分解する岸田・自民党を倒そう
全国基地化・沖縄前線化許すな
1・10辺野古新基地工事強行を弾劾し、JR大阪駅に集まった50人の市民(1月12日 大阪市) |
岸田政権の裏金問題は、断続的な支持率下落から、「派閥解散」をめぐり9月総裁選に至る権力闘争に突入した。しかしその裏で辺野古新基地建設では沖縄県の自治を無視し、代執行で大浦湾側の工事を強行した。「普天間基地の返還」もウソで、5年で43兆円の軍事費を使い全国の港湾・空港を「整備」し、各地の弾薬庫を強化し全国を基地化する。他方で能登半島地震への救援は全く手抜きで、体育館避難所では雑魚寝のままだ。不必要な大阪万博を強行し、物価高に苦しむ庶民の生活を顧みず、大企業からの献金(パーティ券購入→裏金)で政治を支配する自民党を許すな。麻生副総裁を典型とする世襲政治家とその支配を倒そう。(大見出し・リードは本紙編集委員会、本文は名護市在住 金城佳和筆)
1・10工事強行を許さない
「埋め立て工事設計変更申請」を「不承認」し、岸田首相に話し合いを求め続けて来た玉城デニー知事に対して、岸田自公政権は沖縄の民意を顧みることなく強権的に知事権限を奪い、地方自治を破壊する史上初の斉藤鉄夫(公明党)国土交通相による「代執行」を昨年12月20日、宣言しました。そして、矢継ぎ早に新年早々の1月12日に埋め立て工事を始めると発表しました。
玉城知事は沖縄人民の「辺野古新基地建設反対」の民意を背負い、政府との「十分な対話の場が設けられないままの代執行手続きは違法、軟弱地盤埋め立て工事は不可能」と主張してきました。そして、玉城デニー知事は工事開始にあたり「県と国との事前協議」を求めましたが拒否され、岸田は1月12日に一方的に「軟弱地盤の工事を開始する」とマスコミを通じ発表し、大々的にキャンペーンを張りました。しかし、岸田政権は1月12日工事開始を表明しながらオール沖縄の阻止行動の裏をかき、姑息にも日にちを前倒しして10日に強風波浪注意報など天候不順でカヌーでの海上阻止行動が不可能な荒れた日に工事開始を直前に発表し、石材を投入して大浦湾の埋め立て工事に着手した。
T 辺野古代執行訴訟めぐる裁判の争点
法令違反などの該当性について県の主張は
@最高裁判決は県が承認しないことが法令規定違反とは認定していない。
違反があるならば具体的に規定の要件の充足性を主張立証する必要がある。国の主張で承認命令は不可能。
A他の方法で是正困難か
代執行はやむを得ない最終手段。国は問題解決に向けた対話の求めを無視。十分な対話の場が設けられないままの代執行手続きは違法。
B放置で公益を害するか
歴史的経緯などから新基地に反対する県民の民意は明確。県民の民意が「公益」として考慮されるべきだ。事業が長期化する可能性があり、完成まで普天間飛行場は固定化される。国の主張は極めて抽象的。承認されなくても、国家間の条約上の義務の不履行は発生しない。
上記、沖縄県知事の主張に対して高裁、最高裁判決は
@最高裁判決で公有水面埋立法の規定違反が確定したにもかかわらず承認しない。法令の規定に違反する。
A知事の承認しないという意思は明確、強固で、代執行以外の方法では是正は困難。
B普天間飛行場の危険性は人の生命や身体に大きく関わる。放置は社会公共の利益を侵害する。
C歴史的経緯を背景とした、埋め立てに対する県民の心情も十分理解できる。国と県が対話を通じた抜本的解決策を図ることが強く望まれる。
というものでした。
補足では国と県の対話を強く望まれるとリップサービスをしましたが、福岡高裁那覇支部は2015年から2016年に同様に代執行訴訟は翁長雄志知事と国との間で「和解協議」となり、「代執行」を回避しました。しかし、福岡高裁那覇支部・三浦隆志裁判長は沖縄県知事の権限を奪う初めての「代執行」判決を下しました。
沖縄県と政府をめぐる裁判は当初より憲法学者や専門家から大きな批判となりました。まず、政府の機関である防衛省が市民を救済する為の「行政不服審査法」を乱用して、「私人」になりすました。沖縄県は「埋め立て工事設計変更を承認」を不承認にしました。その県の不承認に対して防衛省から国土交通省に県に対して防衛省の申請を県に承認しろと言うもので、従わなければ県の代わりに国土交通大臣が代わりに承認するぞという、県の都合も考慮しないかなり乱暴な指示です。
政府内で防衛省、国土交通大臣も参加し、辺野古新基地建設は閣議決定されました。いわば、身内が身内同士に対して救済を求め、異議を唱えることなど絶対あり得ません。ある学者は、野球で投手と審判をしているようなものと例え「茶番劇だ」と言いました。
そうです、ピッチャーが暴投しようがアウトボールを投げようが、みんなストライクにして打者をアウトにします。ましてや、政府機関の安保・軍事を専門とする防衛大臣が一般市民と同等に「私人」になるなど国民主権国家としてあり得ぬことです。しかし、我が民主主義国家の独立中立公平な人権の砦である最高裁判所は、防衛大臣をただの「私人」として法律的に認めました。日本政府は裁判所を自主独立、中立公平を掲げていますが、その実、自民公明政権の都合よく長期にわたり、司法は資本家及び支配者の利益を擁護する出先機関になっているのです。
安倍、菅、岸田政権は「法治国家」を標榜していますが民主主義、法の支配に対して憲法が保障した立法、行政、司法の独立した三権分立は機能せず、司法権力は日米安保体制を最優先し、沖縄の自己決定、地方自治を認めない日米帝国主義の利権擁護のお先棒を担いでいると言わざるをえません。
地方自治を防衛し国民(人民)主権国家を
岸田政権による沖縄県知事の権限を奪う「代執行」は「国と地方は対等」原則を無視したものです。まさに、国策に沖縄の民意を従属させ屈服させるもので、絶対認めることはできません。知事権限を奪う国による「代執行」は、47都道府県の沖縄県だけの問題ではありません。このような、国による横暴を許すことは自由平等、自主独立の各都道府県の「地方自治」の死を意味します。
3年ぶりの初興し
私たちは昨年9月「県敗訴」を受け、反転攻勢に燃え「代執行阻止」行動として、12月14日「辺野古埋め立て強行5カ年糾弾闘争」をカヌー39艇、抗議船5隻、ゴムボート2隻が辺野古の海から出航し、作業を止めました。
12月20日「代執行」開始より辺野古大浦湾に監視活動を始め、12月29日から1月4日(年末年始)を除き船とカヌーで埋め立て工事をさせないための監視活動を続行しました。
2024年元旦には「代執行NO 初興し辺野古浜集会」ヘリ基地反対協の主催に参加したカヌー隊は「初日の出」に向かってカヌー13艇を繰り出し、浜集会250人と合流しました。
初日の出カヌーの乗船者はウチナンチューの親子、夫婦達が朝日を浴びて初春の海風にあたり闘志をつのらせました。
新春初興しはコロナ禍で三年間中断していましたが久しぶりに歌あり、踊りあり、三線演奏もあり大いに盛り上がりました。そして、冬でもスイカがふるまわれ、つきたての餅も出ました。伊波洋一国会議員は「岸田政権による『台湾有事』と中国脅威は南西諸島への自衛隊ミサイル配備強化を正当化するもので、反対し辺野古埋め立て代執行をさせずに沖縄と本土と力を合わせ阻止しましょう」と訴えました。私たちは集会中、カヌー13艇を漕ぎ、海域を辺野古ブルーの旗を先頭にパレードして浜と海とでエールの交換をしました。
連帯の挨拶の時にはカヌー隊は全員浜に上がりました。カヌー隊の宜野湾市議の仲間が「代執行」を絶対阻止する年頭の決意を述べ、カヌー隊は仲間の発言中、会場正面に一列に並びパドルを立てアピールしました。そして、年頭にあたり参加者一同と「代執行」阻止の意思表示を強固に確認しました。
閉会あいさつの後、集会参加者全員で力強いガンバローの三唱で締め括り「初興し」を終えました。
U 普天間基地の閉鎖・撤去
2014年7月、安倍政権は辺野古新基地工事を開始しました。しかし、工事開始から10年目を迎えますが、埋め立て工事は全体の約16%しか進んでいません。それはオール沖縄勢力の陸と海の粘り強い闘いの成果で、完成の目途は不透明です。
仮に「代執行」により工事が進んでも岸田政権は基地建設完成まで12年かかると言っています。岸田の言う「1日も早い普天間の危険性の除去」とは、宜野湾市民を最低でも12年間危険に晒し、その上で12年+1日も早い「危険性の除去」を目標にしている欺瞞を証明しました。
普天間基地から発がん性PFAS(有機フッ素化合物)大量流出、騒音爆音、沖国大への大型米ヘリ墜落炎上、普天間小、幼稚園への危険な落下物などの被害があいついでいます。もし本土の小中学校にオスプレイ、ヘリコプターの部品などが落下して人的被害があったら、本土の皆さんはどうするのでしょうか。普天間小学校では米ヘリが飛来してきたら生徒はシェルターに避難します。このような尋常ではない学校生活が沖縄では日常茶飯事におこなわれています。本土では、学校施設、病院、市役所などの公共の施設の上空をオスプレイやヘリコプターが低飛行することは絶対ありません。
このような米軍による沖縄全島、普天間基地周辺の危険な無法状態を自民党政権は長期にわたって容認しています。このような騒音や基地被害を無くすために日本政府は、アメリカ軍事優先の「日米地位協定」を変え、市民の生命財産の安全を早期に保障しなければなりません。
普天間運用停止はいつ?
