未来第３１７号目次（２０２１年５月６日発行） １面 汚染水海洋投棄を許さない 老朽原発と一体で菅が推進  宝塚市長選 中川市長後継の山崎さん当選 維新の兵庫初の首長取り阻む 重刑攻撃で組合圧殺 大阪地裁包囲デモ ２面 生活保護札幌判決 国の財政事情で正当化 強まる生活保護バッシング 高見元博 〈投稿〉 この身えぐられし者たちの魂の叫び（下） 人を追いつめる優生思想 結井 達 武建一関生委員長が語る 『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』 ３面 コロナ失策と広域一元化で墓穴 今こそ吉村・維新を倒そう 難波希美子さん能勢町議に 市長選奮闘記 維新ふりきった山崎さん 宝塚型野党共闘の力示す 川崎市 条例ふみにじるヘイト集団 ヘイトに言論の自由はない ４面 連載 #MeToo運動に学ぼう 党内性暴力事件 真の謝罪のために⑧ 石川由子 ３・２８三里塚闘争、芝山でデモ 伊方差止め訴訟 被爆２世が証言 「原爆も原発も同じ」 ３月２４日 知っておきたいワクチンのリスク 環境破壊が感染拡大招いた ―天笠啓祐さんが講演― ５面 たたかいへのアピール 福井県・国をあげての再稼働攻撃 ６・６老朽原発うごかすな！ 大集会へ 高浜４号機の再稼働弾劾 ４月１２日 緊急行動に立つ 第３８回世直し研 菅野みずえさんが講演 〈暮らしの場所〉奪った原発 ６面 沖縄現地報告 遺骨含む土砂使用に抗議 第１２期沖縄意見広告 ５月２５日締切 ６月初旬掲載 ８４歳の独り言―社会運動あれこれ① 上意下達型労働運動の末路 大庭 伸介 シネマ案内 『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』 監督：佐古忠彦 ２０２１年 |
汚染水海洋投棄を許さない
老朽原発と一体で菅が推進
福島第一原発事故によって、原発敷地内に流入した水が放射性物質に汚染され、大量の汚染水が発生している。この汚染水を多核種除去設備（ＡＬＰＳ）で放射性物質の濃度を下げて、タンクに貯蔵しているが、その量はすでに１２５万トン。
４月１３日、菅政権は、この汚染水を「海洋に放出する」という方針を関係閣僚会議で決定した。福島に住む人びとや被災者の声を踏みにじり、最も安易な処分方針を選んだ。事故の責任をあいまいにし、東京電力の破綻を救助し、再び原発を推進するものだ。福島の漁師だけではなく、日本中の漁師は「海洋放出＝投棄」に反対している。アジアの国々もこの方針に反対している。世界の人びとは、こんな政策を絶対に容認できない。
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| 福島第一原発汚染水タンク（資源エネルギー庁HPより） |
トリチウム汚染水
トリチウムは水素の同位体で、半減期１２・３年。ベータ線を出してヘリウムに変わる。しかし、汚染水に含まれているのはトリチウムだけではない。原発事故時に発生した汚染水は、ＡＬＰＳで処理しても６４種類の放射性物質が含まれる。ＡＬＰＳ処理で放射性物質はなくならない。国はトリチウムを「基準値以下に薄めれば、海洋に放出しても安全」と言うが、放出する総量にかわりはない。
福島第一原発では、すでに汚染水を海洋に放出＝投棄している。２０１１年４月、原発事故の直後、東電は意図的に高濃度放射能汚染水を海洋に投棄した。世界中から非難をうけ海洋投棄ができなくなった。また１５年９月以降、敷地内に流れ込む地下水を浄化したのち海洋に投棄している。このとき、福島の漁業関係者は、「関係者の理解なしに、汚染水の処分をしない」という約束で、苦渋の選択を強いられた。
汚染水の原因は福島第一原発事故で、責任は東京電力と原発政策を推進してきた国にある。その責任を放棄し、事故を隠蔽し、不都合な汚染水は海洋に投棄することは許されない。汚染水を貯蔵し続ける敷地は十分ある。
世界は海洋投棄に反対
現在、国は東電の株を大量に保有し、東電は実質「国有企業」だ。今回の政策決定は、この東電を救済するものだ。菅政権は「風評被害」というが、起きるのは実害なのだ。原発立地地域で白血病が多発しており、海洋投棄は日本近海だけではなく世界中の海を汚染する。アジアの国々は深刻な被害にあう。これをなくすには、すべての原発を廃炉にすればよいだけだ。核と人類は共存できない。
老朽原発うごかすな！ と一体で
政府は「原発いらない」の声を無視して、ひたすら原発推進にはしっている。福島原発事故をなかったことにし、汚染水を海洋投棄する。４０年超えの危険な老朽原発を動かすため原発立地自治体買収に１原発２５億円も投入しようとしている。 汚染水海洋投棄反対と老朽原発うごかすなを、さらに大きな声にしていき、原発のない社会を実現しよう。（５面に関連論文）
宝塚市長選
中川市長後継の山崎さん当選
維新の兵庫初の首長取り阻む
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| グータッチで勝利を確認する中川市長（右）と山崎はるえさん |
１１日投開票の宝塚市長選では、中川ともこ市長の後継の山崎はるえさんが、２万８８８５票を獲得し、肉迫した維新を２０００票弱の差で振り切り、初当選をかちとった。
戦争法や女性差別に反対し、福祉重視の３期12年の中川市政の継承をかけた選挙戦だった。初日の演説会には、中川ともこ宝塚市長、上原公子前国立市長、嘉田由紀子前滋賀県知事（現参議院議員）が勢ぞろいし、２期目の女性市長を！ と訴えた。知名度ゼロの山崎候補だったが、演説は日を追うごとに市民の心をつかみ、最終日には社民・立憲・共産・無所属の宝塚市議や、近隣の市議・県議や大阪の弁護士も応援に駆けつけ、「２７０万都市大阪には保健所が１カ所、維新ではコロナに勝てない」と訴え、国会議員を大量投入した維新候補の猛追をふりきった。
市民と野党共闘の勝利は、６月尼崎市議選、７月県知事選と維新との対決が続く野党に勇気を与えた。山崎新市長と共に、市民にオープンの市政、宝塚新時代を切り開こう。
重刑攻撃で組合圧殺 大阪地裁包囲デモ
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| 中之島水上ステージでの集会を終えて、大阪地裁包囲のデモに出発（４月１５日、大阪市内） |
４月１５日、関西生コン支部の産別ストライキに対する不当判決を繰り返している大阪地方裁判所への抗議集会と、地裁を包囲するサウンドデモ（ぐるぐるデモ）が、関生支部と各地の３００人近い支援者でおこなわれた。この間、大阪地裁は関生支部の産別ストに対して連続して不当な判決を繰りかえしてきた。昨年１０月８日には、現場にいない組合役員を「共謀した」と称して懲役２年６月・執行猶予５年の不当判決。今年３月１５日には、現場の組合役員と組合員に懲役１年６月～２年・執行猶予３～４年の不当判決を出した。そして、３月３０日には検察が武建一関生支部委員長に懲役８年の求刑をおこなっている。
