優生保護法裁判 全面勝利
最高裁大法廷 「憲法違反」・賠償責任認める
全面解決へ第一歩(7月3日 最高裁) |
7月3日、1000人を超える傍聴希望者が最高裁に集まった。午後1時15分、灼熱の中、最高裁判所の正門に向け、原告と弁護団、支援者が入廷行動を開始した。そして傍聴抽選へ。
午後3時、最高裁の裁判官全員が参加する大法廷の場で、戸倉三郎最高裁長官が、原告の勝利判決を宣告した。傍聴席から拍手が起こり、廷吏によって制止されながらも、感動の表現は続いた。
判決では、優生保護法を、「個人の尊重と公共の福祉」を規定する日本国憲法第13条と「平等原則」を規定した憲法第14条1項違反と断じた。「判決理由骨子」によれば、次のように述べている。
「1、正当な理由に基づかずに不妊手術を受けることを強制することは、『自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由』を保障する憲法13条に反し許されないところ、優生保護法・・・の規定(本件規定)は、その立法目的が正当とはいえないことが明らかであり、個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反するものであるから、本件規定により不妊手術をおこなうことに正当な理由があるとは認められない。また、特定の障害を有する者等を本件規定による不妊手術の対象者と定めてそれ以外の者と区別することは、合理的な根拠に基づかない差別的取扱いに当たる。したがって、本件規定は、憲法13条及び14条1項に違反するものであった。
2、そして、本件規定の内容は、国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白であったというべきであるから、本件規定に係る国会議員の立法行為は、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受ける・・・」
さらに、最高裁自らが作った判例も変更した。これまでは、不法行為によって損害を受けても、20年間損害賠償請求をおこなわなかった場合は、自動的に請求権を失う、としていた。これを、20年の時を経過した後でも、裁判所は被害者側の主張を聞いて、判断しなければならない、とした。とりわけ、優生保護法被害について、「本件各事件の訴えが除斥期間の経過後に提起されたということの一事をもって国が損害賠償責任を免れることは、著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない」と述べている。この結果、優生保護法により被害を受けたすべての人が、損害賠償を請求できるようになった。
裁判官の個別の補足意見の中でも、重要な主張があった。
「優生保護法が衆・参両院ともに全会一致の決議によって成立したという事実は、違憲であることが明白な国家の行為であっても、異なる時代や環境の下では誰もが合憲と信じて疑わないことがあることを示唆している。このことを踏まえて司法が取るべき対応は、為政者が憲法の適用を誤ったとの確信を抱くに至った場合、その判断を歴史に刻印して立憲国家としての我が国のあり方を示すことである。」(草野耕一裁判官)
「本件事案の内容、国のこれまでの被害者対応、被害者の高齢化等の事情を考慮すると、できる限り速やかに被害者に対し適切な損害賠償が行われる仕組みが望まれる。そのために、国において必要な措置を講じ、全面的な解決が早期に実現することを期待する」(三浦守裁判官)。
この判決を受け、政府は、岸田首相の原告との面会の設定に動き出し、国会では、被害者への一時金支給法の見直しの動きが、一挙に進み始めている。
この勝利を作り出したものは何か
この日、裁判において、飯塚さんと佐藤さんは、初めての勝利を手にした。飯塚さんは、自らの被害を訴えて27年、裁判開始から6年が経っていた。
1996年、国は、優生保護法から優生政策的な条項を廃止して、母体保護法とする。しかし、被害者への謝罪や償いを考えてさえいなかった。翌1997年、国への謝罪を求めて、「障碍者」、女性、学者の方々が運動を開始する。〈優生手術に対する謝罪を求める会(以下、求める会)〉の方々だ。そこに飯塚さんは被害を訴えた。求める会が飯塚さんも参加のもと、厚労省交渉をおこなった際に、厚労省は「当時は合法」と開き直り続けた。当時の国会での院内集会は、規模も小さく、参加する議員も福島瑞穂さんだけ、という状況が続いた。
2013年8月、飯塚さんは、地元宮城県での法律相談の場で、新里弁護士と出会う。新里さんもその頃は、優生保護法に対する知識はなかった。相談の上、日弁連に人権救済の申し立てをおこなう。2017年に日弁連から出された意見書を報じる記事を読んだ佐藤さんが、妹さんの被害と同じことに気づき、新里弁護士に相談し、2018年1月から裁判が開始される。そして、飯塚さんもともに、裁判に訴えることとなった。この報道に接した被害者が、全国で訴訟を起こすこととなり、同年5月には、全国弁護団も発足。これまでに、39人の方々が提訴された。
しかし、地裁段階では損賠の訴えが退けられ続けた。優生保護法を違憲とした判決もあったが、除斥期間を盾に、棄却したのだ。勝利に転ずるのは、2022年2月の大阪高裁からだ。そして、地裁も含めた勝利判決が多く出され、今回の最高裁判決を迎えた。原告をはじめとした不屈の闘いが裁判所を変えていったのである。
地裁・高裁の敗訴を乗り越えて、勝利をつかんだ飯塚さんは、「まだ声を上げていない方も、声を上げてください」と呼びかけた。飯塚さんと同じく原告団の共同代表である北さんは、被害者2万5千人の方の保障のため、闘い続けることを表明した。求める会の利光惠子さんは、優生保護法の手続き外でも、子宮や睾丸の摘出、コバルト照射などがおこなわれてきたことを指摘し、これら全体の被害回復に向けた取り組みを提起した。日弁連は、7月16日に、全国被害相談を設定した。
わたしたちは、これらの行動に具体的に連帯していくとともに、命、生活、教育など、差別選別するこの社会の在り方を変革するために闘う。また、日本軍「慰安婦」など、戦後補償を求める方々、を、除斥期間を盾に切り捨てていった最高裁をはじめとした裁判所の在り方をも変えていかなければならない。沖縄の当然の訴えを退け続けているのも最高裁だ。不屈の闘いを進めよう。(関東「障害者」解放委員会 坂東誠)
都知事選 小池が勝利 自民は補選で2勝6敗
7月7日投開票の東京都知事選において、現職小池百合子が前回より74万票へらしたが291万票を獲得し蓮舫にダブルスコア以上で勝った。
当初「一騎打ち」と言われた蓮舫(立憲民主党前参議院議員)は、無党派層を全く取り込めず、立民・共産の基礎票にすら達しない惨敗となった。自民党裏金事件に対する人々の怒りは充満しており、同日都議補選で自民党は2勝6敗という惨敗にもかかわらず、この好機を勝利に結びつけられなかった立憲民主党と共産党幹部は「人々から必要とされていない」ことを自覚すべきである。
実際小池は、自民批判の声をかわすため「公務」と討論回避で争点を作らせず、街頭演説には自民党国会議員を一切登場させないハイブリッド戦法で逃げ切った。自らの強さを押し出し、弱点を顕在化させない現職の王道選挙であった。
