未来・第400号


            未来第400号目次(2024年10月17日発行)

 1面  総選挙 石破自民党を過半数割れに
     裏金非公認で自民党分裂の危機
     反戦・反原発・生活防衛の人民決起を

     袴田巌さん再審無罪
     衣類など証拠ねつ造認定 最高検控訴断念(10・8)    

 2面  斎藤の再選許さぬ総決起を

     西谷さん丸尾さん講師
     反維新集会高揚

 3面  老朽原発うごかすな!高浜全国集会
     町民と大合流 9月23日 福井県高浜町

     デモでアピール
     包括的反差別法をつくろう
     9・28新宿     

 4面  呉を軍都にするな
     全国反基地闘争の連携を
     西日本交流会

     本の紹介
     『戦争ではなく平和の準備を』(上)
     青井未帆 他 地平社 2024年7月刊

 5面  呉基地フィールド・ワーク
     戦前・戦後一貫した軍事要衝
     9月22日

     沖縄日誌9月
     うまず闘いぬく市民
     基地強化と人権侵害許さぬ

 6面  いのちを守れ!9・29御堂筋パレード
     万博中止・カジノはいらんはときの声

     ガザ侵攻
     虐殺やめろ!今すぐ停戦!
     9月28日に集会&デモ
     大阪

 7面  投稿
     狭山と私A
     9月狭山現地調査、石川さん夫妻と交流

 8面  (訃報)

     (送料改定のお知らせ)

                 

総選挙 石破自民党を過半数割れに
裏金非公認で自民党分裂の危機
反戦・反原発・生活防衛の人民決起を

イスラエルの侵攻から1年
350人が抗議のスタンディング

(10月7日大阪駅前)

T 高市破り、石破が総裁・総理に

9月自民党総裁選を制した石破茂は、内閣総理大臣就任前に解散・総選挙日程(10月15日公示、27日投開票)を発表した。超最短解散で裏金自民党への怒りを、「ご祝儀相場」と野党一本化前に解散で乗り切るためだ。それまでの「国民に選択の機会を与えるため予算委員会を開いてから」という態度を豹変させた。総裁に選出されるやその舌の根も乾かないうちに「10月9日解散」を宣言した。
また組閣・党人事では、露骨に石破陣営(石破、小泉=菅、岸田)を重用し、高市陣営を排除した。内閣人事では反安倍怨念を発揮し旧安倍派を1人も入閣させず、安倍晋三を「国賊」とした村上誠一郎を総務大臣にした。財務・官房長官以外は、石破の国防族友達、菅の子分たち、麻生派の河野推薦人など自陣営のガラクタ一掃セールだ。「女性活躍」をうたい「選択的夫婦別姓」に賛意を示しながら、女性閣僚は副大臣・政務官を入れてもわずか4人というありさまだ。
所信表明演説では、アジア版NATOや日米地位協定問題に触れず、石破カラーを封印した。世論調査では麻生政権発足時に次ぐ低支持率。そのあまりもの不人気ぶりに、裏金議員公認問題では10月6日に安倍派幹部=萩生田光一らを非公認と発表し、総選挙を乗り切ろうとしている。安倍派は萩生田を先頭に落選・壊滅寸前だ。石破は総選挙に勝てばこの新主流3派(石破、小泉=菅、岸田=林)で高市派(高市、小林、麻生、安倍派)らをさらに徹底的に干し上げ、石破カラーを押し出す構えである。

U 自民党政治終焉の始まり

今回の自民党総裁選=新内閣発足=早期解散総選挙は、マスコミの協力も得てひとつながりで、疑似政権交代・「表紙の書き換え」に成功するはずだったが、実際石破を選んだまでは半ば成功に見えたが、組閣・裏金議員公認問題で完全な失敗に帰結した。それは石破の反安倍怨念の強さを招いた、55年体制の崩壊以降の自民党支配の不正と腐敗の蓄積の多大さに起因する。小泉や安倍といった時代には一時的高揚はあったが、本質的に腐敗と失政の連続で、この30年の政治は人々の希望を次々奪った。そのうえ今回は石破vs高市の対立が発火点寸前に至り、党内亀裂は修復不可能寸前だ。しかしこれは石破・高市、岸田・菅・麻生らの人格的対立に起因するのではなく、55年体制崩壊以降の自民党支配体制が、それを側面で支えたマスコミも含め、政治・経済・外交・国際環境の全分野で破綻し、「失われた30年」として現出していることを要因とする。すなわち安倍政治の「モリ・カケ・桜」の乗り切りは、さらなる政治的腐敗として今回の裏金問題に帰結した。「賃金30年下がりっぱなし」と少子・高齢化は、いまやこの国に住む人々の生きていく希望を奪いつつある。「9条を持つ憲法」のもと基本的人権・幸福追求権が尊重されるはずの社会が、軍事予算がGDP比2%・5年間43兆円となり、持たざる国日本が、戦争拡大の世界に軍事大国として再登場する愚行を犯そうとしている。
また岸田政権は2011年福島第一原発事故がなかったかのように、原発依存に再帰着した。高市などの一派は14億の民を持つ最大の貿易相手国であり、何十万の人が働く中国を敵視し、自民党とこの国を排外主義と国粋主義の政党に作り替えようとしている。 G7が没落し、グローバルサウスが力を持ち、さらにそれ以外の地域も台頭する国際社会のなかで生きていけるのか。さらには新自由主義・グローバリズムは地球環境を激しく破壊し、人類の存続の危機すら招来している。本来なら政治がこれを救済する道を示すべきなのだが、全く真逆の社会の分断と戦争の招来を、現在進行形の自民党抗争劇は示している。

V 自民党型議会制支配が破綻

万博・カジノ・維新批判のデモ(9月29日 大阪)