労働組合活動自体を犯罪視する歴史的暴挙だ。この日、１６時半に中之島水上ステージ前に各地から仲間が結集。関生支部執行委員の呼びかけで集会が始まり、各地の支援する会・許さない会から、「目に見える闘いをやろう」（東海）、「京都地裁の不当弾圧を許さず、大津地裁で無罪判決を勝ち取ろう」（京滋）、「４月に尼崎、加古川、神戸で集会をした」（兵庫）、今後のたたかいの強化への発言がなされた。反弾圧実行委員会の小林勝彦全港湾大阪支部委員長のまとめのあと、サウンド装置を先頭にデモで大阪地裁を取り囲み、シュプレヒコールをあびせた。
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| 大阪地裁を包囲（４月１５日） |
武委員長に８年求刑
３月３０日、大阪地検は関生支部・武建一委員長に対し、大阪ストライキ、滋賀コンプライアンス事件で、懲役８年求刑という労働組合運動では類例のない重刑攻撃をおこなった。武委員長が事件に関与したという事実はない。にもかかわらず、「同じ行為を繰り返している、反省の色がない」と重刑求刑をおこなったのだ。絶対に許されるものではない。
判決は７月１３日。有罪攻撃許さず、ともにたたかおう。
２面
生活保護札幌判決
国の財政事情で正当化
強まる生活保護バッシング
高見元博
３月２９日、札幌地裁において生活保護引き下げに反対する裁判で原告敗訴の不当判決がありました。今のコロナによる貧困層、非正規雇用の生活破壊にもかかわらず、生活相談に来た人の少なからずが持ち金が数百円でも生活保護だけは嫌だという現状があります。２０１２年に吹き荒れた自民党・片山さつきやマスメディア等の生活保護バッシングや、社会を覆う自己責任論の鼓吹が影響していると考えられます。求められているのは、生きていくための生活保障です。今年の反貧困運動の呼びかけは「生きさせろ」から「生きてくれ」に変化しています。
そのなかで生活保護費引き下げに反対する裁判の判決が続いています。昨年の名古屋地裁判決では、自民党の選挙公約である生活保護費１０パーセント引下げは国民世論の支持を受けているから引き下げた厚労大臣の裁量は正当とし、「司法の自殺」と批判を受けました。今年３月の大阪地裁判決は、原油価格が高騰し物価がとくに高かった特異な年を基準点として、テレビやノートパソコンなど生活保護利用者がめったに買い替えない物の値下げの影響が大きい特殊な計算方法で、物価が大きく下っているかのように見せかけて、保護費を大きく下げたのは厚労大臣の裁量権を逸脱しているから違法だとしました。
絶対的貧困を正当化
この後に出された札幌地裁判決はどう書いたか。札幌地裁裁判官は自民党の選挙公約に従った引下げであっても、「国の財政事情を含めた～政策的判断を必要とするから」正当だとしました。また物価高騰の年を起点にしたことも「同年に物価変動要因が生じたに過ぎない」とし、テレビやノートパソコンの物価下落を指数としたことも生活保護利用者の相当数がこれら電化製品を保有しているから正当だとしました。これに対して生活保護利用者からは、ただちに「生活保護利用者はめったに新品を買ったりしない」と声が上がりました。生活保護利用者でなくても低所得者であれば家計に影響するほど頻繁にテレビやパソコンを買い替えたりしません。見え透いた屁理屈でした。
統計では生活保護の「捕捉率」、すなわち生活保護費以下の収入の人の内、生活保護を利用している人は２割しかいません。保護世帯を含む最貧困層１０％の生活実態と比べて保護費は低くないと言うのは、生活保護バッシングを正当化するものです。札幌地裁裁判官は保護利用者がどれだけひどい食生活にあろうと、「社会的に許し難い程度とまでは認められない」「酒、たばこなどの嗜好品への支出がある者もいる」と、まるで飢えなければいいように言う。住環境も「住居の基本的機能に支障があるとは言えない（屋根と壁があればいい?!）」、「電化製品の買い替えが困難」でも構わないと、「最低限度の生活は抽象的、相対的で相当程度の幅のある概念である」からと実質的に絶対的貧困、すなわち飢餓水準まで引き下げてもいいと更なるバッシングを加えたのです。
国策にたてつく判決を裁判官が書くのは、並大抵のことではない。各地裁、高裁、最高裁で勝つには裁判官が逃げられないよう世論を盛り上げるしかない。特定野党だけでは勝てません。大阪での運動はその意味で成功しました。これを広げ、続き、強めて大衆運動の力で勝利しよう。
〈投稿〉
この身えぐられし者たちの魂の叫び（下）
人を追いつめる優生思想
結井 達
人の幸不幸を誰が決めた。「不幸な子どもの生まれない運動」。金井元彦知事の下、兵庫県を筆頭に１９６６年から７２年まで１０の都道府県が打ち出したスローガン。兵庫県は６９年に不幸な子どもの生まれない対策室まで作った。出生前診断を推奨し、羊水検査でダウン症染色体等を発見したら中絶をせまったようだ。１９９６年に優生保護法から母体保護法に変る報道でその法そのものを知った。
その２年前に骨形成不全症障害当事者の安積遊歩（安積純子）がエジプトでの世界人口開発会議で「日本に今も残る悪法＝優生保護法」を紹介。この法があるがために命をもおびやかされると訴えたのだ。
しかし、私は不幸な子どもの生まれない運動のさかんな兵庫県で育った為に、自然に優生思想が刷り込まれていた。もしも私が不幸と決められた身体的特徴を持って生まれていたら親は私をどうしただろうか。
大学で障害者解放運動に出合い、私は培われたエリート思考の道を歩むよりも別の価値観の中で生きることに惹かれた。しかし己の解放どころか内罰化が始まった。
就学免除という排除を食らわされ社会から断絶された障害者親子への在宅訪問活動に加わると、いよいよ私の内罰化は加速した。私は障害当事者より母親に感情移入してしまうのだ。母親の魂の叫びが胸にぐさりと来る。
母親に介助の負担を減らしてこそと在宅訪問すれば、進んでトイレ介護、お風呂介護などをした。「今日は〇〇（身体障害者）は生理だからぼぼたん（性器部）きれいに洗たって（あろたって）」と、信頼を寄せてもらえると率直に介護指示もされた。「こんなん（生理）なかったらええのになあ。なんもでけぇんかたわやのにイッチョマエに生理だけあんねん。はぁ、めんどうやわ。（性器）とってもうたらええのにな」。ナプキンだとかぶれるからと、綿しかも日本製にこだわっていると、布を当てがう母親にそんなことを言われて当事者はどう思うか。硬直がひどく自分の生理の血や下半身さえを、まじまじと見たこともないかもしれない。私がこの母親ならばこんな感情をわが子に抱いてしまうだろうなあとも思った。障害当事者の苦しみの深さをわかっても、健常者、おんな、母親にシンパシーを抱いてしまう私。
