未来・第404号


            未来第404号目次(2024年12月19日発行)

 1面  原発推進の石破・玉木弾劾
     12・8関電包囲650人が結集

     尹大統領の戒厳・クーデター失敗
     韓国民衆の尹打倒闘争に連帯を   

 2面  投稿
     2024年岩国行動に参加して
     岩国ー全国結ぶ反基地闘争

 3面  11・30国会前アクション 山城さん 伊波さんら発言
     沖縄と連帯し「本土」でも声を

     沖縄日誌11月
     基地・演習と連日の闘い     

 4面  侵略戦争をとめよう
     ミサイルも弾薬庫もいらない!
     西日本各地から大分に集う
     12月1日      

 5面  軍事大国化・全土基地化反対
     11・30沖縄・西日本交流会  

 6面  投稿
     先住民族アイヌからのメッセージ(上)
     多原良子さん講演会 11・24吹田
     南方史郎

     パレスチナ連帯行動 11・29大阪
     ドイツの反動性を弾劾 

 7面  小山美砂さん全国キャラバンin大阪
     カザフスタンで聞いた各被害者の叫び
     12月5日

     島根原発2号機再稼働 弾劾
     反対の声ふみにじる中国電力カジノ      

     投稿
     国会は暴露・弾劾の場だ!

 8面  異議あり兵庫県知事選12・22緊急集会へ
     数々の選挙違反斎藤の当選は無効

     冬期カンパにご協力をおねがいします

                

原発推進の石破・玉木弾劾
12・8関電包囲650人が結集

集会を終え力強くデモに出発(12月8日 大阪市内)

12月8日、「とめよう! 原発依存社会への暴走 関電包囲大集会 〜老朽原発うごかすな、使用済み核燃料ふやすな〜」のたたかいは、大阪・中之島の関電本店前に650人が結集し、大きな高揚を勝ち取った。

核のゴミ銀座へと変貌

主催者を代表して中嶌哲演さんが開会あいさつ。中嶌さんは、「若狭の原発7基がフル稼働し、使用済み核燃料を増やし続けている。いまや若狭は原発銀座から核のゴミ銀座へと変貌しつつある。大同団結し連携をつよめていこう」と呼びかけ。

滋賀県米原市の前市長・平尾道雄さん

福井県若狭の原発群の風下・滋賀県米原市の前市長・平尾道雄さんは「この国の安全、安心は大丈夫ですか?」と題して発言。この間の韓国・尹大統領による非常戒厳の動きにふれ、韓国民衆のたたかいを称揚し、日本の責任も明らかにしながら共にたたかうことを強調。その上で、自治体首長を務めてきた経験に踏まえ、いかに住民の安全・安心を守っていくのか、特に原発行政・安全行政について述べた。 

関西電力本店にむけシュプレヒコール(12月28日 大阪市内)

暴走を止めよう

「原発依存社会への暴走を止めよう」と題して、木原壯林さんが提起。木原さんは、原発依存社会への暴走を弾劾し、原発推進と過酷事故について警鐘を乱打し、原発のない社会への展望を語った。
この発言を受け、各テーマについて、発言がなされた。
最初に「行き場のない使用済み核燃料」と題して青森からの報告が〈核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会〉事務局長・中道雅史さんからなされた。
続いて「地震も事故もまったなし」と題して、弁護士の井戸謙一さんが発言。能登半島地震に関連して、この地震で明らかになった活断層は、井戸さんが志賀原発運転差止の判決(2006年)をだした当時には明らかにされていなかった活断層であり、このように地震については、わかっていないのであり、地震多発列島の日本に原発を建てることは、いかに無謀なのかと警鐘を乱打した。
「日本原電徹底追及/敦賀2号機、東海第二」と題して、原発住民運動福井・嶺南センター事務局長/敦賀市民・山本雅彦さんが発言。

平尾道雄さん
中嶌哲演さん

政党、各地の団体がアピール

政党挨拶として、今回は各党が発言する場を設定し、社会民主党、新社会党、日本共産党、緑の党グリーンズジャパン、れいわ新選組が発言した。
続いて、「関電原発を止める裁判の現状」として、老朽原発40年廃炉訴訟市民の会・草地妙子さんが、来年3月名古屋地裁で判決を迎える、注目をと訴えた。
「避難の権利、国の責任を認めよ」として、原発賠償京都訴訟原告団が、「12月18日に大阪高裁で判決が出る。(このかん、全国でくりかえされている最高裁判決の)コピペ判決を許さず、国の責任を認めさせたい。当日長丁場の行動になるがぜひ結集してほしい」と呼びかけた。

長蛇のデモが国道2号線、1号線を東進(12月28日 大阪市内)

労働団体

労働団体からは、平和フォーラム関西ブロック、全労連近畿ブロック、おおさかユニオンネットワークが発言した。
集会アピールを採択し集会を終了。この日は、厳しい寒さの日であったが石破、関電、原発推進勢力にたいする怒りに燃え立って、寒さもはねのけ意気軒高とたたかい抜いた。
集会終了後、西梅田公園に移動。大阪駅前の繁華街に向かって、デモ行進に出発した。

使用済み燃料プールは満タン

前日の7日には、「3・11福島」で過酷事故を起こした東電福島第一原発の沸騰水型原発と同型機である島根原発2号機が2011年以来13年ぶりに、再稼働された。 また、この間、原発フル活用をめざし、原発の新設やリプレースを積極的に打ち出そうとしている第7次エネルギー基本計画を打ち出そうとしている。石破は岸田のエネルギー政策を引き継ぎ、原発依存社会への暴走の道を走っている。
また、今回の衆議院選挙で、「躍進」した国民民主党は電力総連を最大のバックボーンとする政党であり、まさに原発依存社会への最大の推進勢力である。
他方、能登半島地震は、原発は地震にたいしていかに脆弱かということをあらためて突きつけた。
さらに青森・六ヶ所村の再処理工場は、完成時期を、さる8月に、27回目の延期を発表し、26年度中に完成をめざすとした。たまり続ける使用済み核燃料の問題が、大きくクローズアップされている。使用済み核燃料の行き場はないのである。
特に関電にとって、このことはきわめて深刻である。関電は、再処理工場の完成を前提に、福井県との間で、「使用済み核燃料について福井県外に持ち出す」という約束を交わしている。
使用済み燃料プールは満タンに近づきつつあり、運転できない状況が迫っているのだ。
そういう中で、12・8関電包囲大集会はたたかい取られたのである。

