とめよう安倍=岸田路線の継承
軍事大国化・憲法改悪反対
原発依存・生活破壊許すな
日本帝国主義・支配階級の30年にわたる没落からの突破の道が、自民党総裁選でも示されなかった。9人の候補は人受けの良い政策を並べたが、裏金問題・統一教会問題という支配の危機の突破の道は誰一人示さない。その分、安倍・岸田路線の継承としての軍事大国化・原発依存・生活破壊だけが際立った。他方立憲民主党は野田代表のもと「立憲」の党是をすてて軍備縮小すら言わない第二保守党の姿を刻印した。表紙を変えれば当面の危機は乗り切れても、「先進国一」の没落を進む日本は、戦前と同じく「持たざる国」として分不相応の軍事大国化から、支配権の拡大を求めて中国・アジアへ侵略していくのだろうか。今、階級闘争の分岐点にある。軍事大国化・原発依存・生活破壊の新たな支配体制を打ち破っていこう。
大軍拡と基地強化にNO!西日本交流会
西日本中心に100人が呉に集まった(9月21日) |
9月21〜22日、広島県呉市において、「大軍拡と基地にNO! 西日本交流集会」(主催:ピースリンク広島・呉・岩国)が開催された。
1日目の集会には、約100人が会場参加し、約50人がズーム参加した。この交流集会の目的は、自衛隊基地強化の現状を確認し合い、そのたたかいの経験を交流し、全国的なネットワークをつくっていくこと。1日目の集会では、呉、沖縄、佐賀、大分からなまなましい報告がなされた。本稿では、21日の集会を報告する。(2日目の集会内容は、次号に掲載)。
呉港の軍事拠点化
「歴史の見える丘」にある説明板(呉市が建てたもの)。旧呉海軍工廠の風景とここで建造した軍艦が描かれている(9月22日 呉市) |
ジャパンマリンユナイテッド呉事業所(JMU)のドック。2013年に石川島播磨重工業(IHI)の船舶部門とユニバーサル造船が経営統合してJMUになった(9月22日 呉市) |
日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の跡地。2023年9月に閉鎖した。跡地面積は約130ha。防衛省はこの跡地を海上自衛隊の基地にしようとしている(9月22日呉市) |
「アレイからす小島」から見たSバース。潜水艦が3隻停泊している(9月22日 呉市) |
2022年12月に、岸田文雄政権が安保関連3文書を改定した。このなかで、23年度から5年間で軍事費を43兆円に増額する方針をうちだした。5年後に、軍事費がGDP比で2%になるように、1年ごとに軍事費を増やしていくというのだ。現在、この方針のもとに自衛隊の「南西シフト」がいっそう促進され、西日本とりわけ九州と沖縄の自衛隊基地がますます強化されている。
広島県呉市では、海上自衛隊呉基地の強化がすすんでいる。最初に、この問題について西岡由紀夫さん(日鉄呉跡地問題を考える会・共同代表)が報告した。防衛省は2025年に陸海空3自衛隊共同の「海上輸送群」司令部を呉基地に置く方針にしている。ここから南西諸島への兵站輸送をおこなう。今年3月に、防衛省は日本製鉄瀬戸内呉地区の跡地(130ヘクタール)を一括購入する意向を示した。新聞でも報道されたように、これは「海上輸送群」構想の一貫だ。日鉄跡地は港湾の一等地にあり、自衛隊にとってもひじょうに使い勝手がよい。もしこれが実現すれば、呉の海上自衛隊基地の面積は現在の2・6倍に拡大されてしまう。西岡さんは「呉港の軍事拠点化反対。呉をふたたび軍都≠ノするな」と訴えた。
主権者は人民
沖縄から、具志堅隆松さん(ノーモア沖縄戦・命どぅ宝の会/共同代表)が「今、沖縄から声を上げたいこと」と題して、この間の自衛隊駐屯地反対のたたかいを総括した。具志堅さんは「うるま市の石川訓練場は住民の反対で新設を阻止した。いっぽう、勝連駐屯地(うるま市)ではミサイル発射車両の搬入を阻止できなかった。この違いはどこにあるのか」と投げかけた。具志堅さんは「石川訓練場反対では、広範な住民が反対にたちあがった。勝連では、従来の反対派だけの運動にとどまった。この違いがおおきいのではないか」と提起した。
また、具志堅さんは次のように述べた。「沖縄においても、自衛隊は地域社会に貢献しているとか、自衛隊には良い側面もある、こういうような意見もある。今や、この考えはきっぱりすてるべきだ。すでに、自衛隊は専守防衛ではなくなり、旧日本軍と同じように侵略軍隊になっている。われわれは、自衛隊にたいする認識をあらためる必要がある」「憲法は主権在民を規定しており、主権者は人民なのだ。時の政府が決めた間違った方針にたいして、人民はこれに従う必要はない」。
