大飯再稼働弾劾
原発再稼働と大増税の野田政権を打倒しよう
1日夜、野田政権は大飯原発3・4号機の再起動を強行した。この暴挙を徹底弾劾する。また6月26日には、衆院本会議で消費税増税法案の可決を強行した。
民主党が掲げる「社会保障制度改革」は、大増税のための口実にすぎない。
今回の民主・自民・公明三党による修正協議では、「後期高齢者医療制度の廃止」は棚上げ。また同じく「障害者自立支援法撤廃」の公約も反故にし、「自立支援法」の事実上の存続となる「障害者総合支援法」を20日に成立させた。さらに民主党は自民党と連携して、生活保護制度を改悪しようとしている。
民主党政権がかかげる「社会保障制度改革」の中身は、ただでさえ貧しい日本の社会保障をさらに解体しようというものである。
年金改革のペテン
このかんの社会保障制度改革論議は、「年金問題」に絞り込まれてきた。これ自体が、消費増税を労働者人民に飲ませるための政治的なキャンペーンだ。
今年1月、内閣府の経済社会総合研究所が公的年金における保険料負担と給付額の推計試算を発表した。それによれば、1960年生まれ以降は保険料と給付額の差額が大幅な支払い超過になるというものであった。これを使って財務省は、現役世代と高齢者層との反目を煽りながら消費増税キャンペーンをおこなってきたのである。
しかしこの「推計試算」が明らかにしているのは日本の社会制度の抜本的な改革が必要だということである。国民年金の保険料納付率は3年連続60%を割り込んでいる。20代〜30代の若年労働者層が不安定雇用と低所得にあえいでいることが、年金制度の存立を脅かしているのだ。若年層の貧困化対策こそ急がなければならない。非正規雇用問題、子育て・保育・教育・医療問題など、労働と社会福祉の全般において、新自由主義的政策からの転換を図らなければならないということだ。
すなわち、「年金問題」とは、日本の社会そのものが「持続不可能」な状態に陥りつつあるということの「氷山の一角」にすぎない。政府はこれを「財政問題」にすり替え、大資本に対する優遇策は維持したまま、大規模な大衆課税をおこなおうとしているのだ。
この点では消費増税に反対を表明している橋下・維新の会も本質的に変わりはない。彼らが増税に反対するのは「経済成長にとってマイナスとなる」ということであって、「増税の前に無駄な社会保障を削減せよ」というのが彼らの主張だ。
民衆の怒りで廃案へ
衆院で可決した消費増税法案は、当初盛り込まれていた「法人税や所得税の最高税率の引き上げ」や「低所得者に対する施策の実施」なども全て削除された。このような低所得者層に深刻なダメージだけを与える悪法を断じて成立させてはならない。怒りを爆発させ野田政権を打倒しよう。
数百人で大飯原発に通じるトンネル前を封鎖して徹夜で再稼働反対を訴える(6月30日 おおい町) |
関電株主総会を包囲
再稼働強行に怒りの声 6・27 大阪
関電株主総会の会場前に座り込む人びと(6月27日 大阪市内) |
全国の9電力会社は、6月27日、一斉に株主総会をおこなった。
大飯原発の再稼働を強行する関西電力に対しては、とりわけ大きな抗議の声がたたきつけられ、朝から夕方まで「再稼働反対」の声がこだました。のべ500人が参加。
関電株主総会は午前10時開始。8時前から抗議行動は始まった。会場の梅田芸術劇場周辺には「とめよう原発!!関西ネットワーク」など、様々な団体・個人が集まり、横断幕、ボード、のぼりが掲げられた。入場する株主に原発撤退を求めるビラを渡し、声をかけた。
会場玄関前では、「大飯原発再稼働反対、命が大事、命を守れ」のコールが続く。ロックバンドが登場、脱原発のメッセージソングが始まった。妨害する関電警備陣と警察に対し、参加者は怒りの座りこみ。玄関前広場は解放区となった。
各地からの参加者がつぎつぎとアピール、歌、パフォーマンス。初めてマイクを取ったという人が、「黙っていてはダメ」と何人も発言。6・30〜7・1の福井県おおい町現地アクションもよびかけられた。
オスプレイ配備ゆるすな
宜野湾市民大会に5200人 6・17 沖縄
オスプレイ配備と基地固定化阻止(6月17日 沖縄・宜野湾市内) |
6月17日、沖縄県宜野湾市の宜野湾(ぎのわん)海浜公園で、普天間飛行場へのオスプレイ配備に反対し、同飛行場の早期返還と閉鎖を求める宜野湾市民大会がおこなわれた。参加した市民は、実行委員会の予想を上回る5200人にのぼった。
米海兵隊がオスプレイの沖縄配備に向けて実施した環境審査報告書を、防衛省は6月13日、沖縄県に提示。「米海兵隊は非常に自信を持って安全だと言っている」と米側の主張を丸飲みして、オスプレイ配備を強行する姿勢を明らかにした。
その翌日(日本時間)14日、米フロリダ州の演習場で米空軍所属のCV22オスプレイ(沖縄に配備されるMV22と基本設計は同じ)が墜落し、米兵5人が負傷するという事故が発生した。政府・防衛省の「オスプレイは安全」という説明がまったくのでたらめであったことが事実をもって暴露された。「どこが安全なのか!」沖縄県民の怒りは爆発した。集会では佐喜真・宜野湾市長も登壇し「オスプレイ配備反対」と発言した。
「空飛ぶ恥」
米タイム誌は07年の記事でオスプレイを「空飛ぶ恥」と呼んだ。
ヘリコプターは、仮にエンジンが止まっても、機体が降下する際の相対的な上昇気流を利用して回転翼を回し、揚力をえて比較的ソフトな着陸ができる(オートローテション機能)。ところがオスプレイは構造上この機能が働かない。
ヘリモード時にエンジン停止した場合、墜落を避けるには飛行機モードに移行して、滑空態勢に入らなければならない。しかし、その移行には12秒を要する。この12秒間にオスプレイは約500メートル落下すると資料に書いてある。つまりヘリモード時に高度500メートル以下でエンジンが停止すると確実に地上に激突するのである。このような危険な飛行機を普天間飛行場周辺の住宅密集地上空で旋回させるというのだ。
