未来・第345号


            未来第345号目次(2022年7月7日発行)

 1面  参院選
生活苦と軍事費増大打破を
     憲法改悪、原発推進の岸田政権

 2面  民衆の決起で維新を倒せ

 3面  投稿
     この人をこそ!
     つじ恵を励ます会に参加して
     一読者(愛知)      

     6・19国会議員会館前行動
     岸田をひきずりおろそう     

     本の紹介
     大石あきこ著
     『維新ぎらい』(上)(講談社)

 4面  原発全面推進の岸田と電力資本
     老朽原発・美浜3号機の再稼働許すな
     7・24美浜現地闘争へ

     最高裁が庁反動判決
     原発賠償訴訟 国の責任ない
     6月17日

     伊方原発運転差止本訴
     ”未来は変えられる”
     松田忍

 5面  宮古島フィールドワーク
     軍事要塞の実態(上)
     名古屋肇

     辺野古現地報告
     県民大行動と参院選

     官邸前金曜行動
     全原発を廃炉まで

 6面  セックスワーカー論批判(上)
     立憲民主党候補が売春奨励
     石川由子

     生活保護裁判 東京地裁で勝利
     厚労省判断過程に過誤、欠落
     6月24日

     おおさか強制赴任手術裁判を傍聴して
     6月16日結審 9月22日判決

 7面  秘密保護法廃止! 共謀罪廃止! 監視社会反対!
     12・6  4・6を忘れない6日行動

     共謀罪をブッ飛ばそう

 8面  ウクライナ侵攻と軍拡・改憲
     高作博関大教授が講演

     本の紹介
     中学生から知りたい
     ウクライナのこと(上)
     MS Live!Books

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生活苦と軍事費増大打破を
憲法改悪、原発推進の岸田政権

多くの聴衆を集めて街頭演説をおこなう れいわ新撰組山本太郎代表(6月28日、大阪市内)

7月10日に投開票の参議院選が6月22日始まり、全国で激戦が闘われている。立憲民主党らの屈服に支えられて高支持率の岸田政権だが、物価高・生活苦、戦争準備の政治には怒りが渦巻いている。選挙に勝てば、軍事費2倍化と憲法改悪へのシフトを敷こうとする岸田政権を許してはならない。核武装・憲法改悪の水先案内人の維新も同罪だ。生活苦からの解放と、戦争への道を阻止する総決起で、れいわ・社民党らの山本太郎、つじ恵、伊波洋一、相崎佐和子、福島みずほらを押し上げ、強権政治に痛打を与えよう。(2、3面に推薦候補)

岸田自民党は、今回の参院選において外交・安全保障を第1の柱に掲げ、自民党・茂木幹事長は、参院選公示前の6月20日、「参院選後、できるだけ早いタイミングで憲法改正原案の国会提案、発議を目指したい」と発言した。ロシアによるウクライナ侵略戦争に乗じて、日本維新の会や国民民主党の改憲派を取り込んで、軍備増強と9条改憲につきすすもうとしている。岸田政権は、当初掲げた「格差是正」「所得倍増」「新自由主義からの転換」は捨て去り、人々の命と暮らしを犠牲にして戦争国家化を推進しようとしている。

「専守防衛」の破棄

「GDP比2%以上も念頭に、5年以内の防衛力の抜本的強化」を公約とし、安倍晋三は「来年度予算の防衛費は6兆円台後半の規模」を要求し、財源は国債だと公言。軍事費を2倍(2%)にしたら約11兆円で日本は世界第3位の軍事大国になる。歯止めなき国債増発で戦前のように財政破綻するか、大増税か、社会保障の大幅削減となる。
「反撃能力の保有」と名称を変え、指揮系統も攻撃対象とする「敵基地攻撃」能力の保有を掲げた。2015年の安保法制によって集団的自衛権の行使を可能にし、今度は「専守防衛」の原則を破棄し先制攻撃ができるようにするものだ。敵国がミサイル発射する前に敵基地をたたくことは、先制攻撃であり憲法で認めていないし国際法にも反する。岸信夫防衛相は、米国との集団的自衛権の行使として「敵基地攻撃」をおこなうことを認めた。中国や朝鮮民主主義人民共和国を敵国として、「敵基地攻撃」のミサイルを配備したり、アメリカが戦争する相手国すべてに、日本が先制攻撃することになり、世界に武力行使を宣言するものだ。6月29日岸田はNATO首脳会議に日本の首相として初参加し、欧米帝との連携を強めた。

9条破壊と緊急事態条項

自民党の改憲4項目とは、@自衛隊の明記、A緊急事態条項の新設、B参院選の合区解消、C教育の充実、でロシアによるウクライナ侵略やコロナ、大災害などを口実に@Aが必要と主張している。5月12日衆院憲法審査会で自民・新藤義孝が9条について「自衛隊と国防規定を憲法に明記することは、緊急事態条項の整備と合わせ、最優先の課題」と主張。憲法9条は1項・2項で「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」を謳う。これが足枷なので、「自衛隊の保持」を書き込むことで、1・2項を無効とし自衛隊を欧米並の戦争ができる軍隊に変えるのが狙いだ。
緊急事態条項は、緊急時に立法権を国会から内閣に移すもので、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる。ナチスの全権委任法と同じで、内閣による独裁化を招く危険なものだ。コロナも大災害も緊急事態条項は必要ない。

コロナ第6波で犠牲者多数

岸田政権のコロナ対策は、無策で今年だけで死者は1万2736人。オミクロン株第6波でも医療崩壊し、保健所から1週間も連絡がなく、入院要請しても受けつけず、早期に医療を受けることができなくて、70代以上の多くの高齢者が命を失った。第6波(21年12月17日〜22年4月11日時点)で大阪府では1755人、東京では1064人が死亡した。自宅待機中に死亡した人は第6波では全国で555人、自宅待機者は2月に約58万人といずれも過去最多。東京都や大阪府などは臨時の医療施設や入院待機施設を整備したが、使われたのは最も多かったときでも定員の1割ほどだ。保健師が足りないのは、保健所を1992年の852カ所から2020年には469カ所に半減させた結果だ。医療費削減策をやめ、医療費を増額し、保健師、医師・看護師を増やし、公立・公的病院を増やし、コロナに罹っても、誰でもが早期治療を受けられるように医療体制を充実すべきだ。「内閣感染症危機管理庁」や「日本版CDC」では医療逼迫は解決しない。

