及がない。労働行政についても言及はなく、労働時間規制を取っ払おうとし、過労死を招こうとしている。
「地域未来戦略」でも過疎化・限界集落化などの現状に言及なく、付加価値創出・稼げる農林水産業の創出など、大規模化・大企業による再編以外考えていない。「人口政策・外国人対策」は、人口減少に伴う人手不足は農林水産業も含め全国に広がっているが、外国人労働者への生活保障・地域的定着へのサポートなど何もない。排外主義と一線を画すと言いながら「違法行為・ルール逸脱」に言及し、外国人を監視・管理対象としてしか考えない外国人政策は大破綻するだろう。
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| 全国基地反対闘争として各地の人々がそれぞれスローガンのぼりを掲げデモに出発(10月19日 京都府精華町) |
この分野は最終局面で言及しているが、こここそまさに高市政権の「トリ」であり「キモ」である。冒頭から地政学でもって、中国、北朝鮮(ママ)、ロシアの「軍事的動向等が深刻な懸念となって」いると論じる。そもそも「日米同盟を基軸」として沖縄を始め日本列島を対中国包囲網軍事基地としているのはどこの国か。安保3文書見直し、軍事予算の2倍化を前倒し、敵地先制攻撃の長射程ミサイルを全国に弾薬庫を作り整備する。それでも中国の経済的成長に恐れおののき、新たにインドやフィリピンまで巻き込んで「自由で開かれたインド太平洋」と中国敵視を強めているのは誰なのだ。
第2次安倍政権の15年9月戦争法制定、集団的自衛権行使容認以降10年、専守防衛をかなぐり捨てて軍事費を2倍化し、実質航空母艦を所有し、次期戦闘機を日英伊で開発し、原子力潜水艦建造に言及したのは高市ではないか。中国・朝鮮・アジア人民に対し、80年前の敗戦まで、侵略と植民地支配をしてきた日本が、今また世界第3の軍事大国になろうとしていることを、アジア人民は許すはずがない。敗戦80年の今年こそ「二度と再び侵略戦争をしない」と明言することこそ日本の首相のつとめではないか。
第3次安倍政権としての高市政権を打倒しよう
これだけでは安心できないと思った高市は、憲法と皇室典範改正にまで言及した。すなわち在任中の国会発議を実現するために議論を加速させるとした。また安定的な皇位継承と称して男系継承のため旧皇族養子を想定している。また所信表明では触れなかったが、戦前治安維持法を受け継ぐスパイ防止法制定に意欲を燃やしている。選択的夫婦別姓にかたくなに反対し、ジェンダーフリーには一切言及せず、男尊女卑を貫こうとしている高市はまさしく安倍晋三ができなかったことを遂行する第3次安倍政権に他ならない。臨時国会でははじめは大人しく、支持率低下が無ければ高市カラーを押し出すことは必定だ。残存リベラル派を制圧し、維新と一体で選挙制度を改悪=比例議席を削減し、高支持率のうちに解散・総選挙をしようとしている。
高市政権に対する我々の態度は、所信表明に示され戦争遂行体制、差別・排外主義の鼓吹、人民生活の破壊を許さず、打倒することである。沖縄を先頭とする基地建設=戦争最前線にされる人々、全国で反戦・反基地を闘う人々、そして生活破壊と闘う人々は、既に今秋の闘いに決起している。
第三次安倍政権として「世界の中心で咲き誇る」とフレーズ・理念も浸りきった高市を、今こそ打倒し安倍政治を最終的に終わらせ、労働者階級・人民の闘いで時代を切り開いていこう。高市政権打倒へともに闘わん。
2面
長射程ミサイル弾薬庫NO!
京都府精華町 祝園全国集会に2700人
10月19日
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| 主催者あいさつをおこなう集会実行委員長の呉羽真弓さん(10月19日 京都府精華町) |
京都府の最南端、学研都市・精華町に陸自祝園分屯地(祝園弾薬庫)がある。ここに敵地攻撃能力をもつ長射程ミサイル用の弾薬庫が増設されようとしている。増設予定は14棟で、建設工事が8月18日から始まっている。
10月19日、長射程ミサイルの配備に反対する全国集会が精華町「けいはんな記念公園」でおこなわれた。集会名称は「私たちは二度と戦争をしたくない! 平和でこそ文化は香り立つ! 祝園全国集会」で、主催は同実行委員会。この集会に2700人が参加した。
自衛隊「南西シフト」のなかで、西日本の軍事戦略拠点化がおこなわれている。とりわけ、九州・沖縄で侵略基地化が進んでいる。政府は2032年までに全国で130棟の弾薬庫を新設する方針だ。2026年3月に、健軍駐屯地(熊本)に長射程ミサイル(12式地対艦誘導弾能力向上型)が配備される。これは「専守防衛」を逸脱している。この事態に危機感を持つ人たちが、全国から祝園に集まった。
集会は、全3部でおこなわれた。第1部(午前11〜午後1時)「祝園Peace Piece(平和のかけら)フェス」、第2部(午後1時〜3時)「祝園・全国リレートーク」、第3部(午後3時半)はピースパレード。
第1部
月桃の花歌舞団の歌と踊りからはじまった。琉球音楽、ラップ、ブルース、ロック、フォークソング、さまざまなジャンルのミュージシャンがプロテスト・ソングを演奏した。音楽は人びとの心を解放させる。
第2部
高揚してきたところで、第2部「リレートーク」がはじまった。集会実行委員長の呉羽真弓さんがあいさつ。呉羽さんは「この集会は、市民による市民のための平和の集い。全国がつながって、戦争を止めよう」と訴えた。全国各地の闘いが報告された(別掲)。さらに、地元精華町住民の報告、京都での反基地闘争の闘い、奈良、大阪での取り組みの報告などがおこなわれた。
具志堅隆松さん(沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」)が、まとめの提起をおこなった。つづいて、10月20日からおこなわれる自衛隊統合演習に反対する「緊急アピール」が提起され、全体で承認された。最後に、集会宣言が読みあげられ、〈知り、つながり、行動する〉ことを確認した。
第3部
第3部ピースパレードは公園を反時計まわりで1周する約1・7qのコースだ。この時、会場周辺をまわっていた右翼の街宣車はいなくなっていた。プラカードを掲げた長い隊列が続き、会場を出るのに時間がかかる。周辺の住宅からは、家の前に出てきて手を振ってくれる人、2階窓から手を振る人もいた。
地元住民(女性)の発言
「精華町は自然が豊かで、教育も重視されていて、住みやすい街です。精華町は学研都市の中心地で、企業の研究施設や国立国会図書館もあります。こんな平和なところに、ミサイル弾薬庫はいりません。有事の際、弾薬庫はまっさきに攻撃対象になります。政府は国を守るために必要と言っていますが、わたしたちの守るべき『くに』は人びとの日常生活そのものなのです。さまざまな人たちの営みによって『くに』が成り立っています。住民の声を聞くのが『くに』の仕事ではないのでしょうか。子どもたちが将来も平和にくらしていくために、わたしはひとりの大人として責任を感じています。だから、今日この場所で声をあげたいと思いました」。
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| 広い会場に2700人が座って集会に集中した(10月19日) |
具志堅隆松さんの提起
「わたしは3つの肩書をもっている。ひとつは〈沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」〉で、沖縄島で遺骨収集をおこなっている。沖縄ではまだ戦後処理が終わっていない。再び沖縄が戦場になるとの危機感から、2022年に〈ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会〉をつくった。そのうち、沖縄だけでなく日本全国が戦場になるような事態になった。そこで今年2月に〈戦争とめよう! 沖縄・西日本ネットワーク〉を発足させた。