2013年12月27日、安倍晋三首相と仲井真県知事は「普天間基地の運用停止を5年以内にする」。そのために、安倍は「出来ることは全てやる」と仲井真知事と約束し、振興策として3千億円を保障すると明言しました。仲井真知事は「有史以来の金額だ、これでいい正月が迎えられる」と辺野古埋め立てを承認しました。しかし、安倍は出来ることは何もせず日米外務防衛大臣による「2+2」では一度も話題にせず、議題に乗せずに危険な普天間基地を放置して来たことは周知の事実です。もし、この「5年以内の運用停止」の約束が履行されているならば2018年には普天間基地は閉鎖され撤去されるはずでした。従って「移設問題」はとっくに解決されて現在の「代執行」などの事態など生じることは無かった筈です。
そもそも、普天間基地問題の原点は、95年の少女暴行事件が起こり日米両政府は沖縄人民の反基地感情の高まりを怖れ、日米安保体制の屋台骨が揺らぎ沖縄の米軍基地の運用が困難になることを恐れ、その怒りを鎮める為に96年に普天間基地の閉鎖・撤去を日米両政府が約束したことから始まったものです。普天間基地の閉鎖・撤去と移設問題は全く別な事案でした。
日米政府はこの問題をいつの間にか誤魔化し歪小化して「一日も早い普天間基地の危険性除去は辺野古移設が唯一の解決策」とすり替えました。
玉城知事は「普天間基地の危険性除去は辺野古移設では無い」と裁判で訴えて来ました。玉城知事は斉藤鉄夫国土交通相の是正の指示には従えないと「埋め立て設計変更の承認申請を受理出来ない」と沖縄の民意を代表して表明したのです。その民意は玉城知事の再選、2019年の県民投票で示されて来ました。
しかし自公政権はこのような歴史的事実を無視して沖縄県の「自治」を破壊する「代執行」を強行しました。これは民主主義の本質的な問題です。自公政権は「国には国の民主主義があり、沖縄には沖縄の民主主義がある」と嘯いて、沖縄の声を圧殺し工事を強行していきました。本土人民の無関心が強権的な「代執行」を許してしまった責任を忘れないでください。
V 代執行阻止闘争開始
岸田政権は前述のように辺野古、大浦湾の軟弱地盤整備のために、この1月10日から採石投下作業を開始しました。
・1月10日(水)カヌー隊は広範囲に張られた臨時制限区域外で船による監視と抗議のアピールをしました。
・11日(木)カヌー5艇、抗議船1隻を出し監視抗議活動をしました。
・12日(金)代執行反対行動としてキャンプ・シュワブゲート前にて「代執行埋め立てを許さない県民集会」をオール沖縄県民会議主催で県内外から、900人の結集をもって成功させました。
オール沖縄会議の福元勇事務局長は「国はいつも抜き打ちの様な事をする。我々国民との信頼関係を壊しているのは国だ」と批判しました。稲嶺進共同代表は「政府は地方自治をみじんも尊重していない、今日は、これからもみんなで力を合わせて頑張って行こうという気持ちを奮い立たせる日だ」と呼びかけました。
玉城知事は「知事の権限を奪う代執行に至り、工事の着手が強行されたことは極めて乱暴で祖雑な対応がなされたと言わざるを得ない。今こそ力を結集し、辺野古新基地をやめさせましょう」とメッセージを寄せました。集会では県選出の国会議員、市町村議員も駆けつけ、地方自治や民主主義をないがしろにする強権的な岸田政権の姿勢を批判した。
海上で抗議
一方、海上ではカヌー12艇、抗議船4隻を辺野古大浦湾に繰り出し「沖縄の未来は沖縄が決める、海を殺すな、埋め立て反対」等のプラカードを掲げ、「石材投下はやめろ、代執行を阻止するぞ、埋め立てするな」等のシュプレヒコールを上げました。そして、午前10時20分ごろ大型船のショベルカーが砕石投下作業の開始と同時にカヌー隊は一斉に臨時制限水域のフロートを乗り越え作業船に接近を試みましたが、海上保安庁(以下海保)の大型ゴムボートに阻まれ拘束されました。しかし、我々は何度海保に拘束されても抗議の意思表示はやめませんでした。
・1月13日(土)カヌー5艇、抗議船1隻。 大浦湾N護岸付近石材投下作業。午後2時半より名護十字路にて11人が街頭宣伝。
・15日(月)カヌー5艇、抗議船1隻。K9護岸に石材投下あり。
・16日(火)カヌー5艇、抗議船1隻。仲間3人が海保に拘束される。
・17日(水)悪天候の為に海上行動、石材投下作業中止。
福岡高裁那覇支部抗訴審第2回、知事の「埋め立て承認撤回を支持する辺野古住民訴訟。沖縄県庁記者クラブにて記者会見。
・18日(木)悪天候の為に海上行動、石材投下作業とも中止。
・19日(金)悪天候の為に海上行動、石材投下作業とも中止。
・20日(土)カヌー7艇、抗議船1隻、N6付近での工事確認。
岸田政権は玉城知事から権限を奪い「代執行」に踏みきりました。辺野古新基地建設完成に並々ならぬ意志を示しました。しかし、マスコミをあげての辺野古埋め立て代執行キャンペーンを張り1月10日に我々の裏をかいてまで、はでなパフォーマンスを強行したにも拘らずこの数日埋め立て工事はストップしています。
現場での感想は全国に大々的に「辺野古埋め立て代執行開始。最高裁判決には逆らえない、工事は進んでいる」というような政府の宣伝効果が浸透してきたかも。しかし、「代執行」により全国の仲間達は首都圏で関西圏で各地で抗議活動が強く展開されていることも事実です。この状況をどう捉えるかが課題です。
W 6月県議会選挙勝利
沖縄では6月に県議会選挙がおこなわれます。周知の通り沖縄11市長は辺野古新基地容認派で占められました。オール沖縄勢力はゼロ市になりました。県議会は48議席中オール沖縄の玉城与党は24議席です。現在は自公、維新、中立会派で24議席です。議決に加われない議長を除けば24対23になります。
従って辛うじて過半数を維持しています。もし、6月県議選でオール沖縄勢が1人でも落選すれば玉城県政は最悪な状態になってしまいます。
われわれは中短期の政治闘争を、6月県議会選に力を注ぐ必要があります。ちなみに名護市議会は11対15で自公が抑え、宜野湾市では26議席中自公19対オール沖縄7です。那覇市議会は自公19対オール沖縄14議席です。
想起してください。2013年「オスプレイ配備撤回! 普天間基地の閉鎖・撤去! 県内移設断念!」集会を東京で開きました。普天間基地の辺野古移設反対で沖縄41市町村長、各議長が署名捺印をして「建白書」を携え東京都内をデモしました。沖縄上京団は翁長雄志那覇市長を先頭に安倍晋三に直接沖縄の決意を伝えオール沖縄が誕生しました。そして、辺野古新基地、オスプレイ配備反対を公約に翁長雄志知事を沖縄人民は選んだのです。建白書総理直訴東京行動から10年が経ちました。確かに県民投票で7割の「辺野古新基地建設反対」の民意が示されていますが、沖縄の全市町村の政治分布を俯瞰すると良好な風景は霞んでいます。
自公政権は稲嶺名護市長時代から再建交付金=振興策で締め付け、名護市55区の辺野古、豊原、久辺に、沖縄県・名護市を通さず国から直接資金を流しています。これこそ名護市政自治の破壊行為です。昨年は那覇、名護、宜野湾、沖縄、浦添をはじめ11市長が沖縄県知事と袂を分かち首相官邸に直接沖縄振興策金の配分を要求している有様です。もはや、岸田は沖縄の地方自治を「代執行」して、なし崩し的に破壊しているのです。