日本全土で飛行訓練
6月19日、米海兵隊がオスプレイを沖縄だけでなく、本州、四国、九州の6つのルートでも飛行訓練を計画していることが報道された。いずれのコースも高度150メートルの超低空飛行訓練だ。6つのルートあわせて年間330回もこの危険な訓練をおこなうというのである。
米政府は6月29日、日本政府にオスプレイ24機の配備を正式に通告した。そのうち12機が7月下旬に山口県の米軍岩国基地(岩国市)に輸送艦で到着する見通し。8月にも普天間飛行場への配備を狙う。これを前に沖縄では、大規模な県民大会が準備されている。沖縄県民・岩国市民と一つになって、オスプレイ配備を阻止しよう。
2面
東アジアの民衆連帯めざし
沖縄で三里塚集会が成功 6・22
三里塚と沖縄の連帯を誓う(6月22日 那覇市内) |
三里塚・沖縄集会が6月22日、那覇市内で開かれ、70人のたたかう仲間が集まった。主催は三里塚空港反対同盟と市東さんの農地を守る沖縄の会(知花昌一、安次富浩、金城実=共同代表)。
宮城正明さんが「チビチリガマの歌」など三線と歌を披露。1月に急逝した鈴木謙太郎さん(三里塚空港反対同盟)が昨年の集会で発言する映像が流され、全員で黙祷。
主催者を代表し知花昌一さんが、あいさつ(要旨別掲)。三里塚反対同盟から市東孝雄さん、萩原富夫さんらが参加。
政府の言うことはウソ
市東さんは、「沖縄に来て思うことは、やっぱり基地はいらないということ。戦争で大変な犠牲を強いられ、いまなお基地の負担を押しつける。ほんとうに許せない。沖縄で頑張っているみなさんに心から連帯したい。日米政府が安全だと言ったとたん墜落するオスプレイを配備しようとする。基地も原発も、政府の言うことは全部うそ。三里塚も同じ。三里塚では(空港会社や国は)口では話し合いと言いながら、どんどん工事をすすめている。第3誘導路の工事は夜遅く、土日も雨の日もやっている。裁判で会社側証人は、『分からない、知らない』ばかり。証拠は偽造する。あげくは裁判長に助けを求める、そんな裁判です。沖縄の辺野古、高江、そして福島のみなさんと、もっともっと近い関係に連帯をさらに拡げたい。7月8日、10月7日には三里塚現地闘争を決めています」と訴えた。
裁判所を包囲
萩原さんは、「昨年につづき今年も参加させてもらった。オスプレイ抗議の座り込み現場を訪れました。そういう沖縄の日常的なたたかいのもと、三里塚集会が開かれる。いつも地元ばかりで行動しており、沖縄にきてみなさんのたたかいにふれ大きな刺激をうけました。三里塚では、裁判で農地をとりあげようとしてきている。裁判所を包囲するたたかいをやる。また来ます。三里塚にも来てください」と話した。
オスプレイ配備阻止
三里塚関西実行委員会の永井満代表、市東さんの農地取り上げに反対する会、福島からの報告。沖縄からは高江ヘリパッド建設阻止、辺野古新基地建設阻止、普天間オスプレイ配備阻止行動から発言が続いた。「世界一危険な普天間に、世界一危険な飛行機を配備するのか」。オスプレイ配備に対する沖縄の怒りは極限的に激しい。6月17日、5千2百人が普天間に集まった。高江ヘリパッドはオスプレイ訓練基地である。オスプレイは沖縄ばかりではない、日本全土、アジアに及ぶ戦闘輸送機だと怒りと抗議の声があがった。
安次富浩さんが、「第4の琉球処分。しかし私たち民衆はそれを止めている。三里塚、辺野古、基地、すべて国策。三里塚40年余、辺野古は15年。民衆の連帯とつながり、それが民主主義をつくり変革を生む。オスプレイ反対ではない、中止だ。三里塚、沖縄、東アジアの民衆がたたかいの現場でつながっていこう。来年も集まろう」と、まとめた。
身体を張ってオスプレイ阻止する 知花昌一さん
1879年、明治政府による琉球侵攻。
1952年4・28の日米講和は三権いっさいを奪った。屈辱の日だ。
そして1972年5月15日。核と基地のない「本土復帰」を願ったが、すべてを押しつけてきた。沖縄はゼネスト、デモ、血を流してたたかい、本土でも激しい「返還協定」粉砕のたたかいが起こった。5・15、涙を流しながら国際通をデモしたことを忘れない。そして2010年5月28日、政府は再び「新基地は辺野古」と日米合意を強制。しかし、辺野古は海上攻防で押し返してきた。
辺野古に新基地、高江にヘリパッドをつくらせれば、私たちはまた半世紀、基地と暴虐のもとに苦しむことになる。県民、諸団体は徹底的に反対している。それでもやるのか。三里塚47年、沖縄の戦後67年、「復帰」40年。いまも徹底的にたたかい、負けずにきた三里塚がある。沖縄と三里塚。これをこえるものはないだろう。たたかかい続け、たたかい続け、民衆の抵抗を伝えてきた。三里塚のたたかいを、沖縄のたたかいの質としたい。私たちは、身体をはってオスプレイを阻止する。
野田は帰れ 追悼式出席に抗議 6・23 沖縄
翌23日は、沖縄戦終結慰霊の日。野田首相が式典に出席するという。魂魄の塔広場での国際反戦集会に先立ち、急きょ摩文仁平和祈念公園前に約50人が結集、「オスプレイ反対、野田帰れ」の抗議行動を展開した。上空にヘリ、白バイ、パトカーに警護された野田の車列がくると、警官隊が押してくる。抗議団も猛然と押し返す。カーテンをしたまま会場にむかう野田首相の車に、「殺人機オスプレイNO!」のプラカード、「野田は帰れ」と抗議の声が渦まいた。
12時半から魂魄の塔広場に約400人が集まり、第29回国際反戦沖縄集会が開かれた。沖縄は6月23日、深い悲しみと怒りに包まれる。詩の朗読、ミニコンサート、与那国への自衛隊配備反対、「日本軍に『スパイ視』された沖縄住民の虐殺など」という第32軍司令部壕説明板文言削除の問題、高江ヘリパッド建設阻止のたたかい、泡瀬干潟を守る連絡会などの報告がおこなわれた。大城しんやさんの元気な歌で閉会した。