この9月、宮古島住民がレゾリュート・ドラゴン25に抗議した。これにたいして、中谷防衛相(当時)は「妨害行為であり、行き過ぎた抗議行動だ」と述べ、住民敵視の発言をした。とんでもない。わたしたちは戦争のための訓練を止めたい。だから抗議している。政府は、国を守るために軍備が必要と言っているが、わたしたちは住民の生活を守るために、戦争をとめている。わたしは自衛隊基地の前で『ミサイルを持って、沖縄から出ていけ』と叫んでいる。自衛隊員の命を守るためにも、戦争をさせてはならないのだ。人民が主権者であり、国が決めたことに従わさせられる存在ではない。わたしたちが『くに』の進む方向を決める。自信と確信をもって、闘っていこう」。
新たな反戦闘争を
高市早苗政権が発足する直前での、軍事大国化を迎え撃つ歴史的な集会になった。「10・19祝園全国集会」は〈戦争止めよう! 沖縄・西日本ネットワーク〉に賛同する人たちによって準備された。政治団体や労働組合主導でおこなわれたものではなく、すべて市民の力によって企画され、運営され、創りあげた。
長射程ミサイルの配備は、専守防衛を超えており、憲法に違反している。再び加害者にならない。新たな侵略戦争を市民の力で止めよう。
3面
《シリーズ 安保3文書研究 A》
自衛隊の戦略と法整備
寺田理
(1) 基本戦略(理念)
1954年に自衛隊が発足した。憲法9条第2項で「戦力保持」が禁止されているなかで、「専守防衛」が防衛戦略の中心にすえられていた。初めて公刊された『防衛白書』(1970年10月)において、専守防衛は以下のように定義されている。
「専守防衛の防衛力は、わが国に対する侵略があった場合に、国の固有の権利である自衛権の発動により、戦略守勢に徹し、わが国の独立と平和を守るためのものである。したがって防衛力の大きさおよびいかなる兵器で装備するかという防衛力の質、侵略に対処する場合いかなる行動をするかという行動の態様等すべて自衛の範囲に限られている。すなわち、専守防衛は、憲法を守り、国土防衛に徹するという考え方である」
その後、政府は「国防の基本方針」をつくった。政府はこれを2回も変更して、憲法違反の既成事実を積み重ねていく。2022年12月に「専守防衛」を棄て去った。まず、この点からみていきたい。
◇「国防の基本方針」(1957年)
第1次岸信介政権は、1957年に「国防の基本方針」を策定した。以下に示すように、300字余りの短い文章で、海原治(防衛局第1課長)が原案を作成した。
「国防の目的は、直接及び間接の侵略を未然に防止し、万一侵略が行われるときはこれを排除し、もって民主主義を基調とする我が国の独立と平和を守ることにある。この目的を達成するための基本方針を次のとおり定める。
(1)国際連合の活動を支持し、国際間の協調をはかり、世界平和の実現を期する。
(2)民生を安定し、愛国心を高揚し、国家の安全を保障するに必要な基盤を確立する。
(3)国力国情に応じ自衛のため必要な限度において、効率的な防衛力を漸進的に整備する。
(4)外部からの侵略に対しては、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果たし得るに至るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する」
自衛隊は憲法に違反する。当時、人びとはこのように認識していた。政府は(2)の事項を重視し、「国民の安全を守る自衛隊」を強調した。こうして、長期防衛力整備計画(1次〜4次)のもとで、なし崩し的に軍備が増強されていった。
1976年からは防衛計画の大綱に名称変更し、10年をめどに大綱を改めていった。大綱は2018年まで6回改訂されている。
◇国家安全保障戦略(2013年12月)
安倍晋三政権は、2013年に国家安全保障会議を創設し、従来の「国防の基本方針」に代えて、「国家安全保障戦略」を策定した。ここでは、「国民の安全を守る自衛隊」から「国家の安全を守る自衛隊」に変わっている。ここに「国権の発動たる戦争」(侵略戦争)が透けて見える。
その後、安倍政権は2014年7月に集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、2015年9月には「安保関連法」を国会で成立させる。2016年に、安倍は「自由で開かれたインド太平洋構想」(FOIP)を提唱した。
安倍政権のもとで「13大綱」と「18大綱」がつくられた。とりわけ、「18大綱」では敵基地攻撃という文言は出てこないものの、内容的に敵基地攻撃能力におおきく踏み込んでいる。「18大綱」が分水嶺になっている。
◇国家安全保障戦略を改定(2022年12月)
2022年12月、岸田文雄政権は国家安全保障戦略を改定し、新たな「国家安全保障戦略」を閣議決定する。同時に、「国家防衛戦略」(防衛計画の大綱に代わるもの)と「防衛力整備計画」(中期防衛力整備計画に代わるもの)を策定した。
(2) 仮想敵国―「脅威論」
自衛隊の戦略は一貫して「ソ連脅威論」に立っていた。1991年1月に湾岸戦争が勃発し、12月にソ連が崩壊する。こうして、「ソ連脅威論」から「北朝鮮脅威論」に転換していく。『防衛白書』(90〜93年版)では、国連平和維持活動に参加(「国際貢献」)と「北朝鮮の核疑惑」の2本柱に立っている。
1997年9月、「日米ガイドライン」が見直され、有事法制が整備されていく。2003年、有事関連3法が制定される。04年、国民保護法など有事関連7法が成立する。
2018年版『防衛白書』までは、日本をめぐる情勢の記述が朝鮮半島→中国→ロシアの順番になっている。ところが、18年12月の「18大綱」でこの順番が入れ替わっている。順番が中国→朝鮮半島→ロシアに変わっているのだ。19年版『防衛白書』もこの順になっている。2018年12月に、「中国脅威論」に変わっている。同時に、自衛隊の「南西シフト」が推進されている。
(3) 「敵基地攻撃能力」について
1956年2月、鳩山一郎首相答弁において、政府は「たとえば誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理論的には自衛の範囲に含まれ、可能である」と言っている。しかし、政府は「敵基地を攻撃するために必要となる攻撃的な兵器を持つことは、自衛のための必要最小限の範囲とは言えないため、敵基地攻撃能力を持つ兵器は憲法上保有できない」としてきた。
自衛隊が矛としての「打撃力」を持つことによって、日米軍事同盟関係を対等に持っていきたい。自民党のなかにこのように考える勢力が存在しており、かれらは敵基地攻撃能力保有をしつこく政府に提言してきた。
2018年2月、安倍は国会答弁で次のように述べている。「飛んでくるミサイルを撃ち落とすだけで、はたして守れるか。直ちに米側に策源地攻撃してもらわなければいけません。しかし、策源地といっても、ずっと動き回っている。……むしろ、それを指示しているところを攻撃するのかどうかということについても、米側に十分に検討していただかなければならないわけでありますが、では日本は今までの考え方だけで、硬直した考え方だけでいいとは、私は思っていません」。
この年6月に、安倍はマティス米国防長官に「敵基地攻撃能力を持つ」と伝えている。12月に改訂された「18大綱」で、護衛艦「いずも」の空母化、スタンドオフ・ミサイルの保有を明示している。また、2020年9月の談話で、安倍は敵基地攻撃能力保有を進めてきたことを明らかにしている。