6月沖縄県議会選にオール沖縄、玉城デニー知事を支える与党議員の多数を当選させ一丸となって沖縄の自治権を守り発展させましょう。
私たちは、@軟弱地盤に直径2メートル、長さ90メートルの抗を7万2千本は不可能、
A工期約12年、工費2兆5億5千万円をかけて辺野古新基地の必要性は無い、B活断層が辺野古弾薬庫付近に走り危険であることを県内外世論に訴え、侵略戦争の基地よりもコロナと物価高に苦しむ、人々の生活優先、教育福祉の充実を訴え、政治資金の不正、腐敗、利権に汚れた岸田政権を打倒しましょう。
自民党政府は裏金、政治資金問題で政治生命が大いに揺らいでいます。小手先の「政治資金改正法」や派閥会計担当責任者を生贄にして、トカゲのシッポ切りを狙っています。積もり積もった不正、腐敗した岸田内閣を総辞職に追い込み、貧困、格差も差別抑圧もない労働者が主人公になる社会を創造していきましょう。
そのための第一歩として侵略戦争の為の辺野古新基地建設を阻止し、民族排外主義を克服して、アジア、朝鮮、中国をはじめとした近隣諸国と相互に尊重しあい平和条約を締結して友好関係を構築することが求められています。そして、一国主義を排し、いかなる国の主権も守り侵略行為は平和勢力で断罪しましょう。(1月21日 記)
2面
辺野古 大浦湾側工事強行に沖縄連帯スタンディング
1月12日大阪
1月12日、同日開催された沖縄現地での「代執行を許さない県民集会」に連帯して、JR大阪駅前で抗議のスタンディングとマイク・アピールがおこなわれた。(写真上)
「美ら海こわすな」「辺野古『国の代執行を許さない』玉城デニー知事を支援します」「遺骨が残る土砂を埋立に使うな」と書かれた大横断幕が張られ、その両横には「辺野古埋め立て不承認」、「止めて へのこ埋立」、「日本政府・防衛省は辺野古新基地建設を断念せよ」などのメッセージ・ボードを掲げて、参加者が立ち並んだ。
琉球民謡や闘争歌がサキソフォン演奏でバックグラウンドとして流れる中、マイク・アピールが展開された。〈宮古島の要塞化に反対する会〉が「10日からきょうまで遺骨土砂を埋め立てに使うなと訴えて沖縄県庁前で抗議ハンストをしたガマフヤーの具志堅隆松さんと連帯しよう。能登半島地震で大変なときに辺野古工事を強行する岸田政権の犯罪性を弾劾する。軟弱地盤に7万数千本の砂杭を打ち込むことは、世界でも貴重な生物多様性に富む大浦湾の自然を破壊するものだ」と訴え。
〈辺野古派遣サポートおおさか基金〉は「辺野古新基地が建設されても、普天間基地は返還されない可能性が出てきている、沖縄が戦場化すればミサイル攻撃にさらされ、基地機能が崩壊する」。
社民党は「国の代執行は地方自治の否定だ。1兆円にも及ぶ基地建設費を能登半島地震の災害復興に使え」と発言。
駅前バスターミナルに並んでいる人達の中にはアピールをじっくりと耳を澄ませて聞いている人も見受けられた。また通行人の中には、立ち止まって横断幕に見入っている若者たちもいた。
ウチナー(沖縄)と連帯して、ヤマト(日本)でも沖縄を再び戦場にさせない運動を巨大な民衆運動として盛り上げ、辺野古埋め立て工事を中止に追い込もう。(島袋純二)
3面
祝園弾薬庫
全国で出撃基地化・弾薬庫強化狙う
京阪奈丘陵に日本一の規模
前方、林の奥に広がる470ヘクタールの敷地をもつ祝園弾薬庫(1月21日撮影) |
周辺道路には「進入・通り抜け禁止」の看板が。この先に北門が(1月21日撮影) |
1月21日、「祝園自衛隊弾薬庫基地見学と相談会」が地元京都府精華町でひらかれ関西一円から70人が集まった。地元有志がよびかけたもの。
事前学習
見学会に先立ち、地元有志がパワーポイントを使って、祝園自衛隊弾薬庫基地について説明・紹介をした。
2022年12月、岸田政権が「安保3文書」を改定した。これ以降、岸田政権は「戦争をする体制」に向けて突き進んでおり、自衛隊基地などが全国で増強されている。
陸上自衛隊祝園分屯地は、京都府の精華町と京田辺市にまたがる丘陵地帯のなかに、住民に隠れるようにして存在する本州最大の弾薬庫である。
岸田政権がめざす敵基地攻撃能力保有のために、新たに長射程ミサイルの大型弾薬庫がここに造られる計画が浮上している。しかも、陸上自衛隊だけではなく、海上自衛隊の弾薬保管もできるようにする方針だ。
祝園分屯地の大型弾薬庫計画
防衛省は全国14カ所で大型弾薬庫建設を計画しており、24年度予算に222億円を計上した。そのうち、祝園分屯地には大型火薬庫8棟の建設が予定されており、24年度予算案で設計・工事費に102億円がついている。精華町議会はこの基地交付金に飛びつき、基本的に賛成している。
祝園分屯地に保管予定のミサイルは、アメリカから買うトマホークと12式地対艦誘導弾能力向上型とされている。後者は、国産の長射程ミサイルで、従来の12式ミサイルを改良したもので、現在も開発途上にある。
祝園分屯地内には活断層が2本走っている。地震がおきても、弾薬庫は大丈夫なのか。学習会では、この問題点も指摘された。
祝園弾薬庫とは
1939年、日本が中国・朝鮮侵略戦争の真っ最中、大日本帝国陸軍・禁野火薬庫(現在の大阪府枚方市)で爆発事件(死者94人)がおきた。この代替地として、祝園に弾薬庫が造られた。建設には、朝鮮人労働者も動員されている。当時、ここは「東洋一の弾薬庫」と呼ばれていた。
日本敗戦とともに、極東米軍の管理下におかれた。1950年に朝鮮戦争が始まると、ここから朝鮮半島に弾薬が運ばれた。1960年、自衛隊に移管されたが、この時、住民による弾薬庫撤去運動がおきている。
フィールドワーク
事前学習をおえて、フィールドワークに向かった。全体が多数の乗用車に分乗して、移動。
陸上自衛隊祝園分屯地は、JR祝園駅の西側の丘陵地帯に位置する。竹がはえる雑木林の中にあり、外から一見しても自衛隊の弾薬庫であることはわからない。住民からは完全に隠されている。
分屯地の南側には、けいはんな学研都市(正式名称:関西文化学術研究都市)のニュータウンがひろがっている。「土地利用規制法(昨年施行)」では、基地から1q以内の土地について「機能を阻害する行為」や「その恐れ」があれば、罰則付きの命令がおこなえるようになっている。このニュータウンは、この範囲内にある。
分屯地の面積は約470ヘクタール(東京ドーム100個分)で、精華町面積の約6分の1を占めている。フィールドワークは分屯地の外周を車で走った。下狛地区から、「陸上自衛隊祝園分屯地北門」入口にむかう。ここから、京田辺市に入り、打田地区を南下し、やがて東におれて、東畑地区を東に進み、南門前に向かう。この辺では企業団地の造成がすすんでいる。一周で約1時間のコースだ。
ミサイル弾薬庫建設に反対する運動
防衛庁の動きにたいして、住民が反対運動を計画している。この2月に、「京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考えるネットワーク」(仮称)の総会が開催され、正式に住民団体が結成される予定。また、ミサイル配備の大型火薬庫建設は全国に及ぶので、全国規模のネットワークも構想されている。(津田保夫)
