未来・第92号


            未来第92号目次(2011年11月1日発行)

 1面  ひろがる橋下への怒り
     2条例案を廃案へ 府庁を包囲

     福島の叫びを聞いて
     女性たちが経済産業省前で座り込み

 2面  原発社会はもういらない
     変えよう!日本と世界 共同行動in京都

 3面  辺野古への新基地建設ゆるすな
     巻きかえしはかる野田政権

     来年1月に沖縄から訪米団
     NYタイムス(WEB版)に意見広告を掲載

     投稿 自他への愛と尊厳を忘れずに
     反貧困世直し大集会2011に参加して

 4面  ダブル選で橋下・維新の独裁政治にストップを

     投稿 東京を占拠せよ!

 5面  無責任な独裁者・橋下
     弱肉強食社会をめざす「大阪都構想」

 6面  シリーズ 原発労働者は訴える 第3回
     欠陥の隠ぺい 書類の改ざん

     投稿 「障害者」先頭に厚労省交渉
     総合福祉部会の提言を軽んじる厚労省

       

ひろがる橋下への怒り
2条例案を廃案へ 府庁を包囲

大阪府庁包囲行動 第2弾
(10月20日 府庁本館前をすすむデモ隊)

10月20日、大阪城公園教育塔西側の広場で、「教育基本条例」「職員基本条例」案反対の第2弾、府庁包囲行動が、教職員をはじめ多くの労働者市民200人があつまり、おこなわれた。主催は、「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪・全国集会実行委員会。
当初、10月21日の本会議で2つの条例案が強行採決される危険性があるとのことで、この日の行動は準備された。

2万筆に迫る署名
冒頭、ホットライン事務局代表の黒田伊彦さんが、このかんの経過報告をした。
9月24日の全国集会は762人の参加で成功。全国から集まった署名11898筆を9月29日、府議会議長あてに、10月18日、6854筆を教育委員長あてに、それぞれ請願署名として提出した。このかん、41市町村教育長が反対意見、府立高校PTA協議会から嘆願書、橋下が鳴り物入りで連れてきた百マス計算の陰山英男・教育委員はじめ5人の抗議などが報道されている。
9月におこなわれた、府立高校の単位制の卒業式では、職務命令が出され、職員の席には椅子がない、起立したままでの式を強行した。
各地で維新の会の内部矛盾を拡大し、ゆさぶりをかけ、府民の世論を深く広く形成して、橋下知事と維新の会を追い詰めていこう。

住民監査請求
次に「橋下徹さんが元のテレビタレントに戻られることを願う大阪府民の会」の代表から、WTC購入問題(違法、不当な支出)で住民監査請求をしたこと、今日この近くの会場で反ハシズム市民連合結成集会をもつので参加を、との訴えがあった。
大阪全労協の石田議長は、「11月2日、京都精華大の池田浩士教授の講演で、ハシズムを許さない集会を持つ。任期途中で知事を辞任し11月27日の大阪市長選に出るのは無責任。2つの基本条例案を通さないために頑張ろう」と訴えた。
その後、このかんの取り組みが報告された。
まず、枚方市でのたたかい。「(教育基本条例の)『定員割れ高校3年連続で廃校』は、これまで取り組んできた地元高校育成を潰すもの」ということで枚方市議会に陳情書を出した。12月市議会に請願書・意見書を出す。
次に、大阪市内各区で維新の会がおこなっている「区民会議」(大阪市長選にむけた事実上の選挙運動)の会場入り口でのビラまき報告。府民の声と言いながら、「ビラまきする奴は入れない」と言われた。明日以降も、各区の区民会議にビラ入れを予定している。
つづいて府立高校の教員がギターをひきながら、替え歌で橋下知事を批判。
最後は、韓国・韓進重工業で整理解雇に反対して、クレーン上の高空籠城をたたかっているキム・ジンスクさんを支援する「希望のバス」に参加してきた府立高校教員からの報告。