障害を持つ我が子を殺した母親の減刑を求める声は社会に上がった。母親がそこまで追い詰められたのだと。しかし待てよ。追い詰めたのは誰だ。あなたや私の中にある優生思想だ。国が個人の感情や尊厳よりも人間に優劣をつけ、命の選別までをも推し進めたからだ。
もうやめよう。くすぶる差別の火を消そう。広がる社会を誰もがのびのびとイキイキと生きる未来をあなたと作って歩んでいきたい。（おわり）
武建一関生委員長が語る
『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
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類例を見ない労働組合弾圧
ストライキ、ビラ配り、コンプライアンス（法令順守）活動など、憲法２８条で保障されている当たり前の労働組合活動が、「威力業務妨害」や「恐喝」「強要」だとされ、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部執行委員長・武建一さんは今回の弾圧で６回も逮捕され、６４１日間勾留された。副委員長・湯川さんは８回も逮捕され、関生支部の組合員や関係者は延べ８９人も逮捕された。
国策による労働組合潰しを狙った戦後最大規模の弾圧である。国家の方が憲法・労組法を侵しているのであり、「関生支部への弾圧は歴史を百年逆行させるもの」だ。背景には、パートナーであった大阪広域協同組合の変質がある。
武さんは勾留中読書に没頭し７００冊以上を読み、十分養分を得て反撃の準備もできたという。２０２０年５月末に保釈されて１２月にこの本を出版した。すごい人である。関生支部の活動の本当の姿と今回の刑事弾圧の真相を知って欲しいと書かれたものだ。
武さんは徳之島出身で、１９６１年に１９才で大阪の生コン会社に就職。当時は決められた休みは正月３日間のみ。タコ部屋の過酷な労働の中から翌年本物の労働組合が誕生すると、会社はヤクザを引き入れジャックナイフを手にして脱退を迫る。
６５年全自運傘下の関西生コン支部が５社の労組１８３人で発足。産業別労働組合の誕生だ。武さんは２３才の若さで委員長になる。その後も会社の雇ったヤクザとの闘いは続き、関生の組合員２人が殺され、武さんもヤクザに拉致・暴行され５回も殺されかけた。ヤクザの暴力に屈せず試練に堪えた労働組合であることに敬服する。権力の大弾圧は今回が３回目である。
「中小企業の協同組合化」
関生支部は、背景資本へのたたかいをおこない、労使関係を有する全企業との「集団交渉」を実現させ、業界全体の賃上げや待遇改善を次々勝ちとっていく。
７５年から関生支部は、中小零細企業と「対大資本」の面で手を結んでたたかう労使共闘をとる。中小企業は、「小なりとも資本」であるが、大資本からは収奪される側であると捉える。この時から関生支部は「中小企業の協同組合化」を提案している。中小零細企業が団結し、自主性を持ち、採算のとれる生コン価格を設定するために協同組合が必要だ。
生コン業界は各地で協同組合を組織し、共同受注・共同販売によって、業界の健全化をはかっていく。これは力関係で圧倒的に有利な立場にあるゼネコンとの間で対等な関係を築くためである。個社がバラバラに受注合戦をおこなうと、生コンは値崩れをおこし品質に影響が出てくる。粗悪生コンが流通すれば、建造物の安全性まで損なわれる。
関生支部はアウト業者に協同組合への加入を働きかけていく。２０１５年には生コン業者の大同団結ができ、大阪広域協組は大阪府下でほぼ１００％の組織率を達成する。
生コン価格は上昇し生コン業者は大幅利益となる。しかし大阪広域協組は、輸送運賃値上げ、非正規雇用労働者の正社員化の労使協定を結んでおきながら履行しない。協定履行と協組民主化を求め、１７年１２月関生支部が全港湾大阪支部と共に無期限ストライキをたたかうと、大阪広域協組は「関生支部を業界から一掃する」としてレイシストと手を組んで組合潰しに乗り出した。武さんは「協同組合とは、相互扶助の精神で成り立っているが、その理念は消え去り、一部の幹部の私欲によって協組が利用されるようになった」と批判する。
産業別労働組合
「産業別労働組合は、個社の利益よりも業界全体、社会全体の利益のためにたたかう。労働組合は社会的な存在だと思っているからだ」「国家権力や大資本が本当に恐れているのは、労働組合が中小企業を巻き込み、弱者連合としての労使共闘を成立させ、業界、社会に大きな影響力を持つことだ」と言う。
関生支部は、建物の安全性に責任をもっている。生コンの品質向上に務め、シャブコン追放、現場でのコンプライアンス活動をおこなう。「マイスター塾」という学校も開き、教育を怠らない。「共に生きていく」という協同主義がある。未来社会を切り開く労働組合だと思う。関生支部と連帯してたたかい、不当弾圧を必ずうち破っていきたい。（花本 香）
旬報社 １５００円＋税 ２０２０年１２月
３面
コロナ失策と広域一元化で墓穴
今こそ吉村・維新を倒そう
４月１０日、大阪市内で「広域一元化条例いらん！ 御堂筋デモ」に１００人近くが参加した。主催は〈戦争あかん！ ロックアクション有志〉（写真）。
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住民自治への冒涜
集会ではロックアクション共同代表の山下けいき茨木市議が「２度にわたる住民投票で市民が民意を示したのに、条例一つで住民投票の結果をひっくりかえす、これは住民自治に対する冒涜だ」と維新に対する怒りを込めて発言。〈どないする大阪の未来ネット〉馬場徳夫さんは「一元化条例によって大阪市の財政が奪われ大型開発に回されていく。こんなことが一元化条例でやられる。今後、事業ごとに決定されるが、大変なことになる」と問題提起。
市民の新しい運動
大阪・市民交流会の永島たきさんは「維新は住民投票の結果に従うと言っていたのにそれを踏みにじった」「一元化条例に反対するためアイデアを出しあい、カンパを集め、実に６１万枚のチラシを大阪市全域に配布し、ポスティングや街頭宣伝も毎日してきた。公明党議員にも電話アタック。運動する仲間ができた」。市民交流会の石田さんは「数の暴力の維新に私たちの運動が負けられない」「自分の頭で考え、自分の足で立ち、自分で行動する、そういう市民の新しい運動が生まれてきた。政策にドンドン参加し、議会をチェックし、政治を身近なものにしていきたい」と語った。
危ないデジタル監視法案
また、元大阪府立高校教諭のＳさんが維新による大阪の教育破壊を批判。管理・監視社会化に反対する大阪ネットワークの木村真さん（豊中市議）は、デジタル監視法案の危うさに警鐘を鳴らした。「法案には個人情報保護は一言もない、これが可決されると国が個人情報を丸裸にし選別と排除がおこなわれていく」。
難波へのデモでは、「お富さん」の替え歌〝死んだはずの都構想〟が歌われ、「大阪市乗っ取り許さん」「ぼったくり一元化条例いらん」等とみんなでコールした。
難波希美子さん能勢町議に