これに対し蓮舫陣営は首長選びの選挙のため当然にも立憲を離党したのに、選挙応援は相変わらず立憲・共産の幹部クラス(野田・枝野・辻元、志位・小池晃・田村ら)が連日登場。わずかにこの政党主導を嫌う市民一人一人が政治を取り戻す「1人街宣」を数千人規模まで拡大させたが、彼らが「市民と野党の共闘」と言えば言うほど市民は消えてしまった。かくして日を追うごとに浮動票は減り、基礎票すら確保できない。旧態依然たる選挙戦術の中に旧態依然たる「政党主導・市民は票田」という思想が現れ、歴史的惨敗となった。立憲・共産の幹部議員が退陣するしか次の活路はない。
米兵による性暴力事件隠ぺいと
辺野古土砂運搬ダンプ事故を弾劾する
熱い日差しの中、辺野古小屋前で集会(7月6日) |
6月下旬、琉球で二つの重大事態が生起した。一つは米兵による性暴力事件の隠蔽が発覚したことであり、もう一つは辺野古新基地建設工事の土砂運搬ダンプによる2人の死傷事故である。
隠蔽されていた米兵による性暴力事件は2件。1件は昨年12月、他の1件は今年5月。更に3件が林官房長官から公表された。
昨年12月24日、在沖米空軍兵(25)が16歳未満の少女を誘拐して自宅に連れ込み、性的暴行を加える事件が発生した。少女の関係者が事件当日に110番して沖縄県警が逮捕した。その後、県警が米側の協力を得て任意に捜査し、今年3月11日に書類送検。地検が起訴した同27日、日米地位協定に基づき米軍が身柄を引き渡した。その後に被告は保釈金を支払って保釈されたが身柄は米軍に移され、米軍が基地外に出ないように管理しているという。
この事件について日本政府・検察・警察は一切公表せず、今年6月25日に地元民放の報道によって発覚した。
また今年5月25日、米海軍兵(21)が面識のない成人女性に性的暴行を加えようと背後から首を絞めるなどし、抵抗した女性の目や口にけがをさせるという事件が起きた。6月17日に那覇地検は起訴したが、この事件についても日本政府や県警は沖縄県に伝えず、メディアの取材報道で明らかになった。
そもそも性暴力そのものが怒りに耐えない代物であり、断じて許せない。しかしそれと同時に、この二つの事件がメディアの報道で明らかになったのが、それぞれ6月25日と6月28日だった。すなわち、6月16日の沖縄県議会議員選挙後に発覚したということであり、それまで日本政府と当局者は公表しなかったということだ。つまり、この米兵による性暴力事件が明らかになることによって住民の怒りが爆発し、県議選で玉城県政の与党に有利となることを恐れて、日本政府は隠蔽を図ったと言っても決して過言ではない。
政局的にはそれが核心だ。現に事件発覚直後から住民の激しい怒りが巻き起こり、県議会や各自治体の議会でも抗議決議が相次いでおり、住民諸団体の抗議行動も拡大しつつある。1995年の少女暴行事件では8万人の住民が抗議県民大会に決起したし、2016年にはうるま市の女性が元海兵隊員に暴行・殺害された事件で琉球全域に怒りが拡大し、抗議の声が渦巻いた。
1972年のペテン的な沖縄「返還」後から2023までに米軍人・軍属とその家族による刑法犯の検挙件数は6235件で、このうち性暴力容疑での検挙件数は少なくとも134件(検挙者数157人)あった。米軍側はその都度「再発防止策の実施」や「綱紀粛正」を言うが、23年は米軍関係者による刑法犯の検挙件数が前年より18件多い72件となり、過去20年で最も多くなった。もはや「再発防止策」や「綱紀粛正」のレベルの問題ではなく、「基地撤去」「米軍撤退」以外に根本的・全面的な解決の道がないことは明らかだ。心底からの怒りを倍加させて、軍隊と基地を不可避とする日米の帝国主義体制を変革していこう。
もうひとつの重大事態は辺野古新基地建設に使用する土砂の運搬作業に従事するダンプカーが安和桟橋付近で抗議中の女性と警備員の男性をひき、男性が死亡し、女性が重傷を負った事故である。これは沖縄防衛局による辺野古新基地建設工事の加速化によって起こるべくして起こった事故だ。さらに言えば、日本帝国主義の対中国戦争政治が推進され、様々な被害が不可避となる中で起きたのだ。
辺野古土砂運搬ダンプによる事故を徹底弾劾すると共に、辺野古新基地建設阻止の闘いをさらに慎重に強化し、琉球を戦場化するような日本帝国主義の対中国戦争政治を絶対に食い止めよう。(島袋純二)
2面
沖縄日誌6月
県議選の裏で
米兵性暴力を隠ぺい
6月1日 名護市キャンプ・シュワブゲート前で、「第42回県民大行動」が開かれ550人が参加。
「辺野古住民が訴え、福岡高裁那覇支部が原告適格を認めた判決を国が最高裁に上告したこと」に、参加者は抗議の声を上げた。
2日 那覇市に拠点を置く陸上自衛隊第15旅団ホームページに、沖縄戦を指揮した日本軍第32軍・牛島満司令官の辞世の句が掲載されていることが分かった。2018年から掲載されていた。県民を犠牲にした日本軍と自衛隊のつながりを示し、美化する内容である。
4日 木原稔防衛相は、琉球新報の削除や修正の考えの問いに、削除しない考えを示した。これに対し、沖縄平和運動センター、ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会、沖縄の風、県統一連や辺野古有志の会など市民団体が抗議の声を上げた。
16日 任期満了に伴う第14回県議会選挙(定数48)が投開票された。即日開票の結果、野党28議席、与党20議席となった。玉城デニー知事を支える県政与党は過半数を割り込んだ。投票率は45・26%でこれまでの最低。複数定数の県議選では与党候補の統一が出来ず、共倒れのところもあった。総得票は県政与党系23万246票、野党系19万3860票であった。
18日 沖縄防衛局は辺野古新建設で大浦湾側の護岸工事を8月1日に着手することを県に通知した。県議選2日後の通知となり、選挙戦への影響を避けて工事を強行する姿勢が鮮明である。
20日 戦没者の遺骨が残る沖縄島南部の土砂を埋め立てに使わないよう求め、遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんは那覇市の県民広場で仲間2人とハンストを始めた。23日までおこない23日は糸満市摩文仁の平和記念公園でおこなう。
23日 糸満市摩文仁の平和記念公園で「慰霊の日」がおこなわれた。玉城デニー知事は平和宣言で「自衛隊の急激な配備拡張に県民は強い不安を抱いている。今の沖縄は犠牲になられた御霊を慰めることになっているのか」と問いかけた。岸田首相は名護市辺野古の新基地建設や自衛隊増強にはふれなかった。参加者は「首相の言っていることは、心に響かなかった。言っていることと、やっていることが違う」と批判の声をあげた。
25日 那覇地検は報道各社の要請に、性暴力事件で米兵を起訴していたことを明らかにした。事件は昨年12月24日、今年3月27日地検が起訴。外務省は起訴を把握しながら約3カ月、県側に伝えていなかった。
26日 少女暴行事件から一夜明け、県内の各団体から抗議や、情報を隠蔽したとして日米両政府への怒りの声が上がった。県内の市町村議会では抗議決議を可決する動きが広がっている。