尹大統領の戒厳・クーデター失敗
韓国民衆の尹打倒闘争に連帯を

韓国の尹錫悦大統領は、12月3日午後10時半前、突然に「非常戒厳」を宣言した。多数の政府官僚の弾劾訴追が発議されるなどし、行政府がまひしていることなどを理由とした。戒厳司令官は集会やデモなど一切の政治活動を禁じ、すべてのメディアが統制をうけるとする布告を出した。
尹大統領は、追いつめられて自らの権力維持が目的だった。尹政権は「独善的で対話不在」の政治姿勢を続け、今年4月の総選挙では与党が大敗し野党が単独過半数を獲得。11月には支持率が過去最低の17 %に低落した。
非常戒厳が出されるや、最大野党・共に民主党の李在明代表は、所属議員に国会に集まるよう呼びかけ、与党・国民の力の韓東勲代表も「大統領の戒厳宣布は間違っている」とし、議員に対して非常総会を招集した。国会には野党議員らが続々と結集。国会議事堂周辺には、深夜に数千人の市民が駆けつけ、「人間の盾」となって戒厳軍に立ちはだかった。国会議員の補佐官らは国会議事堂の入り口に机やソファーでバリケードを築き、消火器を噴射し戒厳軍の議場突入を防いだ。4日午前1時頃、定数300の内、与野党の190人が出席し、全員が賛成して「非常戒厳」の解除要求決議案を可決。それを受け4日未明に尹大統領は「非常戒厳」を解除し、軍も撤収させ、「非常戒厳」は6時間で解除された。韓国憲法第77条は、「国会が在籍議員過半数の賛成で戒厳解除を要求したとき、大統領は解除しなければならない」とある。
野党は、尹大統領が戦時でもないのに非常戒厳を宣布したことは「重大な憲法違反」で「内乱行為」だとして、辞任しなければ弾劾手続きを進める構え。4日正午国会前であった尹氏の退陣を求める集会には議員・市民など約5千人が参加。
7日尹氏に対する弾劾訴追案の採決では、与党議員の大半が退席し不成立となった。野党は何回でも弾劾訴追案を出すとし、14日にも再び採決する。
尹大統領は、非常戒厳を出した際に、主要な政治家らを「反国家勢力」として逮捕するよう指示していた。対象は与党の韓東勲代表や、共に民主党の李在明代表、禹元植国会議長らだった。戒厳軍は、国会だけでなく中央選挙管理委員会の庁舎にも300人が入り、約3時間20分にわたって占拠した。「不正選挙」(陰謀論)の捜査らしい。
8日韓悳洙首相と与党の韓東勲代表は「大統領は国政に関与しない」との談話を出したが、人民は即時退陣・逮捕を求めている。10日深夜、尹氏に非常戒厳を建議した金竜顕前国防相は内乱容疑で逮捕された。11日警察は大統領府の家宅捜索に行ったが応じず資料提出のみ。尹氏の逮捕や弾劾案可決は目前だ。
韓国では軍事政権下で人民が弾圧された苦難の歴史をもつ。今回学生・市民たちは「民主主義を守る」ために闘っている。韓国民衆の闘いに敬意を表するとともに、連帯したい。

2面

投稿
2024年岩国行動に参加して
岩国ー全国結ぶ反基地闘争
11・16〜17

岩国基地へむけデモ行進(11月17日)

11月16日、17日におこなわれた「2024岩国行動」に参加した。岩国市福祉会館小ホールで、16日午後は「労働者反戦交流会」「全国反基地交流会」、17日朝からのフィールドワーク、同日午前は再び岩国市福祉会館小ホールで「岩国国際連帯集会」、午後の屋外集会から岩国基地正門までのデモと盛りだくさんの行動である。

反撃の闘いこそ

午後3時から始まった「労働者反戦交流会」の基調報告は、日本でも「軍備拡大」路線の下、多国間の軍事演習・軍事協力が進められている。岩国でも米兵による性暴力事件と隠蔽はあった。年内に空母艦載機のオスプレイが岩国に配備されると発表され、空母艦載機もFA18から最新鋭のステルス戦闘機、F35Cに機種転換される。日米合同演習では後方・整備拠点として岩国基地はフル活用されていると現状報告。その後、民衆はやられっぱなしではない、反撃の闘いこそが希望だとまとめた。
全日建連帯労組関西生コン支部が、関生弾圧について報告。山口連帯労組が最低賃金闘争。ヘルパー国賠訴訟を闘うふくしま連帯ユニオンの佐藤昌子さんからビデオメッセージによる報告。ユニオン北九州は外国人労働者の組織化について報告。韓国で300日の籠城闘争を行ったオプティカルハイテック争議について、おおさかユニオンネットワークが報告した。
全港湾大阪支部から、民間港湾の軍事利用との闘いについての報告があり、有事の際に自衛隊や海上保安庁が使うことを想定する7道県16カ所の「特定利用空港・港湾」に関して、申し入れ行動や特別決議、抗議行動などの取り組みが紹介された。また被爆二世の会の闘いも報告された。

反基地交流会

休憩の後5時半から始まった「反基地交流会」では「在韓米軍のサード撤去闘争に関する報告」が、ソソン里平和活動家・金永宰さんからリモート+会場通訳でおこなわれた。サード現場反対闘争は8年間続けられているが、全体的に縮小され、非常に委縮した状態で一部少数の連帯者によって続けられている。現場住民たちとのコミュニケーションを続けながら、住民たちとのきずなを放さないことがきわめて重要だ。韓米日の、さらには全世界の反戦、反基地、平和勢力も連帯とコミュニケーションの実践を広げていかなければならないなどと述べた。
続いて「宮古からいつでも始められる戦争準備」と題して、ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会の清水早子さんがリモート報告。
沖縄から「辺野古・安和報告及び衆議院選挙結果について」と題して、辺野古カヌー隊の金治明さんが報告。
「岩国基地に対する岩国市民のこの間の闘いについて」と題して、愛宕山を守る会代表世話人の岡村寛さんの報告があった。岩国基地は滑走路を沖合に展開し2010年に供用を開始した。巨大な軍艦が横付けできる専用の岸壁ができている。

フィールドワーク

翌日のフィールドワークは、朝7時半から車に分乗して岩国基地の滑走路北側に向かった。ちょうどこの日は艦載機の機種転換でF35Cが飛来する、その情報を得た航空ファンの人たちが朝から詰めかけていた。滑走路北側の道路にも多くの車が停車し、カメラを構える人がたくさんいたため私たちは車を止めることができず、基地の南側の住宅地で説明を受けた。滑走路沖合展開の埋め立て土砂を取った愛宕山の跡地まで車を走らせ、「絆スタジアム」に車を止めて説明を受けた。跡地には岩国医療センター、いわくに消防防災センター、「ふくろう公園」という市民のための施設の他、「愛宕ヒルズ」と呼ばれるゲート付きの米軍住宅も整備されている。

岩国国際連帯集会

岩国の市街地にもどり、岩国市福祉会館で9時半から「岩国国際連帯集会」がひらかれた。
基調報告では、この1年を通じて岩国基地が侵略戦争のための基地として強化されてきたこと、広島・呉で日鉄の跡地を買い取って「多機能な複合防衛拠点」をつくる基地拡大計画があること、沖縄、大分敷戸、京都祝園、佐賀空港の闘いが地方ごとの孤立したものにはならず、互いに結合していくこと、日米韓、日比(フィリピン)の軍事同盟化と闘う国際連帯が必要なことなどが報告され、全国の反基地運動と結合し、国際連帯で基地も戦争も原発もないアジアをつくろうと提起された。
その後AWC韓国委員会が韓国情勢について報告。ミグランテ日本支部(フィリピン人移民労働者の組織)が日比円滑化協定に反対する報告。沖縄・辺野古の闘い、佐賀でのオスプレイストップ! 9条実施アクションによる直接阻止行動の報告、元岩国市議で愛宕山平和研究所の田村順玄さんから「岩国基地を再び侵略戦争の基地とさせないために」と題しての報告があった。

岩国基地正門へデモ行進

午後は岩国市役所前の広場で12時半から30分のミニ集会をひらいた後に、岩国基地正門前までデモ行進をおこなった。機種転換がおこなわれたこともあってか、市民からの関心は高く、手を振ってくれる人、じっとデモを見つめる人も見られた。(西川雄二)