佐賀オスプレイ
次いで、九州の佐賀県から豊島耕一さん(オスプレイストップ! 9条実施アクション佐賀/代表)が「佐賀空港への自衛隊オスプレイ基地建設と阻止闘争」について報告した。2023年2月に、佐賀市長が受け入れを表明し、同年6月から工事がはじまっている。これにたいして、住民は直接行動で闘っている。豊島さんは「日本が外国から攻められたらどうするのか、このことはよく言われる。しかし、日本が外国に攻めることはないのか。この両者は確率的に同じなのだ」と語った。
敷戸ミサイル弾薬庫増設
大分県で敷戸ミサイル弾薬庫増設に反対する運動が闘われている。池田年宏さん(大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会/運営委員)が「大型ミサイル弾薬庫建設とそれに反対する運動」について報告した。池田さんは次のように述べた。
「敷戸弾薬庫は住宅密集地に隣接している。これは国際人道法の軍民分離の原則に違反する。また、ほんとうに保安距離は守られているのか。自衛隊は具体的な情報を開示していないので、判断の仕様がない」。
長距離ミサイルを配備・湯布院
大分県の陸上自衛隊湯布院駐屯地では、長距離ミサイルが配備されようとしている。鯨津憲治さん(湯布院駐屯地「敵基地攻撃ミサイル」問題を考えるネットワーク/代表)が湯布院基地の実体を暴露した。日出生台演習場との関連で、湯布院駐屯地が重要な位置を占めている。今年3月に、湯布院駐屯地に「第2特科団」がつくられた。
ここが九州、沖縄の地対艦ミサイル部隊をたばね、その司令塔になっている。鯨津さんは「ミサイル配備を阻止しなければ、わたしたちは沖縄の住民を殺すことに加担してしまう。ふたたび戦争の加担者にはならない」と述べた。
全国的なネットワークを
また、木元茂雄さん(すべての基地にNOを! ファイト神奈川)が、沖縄県南西諸島の島々をはじめ、鹿児島県馬毛島、大分県敷戸、宮崎県新田原、広島県呉、神奈川県横須賀など、基地反対闘争の様子をみずから取材した映像で紹介した。
全国的に基地反対闘争が巻きおこっているなかで、個別に闘うのではなく、闘いのネットワークが必要だ。防衛省は広範な住民の反対運動を想定していない。勝利するカギは、防衛省に「想定外」を突きつけることだ。全国の住民団体がひとつになって行動し、日本政府・自衛隊にたいして闘っていこう。22日の呉現地フィールドワークの報告は次号に。
祝園ミサイル弾薬庫問題を考える学習会
講師:信田宣司さん(祝園ネットワーク)
とき:10月5日(土)午後6時15分
ところ:国労大阪会館ホール(大阪市北区/JR「天満」駅東3分)
資料代:500円
主催:10・5学習会実行委員会
地震も事故も待ったなし
高浜原発全国集会に360人
老朽原発動かすなー!(高浜町文化会館) |
町内デモで地元住民と交流(9月23日) |
9・23老朽原発うごかすな! 高浜全国集会〜地震も事故も待ったなし〜は福井県や京阪神、名古屋などから360人が結集し、老朽原発をとめ、わたしたちの運動の力で廃炉を勝ち取る思いを強くした。
福井県高浜町文化会館での本集会に先立って、高浜原発ゲート前で、関電にたいする申し入れと抗議闘争が取り組まれた。
高浜町文化会館の本集会では、珠洲市住民で志賀原発を廃炉に! 訴訟・原告団長の北野進さんと、原発は地震に耐えられないとして原発を止めた元裁判官・樋口英明さんの講演を中心に、青森、女川、柏崎刈羽、島根からのビデオメッセージ、地元近隣住民などの発言がおこなわれた。集会後、地元住民の強い関心・支持を受けて町内デモがおこなわれた。
次は、12・8とめよう! 原発依存社会への暴走 関電包囲大集会だ。全力で結集を誓った。(詳報次号)
2面
3面
杉原浩司さん講演集会
9月22日大阪
武器輸出は死の商人国家の道
80分を超える講演をおこなう杉原浩司さん |
9月22日、大阪市内で「武器輸出は死の商人国家の道 〜杉原浩司さん講演集会〜」が開かれ、135人が参加した。主催は、同講演集会実行委員会。
冒頭、実行委員会を代表して岩田吾郎さんがあいさつ。@今まで学者・評論家を招へいして講演・学習をおこなってきたが、今回は具体的に運動をしている活動家の実践・意見を聞きたいと企画した、A香港、台湾、韓国・朝鮮の報告と中国人青年のメッセージ、韓青同からのメッセージを読んでほしい。沖縄・台湾・中国・韓国といった視野を考えていかなければ。ただ岸田の戦争準備反対だけでは済まない。沖縄人民、台湾・朝鮮・中国人民との国際連帯が必要だ、Bこの間、反戦平和運動がすすんでいるが、もう少し具体的な反軍闘争、自衛隊の中からの叛乱連帯が必要ではないか、とよびかけた。