会場で配られた『沖縄タイムス』慰霊の日特別版には、大きな文字の本文で「全首長が反対する中、(オスプレイ配備は)『沖縄差別』との声が高まっている」とあった。(み)
普天間基地撤去へ決意
第3期沖縄意見広告運動・報告集会
沖縄県民と連帯しよう(6月22日 大阪市内) |
6月15日に都内でひらかれた〈第3期沖縄意見広告運動報告集会〉にひきつづき、22日には、〈同・関西集会〉が大阪市内で開かれ、200人が参加した。この運動は、5000余の賛同を得て、5月に「普天間基地はなくせる 米海兵隊は撤退を」の意見広告を沖縄2紙と朝日に掲載した。今回で3年目。
全国で反対運動を
最初に、呼びかけ人の衆議院議員・服部良一さんがあいさつ。モロッコとアメリカで、たて続けに墜落したオスプレイが、事故原因も明らかにならないまま普天間基地に配備されることを弾劾。このまま配備されたら、東北地方を縦断する2ルートや北信越、近畿四国、九州、沖縄・奄美などの全国にまたがることに。危険極まりない。もう一度全国で運動を盛り上げ、配備反対を貫きたいと訴えた。
スローガン実現まで
武建一さん(連帯労組関西地区生コン支部委員長)が、意見広告発起人あいさつ。3回目となった意見広告を振り返り、総括。地元沖縄やアメリカで大きな反響があった。普天間基地はなくせる。米海兵隊は撤退。この沖縄意見広告のスローガンが実現するまで4回5回と続ける。巨大な日米両政府と軍隊に、体をはって頑張っている沖縄に連帯していこう。関生支部は、昨年6月23日安保破棄を求めて2時間ストライキをおこなった。労組のなかには「安保があっての繁栄」と勘違いしている組合が多い。労働組合は本来、「安保破棄、沖縄連帯」と「労働条件改善の闘い」を結びつけていく役割があると訴えた。
10万規模の県民集会へ
沖縄平和運動センター事務局長の山城博治さんが『沖縄基地問題の現状と今後の闘い』と題して講演。
(オスプレイ運用計画が大きく掲載された沖縄紙を掲げ)本土全域で低空飛行訓練をおこなう運用計画だ、全国の課題となった。6月17日には、普天間飛行場へのオスプレイ配備に反対する5200人の大抗議集会がひらかれた。23日にはオスプレイの沖縄配備を仲井真知事に伝える為に、わざわざ沖縄戦「慰霊の日」を選んで野田首相が訪れる事態に、絶対許せないと怒りが沸騰している。
過半数割れしている仲井真与党が、勢力逆転を目指した県議選で惨敗。民主党も議席を減らす大敗北。自民党回帰も拒否という県民の怒りの意思が示された。仲井真知事は、選挙結果に「ありえない」と愕然。ひきつづき野党が県議会正副議長を占める中で、もう一度10万人規模の県民集会を準備している。
那覇軍港に、オスプレイ搬入する際には、カヌーや遊漁船をチャーターして、のぼりを立てて、オスプレイを運ぶ艦船を阻止したい。
押しつけられた国策である「原発」と「基地」に対して、今こそ闘いの側から手を携えて分断をのりこえていこう、3・11福島原発事故の惨劇に立ちすくむ国民を逆手にとって政府は報道管制、事故隠しをやっている。政府・東電の責任こそが問われなければならない。
60年前の沖縄戦。軍隊は住民を守らない。軍隊は軍隊しか守らない。海兵隊の分散配置は、嘉手納基地に照準を合わせる中国のミサイルから逃れるためのアメリカ戦略。それをおもいやり予算でひきとめているのが日本政府。沖縄の基地を利用して戦争をおこなうアメリカの戦争計画に乗ってはいけない。原発54基も海岸沿いに建設。無謀な戦争はやってはいけない。
沖縄では、このまま基地の押し付けが続いたら、激しい政府批判と「基地を県外へ」という主張が「反日」の様相として強まる。しかし、本土と沖縄を貫く本当の差別と支配を強いる「国家」を共同して撃つ平和運動の理想を共有し合おう。
部落解放同盟大阪府連と〈沖縄とともに基地撤去をめざす関西連絡会〉が連帯あいさつ。
「これからの活動について」を関生執行委員の西山さんが提案し、全港湾の山元さんが閉会あいさつでしめくくった。
3面
シリーズ 橋下改革を斬る(第3弾)
米マッキンゼーによる大阪乗っ取り
増殖する特別顧問と参与
まず、左の表を見てほしい。大阪市が6月16日に発表した特別顧問・参与の一覧だ。
平松前市長時代には3人だった特別顧問が、現在17人と6倍に膨れ上がっている。特別参与は43人もいる。
大阪府も同様で、6月16日現在特別顧問15人、特別参与42人となっている。この内、府市共通の顧問が12人、参与が37人と異様に多い。特別顧問の報酬は09年には日額2万4千5百円だったが、昨年12月と今年2月に連続して引き上げられ、2時間以下でも2万2千円、4時間以上だと5万5千円になった。
別表には現れていない者もいる。職員アンケート問題で怒りの的になった野村修也特別顧問を筆頭にした第三者調査チームには原英司特別顧問と3人の特別参与がいた(この内2人については市議会で「匿名人事だ」と追及されるまで存在も公表していなかった)。3月には第三者調査チームの特別参与は13人に増えたが、6月の一覧には掲載されていない。
顧問・参与が「指示、命令」
増殖する特別顧問・特別参与は「市政の重要事項についての最終的な意思決定や、重要な政策判断を要する」会議にはほぼすべて出席し、事実上政策決定をおこなっている。
1月には府市統合本部で府立高校の学区撤廃について論議され、府教委は1年間の猶予を求めた。ところが複数の特別顧問が反対、府教委の意見を却下して14年度からの実施を「決定」した。
議会での議論もないうちに、選挙で選ばれたわけでもない者たちによって決められてしまっている。これが橋下市政の実態だ。
顧問とは本来、単なる助言者のはずだ。職員ではないから議会に対する説明責任もないとされる。それがアンケート調査で示されたように「市長橋下の権限」をかさに着て職員に指示・命令している。
元官僚とマッキンゼーが支配