3面

11・30国会前アクション 山城さん 伊波さんら発言
沖縄と連帯し「本土」でも声を

国会前で550人が行動(11月30日)

11月30日、国会前で「沖縄の闘いに呼応して『本土』でも声を上げよう! 11・30国会前アクション」がおこなわれ、550人が集まった。〈止めよう! 辺野古埋立て国会包囲実行委員会〉が主催し、〈戦争させない・9条壊すな! 総がかり実行委員会〉が協賛。

社民党・新垣邦男衆院議員

「(沖縄の基地周辺の住民は)爆音・悪臭で悩まされている。日本政府は(現地の声に)耳を貸さない。戦争に巻き込まれるのも許してはならない。(国を守るための)『多少の犠牲』ならいいのか」

社民党・大椿ゆうこ参院議員

「28日から臨時国会が始まった。石破総理の所信表明演説で『日米地位協定の見直し』はなかった。総理になるまでは前向きだった。今の政権の尻を叩いて向き合わせるために声を上げていこう」

沖縄平和センター顧問・山城博治さん(沖縄現地から電話で)

「(名護市で)6月に大きな人身事故があり工事は中断していたが、12月に入ったら再開する。工事の強行が事故の原因なのに防衛省は『反対運動が原因』と言っている。宮城島(うるま市)から運んだ土砂を中城湾港に運んで辺野古に持って来る。なぜ玉城県政がNOと言わないのか。なぜ中国と戦争しなきゃいけないのか。なぜ国民が(台湾をめぐる情勢と)関係するのか。中国の国内問題ではないのか」

4・28性暴力に反対する実行委員会・与儀睦美さん

「2016年4月28日、うるま市で20歳の女性が元米軍の軍属に襲われて殺された。それ以来毎年、東京で集会・スタンディングをやっている。今年6月、16歳未満の女性が強姦されたのが明らかになった。事件が起きたのは12月。半年間も隠蔽していた。1月に辺野古代執行工事の着手、6月に沖縄県議選があった。外務省や警察庁は『プライバシー保護のため』発表を先送りにしたと言っているが、県議選の投票日が過ぎるのを待っていた。何と姑息なやり方か。その後半年間に3件の性暴力事件が起きている。隠蔽しなければ起きなかった可能性はある。(12月の事件の)公判では7時間にわたって『どう抵抗したか』などを聞くセカンドレイプがおこなわれている。1945年に米軍が上陸してから女性への性暴力は(今日まで)ずっと起きている。政府は『米軍基地が多いから』と認めた。わかっているなら改善やケアをしてくれと言いたい。沖縄の女性は世界で一番危険な所で暮らしている。沖縄の女性団体協議会はもう我慢しないということで12月22日に県民大会を開催することを決定した。それに呼応して22日13時半から新宿駅南口で行動をおこなう。ご参集をお願いします。

力強く発言する伊波洋一参院議員(11月30日 国会前)

沖縄の風・伊波洋一参院議員/沖縄選出野党系議員グループ・「うりずんの会」として

「12年前の安倍政権成立以来、閣議決定で議会にも国民にも相談せずに様々な政策が進められることが続いた。集団的自衛権容認、安保関連法、6年間で南西諸島の軍事化。安保3文書で5年で43兆円の大軍拡。全国で2千発のミサイル。先制攻撃容認が安保3文書にある。先島諸島住民12万人を九州・山口に避難させる計画があり、石垣市の説明会で『一人10sの荷物まで』『住民は全員行く』と言われている。『家畜はどうするのか』と問うても答えない。沖縄戦でも地域社会は残っていたが今度戦争になったら地域社会がなくなる。戦闘をやるのは自衛隊、米軍は見ているだけという形になる。11月25日の沖縄タイムスが『対中作戦はほぼ固まる』と報じた。安保3文書は日本全国で戦争を準備するということ。全く議論されない。
自民党の方から安全保障の議論をされたことは一度もない。米が決めて日本がやるだけだから。私たちはそういう国」

カヌーチーム・辺野古ぶるーが辺野古の環境についての報告。土砂全協首都圏グループの毛利孝雄さんが奄美からの土砂搬出阻止のアピール。種子島の馬毛島基地反対訴訟原告団長で元西之表市議の和田香穂里さんは、基地建設が地域社会を破壊している現状を報告した。(豊島充男)

沖縄日誌11月
基地・演習と連日の闘い

11月1日 日米共同統合演習「キーン・ソード25」が1日、終了した。今回の演習は4万5千人規模で実施。米駐日大使は「過去38年間で最大規模」と表現した。沖縄では陸自のV22オスプレイが沖縄島に初飛来。また、島内の公道でPAC3発射機を含む車列を走らせる訓練を実施した。防衛省は「実践的かつ高度な演習」と強調した。

2日 名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で「第45回県民大行動」が開かれ、市民750人が参加。市民団体や衆院選の当選者らがマイクを握り、新基地建設阻止に向けて抗議の声を上げた。1区で当選した赤嶺政賢氏は「辺野古ゲート前と結びついたたたかいを展開することに県選出国会議員の役割がある」と決意を述べた。玉城デニー知事はメッセージを寄せた。

3日 石垣市で第60回石垣島まつり24(主催・同実行委員会、会長・中山義隆市長)の市民パレードに、陸自石垣駐屯地の隊員が迷彩服姿で参加し、行進した。石垣駐屯地は昨年も参加しており、迷彩服姿は県内初だった。市民は「武力で平和は守れない」の横断幕を掲げ「戦前のようで異様だ」と抗議の声を上げた。

13日 名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局は辺野古崎付近の「埋め立て工区N―3の1」(弾薬搭載エリア)と呼ばれる場所で土砂投入を開始した。今回の区域は護岸K5〜7に囲まれている。同区域(弾薬搭載エリア)は、航空機に弾薬を搭載したり降ろしたりできる施設で、普天間飛行場にはない新たな機能となる。「新基地」と呼ばれる理由の一つだ。また、埋め立てが終われば、辺野古側に仮置きしている土砂を大浦湾側に運びやすくなり、工事が加速する。

14日 10月27日与那国駐屯地で起きた陸自のV22オスプレイ事故について、陸自は人的要因で引き起こした事故だったと正式に発表した。玉城デニー知事は「地元が飛ばないでほしいと申し入れている。県民の不安を払拭しようとしない。配備撤回すべきだと強く申し上げる」とコメントした。

18日 米兵による少女誘拐暴行事件など米兵の事件を受けて超党派での県民大会開催を求めてきた県女性団体連絡協議会(女団協、伊良波純子会長)は、女団協が中心になって12月22日に沖縄市民会館大ホールで県民大会を開催することを決めた。18日までに加盟21団体のほかに48団体が県民大会開催に賛同を表明している。一方、県議会は実行委員会に加わらないことを決めた。

20日 沖縄防衛局は、辺野古新基地建設の土砂を、うるま市の宮城島にある鉱山から搬出開始した。防衛局は設計変更申請で県内7地区を土砂の調達場所とし、当初の国頭地区(国頭村)、北部地区(名護市、本部町)に中部地区(宮城島)、南部地区(糸満市、八重瀬町)と宮古島市、石垣市、南大東村を新たに加えた。宮城島からは30万立方メートルの土砂を見積もる。