4面
(本の紹介)
岸本聡子著 大月書店 23年1月発行 1600円+税
『地域主権という希望〜欧州から杉並へ、恐れぬ自治体の挑戦〜』
ミュニシパリズム(地域主権主義、自治体主義)とは何だろうと思って読んだ。素晴らしかった。
「はじめに」で「杉並区で取り組もうとしている変革が、世界規模の大きな潮流のなかにある。『公共』の役割と力を取り戻すこと。地域の住民が主体となって、自分たちの税金の使い道や公共の財産の役立て方を、民主的な方法で決めていく。ヨーロッパでは、近年そういう運動が始まっている。住民運動を母体として自治体ごとの市民政党がつくられ、首長や地方議会の選挙で勝利。中南米などでも」とある。それが国、権力にも敢然と物申していく「ミュニシパリズム」であり「恐れぬ自治体(フィアレスシティ)」なのだ。
「ミュニシパリズムの自治体は『利潤と市場の法則よりも市民を優先する』という共通の規範を共有している。社会的権利の実現のために政治課題の優先順位を決めること、新自由主義を脱却して公益とコモンズの価値を中心に置くことである。公共サービスの公的所有を推進する、普通の人が払える住宅の提供と価格規制をする、環境保全と持続可能なエネルギーを推進する…といった具体的な政策…。とはいえ、そうした革新的な政策だけが目的ではない。創造的な市民の政治参加によって、市民権を拡大する過程を重視する。様々な方法で直接民主主義的な実験を積極的に行っている」(p46)。
これを掲げ実践している実例が、イタリア(ナポリ市)、スペイン(バルセロナ)、フランス(グルノーブル)、ドイツ(ベルリン)、チリ(リコレッタ市)など紹介されていて、こんなこともできるんだと驚く。
水道・電力・住宅などは公共財として、住民運動によって(再)公営化を勝ちとると共に、公営化してお任せではなく住民自身が民主的管理に作り直している。地域内の循環型経済の試みもある。
公共財を取り戻してきたドイツでは、2019年までに4千回をこえる住民投票がおこなわれている。2021年スイスは同性婚の合法化を問う住民投票をおこない可決された。このように住民の意思によって政策を決め、社会を変えているのだ。日本のあり方は遅れていると痛感する。杉並の挑戦を支持すると共に、全国にミュニシパリズムを広めることは社会を変える力になるだろう。
市民の政治参加が鍵をなす。そのためには私たち自身が変わる必要がある。「左派は自分たちの『いつものグループ』の中だけにいて、孤立していたり政治的な支持先を失った人たちと対話をしようともしていないし、そのための場所も作っていない」という指摘は的を射ている。住民との対話をつくっていくことが大切だと教えられた。 (花本香)
(投稿)
原発賠償ひょうご訴訟
判決前に120人がつどう
参加者全員で力強くこぶしをあげる(1月20日 尼崎市内) |
3月21日の判決(神戸地裁)を前に、1月20日、尼崎市内で「ひょうご訴訟判決前のつどい 私たちが避難をした理由〜もう一度、内部被ばくのことを考える〜」がひらかれ、原告、弁護団、支援者など120人が集まった。
ひょうご訴訟が目指すもの
プログラムは、「ひょうご訴訟の紹介」から始まり、冒頭、原告団長が「ふるさと」を熱唱。弁護団が裁判経過を報告。2013年9月、31世帯84人の原告で提訴、10年に及ぶ審理では、「国の責任」立証、原告本人尋問で被害実相を明らかにし、専門家証人で内部ひばくの危険性を明らかにすることに重点をおいてきた。
弁護団と支援者による模擬法廷がおこなわれ、「子どもに初期ひばくをさせてしまった後悔」「避難は、子どもの健康を守る・将来を考えての決断」「放射能に対する考えの違いや家族別居、家庭崩壊」、当時の不安や動揺、苦悩などが再現された。また、原告証言、被告・東電の広報紙を示しての安全キャンペーン誘導の繰り返しなども再現された。なぜ避難しなければならなかったのか、なぜ今も避難し続けているのか、「我が子を被ばくリスクにさらしたくない」の一言に尽きる。
関西訴訟・京都訴訟の弁護団からの発言では、国の原発政策から福島第一原発事故までを洗い直して、原因追及と二度と起こさせない、将来にわたる被害救済のためにも、国に責任を取らせること、侵害された国際的人権の回復を勝ち取ることが強調された。
斎藤ともこさんが朗読とお話
「きのこ会」(原爆小頭症の被爆者と家族の会)で活動している俳優の斎藤さんは「被爆者から学びともに歩んできた体験」、「自分のいのちの主人公になる」(肥田俊太郎さんの教え)と昨年7月から裁判傍聴に参加し今この場に立っていることを原告メッセージの朗読を交えながら語った。志田弘子さん(七尾市在住、志賀原発差止訴訟原告、友禅作家)の「能登を守って」(1月20日、発信)と美しい染め絵・音楽に合わせたフクシマに寄せる詩の朗読は「いのち・こども・未来」への優しいメッセージで会場を暖かく包み込んだ。
最後に、ひょうご・関西・京都(控訴審)の3訴訟原告団が登壇。権利を手放さず、あきらめずに闘い続ける決意と支援を訴え、原告・弁護団・支援が一体となった笑い・涙・熱気に満ちた集会を終えた。
原発事故は国の責任
昨年6・17の最高裁判決以降 全国の下級審裁判では、「津波対策を国が命じていても事故は防げなかった」という最高裁判決の結論一点張りで国の責任を認めない不当判決が続いている。全国の30以上の訴訟団、1万2千以上の原告は、団結して最高裁判決を正す闘いに挑んでいる。
近畿3訴訟団はこのつどいで新たなスタートを切った。私たちも訴訟団の闘いを共有し支援陣形の拡大・強化をともに闘い取りたい。(高橋裕子)
(シネマ案内)
『◯月◯日、区長になる女。』
監督:ぺヤンヌマキ 2024年
映画の宣伝チラシより
人口57万人、有権者数47万人という規模の区長選にも関わらず、わずか187票差で決着した2022年 杉並区長選挙。この選挙に立候補し現職を破った岸本聡子と彼女を草の根で支えた住民たちに密着したドキュメンタリー『映画 ◯月◯日、区長になる女。』(エイガ マルガツマルニチ クチョウニナルオンナ)が、2024年1月2日よりポレポレ東中野(東京都・中野区)にて劇場公開が決定しました。
監督は杉並区在住の劇作家・演出家ぺヤンヌマキ。彼女が長年住むアパートが道路拡張計画により立ち退きの危機にあることを知り、止める方法を自身で調べ動き始めたのが本作制作のきっかけです。
監督自身が地域問題の当事者となり、今まで無縁の世界だった選挙、政治の世界へカメラ片手に飛び込み、住民たちと連携し、学び悩む記録でもあり、それ以上に候補者と支援者たちと悩み考えぶつかりながら、合意形成のため対話を積み重ねていくリアルなやり取りが数多く記録されています。「この選挙方法で良いのか?」「住民要求とは?」「政策とは?」「そもそも公共とは?」
本作主題歌は、杉並区民が作った応援歌『ミュニシパリズム』を、黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)がカバーした『黒猫同盟のミュニシパリズム』。「ミュニシパリズム」とは、地域に根付いた自治的な民主主義や合意形成を重視する考え方で、本作の重要なテーマとなっています。