こうして、2022年12月、岸田首相は敵基地攻撃能力を新しい「国家安全保障戦略」の柱にすえた。岸田首相は、23年1月の施政方針演説で「日本の安全保障政策の大転換」と言っている。このために、スタンドオフ・ミサイルを保有する。同時に、5年間で43兆円の軍事予算を投入し、GDP比で2%にする方針を決めた。
敵基地攻撃能力は、相手国を侵略するということだ。ここで、攻撃対象は敵基地に限らず、敵司令部なども含まれている。これで専守防衛は名実ともになくなった。自衛隊の戦略が根本的に変わってしまった。
アジア初の脱原発=台湾から来日(中)
東京・大阪で講演会を開催
(承前)現在、頼清徳政権は原発にあいまいな態度をとっている。頼総統は『今後、技術の安全性が増し、廃棄物が少なくなるとともに社会での受容が進めば、先進的な原子力発電を排除するつもりはない』と言っている。原発稼働にハードルを設けているが、原発を廃止するとはいっていない」
再生エネルギーへの転換
また、再生エネルギーへの転換政策について、崔(示す偏に素)欣さんは次のように解説した。
「再生エネルギー発電を増やしており、4・8%(2016年)から現在で14%になっている。太陽光発電、風力発電の量が増えている。また、石炭発電を減らし、天然ガス発電に置き換えた。これで二酸化炭素(CO2)の排出量は格段に減少した。しかし、再生エネルギーへの転換(目標20%)は十分に進んでいない。
原発推進派は『原発がなくなると電気が足りなくなる』と言っていた。これがウソだということが実証された。原発を稼働させなくても、電気はたりている。しかし、原発推進派は国民投票制度をつかって、執拗に原発を動かそうとしている」
台湾の国民投票制度
つぎに、林正原さんが、台湾の「国民投票制度」について、以下のように解説した。
また、再生エネルギーへの転換政策について、崔(リッシン偏に素)欣(ツィスーシン)さんは次のように解説した。
「台湾では主権者の民意を反映するために、民主化運動の一環として、2005年に国民投票制度がつくられた。2017年に、国民投票制度が改定された。そのポイントは3点ある。@国民投票実施の署名要件が5%から1・5%(約30万人)に引き下げられた、A有権者の年齢が20才から18才になった、B〈有権者の4分の1(約500万人)を超えること〉という条項が成立条件に加わった。この改定は微妙な問題を含んでおり、原発推進派は、国民投票制度を悪用して原発再稼働を推進している。
今まで、国民投票は18回おこなわれている。原発問題に関する国民投票は、2017年の法改定以降に3回(2018年、2021年、2025年8月)おこなわれた。2018年の国民投票は、電業法の「2025年までの原発設備全て運転停止」の条文の廃止について是非を問うた。これは賛成多数で成立し、電業法の条文から削除された。2021年の国民投票は、「第4原発の凍結を解除し、運転をおこなう」案でおこなわれ、これは「否決」された。第3回目が、今年の8月におこなわれた国民投票だ。これは第3原発再稼働をめぐる問題でおこなわれた。(つづく)
4面
10・19祝園全国集会 全国各地からの報告
知り、つながり、行動しよう
□沖縄・南西諸島
自衛隊の「南西シフト」は2010年から始まった。2016年、与那国島に陸自沿岸監視隊が配備された。2019年、宮古島と奄美大島に陸上警備部隊がおかれた。2023年、石垣島にミサイル部隊がつくられた。これらの島々では、住民の意向を無視して日米共同訓練がおこなわれている。
沖縄・石垣島からは藤井幸子さん(石垣島の平和と自然を守る市民連絡会)が、軍事要塞化されている石垣島の情況を報告した。藤井さんは「石垣島では、今年12回も自衛艦や米軍艦が入港している。レゾリュート・ドラゴン25では、自衛隊と米軍の共同訓練がおこなわれた。この訓練は住民を守るためではない。戦争態勢構築のために、実地演習をおこなっている。戦争を止めよう」と述べた。
□九州
鹿児島県の馬毛島では、島全体をを切り開いて、陸・海・空自衛隊の兵站訓練基地が造られている。2025年3月、大分県湯布院駐屯地に第8地対艦ミサイル連隊が発足した。今年7月、佐賀県佐賀空港にオスプレイが配備された。宮崎県空自新田原基地にF35Bがやってきた。来年3月、長射程ミサイル(12式地対艦誘導弾能力向上型)が健軍駐屯地基地(熊本)に配備される。
大分市にある敷戸弾薬庫は祝園弾薬庫とおなじように住宅地のなかにある。新たに9棟の弾薬庫が造られており、今年12月に、そのひとつが完成する。福岡県の築城空自基地は滑走路の延長工事がおこなわれ、米軍と共同使用されようとしている。
集会では、池田年宏さん(大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会)が日本軍によるアジア侵略の歴史について、次のように語った。「大分の第6師団は南京虐殺をおこなっている。京都の第16師団も南京に攻め入っている。わたしたちは加害の歴史をふたたび繰り返してはならない。戦争のためのミサイルはいらない」。
海北由希子さん(平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本)は、長射程ミサイル配備に反対する行動について報告した。「自治体は住民の生活を守るために存在する。しかし(実際は)地方自治体は国の方針に追従し、国の方針を住民に伝える組織になっている。市民運動で戦争を止めよう。人口の半分を占める女性が頑張れば、世の中を変えることができる」。
□広島・山口
岩国基地は侵略拠点としてますます強化されている。岩国基地は東アジア最大の航空基地になっている。米海兵隊がここを使用している。
呉では日本製鉄の高炉がなくなり、その広大な跡地(130ヘクタール)が自衛隊基地に変わろうとしている。呉市は多機能複合防災拠点にする計画をしている。今年4月、呉基地の海上輸送群が編成された。呉港は南西諸島にむかう兵站基地になる。かつてアジア侵略において、広島港から兵隊がアジア各地に送られていった。この歴史を繰り返してはならない。
新田秀樹さん(ピースリンク広島・呉・岩国)は「戦後、旧軍港市転換法(1950年)ができ、呉は平和都市として出発し、日本の造船を支えてきた。自衛隊基地が造られたら、ふたたび軍港の歴史にまいもどる。この軍拡を止めよう。全国から声をあげていこう」と述べた。
□兵庫(神戸)
神戸港の「非核神戸方式」は、1975年につくられた。この背景に、港湾法(1950年)に込められた精神がある。港湾法は、侵略戦争を反省して、国がおこなう戦争を止めるために、地方自治体が港湾を管理することになっている。
粟原富夫さん(神戸港の軍事使用を許さない9・28市民集会実行委員会)のメッセージが代読された。「今年3月に神戸市は例外をつくって、非核証明書なしで米軍艦(掃海艦)を入港させた。1975年から続いてきた非核神戸方式が崩されようとしている。祝園弾薬庫のミサイルがトラックで神戸港に運び込まれ、艦船で南西諸島に輸送される。神戸港を軍事に使わせてはならない」。
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□京都・滋賀
京都には自衛隊基地がたくさんある。京都最北端の経ケ岬には米軍Xバンドレーダー基地と自衛隊基地がある。舞鶴には海自基地があり、イージス艦が配備されている。琵琶湖の西に饗庭野演習場がある。京都の最南端には、祝園弾薬庫がある。
集会では、京丹後の経ケ岬で米軍Xバンドレーダー基地に反対する活動、舞鶴基地での取り組み、饗庭野演習場で日米合同訓練に反対する闘い、精華町で祝園弾薬庫に関する署名活動について、それぞれ報告された。