21日 うるま市宮城島の鉱山前で市民40人が座り込み、土砂搬出阻止へ抗議の声を上げた。この日ダンプは午前と午後で42台出入りした。搬出された土砂は中城湾港の仮置き場に搬入され、大浦湾に搬出される。

29日 うるま市宮城島で採取された土砂が大浦湾側に到着した。沖縄島中部地区から初めて辺野古に土砂が運ばれた。
12・22県民大会同時アクション@おおさかのチラシ
















4面

侵略戦争をとめよう


ミサイルも弾薬庫もいらない!
西日本各地から大分に集う
12月1日

沖縄・西日本ネットワークにむけ交流集会
500人が集まった平和をめざす集い(12月1日 大分市)

自衛隊の重心が南西諸島にシフトしている。この地域で、陸上自衛隊などの増強がすすんでいる。大分では大分分屯地(敷戸弾薬庫)と湯布院駐屯地、熊本の健軍駐屯地、鹿児島の奄美大島・瀬戸内分屯地、沖縄の宮古島駐屯地、石垣島駐屯地などだ。安保3文書が2022年12月に改定され、自衛隊は専守防衛から敵基地攻撃に変わった。アジア侵略の歴史が、政府によってふたたび繰り返されようとしている。
12月1日「ミサイルも弾薬庫もいらない!平和をめざすつどいin大分 2024」(主催:同集会実行委員会)が大分市内・若草公園でひらかれた。東京・神奈川・関西(京都、大阪、奈良、兵庫)からも参加しており、500人があつまった。
集会はサムルノリの演奏から始まった。音楽と講演がサンドイッチに構成されており、若者を呼びこむために新しい試みがおこなわれていた。集会は午後1時から4時までおこなわれた。集会の構成を紹介する。
サムルノリ演奏→南国ユニット〈ココマッシュ〉が沖縄音楽の演奏と歌→大分県内で活躍している高橋透雅さんのギター弾き語り→主催者あいさつ→ダニー・ジンさんがラップ音楽をとおして、パレスチナ問題を訴え、日本の政治を批判→大分・鹿児島・沖縄・京都から弾薬庫建設に反対する団体のアピール→混成合唱団「翼」のコーラス→集会宣言→アート作品「つながるスイミー」の披露で集会をしめくくった。「つながるスイミー」は、集会参加者のメッセージでつくりあげられた。

各団体がアピール

敷戸弾薬庫(正式名称:大分分屯地、九州補給処大分弾薬支処)問題について、〈大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会〉がアピール。
「2023年2月に、新聞報道で2棟のミサイル弾薬庫建設計画が発覚した。住民にはいっさい隠されていた。23年11月2日に、防衛庁は形だけの「住民説明会」を開き、11月末に工事を開始した。その後、さらに7棟の建設計画があることが判明し、合計9棟の弾薬庫が造られようとしている。しかし、防衛庁は建設中の2棟を含めて、その場所を明らかにしていない。敷戸弾薬庫は基地フェンスをはさんで住宅地が建ち並び、小学校や病院もある。また、近隣には市営住宅がひろがっている。弾薬庫はかならず攻撃される。国は住民の命を考えていない。敷戸にあらたなミサイル弾薬庫をつくらせてはならない」。
つぎに、湯布院駐屯地の歴史と現状について、〈湯布院ミサイル問題ネット〉住民が現状報告。
「1950年代、湯布院にダム建設計画がもちあがり、温泉の街は水没する危機にあった。このダム計画に反対した青年が町長(当時)になり、ここに自衛隊を誘致した。湯布院駐屯地の西には日出生台演習場がひろがっている。23年3月、第301多連装ロケット中隊(将来、島嶼防衛用高速滑空弾を運用する部隊)が編成された。24年3月に第2特科団の本部(九州・南西諸島ミサイル部隊の司令部)がおかれ、湯布院駐屯地は新たな基地に変貌した。来年3月には、第2特科団のもとに第8ミサイル連隊(敵基地攻撃能力をもつ長射程ミサイルを導入)が新編される。しかし住民説明会は開いていない。国にたいして許さない」。
鹿児島県さつま町での弾薬庫建設について、鹿児島護憲連合の住民が訴え。
「さつま町の中岳山麓に、新規弾薬庫建設がもちあがっている。2023年12月、わたしたちは新聞記事でこの計画を知った。地元の商工会が、これを推進している。自衛隊は駐屯地建設も画策しているようだ。少数であっても、わたしたちは断固として反対していく。来年2月に、鹿児島市で西日本ネットワーク結成集会がおこなわれる。ぜひとも鹿児島に来てください」。
沖縄の闘いについて、具志堅隆松さん(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会)が報告した。「自衛隊は専守防衛から戦争をする部隊に変わっている。地域住民は、この変化にまだ気づいていない。ここを訴えていく必要がある。まず地域の実情を知り、住民どうしがつながり、政府の戦争を止める。この行動をおこしていこう」「私たちは政府の方針に従わされる存在ではない。私たちが主権者なのだ。私たちが決めたことに、政府が従うべきなのだ。がんばっていきましょうね」。

パレスチナ闘争と連帯

19歳のダニー・ジンさんは日本生まれのパレスチナ人で、祖父と祖母はナクバの体験者だ。彼がつくった詩をひとつ紹介する。「幻想になり始める平和/ロシア・ウクライナ イスラエル・パレスチナ 次は/china 台湾沖縄 大義名分に伏す死者/ガザでは俺より若いやつが握る銃/俺は握るマイク/苦しむ神のイタズラに葛藤/また人が人を殺す」(「WAR and DEATH」より、その一部を引用)。
ダニー・ジンさんのラップには、政治状況にたいする〈怒り〉がある。詩の1行に「苦しむ神のイタズラに葛藤」とある。感情的にわきあがるイスラエルにたいする「憎しみ」、どのように昇華するべきか、このことにたいする悩みと葛藤なのだ。ダニー・ジンさんはラップ音楽をとおして、この日本でパレスチナ抵抗闘争をたたかっている。

「知り・つながり・止める」を合言葉に

密集する国の攻撃にたいして、住民が連帯して戦争を止めるのだ。来年2月22日、西日本ネットワークが正式に発足する。鹿児島市内で開催される〈戦争を止めよう! 沖縄・西日本ネットワーク〉集会に参加しよう。それぞれの地域で、具体的な行動をおこしていこう。(津田保夫)

5面

軍事大国化・全土基地化反対
11・30沖縄・西日本交流会

11月30日、「沖縄・西日本ネットワーク(仮称)交流集会in大分」が大分市内でひらかれた。
前半、具志堅隆松さん(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会)が基調の提案をおこない、九州各地から闘いの現状報告があった。後半では、高井弘之さん(ノーモア沖縄戦 愛媛の会)が運動の方向性について提起した。

ネットワーク運動への提起

具志堅さんは、沖縄戦の戦没者に関する遺骨収集、辺野古新基地の埋め立てに沖縄島南部の土砂が使われることにたいする反対闘争について語った。さらに、〈ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会〉結成のいきさつにふれ、次のように訴えた。
「自衛隊は全国に約300の基地をもっている。現在、自衛隊は基地の強靭化をおこなっているが、これは攻撃されることを知っているからだ。ミサイル弾薬庫は確実に攻撃対象になる。全国に原発があり、ここが攻撃されれば原爆攻撃を受けるのと同じことになる。また、食料自給率はカロリーベースですでに40%を切っており、戦争になって食料が入ってこなくなれば、住民は生きていけない。このように、日本はすでに戦争ができる国ではなくなっているにもかかわらず、政府はこんな無謀な戦争計画をたてている。私たちの手で戦争を止めよう」。