1990年を契機にこの国の政治・経済システムは、それまでの経済成長前提の55年体制が完全に崩壊し新たな時代に入った。1993年の細川連立政権の成立で初めて下野した自民党は、政治改革の名で小選挙区制を強行し新たな政治支配システムを確立せんとした。最初に成功したのは自民党を「ぶっ壊す」として劇場型民主主義で自民党経世会(田中・竹下系統)を反主流に追い込んだ小泉純一郎である。これ以降2010年代後半に登場した橋下維新も、さらには鳩山・小沢民主党のマニフェスト選挙も、新自由主義改革での選挙至上主義として一時期勝利するが、社会的永続性は示せず短命内閣が続いた。これを新自由主義と新保守主義を巧みにバランスして長期政権を築いたのが安倍晋三(2012年体制、安倍−菅−岸田)であった。しかしその裏では宗教右派や統一教会と繋がり、第三次安倍政権めざし高市を中継ぎとしたが、本人が統一協会関係人物に殺され、後継の高市は今回総裁選でバランスを欠いて極右化し、支配階級の大分裂の引き金を引いた。
石破は一貫した反主流派だったため政権奪取後も人材枯渇で道筋が定まらない。また橋下・松井以降の維新は、安倍の別動隊として一時期権勢をふるったが、安倍の死と大阪・関西万博の全面破産、兵庫県斎藤知事不信任で崩壊の危機にある。立憲民主党も支配階級の危機救済のため第2自民党に回帰した。日本共産党は教条主義・セクト主義の塊で普通の市民と対話ができない。れいわ新選組もせっかく一定の勢力に達しながら政党ガバナンス不全を示している。
この新自由主義強収奪の中に膨大な市民層が「自らの党」を持ちえず取り残されているのが2024年10月の政治状況である。この事態の到来の片棒を担いだマスコミや選挙プランナー、宗教勢力・ネット右翼も可視化されてきた。今次総選挙と続く11月兵庫県知事選と25年7月参議院選の過程は、労働者階級人民はいかに闘うかが鋭く問われている。
これを突破する道はあるのか。絶望的に見えるがある。それは自民党支配が分裂・崩壊するこの過程で、戦争と分断と生活破壊に抗する持続的な人民決起を創り出すことである。例えば兵庫県では県議会全会派一致で斎藤知事不信任決議を採択したが、これを無視して斎藤前知事が再度立候補しようとしていることに対し不信任を決議した全会派は統一した対応ができず、その隙をついて都知事選石丸陣営(候補者・参謀)が参入しようとしている。この石破以上の反動に抗するため、憲法や基本的人権や近隣諸国との信義を信ずる人々の中から、あらたな社会運動・政治運動とそのリーダーが生まれる。
2024年10月から25年7月参議院選過程はその連続である。

W 軍事大国化・原発再 稼働・生活破壊と闘う人民の総決起を

誰が見てもわかる政治的混迷の裏で、大軍拡・大増税、原発再稼働、物価値上げ・生活破壊の動きが空前の規模で進もうとしている。大軍拡は、22年末の安保3文書、軍事費5年間で43兆円決定以降ウナギのぼりだ。
原発再稼働ではついに東日本大震災直近の、宮城県・女川原発の再稼働を強行しようとしている。野党・立憲民主党の10月7日野田代表発表の政権政策には原発の2文字はない。
人々の生活が極限的に困窮しても消費税引き下げも言わない。しかしながら個々の候補者・政治家は原発に反対し、消費税反対を訴えている。裏金議員に対する怒りは充満している。
全土の基地強化に対する怒りは澎湃と起こり始めた。沖縄を最前線基地化し、再び戦場にしようとする攻撃に賛成の人民がいるわけがない。イスラエルのガザ攻撃・ジェノサイドとレバノン・イランへの戦火拡大に対し、1年を期して新たな人民の決起が始まっている。ヨーロッパ型の極右の台頭に対し国際的連帯を求め、差別・分断と闘う人民決起は不可避である。この中で万博・カジノにしがみつく維新は崩壊する。
反戦反基地・反原発の闘い、生活防衛・大増税反対の大衆的うねりと、裏金議員落選・石破自民党過半数割れに向けて、全国各地で総決起しよう。自民党分裂不可避下、25年7月参議院選までの人民決起を闘いぬこう。

袴田巌さん再審無罪
衣類など証拠ねつ造認定 最高検控訴断念(10・8)

1966年静岡県のみそ製造会社の専務一家4人殺害事件で、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さんの裁判をやり直す再審公判で、9月26日静岡地裁(国井恒志裁判長)は、無罪を言い渡した。 判決は犯行着衣とされた「5点の衣類」や自白調書など3つの証拠を捜査機関によるねつ造と認定した。焦点であるみそタンクから見つかった「5点の衣類」はタンク内で1年以上みそ漬けされた場合には「赤みが残らない」と認定。衣類は発見直前に投入されたもので「捜査機関が血痕を付けるなどの加工をして隠した」とした。袴田さんの「自白」調書も、警察と連携した連日・長時間に及ぶ「非人道的な取り調べ」によるもので「実質的なねつ造」だと批判した。判決後、国井裁判長は、姉の秀子さんに「長く時間がかかってしまったことは申し訳ない」と謝罪した。
警察が証拠をねつ造して袴田さんを58年間も無実の罪を着せ人生を奪ったことは許されない。警察・検察による大犯罪だ。
確定死刑囚の再審無罪は戦後5件目で、過去4件は検察が控訴せず無罪が確定している。袴田さんも10月8日最高検は控訴断念し、無罪が確定した。袴田さんは81年再審請求から再審無罪まで43年を要した。これほど長くかかるのは再審制度の不備にある。再審法改正を実現するのは今しかないと日弁連は訴えている。
袴田さんに続き、狭山事件の石川一雄さんの再審無罪をなんとしても勝ち取ろう。

2面

斎藤の再選許さぬ総決起を

西谷さん 丸尾さん講師
反維新集会高揚

95人が集った反維新集会

9月29日、尼崎市内で、第12期連続市民講座の第1講座として「維新政治はもう終わり、万博カジノ斎藤知事問題」と題した集会が95人の参加で開催された。
講師は斎藤知事問題を先頭で追及している丸尾まき県会議員と、カジノ・万博・維新政治を鋭く追及しているジャーナリストの西谷文和さん。正にこの時期ぴったりな2人の話で盛り上がりました。
先ずは丸尾さんがこの間の経過と百条委員会について報告。当初この斎藤知事疑惑を県総務部に尋ねても、今は調査中なので答えられないと言われた。そこで丸尾さんは4月段階で自分で職員にアンケート調査をすることにした。その結果数十の回答が集まり、パワハラおねだりが事実だと確信した。また、百条委員会設置が決まって、保守議員からも丸尾議員には是非とも委員にと声が上がり、通例は会派を持たない無所属議員が委員になることはできないが、委員になれたとのことでした。知事選後も事実の解明のため百条委員会で徹底的に追及していきたいと語った。
次に西谷文和さんが万博の問題点をスクリーンに映して縦横に語りつくした。維新と吉本興業の関係、メタンガス問題、観客の休憩所とトイレ問題、交通機関の混雑状況、など画像を見せての分かり易い話は参加者を十二分に納得させた。斎藤知事の「タカリ」は、カニ、ワイン、レゴブロック、などすべてを貰っていたことを画像で証明した。正に「嘘八百が」嘘だったとはっきりさせた。
維新との闘いを訴える西谷さん、丸尾さん(9月29日 尼崎)
講演後の質疑応答では、「丸尾さんを知事に」の声があがったが、「私は自民党から嫌われているので(当選は)無理ですと」と断り、「斎藤前知事を絶対再選させないよう頑張る」と意見表明。市民と県議の力で斎藤知事が失職したいま、兵庫県知事選挙が重要になっている。斎藤知事再選阻止のためには、行動を始めた市民が、市民の代表を知事に押し上げていく必要がある。このことを確認した極めて有意義な集会だった。(大北健三) <