□愛知
名古屋周辺では、ミサイルや航空機の製造がおこなわれている。三菱重工小牧工場で長射程ミサイルが生産されている。F35Bの最終組み立てもおこなわれる。3国(日・英・伊)共同開発の戦闘機もここで造られる。
山本みはぎさん(不戦へのネットワーク・愛知)は「これからは軍事基地だけではなく、軍需産業に反対する闘いも重要になってくる。軍事企業にたいして『ミサイルを造るな』をさらに訴えていきたい」と語った。
□静岡
10月7日、東富士演習場で多連装ロケットシステム(MLRS)の試射訓練がおこなわれた。東富士でおこなわれるのは初めてのこと。高速滑空弾と12式ミサイル能力向上型がここに配備され、長射程ミサイルの実地訓練がおこなわれる。
竹内康人さん(富士を撃つな! 実行委員会/人権平和・浜松)は、次のようにアピールした。「東富士演習場で、日米合同演習がおこなわれている。わたしたちは『富士を撃つな』と訴えている。自衛官は公務員であり、戦争に反対する権利がある。自衛官を反戦運動に獲得していこう」と述べた。
□神奈川
横須賀には、弾薬庫が2022年に4棟つくられ、日・米あわせて14棟も存在する。横須賀基地は、ますます強化されている。
木元茂夫さん(すべての基地に「NO!」を・ファイト神奈川)は「今年度にも自衛隊が長射程ミサイルのトマホークを米国から購入し、イージス艦に搭載される。この運用訓練が横須賀でおこなわれている。9月に、防衛省有識者会議が防衛力の抜本的強化に関する報告書をだした。ここで、原子力潜水艦の保有をほのめかしている。この策動を許してはならない」と述べた。
沖縄日誌9月
レゾリュート・ドラゴンに怒り
最新兵器を使った演習許すな
9月5日 沖縄防衛局は与那国町に、日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン25」の規模を縮小することを伝えた。8月24日投開票の与那国町長選で初当選した上池常夫町長が「ハイマースとオスプレイの使用を認めない」との考えを示していた。上池町長は「町民の声が防衛局に届いた」と語った。
> 7日 沖縄島東村高江で「ヘリパッドいらない住民の会」が高江座り込み18周年の集会を開き、近況を報告した。米軍は新しい倉庫と隊舎、訓練施設の建設を進めている。米軍ヘリやオスプレイが低空で爆音を響かせて訓練している。(19日・日米共同訓練で、自衛隊が初めてN4の着陸帯を使用、住民は自衛隊の訓練が恒常的にならないか心配と話した)
8日 宮古島市の嘉数登市長は「レゾリュート・ドラゴン25」について「米軍による訓練は自粛を求める」「自衛隊の訓練も影響を最小限に」などのコメントを発表した。
10日 うるま市で〈ミサイル配備から命を守るうるま市民の会〉は陸自勝連分屯地前で緊急集会を開催、市民65人が参加。「日米共同訓練反対」の声を上げた。
> 同日 2023年12月に発生した米兵少女誘拐暴行事件で、福岡高裁那覇支部(三浦隆志裁判長)は懲役5年とした那覇地裁判決を支持し、米空軍兵長の控訴を棄却した。(米兵は最高裁へ上告した)
11日 日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン25」が始まった。25日まで。自衛隊1万4千人、米軍5千人が沖縄や北海道など8道県で訓練を実施。沖縄では、自衛隊2千人、米軍3千人が参加。
石垣市では、石垣空港に米軍機が飛来した。空港周辺では市民が「日米の軍事訓練中止せよ」と抗議の声を上げた。
> 宮古島市では〈ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会〉(以下、住民連絡会)が陸自宮古島駐屯地に訓練の中止などを求める抗議声明を提出した。
13日 宮古島市の平良港で〈住民連絡会〉〈平和運動センター宮古島〉などは抗議行動を実施。この日、平良港から陸自宮古島駐屯地までの物資輸送訓練が予定されていた。7時前、民間船から降ろされた陸自車両を市民が行く手をふさぎ「戦争のための武器を島に持ち込むな」と抗議。陸自車両は再び船に収容され10時過ぎ石垣港に向け出港した。
〈住民連絡会〉の仲里成繁共同代表は「この島で軍事訓練は許さないという思いが訓練阻止につながった」と話した。
15日 石垣空港に米軍の最新型地対艦ミサイル「ネメシス」(射程210キロ)と短距離防衛システム「マディス」が着陸、公道を使用し石垣駐屯地に運び込んだ。市民は「日米共同訓練止めよ」と抗議し、トレーラーの行く手を一時阻んだ。
19日 東京で中谷元・防衛相は「沖縄において自衛隊の活動に対する過度な抗議活動、妨害行為が続いている」と抗議行動を「行き過ぎ」と繰り返した。
〈住民連絡会〉の清水早子共同代表は「憲法で保障されている『表現の自由』を行使している」と反論。その後、防衛相へ抗議声明を発表。
26日 南城市議会は市の第三者委員会からセクハラを認定され、辞職を提言された古謝景春市長に対する4度目の市長不信任決議案を可決した。10月6日までに、辞職か市議会の解散か、自動失職を迫られる。2023年12月に表出した一連のセクハラ問題の中、声を上げた被害者たちの勇気が議会を動かした。
5面
戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク
全国交流集会ひらかれる
10月18日京都
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| 祝園闘争前日、京都市内で140人が全国の基地闘争情報を交換しあった(10月18日) |
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| 主催者あいさつをする共同代表の具志堅隆松さん |
10・19祝園全国集会の前日、京都市内で全国交流集会がひらかれ、全国各地から140人が参加した。主催は、〈戦争止めよう! 沖縄・西日本ネットワーク(以下、沖西ネット)〉と〈10・19祝園全国集会実行委員会〉。
沖西ネット共同代表の呉羽真弓さんが「歓迎あいさつ」。同じく共同代表の具志堅隆松さんが「主催者あいさつ」。
問題提起
木元茂夫さん(すべての基地に「NO!」を・ファイト神奈川)が「拡大する日米豪の軍事行動と題して全体の問題提起をおこなった。
9月におこなわれたレゾリュート・ドラゴン25では、実際の作戦行動を想定した演習が日米豪間でおこなわれている。9月には、英国から航空母艦「プリンス・オブ・ウェールズ」がやってきて、海自の航空母艦「かが」と合同演習をおこなった。自衛隊統合演習が10月20日からおこなわれる。これらの大規模な演習は、戦争準備のためにおこなわれている。戦争が差し迫っている。
石垣島から
軍事要塞化がすすんでいる石垣島から、〈石垣島の平和と自然を守る市民連絡会〉共同代表の藤井幸子さんが発言。「10月20日から自衛隊統合訓練が石垣島でおこなわれる。これに米軍も参加する。石垣島を戦場にして闘うことを想定して、実戦訓練がおこなわれる。政府は国民保護法にもとづいて住民避難計画を進めている。しかし、これは住民を守るためではない。島に兵器をおかないこと、これが島の平和を守ることになる」と述べた。
大分から
〈大分敷戸弾薬庫問題を考える市民の会〉葛城知明さんは次にように語った。「大分市内にある敷戸弾薬庫に新たな弾薬庫が造られている。最初の1棟が12月に完成する。日本政府は攻撃目標を中国にして、戦争態勢を構築している。80年前、日本は中国に何をしたのか。日本政府はアジア侵略の歴史を反省していない。アジア侵略の歴史を繰り返してはならない。今こそ、加害の歴史を問いかけていく。日本と中国で市民間の連帯をさらに強めていきたい」。