九州各地から報告

九州各地での反基地闘争が、それぞれの地域の団体から報告された。

@敷戸弾薬庫(正式名称:大分分屯地、九州補給処大分弾薬支処)

敷戸弾薬庫は大分市内にあり、JR大分駅から南に6qしか離れていない。面積は155ha。弾薬庫周辺には市営住宅など住宅地がひろがっている。国道10号線をはさんで、西側に大分大学キャンパスが存在する。1986年には、33棟の弾薬庫があり、ここに1000トンの弾頭が貯蔵されていた。
合田公計さん(大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会)は「敷戸弾薬庫は住宅地の中にあるのが最大の問題点だ。建設中の2つの弾薬庫は住宅地から250mの場所に造られており、保安距離は守られていない。また、火薬類取締法を根拠に保安距離が決められているが、この法律は産業用火薬を想定したものであり、大型ミサイルの弾薬類には適用できない」と述べた。合田さんは「自衛隊の南西シフトのなかに、大分の基地が組み込まれている」と指摘し、連帯して闘うことの重要性を訴えた。

A湯布院駐屯地と日出生台演習場

湯布院駐屯地と日出生台演習場の役割について、鯨津憲司さん(湯布院駐屯地「敵基地攻撃ミサイル」問題を考えるネットワーク)は次のように述べた。
「2024年3月、湯布院駐屯地に第2特科団司令部がおかれた。ここが南西諸島防衛の司令部になる。湯布院駐屯地の西には、日出生台演習場(4900ha)があり、ここで1997年から米海兵隊の砲撃訓練がおこなわれている」「湯布院駐屯地では、来年3月までに第8地対艦ミサイル連隊が新編されて、やがて敵基地攻撃の長射程ミサイルが導入されようとしている」。

B築城航空自衛隊基地(福岡県)

築城航空自衛隊基地は福岡県築上町にある。戦前、ここに海軍航空隊があった。戦後は米軍の基地となったが、現在は自衛隊基地として使われている。
地元でたたかっている〈平和といのちを見つめる会〉住民から、基地拡張反対運動について報告があった。「1986年に日米共同訓練がおこなわれた。これに反対することから、私たちの運動がはじまった。毎月2日に、デモをおこなっている。現在、防衛省は基地をさらに拡張しようとしている。いくら反対してもムダだという声もあるが、反対運動がなくなってしまえば、これはたいへん危険なことだ。基地反対の闘いは全国でおこなわれている。その人たちの励ましになるのであれば、私たちの闘いも価値がある」と決意を語った。

C鹿児島県内の闘い

鹿児島県での基地反対運動の現状について、鹿児島県護憲フォーラムがアピール。
「さつま町中岳山麓に弾薬庫があらたに造られようとしている。今年3月に、住民説明会が開かれた。現在、地質調査がおこなわれている。馬毛島では自衛隊基地の建設が進んでいる。現在、6千人(馬毛島4千人、種子島2千人)の作業員によって、工事が続けられている。奄美大島ではますます基地強化がすすんでいる。5棟の計画で始まった瀬戸内分屯地の火薬庫は、すでに2棟が完成し、残る3棟の工事が続いている。今後さらに増設し、防衛省は計8棟とする方針にしている。」

D石垣島からの報告


石垣島は、基地機能の強化がすすんでいる。この情況について〈石垣島の平和と自然を守る会〉住民が報告した。
「PAC3は配備されたままになっている。石垣島では、住民避難が最大の問題になっている。避難計画は絵に描いた餅で、実行できるわけがない。市行政はリュックサック1つで避難しろと言っているが、2泊3日の旅行ではない。地域のしがらみの中で、住民は声をあげにくい状況にある。しかし、戦争を止めるのは主権者である私たちなのだ」。E祝園(京都府)からのアピール

京都府精華町にある祝園弾薬庫について、〈祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク〉からメッセージが寄せられた。祝園弾薬庫では、8棟の弾薬庫増設が計画されている。来年度から、基礎工事がはじまろうとしている。しかし、いまだ防衛省は住民説明会をおこなっていない。

「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」のチラシから転載/ 沖縄発信の西日本軍事基地化の地図が各地の運動体で使われている

討論

討論のなかで、次のようなことが指摘された。
◇熊本の健軍駐屯地に、地対艦誘導弾部隊がすでに配備されている。住民は反対をしているが、自衛隊の情報が伝わってこない。
◇今年10月におこなわれた「キーン・ソード25」で、自衛隊は民間船をチャーターして、隊員約2百人と軽装甲機動車など約70台を、大分港から横浜港に輸送した。「軍民一体化」がいっそう強化されている。
◇来年にも、佐賀空港にオスプレイが配備される。これにたいする反対運動を大きくしていこう。

ネットワーク運動の方向性

高井弘之さんは、@グローバルサウスの国ぐにが台頭し、帝国主義国の政治経済的支配が揺らいでいる、A岸田文雄政権が安保3文書を改定し、日本は軍事力行使の宣言をおこなった、B日本政府は中国脅威論をあおり、中国に戦争をしようとしている。この3点を強調した。そのうえで、高井さんは「国は戦争態勢の構築に全力をあげている。個別の地域の闘いでは勝てない。住民がつながり、ひとつの勢力になることが必要だ。来年6月に東京で共同行動をおこなう。民衆の力で、戦争を止めよう」と訴えた。
戦争を止めるのは市民の力だ。「知り・つながり・止める」を合言葉に、侵略戦争を人民の力で止めよう。(津田保夫)

6面

投稿
先住民族アイヌからのメッセージ(上)
多原良子さん講演会 11・24吹田
南方史郎

11月24日、大阪府吹田市で、多原良子さん(menoko mosmos 代表)講演会がひらかれたので参加した。主催は、アイヌ民族連帯吹田会議。
アイヌとは、民族とは、先住民族とは、「滅びゆく民族」とは・・・等々の難問に取り組むにあたって、吹田市教職員組合、大阪多様性教育ネットワーク、アイヌ民族連帯吹田会議などのグループの人々が、フィールドワークとして、札幌、小樽、旭川を訪れ、そこで出会った、多原良子さん。
北海道ではまとまった時間がなく、お話をつぶさに聞かねばと、前日とこの日の大阪招請となった。

▼ この記録は、24日の講演と会場で配られた関連資料により書かれている。以下、多原さんの講演――( )は、筆者などが書き加えました。問題が、問題になっていないまま風化しないように、緊急にお知らせします。

イランカラプテ! 民族として様々な抑圧をこうむり、女性としても、差別、抑圧を受け、困難な状況は、変わりません。民族や人種への差別に気づき、闘うさなかに、和人(シャモ)のみならず、アイヌからも、アイヌ民族問題が先で女性のことはあとにせねば、と差別を受け、また、女性解放運動家たちの中でも、アイヌ民族史の理解が抜け落ちていることもあり、結局、「アイヌって誰?」という深い断絶、違和感をぬぐえませんでした。長い長い旅の後でやっと、札幌アイヌ協会で働き、国連などに出て、『複合差別』という考え方に行き着きます。
「先住民族アイヌ女性からのメッセージ」とした大袈裟なタイトルで恥ずかしい。関西に、アイヌ民族連帯吹田会議があることに感激しています。
まず、縄文以来と言われ、地域も、樺太、千島など、悠遠、広大ですので、まず江戸時代から始めます。(明治維新以降の植民地主義・富国強兵制から、不正義がはじまるという考え方もありますが、古事記、日本書紀などでは、鳥や獣としてしか表現されていないなど、きりがありません。)