賃上げ、消費税廃止、富裕層に増税を

日本の実質賃金は30年間下がっている。1995年から2020年にかけて日本の名目賃金は4・2%減少、この間消費者物価は4%上昇し、実質賃金は約8%減少した。欧米・韓国などでは同期間の賃金上昇率が物価上昇率を上回り実質賃金が大幅に上がっている。
円安と資源・原材料高により4、5月連続で物価が2%以上あがり、暮らしを直撃している。食料は4%、エネルギーは19・1%も物価上昇。円安はアベノミクスが招いた。世界的にインフレとなり、米国の連邦準備制度理事会が利上げを進める一方、日銀は金融緩和策を続けているので、両国の金利差が開き円安になっている。
日銀が目標としてきた2%の物価上昇を超えたが、利上げできない。アベノミクスで政府は大量に国債を発行し、日銀が買い入れてきたが、金利を上げれば、国債の利払いが増え国家財政が一気に深刻になるという問題がある。国債の金利が1%上昇した場合、25年度の元利払いは想定よりも3兆7千億も増える(財務省の試算)。アベノミクスは格差・貧困をつくり、経済成長なきインフレを引きおこしている。一刻も早くやめなければいけない。
労働者の賃金を上げ、コロナ禍には補償が必要だ。最低賃金を1500円にし、消費税は廃止に。非正規雇用労働者を正規化し、労働者派遣を廃止し直接雇用に。法人税増税、所得税の累進課税や金融所得課税の強化を。
これらへの怒りの声を背景に、参院選で岸田政権に痛打を。

2面

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3面

投稿
この人をこそ!
つじ恵を励ます会に参加して
一読者(愛知)

6月14日、豊橋市で開かれた「つじ恵を励ます会」に連れ合いに誘われて参加した。日頃NHKの国会討論の中継をみて、野党の追及の甘さと、官僚が作ったメモを棒読みするだけの政府答弁にうんざりしていたので、つじさんの迫力に満ちた演説を聞いて、こちらが逆に励まされる思いがした。
つじさんは民主党政権がなぜもろくも崩壊したのか、自身の反省も含めて率直に総括した。そのうえで政権を再び奪取する道筋を具体的に示し、十分に納得できた。「みんながワクワクするような政治を一緒に作り上げよう」という訴えは、参加者の共感を呼んだ。
当日は風まじりの雨天だったが50人ほどが参加し、ウクライナ問題など質問が相次いだ。つじさんは「アメリカは兵器の在庫一掃ができ、自分たちは一滴の血も流さずにすむので戦争が長びくことを願っている」と核心を突く解説をした(この点について『未来』の分析は甘い!)。
つじさんの人柄とど迫力に満ちた演説に魅せられた連れ合いは、「私も若かったら、つじさんみたいに国会で頑張りたい」と、すっかりファンになってしまった。こういう人を国会に送り込みたいという気持ちになったのは、私たちだけではないだろう。

6・19 国会議員会館前行動
岸田をひきずりおろそう

6月19日午後、衆議院第二議員会館前を中心にして「参院選勝利! ロシアのウクライナ侵略反対! 即時撤退! 改憲発議反対! 軍拡やめろ! 辺野古新基地建設中止! くらしといのちを守れ! 6・19国会議員会館前行動」がおこなわれ、800人が集まった。主催は、〈戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会〉と〈安倍9条改憲NO! 全国市民アクション〉。

主催者あいさつ

憲法共同センターの小田川義和共同代表が主催者あいさつをおこない、「(福島第一原発事故についての国の責任を問う一昨日の最高裁判決で)『津波の規模は想定外だから過失責任はない』とした。身の震えるほどの怒りを覚える。無責任な原発推進にNOの声を」「(参院選で)自公・維新・国民が三分の二の議席を取ることを絶対に許してはならない。他国を攻撃する日本に戻してはならない」「急激な円安の原因は黒田日銀総裁の金融緩和であり、アベノミクスそのもの。政権与党の議席を一つでも減らすことが『骨太の方針』への我々の態度」。

改憲と軍拡にNO

社民党・福島瑞穂参院議員、日本共産党・宮本徹衆院議員、立憲民主党・大河原雅子衆院議員がマイクを取ってウクライナ情勢に乗じた軍拡の動きを弾劾し、参院選で改憲勢力に勝たなければならないことを訴えた。
日韓和解と平和プラットフォームの韓国側運営委員=ハン・チュンモクさんが発言。「八月に米韓演習が強行されようとしている。軍事衝突が予想される。世界の百の都市に向けて行動を準備している」
ジャーナリストの志葉玲氏は「私は二つのことに怒っている。一つは、ロシアの戦争犯罪。もう一つはこれを利用して憲法を変えろ・軍事費増やせと言っている与党・マスコミ」「ブチャで市民が殺され、プーチンがなかったことにしようとしている。絶対に許してはならない。『ロシアの暴走を止めるために憲法を変える』というのはおかしな話。ロシアからの燃料の輸入はやめればいい。9条と国連憲章は言っていることが一緒」と訴えた。

岸田を引きおろせ

市民連合・福山真劫さんは、「岸田内閣は安倍内閣と変わりない。生活困窮は安倍・菅・岸田の責任。何としても引きずりおろす必要がある。共闘体制が不十分だが、いろいろ言っても仕方がない。一本化できた十二の選挙区では勝てる」と訴えた。
安保法制違憲訴訟の会・内田雅敏弁護士は、「原発被害の国の責任が最高裁で否定された。安保法制違憲訴訟も全国各地で提訴してきたが、『訴えの利益がない』という理由。小泉首相の靖国公式参拝の違憲訴訟では『違憲だが訴えの利益がない』と言って棄却された。その後参拝はできなくなった。9条は『平和資源』。(安保法制違憲訴訟で)いかに棄却されても『憲法違反』だと訴えていく」とアピール。
一〇〇〇人委員会・田中直樹さんが「選挙の結果に関わらず、改憲の動きは止まらない」とし、7月14日、有楽町イトシア前で、憲法9条改憲NO! ウィメンズアクションの街宣などの行動を提起した。

(本の紹介)
大石あきこ著
『維新ぎらい』(上)(講談社)