27日 米兵が今年5月に成人女性に性的暴行を加え逮捕、起訴されていることが明らかになった。性暴力事件が25日に明らかになったばかりの中、米兵による別の性犯罪事案も発覚し、県民の怒りは爆発した。
28日 「フラワーデモin KOZA」は嘉手納基地第2ゲート前で百人が怒りの声を上げた。
りの声を上げた。
同日、名護市安和の桟橋付近における土砂搬出時の抗議行動で、抗議中の女性と警備員の男性がダンプカーにひかれ、女性が重傷、男性が死亡する事故が起こった。
キャンプ・シュワブを取り巻く人間の鎖(7月6日) |
3面
座り込み10周年 人間の鎖
代執行による工事強行
米兵少女誘拐暴行事件
弾劾
◇2024年7月、キャンプ・シュワブ(辺野古岬)工事強行に抗議する座り込みから10年が経過しました。この10年間いろいろと変化があり「辺野古移設は最低でも県外、国外」を公約した鳩山民主党政権の崩壊後、自民党が「辺野古移設反対から容認、推進」と先祖がえりしました。仲井真知事が「県内移設反対」から容認へ。自民党衆参国会議員5人の「公約」破り「辺野古移設、建設容認」になりました。それを受けて沖縄自民党の翁長雄志那覇市長が、沖縄の誇りをかけて「イデオロギーよりもアイデンティティー」を打ち出し仲井真知事を追い出し沖縄知事選に勝利しました。翁長知事は政財界を巻き込んで「辺野古移設反対のオール沖縄」を立ち上げました。翁長知事は保革を乗り越え先頭に立ち「辺野古新基地建設」を阻止する為に「辺野古埋め立て承認撤回」等あらゆる手段で安倍・菅・自公政権と対決したが、志半ばで倒れてしまいました。
しかし、翁長知事の意思を継ぐ玉城デニー氏が圧倒的大差で自公政権の推す佐喜真を破りました。県民投票では70%の「辺野古移設反対」が示され沖縄の民意は不動となりました。しかし、「司法の長」は自公政権の提灯持ちになりさがり、沖縄の民意を蔑ろにし、県と国との辺野古に関する12件の行政訴訟を全て門前払いにしました。
残念なことに埋め立て法の中身の審理もせずに軟弱地盤整備の「工事設計変更」を不承認した玉城知事の権限を岸田政権が奪い、2024年1月から「代執行」を発動し現在に至っています。しかし、政府発表でも「辺野古基地完成まであと12年」かかるとされています。これが「普天間基地の一日も早い危険性の除去とは辺野古移設が唯一の解決方法」の中身です。
それは、県予算では2兆5千5百億円もの膨大な血税を使ってのこと。この10年辺野古工事は全体の約17%しか進んでいません。これから、辺野古新基地建設を止めるには各地域の「島ぐるみ会議」と県内外の仲間達と共に「辺野古新基地建設、埋め立て阻止」の闘いを、安和、塩川、カヌー、船団での闘いをガッチリと結合して闘って「勝つことは諦めないこと」を貫きます。
7月6日 人間の鎖 |
キャンプ・シュワブ 人間の鎖
◇2023年12月24日、米空軍兵が16才未満の少女を言葉巧みに話しかけ「自宅」に連れ込み暴行事件を起こしました。この事件の裁判が今年3月に起訴され7月に初公判が開かれることが6月26日の報道で初めて明らかになりました。政府(外務、防衛省)と沖縄県警、地検はこの事件を沖縄県に報告しませんでした。
玉城知事は6カ月余りも少女誘拐暴行事件を知らされませんでした。玉城知事は県警に対して抗議すると「被害者のプライバシーの保護」のために県に知らせなかったと回答しました。
◇2024年6月28日、本部島ぐるみ会議の仲間が辺野古埋め立て土砂の運搬をいつものように牛歩で抗議活動をしていました。この行動中、交通事故で、警備員が死亡、抗議行動中の女性は重傷を負いました。
◇7月6日辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議は「辺野古座り込み10年、やまぬ米兵暴行事件に抗議する」第43回県民大行動を1200人の参加で開催しました。参加者は、午前10時半よりキャンプ・シュワブのフェンス沿いで手をつなぎ「人間の鎖」をつくりました。集会の冒頭に6月28日安和桟橋ゲート前で不幸にも事故で亡くなられた宇佐美佳和さんの冥福を祈り黙祷を全員でしました。
オール沖縄の稲嶺進共同代表は、この10年間を振り返り、改めて、沖縄の民意を顧みず辺野古新基地を押し進める自公政権を批判しました。また、2016年4月米軍軍属により20才で命を奪われた名護市生まれの島袋理奈さんに言及し、今もなくならない米兵による女性に対する暴行事件に対して怒り、抗議しました。
玉城デニー知事からのメッセージは「相次ぎ発覚した米兵による性的暴行事件を綱紀粛正が行き届いていないという由々しい事態に激しい怒りを覚える」と強く訴えました。そして、各「島ぐるみ会議」の代表や議員団は政府や米軍の対応を批判しました。特徴的な事はこの10年間で辺野古新基地建設反対座り込み闘争を続け、他界された「島ぐるみ」の人たちの名前を各島ぐるみの代表が読み上げた事です。
そして、主催者は新基地建設用土砂を搬出する名護市安和で警備員ら2人がダンプにひかれ死傷した事故を受け、工事を中止すべきと訴えました。集会の最後に参加者は手を取り「辺野古新基地NO」と書かれたプラカードを一斉にあげ「NO BASE 辺野古」「沖縄を犠牲にする基地建設をやめろ」と怒りのシュプレヒコールを轟かせました。
◇もし、一連の米兵による暴行事件が県議選以前に報道されていたら、確実に自民、公明党の議席は激減し勝利はあり得ないと思います。そして、米兵の起訴がなぜ県議選後の17日なのかの意味が解るはずです。そして、岸田訪米以前に米兵による暴行事件が全国的に報道されていたら日米首脳会談の「親善」ムードはあり得ない。更に、岸田首相、上川外相の 沖縄「慰霊の日」の追悼式典は沖縄戦犠牲者遺族と沖縄人民による糾弾の嵐の集会になることは必至でした。当日は、岸田が発言した時に複数のうちなんちゅーから「岸田帰れ! 沖縄を戦場にするな! ミサイル基地反対」という声が上がり場内は騒然となりました。(名護市在住・金城佳宏)
辺野古ブルー新宿スタンディング
7月6日
7月6日、毎月恒例の辺野古ブルーアクション新宿スタンディング(呼びかけ…沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)がおこなわれ、熱中症への警戒が叫ばれる炎天下に数十の市民が参加した(写真)。
マイクを取ったある人は米軍人による性犯罪が沖縄県に対して隠蔽されていたことを「米側に忖度したのか政府権力に対してか、はたまた県議選への影響を恐れたためか」と弾劾した。ある人は防衛施設庁側が沖縄県との対話を打ち切って工事を強行しようとしていることを弾劾し、「マヨネーズ状の地盤に杭を打ち込んで、1本傾いたら多額の費用をかけて引き抜いてやり直さなければならない。いったいいくらかかるのか」と辺野古新基地の工事自体が無謀であることを訴えた。
情宣後の集約で7月17日の「許すな! 代執行による大浦湾の埋め立て 受注ゼネコンへの抗議1日アクション」(「辺野古の海を土砂で埋めるな! 首都圏連絡会」の共催で、朝9時に品川の大林組から始まって夕方まで都心部のゼネコン等に抗議)と、8月10日の「沖縄は怒っているぞ ヤマトだって怒りなさいよ 東京集会」(「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」主催、文京区民センターで14時半開会・16時半デモ出発)等への参加が呼びかけられた。