次に、香港・台湾・韓国を訪問中の人民新聞社・朴偕泰さんからのビデオメッセージが上映された。香港では2014年と2020年の2つの民主化運動のムーブメントがあったが、拠点となった2大学(香港理工大学と香港中文大学)を訪問。ひきつづき、闘ってる人はいる。台湾では国政政党として民進党、国民党、民衆党があるが、地方議員をもっている台湾労働党という社会主義政党を訪問した。植民地支配勉強ツアーに参加したが、この人たちと話していると、台湾の雰囲気としては植民地支配への否定的な受け止めが少なかった。韓国では、たくさんの友達をつくれた。国際連帯の重要性を感じ、できてないことに危機感を持つ、などと簡潔に述べた。
杉原浩司さん講演
12団体134人の賛同のもと、135人が参加した(9月22日 大阪市内) |
ついで「武器輸出は『死の商人国家』の道」と題して、武器取引反対ネットワーク代表の杉原浩司さんが講演した。
2015年12月に武器取引反対ネットワーク(NAJAT)を立ち上げて8年になる。この2年、岸田大軍拡は、安倍・菅ができなかったことをやった。2025年軍事予算は8兆5千億円。2014年に安倍が武器輸出三原則を撤廃してから、それまで自衛隊基地内でひらかれていた武器見本市が、公然と見本市会場(幕張メッセなど)でおこなわれるようになり、海外大手軍需企業が参加し、日本の企業参加が促進された。
これらの武器見本市会場に対して抗議する市民のダイインや防衛省・企業への申し入れ、官邸前抗議行動の模様が紹介された。
(1)「一番9条らしい政策」(青井未帆『世界』6月号での発言)であった「武器輸出三原則」を2011年に野田民主党政権が「武器の国際共同開発」を例外にし、2014年安倍政権が武器輸出三原則を撤廃し、「防衛装備移転三原則」を閣議決定した。これは全くのまやかしである。
(2)安倍すらできなかった殺傷武器の輸出解禁を岸田政権が強行した。23年6月、立憲民主党も賛成して軍需産業強化法が成立し、武器輸出や設備増強に税金が投入されることになった。間接的に戦争犯罪加担になる。
また、次期戦闘機の第三国への輸出をいきなりOKすることの問題性を指摘。英国のサウジへの戦闘機ユーロファイター輸出によるイエメン内戦への軍事介入の例などを挙げた。公明党が言う「次期戦闘機に限定」しての「歯止め」はまったくのでたらめであることを指摘した。
その先にある国内外の軍需企業の増長と膨張を鋭く批判した。「地対艦ミサイル=12式地対艦誘導弾能力向上型は防衛的なので輸出していくべき」などと防衛関係者が公言しているのだ。また2024年度末に統合作戦司令部を創設する改悪防衛省法設置法が立憲も賛成して成立し(5月10日)、攻撃的軍事同盟AUKUSへ組みこもうと動いていることを指摘した。
「最後の命綱」としての市民運動の課題を列記した。パレスチナ解放のために虐殺・占領をやめさせ、パレスチナ国家承認をさせること。イスラエル虐殺ドローンの輸入や投資に対して制裁をやるべきこと。BDS(ボイコット、投資引き揚げ、制裁)運動を。国際刑事裁判所を強化することが必要だ。
殺傷武器輸出などへの反対。経済秘密保護法、統合作戦司令部設置法、次期戦闘機共同開発・生産・輸出の調整機関設置条約に賛成した立憲野党に対して市民運動が正面から批判するべきこと。とくに三菱重工や三菱電機、川崎重工などへのBDS運動を市民のできる運動としてあげた。戦争加担・武器輸出企業への直接的アピール、プレッシャーを、平和運動の再構築を、とまとめた。
活発な質疑応答
質疑応答では、
◇武器開発製造を根本でストップさせる方法は?
◇三菱重工の比重の大きさをメディアが報じていないのはなぜか?
◇自衛隊駐屯地公開、自衛艦公開イベントでは何を見ればいいか?
◇住友商事ボイコットは何を対象にすればよいか?
◇マイナンバーで防衛省はどこまで把握しているか?
◇軍事予算の拡大は「失われた30年」と関係しているのか?
◇民生技術を軍事に取り込ませないための罰する法的根拠は?
◇年金積立金の軍需産業への投資の実態は?
◇「立憲」が武器輸出に反対しない理由は?
◇メディアミックスのプロパガンダをいかに打破していくのか?