三重、東京からも
三重県教組の冨田さん、東京から元都立高校教員の青木さんが登壇。
青木さんは、悪法と言われるものでも、普通は半分くらいはいいことが書いてある。今回の2条例は、橋下流に言うと2万%何も書いてない。決戦は選挙。革新統一で橋下打倒をと訴えた。
最後に事務局の井前さんから行動提起。吹田市で日教組、教育合同、全教系の3組合で共同声明が出された。このようにあらゆるところと連帯活動を強めていこう。明日は府議会本会議。できるかぎり傍聴を。府民向けビラと教職員向けビラを作成する。高橋哲哉さんの講演内容を入れたリーフレットも作成する。橋下が住民参加とか言っているが嘘っぱち。騙されないよう住民の中へ持ち込もうと提起。
デモの途中、日の丸を掲げた右翼が「『君が代』がきらいなら日本から出ていけ」と反対側の歩道から叫んでいた。デモ隊は、宣伝カーからのシュプレヒコールと反橋下の替え歌で元気よく府庁を一周するデモを闘いぬいた。
翌21日には、大阪城公園で府労連2500人が集会・デモをおこなった。あらゆるところから、「2条例案は廃案に。橋下独裁はいらない」の声をあげていこう。

10月21日、府労連2500人が集会・デモ(府労連加盟組合:大阪府従業員組合、大阪教組、自治労府職)。日教組は全国から代表が参加(大阪城公園教育塔前)

福島の叫びを聞いて
女性たちが経済産業省前で座り込み


原発はいらない。福島の叫びを聞いてほしい。そう訴えて福島の女性たちが立ち上がり、27日から経産省前で座り込みをはじめた。初日は福島から約70人、全国から700人以上が座り込み、経産省を取り囲んだ。29日まで続けた後、30日からは全国の女性たちが座り込む。〔写真は10月27日 経産省前〕

2面

原発社会はもういらない
変えよう!日本と世界 共同行動 in京都

10月16日、京都市の円山野外音楽堂で「変えよう!日本と世界 反戦・反貧困・反差別共同行動 in京都」がおこなわれ、950人が参加した。今年はルポ・ライターの鎌田慧さんが講演をおこない、作家の瀬戸内寂聴さん、(ドイツ)同盟90/緑の党会派副代表で連邦議会議員のベーベル・ヘーンさん、そして京都沖縄県人会の大湾宗則さんが特別あいさつをおこなった。
瀬戸内さんは、「1000万の一人になることは人間の誇りです」と脱原発1000万署名への参加を呼びかけた。
大湾さんは「この間、野田政権の大臣たちは次々と沖縄に来ている。彼らは知事や県議会を形式的に訪問しているのではない。執拗に沖縄を分裂させ、沖縄を基地の中に固定化するために必死になっている。3年後の名護市長選、名護市議選そして沖縄県知事選でひっくり返しをねらっている」と警鐘を鳴らし、「政府に負けない真剣な必死のたたかいを」と力強く訴えた。
集会では、趙博(チョウ・バク)さんの歌と演奏をまじえ、服部良一衆院議員の国会報告、しないさせない戦争協力関西ネットワーク、差別・排外主義とたたかう弁護士、おおさかユニオンネットワーク、釜ヶ崎日雇労働組合、福島の被災者の加藤さん、福井などから発言がおこなわれた。〔下に各氏の発言要旨〕

「原発はダメ」京都市内をデモで訴え(10月16日)

原発絶対体制からの脱却を
鎌田慧さん(ルポライター)