上山信一に示されるように、この連中はほとんど元官僚か米系コンサルティング会社・マッキンゼーの出身者だ。郵政資産200兆円をハゲタカファンドのまえに差し出そうとした小泉改革を推進してきた連中が大阪になだれ込み占領している。特別顧問を見ても、上山、古賀、堺屋、原、余語、山中、高橋、鈴木が元官僚。上山と余語はマ社出身だ。
特別参与も府市統合本部関係は6人中、福田を除く5人がマ社出身。府市統合本部
「余語氏の経営再建手法は単純明快だ。赤字部門を切り捨て、売れるものはすべて売るという、実にシンプルな手法です」、「資産の売却にかけては凄腕だが、再生という根気のいる仕事はどうかな(向いていない)」と評価されている連中が大阪を乗っ取り、売り払おうとしている。
狙いは地下鉄、水道、教育
府市統合本部(交通事業)関係の特別参与は、2月にはマ社出身の有馬1人だった。そこに4月になって関西私鉄資本から12人(うち1人は6月で解任)加わっている。現在公営地下鉄としては全国で唯一黒字を計上する大阪市営地下鉄を、私鉄資本の分捕り合いに投げ出そうというのだ。
橋下は「民営化すれば料金も値下げできる」というが、何の根拠もない。民営化の先にあるのは赤字部門の廃止、安全軽視、低賃金と労働強化であり、料金値下げなどあったためしがない。公共財産の投げ売りを許してはならない。
組織を超え反橋下で結集
1200人が橋下市長に異議あり!!
橋下市長に異議あり6・25集会(6月25日 大阪市内) |
6月25日夜、大阪市立中央公会堂大ホールは1、2階席とも埋め尽くされた。周囲を立ち見の参加者が囲むほど、橋下に怒る労働者市民が集まった。
この集会は連合大阪法曹団、大阪労働者弁護団、民主法律協会など法曹8団体の呼びかけで開催された。「手をつなごう、市民と公務員 ともに働く仲間として」とひろく市民、労働者に参加を呼びかけた。
司会はラジオパーソナリティー小山乃里子さん。橋下が知事のときに補助金をカットしたため苦闘しながら活動を続けている日本センチュリー交響楽団有志の演奏で集会が始まった。日本労働弁護団会長の宮里邦雄弁護士が講演。「公務員の権利と、労働組合の権利を考える―大阪でいま起こっていることの意味―」と題して、権利の侵害と抑圧で暴走する橋下市政にたいし、@「大阪」だけの問題ではない。「公務員」だけの問題ではない。A「官」と「民」の分断を許さず、「すべての労働者の権利」「すべての労働組合の権利」にかかわる問題として。B市民と働く者の連携をめざして。と、反撃のたたかいを呼びかけた。
アピールとして自治労・市労連、自治労連・市労組、大阪全労協や学童保育連絡協議会など労組、市民団体から9人の発言が続いた。平松前市長のサプライズ登壇あり、「大阪市長適正化条例」案(別掲)あり、ユーモアも交えながら熱気のある集会となった。集会に先立って、労働7団体による市役所前闘争がたたかわれた。
〈大阪市長適正化条例(案)〉
@大阪市長は、憲法と法律を守らなければならない。
A大阪市長は、人権を尊重しなければならない。
B大阪市長は、民主主義とは、選挙で当選した者の独裁ではないと知らなければならない。
C大阪市長は、職員が人間であると認めなければならない。
D大阪市長は、労働組合つぶしを行ってはならない。
E大阪市長は、住民の声に真摯に耳を傾け、市民サービスを安易に削減してはならない。
F大阪市長は、災害等の緊急時を除き、午後10時から午前5時までの間に職員にメールを送り、「朝までに用意するように」と指示してはならない。
Gこの条例に違反したものは、全てのマスコミを通じて謝罪すると共に、被害者に対する謝罪文を、直筆で大書して大阪市役所正門に1カ月間掲示し、加えて、少なくとも3年間、違反者の自宅において謹慎するものとする。
〔提案理由〕 最近、大阪市長の不適正な市政運営による弊害が看過できないため、この条例を提案する。
産業別・職種別の組合組織の拡大へ
6月17日、関西合同労組第19回定期大会がひらかれた。前日の野田首相「大飯原発再稼働宣言」をうけて、この日は、福井市で2200人の再稼動反対の集会デモが開催され、関西合同労組も2人を代表派遣するなかでの大会となった。
総括、方針案の討議と、新執行体制を確立した。
N争議、里美さん(JRセクハラ事件)の闘いと30近い職場での闘いの前進、宝塚保養キャンプの取り組みなど、4つの柱について総括。
方針案では、〈貧困と差別、反戦・反原発と闘う方針〉、〈職種や産業別(特に運輸など)組織化〉、〈2千万人に迫る非正規雇用労働者の組織化についての強化〉を提案。
反弾圧・再稼動反対・有期労働法制・生活保護についての決議文を採択した。
議案討議では、部落差別の実態についての質問、非正規雇用労働者の労働条件の底上げについての意見、雇用情勢への質問等があった。滋賀人権センターTさんの説明、高槻市会議員の和田たかおさんからも生活保護行政や被差別部落への差別行政の実態等についての報告、佐々木副委員長から労働実態の答弁など、活発な議論がおこなわれた。(M)
関西合同労組定期大会(6月17日) |
「福島支援弾圧」裁判 第一回公判開かれる
6月14日、「福島支援弾圧」初公判があり、傍聴席に入りきれない38人が参加した。今回の不当逮捕・起訴に対する抗議の意志表明として、古河さんは法廷でも黙秘を貫いた。
検察官による起訴状朗読につづき、弁護士が意見陳述。今回の「事件」は普通なら逮捕・起訴などされない事案であり、それをあえて逮捕・起訴したのは、警察が古河さんを活動家とみなした〈政治的な弾圧〉である。よって、裁判所は公訴の提起を棄却すべきであると述べた。
だが裁判長は、「現時点では保留し、審理が進んだ段階で判断する」と、判断から逃げた。続いて、検察官が冒頭陳述と証拠請求をして、この日の公判は終了した。
公判に先立ち、11時から最寄駅「淀屋橋」(大阪市役所一帯)で、ビラ撒きがおこなわれた。(T)
4面