そして選挙後に起こった動きに、新たな光を感じます。
私たちの生活は、政治と繋がっている、もう黙っていられない。
◯月◯日、次はあなたかもしれない。
5面
袴田事件の再審・無罪を確定させ、狭山事件の再審をかちとろう
2・23狭山事件の再審を実現しよう市民のつどい in関西へ
平井健三郎
袴田事件の再審・無罪確定を訴える姉のひで子さん(10・31日比谷野音) |
昨年12月、狭山事件(1963年)発生から60年、「無実」を訴え続ける石川一雄さんの第3次再審請求審が最大の山場を迎えました。差別によって「文字を奪われ」身を護る術を持たない石川一雄さんが警察・検察一体となった拷問・奸計・脅迫によって罠にはめられ、自白を強要されて死刑判決(1964年3月11日)。
その石川さんの無実を見抜き、「真実の訴え」を勧める幾多の人々の助言と援助、とりわけ若き刑務官による獄中での「識字学級」で文字をとり戻し「私は○○さんを殺していません」と二審冒頭で人間宣言を発して以来50年。
無期懲役の寺尾判決(1974年10月31日)―2006年第3次再審請求―2009年門野裁判長による第2回三者協議における8項目の証拠開示勧告の置き土産。これ以降、弁護団から提出された新証拠は242点(2022年10月現在)に。そして2022年8月29日 弁護団による事実調べ請求書提出により大野裁判長の判断を迫る局面へ突入。9月1日、石川さんは記者会見で「鑑定人尋問をおこなってもらえれば私の無実は明らかになる」と訴えています。
冤罪(差別捜査・でっち上げ・捏造)を生み出した権力犯罪に対する裁判所の追認・加担はあきらかです。裁判所の独立が憲法で保障されているにもかかわらず、無実を訴える石川さんの声に耳を貸さず、弁護団が提出した246点(2010年10月時点)もの無実の証拠を49年間一度として調べることなく牢獄につなぎ、また石川さんを生涯「見えない手錠」につなぎとめることは裁判官の職務(職権)の放棄であり、司法の自殺行為に他ならない。第3次再審請求中の17年間に8人の裁判長が決定を先送りにして、「無実の訴え」を闇に葬ってきたなかで最後に裁判所の「社会正義」「迅速な裁判」「公正・公平」と国民に対する司法の信頼回復の機会を託されたのが大野裁判長でした。
「第三次請求は18年を迎える中、その行方はいまだ見通せない。年明け1月には85歳を迎える。募る焦燥感・・・そばで支えてきた妻の早智子さん(76)は悲痛な声を上げる。『司法は夫の死を待っているのか』と」(夫の無実信じて60年「差別が生んだ冤罪」再審叫び続け 狭山事件/毎日新聞2023/12/3)
早智子さんの悲痛な願い、石川さんの「鑑定人尋問をおこなってもらえれば私の無実が明らかになる」との必死の訴え、そして弁護団による「事実取り調べ請求書」の提出(2022年8月)から開始され届けられた「狭山事件の事実調べを求める緊急署名」(個人署名51万4577筆、団体署名2344)にもかかわらず大野裁判長は前任の8人と同様に、これらを一顧だにすることなく、12月11日判断を次期裁判長・家令和典に丸投げして退官してしまいました。
「裁判長が替われば事実上仕切り直しである。裁かれるべきは日本の司法制度―。袴田さんの再審初公判で弁護団はそう訴えた」(同上)
「何のための黒い服を着ているのか。黒はどんな色にも染まることがないから裁判官の公正さを象徴しているのではないか。との思いがこみあげます」(年頭のメッセージ)
袴田事件の再審・無罪勝利から狭山事件の再審へ
狭山事件から3年後の1966年に起きた袴田事件は静岡地裁の第2次再審請求審(2014年)において「再審開始」が決定され、同時に「即時身柄釈放」がおこなわれました。検察の即時抗告―東京高裁による「再審開始決定の取り消し」(2018年)と弁護側による即時抗告―最高裁による「高裁決定取り消し・差し戻し」(2020年)を経て東京高裁による「2014年の静岡地裁の再審決定の支持」(2023年3月)、検察が特別抗告を断念―の経過を経て、昨年10月再審第一回公判(静岡地裁)が開始されています。
検察が特別抗告を断念したことについて狭山弁護団の指宿弁護士は「袴田さんに対して検察が抗告を断念したことは通常ありえないこと。とても大きな力が動いた。それは市民の声だ」と指摘しています。石川一雄さんは「狭山事件でも(証拠捏造の可能性が高い)と言ってもらいたいね。」「裁判所が鑑定をすれば、結果ははっきりと出る。袴田事件に続き、鑑定事実調べをやってほしい」(インタビュー『解放新聞』1/15)と願い「もう一度再審闘争にお骨折り下さいますよう、伏してお願い申し上げます。私も再度出直す心境で取り組んでまいります。」(新年メッセージ)と決意を新たにしています。
早智子さんも、昨年『埼玉新聞』『徳島新聞』『東京新聞』をはじめ多くのマスコミが狭山事件についてとりあげてくれたこと、黒川みどりさんの『被差別部落に生まれて』の出版と、大学(静岡大・立教大)の授業で学生と交流ができたこと、また子ども会などによる現地調査が多かったことにふれ「全国から署名が届き、草の根の運動の大きな波を感じています。」「新しい出会いと新しい風に運動の広がりを感じています」(インタビュー)とその抱負と展望を示しています。
石川夫妻の不屈の精神を共にして新たな再審闘争にふみだそう。「2・23第8回狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西」(13時・大阪市西成区民センターホール)へ、垣根をこえて再審・無罪へ集まろう。
越年し今年こそはと自分に問う 支援者あっての光輝来たる(石川一雄さん 新年メッセージ)
狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西
とき:2月23日(金休)午後1時
ところ:西成区民センターホール
主催:狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西実行委員会
本とビデオ
革共運動の総括深化のために
『党はどこへ…』と『怒りをうたえ』
元『前進』編集長で、『破防法研究』・国鉄闘争・百万人署名運動を担い、「松本意見書」で知られる岩本愼三郎さんの本が社会評論社から出版されたので紹介する。詳しい書評は次号。
『党はどこへ行ったのか』目次
第T部 私と革共同 ―光と影の幾歳月
第1章 革共同全国委員会の出発── 60年安保闘争と三全総
第2章 70年安保・沖縄闘争という挑戦
第3章 いわゆる「内ゲバ」について
第4章 三里塚二期攻防と先制的内戦戦略
第5章 国鉄分割・民営化と「戦後政治の総決算」
第6章 国鉄1047名闘争始末期── 革共同の失われた30年 @
第7章 安保再定義と百万人署名運動── 革共同の失われた30年 A
第U部 革共同の諸問題
第1章 共産主義的政治をとりもどす─ 松本意見書 bP
第2章 革共同全国委員会の歴史と教訓─ 松本意見書 bQ