最近「10万年後の安全」というフィンランドの映画が公開されました。これはフィンランドの学者達が10万年後の子孫たちが被曝しないかどうかを心配した映画です。しかし自民党は3年後の日本、自分たちの利益しか考えてなかった。原発を造ったのは金だけで論理はまったくない。危険なものを安全だと言って目をつぶらせるために、常に金で解決してきた。
そういう形で原発・核を中心にした「原発絶対体制」の下に日本の社会が動いてきた。核を中心にして利益を追求してきた結果が事故をもたらした。そういう社会を許してきたことを私は率直に反省しなくてはならない。そして一刻も早く原発はつぶさなくてはいけない。
原発をつぶすことは意識改革の運動でもあるし、文化の運動でもある。政府や東電は原発がなくなると輸出ができない、日本は空洞化する、金がなくなると脅している。そんな汚い金は、いらなと返すしかない。そして自然を大事にして、自然から汲み上げたエネルギーで再生可能、持続可能なものを発展させていかなければ。
福島の原発事故で、どんなに自然が汚染されたか。原発周辺100qはサンマが禁漁になっているが、サンマは勝手に移動しているから、放射性物質を含んだサンマがみなさんの食卓に今あがってるかもしれない。それをある程度はもう目をつぶって食べるしかないという、そんな国になってしまった。
ですから、広島・長崎・福島の教訓を世界に伝えて、核社会から脱却していく、その先頭に立っていく責任が日本にはある。もう一度事故があったらどうするのか。少しでも早く第二の事故を防がなければならない。
1000万署名を集めて、それを野田政権に叩きつける。その中で原発社会はもういらない、さよならだと言っていこう。そして来年5月以降には、再稼動を阻止する大集会を設定します。皆さん、一緒に頑張りましょう。

生きるということは行動すること
瀬戸内寂聴さん(作家)

私はまだ体が大丈夫ではないんですが、もう寝てはいられないと思い、夏頃から被災地へお見舞いに行っております。そこで一番感じたことは、行った先々で、そこにいる若い人たちから非常にパワーをもらったんです。私は今年数え90ですから、もう老人と言われても仕方が無いんですが、老人というのはいつの時代も「今時の若い者は」と言って若い人たちの悪口を言うもんです。諸外国では何かあるとやっぱり若い人たちが立ち上がっていますが、日本の若い人たちはもうだめなのかなあと思っておりました。ところが被災地へ行ったら、そこにボランティアでたくさんの若い人たちが全国から来てるんですよ。
その人たちの見かけは、今時の若い人たちなんですが、彼らと話してみると本当に純情で、そして何かしなきゃいけない、何をしたらいいかってことで悩んで、それでとにかく現地へ行かなきゃいけないと思って来てるって言うんです。そしてちゃんとお化粧をしたきれいなおねえちゃんたちが手袋はめた手で、がれきをひとつひとつ拾って運んでるんです。それにはもう本当にびっくりいたしました。そういうの見ると「あ、日本はもしかしたらまだ大丈夫なのかな」っていう気がいたしました。
90歳になってつくづく思うことは、生きるということは行動することです。思ったことは口に出して、そして闘って行動しないとだめなんです。そうでなければ生きたことになりません。「青春は何か」というと、「恋と革命」です。どうか若い人たち、頑張って恋をして、そして革命を起こして下さい。日本は革命を起こさなければならない状態にあります。大逆事件もちょうど100年目なんですよ。ですからこの次の100年目は、本当に革命が完成してるんじゃないかって期待しております。

脱原発は必ず実現できる
ベーベル・ヘーンさん(ドイツ緑の党・連邦議会議員)