場所請負制度における女性差別

本州江戸幕府は、北海道との交易点を松前藩(幕藩体制においては、末格)に特定しましたが、特に、関西の綿花、藍などの育成への肥料として、鰊が用いられます。侍は商いが苦手なので、商人に依頼しますが、収益増大のため、(また幕府・松前藩の財政の支援のため)アイヌコタン(アイヌ居住地)から、男女を問わず、働けるものは、海産物の採集・捕獲のため動員されます。場所=「浜」が労働現場になりますが、夏から秋には、おもな仕事は終わります。そのあとは、自分稼ぎと称していましたが、結局、実態は5年から10年、自分たちの家へ帰れないものも出てきます。
こうしたところへは、和人の妻は連れてこれない制度だったので、いきおい、アイヌ女性は、既婚未婚を問わず、妾のように取り込まれてしまいます。女性の夫は苦情を言いますが、全く聞き入れられず、家庭崩壊にいたって、苦情を言った夫は、虐待にあい、はては、殺されることもありました。コタンに逃げた女性は、不倫の掟で、コタンのなかでは孤立したり、また都合の悪い身勝手な和人に山野に捨てられるというようなことが頻発。内地から、コレラなどの病原菌がもちこまれ、アイヌ女性は、浜あるいは場所では、人別帖などには記載されず、家庭は営めず、子どもも産めず、アイヌ人口は、激減しました。(役人も商人も、子どもや女性をもてあそんで恥じるところを知りません。)
こうした実態を歴史に残した人の一人が、松浦武四郎です。北海道の名付け親でもあります。
世界的にみわたしても、これほどの侵略、人間疎外の同化政策はみあたりません。現代に近く、アウシュビッツのホロコーストなどでは、「有害異民族」を特定して虐殺しますが、日本では、「血を薄める(?)」同化政策が強行されたと考えるひともあります。アイヌ女性には、和人男性がやりたい放題、アイヌ男性には、和人女性は妻になりません。松前藩が認可した以外のものは、浜には入れません。

滅びゆく民族とは、強制移住を強いられたアイヌのこと

北海道地名には、アイヌ語が残りましたが、戸籍登録にあたっては、アイヌ語人名は和名に、学校では、アイヌ語は日本語に、宗教は、カムイから天皇に、狩猟採集などの習俗慣習は禁じられます。(明治維新政府は、普仏戦争に勝利したプロイセンが、ドイツ帝国宣言をし、共和国フランスではなく、帝国ドイツを範とする国家体制を構え、憲法などは英国にも学んだようです。優生思想に基づく植民地政策もまねることになった。
さらに旧土人保護法(明治32年)以降、米の栽培に限定され、遊動的狩猟採集の営みが禁じられます。主食の鮭、鹿なども禁じられ食糧不足に悩みます。(不敬罪もありました。皇民化教育は、アイヌのアと言っただけで、激しい恫喝や体罰にやられます。1875年、北海道に屯田憲兵設置に伴い、開拓使准陸軍大佐を置く。屯田憲兵は、米合衆国の騎兵隊のようなもので、銃とサーベルで、開拓の苦役をしいていたのです。ただし、開拓という使命に従うものは、兵役をまぬかれた時代もあったようです。夏目漱石のそうせきは、北海道に籍を移して徴兵を忌避したことによるものと言われています。憲兵は、軍の警察ですから、屯田兵というのは、昭和の戦後的イメージの観光用語というべきでしょう。)
強制移住や皇民化、国語教育で独自の文化を抹消され、財産権も制限された。アイヌの居住地は、無主の土地とみなされ、天皇御陵、官有地として強奪されます。シャモの移民は、豪雪や津波のようだったと語り伝えられています。
明治2年86万人だった人口は、あっという間に、移住者が押し寄せ、明治34年には100万人をこえたのです。何万人とは言えないアイヌ人口は、明治以降2万人に激減します。(2024年現在、北海道人口 511・2万人)。(つづく)

パレスチナ連帯行動 11・29大阪
ドイツの反動性を弾劾

ドイツ領事館への抗議行動

11月29日、イスラエルのガザへの皆殺し攻撃=ジェノサイドの強行に対して、イスラエルを支援する大阪の米領事館とドイツ領事館への抗議行動が100人を超える人たちでおこなわれた。

米領事館前の抗議行動

米領事館前では米国人や日本で働いているパレスチナ人女性が英語で抗議をおこない、多くの人たちがアピールをおこなった。約1時間の抗議行動後、梅田スカイビル35階に入居しているドイツ領事館前で再集合した。

ドイツ領事館前の抗議行動

ここでもパレスチナ人女性が英語で発言した。このときは日本語への通訳がおこなわれたので発言内容がわかった。パレスチナ人女性は概略「ドイツは米国に次いで大量の武器を供給し、ドイツはイスラエルによるジェノサイドに直接加担している、そのために今、ガザでは100万人を超える子どもたちが飢えに苦しんでいる。ドイツは恥を知れ!」と激しく弾劾していたのだ。別の男性は「今、ドイツでは、From the river to the sea,Palestine will be free」と言うと逮捕されるということも報告した。the river≠ニは死海から流れ出るヨルダン川であり、the sea≠ニは地中海である。ヨルダン川から地中海とはイスラエルが不法に占領している豊かなパレスチナの土地である。これの解放を訴えることは当然のことである。しかし、ドイツではこれを言うと逮捕されるというのだ。

ドイツ領事館、申入書提出を妨害

集会の終わりに代表団が申し入れ書を手渡すために梅田スカイビルの35階にあるドイツ領事館に行こうとしたところ、なんとエレベーターが35階に止まらないように細工されていたのだ。代表団はやむなく34階で降りて階段をあがって35階に行こうとしたが、階段の先にある鉄の扉は施錠されていた。
イスラエルを支援する米国、ドイツ、日本を許すな申入書すら受け取ろうとしないドイツ領事館の姑息な策動は許してはならない。ドイツは日本よりも民主的ともいわれているが真逆である。
イスラエルは、ガザに水や食糧を供給している国連機関であるUNRWA(ウンルワ)の活動を禁止する法律を12月1日、可決した。これによりイスラエルはガザへの水、食糧の供給を止めている。パレスチナ人女性が激しく弾劾したように、今、ガザでは冬の到来の前に100万人を超える子どもたち、そしてガザの民衆が飢餓に苦しめられているのだ。イスラエルの最大支援国が米国であり、それに次ぐ支援国がドイツなのだ。日本はそれに続いてイスラエルを支援している。イスラエル打倒闘争は米・独・日の帝国主義打倒の闘いにつながっていく。11月29日の闘いはその道筋をはっきり示した。(三船二郎)