4面
パレスチナ問題の歴史的起源
板垣雄三さんが講演
6・23京都
6月23日、「パレスチナ問題と欧米近・現代−パレスチナ問題の歴史的起源」というテーマで、板垣雄三さん(東京大学名誉教授)が京都市内で講演した。集会は、〈ルネサンス研究所・関西研究会〉と〈反戦・反貧困・反差別共同行動〉が主催。
板垣さんの提起は重要な内容を含んでいる。以下に講演要旨を紹介する。
板垣雄三さん講演
昨年10月7日に「パレスチナ人の決起」がおきてから、もうすぐ9カ月がたとうとしている。現在、ガザを中心にして危機的状況が進行している。この間で顕著になったことは、国連安全保障理事会は解決能力をもたず、アメリカ中心の世界は終わった、ということだ。
イスラエルが停戦しても、パレスチナ問題は何も解決しない。このことはよくわかっていても、市民は停戦を叫ぶしかない。これが現状なのだ。
イスラエル国内は、ますます混迷を深めている。国際的にも孤立するなかで、ネタニヤフはこの戦争をより大きな枠組みで継続させようとしている。具体的には、この戦争にイランを巻き込もうとしている。こうして、世界大戦、核戦争の危機が深まってきている。
各地で抗議行動 |
抵抗権という問題
国際司法裁判所(ICJ)や国際刑事裁判所(ICC)などの判断が出ている。ここで問題なのは、ネタニヤフとハマースの双方に責任があるとしていることだ。たしかにイスラエルのジェノサイドには言及しているが、植民地主義の問題がどこかへ吹き飛んでしまい、紛争や戦争の問題にすり替えられている。
問題の中心にあるのは、パレスチナ人の抵抗権だ。抑圧された者は抵抗する権利をもっている。この抵抗権は西欧の近代において、人権として確立されている。これによって、ブルジョア革命がおこなわれた。それはフランス革命の人権宣言やアメリカの独立宣言に示されている。そもそも、これらの国の成り立ちが抵抗権の行使によるものなのだ。
そうであるにもかかわらず、これらの国はパレスチナ人の抵抗権を認めていない。市民がパレスチナ人を支援すれば、これを「反ユダヤ主義」と非難して、「テロが問題」にすり替えている。
パレスチナ人の抵抗権がしっかり押さえられていないのだ。いったいどこに問題があるのか。20世紀の歴史を振り返っていく。
第1次世界大戦後、オスマン帝国の支配下にあったパレスチナはイギリスとフランスによって分割されていく。こうして、新しい植民地がつくられ、植民地主義がうまれていった。
1920年に、サンレモ会議がおこなわれた。これはオスマン帝国に関する領土分割会議だ。ここで日本は応援団の役割をはたした。当時、ドイツは太平洋の島々と中国の山東半島に権益を持っていた。日本はこの権益を譲ってもらうために、イギリスを応援した。
こうして、天皇家はイギリス王室と親密な関係をむすんだ。この関係は現在も継続しており、これを確認するために天皇家はイギリスを訪問している(6月22〜28日)。
ナチズムとシオニズムの協力関係
1933年に、ヒットラー率いるナチス政権がドイツで成立した。ナチスはユダヤ人の若者をパレスチナに送り込み、新しい植民運動をすすめた。イギリスはこれを支援し、アメリカは積極的に資金援助をおこなった。シオニストがユダヤ人を送り出すための実務を担当した。ナチズムとシオニズムは協力関係にあったのだ。
こうして、1930年代の末には、パレスチナの地においてユダヤ人が人口の約3分の1を占めるようになった。これを土台にして、第2次大戦後、1948年にイスラエルの「建国」がおこなわれた。
日本は「満洲国」という植民国を中国東北部にデッチあげた(1932年)。第2次大戦は帝国間戦争という側面もあったが、その目的に「満洲国」をなくすことがあった。日本の敗戦によって「満洲国」はなくなったが、これに代わって第2の「満洲国」であるイスラエルがつくられた。米国とソ連(当時)がいっしょになって、イスラエルという国をつくった。
イスラエルは現在も存在しており、植民地主義は継続されている。第2次大戦が「自由と民主主義のための戦いであった」とするならば、第2次世界大戦は継続していることになる。イスラエルという国がなくなって、はじめて第2次大戦は終わったといえる。
継続する植民地主義
西欧キリスト教社会は、自分たちには関係ないものとして、ホロコーストを見過ごしてきた。戦後、これらの国は強制収容所で生き残ったユダヤ人をパレスチナに追いやった。自分たちは受け入れないで、パレスチナに追放したのだ。このために、パレスチナに住んでいたアラブ人が強制的に立ち退かされることになった。
西欧キリスト教社会は、ユダヤ人差別の償いを自分たちでおこなうのではなく、パレスチナ人の犠牲のうえに、イスラエルという国をつくった。こうして、ユダヤ人問題を根本的に解決することなく、パレスチナ人に責任を転嫁した。
政治権力者は「ナチズムの犯罪にたいする償いなのだ」と、これを正当化した。反対する勢力にたいしては「反ユダヤ主義であり、ナチスと同じだ」といって黙らせた。ここで「イスラエル国家の生存権を守ることが反省のあらわれなのだ」という〈反省のすり替え〉がおこなわれた。こうして、イスラエルにたいして、いっさい反対できなくなってしまった。
今、イスラエルがガザでジェノサイドをおこなっている。「これを見過ごしてはならない。ホロコーストを再び繰り返すな」と叫んで、世界で学生が立ちあがっている。この若者たちは「反省のすり替え」を正しい方向に取り戻そうとしている。新しい運動がおきているのだ。
10・7決起の背景
以上みてきたように、2023年10月7日の事件によって、パレスチナ問題がおきたわけではない。直接的には1948年にイスラエルが建国されたことによって、もっと突っ込んで考えれば20世紀が作り出した問題なのだ。
パレスチナ人の決起(アルアクサ洪水作戦)は、ハマースだけでおこなったのではない。パレスチナのさまざまな抵抗勢力が協力しあって実行した。これは、2018年に始まった「帰還の大行進」の継続でもあった。
イスラエル国内では、2023年1月から司法改革にたいする抗議運動がおきていた。また、イスラエル権力内部でもさまざまな思惑がうごめいていた。このような動きが複雑に重なりあって、〈10・7決起〉がおこなわれた。
ネタニヤフの思惑とシオニズム
現在、イスラエル内部においても、ネタニヤフ政権は危機的状況にある。空軍の若手兵士からも批判が出ている。
ネタニヤフ政権は極右であり、停戦をおこなう意思をもっていない。彼はパレスチナ人の国を地図の中から消し去りたいのだ。ネタニヤフは、11月のアメリカ大統領選挙でトランプが勝利するまで、この戦争を継続させようとしている。この6〜7月にかけて、新しい展開がおきてくる可能性がある。
具体的には、ネタニヤフはイランを戦争に巻き込もうとしている。イスラエルが国際的に孤立していくなかで、ネタニヤフはより大きな枠組みで戦争を拡大させようとしている。世界大戦になりかねないどころか、核戦争になるかもしれない。世界はこういう崖っぷち、危機的状況にある。