第3章 迷走する「綱領草案」── あるいは革共同の墓標
第4章 二重の敗北としての国鉄1047名「和解」
第5章 党はどこへ行ったのか──「党の革命」「党の階級移行」という茶番劇について
第V部 現代社会を読む─『ピスカートル』からの抜粋
70年安保・沖縄闘争の記録映画『怒りをうたえ』の関西上映会が3月17日大阪でおこなわれる。
24年現在の、ウクライナ・パレスチナ・ミャンマー人民の闘いに思いをよせ、国際連帯で遅れている「日本」の闘いを考えるためだ。
企画した若者は「世界はあなたと私のものですが、最終的にはあなたのものです。希望はあなたの中にあります」(『毛沢東語録』)と結んでいる。上映とアフタートークに参加を。
「DVD判 怒りをうたえ」関西上映会 70年安保・沖縄闘争=記録映画
と き:3月17日(日)午後1時半
ところ:PLP会館4階
主催:WEBリベラシオン社
協賛:社会運動情報・阪神 釜ヶ崎連帯委員会 人民新聞社
6面
沈没ニッポン「失われた30年」
自民党金権政治、松本人志事件、能登半島地震
年末年始、日本社会の末期性を告げ知らせるニュースがあいついだ。一つは自民党派閥政治の裏金問題、二つは昨年ジャニーズ解散につづく芸能界・テレビ界を睥睨する松本人志の性加害疑惑。さらに元日の能登半島大地震は、被害の甚大さのみならず、阪神・淡路大震災以来進歩のない救援体制(未だに避難所=体育館で雑魚寝)は衝撃だ。自民党政治資金裏金キックバック問題は現在も進展中だが、本質をすりかえた岸田政権「派閥解消」のドタバタぶり。この30年の政治の舞台裏を見た人民の怒りはさらに倍加した。岸田政権だけでなく自民党そのものからの人心離反が止まらない。
検察の世論誘導と立件措置も3000万円でも起訴されない基準は誰も納得しない。また「切られたトカゲの尻尾」を見るにつけ、検察が現体制維持の権力装置であることを改めて刻印した。だが今回は「大山鳴動、鼠一匹」とはならない。それは55年体制崩壊以降のこの30年の政治支配のシステム(上層の危機)が修復不可能になっただけでなく、経済・社会(下層の危機)も同様に修復不可能に逢着し、生活苦にあえぐ人民の怒りの出口は悪弊を積み重ねてきた「上級国民」に向かい始めたからである。古来暴政への怒りは一揆や暴動や革命しかなかった。岸田政権やこの国の「上級国民」は怒りの人民決起を望んでいるのだろうか。
女性差別と「裸の王様」=松本人志事件
昔から世相は「歌は世につれ、世は歌につれ」とされ世相を反映した歌や文化が流行する。敗戦直後の人々は戦前・戦中の抑圧からの解放を求め「東京ブギウギ」のリズムを選択し、「青い山脈」に希望を託して「若く明るい歌声」で「日本再建」に取り組んだ。1964年の東京五輪や70年の大阪万博までは国民的歌手が世相をリードした。70年以降のテレビ時代は、「ホームドラマ」「歌番組」が世相の鏡となった。90年のバブル崩壊・ソ連崩壊・ひばりの死を機に、この国を統合する「歌(紅白)」も、高視聴率「ドラマ(大河)」も存在しなくなる。その裏で「失われた10年」が20年、30年と持続し、急速に影響力を拡大したのがジャニーズと「吉本のお笑い芸人(バラエティ)」で、落日の紅白もテレビ界も彼ら抜きに成立しないまでになる。その「王国」が、昨年のジャニーズ解散、今年の松本人志活動休止になった。いずれも「性加害」で。
ジャニーズの復活はなく松本は裁判であがく。本来なら6000人の非正規労働者(「若手」)のいる吉本興業からは、松本と大崎前会長を頂点とする支配体制(賃金体系、「出世」システム=松本に忖度・上納)を批判すべきだが、芸人から声は上がらず、たかまつなな・上沼恵美子・アンミカらが「記者会見すべき」とつぶやく。それは3年前の「オリラジ中田事件」(中田敦彦が松本の「お笑い賞レース審査委員長兼任」を批判するや、松本の手下どもに激しく批判され沈黙)が記憶に新しいからだ。この国ではハリウッド型の#MeToo運動は起こらなかったが、詩織さん事件では加害者の民事有罪が確定し、ジャニー喜多川にも審判が下されている。松本事件でも、アテンドした後輩芸人たむけんの発言で、芸能界にあこがれる女性たちを「コンパ」に集めて高級ホテルで「ゲーム」をしたことも確定している。不同意性交は犯罪で、「女性を商品」にすることは100%アウトなのだ。
吉本を恐れる芸能人はともかく、市民相手の飲料メーカーなどはスポンサーを降り始めたが、テレビ局が及び腰なのはなぜか。吉本が芸能・テレビ界を足場に、電通型で万博=国家事業に食い込み(パビリオンにも出店)、松本の育ての親=大崎前会長は万博シニアアドバイザー、松本はノーギャラの宣伝役(「後輩芸人」も万博賛美)である。自民党政権側も安倍首相が吉本番組に出演し、利権と権力の相互依存関係にあった。しかし安倍も松本も一皮むけば「裸の王様」。政治との闇の解明も必要だ。
珠洲原発を拒否の過疎地・能登は切り捨て
元日の能登半島地震から1カ月たつが、阪神・淡路大震災、東日本大震災に比べて救援・復興の遅れは酷い。阪神では村山首相の自衛隊出動要請遅れが批判されたが、能登ではなぜか1000人単位の「逐次投入」。3週間も現地に馳せ参じない馳浩石川県知事の怠慢は非難されず、ボランティアの山本太郎が批判される始末。岸田首相は防災服で新年賀詞会をかけ持ちし、政治的延命に全精力を注ぎ、政治も被災地救援も思いつきだけだ。
それにしても体育館でのプライバシーのない雑魚寝状態は、阪神・淡路大震災から30年を経ても改善されない。家族単位のテントや段ボールベットを映像で見ることはない。阪神に学ばない「政治・行政の劣化」、「失われた30年」がここにもある。
今一つは原発問題だ。志賀原発の正確な情報は全く流れない。道路の寸断は想像以上で、改めて「避難計画絵空事」を実感する。関西電力や、原発立地自治体と「避難計画」を作り「訓練」もした自治体はどう総括するのか。それ以上に震源直近の珠洲原発建設を地元民が阻止したが、もし建設・稼働していたら能登・北陸地方は壊滅していただろう。能登・北陸・若狭湾地方は活断層の巣である。断層のズレで海岸が4m隆起したが、この自然の力の巨大さを為政者は知るべきだ。
「失われた30年」で地方の過疎化・人口減が激しく進んだ。東京一極集中、県庁所在地だけの人口増は同じ県内でも石川の能登、福井の若狭、沖縄・鹿児島の島しょ部などで激しく進む。そこを狙い自衛隊基地や、軍港化懸念の港湾整備、原発再稼働が襲う。投資家は「20年後に消滅する地域に復興は不要」と言う。
GDPはドイツに抜かれ、1人当たりは31位。もはや先進国ではない。それを主導した政治の劣化はさらに激しく、「高卒・離島出身で大臣になれないトカゲ」は切り捨てられ、祖父や父を首相に持つ世襲政治家がはびこる。その中で維新の元勲を高祖父にもつ名家で、09年政権失陥の張本人麻生が自民党再編のカギを担うのは悲劇か喜劇か。ロシア・ロマノフ王朝や、フランス・ルイ16世の時代には革命が起こった。この国の支配者たちと「上級国民」に対する、人民の行動による回答が必要だ。(久保田真)
2024年『未来』情勢アピール
世界危機・世界戦争の3大焦点
国際連帯強め、日帝・岸田打倒へ(下)