◇軍産学複合体を止めるには?、などがあった。
講演と質疑の後、沖縄アピールと学生団体の発言をうけて実行委員会から西明良さんが集会のまとめをおこなった。
4面
三里塚10・13全国総決起集会への案内
狭山第三次再審請求
9〜10月の闘いが重要
全く変わった狭山市駅(当時は入間川駅)西口で街宣)(9月23日午前) |
9・23現地調査
狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西実行委の呼びかけで、関西各地の「市民の会」が9月23日、狭山現地調査をおこなった。
午前10時からは地元埼玉の市民団体と各地の市民の会が一緒になり、石川早智子さんを先頭に40人ほどで狭山市駅西口2階デッキで街宣。地元の人と会話する早智子さんの姿が印象的だった。
ついで11時半からは部落解放同盟中央狭山闘争本部の安田聡さんの案内で現地調査。通例は「自白コース」だけをたどるのだが、この日は1963年5月1日に石川一雄さんがたどった「真実コース」から始まった。旧入間川小学校跡地の公園や、夕方雨が降り出し石川さんが雨宿りした荷小屋の跡(現在の交番の裏)を歩く。
その後「自白コース」で、荒神様や「出会い地点」とされるX字型十字路(この辺りは当時の面影が残る)から、「殺害現場」「かばん発見現場」などを経て、今はすっかり宅地になってしまった死体発見現場などへ。
そのあと石川さん宅近くの現地闘争本部へ。そこで復元されている「鴨居」を見て、石川一雄さんから話しを伺った。
最後は近くの会議室で交流会。各種「物証」が発見された「殺害現場」と石川さん宅があまりにも近いのに改めて驚いた。自宅近くの屋外で、夕刻前に殺人をおこなう人物がいるだろうか。改めて石川一雄さんの無実を確信した現地調査だった。
詳細な報告は次号に別途投稿していただきます。(M)
死体発見現場で安田さんから説明を受ける(9月23日) |
1963年の面影が残る「出会い地点」とされるX字型交差点。先方左が「山学校」(9月23日) |
br>
尼崎市民の会1年の奮闘
昨年8月23日に初めて街頭宣伝活動を開始した〈狭山事件の再審を求める尼崎市民の会〉は、毎月街頭宣伝や映画会・学習会などを欠かさずおこなってきた。9月は23日の狭山現地調査を前に、また多くの仲間が既に始まっている衆議院選の活動に参加しているなか、21日に阪急塚口駅で街頭宣伝活動をおこなった。(写真下)
10月は21日に狭山現地調査報告会をおこない、31日には〈狭山事件を知ってもらう会@茨木・高槻〉とともに大阪駅前で街宣をする。さらには奈良の水平社博物館での狭山展示に、各地の市民の会とともに、写真展示をおこなう。
5面
本の紹介
『レッド 先人たちの闘いの成功と失敗に学び、現在に生かそう』
継承性とりもどし「革命の子」育てる
私の労働運動へのかかわりといえば、国鉄分割・民営化反対闘争の際の国労分会オルグ・情宣、清算事業団1047名闘争をめぐる国労大会、臨時大会への何回かの支援行動、交通会館(国労本部)への行動・座り込みと本部内への行動。臨大闘争弾圧裁判支援闘争。また、自治労大会や全逓大会への情宣行動、日教組・教研集会情宣、さらには全都高校の「日の丸・君が代」反対闘争めぐる卒業式行動(情宣)などで官公労が主である。
最近は、連合下で労働運動が停滞し、新自由主義−規制緩和・民営化以降、労働運動はかなり押し込まれている。
とくに現在では、資本の攻撃(派遣法改悪以降、解雇規制緩和策動)によって非正規雇用労働者の比率が上昇し、労働者の分断がおこなわれている。
労働運動史については若干学習したことがあるが、参考としたのは主に斎藤一郎の『戦後労働運動史』などで、それを大きく超える数々の貴重な闘いが報告されている。日本楽器闘争をはじめ闘争の具体的教訓や失敗が実践的立場から展開されている。また、工場代表者会議は工場委員会に発展する可能性ももっていたのではないか。
考えれば、戦前も戦後も共産党の労働運動へのかかわりは破産と敗北の歴史を塗り重ねてきた。多くの場合、労働者人民がその破産を乗り越えて闘ってきた。セクト主義・党派的利害を超えた大衆闘争・労働運動の利害、階級的視点にのっとるということ。
資本による労働の実質的包摂の行き着く先
現在の労働運動の課題について、本書は「継承性の欠落」を指摘している。印象的な言葉としては労働運動を闘う中で「革命の子」を育てようという点。また、「その存在そのものが資本主義成立の大前提であり、直接的な搾取の対象である労働者の闘いこそが、すべての抑圧された人民大衆を解放する闘いの核をなすものであることは、いわば歴史の公理である」という提起。この肝を押さえたうえで、階級的大決戦に不意打ちをつかれぬように、今日的課題・職場闘争を原則的に闘うことではないか。