熊本から
〈平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本〉海北由希子さんは「国の暴走を止めるのが自治体の役割ではないか」と訴えた。
岩国・呉から
〈ピースリンク広島・呉・岩国〉新田秀樹さんは、岩国の米軍基地拡張と呉の軍港化について報告した。「岩国基地が強化され、軍事拠点化されている。レゾリュート・ドラゴン25ではタイフォン(Typhon)を持ち込んで軍事演習をおこなった。タイフォンはトマホークを発射する中距離ミサイルシステムであり、敵地攻撃用兵器だ。これを許してはならない」。
神戸から
〈神戸港の軍事使用を許さない会〉は次のように訴えた。「阪神基地からミサイルが運ばれる。祝園弾薬庫のミサイルを神戸港にトラックで運び、船で南西諸島に持っていく。神戸では三菱重工と川崎重工が潜水艦を造っている。敗戦後、神戸で最初に海員組合がつくられた。アジア太平洋戦争の時、民間船は戦争に協力させられ、多くの海員が亡くなっている。これを反省して、『船と港湾を戦争に使わせない』と非核神戸方式につながったこれを継承していく」。
京都・滋賀から
地元=京都・滋賀の3団体から。京丹後の経ケ岬にある米軍Xバンドレーダー基地に反対する闘い、饗庭野演習場で日米合同訓練に反対する取り組み、祝園弾薬庫問題について、それぞれ報告された。
東京・横田から
〈横田基地被害をなくす会〉塚本秀夫さんは、「横田には、米空軍横田基地と在日米軍司令官が所在する。ここにオスプレイ(5機)が駐留している。また、航空自衛隊基地がある。横田基地公害訴訟をおこなっている。オスプレイをこれ以上増やさないために、ネットワークに参加して闘っていきたい」と訴えた。
愛知県小牧から
〈不戦へのネットワーク・愛知〉山本みはぎさんは「三菱重工小牧工場では、12式地対艦ミサイル能力向上型が組み立てられている。2022年に軍需産業支援法ができ、軍産学複合体ができている」。
岐阜県大垣市から
〈大垣警察市民監視違憲訴訟〉に勝利した原告の近藤ゆり子さん(「もの言う」自由を守る会)はスパイ防止法の危険性について、次のように語った。「風力発電所建設反対運動で公安警察が市民の情報をつかんでいた。裁判に訴え、大垣市民は勝利した。『市民運動は非難されるべきどころか、推奨されるべきもの』と判決文にも書いてくれた。公権力が市民を監視することを許してはならない。スパイ防止法を許してはならない」。
これからの運動について
沖西ネット共同代表の高井弘之さんが問題提起。「全国各地で反戦運動がおこなわれている。政府が推し進める戦争をどうやって止めるのか。政府は軍事予算を拡大している。市民は物価高で、生活に苦しんでいる。今後、『軍拡よりも生活を』というスローガンをうち出していこう。政府は、抑止力をつけるためといっているが、この論理を打ち砕いていくことが必要だ。中国をターゲットにして日米で合同演習が繰り返されているが、中国が攻めてくることは決してない。長射程ミサイルは専守防衛ではなく、敵地攻撃のためなのだ。これを共通の闘いにしていこう」。
知り、つながり、行動しよう
各地で戦争態勢がつくられている。この集会で、さまざまなことが共有された。全国で「知り、つながり、行動」して、戦争態勢を打ち砕こう。
投稿
拝啓 総理大臣 高市早苗殿
貴方は国会での施政方針演説のなかで、聖徳太子が制定したとされている「十七条の憲法」の一節を引用して、政治の要諦みたいなものを説かれましたね。
ところで貴方は、聖徳太子の家庭教師が、当時朝鮮半島で勢威を誇っていた高句麗から派遣され、太子に仏教を中心にした教養とか学問を伝授した僧慧慈であることをご存知でしょうか。慧慈は20年間も太子を指導したのち高句麗に帰国しました。
これは中央公論社発行の古代における朝鮮と日本の文化交流に関する全4巻シリーズのうち『朝鮮と古代日本文化』に記されている史実です。このシリーズは現在中公文庫に収録されていますが、古代史専門家の上田正昭(京大教授)や同問題について造詣の深い司馬遼太郎らの座談会を収録したもので、大変読みやすいです。
稲作に欠かせない灌漑や製鉄の技術も朝鮮半島から移入されたものであることを知って、私も大いに目を開かされました。
貴方の選挙区の奈良は朝鮮渡来文化のメッカです。「奈良公園の鹿が外国人に蹴られた」などと卑劣なデマをとばす暇があったら、少しは歴史を勉強されたらいかがでしょうか。そしたら選挙の新しい票が増えるかも知れませんよ。(静岡O生)
6面
排外主義とデマに立ち向かう
はびこる同調圧力はねのけ自己主張を
10月4日東京
10月4日、都内で「排外主義とデマに真っ向から立ち向かうためのこれからの市民運動」と題する講演会がひらかれた。主催は、九条の会東京連絡会。講師は、戦争させない9条壊すな! 総がかり行動実行委員会・共同代表の菱山南帆子さん。
以下、菱山さんの発言の一部を紹介する。
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「(自民党が)少数与党になっても戦争への動きは止められていないことを重く受け止める。九州・西日本で動きが広がっている。嫌な広がり方」
「宮古島で住民が(有事の際には)『リュック一つで逃げてください』と言われている。(老いた親や障害児など)介護対象がいる場合を考えていない」
「八王子のうちの町内会で(有事に備える訓練で)バケツリレーをしている。いつの時代なんだと思うが、こういうのが心の戦争準備に役立つ」
「内閣官房国民保護ポータルサイトに(ミサイルが飛んで来ていて近くに地下や建物がない時)『ミサイル着弾時の爆風や破片などによる被害を避けるため、物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守ってください』と書いてある。自衛隊の教科書には(ミサイル着弾までに)2q逃げろと書いてある」
「(中国が脅威だとして宮古・八重山の軍備増強が進められているが)『今まで沖縄に攻めてきたのは日本とアメリカだけ』と住民が言っている」
「憲法審査会が危ない。今まで衆院憲法審査会は、やばかったが参議院の方はそれほど動いていなかった。今回の参院選で参政党から審査会に2人入った」
「自民党の佐藤正久は憲法審査会でまともなことを言っていた。今回落選。自衛隊・警察関係の票がこれまで20万票入っていたが今回は10万票。警察・自衛隊の票が参政党に行った」
参政党のデマ手法
「『キリストの幕屋』(親イスラエルのキリスト教系新興宗教)の一部や『神真都 (やまと)Q会』(反ワクチン陰謀論団体)にいた人が参政党に入り込んでいる。」「代表の神谷宗幣は森友学園の塚本幼稚園の監事や世界日報の記者を一時やっていた。『幸福の科学』ともつながっている」
「参政党は党員8万人。地方で4〜5人のタウンミーティングを積み重ねてきた。共産党参院議員だった筆坂秀世の元秘書も入っている。生活者ネットの人が『支持者を取られた』と言っている」
「参政党の支持拡大は『ネット空間』『マーケティング』がキーワード」
「昨年の東京都知事選で蓮舫さんが『命の演説』をしたが、石丸伸二の『○○ビルの最上階で▲▲を食べた』みたいな最もどうでもいい話の動画がうけた。みんな疲れていて、長い話なんか聴けない」
「参政党の党員には毎日10分の神谷が喋る動画が届く。メディアは嘘ばかりなんだからそんなものは見ないで神谷の話を聴けばよい、とされる。10分だって長いかもしれない」