ドイツでは福島の事故を受けて、大きな決断を下しました。私たちは今年の3月、ドイツの老朽化した8基の原発を停止させ、7月の国会ではドイツの全ての原発を2022年までに廃炉にすることを決議しました。
すべての原発を廃炉にできるということ、そして原発がなくてもドイツのような大きな工業国がやっていけるということを示したいと思います。私たちは皆さんが希望している、原発の新設反対、再稼動反対の取り組みを支持していきたいと思いますし、脱原発が大きなメリットをもたらしてることもお話したいと思います。
なぜ脱原発なのか。それはチェルノブイリで経験し、福島で見てきたように、原発事故はその被害がきわめて大きいからです。専門家は原発事故は1万年に1回しかおこならないといっていましたが、私はすでに2つの原発の事故を経験しました。専門家の言うことは間違っているのです。
日本政府は想定外のことであったと言って、そのつけを国民が払うような仕組みをつくろうとしています。事故の責任は東電が負うべきです。今まで利益を上げてきた企業が負うべきです。
原子力に頼らなくてもエネルギーを供給することができます。再生可能エネルギーへの転換です。ドイツでは再生可能エネルギーに転換することによって原子力よりも10倍もの雇用が生み出されています。エネルギーの一極集中から分散型へ転換を図っています。これは市民の誰もがエネルギーの生産者になることができ、電力を供給できるということです。誰もが参加できることが本当の意味での独占をなくすことであり、それが正しい道であると信じています。
脱原発によって安全な生活を送ることができ、放射性廃棄物もこれからは生み出されません。本当の民主主義が実現し、雇用も生み出されるのです。
そのための闘いには多くの力が必要ですが、私たちには理想があります。正しいことを実践すれば必ず成功する、実現できると私は信じています。
みなさんのこれからのご成功を心からお祈りしております。

福島の悲劇をくり返さないために
加藤裕子さん(脱原発Tシャツ・プロジェクト)

「あれが阿多多羅(あだたら)山、あの光るのが阿武隈(あぶくま)川。ここはあなたの生れたふるさと、あの小さな白壁の点点があなたのうちの酒庫。それでは足をのびのびと投げ出して、このがらんと晴れ渡つた北国の木の香に満ちた空気を吸はう。あなたそのもののやうなこのひいやりと快い、すんなりと弾力ある雰囲気に肌を洗はう。(中略)あれが阿多多羅山、あの光るのが阿武隈川。」

これは詩人で彫刻家の高村光太郎が、その妻・智恵子との純愛を綴った不朽の名作『智恵子抄』の一節です。この智恵子が生まれ育ち、いつまでも愛してやまなかった美しいふるさと福島が、放射能という得体の知れない凶器に汚染されてしまいました。
その結果、品質の高さが自慢だった福島の米は日本一安くなり、家族同然だった動物たちは見捨てられ、人びとはちりぢりばらばらになりました。
その憎むべき放射能は、福島第一原子力発電所から放たれました。それは安全だったはずの原子力発電所です。そして福島には、いまだ多くの人が生活しています。放射能の不安におびえながらも様々な理由で避難できない人、自分に迫る危機に目をつむり、気休めの「真実」にすがろうとしている人。そしてすべてを受け入れ残ることを決意した人。福島は今、見えない敵と情報に翻弄され、混乱し戦場となっているのです。
皆さん、ここ京都も他人事ではありません。もし若狭湾の原発で事故が起きれば、福島と同様の事態が起こりうるということです。原発が存在している限り、明日はわが身であることに気づいていただきたいのです。
だから皆さん、ひとりひとりが勇気と信念と心を持って声を上げて下さい。原発にノーの意思を示して下さい。そしてみんなでつながり、全ての原発を止めましょう。
もう二度と福島の悲劇を繰り返さないためにも、よろしくお願いいたします。

3面

辺野古への新基地建設ゆるすな
巻きかえしはかる野田政権

「東日本大震災と原発災害が起こり、沖縄の問題が報道されなくなった。しかし民主党政権は日米合意、辺野古V字案を必死に推進しようとしている。環境アセスから来年の3月を山場に、夏までに結論を出そうとしている。本土のウチナンチュも、もう一度必死にならなければ」(大湾宗則さん=京都沖縄県人会会長、10月16日「反戦・反貧困・反差別共同行動in京都」)。
辺野古のすわり込みテント排除の動きとの攻防、高江ヘリパッド工事阻止行動が続いている。
10月20日には、「夜間、早朝の飛行差し止めや、騒音被害に対する損害賠償を求める」嘉手納基地第3次爆音訴訟が始まった。米軍嘉手納基地周辺の約2万2千人が原告。
以下、普天間基地撤去・辺野古新基地阻止をめぐる最近の動きを追ってみる。