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4月１８日投開票の大阪府能勢町議会選挙で、ロックアクションなどの先頭でたたってきた難波希美子さんが当選した。難波さんは３・１１福島原発事故を契機に市民運動に参加。昨年秋は「都構想」反対の先頭に立ち（写真上、前列右から２人目）、今次町議選に勝利した。
市長選奮闘記
維新ふりきった山崎さん
宝塚型野党共闘の力示す
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| 勝利にわく選挙事務所（４月１１日） |
４月１１日投開票された兵庫県宝塚市長選は、前市長・中川ともこさん後継の新人山崎はるえさんが初当選しました。私は退職前の職場が宝塚だったので、主にポスティングと運転手をし、選対会議のメンバーは４年前と変わらず気心の知れた人が多く楽しくやれました。特に選対委員長の大槻信夫さん（元自治労県本部委員長）は良い意味の親分肌で、この人に頼まれると断れないのです。
さて今回の選挙の勝利の要因は何だろうか。まず候補者が良かった。全く無名の新人だが、そのかわり政党色が無く新鮮だった。前市長より２０歳ほど若く、各種集会は子ども連れのママたちが参加、無党派層に受けたと思う。もう一つは中川市政３期に及ぶ強固な野党共闘の存在だろう。１期目は民主党系が別の候補者を出し中川さんに敗北、それ以来中川市長を支持。社民党・共産党と３党の完璧な野党共闘になった。私が運転した車にも立憲民主党、共産党、社民党など各市の県会議員や市会議員が一緒に乗って交互にスピーチ。日頃は共産党議員とは余り話した事がないのだが、市内の細い道やスポット場所をよく知ってることに感心しました。
この選挙を通じて思ったのは維新勢力の浸透力だ。３野党が一丸となってやっと維新と対等に闘えるという現実がある。兵庫県東部の阪神間には大阪通勤の人も多く、維新を好意的に取り上げる夕方の報道番組もあり、帰宅してから政治の話は大阪（維新）との比較が話題に。宝塚市長戦のさ中にも、コロナ対策で評判の悪い井戸県知事に代わり維新系の候補を自民党右派県議たちと連携し、７月兵庫県知事選に立てる策動も判明。維新にとって兵庫で初めての市長をとる悲願を、野党共闘が打ち砕いたのです。
あと中川市長の後継者選びのうまさです。聞くところによると最初は断られると、「すぐ受ける政治的野心のある人はダメなのよ」とか、「後継と言われても自分流でやっていいの」とか、粘り強く説得して山崎さんに立候補を決意させたらしい。さすが長く政治家をされた中川さんの力量だと思います。
最後に私はこの３、４月に２つの大きな勝利を体験しました。３月の神戸市議会での辺野古新基地問題の意見書可決（昨年署名締め切り前に、神戸市灘区で新社会党の人たちと連日署名集めをしたことが結実）と、今回の宝塚市長選勝利です。左派の運動の世界でこんなことはめったにないことで、だからもっと多くの仲間にこのようなたたかいには参加してもらいたい。私の周りでも、心の中では、「どうせ負ける」とか、「反対することに意義がある」と思っている人がいると思うが、これでは運動は広がらないと思う。そしてこの勝利をさらに強め、維新との対決がさらに強まる、来る７月の兵庫県知事選や、衆議院議員選挙で、野党候補の当選をかちとっていこう。（和泉健一）
川崎市 条例ふみにじるヘイト集団
ヘイトに言論の自由はない
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| ヘイト集団をとり囲む川崎の市民（４月１１日） |
ら致被害者まで使うヘイト集団
「憲法を守れ！ 言論の自由を守れ」、「日本人差別反対」、「川崎市民を弾圧するヘイト条例 罰金５０万円」というボードを掲げたヘイトメンバーが騒いでいる。レイシストたちは、「横田めぐみさんこそセックススレイブ性奴隷だ」というプラカードを掲げていた。あえて横田さんの母が住むこの川崎の街に来て、こうしたプラカードを４時間もさらしつづけていた。これは「拉致被害者を取り戻す」かのように装って、横田めぐみさんを侮辱し、さらに日本軍「慰安婦」とされた被害当事者を、二重三重に蹂躙するものだ。
こんな愚劣なヘイト行動を目の当たりにした日本軍「慰安婦」問題を取り組む川崎のメンバーは、「拉致問題をヘイトに悪用するばかりか、横田さん『こそ』という言葉を使って日本がおこなったアジアの女性たちへの戦時性暴力の歴史を否定し、被害の訴えをうそつきとおとしめている」と批判して、「ヘイトをやめよう」のリーフを手渡し、通行する市民に訴えていた。
４月１１日、ＪＲ川崎駅前に、差別者集団「日の丸街宣倶楽部」があらわれ４時間にわたってヘイトスピーチを続けた。この団体は、元「在特会」の桜井誠が党首である「日本第一党」の党員でつくられた差別扇動の団体だ。それに対抗するカウンターのグル―プが「帰れ」のコール、そして〈ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク〉は、「ヘイトスピーチ差別はＮＯ」、「うんざりです。差別を拡散するのは、もうやめてください」などのチラシの配布と署名、マイクリレーをおこなった。この行動には市内で運動する各グループはもちろん、市外からも多くの市民がかけつけていた。時には「こぜりあい」もあって駅前は騒然。
さらにそれらを取り巻いて多くの神奈川県警の制服・私服が右往左往しているのだが、何を警備しているのかは定かではない。確かに、警察は市条例の施行後、私たちの行動を直接抑制することはなくなったようだ。
ヘイトグループは、「日本人差別に反対する」「川崎を左翼と在日朝鮮人から取り戻す」として市長選挙に出ると言い、さらに「北朝鮮の日本人拉致や韓国の竹島強奪を批判すると、ヘイトスピーチと因縁をつけられ罰金５０万円を課せられる川崎市ヘイト条例」などと彼らの「新聞」に書いている。むろんまったくのデタラメ。そして「ヘイトスピーチ」に言論の自由などありえない！
もちろん、こんな愚劣な行動が市民に認められるはずもありえない。この日、通行するいつもより多くの市民が私たちのチラシを受け取ってくれたと感じられた。
罰金つきの反ヘイト条例をふみにじる行為
昨年７月、「５０万円以下の罰金」付きという全国初の「反ヘイト条例」が川崎市で完全施行となった。しかし、条例施行後にも、「差別が止まっていない。市に実効性ある執行を求める」とし３度目の署名運動が始まった。実際には、川崎市内でのヘイト街宣は条例制定前より逆に多くなっているのが現実だ。そしてヘイトスピーチのやり方を変えてきている。「条例」をかいくぐるような「工夫」したヘイトスピーチをおこないだした。
他方で３月には運動の拠点である桜本にある「市ふれあい館」の在日３世（館長）に対して、「薄汚い朝鮮人」「出ていけ」、「死ね」という言葉を１４回書き連ねた差別脅迫文書が送り付けられている。条例をつくりながら動きが遅い川崎市当局もさすがに、この脅迫文に対して「決して許されない。強く非難する」と福田市長が述べた。市の実効性ある対応を私たち市民がつくり出さなければならない。