「私は八王子のルミネの衣料品店で働いていた時に、ヒトラーの『我が闘争』を真似してみた。例えば、試着室から出てきた客を一度否定する。『お客様のお顔でしたらこちらの方が…』と言って別の商品を薦める。そうすると客は『この人は商売っ気でなく本当に私のことを考えてくれている』と思って、私の出勤日に店に通ったり娘さんを連れてきたりする。それで私の営業成績が関東トップになった。そんなことをやっていることに精神的に耐えられなくなって、店長に泣きながら引き留められたが退職した」
「私達が『受け皿』になれなかったことに向き合わなければならない」
堂々とモノが言えない同調圧力
「『ゆとり世代』は(政治や社会に)怒らない。『良い時代』を知らないから。闘う教師が処分されるなどの『見せしめ』をたくさん見てきた。(政治的にものを言ったらたいへんなことになるのでは、という)『自己監視』するまなざしは相互監視へつながる。今の若い人はパレスチナ関連のデモも、顔や名前を隠してやっている。うっかり本名で呼ぶと注意される」
「若い人は聴く耳は持っている。街頭のシール投票で関心事を問うたら、この2年で選択的夫婦別姓が増えた。これまでまいた種が芽吹いてきた。『非効率』が大事。非効率で地味な運動は簡単に潰れない」
「運動の側が自己をアップデートしなければ頼られない。排外主義はアップデートされている」
「参政党の演説会では荷物チェックされて録音・録画できる機器は取り上げられる。前に並ぶ中に『映してはいけない人』がいて苗字だけ(偽名)で紹介されている。ホストクラブで『参政党に投票したらサービスする』ということがあったのは『反社』との関係で考えると合点がいく」
ジェンダーについて真剣に考える
「ジェンダー平等が実現したら戦争はできない。戦争をしたい側には、ジェンダー平等があっては困る」
「私達は口ではジェンダー平等と言っているが、できているのかを自分達の心に問わねばならない。講演をしても『お話は良かったが男性が言うともっと良い』と言い出す男性がいる。私も『それでも男か』みたいなことを心で思って、我に返って心の中で謝ることがある」
「街頭アピールで通行人の男性に手を握られて私は笑うしかできなかったが若い人が『触るなジジイ』と言ってくれた。そういう『瞬発力』が大事。やさしい「拳の挙げ方」が求められている」
「夜回りで歌舞伎町の24時間保育も見ているが、『夜職』の女性の子どもを世話する保育士さんが体の前後に子どもを抱えるなどしてたいへん。『福祉』等が調べなければ得られないものになっている」
「日本の社会はそんなに右傾化していない。日本共産党みたいな政党がある国は日本と仏くらいしかない。右傾化している国なら朝ドラ『虎に翼』は流行らない」
「立憲民主党に揺さぶりをかけるくらいに市民運動が強くならなければいけない」
「(参院東京選挙区で当選した)さや(参政党)と吉良さん(共産党)の票の出方で考えた。さやは男性票が多く、結婚していることを公表したら『俺の票を返せ』と言っている男性がいる。吉良さんは女性票が多く、保育士をやっている友人が、『吉良さんは国会議員をやりながら2度も出産している』と言って支持している。女性たちのロールモデルになっている。共産党の票より無党派層の票が出ている」
「運動の側が景気のいい話をしなきゃいけない。『これが通ったらあなたも戦地に…』とかの脅しではなく、明るいビジョンを語らなければいけない。楽しく生きることが一番の社会運動。保育士として働いていて一番に教わるのは『憧れられる大人になってください』ということ」
シンポジウム 排外主義・軍事化といかに闘うか
パネリスト:鵜飼哲さん、駒込武さん、木戸衛一さん
とき:11月23日(日)午後1時〜4時
ところ:キャンパスプラザ京都・第3講義室
主催:反戦・反貧困・反差別共同行動in京都
連載 私が推す労働運動関係のほん
大庭伸介
F『三池争議・戦後労働運動の分水嶺』平井陽一著(ミネルヴァ書房)
「革命の子」−資本家階級のリーダーは、三池炭鉱の職場闘争の本質を正確に把握してこのように表現した。しかし組合側の指導部は職場闘争の本質を正しく認識できなかった。
「三池は社会主義協会が指導した」という説がある。しかし資本の分裂攻撃の前に、三池労組6支部のうち彼らの指導する学習会に最も熱心に取り組んだ支部が、一番高い脱落率を示している。この事実は何を物語っているのか。
本書は日本の労働組合の特徴である企業内本工主義の限界性を詳細に分析し、労働運動の再生を追求する者にとって、必読の書である。
G『組織綱領草案』(日本労働組合総評議会編)
日本の労働組合はほとんど企業別従業員一括加盟の組織である。だから経営者が本気で組織攻撃に打って出ると、もろくも分裂するか丸抱えされてしまう。この致命的弱点を克服するために、1958年総評指導部から委嘱された東大社研の藤田若雄と総評のイデオローグ清水慎三らは、全国の先進的職場・地域を訪ねた。そして幹部・活動家はもとより組合員の家族たちからも取材を重ね、組織強化の途を追求した。
とりわけ職場闘争の組織過程や意義を明らかにすることに注力した。そして「職場闘争は階級解放への主体的な下部構造である」という画期的な位置づけをおこなった。
さらに中小企業労働者や非正規雇用労働者、未組織労働者、失業者、農民や零細商工業者と共に闘う場として、地区労や地県評を軸にした地域共闘の重要性を指摘した。現在もなお生命力を有する組織論大系である(エルおおさかのエル・ライブラリーか国会図書館にある)。
7面
通信KOSUGI
差別にNO!反ヘイトイベント
川崎市長選 宮部は極少得票で落選
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| オモニらが多数参加(19月28日 川崎市) |
9月28日、ラップでの音楽ライブやパレードによる差別に抗するイベントが開かれた。
「じんしゅさべつノーノ―ノー みんぞくさべつノーノ―ノー セクマイさべつノーノ―ノー ヘイトスピーチノーノ―ノー」とパレードで響いていた。「かわさき ともにフェス&ノーヘイトパレード」で、ラップにあわせて踊っているのはチマチョゴリを着た川崎在住のハルモニたちだった。参院選で「日本人ファースト」なる差別と排外主義がはびこり、参政党などが跋扈していることを憂慮する若い人々が呼びかけたイベントだ。
いつもは川崎駅頭でヘイトを追いやっている「川崎駅前読書会」、ジャーナリストの安田浩一さん、弁護士の師岡さんや神原さん、朝鮮学校の給食を支援するボランティアなども次々と思いをアピール。「在日コリアンの方、クルドの方など選挙権のない外国人に対して、選挙を利用しての差別排外主義攻撃などは絶対に許せないことです」。
フェスをおこなったこの公園は2016年1月、ここにヘイト団体が集まり、ここから在日の街・桜本にヘイトデモをおこなったのだった。その時の警官隊はデモを守り、デモに抗議する私たちを弾圧したのだった。今日はそれを「上書き」して、時代を後戻りさせないためのイベントだ。
あのヘイトデモの後の6月、ハルモニたちの想いがとおって「ヘイトスピーチ規制法」が成立し、2019年には罰則付きの反ヘイト条例「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」もできて、その後ヘイト集会はできなくなったはずだった。しかし、9月23日には11人でのヘイトデモが川崎市内で強行された。それに対し100人以上のカウンター市民の抗議の声がヘイトスピーチを聞こえなくはしたのだったが、それでも短いデモはおこなわれてしまった。
「ヘイト集会・デモをさせない! 法もあり、条例もできた、しかしそれを徹底するのは、やはり私たち市民の力です」と安田さんも話されていた。
パレードは5百人で川崎駅前まで続き、沿道から多くの住民が注目していて、窓から顔をだして手を振っていた人も多かったのは気持ちの良い驚きだった。しかし、このフェスには川崎市長選で「反ヘイト条例撤廃」を主張しようというヘイト候補者もノコノコ覗きに来て追い返されていた。