落合薫
岸田政権の命運
内閣支持率の下落が止まらない。12月の世論調査で、内閣支持率+自民党支持率=「青木率」が、毎日33%、朝日46%、共同48・3%と、次々と「危険水域」とされる50%を切った。そこに派閥のパーティー券を巡る「裏金疑惑」が追い打ちをかけ両者あわせて30%に。しかし自民党自体には、1976年の「三木降ろし」、21年の「菅降ろし」の時のように、「岸田降ろし」で、起死回生を図る生命力がもはやない。細田博之前衆議院議長の死去に伴う今年4月28日予定島根1区補選に加えて、裏金疑惑で複数の議員が3月15日までに辞任した場合、大規模な補選になる。しかも岸田には、2001年に総理大臣を辞任しながらそれ以降も「清和会」政権を続けて延命し続けている森喜朗のような道はもはやない。「清和会」問題が自民党崩壊の起爆剤になっているからだ。
自民党政治資金問題とは
(1)政治資金パーティーとは自民党の各派閥も各議員も政治資金集めのためにパーティーを開く。総務省の発表によると2022年分の政治資金収支報告書で、自民党の6派閥の収入総額は約12億円で、うちパーティー収入が約9億2300万円と8割弱を占める。
(2)パーティ券で得た収入は同じ人・団体から20万円を超える支払いを受けた場合、名前・金額を「政治資金収支報告書」に記載する義務がある。同じ派閥の複数の議員が、同じ団体へ記載義務のない20万円以下の販売をおこなっても、その団体への販売総額が20万円を超えた場合収支報告書に記載する義務がある。それを派閥の収支報告に記載していなかったことが問題。
(3)販売ノルマを超えた金額を個々の議員に派閥から「キックバック」した場合に、派閥側にも、個々の議員の側にも記載していない。安倍派の場合、時効にひっかからない2022年までの5年間の分だけで5億円以上、二階派では1億円以上あるとみられる。
(4)安倍派の場合、「不記載は派閥からの指示」と言われ、組織的に不正をしていた。それも20年以上前、森喜朗が総理・総裁時代からとされる。
X 世界をトータルに
米帝の自己認識
マーク・ケルトン米CIA元国家防諜局副局長の分析(選択24・1月号)では
(1)現在の米国には3つの正面(対ロシア、対中東、対中国・東アジア)で危機を抑止する力はない(3つ全体でも、3つの各1つでも)。 (2)中国が米国にとって代わるための5つの方策として「一帯一路」政策など政治・経済的方策をメインとして挙げている。 (3)軍事的には東アジアや東南アジアで中国が米国や同盟国に脅威を与えるほどの能力を備える可能性をあげるのみで台湾危機などに言及はない。 (4)台湾に関しては、習近平が在任中に「冷酷な行動にでることを想定すべき」というあいまいな表現だ。
(1)と(2)から導かれることは、中国を正面の競争相手に挙げながら、その「競争」に米国は対応する力も意志もなく、「同盟国」の力を借りる、同盟国に中国と争わせる結論が見えてくる。過去の米国一国支配の思い込みから帰結するのは、日帝・安倍=勝共連合の対中国軍事挑発を見逃すことになる。(おわり)
7面
関電は約束を守れ!
関電本店へ抗議
1月12日
約束破りの関電を糾弾し100人が行動(1月12日) |
1月12日、平日、関西電力本店前(大阪市北区)で「関電は約束を守れ! 老朽3原発をただちに止めろ! 関電本店抗議行動」がおこなわれ、100人が集まった。土曜日曜は人通りが少ないオフィス街であるが、平日は結構人通りがあり、昼休みに合わせて、抗議集会は正午から約2時間おこなわれた。主催は、老朽原発うごかすな! 実行委員会。
関電は、40年超え老朽原発3基を再稼働する際に、地元福井県に対して「使用済み核燃料は県外に搬出する。その中間貯蔵施設候補地を23年末までに提示する。もし提示できない場合は、老朽原発3基は運転を停止する」と約束した。
その期限が12月31日にきたわけであるが、関電は候補地を提示できなかった。約束通り、老朽原発3基は止めなくてはならない。しかし関電は、約束は破るは、能登半島地震の惨状にもかかわらず平然と原発の稼働を続けている。
黙って見ていられないと、多くの人が怒り心頭に発し、この日かけつけた。
集会冒頭、司会者が「こういった行動を積み重ねることで、私たちは、原発の事故を防いできたと思います。私たちが声をあげなかったら、彼ら(原子力ムラ)は、お金のかかる安全工事はしなかったかもしれません。そういう意味で今日のような行動は意味があると思います。」と発言。皆同感。
「ロードマップ」は絵に描いた餅
木原壯林さんは、「能登半島地震は原発事故時の避難の困難さを再認識させました。また、原発反対運動の重要性も再認識されました。もし珠洲原発が建設されていて、志賀原発や柏崎刈羽原発が稼働中であったなら、福島第一原発以上の大惨事に至った可能性があります。珠洲原発の建設を断念させ、志賀原発、柏崎刈羽原発の再稼働阻止に長い間関わってきた皆さんに敬意と感謝を申し上げなければなりません。このように息の長い反原発運動が、福島の惨事の再発を食い止めました。岸田政権や電力会社は能登震災の悲惨を目の当たりにしても原発依存社会への暴走を改めようとはしません。
関電は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設を福井県外に捜す、23年12月31日までみつけられない場合は、老朽原発の運転を中止すると約束しましたが、反故にしました。本日はそのような関電に対する抗議の闘いです。
昨年10月関電はロードマップなるものを発表しました。いかにもちかぢか使用済み核燃料の行き場がさがせるかのように述べています。絵に描いた餅です。それでも関電は、使用済み核燃料の搬出の円滑化のために原発構内に乾式貯蔵施設の設置を検討するとし、福井県内での乾式貯蔵にむけての布石をうちました。関電の使用済み核燃料プールはあと3〜5年で満杯になるため原発が稼働できなくなる。そのため、プールに空きをつくる策略です。福井県内での乾式貯蔵にむけての布石です。県知事は、ロードマップ発表のわずか3日後にこの提案を容認しました。原発の運転継続ありきの出来レースです。なんとしても関電と福井県に当初の約束を履行させ、すべての老朽原発を廃炉に追い込まなくてはなりません。3月には美浜3号機、高浜1〜4号機の運転差し止め仮処分の決定が出ます。これに勝っても負けても3月31日には福井県美浜町内で全国集会を開催します。6月9日には、大阪市内で岸田政権の原発依存社会への暴走を糾弾する大集会を企画しています」とアピールした。
約束破りを繰り返す、倫理観のかけらもない「今だけ、カネだけ、自分だけ」の関電を糾弾し、約束を守らせる=老朽原発3基の運転停止を求めよう。
能登地震後 美浜3号機再稼働
1月18日緊急抗議行動
原子力事業本部前(上)と美浜原発へのデモ |
1月18日、関西電力は老朽原発美浜3号機の再稼働を強行した。この再稼働日程は、前日の午後に発表されるという、抗議の人々が集まらないように姑息な手段がとられた。