仲井真知事が訪米
9月19日 仲井真・沖縄県知事が訪米し、ワシントンで講演。「(米軍普天間基地は)国内の他の都道府県への移設が最も早く解決する方法だ。(辺野古に移設とする日米合意について)完全に見直す必要がある。(普天間と嘉手納との統合案は)騒音への反発が強く、(実現には)時間がかかる」。
9月20日 同知事、米連邦議会レビン軍事委員長(民主)、マケイン筆頭委員(共和)らと面談。辺野古移設は実現が難しいこと、議員らが5月に提案した嘉手納統合案も困難であると伝えた。「辺野古移設は沖縄県全体が反対している。(米軍は)銃剣とブルドーザーで基地をつくった。(日本政府も)銃剣とブルドーザーでやるのかということになる。(危険な普天間基地は)東京でいえば日比谷公園が基地のようなものだ」。
9月21日 野田首相・オバマ大統領会談。野田首相「日米合意にのっとり、沖縄の負担軽減を図りながら、理解を得られるよう全力を尽くす」。オバマ大統領「進展を期待している。結果を求める時期が近い」。「結果を求める」と踏み込んだ。

閣僚が続々と沖縄入り
9月下旬以降、閣僚・与党関係者の沖縄訪問が連続している。一般紙では「説得攻勢」と報じているが、実態は、権力を笠にきたどう喝、ごり押しである。
9月27日、斎藤勁官房副長官が沖縄入り。
10月11日 川端沖縄担当相が沖縄入り。
10月17日 野田首相が記者会見、「(普天間移設の)結論を出していかねばならない」と、辺野古新基地建設強行を示唆。
10月17日 一川防衛相が仲井真知事と会談。一川防衛相、「辺野古に移設するための環境影響評価(以下、環境アセス)評価書を、年内に提出できるよう準備をすすめている」。評価書の提出は、辺野古新基地建設への明確な意志表示となる。提出されると、県は90日以内に意見を表示、意見を踏まえた修正など手続きが完了すれば、政府は予定地の海水面埋め立てを県に申請できる。
仲井真知事、「(民主党が県外移設をかかげた)2年前と状況は変わっている。県民は怒っている。納得のいく説明を民主党としてお願いしたい」と反発、「不完全なまま『つくりたい』と言っても、埋め立て承認は簡単ではない」と述べた。
一川防衛相は、稲嶺・名護市長とも会談。稲嶺市長、「ようこそ名護へとは申し上げられない。県知事、県議会、各市町村とも県外移設を求めている。辺野古案は白紙に戻してほしい」。会談がおこなわれた市役所の外では抗議行動がおこなわれた。
10月19日 玄葉外相が、稲嶺市長、仲井真知事と会談。玄葉外相、「安全保障環境が厳しくなっている。(辺野古へ)お願いせざるを得ない。普天間の危険性を除去することがすべてのスタート。日米合意にそって進展させるのが基本的考え方」。仲井真知事、「強引にやってできるのか。辺野古への移設は難しいと言っていることへの返事がない。(安全保障問題について)きのう、おとといの話しではない。辺野古へ移設しないといけない緊張した何かがあるのかも分からない」と抗議の意を表明。稲嶺市長、「(辺野古新基地建設にむけた)環境アセス提出が現実味を増した時期に、関係閣僚が(次々と)訪問する真意は理解に苦しむ。私は海上にも陸上にも新基地をつくらせないという(市民との)約束を貫く。日米合意を白紙に戻すようアメリカに進言してもらいたい」。

日米軍事会談
10月25日 パネッタ米国防長官が来日。一川防衛相はパネッタ長官に「環境アセス評価書を年内に提出する」と表明。パネッタ国防長官は「いまの日本には、具体的進展が必要だ」と、評価書提出を歓迎した。
今後、11月はじめに前原・民主党政調会長が沖縄を訪問。政府は年内の環境アセス提出に向け、動きを強める。12月下旬には「沖縄への一括交付金」の金額(3000億円といわれる)を決め、12年度予算案を閣議決定する。
環境アセスの評価書が出されれば、来年3月ころ「知事意見」「公告・縦覧」となる。これは、今年6月の日米安保協議委員会(2+2)でゲーツ国防長官(当時)が「1年以内に具体的進展を」と要求した、それにそった動きである。来年6月は沖縄県議選がある。来年3月から6月にかけ辺野古新基地阻止は大きな山場をむかえる。
米軍普天間基地撤去、辺野古新基地建設反対の大運動をまきおこそう。