3面

老朽原発うごかすな!高浜全国集会
町民と大合流 9月23日 福井県高浜町

集会を終えてデモに出発する人々(9月23日 福井県高浜町)

9・23「老朽原発うごかすな! 高浜全国集会 〜地震も事故もまったなし〜」が、福井県高浜町でひらかれ、福井・関西を中心に、全国から360人があつまり大きな高揚を勝ち取った。
本年1月1日の能登半島地震は、もし珠洲に原発が建っていたらどのような大惨事になっていたかをあらためて突きつけた。世界でも有数の地震多発地帯である日本列島に、原発が多数存在している状況は、世界的に見ても例を見ない事態である。
この日の集会は、さる3月31日に福井県美浜町でおこなわれた、「老朽原発うごかすな!美浜全国集会 〜地震も事故もまったなし〜」に続く行動として開催された。
能登半島地震から10カ月たった今も、ほとんど復旧が進んでいない現状に追い討ちをかけるように能登半島を襲った大豪雨で、再び大きな被害が発生している。そういう状況の中で、駆けつけてくれた珠洲原発反対運動の中心メンバーである北野進さんの報告、そして、原発は地震に耐えられないとして原発を止めた元裁判官・樋口英明さんの報告を中心に、すべての発言者が、理不尽な原発の存在を許してはならないという思いをかたり、参加者と共同の思い、決意として、強く打ち固めた。

高浜原発抗議行動ゲート前

集会の前段行動として、高浜原発の北ゲートで、関西電力・高浜原発に申し入れと抗議行動をおこない、180人が参加した。終了後、全体は、バスや車で高浜町文化会館に移動した。関西圏や福井ナンバーの車で、駐車場は埋め尽くされた。

高浜町文化会館で集会

集会冒頭、〈原子力発電に反対する福井県民会議〉中嶌哲演さんが主催者あいさつに立ち、来るべき総選挙で、原発依存・回帰の保守政権を退場させようと訴えた。
北野進さん、樋口英明さんの報告は、参加者に感銘を与え、ますます老朽原発の廃炉から全原発の廃炉へ突き進む思いを強くする報告であった。
3月の美浜集会に続いて登壇した北野さんは、能登の現状、志賀原発の現状を詳しく語った。
樋口さんは退官後、関西や全国で多数講演しているが福井の地で語るのはあまりなく、平易な言葉で原発がなぜ危険なのか語った。

使用済み核燃料の行方

青森から〈核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会〉事務局長・中道雅史さん(ビデオメッセージ)、〈原子力発電に反対する福井県民会議〉事務局長・石地優さんが報告。石地さんは関電が狙っている原発構内での使用済み核燃料乾式貯蔵について警鐘をならした。

全国各地から使用済み核燃料の行方

今年、再稼働が狙われている、女川、柏崎刈羽、島根からビデオメッセージがよせられた。
東北電力・女川原発の現地から〈さようなら原発みやぎ実行委員会〉多々良哲さん、東電・柏崎刈羽原発の現地から〈規制庁・規制委員会を監視する新潟の会〉桑原三恵さん、中国電力島根原発の現地から〈島根原発3号機訴訟の会〉芦原康江さんが熱い決意を語った。

特別報告・敦賀原発不合格

敦賀原発2号機が審査不合格で運転できない状況について、〈原発住民運動福井・嶺南センター事務局長〉山本雅彦さんがわかりやすく解説した。

若狭の現状報告

若狭の現状報告と題して、〈ふるさとを守る高浜・おおいの会〉宮崎宗真さん、若狭の原発の風下にあたる東海地方のたたかいとして〈40年廃炉訴訟市民の会〉草地妙子さんが発言。草地さんは、「名古屋地裁でたたかわれてきた40年廃炉訴訟が結審し、来年3月判決を迎える。絶対に勝利する」と語った。
さらに、高浜町住民、近隣自治体住民から共にたたかおうとアピールがあり、最後に集会宣言を採択し、デモに移った。

町内デモ

デモは国道を横断し、町内に入り、狭い道路いっぱいになりながら、JR若狭高浜駅まで、原発反対の声を上げ、町民の強い共感、支持を受けながら元気よく行進した。高浜町住民の反応は、デモのたびごとに大きくなっているようだ。それは、この間継続的に実施しているアメーバデモ=ポスティングでの住民の反応にも現れている。1軒1軒訪問し、「原発反対のビラです。よかったら読んでください」と手渡すと大半はきわめて好意的な反応が返ってくる。とくに、能登半島地震後、熱いものを感じる。今回のデモでもわざわざ道に出てきて声援する人や、家の中で手を振る人などが多数見られた。町民の声援に足取りも軽くなり、解散地点の若狭高浜駅に到着した。主催者から「次は12・8関電前です。大結集しよう」と呼びかけがあった。
次は12月だ。「12・8とめよう! 原発依存社会への暴走 関電包囲大集会」に集まろう。

デモでアピール
包括的反差別法をつくろう 9・28新宿

9月28日、東京・新宿で「デモでアピール 2024 包括的反差別法をつくろう」(主催:国連・人権勧告の実現を! 実行委員会)と題する行動がおこなわれ、200人を超える市民が結集した(写真上)。主催は、国連・人権勧告の実現を! 実行委員会。