7面

小山美砂さん全国キャラバンin大阪
     カザフスタンで聞いた各被害者の叫び
12月5日

12月5日「カザフスタンに行って聞いてきた 核被害者の叫び」集会が、大阪市内の大阪弁護士会館ホールでおこなわれ、100人が参加した。主催は〈核禁止条約をすすめる大阪・カザフスタン実行委員会〉。ジャーナリストの小山美砂さんが、セミパラチンスク核実験場と被爆者の情況を報告した(写真)
集会の前半は、小山さんの現地取材報告、後半は村田三郎さん(阪南中央病院内科医)と小山さんの対談。この2部構成。村田さんは医師として、長く被ばく者医療にかかわってきた。
来年3月に、核兵器禁止条約第3回締約国会議がカザフスタンで開かれる。カザフスタンは核禁止条約を推進している。今回の集会は、核兵器禁止条約を日本でひろめる「全国キャラバン」の一環としておこなわれた。

セミパラチンスク核実験場

カザフスタンは草原と砂漠におおわれ、歴史的に遊牧民の国だ。遊牧民は馬とともに生きてきたことから、馬にたいする思い入れがつよい。現在、都市部は高層ビルが立ち並びマンションに住んでいるが、少し郊外に出れば草原がひろがっている。イスラム教徒が多く住んでおり、多民族国家でもある。
ソ連邦が存在した時代、カザフスタンのセミパラチンスクに核実験場があった。核実験場の大きさは四国の面積に相当し、草原のなかにある。1949年8月に、ソ連ははじめて原爆実験をおこなった。1991年に閉鎖されるまで、ここで450回をこえる核実験がおこなわた。広島原爆に換算して、約1100発分の核エネルギーが放出されている。小山さんが訪れた地域でも、放射線量は公衆の許容線量(1mSv/年)の約10倍にたっしている。
実験場の周辺には遊牧民の住居が点在している。放射線が風にのって広範囲にひろがり、住民が長期間にわたって低線量被ばくをうけてきた。軍事機密を理由に、政府は核実験について住民に知らせなかった。
現在、ここに国立の「原子力センター」があり、原子核と原発の研究機関になっている。小山さんは「カザフスタンは核兵器をなくしたが、原発を熱心に推進している。この点はおおいに問題がある」「ウラン採掘量は世界一であり、現場労働者の被ばく問題が深刻になっている」と語った。

被ばく者の情況

小山さんは今回の取材で、カルジャール村の被ばく者にインタビューしている。小山さんは次のように述べた。「この村に1650人の住民がいる。しかし、80歳以上の人は、4〜5人しかいない。みな60歳になるまでに亡くなっているから。住民は貧血、高血圧、頭痛、うつ状態などを患っている。もともと社会主義国なので医療費は無料だが、薬代が非常に高くつき、住民はこのことに悩まされている」「放射線被ばくは次世代にもおよび、すでに第4世代まで健康被害が出ている。日本政府は遺伝的影響はないと言っているが、セミパラチンスクでは障がいをもって生まれる子どもたちが多くなっている」。
小山さんの講演のなかで、セミパラチンスク市(現・セメイ市)で生まれた女性、ドクジャン・ムンバイエワさんのインタビュー映像も流された。ドクジャンさんは、子どもの頃に佐々木禎子さんの話を知った。ドクジャンさんは「広島や長崎の人はかわいそうだと思っていたが、実は自分たちも核の被害を受けていた。秘密にされていたので知らなかった。原爆を生み出した戦争は恐ろしい。人類が原爆で絶滅しないよう、日本の被爆者と連携して頑張らないといけない」と涙ながらに語った。

低線量被ばくは環境汚染問題

小山さんとの対談で、村田三郎さんは「染色体に異常が2倍に増加している。放射線の影響は長期に及ぶ。低線量被ばくは環境汚染の問題であり、何人も被ばくをさける権利がある。核と人類は共存できない」と語った。
最後に、小山さんは「カザフスタンのウラン開発には日本企業も関係している。今後、この取材もしたい」と抱負を語った。
小山さんの記事は「中国新聞」(2024年10月7〜9日付)で読むことができる。また、全国キャラバンに関する問合せは、〈核禁条約をすすめるヒロシマ・カザフスタン実行委員会〉(info@kakuwakahirosima.org)まで。

島根原発2号機再稼働 弾劾
反対の声ふみにじる中国電力12月7日

中国電力は島根原発2号機を、大きな反対の声を踏みにじり12月7日に再稼働させた。来年1月上旬の営業運転を目指すという。

問題山積

2号機は福島第1原発と同じ沸騰水型で、中国電力は安全対策など他電力会社の後追いでやってきた。今回も女川2号機の再稼働を待って動かした。
全国唯一の県庁所在地立地、30キロ圏内に45万人、避難計画は実効性がない。2号機は1989年2月に営業運転を始めた。あと4年強で40年を超える老朽原発。動かすのも12年11カ月ぶり。運転員の6割が未経験だ。
使用済み核燃料は貯蔵施設がなく、敷地内の燃料プールも7割以上入れられている。南2キロを走る「宍道断層」や火山活動も考慮されていない。
経済効果と言いながら一般家庭の電気料金は下がらない。

中国電力に稼働の資格なし

2010年には1、2号機で点検漏れが発覚し、中電は511カ所と発表した。その責任を社員や関連会社に押し付け、最終的には本社組織の責任としたが、再発防止策を怠ってきた。原子力規制委員会でも安全追求への姿勢が不十分と指摘された。しかしその後も事故やうその報告、発表を繰り返している。
中電は鳥取県側には説明もなしにプルサーマル発電をおこなおうとしている。さらには3号機の稼働まで狙っている。絶対に阻止しよう。

各地で反対、弾劾

再稼働の7日、松江市では1時30分、駅前のテルサ横で約100人が原発構内の火災や死亡事故なども弾劾し怒りの声を上げた。島根県内では、安来市、出雲市、雲南市でも抗議行動がたたかわれた。鳥取県では境港市、米子市、倉吉市、鳥取市で、リレートーク、アピール、コールなどで抗議活動を展開した。
中電本社のある広島市では5、6、7そして8日と連日原爆ドーム前、平和公園、本社前でスタンディング、座り込み、集会などをおこなった。

21日、松江へ

今週末21日には松江市の、くにびきメッセで「島根原発2号機再稼働反対集会」が予定されている(主催、集会実行委員会)。島根原発の稼働を止めるため各地から集まろう。午後2時半、集会スタート、4時からデモ。

投稿 国会は暴露・弾劾の場だ!