差別者集団「日の丸街宣倶楽部」らは、民家を借りアジトとして全国から差別者を集め、川崎市長選という政治活動を装い、市内をヘイト街宣し、差別ビラをポスティングしている。また衆院選（比例東京）に出ると言って都内まで回っている。絶対に許せない。川崎・首都圏の市民でこんなヘイトを一掃していこう。（深津利樹）
４面
連載
＃Ｍｅ Ｔｏｏ運動に学ぼう
党内性暴力事件 真の謝罪のために⑧
石川由子
読者から学習文献があれば紹介してほしいという声が上がっている。何冊か紹介したい。
レイプ被害関連
『なぜ、それが無罪なのか!? ―性被害を軽視する日本の司法』 伊藤和子 ディスカヴァートゥエンティワン ２０１９年 日本の司法においては加害者が裁かれるのではなく、被害者が男性関係や服装など問いただされ裁かれている。ここまでひどい事件でも無罪になるなんて。読者は怒りに怒ること必至。こんな刑法は改正されて当然である。性加害に関する日本の刑罰の軽さは女性差別の深刻さの反映である。２０１９年版であることに注意してください。
『１３歳「私」をなくした私 性暴力を生きることのリアル』 山本潤 朝日新聞出版 ２０１７年 実父からの性暴力を受けていた筆者の苦悩、立ち直りの過程が描かれている。あまりの衝撃に読み続けることが苦しくなる。彼女は被害によるトラウマで彷徨の後、看護師として同じ被害者の支援に立ち上がっている。性被害にあった人への支援の仕方などきちんと説明してくれている。
『BlackBox』 伊藤詩織 文芸春秋社 ２０１７年 著者は自分の本名と顔を公開してレイプ被害を告発し、日本版MeToo運動の先駆けとなった。本書はその戦闘宣言。加害者は安倍首相のお抱え記者で逮捕状は差し止められたため民事訴訟に訴えるしかなかったが見事勝利した。
ドメスティック・バイオレンス関連
『バタードウーマン 虐待される妻たち』 レノア・Ｅ・ウォーカー 金剛出版 １９９７年 ＤＶ被害者からの聞き取りにより「暴力のサイクル論」「被害者の強いられた無気力」などを告発した今や古典ともいうべき力作。アメリカの状況ではあるが日本の状況も全く同じである。「暴力サイクル論」はあらゆるＤＶ関連の本に、必ずと言っていいほど登場する。
モラルハラスメント関連
『家庭モラルハラスメント』 熊谷早智子 講談社 ２０１４年 筆者はモラハラ夫の支配から脱出したサバイバー（生きぬいた人の意）。家庭という密室の中で夫からの支配に苦しむ様子がつぶさに語られる。心が痛くなる。
『立ち直りへの道 ＤＶ加害者カウンセリングの試み』 松林三樹夫 エイデル研究所 ２０１９年 筆者は元教師。ＤＶや性加害などの加害者対策は遅々として進まないが、男性である筆者はこの現状に問題意識をもち退職後カウンセラーとなった。加害者を対象化して彼らの心の傷を探り、根深い女性差別意識の克服を迫る。必読。
『ドメスティック・バイオレンス 男性加害者の暴力克服の試み』 草柳和之 岩波ブックレット№６２９ 岩波書店２０１５年
女性の貧困関連
『下層化する女性たち 労働と家庭からの排除と貧困』 小杉礼子 宮本みち子 勁草書房 ２０１５年
『ルポ 賃金差別』 竹信三恵子 ちくま新書 ２０１２年 女性労働者の家族依存モデルが女性を貧困に追いやっている。コロナ禍で今や明らかになった女性の貧困を可視化した。
海外フェミニスト関連
『99％のためのフェミニズム宣言』 シンジア・アルッザ／ティティ・バタチャーリャ／ナンシー・フレイザー／惠 愛由訳 菊池夏野解説 人文書院 ２０２０年 『家事労働に賃金を ～フェミニズムの新たな展望』 マリアローザ・ダラ・コスタ／伊田久美子 伊藤公雄訳 インパクト出版会
その他
『魂の殺人ー親は子どもに何をしたか』 アリス・ミラー／山下公子訳 新曜社 １９８３年 親のしつけや教育という名の暴力をふるう。それは子どもにぬぐいがたい傷となって一生涯苦しめる。こちらも今や古典となっている名著。
３・２８三里塚闘争、芝山でデモ
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| 発言する市東孝雄さん |
３月２８日、千葉県成田市天神峰の市東孝雄さん宅の庭で、三里塚芝山連合空港反対同盟主催の集会が開かれ２８０人が参加した。集会後、第三滑走路が作られようとしている芝山町内をデモ行進した。
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| 車で移動し、柴山町内をデモ行進（３月２８日） |
伊方差止め訴訟 被爆２世が証言
「原爆も原発も同じ」
３月２４日
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四国電力伊方原発３号機の運転差止などを求める伊方原発広島裁判本訴第２２回口頭弁論期日が、３月２４日に広島地裁（大森直哉裁判長）で開かれた。
午後１時４０分、広島地裁へ乗り込み行進がおこなわれた。「福島原発事故後１０年 これから日本を覆うセシウム１３７の内部被曝被害」と大書された横断幕が見える。午後２時からの進行協議（非公開）のあと、午後２時３０分に開廷。第７陣原告の嶋末和子さんが原告意見陳述をおこなった。
午後３時から開催された記者会見・報告会（広島弁護士会館３階大ホール）は、リモートでも開催され、原告側提出準備書面の解説、原告意見陳述の再現、質疑応答などがおこなわれた（写真）。
原告側は「ＳＡ（シビアアクシデント）対策」（重大事故対策に関する被告四国電力の反論に対する再反論）及び「火山」（火山問題に関する被告反論に関する再反論及び補充）の２通の準備書面を裁判所に提出している。
一方、被告の四国電力側は、準備書面「1号機及び２号機について」をやっと提出した。
記者会見・報告会では、弁護団から準備書面の解説がおこなわれた。
原爆も原発も同じ
原告意見陳述書を読み上げた嶋末さんは広島原爆被爆２世で、家族・親戚に２人の爆死者と、２人の被爆者健康手帳所有者がいる。意見陳述では「大量の死の灰を生み出すという点では原爆も原発も全く同じもの。死の灰を大量に生み出す伊方原発の運転を差し止めて欲しい」と訴えた。
次回第２３回本訴期日６月２日。（松田 忍）
知っておきたいワクチンのリスク
環境破壊が感染拡大招いた
―天笠啓祐さんが講演―
（承前）また、新型コロナワクチンで抗原を接種部位に長くとどめるためのアジュバンド（免疫反応増殖剤）が必須で、広く用いられるのがアルミニウム化合物。これは組織破壊を起こすので、疼痛、腫脹（はれ）、発赤（熱）などの局所反応が起きる頻度が大きい。
新型コロナウイルスはなぜ拡大したか