戦前・戦後革命期からスト権スト〜国鉄分割・民営化反対闘争までと比べて今日の労働運動の様相が変わっている。搾取と収奪がからみあって不利益を押し付けている点。非正規雇用労働者が40パーセント前後に達して労働者間の分断を強めている点。また、非正規雇用労働者や若者が低賃金・不安定にもかかわらず「不幸」と感じさせないような社会様相。こうした抑圧・不正義に対する怒りをなかなか爆発させないような今日の社会・資本主義のありかたについて、党やナショナルセンターの労働研究部門が解明して方向性を見出していかなくてはならない。
マルクスは『資本論』で「包摂」概念を提示している。資本主義的生産様式では、まず労働が資本のもとへ「形式的に包摂」される。資本は相対的剰余価値の生産のために「形式的包摂」から「実質的包摂」に進む。労働者は資本の指揮のもとに生産過程で労働強化を強いられ、資本は相対的剰余価値を得る。20世紀以降、フォーディズムから新自由主義へと進む過程で「実質的包摂」は工場の中だけのことから工場を出てからも生活の全般を資本の思うように実質的に強制される。日本だけの特徴かもしれないが、長時間労働で追い詰められ、過労死したり、自死したいくつもの事例で、当該労働者は資本でなく、自分の力不足や未熟さをわびて遺言するという事例があったと報告されている。資本による労働の包摂はここまで行き着くのか。
関西生コン弾圧のように、団結権が資本・権力によってないがしろにされようとしている。この書を学習して次の闘いに役立てたい。(川上五郎)
検証
復活する自衛隊の靖国史観
2014年7月、安倍政権は集団的自衛権の行使を認めた。これで「専守防衛」のたてまえは消滅してしまった。2022年12月、岸田政権は安全保障政策を大転換し、敵基地攻撃論をうちだした。軍事費を大幅に増額し、新規の武器購入額は2023年度から5年間で43・5兆円(契約額)を計画している。2019年度から5年間の購入額は17・2兆円(契約額)だったから、なんとこの5年間で2・5倍(26・3兆円)も増額するというのだ。首相が決断すれば、何でも許されるのか。こんなことを言いなりにさせておくことはできない。
自衛隊幹部による靖国神社参拝
戦争する体制の強化とともに、自衛隊は靖国史観を復活させている。今年1月9日、陸上自衛隊幹部らが組織的に靖国神社に参拝した。小林弘樹陸上幕僚副長(当時)ら22人が組織的に参拝したのだ。この時、幹部3人は公用車を用いて参拝しており、この件で処分されている。10日には、沖縄の陸自宮古島駐屯地でも警備隊長ら約20人が地元の宮古神社に参拝した。また、昨年5月には、海上自衛隊の初級幹部ら165人が、航海に先だって制服姿で靖国神社を参拝している。
いっぽう、元海上自衛隊海将の大塚海夫が4月1日に靖国神社の宮司に就任した。大塚は自衛艦隊司令部幕僚長などを歴任している。戦後始めて、元自衛官将官が宮司に就任した。
このように、自衛隊と靖国神社の関係が密接になっている。これは自衛隊員が戦闘で死亡することを想定しているからだ。防衛省のなかで、具体的に戦争準備がおこなわれている。
「大東亜戦争」史観の復活
4月5日、陸上自衛隊の第32普通科連隊(さいたま市)が、Xの公式アカウントに「大東亜戦争最大の激戦地硫黄島」と書いて、社会問題になった(メディアの批判をうけて、8日に削除した)。硫黄島での戦没者を追悼する式典(3月30日)に出席したあと、この投稿がおこなわれた。
「大東亜戦争」の呼称は、日本の戦争は侵略戦争であったことを否定するために使われてきた。「西欧の植民地支配からアジアを解放するための戦争」であった、このような思想がこの言葉に内包されている。われわれは、「アジア・太平洋戦争」と表現し、この言葉を一般的に使用しない。
自衛隊の精神性
警察予備隊発足(1950年)にあたって、旧軍佐官クラスの将校が採用された。彼らは自衛隊に旧軍の思想を持ち込もうとした。自衛隊発足後においても、陸上自衛隊幹部学校長に着任したとき、井本熊男(元陸軍大佐)は次のように述べている。
「(1960年11月に)自衛隊の高級指揮官たちが皇居拝観を許され、天皇陛下に拝謁して有難いお言葉を賜ったことは、独りその人たちの光栄であるばかりではなく、わが国自衛隊と国民尊敬の中心である天皇陛下との関係が正常に保たれようとする端緒が作られたものとして、きわめて重要な意義を有するものであると信ずるのである」。
ここで、旧軍人がその精神性を復活させようとしているだけではない。自衛隊が戦う軍隊になるためには、天皇思想が必要なのだ。自衛隊は「国民の自衛隊」として承認されるために、「天皇崇拝」は隠されてきた。今日、ふたたびこれが胎動しはじめている。
あらたな反戦闘争のために