東電幹部に厳正な処罰を
福島県民が集団で告訴・告発
6月11日、福島第一原発事故の刑事責任の追及と厳正な処罰を求め、福島県の住民1324人が、福島地方検察庁に告訴・告発状を提出した。
告訴団の団長・武藤類子さん、副団長の佐藤和良さん、弁護団の河合弘之さん、保田行雄さんらとともに200人が提出行動に参加、その後、福島市内で記者会見と集会をおこなった。
告訴・告発の対象は、原子力安全・保安院や東京電力の幹部ら33人と、法人としての東京電力。
容疑は、〈事故を防ぐ注意義務を怠って、原発事故を引き起こし、放射性物質をまき散らし、被ばくという傷害を負わせた〉というもの。該当する法律は、業務上過失致死傷罪と公害罪の2つ。
福島地検に向かう告訴団と弁護団(6月11日 福島市内) |
責任者を裁きの場へ
いずれも、原発事故の発生と住民の被ばくに重大な責任のある者だ。その者たちを裁きの場に引き出す行動が始まった。
なお、菅前首相などの政治家が告訴・告発の対象になっていない。この点について、弁護団は、「範囲を広げすぎて、法的な責任があいまいにならないようにするため」と説明している。
また、福島県の佐藤雄平知事にたいする告訴・告発も検討していると述べた。
1324人の告訴団
福島原発告訴団は、原発事故から1年を経た今年の3月16日に設立。それから3か月を経て、1324人の福島県民が告訴団に加わった。
「事故により、日常を奪われ、人権を踏みにじられた者たちが、力を合わせ、怒りの声を上げました」と、「告訴団・告訴声明」が言う通り、被害を受けた当事者が、ついに立ち上がった。
また、「告訴へと一歩踏み出すことはとても勇気のいることでした」と「告訴声明」は言う。昨年12月の野田首相による「収束宣言」をもって、原発事故も被害も終わったものとされ、被災者の棄民がおこなわれようとしている。被害を訴え、賠償を求め、責任を問うことを諦めさせる重苦しさの中にある。
このような状況を跳ね返して、「怯むことなくこの事故の責任を問う」(告訴声明)という行動が始まった。
原子力ムラを打ち破る
この日の集会では、10人の人びとが、自らの訴状を読み上げた。一人ひとりが、自らの受けた被害と苦しみを告発した。涙でたびたび言葉に詰まっていた〔下に佐久間さんの訴状読み上げ要旨〕。
佐藤さんは、@被ばくは傷害だ、A被害者の運動が社会を変える、B告訴のたたかいが、再稼働に突き進む原子力ムラを打ち破る、C被害者の再生なくして福島の復興はない、と告訴・告発運動の意義を提起した。〔下に佐藤さんの発言要旨〕。
この日の告訴・告発状の提出は、大きな目標に向かう第一歩だ。
告訴団は、さらに告訴・告発人を募り、第二次・第三次の告訴・告発の手続きを続けるとしている。また、署名などを集めて、福島地検を被害者住民の声で取り囲もうと訴えている。
避難命令さえ出してもらえれば 佐久間章子さん(二本松市)
私は、福島県二本松市において、妹の野菜出荷を手伝うかたわら、畑を借りて家庭菜園で無農薬野菜やガーデニングを趣味としておりました。野菜は県外に住む息子に送り、また、近所に分けて食べていただくなど、充実した毎日を送っておりました。
原発事故により、大量の放射性物質が降りました。親族が測定器を持っていて、測定結果を知らせてくれました。3月15日13時10分、外は100マイクロシーベルト(毎時)だというのです。18時30分、「家の中でも20マイクロシーベルトある。決して外に出ないように」と連絡がありました。
すぐに県や政府に、「避難命令を出してほしい」とお願いしました。測定器は、親族が東京大学の教授に取り寄せていただいたもので、校正はしてある確かなものです。
政府の返事は、「お金がないから、避難はさせません」というものでした。
16日には雪が降りました。雪はサーベイメーター(測定器)を近づけると、80マイクロシーベルトありました。
16日正午、数値はさらに高くなったのです。17日、私の家の台所を測定してもらうと、20マイクロシーベルトありました。そこでは、断水のために汲んできた水を使い、食事をしていたのです。
しかし、テレビから流れる枝野大臣の口からは、「ただちに健康に影響はない」の言葉だけでした。ヨウ素剤の存在も知らず、SPEEDIの情報も消されていることを知らずに、無用の被ばくをし続けたのです。2012年5月になっても、私の家の庭は、いまだガンマ線だけで1・7マイクロシーベルトを超す高い線量を測定し、家の中は0・4マイクロシーベルトを計測しています。
借りた畑を耕作することもできず、花でいっぱいだった庭は、雑草で見る影もありません。2012年3月、二本松市の土壌汚染の結果を知りました。私の家から300メートル離れたところで、51万3500ベクレル(キロ当たり)、その近くの川底からは、3700ベクレルのセシウムが検出されています。
私は当時、仕事に行く主人を残し、避難をすることはできませんでした。避難命令さえ出してもらえれば、主人も仕事に行くこともなく、避難もでき、県民も無用の被ばくを避けられたはずです。
事故当時、危険を知らされなかった若いお母さんが、乳母車に赤ちゃんを乗せて歩く姿に、胸が張り裂ける思いでした。
農家の人たちも、被ばくしながら、農業をしたのです。収穫をした物が本当に食べられるのかわからず、不安で食べることもできませんでした。
この大汚染の原因と、被ばくから国民を守らなかった犯罪について、被告人を調べていただきたいと強く望みます。
社会変えるのは被害者の運動 佐藤和良さん(いわき市議)
そのことは、「傷害なんだ」ということを、今日は、きちんとはっきりさせようということで、福島地方検察庁に告訴しました。
社会を変えるのは、被害者の運動です。被害者の運動が、チェルノブイリでも一番大きな役割を果たしました。