本書は、大阪府職員時代から市民運動を経て、昨年秋衆議院選挙でれいわ議員として国会に登場した著者の維新政治(大阪維新の会、日本維新の会)との闘いの経過と維新批判を通してめざす世の中・社会のあり方を展望するものである。
内容は序章〈転機となった「14年前」の出来事〉、1章〈公務員バッシングで得をしたのは誰?〉、2章〈不安と挫折から得たもの〉、3章〈仲間を増やして世の中を変えるために〉、4章〈有権者をあざむく裏切りのだまし絵〉、5章〈無意味な競争、やめませんか〉(いずれもサブ見出し)という構成になっている。
『維新ぎらい』という題名にあるように、維新政治批判と自らの政治信条を対置する内容が大きな柱で、もう一つの柱は、半生を語る中で、今日の生き方がどのように形成されてきたかが分かるようになっている。
語り口調で述べられているので、読み易いと思う。親近感を感じるのではないか。新書版なので一気に読めるが、維新批判の内容に触れるところは本腰を入れて読んで欲しい。
特に、橋下府知事時代の府政の内側にいて、職員として経験した理不尽さの暴露や批判は貴重なものである。
2008年3月大阪府庁での若手職員向け朝礼で橋下知事への意見表明が、世論を沸騰させたことはあまりにも有名だが、大石のその後も決めた。その時点から維新政治との闘いが始まった。
当時、橋下・維新が「公務員のケツを蹴る」とか「公務員はシロアリ。特権階級」などと公務員をヤリ玉にあげ、メディアが追随する状況の中で府庁職場が、「橋下改革」の強権的行政運営のもとで委縮し、「物言えば唇寒し」の空気が蔓延し、ギクシャクし、職員の自殺者・死者が急に増えるなど、無関係とは言えないような事態が起こった。
維新政治分析では、「維新は右派だ」とひとくくりに言うのは間違いであり、「維新は革新・リベラルでもある」としている。ヌエ的存在という性格。この辺は異論もあるかもしれない。
さらに、宣伝戦としてリベラル・右派双方の支持を狙う手法とテレビでの露出という空中戦と維新の地方議員が路地裏で地上戦を展開するという両面作戦と分析している。
特に大阪府・市という地方自治体の首長を掌握して維新政治を目に見えるように使っていることも大きい(テレビに出過ぎている)。
維新政治は上級国民の利益を代表する政党でありながら庶民や労働者の利益を代弁しているかのように装っていること。雇用不安定にする規制緩和策を導入し、社会保障切り捨ても推進しているので真に庶民の利益の政治はできない。(つづく)

4面

原発全面推進の岸田と電力資本


老朽原発・美浜3号機の再稼働許すな
7・24 美浜現地闘争へ

関西電力は、特定重大事故等対処施設(特重施設)が未完成のため昨年10月23日から運転停止していた美浜3号機について、特重施設の運用開始が早まったとし、運転再開(並列/発電設備などを商用電力系統に接続すること)を10月20日から8月12日に変更する、と6月10日発表した。並列は、原子炉の起動から2〜6日間程度要するといわれており、再稼働(原子炉起動)は8月上旬と見込まれる。
昨年6月23日に美浜3号機を「老朽原発うごかすな!」の声を踏みにじって再稼働したが、営業運転はわずか3カ月しかできず、特重施設未完成のため10月23日、運転停止に追い込まれた。当初は22年10月運転再開としていたが、前倒しの運転再開となる。 なんとしても、この策動を打ち破らねばならない。「老朽原発・美浜3号うごかすな!」のおおきな声を上げ、行動に立とう。

危険なトラブル続き

美浜原発3号機は昨年のわずか3カ月の運転期間中に、2度もトラブルを発生させている。そのひとつが蒸気発生器中の2次冷却水が喪失したとき、緊急給水するポンプに大きな圧力がかかるというトラブルで、関電は、「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄サビが詰まったことが原因」としている。これは、全国で初めて40年超運転に挑戦しながら、鉄サビによる目詰まりにも気づかないという関電のでたらめさ、緊張感のなさを示して余りある。 
また、関電高浜3・4号、大飯3・4号でもたびたびトラブルが発生しており、特に1次冷却系配管(蒸気発生器伝熱管など)の損傷は深刻だ。美浜3号機の蒸気発生器は取替え後25年を経た老朽機器で、配管の完全破断を起こし、原子炉空焚き過酷事故の可能性が高い。老朽原発・美浜3号機の運転を許してはならない。

世界が注目

現在、全世界ではアメリカやフランスを中心に40年超原発が95基運転(2021年1月現在/予定を含む)されているが、今後、80年代に稼働した30年超原発が後に続き、これからその原発群が40年を迎える時期が迫ってきている。「3・11」を経験した日本のわれわれが、40年超運転を許すならばそうした世界・アジアの原発の40年超運転に大きな影響を与えることになる。福島第一原発過酷事故を起こした日本で、40年超え運転を許すならば、他国においても40年超え運転が次々と狙われるであろう。
老朽原発・美浜3号機の再稼働を止めることは、日本と世界から原発をなくしていく重大なたたかいである。

原発推進 前のめりの岸田政権

今、燃料の高騰や電力需給の逼迫、脱炭素化を口実に、岸田政権は原発推進、再稼働に前のめりに突き進んでいる。こういう流れに対して、「老朽原発うごかすな!」を真っ向かかげて原発廃炉への道を切り開かねばならない。美浜3号機の再稼働を止めよう。

攻防つづく仮処分

2022年7月1日現在

美浜3号機について、昨年来、運転差止仮処分が大阪地裁に申し立てられており、この7月4日に、第5回審尋がおこなわれ、おそくとも9月には何らかの決定が出されようとしている。
関電は、このかん「10月に運転開始」と言い続けてきて、仮処分裁判もそれを前提に、裁判長は10月に間に合うように決定を出すような態度を示していた。ところが関電は、もし仮処分で負けて運転停止命令が9月に出されても、その前に運転開始して実績を残す方法をとるという裁判所をも騙すやり方をした。
また、「5・29原発のない明日を〜老朽原発このまま廃炉! 大集会inおおさか」は2100人が集まり大成功したが、関電はさらに「老朽原発うごかすな!」の声が高まることに恐怖し、美浜3号機の再稼働を前倒しで強行しようとしているのだ。
7月4日、第5回審尋に集まり、裁判長に運転差止決定を一刻も早く出すことを訴えよう。
午後1時15分、大阪地裁前に集まろう。

7・24美浜現地へ

「7・24老朽原発・美浜3号うごかすな!現地全国集会」は美浜原発を臨む弁天崎で正午から集会をおこない、その後、美浜町役場付近に移動、町内デモと関電原子力事業本部に対する抗議闘争・申し入れをおこなう予定である。全力で現地へ。