リレートーク

デモ出発前に様々な分野で闘う人々によるリレートークがおこなわれた。
在日朝鮮人団体の方、東京「君が代」裁判第5次訴訟原告の田中聡史さん、アイヌ差別と闘う宇佐照代さん(新大久保・アイヌ料理店「ハルコロ」店主)、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの青木初子さん、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動・共同代表の梁澄子さん、入管との闘いから〈#FREEUSHIKU〉かりんさん、〈日本製鉄元徴用工裁判を支援する会〉山本直好さん、〈被ばく労働を考えるネットワーク〉池田実さん、〈部落解放同盟東京都本部〉小野崎佳代さんがアピール。多くの人が包括的反差別法の制定を訴えた。
特別アピールとして、茨城育樹祭ビラ弾圧救援会が「誰でも貼り紙を出せる大学の掲示板に育樹祭反対のビラを貼った」ことを理由に建造物侵入で逮捕されて勾留が続いている人の救援を訴えた(※9月30日に釈放)。
リレートークのまとめとして、12月10日17時から衆院第二議員会館でおこなわれる予定の「第12回世界人権デー集会 包括的反差別法をつくろう!」への結集が訴えられた。(代田二郎)

4面

呉を軍都にするな
全国反基地闘争の連携を
西日本交流会

9・22 西日本交流会

9月22日、「戦争止めよう 西日本連帯交流会」が広島県呉市においておこなわれた。
主催は、ピースリンク広島・呉・岩国。この交流会は前日(21日)の継続としておこなわれた(集会名称は異なっている)。会場参加者は約50人、ズーム参加は44人だった。

西日本各地から報告

西日本を中心に7団体・個人から、このかんの闘いが報告された。

広島・呉・岩国の状況について

新田秀樹さん(ピースリンク広島・呉・岩国/世話人)が報告。
広島は平和都市と言われるが、広島・呉・岩国が軍事的にリンクしており、この周辺に軍事基地がたくさんある。今年、岩国の米軍基地に海軍のオスプレイが配備される予定だ。米海軍のオスプレイが初めて日本国内に配備される。さらに、米海軍の最新鋭ステルス戦闘機F35Cも新たに配備される方針だ。新田さんは、闘いを強化していく決意を語った。

うるま市でのたたかい

沖縄県のうるま市で陸自訓練場建設を阻止した闘いについて。〈ミサイル配備から命を守るうるま市民の会〉共同代表・照屋寛之さんがオンラインで報告。
ミサイル弾薬庫建設に反対する、この1点で住民を組織していった。市民集会は千人をこえて大成功し、この市民パワーが決定的になった。保守・革新をこえて、世論を巻き起こしていった。

八重山諸島の石垣島から

〈石垣島の平和と自然を守る市民連絡会〉事務局長・藤井幸子さんが、自衛隊のミサイル基地に反対する闘いをオンラインで語った。
石垣島では、基地がどんどん拡大されている。今年、航空母艦「いずも」がやってきた。2026年度には、自衛隊の電子戦部隊も配備される。石垣市民は住民避難におおきな不安をいだいている。住民避難など不可能だ。

鹿児島県さつま町の弾薬庫について

鹿児島県さつま町に造られようとしている弾薬庫について、〈さつま町の弾薬庫建設を考える会〉に参加する女性から、この間の闘いが述べられた。
2023年12月、私たちは新聞報道でこの計画を知った。さっそく有志で〈考える会〉を立ち上げた。24年3月に、薩摩地区だけの住民説明会がひらかれた。町民は「いまさら反対しても」と、あきらめムードになっている。わたしたちは、これからも闘っていく。

祝園ミサイル弾薬庫に反対する闘い

〈京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク〉副代表・八木健彦さんが、このかんの取り組みについて報告。3月の結成集会以降、学習集会を2回(5月、8月)おこなった。集会を重ねるごとに、地元住民の参加者が増えている。造成工事費として今年度予算に102億円が計上されているが、25年度の概算要求では、祝園弾薬庫建設に192億円が使われる。防衛省は弾薬庫整備費として358億円を要求しているから、来年度の弾薬庫整備費の半分以上が祝園弾薬庫増設(8棟)に使われる。いったい、防衛省はどんな弾薬庫を造ろうとしているのだろうか。

高松港を「特定利用空港・港湾」に指定

今年4月、香川県の高松港が「特定利用空港・港湾」に指定された。香川県会議員の上田真紀さんがこの問題で発言した。
防衛省は市民に「有事のためではなく、平時での利用であり、心配はいらない」と語っており、県知事もこれを繰り返している。県知事は県民にウソをついている。この攻撃を許さない。全国ネットワークをつくることが重要だ。

米軍辺野古弾薬庫

米軍辺野古弾薬庫(沖縄県名護市)について、ジャーナリストの山本眞直さんが報告した。
辺野古弾薬庫のなかに、核兵器貯蔵庫がある。このことは秘密にされている。1人のジャーナリストが粘りつよく調査し、決定的な事実をあきらかにした。

まとめ

最後に〈ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会〉事務局長・新垣邦雄さんがまとめの提起。
新垣さんは「全国各地で自衛隊基地が建設・強化されている。沖縄だけが危ないのではない。まさに新たな戦争前夜情勢だ。これを阻止するために、全国の住民団体が繋がっていこう」と提起。
次回の西日本連帯交流会は、11月30日、14:00〜17:00に大分市コンパルホールにて開催される。基地反対ネットワークを全国に拡大していこう。

本の紹介
『戦争ではなく平和の準備を』(上)
青井未帆 他 地平社 2024年7月刊

「あとがき」によると、本書は2014年安倍内閣の集団的自衛権合憲の閣議決定ー2015年安保法制成立以来の戦後日本の軍事政策の大転換に対して対置した平和構想提言のタイトルに由来する。
「反撃能力」=敵基地攻撃能力の行使可能に政府が踏み込もうとする中で、本書は現在の日本の軍拡の動きを総括的に批判し、外交努力、市民社会の力で平和構想を具体化していく、という二本の柱で編集されたものである。
今日の日本の情勢(安保法制以降の動きと岸田大軍拡)によって、近い将来、戦争に結びつく危険性があるものとして、@近代日本における軍事同盟と軍備拡張がどのように戦争に結びついたのか。2022年版「安保3文書」に示す現代日本の軍事政策と軍備拡張が内包する危険性、軍事予算急増が兵器体系の質的転換をもたらすことを指摘している。
以下、5章(軍事費増大の構造と歴史・・山田朗)、7章(「死の商人国家」への堕落をどう食い止めるか・・杉原浩司)に焦点を絞って紹介する。