シオニズムの歴史的起源について考えていきたい。シオニズムは19世紀末にうまれた言葉であるが、その起源は17世紀までさかのぼることができる。
「ヨーロッパのユダヤ人をパレスチナに送って、キリスト教に改宗させよう」、こういう考え方がピューリタン革命のなかでおきている。これはキリスト教の終末論にもとづく、信仰の問題として提起された。これはキリスト教起源のシオニズムだ。
19世紀末、ユダヤ人によるシオニズムが本格的に生まれてくる。長い間、ユダヤ人はキリスト教社会のなかで迫害されてきた。ユダヤ人はパレスチナに移って、自分たちの国をつくろう。ユダヤ人のシオニストたちは、このように考えた(ヘルツルなど)。これがユダヤ人のナショナリズム運動として展開されていく。
ロシア革命のなかで、シオニストの社会主義者、マルクス主義のシオニストがうまれている。ボロコフなどがそういう人物だ。
西欧近代の問題
西欧キリスト教社会は、ユダヤ人を排除してきた。ユダヤ人を「神殺し」においやって、迫害してきた。「キリスト教はユダヤ人でない人の宗教、ユダヤ教はユダヤ人の宗教」、当時の西欧社会はこういう2分法の考え方をとっていた。この考えにもとづいて、十字軍の遠征がおこなわれた。
いっぽう、イスラムは7世紀にできているが、「多様性こそが一つであり」「一つであることは多様的なのだ」と考えていた。これは仏教にある、「多即一」「一即多」(華厳仏教の言葉)という思想と同じ。イスラム世界では、これを「タウヒード」とよんでいる。人類意識と個人との関係を一体のものとしてとらえる。これが近代思想の根幹にある考え方なのだ。
12世紀ルネサンスのなかで、西欧社会はイスラム世界からこの思想を取り入れて、スコラ哲学がうまれ、デカルト以降の近代哲学がつくられた。このように、近代思想はヨーロッパで生まれたのではなく、アジアからヨーロッパに移植され、ヨーロッパで確立されていった。アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどで、近代の根幹をなす思想がつくられている。
イスラエル国家をなくす
最後に、オランダに住むユダヤ人、コーヘンの論文(「終わることのないパレスチナ紛争の根因−それをどう正すか」2014年)を紹介しておきたい。彼はこの論文のなかで、「植民国家としてのイスラエルは廃止するべきだ。イスラエルに住む植民者たちは、自分たちの土地に帰るべきだ。世界全体は、この帰還を支援すべきだ」と述べている。ユダヤ人のなかで、こういう考え方が出てきている。
パレスチナ問題の根本的解決は、イスラエル国家をなくすこと以外にはない。根本的に解決することが必要だ。是非ともこの論文を読んでいただきたい。
5面
パレスチナ・ガザに平和を
兵庫で初のデモ行進
6月30日
デモを終え元町大丸前に全員集合(6月30日 神戸市) |
6月30日、神戸市内で、ガザに平和を市民集会in兵庫がひらかれ、170人が参加した。主催は、〈こわすな憲法! いのちとくらし! 市民デモHYOGO〉。田浪亜央江さん(広島市立大学国際学部准教授)が講演した。講演内容を以下、紹介する。
イスラエルによる民族浄化
田浪さんは、「ガザにおけるジェノサイドの背景とパレスチナ解放の射程」と題して次のように話した。
まず現在の事態の起点を2023年10月7日におくのは、国際社会の側のパレスチナ・ガザの状況への無知無関心さの現れに過ぎない。今回のことは、パレスチナを占領するイスラエルが、最終的な民族浄化を目指し、時間をかけて着々とパレスチナ社会を追い詰めて来た政策の帰着で、いつか起こることだった。
ところで「パレスチナ問題」とは何か。一般的には1948年のイスラエル建国によって生じた二つの民族、国の争いと理解されている。しかしこれでは不十分だ。力の差はあれど国家主権を持つ対等な国家間の紛争戦争とはまったく異なるという理解は必須です。
さてパレスチナ問題の起源は、パレスチナではなく、ヨーロッパにおける「ユダヤ人問題」です。宗教概念であるユダヤ教を人種概念であるユダヤ人ととらえる近代的な発想から始まった。対してパレスチナ周辺地域は、アラビア語を共通言語とするユダヤ教徒、キリスト教徒、ムスリムが共存する社会だった。ユダヤ人を人種として捉える中で、この差別を利用しながら発展したのが、ユダヤ人国家を作ることを目指したシオニズムです。
講師を先頭に元町商店街をでデモ行進(6月30日 神戸市) |
集会後、田浪さんを先頭に元町までデモ行進。ヘジャブを被ったムスリムの方も数人参加し、10本以上のパレスチナ旗も道行く神戸市民に何のデモかすぐわかり、反響、反応が多かった。(大北健三)
イスラエルと軍事取引する川崎重工を許さない
7月8日 神戸
川崎重工本店(左のビル)前で抗議行動(7月8日) |
7月8日午前9時過ぎから神戸市中央区にある川崎重工本店前で、「川崎重工は、イスラエルからの虐殺ドローンの輸入を中止せよ」という抗議行動がおこなわれた。行動はこの間、大阪や関西各地でおこなわれているパレスチナ緊急行動の参加者の中から、イスラエルと武器取引をおこなう日本企業への抗議行動がおこなわれてきたが、その一環のもの。神戸市に本社を持つ川崎重工は、潜水艦やヘリコプターを製造する日本第二の軍需産業で、先般も潜水艦製造工場と海上自衛隊の癒着・裏金が暴露され、その「死の商人」としての本質が暴かれ、大きな社会問題となっている。
この川崎重工が、6月の株主総会で「イスラエル無人機(の輸入)は南海トラフ巨大地震が発生した場合の仕組みに生かすため」とウソの答弁をした。しかし実態は「空中から目標を捜索・識別して迅速に目標に対処することを想定」と防衛省が市民団体との交渉で述べており、川重のウソが暴露されている。
この川崎重工の答弁を弾劾し、国際法をも無視する軍需産業=川崎重工を弾劾しよう。
この種の抗議行動の中で伊藤忠商事の子会社=伊藤忠アビエーションはイスラエルとの協力関係を破棄した。行動には京都・大阪・兵庫から50人が参加し、それぞれ川崎重工を弾劾する発言があった。また2000筆をこえる署名が提出された。今後も行動を強め、川崎重工が輸入協定を破棄し、イスラエルから攻撃型ドローンを輸入することをやめさせよう。(鈴木商三)
10・8山崎博昭プロジェクト
重信房子さんが講演
同世代が多数集う
6月22日、大阪市内で〈10・8山ア博昭プロジェクト〉主催の重信房子さん講演会が開かれた。重信さんは20年の懲役刑から出てきて現在リハビリをしながら各地で講演をおこなっている。(写真)
1965年明大2部に入学した重信さんは所属党派は違えど67年京大入学の山崎さんと同世代。67年10月8日、弁天橋の山アさんとは違う穴森橋で闘っていた重信さんは、12時ころ山アさんの死を知り、多数の負傷者を病院に搬送したと回顧した。
69年〜71年の激闘、分裂・抗争の中、71年2月に日本を離れアラブの世界へ。かの地の闘いは想像とは違っていたが、人として誠実に生きた姿は配布された膨大なレジメに伺えた。現役大学生も含め、党派を超え各世代が交流する充実した交流会でしめた。
6面
湯川委員長への懲役10年求刑弾劾
ストライキは違法ではない
ストライキを背景にした要求は恐喝?!
連帯ユニオン関生支部・湯川委員長への懲役10年求刑を許すな!!