それは、リクビダートルという、事故の処理をして大量に被ばくした労働者たちの運動です。それと、被災地で一人ひとりが声をあげる。その運動の力で、被災者支援法という形で、社会保障制度(をかちとり)、国家が被災者を、被ばく者をきちんと支援している。
今日の福島市内の状況はどうでしょうか。0・7とか0・8マイクロシーベルト/時というのが空間線量の平均で、信夫山の下では1マイクロシーベルトを超えている。検察庁の中でも「1マイクロを超えるところがあるんですよ」と、先ほどの事務官が言っていた。
いま日本で、私たちは、ウクライナの基準で言えば強制移住地域で、暮らさざるを得ない。こういうところで、私たち被害者が声をあげていくことが、日本を変える、歴史を変える、その力になると、私は確信しました。それ以外に、結局、原子力ムラを変える手立てはないと思います。
東海村の村上村長は「原子力ムラは、戦前の軍部と同じだ」と言っています。戦前は、民衆運動も弱かった。結局、日本の敗戦で、軍部は解体に追い込まれました。
今日、どうでしょうか。私たち日本の国民の民衆運動はどうでしょうか。かなり厳しいですね。原子力ムラは解体していません。依然として強大です。これを打ち破るのが、私たちの告訴のたたかいだと思います。それは、私たち一人ひとりの蘇りのためだと思います。「福島再生」とか「復興」とかいろいろ言うけれど、私たち一人ひとりの人間の再生・復興なくして、福島の復興・再生ということはないと思います。
5面
朝鮮学校の子どもたちに笑顔を
大阪朝鮮学園支援 府民基金を立ち上げ
6月16日、大阪市内で「朝鮮学校の子どもたちに笑顔を 大阪朝鮮学園支援府民基金立ち上げ集会」が開催された。高校無償化から朝鮮学校のみが除外され、さらに橋下と維新の会による、府や市の補助金をすべて打ち切る差別攻撃に対して、それと対決して府民の力で朝鮮学校を守りぬこうと、170席の会場の通路やロビーも埋める中で集会が開かれた。
衆院議員・服部良一さんの連帯メッセージに続いて、主催者の〈朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪〉共同代表の宇野田尚哉さん(大阪大学)や伊地知紀子さん(大阪市立大学)が、「補助金は行政の恩恵ではない、権利だ。善意の人びとの無関心と沈黙が問題。この問題を民衆に持ち込もう」と訴えた。
橋下の植民地主義ふりまき許すな(6月16日 大阪市内) |
補助金廃止は不当
「大阪府・市の補助金削減の経緯と問題点」と題して、藤永壯さん(大阪産業大学)が講演。藤永さんは、まず府が支給の条件に挙げた、@日本の学習指導要領に準じた教育活動、A学校の財務情報を一般公開、B特定の政治団体と一線を画す、C特定の政治指導者の肖像画を教室から外すこと(職員室を含む)、の4要件について、これまでの4要件自体不当だがそれを一方的に「職員室を含む」にハードルを上げる卑劣さを批判した。さらに、「学習指導要領に準じた〜」との口実で教育内容にまで攻撃を加え、府議会では、「竹島」(注:独島の日本名)」と記さずに「独島」と記されていることなどを槍玉に挙げたと話し、これは民族教育そのものを認めないということだと糾弾した。そして、朝鮮初・中級学校の生徒がピョンヤンで迎春公演に出演したことを問題視し、「朝鮮総聯の行事ではないことを朝鮮学園側が証明しなかった」ことを口実に最終的に補助金不交付を決定したことを弾劾した。
昨年9月に朝鮮学園が補助金の申請書を提出したが、大阪市は「申請を受理してから60日以内」に「交付」「不交付」を行わなければならないという府の条例すら破って決定を引き延ばした上で、朝鮮学園を補助金から除外するために「要綱」を勝手に変えた。「ルールを守れ」と言う橋下は自分に都合が悪いルールは平気で破る。その上で、朝鮮学園を排除した上に、今度は補助金制度そのものを廃止したと批判した。
緊急避難の基金を
「大阪朝鮮学園支援府民基金」について甲南大学の高龍秀さんが、橋下と維新の攻撃は、補助金カットにとどまらず1948年阪神教育闘争と同じ朝鮮学校つぶし。年間1億5千万円の補助金を止めた。当面、緊急避難として基金を作る。同時に、弁護士、大学教員、日本の支援者と共に最強の陣形を作り、@提訴を準備、A国連へ訴え、B毎週火曜日に府庁前で街宣、C府議会・市議会への要請、D大阪朝高美術部作成のポストカードの販売、E11月16日(金)に東大阪市民会館で1500人のチャリティーコンサートを開催、と今後の方針を提起。橋下・「維新」包囲網を作り、補助金を復活させるのが一番。基金の第一号は韓国挺身隊問題対策協議会からと報告した。
東京の弁護団、オモニ会、アボジ会、城北ハッキョを支える会があいさつ。
最後に丹羽弁護士が、「今日初めて東京・大阪・名古屋の弁護団の会議を持った。統一して闘う。橋下による植民地主義の振りまきを許してはならない」と訴えた。
橋下・「維新」による朝鮮学校つぶしを許さず、朝鮮学校を守りぬく取り組みを強めよう。
投稿 JR西日本の性暴力事件
里美さんの上告を棄却 最高裁
JR西日本に契約社員として勤務していた「重度障害者」で、職場の上司から性暴力を受けて裁判闘争を闘っている里美さん(本紙93号で控訴審判決について掲載)にたいし、最高裁は、6月14日付で里美さんの上告を不受理・棄却する決定を下した。
大阪高裁での控訴審判決で、加害者の責任を認め、賠償を命じた(その額は驚くほど低い)ものの、JR西日本セクハラ対策室のセカンドレイプとも言える対応や加害者の使用者責任は認めなかったことにたいし、上告して闘っていた。
〈里美さんの裁判を支える会〉は、上告審にむけ、署名と上申書を集め、5月22日には里美さん本人が上京し、東京での小集会と最高裁要請行動をおこなった。
小集会で里美さんは、「高裁判決でも(加害者)の行為が認定されたのに、本人はそのままJR西日本にとどまっている。セクハラ相談室は二次的セクハラ被害を相談者に与えた。こうしたJR西日本の責任が問えないということに、激しく異議を感じている」と訴えた。また要請行動でも、支援者とともに、最高裁に直接思いをぶつけた。