軍備拡張の時期

5章:近代日本史において顕著な軍備拡張の時期は3回ある。
イ)11日清戦争と日露戦争の間の1896年〜1900年の5年間。
ロ)第一次世界大戦直後の1919〜1922年。
ハ)日中戦争期の1934〜1937年である。
この時期に共通しているのは、軍事大国への接近や軍事同盟が背景にあることだ。
イ) では、日英同盟。ロ)では日英同盟末期。ハ)ではドイツに接近し、日独伊三国同盟へ。こうして仮想敵国を設定し、軍事力を抜本的に強化していった。(つづく)

5面

呉基地フィールド・ワーク
戦前・戦後一貫した軍事要衝
9月22日

呉の歴史(戦前)

江戸時代、呉は農業と漁業を生業とする「半農半漁」の小さな町であった。1889年、呉に第2海軍区・呉鎮守府(横須賀、舞鶴、呉、佐世保の4カ所)が置かれた。この時、呉町の住民約5千人(1023戸)が強制的に立ち退かされている。こうして、海岸が埋め立てられ、造船工場がつくられた。
1903年、呉海軍造船廠と呉海軍造兵廠が合併して、呉海軍工廠になった。戦前、呉海軍工廠は「東洋最大・最優秀技術」の工場といわれ、最大時には10万人が働いていた。戦艦「大和」をはじめとして、約130隻の軍艦がここで造られ、呉軍港はアジア侵略の拠点であった。
海軍施設や地下工場の建設には、朝鮮人労働者が動員された。1945年になって、呉は6回の空襲を受けている。7月1日〜2日の空襲では市街地の大半が焼失し、約2千人が亡くなった。このように、戦争になればまず最初に軍事施設がねらわれる。

呉の歴史(戦後)

戦後、大日本帝国海軍は解体された。しかし、「航路啓開隊」と称して、掃海部隊が存続した。1950年6月に旧軍港市転換法(軍転法)が施行され、呉は「平和産業港湾都市」として生まれかわった。軍需工場は民間企業になり、海軍工廠製鋼部は製鉄所、造船部は造船所になった。
1954年、海上自衛隊呉地方総監部ができた。現在、呉海自基地には40隻余りが配備されている。1991年4月、掃海艦隊がペルシャ湾に派兵された。1992年9月には、輸送艦隊がカンボジアPKOに派兵された。こうして戦後も、呉基地は自衛隊の海外派兵の拠点になってきた。呉基地は今後、さらに「総合基地化」されようとしている。
呉の周辺には、在日米軍弾薬庫が3カ所(広弾薬庫、秋月弾薬庫、川上弾薬庫)存在する。また、海上自衛隊呉基地に隣接して、この統括事務所(米陸軍秋月弾薬廠司令部)が存在する。これらはかつての大日本帝国海軍施設を流用している。朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争では、呉から弾薬が運び出された。このように、日米安保条約において、在日米軍は「日本を守るために駐留する」ことになっているが、現実にはアメリカ帝国主義の侵略戦争のために機能している。

呉海自基地フィールド・ワーク

9月22日、フィールド・ワークは呉駅近くから出発。国道487号線を南下していくと、海上自衛隊呉地方総監部庁舎が見えてくる。ここは、戦前に呉鎮守府があったところだ。さらに南下すると、「歴史の見える丘」につく。ここから呉軍港が見渡せる。戦争がなければ、強襲揚陸艦「おおすみ」や航空母艦「かが」(2017年4月に配備)が停泊している。9月17日、「かが」はアメリカでF35Bを用いた発着訓練をおこなうために出港している。今は「準戦時状態」にあるということだ。
眼下に造船所のドックが見える。軍艦(自衛艦)が修理のためにドックに入っている。ここはジャパン・マリン・ユナイテッド(JMU)呉事業所だ。この地域は旧海軍工廠の造船部であった。「軍転法」によって、民間に転用され、呉造船所になった。1968年、石川島播磨重工業(IHI)が呉造船を合併した。ここで世界最大のタンカー「日精丸」が建造された(1975年)。2013年、IHIの造船部門とユニバーサル造船が合併して、JMUの造船所になった。造船不況の波がここにも押し寄せている。
この南側にIHIの工場があり、ここでは航空機エンジンをつくっている。2022〜23年、JMU呉事業所第4ドックで、ヘリ空母(護衛艦)「かが」が空母に改修された。今日において、その軍需機能の重要性がたかまっている。
海上自衛隊Dバース(昭和埠頭)を南下していけば、「アレイからす小島」につく。旧海軍工廠時代、この一帯は砲身や砲塔をつくっていた。戦後、神戸製鋼所になったが、1987年に撤退し、その跡地を防衛庁(当時)が買い取った。
この日、Sバースには潜水艦3隻が停泊していた。Aバースには、ソナーを保持した音響測定艦が停泊しているのだが、その姿はなかった。最近、呉港に停泊している軍艦(自衛艦)は、ひんぱんに出港しているという。

日鉄呉跡地問題

さらに車で道路を南下すれば、日本製鉄瀬戸内製鉄所の高炉跡につく。ここは旧海軍工廠製鋼部であった。戦後、「軍転法」によって日新製鋼呉製鉄所に生まれ変わった。2020年4月、日新製鋼は日本製鉄に吸収合併された。2021年に、日本製鉄は2つの高炉を停止し、鉄源工程を休止した。2023年9月、日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区が閉鎖された。離職した約1100人の労働者のうち、約半数が退職し、半数が他地区への配置転換に応じたとのことだ。
今年3月に、防衛省は呉市と広島県にこの跡地を一括購入する考えを申し入れた。これが大きく報道された。この跡地の面積は130ヘクタールもあり、もし自衛隊基地になれば、基地面積は現在の2・6倍になる。防衛省はここを「多機能な複合防衛拠点」にして、南西諸島への出撃拠点(兵站基地)にしたい。ここから武器・弾薬・食料を南西諸島に供給する方針だ。
このように、製造業が没落し、資本家はふたたび軍需産業で生き延びようとしている。「新たな戦前」はこうしてはじまっているのだ。今年4月、日鉄呉跡地問題を考える会が結成された。同会は、署名活動と呉市への申し入れ行動をおこなっている。呉をふたたび軍港にしてはならない。

沖縄日誌9月
うまず闘いぬく市民
基地強化と人権侵害許さぬ

8月30日 2023年12月に発生した米兵による少女誘拐暴行事件の第3回公判が那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)で開かれ、被告人質問として証言に立った米空軍兵長は「犯罪を犯していない」と無実を主張し、少女の訴えを拒否し少女への謝罪を述べる場面はなかった。