いまの政策や社会のあり方が拡大をもたらした。ウイルスや細菌といった微生物敵視政策、官民挙げてワクチンや抗ウイルス剤の開発にまいしんし、ワクチンで対抗するといったあり方が、人びとの持つ病原微生物への抵抗力を奪ってきた。経済効果が大きいガンなどの生活習慣病に政策の軸がおかれ、感染症が軽視され、保健所をへらすなどの公衆衛生軽視政策が結果的に社会的弱者に容赦のない仕打ちをもたらしている。
環境破壊が新型感染症拡大を招いてきた。エイズ、エボラ出血熱、西ナイル熱などは熱帯雨林の破壊が原因と言われている。経済効率が招いた人畜共通感染症としての高病原性鳥インフルエンザ（鶏を動けない窓のないゲージで飼育する）、人間が草食の牛に肉骨粉を食べさせたことが原因となったといわれるＢＳＥ（牛スポンジ状脳症）。新型ウイルスについてＷＨＯの見解では、キクガシラコウモリ由来のＳＡＲＳウイルスと由来がわからない他のコロナウイルスが、野生生物の体内で混合した可能性を指摘している。
ワクチンの種類
新型コロナウイルスで開発が進められているワクチンは、①従来型ワクチン（ウイルスそのものを接種する）では生ワクチンと不活化ワクチンだが、他に②遺伝子組み換えで作るワクチンや③遺伝子を体内に入れ、体内で抗原を作らせるワクチン（これが今の開発の主流になっている）がある。遺伝子を体内に入れ、体内で抗原を作らせるワクチンの問題点。１．開発優先で安全性が軽視されている。臨床実験は段階をふんでおらず、人体実験そのものである。これは最先端の医療技術での人体実験を禁じたヘルシンキ宣言（ナチスの人体実験への宣言）に反する。 ２．ワクチンの有効性そのものに疑問がある。変異株の出現の可能性もある。免疫疾患の可能性など。 ３．人間の遺伝子操作であり、遺伝物質が生殖細胞に移行すれば、人間の遺伝子改造につながりかねない、などである。
どうすればいいか
地球環境を守ること。バイオテクノロジー応用の抑制（ゲノム編集を抑えなければならない）。公衆衛生を充実、重視すること。微生物敵視社会から転換し、自然に免疫力を高めること。
質疑では、ワクチンは必要なものもあるが、意味のないものもある。メリット・デメリットは現在進行形で評価できない。メリットデメリットのバランスがない遺伝子操作の危険。安全性と有効性のバランスが変だ。次世代への影響などが提起された。
５面
たたかいへのアピール
福井県・国をあげての再稼働攻撃
６・６老朽原発うごかすな！ 大集会へ
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| 福井県高浜町内を元気にデモ行進（３月２０日） |
老朽原発美浜３号機、高浜１、２号機の福井県議会、福井県の地元同意をめぐって、情勢は激しく動いている。２月県議会は、地元同意の判断を出すことができないまま会期を終了したが、４月６日、杉本達治知事は、県議会議長と面談し、経産省が老朽原発美浜３号機と高浜１、２号機について、２５億円計５０億円の交付金を上乗せするという条件を提示したと説明し、速やかに同意について検討することを要請した。議長は「（５０億円の交付を）一歩前進｣と述べた。次の６月定例会を待たず、全員協議会を開いて、地元同意を推し進めようとしている。 福井県や県議会に対して、「地元同意をしないで」という要請はがき、ＦＡＸ、電話などが殺到しており、また、議会に対して、請願や陳情が多数よせられている。５０億のカネで、福井県や、関西・東海地方に住む人々を売ろうとすることは許せない。「県は地元同意するな」の声をさらに大きく上げていこう。
避難計画のない原発稼働は不可
― 水戸地裁判決
３月１８日、水戸地裁は、老朽原発＝東海第二原発に「避難計画の不備」を理由に運転差し止め判決を出した。東海第二原発は３０キロ圏だけでも９６万人が生活しており、３０キロ圏以外でも避難が必要になることを考えれば、避難が到底不可能なことは一目瞭然であり、水戸地裁の判決は当然である。若狭にある原発については、「避難計画｣は立てられているとしている。問題は避難計画の実効性である。若狭地方は海と山に囲まれ、基本的に東西につながる道路は国道２７号線と舞鶴若狭道だけである。２７号線は海沿いを走り、道も狭く途中トンネルが多い。舞鶴若狭道は高速道路といっても片側1車線であり、カーブやトンネルが多く緊急事態に対して、避難道路としては全く不十分である。 さらに若狭から滋賀県や京都府に通じる道も限られている。かつて若狭を訪れた福島・双葉町の井戸川元町長は、福島と比べてもあまりの悪条件に「若狭では避難など絶対できない｣と絶句していた。しかも美浜原発から３０キロ圏内に琵琶湖がある。「琵琶湖は避難できない」のだ。琵琶湖の汚染は関西１４５０万人の飲料水＝生死に直結することになる。 また京都駅や大津駅が若狭の原発から６０キロほど、大阪駅で９０キロほどである。ＵＰＺ３０キロだけが問題なのではない。風向きによって関西圏１４５０万人の避難ということを考えれば、避難など絶対不可能である。また、高浜原発の西に位置する京都府舞鶴市などは地元同意の対象外とされ、避難計画さえ、十全には計画されていない。 このように若狭の原発については、実効性のある避難計画はないに等しいといわざるを得ない。そもそも避難を前提としなければならないような危険物＝原発は、存在してはならないのだ。
４０年超え原発稼働に政権が全力
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| ２０年９・６大集会（大阪・うつぼ公園） |
このかん美浜３号機、高浜１、２号機について、一民間企業の「発電｣という営利事業に対して、経産省・資源エネルギー庁・内閣府の再稼動に向かっての突出した動きは異常としかいいようがない。これは、日本の原発が遅かれ早かれ４０年を迎えようとしている中で、彼らにとって４０年超え運転が絶対避けて通れない課題になっているということである。特に、高浜１、２号機は２１年６月９日に、美浜３号機は２１年１０月２５日に特重施設完成期限が来る。仮に地元同意を得て再稼動できたとしても、高浜は６月、美浜は１０月には特重施設の期限が来る。特重施設については「対テロ」を理由にして一切の情報が秘匿され、どのような工事をおこなっているのかを含めて秘密とされ、明らかにされていない。高浜、美浜の特重施設が完成しているかどうかも明らかにされていない。完成していなければ、仮に高浜原発１、２号機や美浜３号機が再稼働しても、２１年６月には高浜原発１、２号機が、１０月には美浜３号機は強制的に止まることになる。
にもかかわらず、４０年超え運転に固執するのは、たとえ１カ月でも４０年超え運転を実現したという実績を必要としているからだ。逆にいえば、美浜３号機、高浜１、２号機の再稼働を止めれば、原発全廃の道を切り開くことにつながる。少なくとも２１年６月、１０月まで再稼働を止めれば、日本の原発は大きく廃炉に向かって、進むことができる。