このように、日本の支配層は戦争する準備をおこなっている。われわれはこの策動を許さない。人民の反戦行動によって、これをぶち破るのだ。現在、基地反対闘争が重要になっている。人民は人生をかけた闘いが求められている。(寺田理)
6面
関生弾圧京都事件「最終弁論」
判決は25年2月26日
9月12日
9・12公判で本紙関係者は抽選漏れのため、「連帯広報委員会」の報告を許可を得て全文転載します。副見出しは本紙編集委。
京都3事件公判「最終弁論」京都地裁前集会
連帯ユニオン関生支部への権力弾圧をめぐる公判が9月12日、京都地裁で開かれました。本日の公判は「最終弁論」です。公判前の京都地裁前では抗議集会が開かれ、70人を超える仲間や支援者が結集しました。
「当たり前の労組活動であることをしっかり主張しよう」
関生支部・平田執行委員が「京都3事件の刑事公判は本日の最終弁論で結審だ。裁判所に、当たり前の労働組合活動であることをしっかり主張しよう」と開会宣言。
続いて、平田執行委員は、関生支部の産業別労働運動の正当性と当たり前の労働組合活動に対して事件をでっち上げて弾圧した「関生支部弾圧」の経過を述べ、警察と検察による人権侵害を厳しく非難。そして、労働争議の解決金を京都事件では「恐喝」や「恐喝未遂」、「強要未遂」とした3つの事件のデタラメさを詳しく解説しました。
そして、平田執行委員は「警察・検察は憲法で保障された基本的人権を侵害するな! 労働者の権利が奪われる危機だ!私たちと一緒に声をあげて欲しい!」と訴えました。
「弾圧を粉砕するまで全力で闘う」
関生支部・七牟禮副委員長が、挨拶に立ち、日頃の関生支部弾圧に対して物心両面にわたる支援に感謝を述べました。そして「本日の最終弁論で、湯川委員長への求刑10年をはね返す! 弾圧を粉砕するまで全力で闘う」と決意を表明しました。
「最終弁論で湯川委員長への求刑10年を粉砕する」
抗議集会と傍聴支援に駆けつけた仲間からのアピールでは、反弾圧実行委員会・京滋の服部代表が「反弾圧実行委員会・京滋は、無罪判決を求める署名活動と公正な判決を訴える行動を毎週金曜日におこなう!最終弁論で無罪を勝ち取ろう!」。
関生を支援する東海の会の小林さんは「湯川委員長への求刑10年をはね返そう! 関生、港合同、動労千葉の闘いを学ぶ、10・12集会を名古屋で開催する!」。
勝手連・しがの稲村さんは、「6年前、関生の委員長らの逮捕に驚いたが、地域の闘いを続けてきた。労使紛争の解決金が恐喝と言うのであれば、裁判所での和解の解決金も恐喝であり、仲介した裁判所も犯罪に問われるのではないか!本日は最後の裁判闘争だ。湯川委員長の求刑10年を粉砕し、無罪判決を勝ち取ろう」
大阪全労協の南代表は「裁判所や検察に対して、フラストレーションが溜まっている。京都3事件は労働運動の根幹に関わるものだ。論告求刑で検察は、強い労働組合は認めないと言った。労働組合は弱いままでいいということか。本日の弁護団による最終弁論が楽しみだ。無罪判決を勝ち取るために共に闘う」。
港合同昌一金属支部・木下委員長は、「昌一金属闘争の労組潰しの門前行動をおいて、京都地裁に駆けつけた。昌一金属闘争では、全港湾大阪支部、関生支部と現場行動を展開しており、先日も3回目となる東京行動を闘ってきた。昌一金属闘争は現場の行動で決着をつける!関生支部と団結して共に闘う!」などが関生弾圧粉砕の行動を提起しました。
「韓国・民主労総公共運送労働組合の仲間が駆けつけた」
韓国・民主労総公共運送労働組合のヤンギュソさんは「2014年の動労千葉の交流会で、関生支部・西山執行委員と知り合いになり、日本における沖縄の闘い、反戦闘争、反原発闘争の運動とつながることとなった。昨日は、昌一金属闘争と関生闘争の現場行動に参加した。韓国で上映された『ここから』を観て関生弾圧のことがよくわかった。関生弾圧を粉砕するために日韓連帯で闘う! そして、日韓の闘いが世界に広がるように、団結を深めよう!」と日韓連帯で闘う決意を表明しました。
「70人超のシュプレヒコール」
最後に、平田執行委員がリードする「裁判所は公正な判断を行え!」「労働組合活動を犯罪にするな!」「無罪判決を勝ち取るぞ!」などのシュプレヒコールを参加者全員が唱和して抗議集会はお開きとなりました。
「湯川委員長の実刑判決を阻止する闘いに挑む」
関生支部は、京都事件の真の姿と論告求刑の不当性を全国に広めることに全力をあげます。そして、湯川委員長の実刑判決を阻止する闘いに挑みます。支援者のみなさんには、引き続きのご支援をお願いします。
「判決は、来年2月26日」
京都3事件の判決言い渡しは、2025年2月26日(水)午前10時に決定しました。全国の労働組合をはじめ多くの仲間の結集を呼びかけます!