「DPI女性障害者ネットワーク」が実施したアンケート調査(この調査には、里美さんも実名で自身のことを語っている)によれば、「女性障害者」の差別被害で一番多かったのは性的被害であったという。今回の最高裁による上告不受理・棄却は、世間に埋もれている数多くの「女性障害者」への複合差別の問題にたいし、勇気をもって声をあげた里美さんの訴えを門前払いするもので、許すことができない。
新たな提訴
里美さんは、この3月末でJR西日本から雇い止めになったことにたいし、6月19日、地位確認の提訴をおこない、前日18日には大阪地裁で記者会見をおこなった。
上告棄却で本当に悔しい思いをしながら、里美さんは、「落ち込む前に、することがある。悲しむ前に、やれることがある。今の私は、嘆き悲しんでいる場合ではないことに気が付いた。私は、伝え続ける事を諦めない」と、決意をブログ(「里美ドットコム」で検索)で語っている。
ドキュメンタリーの放映やブログ・ツイッター等で、里美さんを支援する輪は広がっている。さらに支援の輪を広げ、勝利をかちとっていこう。(H)
奈良地裁が差別を断罪 在特会に賠償命令
昨年1月、在特会副会長(当時)の川東らが、奈良県御所市にある水平社博物館に拡声器を持っておしかけ、聞くに堪えない差別言辞をがなり立てる事件が発生した。この差別街宣を糾弾する民事訴訟として、水平社博物館が「名誉棄損」で訴えていた。
6月25日、奈良地裁は、川東の行為を、明らかに不当な差別語での演説であり、水平社博物館の設立目的や活動内容を否定するものと認め、川東に150万円の支払いを命じる判決をくだした。
同日、水平社博物館は「被告及び被告の属する団体が、本判決を真摯に受け止め、被差別部落出身者に対するもののみではなく、あらゆる差別を表明・助長・扇動するような宣伝行為を直ちに中止するよう求める。我々は、不当な差別助長行為を繰り返す者らに対する糾弾を今後も継続する」との『見解』を発表した。
新勤評反対訴訟 最高裁が上告を棄却
最高裁は、6月12日、新勤評反対訴訟で、上告不受理・上告棄却の決定をした。
この訴訟は、大阪府下で04年度から始まった教職員にたいする新たな勤務評定=「教職員評価・育成システム」と、06年度から始まった評価結果を給与に反映させる制度が、憲法と教育基本法に反するとして訴えたもの。被告は、大阪府および各教育委員会。原告は105人の教育労働者で、おもに@「自己申告票」提出義務不存在の確認、A勤勉手当および昇給額を「自己申告票」不提出を考慮せずに決定せよ、との判決を求めていた。
この制度では、校長が定める教育目標の達成にむけて、各人の教育目標を自己申告させ、「自己申告票」に基づく業績評価と、校長による能力評価を総合して、教職員をランク付けする。「自己申告票」不提出は、1年目は下から2番目、2年目以降は最下位評価になり、一生昇給なしとなる。
上意下達の教育支配を狙う「新勤評制度」撤廃へたたかおう。
「障害者総合支援法」成立弾劾
6月20日、参院本会議で民主・自民・公明の賛成多数で可決・成立した。〔経過は本紙104号で既報〕
この法は「障害者自立支援法」に代わる法といわれていたが、多数の「障害者」とその家族が委員として参加した〈障がい者制度改革推進会議〉の〈総合福祉部会〉が、この法のためにまとめた「骨格提言」(11年8月30日)の内容をことごとく無視し、自立支援法の問題点を改善しないものだ。
今年2月にこの法案の内容が明らかになって以降、「障害者」を先頭に、国会前で、全国で、さまざまな闘いが激しく取り組まれた。それらを無視して官僚主導と民自公の取引で成立した総合支援法は許せない。さらなる闘いにむかおう。
6面
夏休み保養キャンプの取り組みを
原発被災者の命と権利を守るために
この夏休みに、各地で福島県や近隣の子どもたちを対象にした保養キャンプが行われる。
保養キャンプは、福島第一原発の事故で高濃度の放射能によって汚染された福島県や宮城県などの子どもたちと保護者を、夏休みという長期の休暇を利用して受け入れようという民間の取り組みである。
短期間ではあるが、放射能を心配しないで外で思いっきり遊び、草木に触れる機会を提供しようと、昨年の夏休みから各地でおこなわれている。
安心・安全キャンペーン
チェルノブイリ事故では、ソ連政府が60日間、サナトリウムなどに学校丸ごとサテライト避難を行った。現在も日数などの規模は縮小されたが実施されているという。
現在、福島県のほぼ全域が「放射線管理区域」になっており、住民とくに子どもたちの避難が必要とされている。避難や保養は、本来は国や行政がやらなければならないことだ。しかし、「安心・安全キャンペーン」で真逆のことをやっている。
避難は、仕事の問題や家族問題などによってハードルが高い。そこに国や行政による「安心・安全キャンペーン」によって、「避難」や「保養」という言葉を発することができないという被災地の現実がある。
連れ合いの親に「あなたは放射能を気にしすぎ」と言われたり、病院で「体調が悪いのは放射能のせいではないか」と医者に問うと、看護師が無言で両手を×にして”そんなことを聞くな”と圧力をかける。家族の間での放射能に対する認識の違いから、離婚にいたる話が無数にある。
そのような中で、放射能の危険性を認識している保護者たちは、保養キャンプへの参加を求めて相談会にかけつける。
保養相談会
6月2〜3日に、〈子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク〉が主催し、福島県内でも放射能の濃度が高い二本松市と伊達市で相談会が開かれた。全国から約20の受け入れ団体が集まり保養や避難、移住の相談、そして健康相談をおこなった。〈野菜カフェはもる〉の野菜が並び、中央に設けられたカフェコーナーは来場者の気分を和らげていた。