最高裁が超反動判決
原発賠償訴訟 国の責任ない
6月17日

6月17日、最高裁は、各地でたたかわれている原発賠償訴訟のうち先行していた福島、群馬、千葉、愛媛の訴訟について、国に責任はないとする不当判決を言い渡した。国策で原発を推し進め、あれほどの大事故をおこしたことに対して、国に責任がないとは、到底許されない判決だ。福島第一原発事故は、原発を推進してきた国と電力会社東電に全ての責任があることはあまりにも明らかであり、それを国には責任がなかったとする最高裁判決は、原発裁判でよく使われている「社会通念」から見てもまったく真逆の判決である。その理由たるや「仮に東電に防潮堤を建設させる規制権限を行使していたとしても、津波による原発事故を防ぐことはできなかった」というお粗末きわまりないペテンをつかって、原発事故被災者の思いを踏みにじったのである。原発過酷事故は、被害の甚大さ、深刻さ、長期にわたる事故の影響など、絶対に起こしてはならないのである。しかし、最高裁は「規制権限を行使」しても事故は防げなかったというのだ。となれば、防げない事故をおこし、甚大な被害を引き起こすような原発を動かす能力も資格もないということを自認したも同然だ。原発は人間の手に負えないことを認めたに等しい。ただちに全原発を停止し、廃炉に進むべきだ。
岸田政権は、燃料の高騰、電力需給逼迫、脱炭素を口実に、原発推進に突き進んでいる。それに立ち向かっているのが、各地でたたかわれている原発賠償訴訟であり、原発再稼働反対・老朽原発うごかすな! のたたかいであり、それは圧倒的なひとびとの支持・共感を得ているのである。それを踏みにじり、岸田や原発推進勢力に忖度し、原発推進に竿さす判決であり、真理のひとかけらもない判決だ。絶対許してはならない。
こういう判決で、被害者の怒りを打ち消すことはできない。原告団はただちに次のたたかいに向かって、歩を進めようとしている。「老朽原発うごかすな!」のたたかいは、さらに大きくなるだろう。
今回の最高裁判決に対するわれわれの回答は、福島第一原発事故被害者の思いと固く結びつき、なんとしても老朽原発の再稼働を阻止し、原発全廃に突き進むことだ。8月上旬とされる老朽原発美浜3号機の再稼働を絶対阻止しよう。

伊方原発運転差止 本訴
“未来は変えられる”
松田 忍

6月8日、伊方原発運転差止広島裁判本訴の第28回口頭弁論が広島地裁でひらかれました。午後1時半、伊方原発広島裁判原告団・応援団、弁護団や支援者らが、広島地裁に向かって乗り込み行進を開始し、「被爆地ヒロシマが被曝を拒否する〜過去は変えられないが未来は変えられる〜」と書かれた横断幕を手に、今回新たに第9陣原告提訴に加わった「黒い雨」裁判原告の高東征二さんや弁護団が先頭に立ちました。

被爆者原告・切明千枝子さんが陳述

午後2時半から開始された口頭弁論では、準備書面の確認などのあと、意見陳述がおこなわれた。陳述者の切明千枝子さん(93)が体調不良で出廷できないため、伊方原発運転差止広島裁判の事務局が陳述を代読しました。
陳述の中で切明さんは、広島第二高等女学校4年生の時、15歳で被爆して地面に叩きつけられ、気が付くと瓦礫の下だったこと、何とか這い出して爆心地の方を見るともう一面火の海だったこと、建物疎開作業に動員された下級生は奇跡的に助かった一人を除いて全滅し、その一人も37歳で胃がんが全身に転移して亡くなったこと、いとこのうち二人だけ家の中にいて助かって、切明さんの家に逃げて来たが血便や高熱に苦しみながら一週間くらいして二人とも亡くなったことなどを述べました。
さらに目に見えない放射能の怖さを身をもって体験した被爆者として、原爆も原発も人類が制御できるものではない。伊方原発の運転は差し止めるべきだと訴えました。

高東さんが決意表明

午後3時から広島弁護士会館で開催された記者会見・報告会は、リモート併用でひらかれ、弁護団による準備書面の解説、原告意見陳述の再現などの後、今回第9陣原告提訴に加わった「黒い雨」裁判原告の高東征二さんが被爆者原告として決意を表明しました(写真上)。
高東さんは、内部被曝の怖さを身をもって知っている「黒い雨」被爆者として、放射能をまき散らす危険がある原発の運転には絶対反対だと決意を述べ「放射性微粒子が飛び交う地球は嫌です。あってはなりません」と力強く訴えました。
次回第29回口頭弁論期日は9月14日。

5面

宮古島フィールドワーク@
軍事要塞化の実態
名古屋 肇

5・15集会から

5月15日、大阪で「軍事要塞化とたたかう琉球弧の人々―宮古島の自衛隊ミサイル基地反対運動」と題する集会がおこなわれ、「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子さんの講演を受けた。私はこれまで何度も沖縄を訪れたこともあり、大阪では毎週土曜日の「辺野古に基地を絶対作らせない大阪行動」に参加している。大阪行動で「宮古島軍事要塞化」についての学習会をおこなったこともある。しかし清水さんから提起されたことを、私はどれだけとらえていたのだろうか。宮古島についてまったく知らないのではないか。たたかいは学ぶことから始まる。私たちは関西から13名、現地でさらに一人合流して宮古島のフィールドワークをおこなった。6月15日から17日までの強行軍だったが、清水さんに案内していただき宮古島の現実を肌身で感じることができた。

300q近い宮古海峡

当初関空から直行便で行く予定だったが、若干のトラブルがあり那覇空港乗り継ぎとなった。おかげで宮古海峡、沖縄島、宮古島間の距離を実感することができた。ジェット機で50分以上の時間を必要とする。この間のほとんどは公海上になり、どこの航空機や艦船が通ろうとまったく自由なはずだ。だが防衛省はこの23日にも、中国軍の爆撃機3機が沖縄島と宮古島の間の上空を往復し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進したと発表し、マスコミは騒いだ。当然領空侵犯などはなかった。危機をあおり、中国を挑発し、ここに軍事拠点をつくろうとしているのだ。

農業破壊―「宮古島バブル」

宮古島に降り立ってまず目に入ったのは延々と続く砂糖キビ畑。山がなく最も高いところで100m程の宮古島は豊かな農業の島だった。ところが赤土がむき出しのところ、建設中のところも目立つ。翌朝のコンビニではガテン系の労働者が列をなしていた。2019年には終わりすでに過去のことだと聞いていたが、陸自駐屯地建設を中軸にしたバブルの後遺症があちこちにみられる。宮古島の軍事要塞化計画は、ミサイル部隊や弾薬庫にとどまらない。港湾、飛行場、ビーチに至るあらゆる場所の軍事使用が想定されている。それを中心ににわかに「宮古島バブル」が押し寄せた。本土からのゼネコン、不動産、飲食、、スーパーなど様々な企業、とりわけ建設業に膨大な資金が注がれた。糸目を付けない防衛マネーが、島の自然を破壊し、農業などの第一次産業を破壊している。