れいわ新選組の代表・山本太郎の言動にたいして、「乱暴な物言い」だという批判の声が一部で上がっているそうだ。12月6日の参議院予算委員会での彼の発言を聞いたが、少しもそんな印象を受けなかった。限られた極めて短い時間内で政府の地震対策の遅延を追及する内容で、少し早口であったが紳士的な態度に終始していた。
1951年10月講和条約締結をめぐって日本社会党が左・右に分裂した。左派社会党は労働者や農民の支持を得て躍進した。そのころ国会では与野党間で乱闘が演じられることが珍しくなかった。委員会の質疑もケンカ腰で、ラジオやテレビにかじりついていた記憶がある。
国会が終了すると、左派社会党の代議士は、総評(日本労働組合総評議会)系組合員の居住地組織である勤労協(勤労者協議会)主催で、市町村ごとに国会報告演説会を開いた。あるとき乱闘国会直後の演説会を、当時高校の私は隣村まで聴きに行った。マスコミは一斉に「国会は大荒れで、本会議場で立ち小便をする議員さえもいた」と非難した。
地元選出の代議士はクリスチャンで戦前からの闘士であった。彼は「私も立ち小便をした1人だ」と発言して、会場をわかせた。
1959年11月27日、総評傘下の東京地評(東京地方労働組合評議会)の全国金属や全印総連をはじめとする労働者の大群は全学連傘下の東京都学連の学生たちとともに、翌年に予定されていた日米安保条約の改定を阻止するために、国会構内に突入して集会を開いた。これにたいして日本共産党は、現地で取材した『アカハタ』記者の原稿をボツにして、「神聖な国会を踏みにじる行為だ」と激しくわめきたてた。
レーニンの言説をひくまでもなく、国会は資本家階級の政治委員会である政府・与党の不正と腐敗、反人民的政策を暴露・糾弾して、労働者人民大衆の怒りを駆り立てる場である。
最近の国会における与野党のヤリトリを観ていると、お上品な言葉が横行するばかりで少しも面白くない。
かつて山本太郎は「ド左翼」というコトバで左翼陣営を批判したことがある。その昔、左派社会党のファンでポスター貼りなどを手伝った1人として、「ド左翼」顔負けの活躍を、山本太郎はじめとするれいわ新選組に期待したい。(一読者)

8面

異議あり兵庫県知事選12・22緊急集会へ
数々の選挙違反斎藤の当選は無効

斎藤派の集会で暴行・器物損壊を弾劾するプラカ隊(11月16日 神戸市)

11月17日投開票の兵庫県知事選で当選した斎藤元彦は、選挙違反だらけで当選は無効である。選挙中から、立花孝志と一体となった2馬力選挙が公選法違反であることは多くの人が指摘したが、県選管は警告一つ出さなかった。選挙後、村上誠一郎総務大臣は「公選法違反のおそれが高い」と国会で答弁した。11月20日には16人の従業員を抱えるPR会社社長・折田楓がnoteで、公選法を知らないまま会社ぐるみでおこなった1カ月半の選挙戦を報告した。これに対し郷原信郎弁護士、上脇博之神戸学院大教授が刑事告発し、1月にも捜査が始まると言われている。

斎藤・折田は公選法に違反

折田楓のnoteは公選法違反にあふれている。そもそも会社ぐるみで選挙をおこなうことは、公選法上では「ウグイス嬢」らにしか対価が出ないなか、金銭が動いていれば斎藤陣営の買収になる。金銭が動いてないなら寄付行為で、これも政治資金規正法違反と贈賄となる。折田は斎藤陣営の広報責任者として、事前にプレゼンをおこない、全体の物語を作り(「一人ぼっちの斎藤さん」、「井戸県政以来の既得権層にはめられたクーデタ」「公約の実現率は98%」)、広報全般の写真を撮り(種まき)、告示前まで4つのSNSアカウントを立ち上げ活用(育成)、告示後は選挙カーの上に乗り「臨場感あふれる映像」をアップし続けた(収穫)。選挙全体の責任者の1人であった。やがて従業員の勤務実態(賃金が払われていたか、無償のボランティアを続けていたか)も明白になり、選挙全体がSNS・広報で買い取られた「違法な物語」であることが明らかになるだろう。

立花孝志の2馬力選挙

今回の選挙の最大の立役者は「NHK党」党首の立花孝志である。立花は当初は都知事選並みに10人立候補させると言い、選管に最大28人貼りの公営掲示板を作らせ、「立花には投票しないで。斎藤さんを当選させるための選挙」と違法行為を堂々とおこなった。この立候補が認められると1人の当選のため10人が立候補することも認められる。これでは選挙の公平性は保てない。
立花選挙の犯罪性は、公然たるデマを、言論の自由・選挙の名で拡散しまくったことである。例えば西播磨県民局長のプライバシーをめぐる虚偽事実(愛人が10年10人)では、「10人は区切りがいいから、四捨五入で言った」。選挙が終われば「人数は何人でもいい」「強制性交でなく不倫」と自ら虚偽を認めているが、選挙中はこの立花のデマYouTubeが1000万回以上アクセスされた。
まさにナチスばりのデマキャンペーン「ウソも100回言えば真実」を地で行ったのである。

百条委員会委員を脅迫・テロ攻撃

立花の今一つの犯罪は、兵庫県議会の百条委員会をなきものにするため、委員長奥谷謙一議員(自民党)、竹内英明議員(県民連合)、丸尾まき議員(無所属)らの自宅に押しかけ、罵声を浴びせ、脅迫電話をかけまくったことである(TBS『報道特集』に映像が残っている)。そもそも県知事選の対立候補でもない県会議員・家族にも見境なしに脅迫電話をかけ、家族の懇願で竹内議員が辞職に追い込まれたことは、ナチスばりの白色テロ以外の何物でもない。4月衆議院補選では「つばさの党」の選挙妨害が立件され、つばさの党は収監中であるが、立花にはそれ以上の制裁が必要だ。

斎藤選挙にむらがった西村康稔(旧安倍派)、ヘイト右翼、右派論客、斎藤派維新ら

今次選挙に群がったのはこればかりではない。高市早苗が自民党総裁選で敗れ、自らは裏金問題で自民党党籍を失った西村康稔(元経産大臣)は、ヘイト右翼と一体となり自民党県議団の「斎藤不支持」拘束破壊の先頭にたち、渡海紀三朗らの稲村支持を切り崩した。明石と西宮の維新は、維新系候補(清水)を押す片山大介県代表らを論難し、斎藤支持で動き、結果清水は20万票台で惨敗した。東京・中央からは上山信一・高橋洋一・須田慎一郎らが斎藤支持で動きまくった。明石では泉房穂後継の丸谷市長が西村・斎藤を押すという恥しい転向劇が演じられた。

ナチス型の街頭制圧

選挙戦中盤からは、街頭では2000人単位の聴衆のなか数百人がスマホで動画を送りまくった。ナチス時代の「ラジオと街頭制圧」が100年を経て「SNSと街頭制圧」として現出した。またアメリカ・トランプ型の社会分断戦が、530万兵庫県知事選(デンマークの人口と同じ)でくり広げられた。その中で斎藤派は暴力行為で11人が逮捕されている。右派内部では自民・維新の動揺・分岐と、下克上も含めた争闘が、マスコミ・文化人・司会者なども巻き込んだ総力戦となり、ひとまず斎藤・折田・立花選挙違反トリオが制したのである。

12・22真相究明県民集会へ

最終日こぶしをあげる稲村陣営(11月16日神戸市サンキタ広場)

いったんは県知事選に敗北した兵庫県民は、斎藤・折田・立花の数々の選挙違反を知るや、怒りの決起を開始した。まずは百条委員会の防衛と傍聴だ。12月25日には斎藤喚問が実現する。ここでは西播磨県民局長のプラバシーがなぜ立花に渡ったかも追及される。次いで上脇・郷原2氏による刑事告発だ。これだけの選挙違反が暴露されても、警察・検察が受理しないなら、この国の選挙は無法地帯となる。
今一人一人が問われていると考え始めた。そんな折、12・22緊急真相究明集会が提起された。ここを一大反撃の場として、25日の傍聴闘争を闘いぬき、年内幕引き許さず、2月百条委最終報告に併せ、大阪維新=吉村に救いを求める斎藤を打倒しよう。12・22緊急集会から、12・25百条委傍聴闘争に起とう。

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