2日の二本松市では、150家族(300人以上)が相談に訪れた。前回の春キャンプに参加した姉(小3)とその妹(4歳)。父親から姉と一緒に妹の受け入れをお願いできないかと依頼を受ける。前回、受け入れ対象外であるため小3の姉だけを預かった経緯があり一旦保留とし、後日こちらから連絡させていただく旨を伝える。また中学生の保養受け入れをしている団体をどこか知らないかと質問を受ける。幼児や児童の受け入れは多いが、中高生対象の取り組みは少ない。
3日の伊達市では、250家族(500人以上)が訪れた。母親+未就学児、または母親+未就学児+小学生という形態で保養を考えている家族が多い。子どもに発達障害があるが受け入れが可能かという相談に対し、可能であることを伝えると「なかなか受け入れてくれる所が無い。私も付き添いで参加して、みなさんに迷惑がかからないようきちんとしますので」と言う。こう言わせてしまっている現状を重く受けとめる。
保養受け入れを
保養を考えていても、どこにも行き場の無い人が大勢いる。選択として「保養」にたどり着いた人たちを取りこぼさぬことが課題だ。キャンプ開催が目的となってしまわぬよう現場のニーズを汲みながら、キャンプに反映させていく必要がある。
保養の受け入れを、どんどん増やしていこう。場所さえ確保できれば、誰にでもできる。ボランティアスタッフに参加したり、それができない人はカンパを出す。
そして各団体間で横のつながりをつくって、原発被災者の声なき声を表に出していく。 反原発の闘いそのものである。行政をまきこんで、ゆくゆくは国や行政の責任でサテライト避難をやらせていこう。(K)
500人以上が訪れた伊達市での相談会(6月3日) |
本の紹介 『科学の原理と人間の原理』
高木仁三郎 方丈堂出版 2012年3月刊 500円+税
原子核科学者としての人生を選択した故高木仁三郎が、いかにして反対派になったのかについて語りながら、人間と核科学について考察している講演録(1991年 金沢市)。高木は、人間が普通に生き、生活する論理と原子力の間に横たわる矛盾を厳しく問い、「人間という立場から科学をやりたい」と叫びながら、人間(生物・自然)の論理を否定する「原子力の論理」に立ち向かい続けた科学者だ。
核への本質的な批判
「(自然科学の立場から)私たちが生きている地上の生命の世界というのは、核の安定の上に成り立っています。」「人間の身体の中でものが燃えるとか、酸化するとか、それから遺伝子(DNA)も化学物質で、化学変化の世界です。核の変化は一切関係してきません。核そのものが安定しているということが生命の基本的な基盤です。」「ところが原子力というのは、まさに核の安定を崩すことによってエネルギーを取り出す技術です。核の安定を崩さない限り原子力は成り立たちません。私はここに原子力の問題があると思います」と、ヒト(自然)と核科学の最も根本にかかわる問題点を述べる。
なぜ地球に生命体が
地球(自然)の成り立ちからも、この問題に迫る。
「星が光っているというのは、原子核反応によって光っているわけです。太陽に行けば(強烈な)放射線があります。熱によっても死んじゃいますが、放射線によっても近寄れないわけです。つまり、光っている星には絶対に生命はありません。その近いところにも生命はありません。」と、生命体と原子力が絶対に相容れないものであると主張する。
そして、なぜ地球に生命体が現れ、私たちが生きているのかを説明。
「地球には放射線から守られているという特殊な条件があります。」「地球も誕生したてのころは放射線が非常に強く、46億年かけて冷めてきて、ようやく生き物が住めるくらいにまで放射能が減ったから住むことが出来るようになりました。」「せっかく地球上の自然条件が出来たところに、わざわざもう一度、(地球上に)放射能を作ったというのが原子力です。」
核の火は消せない
つぎに、重要なキーワードとして以下を挙げ、具体的に提起している。
@核の火は消せない
「放射能というのは半減期を持っています。その寿命に沿ってしか消えてくれません」。「人間が消そうと思っても消えるものではないのです。」
A核のスピード
「核が要請するスピードと人間が普通に持っているスピード感は全然違うのです。」「核の世界でいえば、コンマ何秒、それ以下を争う勝負です。1秒判断が遅れたら本当にダメだという場合だってあるわけです。」「人間の技術が上がったからといって核のスピードには追いつけません」
B誤りを許さない技術
「人間が設計する段階で、うっかりとか、想定しないという人間くさい要素が入ってしまいます。そういう誤りが許されない世界です。」
C実験できない(略)
D放射能の時間の長さ
「一番毒性が強く、やっかいなもので、問題になるのはネプツニウム237という放射能です。これは原子炉の中でどうしても出てきてしまうのですが、この半減期が210万年くらいです。」
このように彼は、人間(生物・自然)の論理を否定する原子力の「論理」を問題にすべきだと訴える。
夏期特別カンパへのご協力をお願いします
野田政権は原発再稼働、消費増税など極反動の道を進んでいます。しかし彼らの支配体制は、二大政党(民主・自民)の支持率があわせても30%以下という危機に至っています。
労働者人民は社会と政治を変える直接行動に立ちあがり始めている。脱原発を闘う人々は、野田政権が〈資本の儲けのために人民の命を差し出す政権〉であることを知った。いまや再稼働をめぐる問題は、全原発の廃炉=資本主義社会の打倒までつきすすむ課題となりました。私たちは、この闘いのなかで、新たな共産主義運動の展望をつくりだすべく奮闘しています。
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