6月17日京都地裁で関生支部京都3事件の論告・求刑が行われ、大阪広域生コン協組が大動員をかけるなか、京都地検は全日建関生支部・湯川委員長と武前委員長共に懲役10年という労働運動では前代未聞の重刑を求刑しました。集まった支援者60人はこれを強く弾劾し、徹底的に闘いぬく決意を固めました。論告は「ストライキを背景にした要求は恐喝」だとして、憲法と労働組合法で保障された労働組合の争議権を真向から否定したのでした。
実際の暴力的実力行使はなくても、組織力を背景にした要求は「犯罪」
京都3事件とは、2014年の生コン輸送会社ベストライナー倒産・7名の組合員の解雇に伴う精算金を京都生コン協同組合に支払わせた、2016年の近畿生コン倒産に伴う精算金を京都生コン協組に支払わせた、2017年村田建材の廃業・1名の解雇に伴い、プラントの解体と1台のミキサー車を譲渡するよう要求したとされる3件です。
論告は、「2002年2月以降、本件まで刑法の犯罪に直ちに該当する暴力的実力行使は認められない」ことを認定しながら、「実際に行われたストライキの態様のみを見るのは皮相で本質を見誤る」とし、「昭和の終わりから平成のはじめにかけての灰孝闘争で多数の逮捕者が出た」ことや関生支部が行うアウトサイダー企業等へのコンプライアンス(法令違反摘発)活動を理由に、「京都生コン協組は関生支部を畏怖していた」、「関生支部はストライキを手段とし、組織の威力を背景に自らの要求に応じさせるスキームを確立していた」としてこれら争議精算金などを支払わせたことを「恐喝」と断じたのです。これが憲法と労働組合法で認められた団体行動権・争議権の否定でなくて何でしょうか。
論告は、ストライキの本質を「労務供給義務の不履行」と限定し、「プラント監視活動やストライキへの協力を呼びかけるなら多数で行うは必要ない」「長時間シュプレヒコールを上げる等迷惑かつ非常識な行動を行っている」「労働争議における精算金は裁判所や労働委員会等の公的機関が介入し積算根拠を検討すべき」「関生支部のコンプラ活動は即座に是正しなければ支障をきたすようなことがない軽微な不備を指摘している」「関生支部のストライキは出荷妨害が目的」等述べていますが、労働関係調整法第7条では、「争議行為とは、同盟罷業、怠業、作業所閉鎖その他労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的として行う行為及びこれに対抗する行為であつて、業務の正常な運営を阻害するものをいう」とされており、論告の主張は労組の団体行動権・争議権そのものを否定するものと言わなければなりません。
合意書を締結し、協同組合の理事会決定を経た精算金の支払いを犯罪化
ベストライナーおよび近畿生コン事件の支払いは京都生コン協組の理事会の決定をもって行われています。当事者から警察への訴えもないことについて論告は「労働組合が主体となる案件では捜査機関が捜査にのりださないことも容易に想像できる」等と述べています(どの口が言っているのか)。正に、検察と警察が主導してこの恐喝事件がでっち上げられたのです。
「関生支部が生コン業界を支配していた」なる虚構
論告は「一般に使用者に対して社会的劣位にある労働者を保護するのが労組法の刑事免責の趣旨であるが、関生支部は組織力・動員力を背景に京都生コン協組を畏怖させ、意のままに支配していた」としていますが、これは虚構に過ぎません。
実際に生コン業界を支配しているのは、独占セメントメーカーの拡販と、大手ゼネコンによる生コンの買い叩きです。
論告は「ベストライナー事件当時、生コン価格も低下し、出荷量も少なく、7億4千万円の債務超過と当期370万円の赤字を抱えていた」としています。「近畿生コン事件当時は、生コンはダンピング競争の結果、正常な価格からかけ離れた低額で販売され、経営状態は劣悪であった」としています。これこそ大手セメントメーカーの拡販路線と大手ゼネコンの買い叩きがもたらした現実であったのです。関生支部の産業政策運動は、中小企業者たる生コン製造会社の協同組合と連携して、過当競争と生コン買い叩きに対抗し、労働者の賃金の向上と雇用の確保を追及する労働運動であったのです。
中小企業との一面闘争・一面共闘
関生支部の産業政策運動は「中小企業との一面闘争・一面共闘」と表現されます。賃金のアップや雇用の維持という労働条件について、労組と中小企業は一面では激しく闘争するが、他方、前述のように適正な生コン価格の収受のために協同組合外からのアウト業者の新規参入による過当競争を抑止するという点では、生コン協同組合と労働組合の利害は一致し、共闘を行っていたのです。このような関係性の中で、京都生コン協組はベストライナー倒産については、解雇された組合員の別会社での雇用を約束し、精算金の支払いに応じたのです。
近畿生コンの倒産や村田建材の廃業に伴い、関生支部がプラント監視活動を強化してアウトサイダーへの転売を抑止したことは過当競争による生コン価格のたたき売りを防止するためでした。そして、このことは直接的に生コン協組各社の利益となるものでした。したがって、解雇や不当労働行為では争った労使が、アウト対策ではお互いに協力した活動が続けられていたのです。警察検察権力は、このような労組と中小企業の共闘を破壊し、セメントメーカーとゼネコンが市場の自由な支配を行えるよう、このような弾圧に踏み込んだと考えざるをえません。
会社が倒産して仕事を失った組合員たちは厳しい闘いの日々を送ることになります。京都協組が組合に対してヤクザを利用して脅すようなことすらありました。関生支部が生コン業界を支配していたかのような論告の主張は虚構に外なりません。
日本を労働争議のない国にしてはならない。
非暴力の労働組合活動が懲役に処せられるなら、日本の労働組合活動の根幹を失われてしまいます。
厚生労働省の統計では、半日以上の争議の件数は1974年に9581件であったものが、2022年には65件に激減しています。「絶滅危惧種」と言ってもいい状況です。1980年代、ドイツ連邦労働裁判所の有名な判決は「ストライキ権を背景としない労使交渉は経営者に対する集団的な物乞いにすぎない」と判示しました。日本の労働者は関生支部への弾圧を見過ごすことで奴隷の道を歩んではならないのです。
連帯ユニオンは、湯川委員長体制で、全力で闘います。
愛知連帯ユニオン
(愛知連帯ユニオンの許可を得て掲載)
ウトロの歴史を学ぶ(下)
祝園ミサイル弾薬庫に反対する闘いのために
ウトロ地区放火事件
2020年8月、ウトロ地区で放火事件がおきた。この放火によって、7棟(5棟は空き家)が被害にあっている。実行したのは有本匠吾であり、奈良県桜井市に住む22才(当時)の青年だった。有本は「自分は何も援助されていないのに、在日朝鮮人はいろいろ特権をうけている」と妄想し、自己の行為を正当化していた。彼はウトロや在日朝鮮人の歴史にたいして、まったく知識を持っていなかった。憂さ晴らしのために、放火をおこなったのだ。
有本がどこまで自覚していたかは別にして、ウトロの歴史が刻まれた「立て看板」を燃やすために、彼はこの建物を意図的に放火した。こうして、有本によって闘いのシンボルが消し去られてしまった。
2022年8月、京都地裁で判決。執行猶予つきだが、有罪判決を勝ち取ることができた。双方ともに控訴しなかった。判決文は、次のように述べている。
「上記の動機は、主として、在日韓国・朝鮮人という特定の出自を持つ人々に対する偏見や嫌悪感等に基づく、誠に独善的かつ身勝手なものであって、およそ酌むべき点はない。被害の発生を顧みることなく放火や損壊といった暴力的な手段に訴えることで、社会の不安をあおって世論を喚起するとか、自己の意に沿わない展示や施設の開設を阻止するなどといった目的を達しようとすることは、民主主義社会において到底許容されるものではない。」