9月2日 名護市辺野古の新基地建設の設計変更申請をめぐり、県の不承認処分を取り消した国交相の採決は違法だとして県が処分の効力回復を求めた抗告訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部(三浦隆志裁判長)は県の控訴を棄却し、県の敗訴が確定。辺野古を巡る県と国との法廷闘争は14件を重ねたが、4件が和解や取り消し、9件で県敗訴が確定した。今回が唯一係争中の訴訟だ。県の訴えは再び「門前払い」となった。座り込みの市民は「国は司法の場で正々堂々と議論を」と審理を避ける国へ抗議の声を上げた。(県は17日最高裁へ上告した)

5日 名護市安和桟橋で土砂搬出を再開してから2週間となった。沖縄防衛局は再開初日の3倍のダンプを入れている。多い時には1日千台に急増している。防衛局側は市民の牛歩に、ネットフェンスを持った民間警備員による「バリケード」をつくり歩道の封鎖を繰り返し、2時間近くも歩行制限することがある。市民が「バリケード」をかいくぐりダンプの前に出て抗議しようとすると、県警の機動隊が制止する。ダンプは途切れることなく桟橋に入っていく。抗議の市民は「『向こうにわたります』と言っても渡らせてくれない」と怒りをあらわにした。

同日 沖縄県警は6月に成人女性に性的暴力を加えけがを負わせたとして、20代の米海兵隊員の男を不同意性交致傷の疑いで那覇地検に書類送検し、県に伝達した。米兵による性暴力が後を絶たない。市民は「またか」「怖いし、悲しい」と憤った。また、事件が続く背景に日米地位協定の存在があり、県民大会の早期開催を求める意見も上がった。(地検は20日、米兵を起訴)

8日 玉城デニー知事は沖縄の基地問題解決を直接訴えるため、米ワシントンに出発した。米国務省と国防総省では、米兵による性暴力事件について直接抗議し、再発防止を訴える。

同日 宜野湾市長選が投開票され、佐喜真淳氏(自民、公明推薦)が、桃原功氏(立民、共産、社民、社大推薦)、比嘉隆氏を破り当選した。選挙は松川正則市長の急逝に伴いおこなわれた。佐喜真氏は松川市政の継承を訴え6年ぶりに返り咲いた。

11日 沖縄防衛局が辺野古新基地建設で埋め立てに使う石材を調達するために、うるま市の宮城島で環境調査をすることが分かった。沖縄県には県外からの特定外来生物流入防止の「土砂条例」があるが、県内の石材は対象外。政府は鹿児島県奄美大島からの石材搬入を検討しており調査がおこなわれる。県内では本部町以外では4月から国頭村から石材を搬入している。

20日 辺野古新基地建設で大浦湾側の護岸工事着工から1カ月。護岸のくい打ちと石材投下は続いている。このかん防衛局は、9月4日にボーリング調査用の作業船2隻を大浦湾に導入した。防衛局は軟弱地盤の調査でなく別の調査と答えているが、専門家は調査が最深の軟弱地盤に近く「結果を踏まえて設計を見直すことになるだろう」と指摘した。(杉山)

6面

いのちを守れ!9・29御堂筋パレード
万博中止・カジノはいらんはときの声

9月29日、大阪市内で「いのちを守れ! 御堂筋パレード」がおこなわれ、400人が集まった(写真)。うつぼ公園での集会では、万博・カジノを止めるために活動している人たちから熱気と決意溢れる発言があった。カジノについてマスコミ報道の誤りが指摘され止められることがわかった。集会後、「万博中止!」「カジノはいらん!」「万博やめて被災地支援!」「夢洲あぶない!」とコールして御堂筋をデモ行進した。主催は夢洲カジノを止める大阪府民の会。

籠谷成幸さん(「夢洲カジノを止める会」吹田)


「市内の小中学校54校の全ての校長先生に面談し万博への子ども動員を止めるよう要請した。市教委に対しても学校現場に強制しないで欲しいと協議をおこなっている。保護者の皆さまにもチラシを入れて呼びかけてきた」

山田さほさん
(子を持つ親・豊中市議)

「いくらガスの対策をしてもガス爆発する所に校外学習で子どもを連れて行くのは不適切。万博に引率したくない先生方はたくさんいるのに、行政から動員への圧力がかかっている。きわめて政治的なイベントの入場者稼ぎのために教育現場に押しつけた。教育現場は今悲鳴を上げている。万博をやめさせよう」

井上眞理子さん
(大阪IR・カジノ土地改良事業差し止め訴訟)

大阪市長に対しIR株式会社の土地改良事業費の差し止めと無償利用している土地の賃料20億円を請求して、大阪市民7人が9月9日に大阪地裁に提訴したことを話した。
松田幹雄さんが、この裁判を支援する会が9月19日に設立されたと報告。

八木政行さん(夢洲カジノを止める大阪府民の会)
有毒ガスが基準値超え・オーバー

「万博工事現場では、朝一番、午後一番に仕事をしても安全かどうか5種類の有毒ガス(メタンガス、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素)の検知をおこなっている。法律でこの値以上であれば工事現場に入ってはいけないというのが基準値。万博協会がHPで公表した6月の検出結果を見れば、地下ピット(空間)では基準値ごえが毎日続き412回。一酸化炭素は毎日オーバーしている。オーバーというのは測定器の限度を超えて測れなかったということ。こんな危険な所で労働者が働いている」

豊中NO! カジノシスターズ

漫才で「命がけの万博やね」と笑わせた。「休憩所の頭上に750個の巨石をネックレスみたいに吊す飾り」もキケン。



馬場徳夫さん (どないする大阪の未来ネット)
反対運動強めカジノ撤退へ

「9月6日IR事業者が、解除権を放棄した。26年の9月まであと2年間の猶予があったのになぜ放棄したのか。その裏には、大阪府・市・万博協会、国の機関含めて相当な事業者に対する約束をしている、これしか考えられない。財政的にも、あるいは土地改良、特に地盤沈下問題では全てやりますということを内緒で約束している。府会・市会で徹底的に暴露していかなくては。
不可抗力等で不都合があったら撤退できる。だからマスコミが言うように決まったわけではない。徹底的に反対運動を我々が強め、彼らがここではもうあかんという所に追い込んでいけば撤退する。頑張りましょう」