関生京都事件シンポジウム
とき:10月19日(土)午後2時
ところ:国鉄労働会館・地下ホール(東京)港区新橋5―15―5
主催:全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
関生京都事件シンポジウム
報告:片田真志(弁護士)
パネリスト:金平茂紀(ジャーナリスト)
山田省三(中央大名誉教授)
海渡雄一(弁護士)
コーディネーター:竹信三恵子(ジャーナリスト)
とき:11月12日(火)午後6時半〜8時45分
ところ:キャンパスプラザ京都
主催:関西生コンを支援する会
IR・カジノ格安賃料
賠償求め438人が住民監査請求
9月20日IR(カジノを含む統合型リゾート)の建設予定地を、格安な賃料で土地の賃借契約を結び大阪市(市民)に損害を与えたとして、市民438人が松井一郎前市長らに約1045億円の損害賠償を求める住民監査請求をおこなった。
IR・カジノは30年秋頃に開業予定。市は昨年9月IR事業者(オリックスや日本MGMリゾーツなどが出資)と夢洲の市有地49haを58年4月まで月額約2億1千万円(1u当たり428円)で貸し出す賃貸契約を結んだ。
不動産鑑定業者が19年にこの土地の賃料を算定する際、市は「IR事業は考慮しない」条件で評価するよう指示した。市民たちは、別の鑑定業者に、IR事業を考慮した賃料の算定を独自で依頼し、算定結果は月額約4億7千万円となった。
IR用地の鑑定では、市から依頼を受けた4社のうち3社が大型ショッピングモール用地として算定し、更地価格12万円/u、利回り4・3%、月額賃料428円/uでぴったり一致。請求書では、大阪港湾局が隠していたメールの発覚により、大阪市とカジノ業者が談合して違法な格安料金を導き出したと指摘している。大阪府と市が「存在しない」としていた鑑定業者とのメール205通が存在していたことが判明し、職員らが処分されている。
大阪市(市民)が毎月2億6000万の損害、累計で1045億円超の損害を受けたとして松井前市長、横山現市長、大阪港湾局長、カジノ業者、不動産鑑定業者・不動産鑑定士に賠償を求めている。請求人代表・藤永延代さんは「場所を夢洲に決めたことやカジノのために万博を画策した責任者は松井前市長。責任を取るべきだ」と強調。藤永さんらは追加提出期間内で引き続き、広く大阪市民の請求人参加を呼びかけている。
不動産鑑定士10人の懲戒処分を請求>
「夢洲IR差し止め訴訟」と「格安賃料でのIR用地・借地権設定契約の差止住民訴訟」(23年4月提訴)は併合して闘われている。原告団は、5月27日には不動産鑑定を担当した鑑定士10人の懲戒処分を大阪府不動産鑑定士協会に請求した。市の誘導で不当に安い額を算定したとして「市民の利益が著しく害される深刻な事態」だと訴えている。この10人とは別に8人の処分を5都県の協会に対し6月中に求める予定。
IR工費・賃料無償は違法
市民7人が提訴 不動産鑑定士10人の懲戒処分を請求>
9月9日、IR・カジノ予定地の夢洲の土壌対策工事を、施工中に事業者に無償で土地を貸して工費も負担するのは違法として、横山市長に支出差し止めなどを求める住民訴訟を市民7人が大阪地裁におこした。松井一郎前市長は「IR・カジノには公金は一切使わない」と言っておきながら、22年に市議会は液状化対策などの費用として788億円を支払うと決めた。IR事業者が随意契約で施工業者を決め、月額約2億1千万円の土地使用料は無償にして、昨年工事が始まった。
原告側は、実質的に市の発注なのに一般競争入札を経ずに工事業者を決め、適正なチェックが及んでいないと主張。経費支出の差し止めや事業者に賃料を払わせることなどを求めている。
大阪IR株式会社は、万博中も建設を進める環境整備に目途が立ったなどとして、違約金なしで事業から撤退できる「解除権」を前倒しで9月6日で失効させた。カジノを許すわけにはいかない。維新による不正だらけの万博・カジノ誘致を徹底追及し、止めよう。
7面
万博中止、カジノはいらん!
大阪市役所を400人が包囲
9月12日
大阪市役所一周パレード(9月12日) |
400人が大阪市役所を包囲(9月12日) |
9月12日、大阪市議会開会日に、危険な夢洲! 万博中止、カジノはいらん! 被災地支援を! 大阪市役所「包囲行動」! がおこなわれた。炎天下のなか約400人が集まり、カラフルなバナーや横断幕、のぼり旗で市役所の周りを埋め尽くして街宣行動、市役所一周パレード、大阪市役所「包囲行動」アクションをおこなった。呼びかけは、大阪市・市民連合、どないする大阪の未来ネット、夢洲カジノを止める大阪府民の会。
街宣行動・パレード
各団体がマイクで訴えながら40分間ビラを撒いた。昼休みに出てきた市職員や通行人のビラの受取りはよく、「(夢洲は)地震が来たら終わり。あそこは万博をやるような場所ではない。横山は市長をやめろだ」と賛同していく自転車の男性もいた。その後、大阪市対策連絡会議と合流して市役所一周パレードをおこなった。
市役所「包囲行動」
パレードの後、参加者全員で市役所を取り囲み、包囲行動。各団体、個人がアピール。