老朽原発うごかすな！ 実行委員会が来る６月６日、「老朽原発うごかすな！ 大集会inおおさか」を呼びかけている。老朽原発再稼働を許すのかどうかぎりぎりの決戦である。うつぼ公園を埋め尽くし「老朽原発うごかすな！」の叫びを大きくとどどかせよう。大結集を訴える。
※ＵＰＺ 緊急防護措置を準備する区域
（仰木 明）
６・６老朽原発うごかすな！ 大集会inおおさか
とき：６月６日（日） 午後１時
ところ：大阪市西区・うつぼ公園
主催：老朽原発うごかすな！ 実行委員会
高浜４号機の再稼働弾劾
４月１２日 緊急行動に立つ
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関西電力は４月１２日の夜、定期点検で止まっていた高浜原発４号機の再稼働（原子炉起動）を強行した。当初、４月初旬にも起動するとしていたが、放射能漏れトラブルを起こし、起動が延びていた。
この日、老朽原発うごかすな！ 実行委員会が呼びかけた緊急抗議行動に地元福井をはじめ、関西一円から３０人を超える人々が集まった。
１１時４５分、高浜原発の北３百メートルの所にある音海展望台に集まり、原発の北ゲートに向かってデモ行進。
先ほどまで開いていたゲートは２重の鉄柵で閉じられ、ガードマンが並んでいる。道路の反対側に陣取って、抗議行動が始まった。参加者は、高浜４号機の起動に反対する抗議の声をあげ、関電を弾劾した。また、老朽原発（高浜１・２号機、美浜３号機）の再稼働について、福井県が５０億のカネと引き換えに同意しようとしていることに怒りの声が上がった。
関西電力は、抗議団が引き上げた後、夜になって４号機を起動させた。これで、若狭にある関電の原発は、大飯原発４号機、高浜３・４号機が動いたことになる。許せない。絶対屈せずに、すべての原発の廃炉を勝ち取るまでがんばろう。
第３８回世直し研
菅野みずえさんが講演
〈暮らしの場所〉奪った原発
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３月２２日、第３８回世直し研究会がひらかれ「３・１１」で福島県浪江町から兵庫県に避難した菅野みずえさん（写真）が、「〈忘れない〉の先へ」というテーマで講演した。菅野さんは、①浪江町にある我が家の現状、②福島第一原発の現状、③福島の現状、④避難者の現状、などを報告した。
菅野さんは、「最近、〈福島を忘れない〉という言葉が湯水のようにあふれていますが、福島は〈過ぎ去ったこと〉として使われています。しかし原発事故は終わっていない。この１０年は〈始まったばかり〉なのです」「わたしたちは〈ふるさと〉を失くしたのではありません。なつかしんで使う〈ふるさと〉でなく、そこに日常があった〈暮らしの場所〉をなくしたのです」と語り始めた。
事故前に菅野さんが暮らしていた地域は、特定復興再生拠点区域に入っている。除染がおこなわれ、いずれ帰還も可能になるとされる。菅野さんはこの家にもどらないで、母屋以外はすべて取り壊すことを決断した。「取り壊すためには、登記や相続などの手続きが煩わしい。取り壊したくても、取り壊せない人々が出てきている」。
今年２月におきた地震で、住民がいちばん心配したのはフクイチのこと。「物は壊れたが、いちばん怖かったのはフクイチだった」と、みんな口々に語っていたという。
飯舘村の長泥地区では、再生利用実証事業と称して、国は除染しない田畑に花や野菜を植えて、食物に含まれる放射線量をはかる実験を始めている。一方で、政府は食品に含まれる放射性物質の基準値を引き上げようとしている。「これらは汚染の事実を隠蔽するために使われるのではないか？」。
福島では、放射能汚染木材を利用するバイオマス発電所が民間企業によって造られている。森林除染する際に伐採される木や、家屋を解体した際に出てくる廃材が使われるのだ。菅野さんは、「さらに被ばくが拡大されるのでは」と心配し「周辺で猪がたくさん死んでいます。こんなことは、事故前にはなかった。浪江町では、死んだ猪を焼却するために、専用焼却炉が造られている」「２０１３年頃から、知り合いがたくさん白血病で亡くなっています。原発事故のとき、農家は果樹の木を高圧水で除染したが、木の下にいた女性たちはこの水を浴びた。この被ばくが原因だと思っています」。
最後に、菅野さんは「わたしは福祉労働者として、労働組合で戦争に反対してきた。しかし、原発反対は、諸要求のひとつでわが身の問題になっていなかった。原発事故は遠くはなれた原発立地地域の問題ではありません。身近な自分自身の問題なのです。原発事故を体験した私はこれを伝える役割があります」と語った。
核をこの世界からなくすまで、ヒロシマ、ナガサキと同じように、われわれはフクシマを語り継いでいかなければならない。
６面
沖縄現地報告
遺骨含む土砂使用に抗議
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| 更に工事が進む辺野古（４月１７日） |
３月２６日 沖縄戦遺骨収集ボランティア〈ガマフヤー〉代表の具志堅隆松さんは県庁を訪ね、戦没者の遺骨が眠る沖縄島南部の土砂を、名護市辺野古の新基地建設に使わせないよう求める署名３万２８００人分を提出。署名は３月１日から２５日までに、全体で４万７６４８人分集まっている。
県は、糸満市米須の鉱山開発にかかる業者から提出された届出を受理し、４月１６日までに開発を制限するかどうか判断をしなければならない。豊見城市議会（定数２２）は２６日の３月定例会議最終本会議で、与党が提出した「沖縄戦の戦没者の遺骨を含む可能性のある土砂を埋め立てに使用しないように求める意見書」を賛成少数で否決した。（与党の共産含む８人が賛成、野党系含む９人が反対、退席４人）。この間、同様の意見書が否決されるのは県内自治体では初めて。
名護市議会は３月２５日閉会。これにより、県から名護市長に名護市辺野古の新基地建設の設計変更申請に伴う意見書照会が、２６日期限を迎えた。昨年１２月市議会で市長意見書（作業ヤードの用途変更に「異議なし」で、〈軟弱地盤については一切触れず〉）が否決された後、意見書の再提出が注目されたが、市長意見書の再提出はなく、名護市の意見は反映されないことが決まった。
２９日 沖縄防衛局は辺野古新基地建設の、工区「２―１」のかさあげ（３・１ｍから４ｍに）の土砂投入を開始。工区「２」では護岸の構造物の作業が終了。ゲート前からミキサー車の搬入が減り、車両搬入は半分の百台程度になった。
４月３日 沖縄戦戦没者の遺骨が残る可能性のある土砂を、埋め立てに使用しないように求める意見書を豊見城市議会が否決したことを受け、根差部のトマト農家・金城博俊さんが市役所前で座り込みの抗議を始めた。金城さんは市議会に同様の意見書の可決を求める署名も募った。
８日 豊見城市役所前で３日から始まった座り込みの最終日に、夕方公務を終えた山川仁市長が金城さんを激励に訪れ、「政治が間違った時に市民が声を上げるのは大事だ、金城さんが一石を投じてくれた」とねぎらった。署名は６日間で２１７８筆。野党議員は「抗議を重く受け止めている。全会一致に努力する」と応えた。