藤永のぶよさん(おおさか市民ネットワーク)
「命を脅かす万博」は止めなあかん

「命を脅かす万博は、ここまで危険がわかってきたら止めなあかん。9月2日万博協会は防災計画を出したが、びっくりするようなことが書いてある。台風が来たら静けさの森の樹木は倒れる。テントやパラソルなど屋外展示物は飛散する。トラックが横転する。パビリオンは鉄骨が折れたら変形する。大雨が降れば、道路が川のようになる。今もなってるそうですよ。静けさの森の池が溢れる。排水溝を超えた雨水が1階に全部入り込む。車の運転は危険。傘はさしても役に立たない。このように危険と書いているけどどうしますかというのは書いてない。そんな危険な場所で世界から一杯呼んでくるようなイベントをするべきではない」、「9月20日にIR・カジノについて住民監査請求を出した。格安値段を決めた松井前市長らに1054億円弁償せよと。市民の財産を食い物にするなと闘っていきます」

中山直和さん(カジノに反対する大阪連絡会)
カジノは止められる

「カジノ事業者が違約金なしで撤退できる『解除権』を失効したと9月10日に発表。マスコミが2030年のカジノ開業確実と報道しているのはミスリード。カジノ管理委員会に申請して免許をもらわないといけない。まだ申請もしていない。今私たちは裁判をやっている。裁判をやってわれわれが勝ったら、カジノ認定は取り消すという国の確約をとっている。9月17日東京に行って交渉をおこない、確約をあらためて取ってきた。その際、カジノ認定の取り消しの署名計7万4千筆、万博中止署名は計10万6千筆を出した。
9月26日には大阪IR推進局と交渉した。彼らは『大阪の経済成長に大きく貢献する。カジノの収益で福祉の増進や大阪の成長に活用します』なんて事言う。博打で儲けて人を不幸にしておいて、儲けたお金で何が福祉やねん。ギャンブル被害、社会的経済的損失は、カジノの儲けの4倍、5倍だということは、韓国やオーストラリアで 立証されている」

桜田照雄さん
(カジノ問題を考える大阪ネットワーク代表)

デモ時のアピール

「大谷選手の通訳水原さんは、2年間の間に1万9千回もオンラインカジノをやっていた。1回で3千万円をかけるような賭博に手を染めた。勝ったお金が213億円、負けた金額は275億円で、差し引き62億円をマフィアに借金をした。62億円のうち24億5千万円は大谷さんの口座から支払われた。米国の捜査当局がこの事実を掴んだのは1月。マネーロンダリングをやっていたMGM(夢洲にくるカジノ業者)が違法なことをやっていたということで摘発された。その摘発の過程で大谷の口座から出ていることを掴んだ。どんな人でも、どんなにまじめな人でも一旦賭博の世界に入ってしまえば抜け出すことはできない。
夢洲にカジノができれば今後後戻りできなくなってしまう。でも私たちにはそれを止める機会がある。カジノ管理委員会という国の組織が事業認定を出さなければカジノを営業することはできない。しかも大阪府・市はカジノを決めるためにいろんな不法行為・違法行為を繰り返し、それを隠蔽している。カジノ管理委員会が本気になってそのプロセスをきちんと検証すれば、到底免許は下されるものではない。カジノ管理委員会にしっかりと審査をさせる。その要になるのが私たち市民の運動です。まだまだやることができる」

なお、「万博子ども招待事業の見直し」を大阪府に求める意見書が10月2日吹田市議会で賛成25、反対8(公明5、吹田党3)で可決された。維新10人は賛成した。

ガザ侵攻
虐殺やめろ!今すぐ停戦!
9月28日に集会&デモ 大阪

イスラエルによるガザ侵攻が開始されてからまもなく1年。9月28日、大阪市内で「虐殺やめろ! 今すぐ停戦! 集会&デモ」がおこなわれ350人が集まった。主催は、関西ガザ緊急アクション。
9月も終わろうというのに、残暑とは言えないような暑さだった。

私たちの責任

主催者あいさつで役重善洋さんは、「かつてイスラエルは、暗殺や秘密工作の連続で、不正義に次ぐ不正義を冒しまくってきた。執拗な人種差別主義のひどさには耐えられません。さらに、パレスチナの人びとへの批判、支持以前に、ひとびとをここまで追い込んできた私たちにも責任はある。資本引き揚げ、制裁、ボイコット、イスラエルの非人道的行為を非暴力行動で訴えてゆくことで展望をひらいていきましょう」と、パレスチナの人々への不法な虐待がエスカレートすることに怒りを隠せない。

植民地主義の厚い壁

毎週、大阪市内(天満橋など)で、抗議スタンディング行動をよびかけ、やり続けている方は、「この社会は、沖縄、入管問題、在日問題など、まったく無視している人が多く、パレスチナ問題を遠く感じていることもそうであってみれば、そういう社会につつまれていることが怖いのです。植民地主義の厚い壁から出られない社会に含まれていること、パレスチナへのジェノサイドをかくも長く許している国際社会も信じられません。ただ、SNSなどで闘い続けている人々が、私には希望です」と続けた。
さらに、ZENKOが「三菱重工関西支社にBDS行動の報告」。大阪憲法会議事務局長の三宅良夫さんは、「民族自決権、生存権、平和共存を重視しない政治家に投票しないで」と訴えた。

御堂筋をデモ

集会後、御堂筋デモをなんばまで。沿道から、手を振る人、拍手をするひとびとは、最後まで絶えることはなかった。(写真上)

なんば御堂筋街宣行動

デモ終了後、午後7時から8時まで、、難波交差点において「なんば御堂筋街宣行動」がおこなわれた。さまざまな個人・団体から熱いアピールが続き、政党からは、れいわ新選組、立憲民主党、社会民主党の発言があった。(南方史郎)

7面

投稿
狭山と私A
9月狭山現地調査、石川さん夫妻と交流

尼崎阪急塚口駅前で狭山デー

9月21日(土)夕方6時、7人で街宣署名取り。友人のアピールがとても分かりやすく、袴田さんの人生と尊厳を返せ! 訴えと現地調査(現調)への関心が高まりを見せ、5000円超えのカンパが集まりました。この日は終わってからその場で、簡単な感想会をおこない、みんなで一緒に行動を共有できました。「若い人がよくビラを受け取っていたのが目立った」「もっと地域の人々に、知らせよう」「今日の反応を大切に、代表して4人で狭山へ行ってきますね」

いざ狭山へ

23日早朝、立花駅まで、息子が送る。この子が5年生の時、解放子供会から狭山現調に行ってはや32年。「その時をあまり覚えていないけど、今日は気を付けて行ってらっしゃい」と送り出してくれたことが嬉しかった。この1年、狭山再審を求める市民の会の映画会に参加している若者が、そばにいることに、今回の上京と今後に何かしら展望を感じる。