〈大阪市・市民連合〉は「吉村市長は、『万博に子ども招待』を自分の金でやるんですか? 世論は圧倒的に私たちの味方。世論調査で7割の人は万博に『関心がない』。維新の会の支持層でも万博は『不要だ』が65・7%だ」。
〈どないする大阪の未来ネット〉は「万博への税金投入は1250億円から2350億円に2倍に膨れあがり、まだ増え続けている。『万博中止の署名』14万筆は無視された。大阪IR株式会社は、違約金なしで事業から撤退できる『解除権』を9月6日に前倒しで失効させた。(これで)いよいよカジノができることになる。これからが闘いです。夢洲にあるコンテナターミナルは物流の拠点で、近畿地方の輸出入コンテナ貨物の5割、大阪府では8割を扱う。万博・カジノ工事の輸送車両の影響で、これらの物流が止まる。([注]夢洲には橋とトンネルの2ルートしかない)。大阪の経済は発展するのではなく大打撃を受けるのです」。
〈民医連〉は「最近救急車で運ばれて亡くなった人5人の内4人は保険証がなかった。保険証がないために医者にかかれず、貧困なのに生活保護にも繋がれなかった。こういう現実を変えるために税金を使って下さい」。
〈夢洲カジノを止める大阪府民の会〉は「吉村知事は、夢洲の護岸工事はしっかりやっていると言いました。私は此花区に住んでいますが護岸工事はできていません。こっちの防災対策をしっかりやって下さいよ」。南海トラフ地震で此花区は5・08m浸水すると予測されている。
〈カジノはいらん!住吉の会〉は、「10月は、毎週金曜日に万博・カジノ反対のパレードをやります」と行動を訴えた。
最後に市役所に向かって「万博中止 カジノはいらん」「万博より被災地支援」「メタンガス爆発 夢洲危険」「万博よりいのち」と一斉にコールした。「いのちを守れ!9・29御堂筋パレード」や「10・14あかんやろ!カジノ女性パレード」が呼びかけられた。
万博・カジノに湯水のように税金を使うのではなく、市民の命や生活、能登被災地支援のために使うべきだ。 万博・カジノに反対する世論はますます高まっている。今秋デモや街宣に打ってでて、維新を倒そう。(花本香)
摂津市で維新が惨敗
9月22日市長選、府議補選
人口8万7000任の摂津市。今年に入り、大阪府下の人口10万人規模の衛星都市(箕面市、河内長野市など)で、首長選・府議選で維新の連敗が続いている。(写真は摂津市役所) |
9月22日におこなわれた大阪府摂津市長選は、無所属新人で前市議の嶋野浩一朗氏が13760票獲得し、前維新府議・中川嘉彦氏7964票獲得をダブルスコアで引き離して圧勝した。
投票率は36・66%(前回33・42%)。中川氏は、府議を辞職、大阪維新の会も離党したうえで無所属で立候補した。乳幼児へのおむつの無償配布や市長報酬20%カットなどで「市政刷新」を主張したが、それが「市民の身を削る改革」であることはバレている。
嶋野氏は、市議として6回当選。任期途中だった今年、退任する森山一正市長から後継指名を受け立候補。森山市政を継承しつつ、近隣自治体との広域行政のさらなる推進や高齢者福祉の充実などを掲げた。
同日おこなわれた府議摂津市選挙区補選でも、元市議会議長で無所属新顔の森西正氏が10634票獲得し、前市議で大阪維新の会公認の新顔・三好俊範氏10493票獲得を141票の僅差で破って当選した。
維新は連敗を重ね落日だ。民意を無視しての万博・カジノ、斎藤知事のパワハラ問題が大きな要因だ。医療・福祉・教育・生活を犠牲にして大資本優先・自分優先の維新への怒りは充満している。
維新 斎藤元彦兵庫県知事
全会一致で不信任
9月19日
不信任決議を受けて、緊張して記者会見をおこなう斎藤知事(9月19日) |
9月19日兵庫県議会(5会派、無所属86人)は、パワハラ・たかり・公益通報破壊の斎藤元彦県知事に対し、全会一致で不信任決議案を可決した。これにより斎藤知事は10日以内に辞任か議会解散かの選択に追い込まれた。
3月21日の「ウソ八百、公務員失格」の記者会見から半年、100件以上のタカリが事実上判明し、県職員・幹部に対するパワハラ、何よりも西播磨県民局長へのヤクザまがいの脅し=公益通報制度破壊に、斎藤を知事に押し上げた維新・自民を含む全議員が不信認を表明した。もはや100%復活の目途のない窮地に追い込まれたのだ。
しかしながら大阪維新の吉村・松井に見いだされ、維新以上の悪行を重ねてきた斎藤は辞任ですむものではない。片山副知事らと共謀したプロ野球優勝パレード資金のキックバックは犯罪として裁かれねばならない。9月3連休にはNHKなど関西マスコミに出ずっぱりで、辞任後の県知事選再出馬を画策している。
また9月8日の百条委・斎藤証言まで斎藤擁護を続けてきた維新の兵庫県議会幹部団(門団長=宝塚、岸口幹事長=明石、増山県議=西宮、徳安県議=尼崎)らは、隙あらば再度斎藤擁護に回ろうとしており、解散・県議選となれば彼らを真っ先に落選させなくてはならない。
斎藤問題を終始追及してきた丸尾まき県議らと連携してきた県下の野党・市民運動は、21年知事選・23年県議選(4議席から21議席に)以降維新に大きく浸食され、県庁職員全体へのパワハラ・県政私物化を許してしまった、この奪われた陣地を奪還しなくてはならない。斎藤と維新を追放し、県政・県議会を取り戻そう。
8面