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| タスキの宮部をとり囲む |
反ヘイト条例撤廃のレイシストが市長選に立候補
「ともにフェス」を覗きに来て追い返されたのは市長選に立候補した宮部龍彦という人物。宮部は、2016年に被差別部落の地名をさらす書籍の販売をしようとネット上に掲載した。最高裁で違法とされたが賠償命令にも応じずネットにさらしたままで800万円弱を差し押さえられたという差別主義者だ。
宮部の「選挙運動用ビラ」には、「男女共同参画を縮小します」、「外国人参政権の記述を削除します」、「ヘイト禁止条例について長期的に廃止をめざします」、「意味不明な同和事業をやめます」などと公然と書かれている。こうした言動を、マイクでさらに悪質に宣伝しているのだ。
川崎市長選を利用してヘイト街宣をしているこの宮部に対してカウンターが常に対応して弾劾をくりかえしている。私もこの日昼ごろと夕方に出会い糾弾した。宮部はこの日も午前中から多くの在日市民が住んでいる地域で、「池上町改良」などと言うまったく許せないタスキをつけながらヘイト街宣を強行。「ふれあい館の中立を」などと言って、歴史的にたたかいとってきた在日の街を攻撃してきたのだった。
宮部は、「部落差別など存在しない」、「同和は利権だ」などと差別アピールを執拗に続けている。そして在日のたたかいと市民運動が作りあげてきた罰則付きの反ヘイト条例を廃止すると主張している。こんなヤツが川崎市長選挙に立候補すること自体がまったく許されない。私たちは宮部の前に立ちふさがり、「選挙を利用しての差別・排外主義を許さない!」、「立候補を取りやめろ!」とアピールを続けた。この日、川崎駅前でおこなわれていた「デマと差別を許さない川崎街宣」を取り組んでいた市民もかけつけて批判のカウンターを続けた。
自民・維新による極右・高市政権が成立し、また参政党などの差別・排外主義が跋扈する今、こうした取り組みは重要だ。反ヘイト行動、差別と排外主義を許さない市民の行動が問われている。(神奈川・深津利樹)
〈寄稿〉
手話で語る講演会 9月23日大阪
「手話と私」(上)
杉村尚子
9月23日、ウーマンズパレード学習会VOL4が大阪市内でひらかれ、杉村尚子さんが手話で講演し、手話通訳者としての生き方を語った。聴者のために、手話読み取り通訳がついた。この日は「手話言語の国際デー」で手話関連のイベントが各地でおこなわれた日。「聞こえる人=聴者」と「聞こえない人=ろう者」の交流学習会もあり盛会となった。杉村さんは、元手話サークル茜会会長で、現在は手話サークル翔会長をつとめている。>
杉村さんから講演内容が寄せられたので、以下3回に分けて掲載する。
手話と私
優生思想と口話法
ろう者とは誰なのか?
まず言葉の定義もきちんとしておいたほうがいいと思います。ろう者とはいったい誰なのか? ということです。ただ単に聞こえない人なら、大人になって交通事故で聞こえなくなった人もいるでしょうし、お年寄りで耳が遠い人もいます。
しかしここでいうろう者とは生まれつきほとんど聞こえなかったり、二歳ぐらいまでに聞こえなくなった人を言います。戦後日本では病気で高熱を出したときストレプトマイシンの副作用で聞こえなくなった人が多くいました。親にしてみれば子どもの命の危険がある時に副作用のことなど考える余裕はありません。聞こえないので当然ですが音声言語の習得が難しかった人を言います。こうした人たちをここではろう者と呼びたいと思います。
視覚情報をつかむことに優れているので、第一言語は当然手話になります。
戦後日本においては多くがろう学校に入学しておられました。地方のろう学校は寄宿舎に入る人が多かった。今は状況がかなりかわってきています。戦後の口話法の下、手話を弾圧された時代を生き抜いてきた人たちは最も若い人で現在50歳前後です。今では補聴器が改善されているのと人工内耳という手術を医者が勧めるので普及してしまいました。ろう学校の先生も手話を覚えて手話を使っている人が多いです。それよりろうの子どもが普通学校に行くようになり、いわゆる伝統的手話の存続が難しい状況です。
手話の実際
手話は実際に会って話す言語なので、かつて交通の便が悪かったころは方言が多かったようです。同じ理由で各国の手話は異なり、同じ英語圏でもアメリカ手話とイギリス手話では全く違います。しかし、視覚に訴える言語なので国が違っていてもなんとなく通じるところがあるらしく、音声言語ほど国による壁はないようです。国際手話という共通言語がありますが、まだ言語としては発展途上で国連から言語として認められていません。日本手話は言語として承認されています。
みんなが手話で話した島
アメリカにマーサズ・ビンヤード島という美しい島があります。ケネディ大統領の別荘があるので、ケネディの息子が自家用機が落ちて亡くなりましたが、この島に行こうとしていたそうです。映画ジョーズの撮影にも使われた有名な観光地です。この島はかつて150人に一人の割合でろう者がいたので島民みんなが手話で話していたそうです。
今はろう者はほとんどいなくなってしまいましたが、この島に住んでいる聞こえるお年寄りに1960年代学者が調べに行きました。お年寄りたちは誰がろう者で、誰が聴者だったのか記憶があいまいだったそうです。学者がすでにろう者であることを知っている人の名前だけを言ってその人について覚えていることを聞いてみると、お年寄りは「腕のいい船大工だった」「広い土地を持っていた」などは自分から話してくれる。「もしかしてその人はろう者だったのではありませんか」と聞くと「そうだ! あそこは兄弟で聞こえなかった」とやっと思い出してくれるような状態だったそうです。この島の聴者たちは自然に手話を覚え、聴者同士で話すときも手話と音声を使っていたので誰がろう者かあまり意識しなかったというのです。150人に一人の割合でろう者がいたので島民みんなが手話で話していたそうです。
もともとイギリスのケント州というところのある村の人たちが集団移住してきたところです。この村は先祖に何人かろう者がいたので系統だった手話が生まれていました。
つまりイギリスのその村にはろう者か聴者かわかりませんが手話が使える人がいた。そしてアメリカに移住してろう者が生まれたので手話を使うようになった。昔はあまり遠くの人と結婚しないのでろう者がふえたそうです。19世紀の終わりつまりミラノ会議というろう学校の先生たちが手話を弾圧することを決定したころ、この島のろう者たちはマサチューセッツ州の寄宿舎制、手話法のろう学校に入りました。(つづく)
8面
原発つづけるための乾式貯蔵NO!全国集会
11・30 福井県高浜町へ
乾式貯蔵は永久貯蔵への道
増え続ける使用済み核燃料は、原発を進める電力会社にとってアキレス腱である。そもそも、青森県六ヶ所村に建設を進めている日本原燃の再処理工場は完成のメドが立たず、24年中に完成をうたいながら、27回目の延期を発表せざるをえなかった。もう完成の展望はない。
このことは、原発内に使用済み核燃料がたまり続けることを意味する。使用済み核燃料はいったん使用済み核燃料プールで冷却しなければならないが、そのプールが満杯になりつつあり、運転したくとも運転できない事態が迫っている。とくに、関西電力の状況はあと2〜3年でプールが満杯となる。
そこで出てきたのが、乾式貯蔵問題である。一定冷えて、安定した使用済み核燃料をプールから引き上げ、空冷キャスクで地上保管しようというのだ。プールに空きを作り出すためである。原発の運転を続けるためである。