立ち往生の軍用車両

6月16日は千代田ゲート前スタンディングへの合流から始まった。清水さんから「14日には要請行動のアポを取り帰ろうとした私たちに、自衛隊からの通報で駆け付けた警察官が退去を命じた。門衛隊員がライフル銃を携行している。戦場で使用される軽装甲機動車が基地外で走行しだした。住民に対する威圧的、暴力的対応が続いている」、など緊迫した説明を受けていた。
ゲート前は道を挟んで「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」代表の仲里成繁さんの広い畑だ。正門の正面でスタンディングがおこなわれている。私たちは大阪から持参した横断幕を掲げるなどして参加(写真上)。そこへ軽装甲機動車が出て来た。住民たちが立ちはだかる。機動車を止めた。体を張ったたたかいだ。さらに折からの豪雨の中、基地司令への要請行動がおこなわれた。その後基地周辺フィールドワークをはじめ、野原レーダー基地、日本軍「慰安婦」祈念碑、準天頂衛星管制局、保良弾薬庫、さらには南静園(ハンセン病資料館)の見学。翌日は伊良部島、下地島などを見学した。
あげればキリがないほど島の各所で基地建設が進んでいる。しかも陸、海、空のすべての軍事施設が。紙面の関係で別途論じたい。

辺野古現地報告
県民大行動と参院選

6月4日 名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で昨年12月以来6カ月ぶりに、第1土曜日の「県民大行動」が開催された。市民880人が参加。糸数慶子共同代表の「政府に対し埋め立て中止を求めていこう」のあいさつに始まり、桜井国俊沖縄大名誉教授は「軍事基地の拡大が環境を破壊する、さらに軍事費の拡大は沖縄を再び戦場にする」と工事中止を訴えた。地元選出の国会議員を代表して伊波洋一参議院議員が、今次の参院選と9月の知事選の必勝を訴えた。
玉城デニー知事は、メッセージを寄せ、新基地建設の阻止と普天間飛行場の危険性除去を市民とともに行動することを訴えた。集会の最後に基地に向かってシュプレヒコールで抗議の声を上げた。
11日 玉城デニー知事は、那覇市内で記者会見、9月の知事選に向け出馬を表明した。
新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ経済の回復と辺野古新基地建設への反対などを重要課題として掲げ「あらゆる課題の解決に挑戦し、県民の暮らしと笑顔、県政発展のため取り組むことを誓う」と決意を表明した。今後「オール沖縄」勢力が支援基盤となり県政与党が支える体制を本格化させる。
16日 シュワブゲート前で、第3木曜日の集中行動が2020年4月以降再開された。市民80人が参加。「新基地建設反対」「違法工事止めろ」など抗議の声を上げた。
22日 第26回参院選が公示された。沖縄選挙区(改選数1)に5人が立候補。「オール沖縄」は伊波洋一氏を支援、自民・公明擁立の候補と一騎打ちとなる見通しだ。
伊波氏は国頭村辺戸岬の「祖国復帰闘争碑」の前で第一声を発し、辺野古のキャンプ・シュワブゲート前には午後1時半に元気に到着。座り込みの市民は大きな拍手で迎えた。第一声を「祖国復帰闘争碑」で発したことを「本土復帰50年の今年、先人が示した基地のない平和な沖縄の実現に向けて、再スタートしよう。本当の復帰を勝ち取ろう」との決意からおこなったことを明らかにし、辺野古新基地建設を全力で阻止する決意を表明した。ゲート前を通行する車から手を振る市民の姿が多くあった。
伊波氏はその後、各地をまわり、夕方から那覇市の県庁前で出発式をおこなった。県庁前には多くの市民が駆けつけ、伊波氏の「県民は辺野古にNOだということを示していこう」との訴えに大きな拍手を送った。沖縄選挙区で伊波氏の必勝を勝ち取ろう。(杉山)

官邸前金曜行動
全原発を廃炉まで

6月17日、官邸前で第13回目の原発いらない金曜行動がおこなわれ、145人が参加した(写真)。同日、「生業訴訟」(福島第一原発事故による避難者・被害者=最大時原告数3850人が提訴)など4裁判の最高裁判決があり最高裁に8百人が集まったが、「国に福島第一原発事故の責任はない」とする残念な判決だったとの報告があった。また、札幌地裁が5月31日に泊原発の運転差し止め判決を出したという勝利報告もなされた。悔しさをもバネにして全原発の廃炉まで闘い続ける決意を固める行動となった。

6面

セックスワーク論批判@
立憲民主党候補が売春奨励
石川 由子

買売春を奨励する立憲

今回の参議院選挙に立憲民主党の全国比例に要友紀子氏が名を連ねている。この人物は「セックスワーク派」と呼ばれる買売春肯定派である。いや要氏は積極推進派というべきかもしれない。(『売る売らないはワタシが決める 売春肯定宣言』ポット出版 2000年)
セックスワーク派の主たる主張は「セックスワーク イズ ワーク」とキャンペーンし、「買売春は一般の労働と同じ労働である、性産業の中にある人たちへの差別の刻印=スティグマを取り除け」と主張している。一見差別とたたかう論のように見える。確かに性産業に従事している女性たちの労働環境は良くならなければならない。深刻な性被害が極小化されなければならないのは当然のことである。自己解放的な闘いが必要である。
しかし、要氏の主張の中身を検証してみると、「性産業コミュニティの人の声を聞け」に尽きる。性産業コミュニティとはいったい誰なのか?そこで働いている女性をまず思い浮かべるが、彼女の場合そうではない。わざわざ「私(要友紀子氏)も含めたコミュニティ」とは、風俗店の経営者、風俗ビルのオーナー、女性に借金を背負わせ風俗に追いやるホストクラブの経営者、風俗店の宣伝を担う広告屋、アダルトビデオ(以下AV)メーカーの経営陣らも含むすべての性搾取者なのである。「業界経営者が日陰の身であることがスティグマ」と言いたいのである。
一方で要氏が絶対に言わない言葉がある。「女性差別」である。むしろかつての彼女の主要敵はまるでフェミニストであるかのようだった。買売春と女性の貧困=女性への差別を結びつける主張に「上から目線だ!セックスワーカー差別だ!」と攻撃をやめなかった(『「許せない」がやめられない』 坂爪真吾 徳間書店 2020年)。これでは性労働に従事する当事者女性たちは主体的にこの産業に参加したことになってしまい、あらゆる被害(人権侵害、病気、妊娠、PTSD)は自己責任になってしまう。先に挙げた性搾取により一大産業を形成した資本家たちを援助する主張だ。また、女性を性産業に追いやる国や社会を免罪することだ。
要氏の主張はさらに「ヨーロッパのように元セックスワーカーが国会議員になればよい」と言っている。確かに素晴らしいことだ。しかし、ヨーロッパでは買売春が合法化や非犯罪化された結果、買春の需要が急増し、性産業は巨大産業になった。ハゲタカファンドと呼ばれるジョージ・ソロス氏らがアムネスティに莫大な支援をし、それを受けたアムネスティはなんと買売春を肯定しているのだ。被害者の多くが移民、黒人、アジア人の女性だ。女性を貧困に追いやり、さらにはその貧困を食い物にする買売春企業が大手を振って、女性を搾取している(「ポルノ被害と売買春の根絶をめざして」ポルノ・買春問題研究会設立20周年パンフ 2020年 ネットでPDF公開されている)。
要氏の言う国会議員とは、性産業経営者をバックに国会議員になった人物たちだと想像できる。自分もこうした議員になりたいのだろうか?
立憲よ、ジェンダー平等の解決策は女性に売春せよということなのか。女性の貧困の解決策は売春なのか、回答せよ!