しかし、急を聞いた人々は「あの能登半島地震でおきた惨状を目の当たりにして、なぜ今?」と怒りと驚きをもって迎え、再稼働当日は、地元福井県をはじめ、関西一円などからかけつけた。四国から参加した人は、急を聞いて、夜行バスに飛び乗ってやってきた。
老朽原発うごかすな! 実行委員会の呼びかけに応え、正午、氷雨がふりしきるなかを美浜原発ゲートの先にある「シーパーク丹生(海釣り公園)」に40人が集まった。主催者あいさつを木原壯林さんがおこない、すぐデモに出発した。デモ隊は美浜原発ゲート前で大きな抗議の声をあげ、水晶浜方面まで行進した。
デモ隊とは別に、ゲート前では、地元福井の方が、ひとりで太鼓を打ち鳴らし抗議の声を上げていた。
原子力事業本部に抗議・申し入れ
抗議団は、デモ終了後、車に分乗し、JR美浜駅前にある関西電力の原子力事業本部に向かった。
原子力事業本部前では、抗議のシュプレヒコール、地元の方々など参加者が次々と抗議のアピールをおこなった。滋賀からの参加者は「びわ湖を守るために、命を守るために闘う」、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパンの佐藤大介さんは「脱原発を選択した台湾民衆の闘いに続こう」、釜日労の三浦俊一さんは「もう原発やめよう、被ばく労働をなくそう」と訴えた。
申し入れでは、代表団が原子力事業本部内に入り、長文の申し入れ書を全文読み上げ、手渡した。同時に外に待機していた参加者の前で、同文が読み上げられた。その後、町内デモに出発した。
3月31日、美浜町で全国集会
デモ終了時の発言で、老朽原発うごかすな! 実行委員会主催の「3・31老朽原発廃炉! 美浜全国集会 〜地震も事故もまったなし〜」が紹介された。美浜町庁舎の隣にある「はあとホール」で5百人規模を目指すという。再稼働に同意している町長への抗議も含め、闘いの意志をしめすものとして大結集がよびかけられた。
美浜3号機をめぐっては、現在福井地裁と大阪高裁に運転差し止め仮処分がかかっており、高浜1〜4号機運転差し止め仮処分が福井地裁にかかっている。いずれもこの3月中に決定が出る予定。仮処分に勝てば、本訴とちがって、原発は即止まる。勝っても負けても、3・31集会は開催されるという。
8面
ガザを殺すな
STOP Genocide
スタンディングアピール行動
大阪駅前でアピールするパレスチナ人(1月13日) |
1月13日JR大阪駅南口バスターミナル広場で「STOP Genocide スタンディングアピール行動」がおこなわれ200人が広場を埋め尽くした。主催は関西ガザ緊急アクションで、昨年10月27日から始まり、毎月おこなわれてきた行動の第4波だ。この日の行動はイギリスの「パレスチナ連帯キャンペーン」「ストップ戦争連合」「英国ムスリム教会」などが1月13日「パレスチナ連帯グローバル抗議行動デー」の呼びかけを発しており、この呼びかけに応えて緊急行動として取り組まれた。そのため通例の市民団体の結集は思わしくなかったが、そのぶん1人で連続的に取り組んでいる市民や、パレスチナ・アラブ系の人々が多数参加し、「2分間スピーチ」がパレスチナ人など20人が次から次へとアピールした。
・男性の発言
「ガザでは2万3千人以上の市民が殺された。ガザの人口230万人の1%が殺されたことになる。日本だと100万人以上が殺されるという大惨劇だ。その7割が子どもや女性。世界は黙って見ていていいのか。もともとイスラエルはシナイ半島にパレスチナ人を追い出すことが目的だが、ハマスなどの抵抗でできなくなりつつある。イスラエルに対し、攻撃を止め停戦すること、封鎖を解除して水や食料を供給することを求める。戦争を中東に拡大することを許してはならない」
・堀内さんの発言
緊急の行動ながらJR大阪駅前を200人が埋めた(1月13日) |
「12月1日から毎日、梅田駅前でガザ停戦のスタンディングをしている。外国人から声をかけられ、早く停戦して欲しいと言われる。日本人は今ひとつ。毎日千人近くの一般市民が殺されている現実を黙って見ているわけにはいかない。能登半島地震でもガレキの下に埋まっている人は100人以上。ガザでは1万人近い人たちが埋まっている。日本政府の米国追従の政策をやめさせ、国民を守る政治に変えていかなければいけない。南アフリカが国際司法裁判所にイスラエルのジェノサイドを告発している。日本政府のジェノサイドへのあいまいな態度を、市民の力で変えていきたい」
土曜日の夕方通行人の多いJR大阪駅南。途中から参加者がどんどん増え、パレスチナ国旗が何十本も掲げられ、通行人は普段はスタンディングやアピール行動にあまり関心を示さないのだが、この日ばかりは今現在おこなわれている「ガザでの虐殺」に目を向けざるをえず、多くの人が関心を寄せた。
三里塚反対同盟が闘争宣言
成田空港機能強化許さない
反対同盟HPより
1月14日、私たちは新しい年の闘いの幕開けとなる新年デモと団結旗開きを行いました。
新年デモに先立ち、まず午前10時30分から東峰神社でしめ縄飾り。それから南台の市東さんの畑に移動して、昨年の強制執行に対する怒りも新たに、市東さん宅前の開拓組合道路までデモ行進を行いました。
午後からは会場を芝山町の「やすらぎの里」に移し、150名の参加を得て団結旗開きを行い、2024年の闘いに向けた闘争宣言を発しました。
以下、闘争宣言を掲載します。
24年旗開きで決意表明する反対同盟員とデモ行進(1月14 日) |
闘争宣言2024
2024年の新年は1日、能登半島地震の発生という困難な事態ではじまり、石川県で死者200人超え、避難者2万6000人を超えるなど大きな被害がでている。2日には、羽田空港での航空機衝突・炎上の大事故が起きた。
世界は2年続くウクライナ戦争からパレスチナ人民虐殺戦争へと戦火が広がっている。さらに、気候危機、食料危機など様々な事態が人々を苦しめる中で、岸田政権はアメリカと共に対中国戦争を準備している。
今こそ軍事空港反対を58年貫いてきた三里塚闘争の真価を発揮する時だ。沖縄をふたたび戦場にしてはならない。ミサイル基地建設、辺野古新基地建設の強行、大軍拡に対して闘おう。軍事使用のための成田空港機能強化を粉砕しよう!
われわれは昨年2月、市東さんの天神峰農地強制執行阻止を実力で闘いぬいた。その力は今、耕作権裁判闘争の勝利的前進に生きている。強制執行にひるむことなく闘う市東さんの闘魂が成田空港会社と裁判所を圧倒している。南台農地を絶対に守ろう。耕作権は市東さんにある。勝負はこれからだ。傍聴闘争に総決起し、千葉地裁を怒りの声で包囲しよう!
成田空港会社は住民の反対の声を無視し、機能強化計画を押し通している。一昨年10月に東関道切り回し道路工事、昨年12月に第3滑走路準備工事に着手したが、工事強行でも怒りの声は収まらない。「夜間飛行差し止め訴訟」に立ち上がる住民と連帯しつつ、空港拡張反対署名に取り組み、「空港拡張差し止め裁判」をたたかおう。3・31芝山現地闘争に総決起しよう! 反対同盟は全ての闘う仲間と共に闘うことを宣言する。
2024年1月14日
三里塚芝山連合空港反対同盟
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