六ヶ所再処理工場の完成延期を受け、関電は再処理工場の完成を前提にロードマップを発表していたが、見直しを迫られ、25年3月31日までに実効性のある見直しをおこなう、もしできなければ稼働中の老朽原発を止めると約束しながら、それを踏みにじり、ペテンと欺瞞で糊塗し、運転を続けている。あらたにひねり出したストーリーは、「使用済み核燃料の県外搬出をスムーズにおこなうために、乾式貯蔵施設を作る」というものだ。仮にプールから搬出するとしても乾式貯蔵施設を経由する必要性はまったくない。とにかくプールに空きをつくりたいのだ。
このように、乾式貯蔵は、「プールか、乾式か」という貯蔵方法の問題ではなく、プールに空きを作り、原発運転を続けるための大攻撃である。
高浜での着工は来年に延期
乾式貯蔵は、四国電力・伊方原発ですでに始まっており、さらに東北電力・女川原発や九州電力・川内原発でも始められようとしている。
乾式貯蔵は「原発依存社会」を延命させるための原発政策であり、老朽原発稼働の拡大、原発新増設とならぶ柱である。原子力マフィアにとって、長期的に見たら原発新増設に踏み切ることが課題であるが、当面、既存原発の徹底活用を図ることが大きな課題。そのためにも、乾式貯蔵であり、老朽原発のフル活用である。言い換えれば、物理的に壊れるか、破損するまで、原発を酷使するということであり、危機的な状況を作り出そうとしている。絶対に許してはならない。
11・30「原発つづけるための乾式貯蔵NO! 全国集会@高浜」は、乾式貯蔵に対する関西初の闘争である。11・30を皮切りに乾式貯蔵に対するたたかいの大高揚を作り出そう。
関電が進めようとしている乾式貯蔵については、高浜原発構内に2カ所、大飯、美浜に各1カ所を作る計画である。すでに規制委員会の許可が出ている高浜原発の1カ所については、当初25年着工と発表していたが、福井県と高浜町の同意をまだ得ておらず、1年遅れ26年着工に延期。
若狭一体、関西、東海、全国に乾式貯蔵反対の狼煙をあげ、高浜での着工を阻止しよう。
11・30福井県高浜町へ
11・30集会は、乾式貯蔵に反対する初めての全国集会であり、今後の原発闘争の行方を左右するようなたたかいである。そればかりか、政府、電力会社、原発推進勢力の原発依存社会への突進に対して、原発全廃を展望できる原発反対運動の再構築に向けた、たたかいでもある。
11・30全力で高浜に集まろう。
原発つづけるための乾式貯蔵 NO!全国集会@高浜〜使用済み核燃料の行き場はない〜
とき:11月30日(日)午後1時〜2時半 ※集会後デモ(解散午後4時)
ところ:(福井県)高浜町文化会館
主催:老朽原発うごかすな!実行委員会
革共同全国委員会(「前進」派)による10・12三里塚全国集会破壊を弾劾する
10月30日 革命的共産主義者同盟再建協議会
@10月12日に千葉県成田市で開催予定だった「成田拡張=軍事空港粉砕! 市東さんの農地を守ろう! 石破政権打倒! 10・12全国総決起集会」が、直前になって中止になった。成田空港会社(NAA)が「第2の開港」と称して、空港機能強化とターミナル・交通アクセス・貨物地区の再編・強化を進めている時、これに反撃するため8月末から準備していた全国集会が突如中止となったのである。われわれ革共同再建協議会や関係する仲間も10・12全国集会に参加し、全国の反戦・反基地・反原発を闘う仲間とともに、新たな闘いの陣形を築こうと決意していただけに、この中止の知らせに驚くとともに、その原因を作った革共同全国委員会(「前進」派)に怒りを禁じえない。
A中止の原因は革共同全国委員会による「前進」紙上での「石田反革命打倒」宣言であり、京都での全学連(矢嶋委員長)学生襲撃事件である。三里塚芝山連合反対同盟は、10・12集会過程や会場内で「不測の事態」が起こることを危惧して、急遽10・12全国集会を中止した。
これは三里塚闘争支援党派が、「敵対」集団への暴力的威嚇をおこない、結果全国集会が中止に追い込まれるという、三里塚闘争60年の中でも前代未聞の出来事である。もちろん三里塚闘争は3・8分裂を始め幾多の困難にあい、また支援党派間の衝突もあったが、全国集会が中止になることは一度もなかった。それは反対同盟の主体性と決意を支援党派・労働者・学生が尊重し、労農学共闘で空港反対・農地死守で闘い抜いてきたからであり、それゆえ全人民共闘の砦として、日本階級闘争に聳え立ってきたのである。
この階級的原則を弊履のごとく投げ捨てた革共同全国委の罪は重い。全学連学生への威嚇は、学生を闘う仲間として受け入れてきた三里塚農民への威嚇でもある。また昨今の彼らは、自己の言動がいかなる社会的意味を持つのかを理解せず、「反革命規定」をすれば何をしてもいいという無頼の集団になっているのではないか。革命や社会の変革をめざす集団は意見の違いを戦闘的討論により解決する能力を持たなければ、革命と革命後の世界は築けないのは自明のことではないか。
B革共同全国委員会は「前進」紙上において、10・12集会への結集を呼びかけていた。結果も大きく報じていたはずである。既に10・12から3週間近くたつのに、なぜ今年は集会中止になったかを報じない。都合の悪いことは「前進」に載せず、石田反革命を10・12三里塚闘争もろとも粉砕したと内部意思統一しているのであろうか。
「前進」3418号10・20付では85年10・20蜂起戦に寄せて、「三里塚芝山連合空港反対同盟に10・12全国集会中止という『苦渋の決断』をさせることになってしまったことについて、革共同は、反対同盟ならびに三里塚闘争を闘うすべての人々に謝罪します」の一文を潜り込ませたが、全体は石田反革命粉砕を変えていない。
10・12破壊への沈黙と威嚇を維持し、三里塚闘争を破壊し続けることは許されない。残された道は、事実経過にそった原因究明と謝罪と「再発防止」への率直な自己批判だけである。かつて革共同創始者・本多延嘉書記長は、お山の大将・「夜郎自大」を厳に戒めた。革共同全国委の諸君に労働者解放・労農同盟の気概や、7・7自己批判の精神が少しでもあるなら、自らの過ちを率直に認めて再出発することを忠告したい。
(おことわり)
各地から各種論考が寄せられていますが、紙面の都合で掲載は次号以降になります。
(闘争案内)
米軍基地いらんちゃフェスタ2025in丹後
とき:11月9日(日)午後1時半
ところ:丹後文化会館(京都府京丹後市)
主催:米軍基地建設を憂う宇川有志の会
米軍基地反対丹後連絡会
「10・8山ア博昭プロジェクト」秋の関西集会
講演:「三里塚、沖縄から百姓一揆へ」菅野芳秀さん(「令和の百姓一揆」代表)
アピール:「ガザ虐殺を怒る日々」重信房子さん
とき:11月15日(土)午後2時〜4時50分
ところ:エルおおさか5F視聴覚室
主催:10・8山ア博昭プロジェクト
関生弾圧・大津第1次事件控訴審判決
とき:11月18日(火)
午前11時45分 西天満若松浜公園、集合
正午 裁判所グルグルデモ、スタート
午後2時 開廷(201大法廷)
主催:労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会
原発・核燃からの撤退を!巨大地震と津波の前に!
◇「私たちが再処理を拒否する理由」青森からの報告 浅石紘爾
◇「核の時代80年の歴史」 加藤登紀子
◇特別報告:山崎誠(衆院議員)
とき:11月22日(土)午後1時40分
ところ:ドーンセンター
主催:脱原発政策実現ネットワーク関西・福井ブロック
共催:大阪平和人権センター
原発反対福井県民会議
沖縄を再び戦場にさせない!スタンディングアピール
とき:11月24日(月休)午後1時〜2時
ところ:大阪駅前南口バスターミナル前(人民広場)
主催:沖縄を再び戦場にさせない実行委員会