AV出演強要

今国会では「アダルトビデオ出演被害防止・救済法」(AV新法)が成立した。かねてよりAV出演強要が問題になっていた。グラビアアイドルや女優になれると言葉巧みに誘導し、AV出演契約を強要することが問題になっている。今年の4月から民法改正により18歳、19歳の人が、親の承諾を得ず自分の判断で出演することができるようになることが問題になっていた。これまでは未成年者取消権が認められていたので救済されていたが、これがなくなってしまうことになる。今回の新法では全年齢の人に、公開から一年間、無条件で契約解除できると認めた。
そもそもこの業界は若ければ若いほど「商品価値」が高い。人生経験を積んだ女性ではなく、ほとんど世間を知らない人たちが、口八丁手八丁の輩を相手に人生を決定するような重大な契約を結ばされるのだ。契約した以上契約を守らなければならないと思い込まされる。これをキャンセルしようとすると、「何百万円の違約金を払え」「違約金が払えないなら、親にバラし親に違約金を請求する」「学校にバラす」などと脅迫され、否応なく出演に応じさせられた女性がたくさんいるのだ。契約があること自体が業者側に有利になってしまう。「AVに出演している女性はきちんと契約を結び、自ら進んで参加している」という言説は大間違いだ。現に大手AV会社の作品に人気女優として何本も出演した女性が、「騙されて」出演させられたことを引退後何年もたってから告発した。撮影後精神障害を発病し、人に会うのが怖くなってしまったという。
こんな契約にもならない契約で女性をしばっておいて、DMMなど大手ビデオ会社は決して表に登場せずほくそ笑んでいる。

ポルノ被害

ポルノがなぜいけないのか。それは言うまでもなく深刻な女性差別だからである。ポルノや買売春に反対すると、古い道徳感で反対していると勘違いしている人がいる。私がポルノに反対しているのは、現代のポルノが性を謳歌するものではなく、ただただ一方的に女性を暴力的に性搾取するものだからだ。かつてバッキー事件と呼ばれる女性を徹底的に辱め、暴行する作品がつくられた。女優は直腸穿孔などの被害を受け人工肛門になったという最悪の事件だ。キャッチコピーは「女に生まれたことを呪え」だったそうだ。この究極の女性差別がポルノの本質だ。(つづく)

生活保護裁判 東京地裁で勝利
厚労省判断過程に過誤、欠落
6月24日

6月24日、東京地裁(清水知恵子裁判長)は、生活保護基準違引き下げ違憲訴訟で、原告勝訴の判決を出した。同判決は、生活保護法制定時から今まで保護基準の設定は専門審議会の検討をふまえておこなわれてきたのに今回の引き下げではそれをおこなっていない、しかも、それをしなかった国の説明はちぐはぐで合理性がなく「厚生労働相の判断過程に過誤、欠落があり、裁量権を逸脱している」と国を断罪した。

今後の判決に影響大

同様の訴訟で、今回が11件目にあたる東京地裁判決は、今後に与える影響がきわめて大きい。大阪地裁での勝訴後、原告敗訴が続いていたが、5月の熊本地裁原告勝訴判決に続くものだ。
今後大都市での判決が続く。仙台地裁は7月27日、横浜地裁は10月19日。大阪高裁は年内に結審し来年3月までの判決が予想される。

おおさか強制不妊手術裁判を傍聴して
6月16日結審 9月22日判決

大阪地方裁判所へ入廷行進する原告たち(6月16日、大阪市)

6月16日、おおさか強制不妊手術裁判(第3次提訴)が大阪地裁でひらかれた。抽選なしで全員が傍聴した。
最初に、聴覚障害者で原告の加山まり子さん(仮名)が証言に立ち、手話で「元の体にもどしてほしい」「国によるいじめだ」と訴えた。
弁護団はプロジェクターを使い、本件は戦後最大の人権侵害であると訴え、優生保護法を制定した国に責任があると述べた。裁判はこの日で結審し、判決は9月22日午後2時。
閉廷後、場所を移して、報告集会がおこなわれた。最初に弁護団が先の法廷で述べた内容を再現するかたちで、くりかえした。
大阪聴力障害者協会の大竹会長が、2月大阪高裁での勝利判決、3月東京高裁での勝利判決、これらに対する国の上告を許さず、5月10日に「優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会」が発足したと報告。先日、原告の兵庫の小林喜美子さん(89歳)が亡くなられ、聴覚障害者の原告の死去者は3人となり、何としても早く勝利をめざしたいと強く訴えた。福岡、仙台などからオンラインでの発言もあった。
9月22日の判決日には大阪地裁へ集まろう。(草川けい子)

7面

秘密保護法廃止!共謀罪廃止!監視社会反対!
12・6 4・6を忘れない6日行動

6月6日、昼の雨の中、衆院第2議員会館前で「6・6秘密保護法廃止! 共謀罪廃止! 監視社会反対! 〈12・6 4・6を忘れない6日行動〉」がおこなわれ、参議院で審議がおこなわれている侮辱罪厳罰化に反対するアピールが続いた。主催は、〈共謀罪NO! 実行委員会〉と〈秘密保護法」廃止へ! 実行委員会〉。
 「侮辱罪」の重罰化=刑法改悪が現在国会で審議されている。これは、現行「拘留または科料」が「1年以下の懲役もしくは禁錮、30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料」へ。時効は1年から3年に延長というもので、表現の自由の抑圧や、労働運動への弾圧に使われるのではないかと危惧されている。
 日本共産党の本村伸子衆院議員、社民党の福島瑞穂参院議員、立憲民主党の鎌田さゆり衆院議員が駆けつけ、雨の中の参集を讃えるとともに、プロレスラーがネットの誹謗中傷を受けて自殺したことを理由に(※亡くなった木村花さんは、番組側との契約で番組上の設定を一切否定してはならなかったのであり、芸能関係者を守る法整備がなかったことが問題)岸田政権が言論弾圧を狙っていることを弾劾した。