これは深刻なヘイトクライム事件だ。われわれはこれをあいまいにすることなく、記憶しておかなければならない。2022年4月、「ウトロ平和祈念館」が開館された。ウトロ平和祈念館は「ウトロに生きる/ウトロで出会う」を理念にしている。
日本政府との闘い
全国でも、同じようなヘイトクライム事件がおきている。これを個人の問題としてすますことはできない。日本政府は植民地支配を反省することなく、ウトロにおいても朝鮮人学校を閉鎖に追い込み(1949年)、ウトロ地区を強制捜査している(1952年)。このように、日本政府が在日朝鮮人差別をおこなっている。このことが社会におおきく反映されている。日本人民がこの政府と十分に闘いきれていないのだ。
ウトロを学ぶとき、歴史責任がわれわれにのしかかってくる。アジア侵略があり、ここに植民地問題があり、在日朝鮮人が強制労働させられていた。この歴史を再び繰り返してはならない。このために、祝園ミサイル弾薬庫建設に反対していきたい。(おわり)
7面
万博・カジノより被災地支援
石川県内灘町が「万博の再検討を求める意見書」を採択
6月23日、大阪市港区民ホールで「万博・カジノより被災地支援」と題して〈夢洲カジノを止める大阪府民の会〉総会&講演集会があり215人が参加した。「大阪・関西万博の再検討を求める意見書」を可決した石川県内灘町の清水文雄町会議員が講演をおこなった。(写真)
危険な夢洲万博に子どもを動員するな
総会では、同会事務局長が活動総括や方針提案。23年6月24日に「大阪府民の会」がスタートして1年になる。取り組みは、@夢洲IR・カジノ大阪府民公聴会、A子どもたちの万博動員反対の運動、B5月14日石川県内灘町現地視察、CIRカジノについて大阪市に対する住民監査請求(6月11日)、D多くの団体や組合、個人で協力して進めた運動。
Aについては、3月28日に起きた万博工事現場でのガス爆発事故をきっかけに「危険な夢洲万博に子どもを動員するな」の大きな府民運動の動きに繋がっている。「万博に子どもを招待しないで」の署名は5月2日3936筆を大阪府知事・教育長に提出。また「万博への子ども招待事業の白紙撤回を求める要請書」を提出し要請行動。万博招待事業に関して「危険な夢洲」の情報提供活動として、府内約1400校の小中学校に書簡・資料を届けた(約75%の学校にポスティングを含め直接届けて校長などと面談)。さらに公立支援学校49校の校長へ書類送付。高校への働きかけなど。高校生向けのチラシ2万枚を作成し、高校前や最寄り駅等での配布を開始。ビラを持ち帰って配布することが呼びかけられた。
石川県内灘町の現地視察報告
ビデオで被災地の内灘町と七尾市の様子を見た。5カ月たっても全く復旧していない。道路は隆起したりひび割れ、電柱も傾き、家も土台が見えるほど持ち上がり傾いていたり、潰れて屋根だけになっていたりぐちゃぐちゃ。震災のひどさを実感した。「大阪万博を中止して予算・資材を全て能登半島に回して下さい」という張り紙を貼っている家もあった。
能登半島地震被災地(内灘町)からの訴え
清水文雄町議(社民党)は、「命を大切にするために、万博・カジノを止めて被災地へ資金や資材、人を回して欲しいという訴えをさせていただく」として被災地の現状を語った。1月1日におこったマグニチュード7・6の能登半島地震によって石川県内11市8町全てで被害が起こった。仮設住宅の建設は、件数が圧倒的に足りない。資材、人が足りない。仮設住宅に入れない避難者は1233人(6/1現在)。大きな問題として在宅避難が2千以上ある。水道が使えない、水道は通っても自分の敷地内は断水している。下水道もまだ復旧していない。トイレを使えず、風呂にも入れない、そんな厳しい生活をしている。両親が在宅で生活しているが、母親は障害者手帳を持っていて身体が不自由。給水所へ水を汲みに行くのも大変なので避難所に飲料水を置いて欲しいという相談があった。避難所閉鎖と共に避難所に水を置かなくなっている。役場も対応してくれない。
被災者の声は元の生活に戻りたい。6カ月間しか開催しない万博に税金を使うべきなのか。飲料水もない、風呂も入れない、洗濯も十分にできない、トイレは仮設トイレ、被災者はギリギリの我慢を強いられている。そんな被災地に目を向けて欲しい。そんな願いを込めた内灘町の意見書を提起し3月4日賛成多数で可決した。反対したのは維新町議1人のみ。万博・カジノより被災者支援の声を社会的に広げて欲しい。最後に6月30日さよなら! 志賀原発全国集会in金沢への参加を訴えた。質疑応答では、支援できることは何かとか、大阪府貝塚市の議員は「万博についての意見書に維新以外賛成している。他にも広げようと思う」。
みんなで討議
各地域での活動が報告された。吹田の会は「教育委員会との団体協議でびっくりしたが爆発現場に1回も行ったことがない、怒りを感じた。75%の学校が行くと言っているがその実態はボロボロ。54の小中学校全てに『十分に慎重に検討して下さい』と申し入れをした。校長はガス爆発のことは知らない」。
豊中の女性は「26校全部の学校を回り、教育長、市役所、市長を回り、できる限りのことをやっている。毎週商店街で街宣活動をやり、小学校前でもやるようになった。議員も全部回り立憲の女性議員も反対を表明した」。
社民党の参議院議員大椿ゆうこさんは「私は厚生労働委員会の消費者問題を考える特別委員会に所属。屋外におけるイベント会場などにおける安全性の確保という視点で、メタンガス爆発を起こした所に遠足に連れて行っていいのかと質問した。吉村知事も、横山市長もメタンガス爆発事故が起きてから1回も現地に行っていない。自見万博相もだ。現地視察を要求しているが万博協会がOKを出さない。国会議員の視察ができるようにしたい」。
大阪狭山市の市議は「小中学10校に行って学習参観日にビラを親や子どもに配っている。市民から出されている『万博への子ども招待に慎重な姿勢を求める要望書』を明日可決するよう頑張る」と表明。
枚方の女性は「『すごいぞ大阪万博。夢の空飛ぶ車だ』という万博協会作成のだましのビラが学校を通して子どもらに配られている」。ギャンブル依存症家族の会の女性は「カジノが来たら困る」と訴えた。
集会終了後、「万博より被災地支援」を訴えながらデモ行進し、沿道では手を振る住民もいた。
あいば野での日米共同演習に反対
7月下旬には九州で大演習
高島市内をデモ行進(7月6日) |
7月6日滋賀県高島市で、日米合同軍事演習=「オリエントシールド24」に反対する集会とデモが、200人の参加でおこなわれた。主催は平和フォーラム関西ブロック、あいば野に平和を2024ネットワーク。
7月18日から26日まで陸上自衛隊あいば野演習場で17回目の日米合同軍事演習が強行されようとしている。この演習は、あいば野と北海道の矢臼別、伊丹基地も参加しておこわれるという。この日の集会は平和フォーラムも呼びかけ団体なので自治労や教職員組合が参加し、訴えや決意をした。連帯のあいさつでは、京都祝園ミサイル問題を考える住民ネットワーク、京丹後米軍Xバンド基地問題など反基地闘争を闘う団体の発言があった。決議文の中で、「過去の訓練において、迫撃砲弾を演習場外に流弾させ、民間車両を破損させる事故を起こし、その後も迫撃砲弾や照明弾を演習場外に着弾させる事故を起こしている」と厳しく弾劾されている。正に住民の生命を脅かす日米合同軍事演習で、即刻中止させなければならない。
これに続いて7月28日からは九州・日出生台を主舞台に、山口・九州・沖縄5県をまたぎ、日米1万人規模の実戦さながらの演習がおこなわれようとしている。朝鮮半島・台湾海峡を想定しての、西日本・琉球弧を出撃拠点とする日米共同演習を許してはならない。
集会後、あいば野演習場まで1時間弱のデモをおこなった。
狭山再審めざして
毎月行動と映画祭
小雨なか街宣。昨年8月以来毎月行動を重ねている(6月23日 尼崎市内) |