１３日 県はコロナウイルス感染拡大防止の「まん延防止等重点措置」を４月１２日から５月５日まで実施することを決定。オール沖縄会議は県の決定に従い、１３日から５月５日まで抗議活動を中止（監視行動はおこなう）。
１５日 県議会は沖縄戦戦没者の遺骨などが混入した土砂を埋め立てに使用しないことを政府に求める意見書を全会一致で可決した。
１６日 県は、糸満市米須の土砂採掘を巡り、業者に対し採掘禁止は見送り、自然公園法に基づく措置命令を出す方針を発表。具志堅隆松さんは「遺族の声が反映されてない」と失望感をあらわに。
１７日 辺野古の埋め立ては工区「２」では護岸内の海面がほとんど見えない状態まで埋め立てが進んでいる。防衛局は工区「２」についても今後、かさあげ（３・１ｍから４ｍに）の土砂投入をおこなう予定だ。（杉山）
第１２期沖縄意見広告
５月２５日締切 ６月初旬掲載
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安次富浩ヘリ基地反対協共同代表や武建一関生支部委員長ら２１人の全国世話人の呼びかける「沖縄意見広告」が、今年も６月初旬に掲載される。毎年５～６月に沖縄紙や全国紙に掲載され、大きな反響を呼んできた。第１２期の締め切りは５月２５日。振込用紙は『未来』編集委員会でも扱っている。
８４歳の独り言―社会運動あれこれ①
上意下達型労働運動の末路
大庭 伸介
１９７５年１１月２６日から８日間、日本中の国鉄（現ＪＲ）の線路が赤くサビつき、郵便局は滞貨の山が天井に届きそうになった。労働者がストライキに立ち上ったのだ。
アメリカ占領軍の指令で１９４８年、官公労働者はスト権を奪われた。それ以来、スト権奪還は官公労働者の悲願になった。彼らは職務規定を最大限忠実に順守する順法闘争で、サボタージュと同じ効果を上げる戦術でたたかった。
１９７３年の強力順法闘争は、首都圏の出勤時の交通網をマヒさせた。怒った乗客が駅の構内に雪崩込み、暴動にまで発展した。マスコミに袋叩きされた組合幹部は、動労千葉を除いて順法闘争を避けるようになった。
スト権奪還闘争は「生きる権利」というキャッチフレーズを掲げ、ＩＬＯ（国際労働機関）の勧告を援用して世論に訴える戦術に切り替わった。
組合幹部は各企業の経営トップとの会談で、スト権が認められると判断した。彼らは「整然たるスト」を強調し、組合間の青年部の交流さえ禁止した。
ところが権力中枢は治安問題ととらえて、絶対にスト権を認めない立場を貫いた。戦闘力のある労働者にスト権を与えれば、社会変革につながると恐れたのである。
その頃、１９７３年のオイル・ショックの影響で、庶民は物価の高騰に苦しみ、政府や大企業に対する不満を募らせていた。庶民の怒りを前面に押し立てて行動を組織すれば、乗客暴動を上回る状況を作り出すことは十分可能であった。国家権力を社会的に包囲して、勝利の展望を切り開くことが求められていたのである。
共産党系の全動労は初めからストに加わらなかった。革マル派が支配する動労は中途で脱落し、東京地本委員長の松崎明は箱根で国鉄幹部とゴルフに興じた。結局、政府から何一つ具体的回答を引き出せないままに、「世論の動向を配慮して」ストは収拾された。組合側の完敗である。
その間私は国労や全逓の仲間に、民間労働者も巻き込んで街頭に進出し、大衆宣伝・大衆行動を展開しようと、呼びかけた。しかし彼らは一様に、「上から方針が下りて来ないから」と、話に乗らなかった。上意下達のお役所風の労働運動は、権力が本腰を入れた国鉄の分割民営化攻撃にも同様に対応し、もろくも崩壊した。
社会運動は労働運動に限らず、〝大衆の不満と怒りを職場と地域の末端から組織していく〟ことが本来の姿であり、勝利への道である。
１９３０年代半ばの大阪・港南の運動が、そのことをみごとに証明している。（詳しくは拙著『レフト 資本主義と対決する労働者たち』参照）
シネマ案内
『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』
監督：佐古忠彦 ２０２１年
ここ数年、沖縄戦をめぐるドキュメンタリー映画がたくさんつくられてきた。この作品は、戦中最後の沖縄県知事・島田叡に焦点をあてたドキュメンタリー。監督の佐古忠彦は、「米軍が最も恐れた男 その名はカメジロー」（２０１７年）もつくっている。
１９４４年１０月１０日、沖縄全域が米機の空襲をうけ那覇市の９割が焦土と化した。沖縄県知事は「本土」から任官されていたが、誰も成り手がいなかった。敗戦が必至というなかで、沖縄に赴くことは「生きて帰れない」事を意味していた。このとき、大阪府内政部長をしていた島田叡は家族全員が反対したが、１９４５年１月３１日、単身で沖縄にむかった。
行政官としての島田は、内務官僚（県知事）として軍に協力しつつも、片方で人間・島田の姿があった。島田はこの二律背反に苦しみ沖縄戦のなかで、知事として住民のために行動した。島田に接した人が語るかぎり、個としての島田は魅力にあふれている。
４月１日、沖縄島中部に米軍が上陸。住民を巻き込んだ戦闘の中、牛島満・第３２軍司令官は、「最後マデ敢闘シ生キテ虜囚ノ辱メヲ受クルコトナク悠久大儀ニ生クベシ」と命令をし、自決した。６月２３日、組織的な戦闘は終結したが、さらにゲリラ戦が続けられ、住民の犠牲者はふえていった。日本軍にとって、沖縄戦は「本土」防衛のための時間稼ぎで、牛島の行動規範は天皇にたいする忠誠心であった。
いっぽう、島田は軍部のやり方に反発し、住民には、「命が大事」「むやみに死ぬな、生きろ」と諭した。この言葉をみても、島田の視線は、国家（軍）ではなく、住民にあったことはよくわかる。島田は摩文仁で消息をたっている。最期はだれも知らない。
映画のなかでは、「自らの屍をさらさないように、海に入水したのではないか」と語られている。当時としては、稀有の行政官だったのだと思う。さらに、島田を主人公にした『島守の塔』という映画が制作されているという。島田を全面的に賛美することに賛成できない。すぐれたリーダーの存在によって、「この難局をきりぬけていこう」という思想が、この底流にながれているからだ。誰かに頼るのではなく、人民みずからの力で、この体制を変革していくことが求められているのだ。
むしろ、この映画がすぐれているのは、沖縄戦体験者や研究者などの証言などによって、沖縄戦の実相がていねいに描きだされているところにある。体験者の声は重い。映画のなかで、大田昌秀さんは、「沖縄の人々の気持ちからまったく消せないものに、沖縄戦の体験がある」と語っている。だから、今日も沖縄県民は辺野古の新基地建設に反対しているのだ。軍隊は住民を守らない。これは沖縄戦から学んだ貴重な教訓だ。このことは、何よりも大切に受け継いでいきたい。（津田保夫）