警察の個人情報収集と市民監視

 昼の行動を終えて、午後、衆院第一議員会館会議室で「問われる! 警察の個人情報収集と市民監視 名古屋地裁、警察に指紋、顔データ、DNAなどの抹消を命令 岐阜地裁、警察の個人情報の第三者提供は違法、賠償命令」と題する集会が開かれた。主催は上記2団体。
 鎌田さゆり衆院議員、奥田恭正さん(リモート参加/名古屋白龍町マンション建設暴行デッチ上げ事件元被告・民事裁判原告)、 近藤ゆり子さん(リモート参加/大垣警察市民監視事件原告)が発言。
名古屋白龍町の事件は、マンション建設工事の監視をしていた奥田さんに工事関係者が突き飛ばされたと言い、奥田さんが現行犯逮捕・起訴されたが無罪を勝ち取った。その後、奥田さんは指紋・DNA・顔写真のデータ消去を求める裁判をおこし、一審で勝利したというもの。
 大垣警察の事件は、関ヶ原の山の上に15基の風力発電機を設置することに対する勉強会を呼びかけたら警察が設置業者に情報交換を持ち掛け、個人情報を提供していたというもの。
 次に、中谷雄二弁護士が「問われる警察の個人情報収集、市民監視」と題して講演した。
「(名古屋と大垣)いずれの事件にも関わっている。両事件を合わせて考えると、警察が市民をどう考えているかわかりやすい」、「大垣では警察の方から『御社の業務に支障が出る』と言って情報交換を提案したと、設置業者シーテック社の議事録に書いてある。裁判所の証拠保全によって4回の意見交換の証拠が出てきた。第一に民間への情報提供であり、第二に黙って市民を監視していた問題。『市民運動が広がると治安が乱れる』と警察が言っている」
 「名古屋の白龍町は元々せいぜい二階建てしかない閑静な住宅街。そんな所に2016年10月、15階建てのマンション建設が始まって、業者は交渉にも応じない。不安をもった住民による監視活動は当然。業者と警察が10数回にわたって情報交換していて、その中で起こったのがこの事件。この日に限って現場監督が奥田さんの前に立ちふさがり、カメラの前に誘導して、自分の体の右側を後ろにして走ってきたダンプにぶつかった。現行犯逮捕されて14日間勾留された奥田さんが(無実を確信していたが証拠のビデオがあると取り調べの警官が言っていたので)『ビデオを見せろ』と言っても見せない。最初、傷害罪で逮捕されたが、右肩が当たったはずなのに診断書では『左肩打撲』となっていた。傷害罪では起訴できないので暴行罪で起訴。いつも刑事裁判で検察側の証人として出廷する学者がビデオを見て『(奥田さんが)押していない』『(押されたという現場監督が)極めて不自然な動きをしている』と証言、無罪となった。だがそれで終わりではない。責任を取らせたい、逮捕される元の状態に戻したいということで裁判をやった。業者が周りにカメラ10台を並べていたのが嫌がらせと認定された。反対派住民の一軒の家を向いているカメラがダミーだった。工事の騒音についての訴訟は勝利的和解で終わり、工事差し止めを求める裁判は既に終わっていた」
 「(住民運動の弁護をやっていて)座り込みで3千万円の賠償請求をされたこともある。権力が業者の味方をすることもある。そうしたことをはねつける勝利。データの抹消を認めたのは初めて」
 「情報を業者に漏らしたのはだめだが住民の情報収集は可としたのが岐阜地裁判決。警察による情報収集の違法性を認めたら影響が大きいと裁判所が判断したのだろう」「警察法第2条第1項(警察の責務)に照らせば、国民の私権を警察が制限するのは法律の根拠が必要。若い法学者は警察の情報収集に疑問を持っていない。ドイツも韓国も台湾も警察が収集した情報の扱いについて基準があるのに日本にはない。ない方が便利だから。GPSの捜査での扱いについて警察サイドが立法化に反対しているのはDNAデータの収集まで影響があるから。高裁でもDNAデータ破棄判決の勝利は維持するが、それで終わりではない」
「(日本の法には)近代国家の大原則がない。『犯罪予防のための情報収集』に対する警戒感が薄すぎる。著名な米の法学者が唱えるプライバシー権とは『国は私のことを放っておいてくれ』ということ」
 「高校生に警察による情報収集の話をしたら『何それ気持ち悪い』と言われた。『あなた達もSNSで個人情報を出してるじゃないか』と言ったら『見られてよいものと悪いものがある』と言っていた。これがまっとうな感覚。法治主義のために闘っていかなければならない」
 最後に主催者から6月15日18時半から東京・文京区男女平等センターでおこなわれる「6・15強行採決から5年、共謀罪の廃止を求める市民の集い〜共謀罪と組織的犯罪処罰法〜」と題する集会(共催同じ)への結集が訴えられた。(藤沢紀夫)

共謀罪をブッ飛ばそう

2017年の6月15日、多くの反対の声を押し切り、「共謀罪」が強行可決・成立した。この日を「共謀の日」として、毎年撤廃をめざした行動が取り組まれている。

リレートークで発言する弁護士42年のれいわ新撰組のつじ恵さん(6月12日、東京)

6・12新宿西口リレートーク

今年も東京・新宿駅前で、〈ブッ飛ばせ共謀罪! 百人委員会〉の主催で「『共謀罪』をブッ飛ばそう! 6・12新宿西口リレートーク」が取り組まれた。この法律が適用された事例はまだないが、実行行為のはるか手前に網を張る危険な法律に警戒が呼びかけられた。また、サンケン電気弾圧・桜を見る会・侮辱罪・等、様々な問題を道行く人々に訴えた。

6・15集会

また15日には〈「秘密保護法」廃止へ! 実行委員会〉と〈共謀罪NO! 実行委員会〉が共同開催し、「6・15強行採決から5年、共謀罪の廃止を求める市民の集い―共謀罪と組織的犯罪処罰法―」が開かれ廃案への道筋を探った。

8面

ウクライナ侵攻と軍拡・改憲
高作正博関大教授が講演

6月19日、高作正博さんの講演集会が大阪市内で開かれた。主催は、集会実行委員会。演題は、「ウクライナ侵攻と日本の軍拡・改憲」。高作さんは、ロシアによるウクライナ軍事侵略と、それをうけた日本の軍拡・改憲の動きについて語った。高作さんの講演は、闘う方向性を指し示すものだった(写真)。集会終了後、大阪駅前・梅田までデモをおこなった。

〈講演要旨〉

ロシアの軍事侵攻

プーチンは、2021年7月に「ロシアとウクライナの歴史的一体性」という論文を書いている。プーチンは、ここで「ウクライナの主権はロシアとのパートナーシップでのみ可能」と言っている。この年12月、ロシアはウクライナのNATO加盟を認めないように要求したが、アメリカはこれを拒否した。また、「ミンスク2」(合意2015年2月)に「ドネスク・ルガンスクに特別の地位を付与する分権化を憲法に明記すること」とあったが、ウクライナは憲法改正をおこなっていない。プーチンはこのことにも抗議していた。
こうして、今年2月24日に軍事侵攻が始まった。プーチンは核による脅しをおこない、原発に軍事攻撃を仕掛けた。
1999年、NATOは旧ユーゴスラビアに空爆をおこなったが、これは軍事侵攻にほかならない。NATOは「人道的介入」といって正当化し、コソボを「国家承認」させた。当時、プーチンは「世界秩序を破壊することになるだろう」と言って強く批判していた。
以後、ロシアはNATOがやったのと同じ事を模倣してきた。2008年、ジョージア(グルジア)に軍事侵攻して、南オセチアとアブハジアを独立させた。それは「住民が人権侵害を受けている」という理由だった。2014年、クリミア半島を併合した。
プーチンの考えは、旧ソ連時代のような強いロシアを回復する事だ。今回の軍事侵攻は、けっして正当化することはできない。いかなる理由であっても、軍事侵攻を正当化するような議論をおこなってはならない。