狭山市駅にて

「出会い地点」とされるX字型交差点。後方は新たにできた中央中学校(9月23日 埼玉県狭山市)

駅前陸橋通路、石川早智子さんの訴えの中、埼玉の住民さんと関西の市民約30人近くの街宣隊は、23狭山デーを元気よくおこないました。「一雄は無実です。一雄が生きている内に何としても再審実現を! 皆さんのお力を、署名のご協力をお願いいたします。」の声が心を打ち、狭山市民の反応が良い。現地、地元の力強さを感じました。

現調スタート

事件当日の石川さんの真実の行動

「これが一番大事」と現地事務所担当の安田さんが汗びっしょりになって案内してくれた。
「今大事なことは、一雄さんが61年前の5月1日昼2時半ごろ、入間川駅からこの道を通って、今は移転してここにはない入間川小学校(現在メモリアル碑が建っている)に立ち寄り、雨が降ってきたので移動し3時半から4時ごろに荷小屋(現在交番と駐輪場になっている)に着いて雨宿りしている。その時にスポーツ大会帰りの自転車に乗った中学生の一団を見たことや、かつて勤めていた養豚場のトラックを見たことなどのアリバイの証言。改めて裁判で陳述されることの影響力が無罪をかちとる要なんです。」
「現調の意義は、参加者がその真実を多くの市民に広く訴え、裁判所をして裁判をやり直す決断を迫ることではないでしょうか。」
私は説明を聞き漏らすまいと出来るだけ安田さんの傍を離れずに歩きました。石川さんが「一番信頼している人」と褒めるだけの人だなと感じました。私が持参した1977年冬の第1回現調のアルバムにも目を通して「そうそう荷小屋はこんな感じでしたね」と語ってくれた。狭山署、埼玉県警が隠し持っている証拠(学校日誌など)が明らかになれば、石川さんのアリバイの裏付けになり、善枝さんと全く関係ないことになります。真実の行動を辿り、石川さんの生涯をかけた闘いの原点に深く関われることができました。

作られた偽の行動

再建されたカモイ。手を伸ばせば届く所に万年筆が(現地事務所内)

寺尾判決の差別性、犯罪性


事件直後に関係者の謎の死が続き、「生きた犯人をふんづかまえる」強引な捜査方針の下に、石川さんが不当逮捕された。被害者の女子高生の死体発見から、差別的な筋書きを作りあげ、警察、検察、裁判所がぐるになって無実の石川一雄さんを生贄にしていくそのルートを辿りました。出会い地点には規模の大きい中央中学校ができていて、首都圏のベッドタウン地を感じましたが、何とそこから農道はほとんど以前と変わりがありませんでした。そして農道の両側に当時畑仕事をしていた農夫の「雑木林に向かって自転車を押している男女の二人連れは見ていない」証言が手に取るようにわかる光景でした。事実を無視する判決の、国家の無慈悲を感じました。
殺害現場とされる雑木林は宅地化されていてその駐車場の一角で、安田さんの話を聞きました。「弁護団の現場検証をした時、近所の方に『悲鳴が聞こえるかもしれないので気を付けて下さい』と断りを入れて殺害実験を行ったところ、パトカーが数台来た。家がかなり離れている人から通報があったからです。このように離れていても聞こえるのが実際です。小名木さん証言の「人の悲鳴は聞いていない」ことをリアルに説明してくれました。
つまり、でっち上げコースを実際に歩くことによって、74年10・31寺尾判決にたいして石川さんが「無期懲役、そんなことは聞きたくない」と言った血叫びが私に聞こえてきました。殺害現場とされた場所が変貌したこととそのままの状態の農道のコントラストが私に一雄さんの無実の真実として迫ってきました。現場に立って改めて『造花の判決』上映会が再現されました。

一雄さんの待つ元実家・現地事務所にて

一雄さんの声は、朗々としていて、彼のお人柄の潔癖さを、何よりも真実への真っ直ぐな思いを強くしました。全国からの沢山の激励の色紙や資料がきちんと整理されている。一雄さんが仮釈放された後、火事に見舞われたが鴨居など部屋は復元されて、改めて万年筆のでっち上げに怒りがこみ上げた。一雄さん、早智子さんと撮った写真に、二人の感謝の気持ちが表れていると感じました。「体が悪くなってお礼の行脚に行けなくなっているがこうして皆さん方がここへ来て、狭山闘争の真実を知って頂き、再審を実現してくれることが何よりも嬉しい。愛犬のココちゃんに癒されながら、不屈に生きていきます」と目を細めました。
思えば仮釈放されて、一番に来てくれたのが、阪神大震災の被災地の村でした。私たち兵庫の仲間は決意を新たに日々闘うことを誓いました。

早智子さんや埼玉の仲間との交流

元実家・現地事務所で参加者らが記念写真(9月23日)

市民の会の絆を感じるいい雰囲気の交流会でした。
早智子さんは、「黒川みどりさんの『被差別部落に生まれて』にも書いているけれど、若い頃の私は、差別から逃げていた。一雄さんの闘いを知り、結婚し、今ではこんなに強くなった。何物も恐れない気持ちに狭山の闘いがしてくれた。皆さんが遠くから来てくれることで一雄も私も勇気づけられています。何としても再審を実現していきましょう」と胸に響くお話をしてくださいました。
参加者も各々の「狭山と私」を話された。私も子どもの頃から親から聞いていた人の名前を黒川みどりさんの本の中で見つけた時の感動を話し、本日の現調と石川さんご夫妻に感謝いたします。早智子さんに頂いた徳島のスダチの香りに一段と狭山再審の思いを強くしました。

狭山にて スダチいただく ありがたさ
清き香りで 再審ひらく

袴田さんの無罪判決を受けて、本当に第3次再審開始がかかっています。10月21日(月)夕方7時・尼崎小田北生涯学習プラザ 現調報告会にぜひご参加ください。(狭山と私@は本紙391号)
兵庫 小山俊一

8面

(訃報)

部落解放同盟全国連合会荒本支部の元支部長であった村上周成さんが、長きにわたるガンと闘病の末9月27日亡くなった。29日に通夜、30日に告別式が東大阪市内で、多くの人の参列のもと執りおこなわれた。心よりご冥福をお祈りします。
なお後日、本紙に追悼文を掲載します。
『未来』編集委員会

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