昨年8月行動を開始した〈狭山事件の再審を求める尼崎市民の会〉は、この1年毎月署名行動や映画会などをやってきた。6月23日はJR立花駅北で9人で街頭宣伝活動。あいにくの小雨模様だったがビラの受け取りはいつもにましてよかった。
そして7月22日には尼崎小田北生涯学習プラザで『造花の判決』の上映会。1970年代狭山闘争の初期、冒頭は永六輔さんのインタビュー「狭山事件を知ってますか?」で始まる。劇映画は司法修習生役の入川保則さんが狭山事件に取り組み、その中で自分が実は被差別部落の出身だと知り、恋人ともども狭山裁判に人生をかけていく様を、石川一雄さんの苦闘に合わせて描く名作。
あれから50年。「見えない手錠」をかけられたままの石川一雄さんの今年5・23のメッセージは「くやしさ」の共有を求めてやまない。第3次再審請求闘争の勝利のため、力を出し切っていこう。
8面
さよなら!志賀原発全国集会
被災原発を動かすな
6・30金沢
四高記念公園に全国から集まった(6月30日 金沢) |
6・30さよなら! 志賀原発全国集会in金沢KANAZAWA が、金沢市のいしかわ四高記念公園で開催され、県内をはじめ全国から1100人が集まった。老朽原発うごかすな! 実行委員会は、「6・30金沢に集まろう。志賀原発を廃炉に」の呼びかけに応えて、関西、福井から百人を超える人々が結集し、共にたたかいぬいた。
地震対策はゼロ
午後2時、本集会が始まった。冒頭主催団体挨拶として、志賀原発訴訟弁護団長の岩淵正明さんが発言した。岩淵さんは「1・1能登半島地震では、北陸電力も規制委員会も地震にたいして、なにひとつ予想もせず、対策もとっていないことを突き出した。地面の隆起にたいしても想定せず、対策もとっていないことが明らかになった。また、避難計画がまったく絵に描いた餅でしかないことが明らかになった。水戸地裁は、東海第2原発について、避難の問題(避難計画の不備)だけで、運転差止判決を出している」。
「3・11以前には、各地の裁判所でたたかわれた裁判では、2勝31敗であった。勝利したのは、もんじゅ行政訴訟(名古屋高裁金沢支部)と志賀原発差止裁判(井戸判決・金沢地裁)の2件だけ。しかし2件が勝利したのであり、どちらもこの集会場から数百メートル先にある金沢の裁判所である。今日の熱気を受けさらに原発稼働を絶対許さないたたかいを取り組む」。
共催団体のさよなら原発1000万人アクションから鎌田慧さん、藤本泰成さんが発言、全国から原発事故被害者団体連絡会共同代表・武藤類子さん、女川原発再稼働差止訴訟原告団・日野正美さん、柏崎刈羽原発訴訟原告団・柏崎市議会議員の星野幸彦さん、東海第2原発訴訟原告団・大石光伸さん、島根原発2号機差止裁判仮処分申立人・後藤譲さんがそれぞれの地域でのたたかいを報告した。
志賀原発の廃炉を
能登からの発言として、能登から〈のとじょ〉が発言した。
つづいて珠洲市高屋町円龍寺住職の塚本真如さんが発言した。塚本さんは、かつての珠洲原発反対運動の代表的人格の方である。塚本さんは、「自宅が全壊した。被災するということは、あれもほしい、これもほしいと思って、集めたものを全て、破棄するということ。やるせない。しかし、原発反対の信念は棄ててはならない。どこまでも貫いていく」と、静かな口調の中に原発を推進しようというやからにたいする怒りをにじませて語った。
志賀原発立地の志賀町町議の堂下健一さんが、現地の様相が大きく変わったことを報告。まだ、再稼働反対とは明確に言い切っていないが、簡単に志賀原発再稼働に同意することはならない。志賀原発の廃炉を勝ち取ろうと訴えた。
関電の息の根を止める
老朽原発うごかすな! 実行委員会から、木原壯林さんとオール福井反原発連絡会・林広員さんなどが発言。木原さんは、今春3・31美浜集会、6・9とめよう! 原発依存社会への暴走 大集会の成功を報告し、この秋さらに大きな取り組みで、岸田の暴走を止め、その先兵である、関電の息の根を止める様々なたたかいを計画している。共にたたかおう訴えた。
「原発反対の信念は捨てない」と塚本真如さん |
問題ないと居直る規制委員会
主催団体締めくくりあいさつとして、実行委員会・共同代表の北野進さんが発言した。北野さんは「本日の集会には、1100人が参加、175団体が賛同した。これまでの金沢での集会の規模を超えた数が結集している。県内からもかつての珠洲原発反対運動を共にたたかった人や、志賀原発をたたかっている人などが幅広く結集している。また、1・1以降金沢に避難している人も、本集会を知って、多数参加している。志賀原発の現状は北電の安全宣言とは裏腹に、次々にボロがでている。敷地内はボロボロで、タービン建屋・タービンや発電機がゆがんでいるが、北陸電力や規制委員会はそれでも問題ないと居直っている。明日、県と北陸電力に申し入れをおこなうが、強く迫りたい。最後に、ぜひ、能登の現地を訪れてもらいたい。そして、4メートルもの隆起や、実際に能登現地を見てほしい」。
長蛇のデモ行進
集会後、市内中心部を長蛇のデモがにぎやかに行進した。
この日のたたかいをさらに発展させて、被災原発=志賀原発の再稼働を止め、廃炉に追い込もう。
展望31号紹介
新安保・沖縄闘争軸に6つの課題の全面発展を
▲巻頭論文は、新安保・沖縄闘争で軍事大国化阻止と新しい社会主義像を訴えている。
日本の全土で自衛隊基地強化・実戦部隊化が急速に進められ、新安保沖縄闘争の高揚は急務だ。また特定秘密保護法の制定にもかかわらず、海上自衛隊が違法運用を10年以上も常態化していたことが曝露された。自衛隊が守らないような特定秘密保護法は一体何か。
ロシアのウクライナ侵略との闘い、イスラエル・アメリカによるパレスチナ・ガザでのジェノサイドとの闘い、軍事政権と闘うミャンマーの民主化勢力の闘いなど、世界の人民の闘いは継続している。戦争と平和の問題に革命的回答を切り開こう。
地区党建設、マルクス主義の理論的再形成への挑戦を開始した。新たな共産主義の路線的柱を打ち立てようとしている。ともに格闘しよう。
▲「綱領的世界認識のために」では、「世界危機・世界戦争の3大焦点」提起を深めるとともに、戦争国家へ暴走する岸田大軍拡を徹底的に暴きだした。都知事選は小池の3選となったが、来年の都議選と参院選で岸田後継の自公の展望は何もない。他方で搾取・収奪はより厳しくなっている。「戦争をする国家」への道・改憲をゆるすな。増税の画策も人民の生活と生命を無視する暴挙ではないか。
▲反原発闘争では、岸田の原発回帰の暴走や柏崎刈羽再稼働のなか、廃炉作業、汚染水海洋投棄、原発事故避難者訴訟と「福島イノベーション構想」について述べている。欧米や日本はデジタル化・AIやリニア新幹線、核融合をしゃにむにすすめようとしている。資本のあくなき成長路線であり、電力・エネルギーの大消費を不可避とする。自然破壊と人民の生活と安全を犠牲にするものだ。
▲万博・カジノは東京五輪に続いて、住民自治と生活に犠牲をもたらすものだ。維新政治の嘘と破産を曝露している。
▲「障害者」解放闘争論の課題の全体像を提起している。強制不妊裁判は最高裁判決がでたが、優生保護法問題は終わっていない。ひきつづきたたかおう。
▲沖縄現地報告を学んでほしい。政府は昨年来の5件以上の米軍兵士による性暴力事件を沖縄県に通告せず、県民に隠し通して県議会選挙を乗り切ろうとした。日米政府と米軍の暴虐にたいする県民の怒りは頂点にある。新基地建設と南西諸島(琉球弧)の軍事要塞化を許すな。
▲70年代、80年代の対カクマル戦争抜きに今日の階級闘争はない。一方での内ゲバ史観を広める評論家と、他方でカクマルとの闘いをなかったことにする考えは階級闘争の発展をとどめる同根ではないか。
党史・階級闘争史として『ゲバルトの杜』批評を論議してほしい。
夏期カンパのお願い
革命的共産主義者同盟再建協議会
夏期カンパにご協力をお願いします
郵便振替
口座番号 00970―9―151298
加入者名 前進社関西支社
郵 送
〒532―0002
大阪市淀川区東三国 6―23―16
前進社関西支社