日本への影響

歴代、日本の政権は「戦争できる国づくり」をおこなってきた。政府は「海外派兵は憲法違反だが、軍事目的ではない派遣はできる」として、武器を携えてPKOなどに参加してきた。また、自衛権の概念が非常に広くなっている。「自衛の範囲であれば、敵基地攻撃能力を持つことは可能である」と言っている。核兵器を持つこと・使うことも、「日本の防衛のために必要最小限度であれば憲法違反ではない」と言っている。
2014年、安倍政権のもとで集団的自衛権の行使が容認され、15年に安保法制ができた。これは国家体制そのものを変える行為だった。他国を守るのに「必要最小限」はあり得ない。これで、政府の言う「必要最小限度」は意味をなさなくなった。
ウクライナへの軍事侵攻があって、自民党などが改憲の動きを強めている。また、「ウクライナのようにならない」を口実にして、軍拡を進めている。核兵器の保有(共有)まで言い出している。
ここで、抑止力論と現実主義を批判しておきたい。戦争に反対する力が強かったから戦争を阻止できたのであり、抑止力論は関係ない。また、現実がそうであっても、規範やルールを変える理由にはならない。現実は見方によって、いろいろありえる。現実主義とは、その人の価値観が反映された「現実」に過ぎないのだ。

これからの闘い

共通の空間が喪失しており、まともな議論が成立しなくなっている。このなかで、関係性を回復していくしかない。
7月に参議院選挙がおこなわれる。結果次第で、この3年間に改憲がおこなわれる可能性が強まる。憲法改正という点で、私は今が最大の危機と考えている。しんどい3年間になるだろう。しっかり闘っていきたい。

〈質疑応答〉

―講演では軍事侵攻と述べていたが、この事態は侵略ではないのか。
(高作)ロシアは戦争とは認めていないので、メディアは「侵攻」を使っている。それで、わたしもこの言葉を使ってしまった。内容的には軍事侵略そのものだ。侵略戦争と言ったほうがよい。
―アメリカが仕掛けた戦争ではないのか。
(高作)一面ではそのように言えなくもない。だからといって、ロシアの武力攻撃を容認する理由にはならない。
―核について、政府は朝鮮民主主義人民共和国に「核武装するな」と言い、他方で日本は「核を持てる」といっている。これは矛盾するのではないか。
(高作)おっしゃるとおりで、自己矛盾している。
―アゾフ大隊は「ネオナチ」として批判されている。ゼレンスキー政権の性格について教えていただきたい。
(高作)「プーチンにもウクライナにも問題がある」という言説がおおく出されている。だが、いろいろな側面があったとしても、本筋はロシアの軍事侵略であって、これをうすめる事はできない。これは本質をわかりづらくしてしまう。
―学習塾で高校生を教えている。生徒が「日本は戦争をしないですよね」と質問してきた。どう答えていいのか悩んでいる。
(高作)「どうなる」のではなく、「自分がどうするべきなのか」を考えることが重要。傍観者的にみるのではなく、自分が国の一員であるという意識が必要だ。
―戦争に反対する国際連帯が必要だと思う。メディアは、ウクライナの戦況を報道するだけではなく、こういう動きも報道するべきだ。
(高作)ウクライナ国内の情況はどうなのか、なかなか伝わってこない。
―改憲攻撃のなかで、これに反対するのに「護憲」ではすっきりこない。どんなスローガンがよいのか。
(高作)「護憲」は守りになってしまう。「日本国憲法を選びなおす」という内容のスローガンがよいのではないか。憲法をいじるのではなく、今の憲法のもとで、何ができるのかを考えていきたい。

(本の紹介)
中学生から知りたい
ウクライナのこと(上)
MS Live!Books

待望のウクライナ論

ポーランド史と農業史の専門家2人の共著である。学者の著作でありながら、「中学生から」とは、新しい感性の中学生から著者が学ぶという意味と思える。

ウクライナとの連帯声明

冒頭に、2人が呼びかけたと思われる京大有志の声明が掲載されている。題して「ロシアによるウクライナ侵略を非難し、ウクライナの人びとに連帯する声明」。日付は2月26日、ロシア軍の侵攻開始の2日後である。
「侵略を非難」する以外は、NATOやプーチンという言葉も、「領土」「主権」という表現もない。「困難な状況のもとで、生きるために工夫をこらし、互いに助け合いながら、平和を希求するウクライナの人びと」、「戦争に反対する勇気あるロシアの人びと」「この戦争に反対する世界のすべての人びと」に敬意や連帯を表明している。立場の違いを踏まえながら、民衆目線に立っている。

ウクライナの歴史から

17世紀ウクライナの地にコサックの自治的なヘトマン国家が成立し、ウクライナの源流になった。19世紀にはツァー専制下、ウクライナ文化とウクライナ語が確立し、近代的民族形成の出発点となった。プーチンはロシアとウクライナを同一、一体の民族として、ウクライナの民族的自立、自己決定を認めない。
プーチンはゼレンスキー政権や侵略と戦うウクライナ人をナチ信奉者、ないしネオナチという。このデマに著者は胸に刺さる非難を投げかけるべきだという。2015年の第2ミンスク合意では、クリミア併合と東部2州の「親ロシア人地区」(ロシアから送り込まれた傭兵や工作員が中心)の分離を停戦条件とした。独・仏の政権は、この時プーチンとの融和のためにこの停戦の仲介をした。これはウクライナに憲法まで改訂して領土を譲るよう強制した。1938年ヒットラーのチェコスロバキアのズデーテン地方併合要求を、ヒットラーとの融和のために認めた英・仏首相と同じである。ところが今回プーチンは、軍事占領をしたところを住民投票の見せかけすらせずにロシアへの併合を進めている。
他方、歴史上ウクライナと殺し合いを繰り返していたポーランドが民衆次元で、大量のウクライナ避難民を受け入れている。西欧への低賃金労働力や、女性の性奴隷としての売買の危険を指摘しつつも、ドイツ・ロシア両国に対してともに被抑圧民族であった両国の歴史検証と民衆レベルの連帯がここにはある。(つづく)

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