来年1月に沖縄から訪米団
NYタイムス(WEB版)に意見広告を掲載

9月21日〜23日にかけて、「沖縄と日本の市民から、アメリカ市民へのメッセージ 沖縄意見広告」と題して、ニューヨークタイムスのWEB版に「世界一危険な普天間基地を閉鎖し、今こそ米海兵隊を沖縄から呼び戻せ!」と訴える意見広告が掲載された。野田首相とオバマ大統領の日米首脳会談にあわせて、アメリカ市民に、いまこそ海外基地の削減の時であると語りかけた。この意見広告運動は、安次富浩氏、尾形憲氏、武健一氏ら8人が発起人となったもの。
このWEB版沖縄意見広告には、通常の5倍にあたる10700人がアクセスし、注目を集めた。
辺野古への新基地建設をあくまで強行しようとする日米政府に抗議して、来年1月下旬に、沖縄から訪米団を派遣することが決まった。
19日には大阪で、ヘリ基地反対協の安次富浩さんを招いてアメリカ意見広告報告集会がおこなわれる。ぜひ参加を。

投稿 自他への愛と尊厳を忘れずに
反貧困世直し大集会2011に参加して

10月16日「反貧困世直し大集会2011 震災があぶり出した貧困」が東京千代田区の法政大学市ヶ谷キャンパスで開かれた。来場した参加者は620人。インターネットで生中継された。
まずホールでリレートーク「被災者・被災地から」が開かれ、職場でパワハラを受けた女性、避難した生活保護受給者、支援者等(一部はDVDによる)が、さまざまな立場から語った。
午後は12の分科会が開かれ、各教室で労働、住まい、女性、保育、アディクション等について発表や交流があり、私は雨宮処凛氏(作家)と森川すいめい氏(医師。TENOHASHI代表)による対談「原発震災〜怒り、不安、悲しみのなかで生き抜くために〜」と、トークショー「 災害と女性達〜アジア、アフリカ、日本の現状から〜」に参加した。
路上生活者支援を行っている団体は都内にいくつかあり、私も炊き出しや夜回りに参加しているが、社会から弾き出された身体・知的・精神障碍者(中には親から虐待を受けたセクシャルマイノリティもいる)がホームレス状態になっている日本は先進国とは呼べない。
スリランカからの報告も興味深いものであった。2004年のインド洋大津波の被害を受けた地域で、女性リーダーのバサンタカラさんが、人権意識を現地に広めてきた過程は丁寧であり、同時に戦略的で頼もしく思えた。
DVは日本でも深刻であり、毎週のように事件が小さく報道されている。社会のストレスが家庭という密室で吐き出されると非常に危険で、少なくない命が奪われてきた。黙っていたら暴力が収まるなどという幻想は捨てて警察に通報することを躊躇してはならない。南アフリカで9歳の時、信頼する大人に強姦されたママ・ローズことローズ・タマエさんは3度強姦被害に遭って21年間HIVとたたかっている。彼女は自助グループを作り訪問活動等の支援活動もなさっていて頭が下がる。日本でも感染が広がっているHIVについて啓発活動を続けようと心を新たにした。
3時過ぎから、再びホールでシンポジウム「生きるために必要なこと」があり、湯浅誠氏がコーディネーターを務め、竹信三恵子氏、宇都宮健児氏、鈴木浩氏、中下大樹氏が発言した。津波が引いた後、暴露されたのは日本の脆弱なセーフティネットであり、気の効かない教育行政、統合された市区町村の財政難、弱者に強く当たる地域社会であった。マスコミは人間ドラマを演出するが、現場の声なき声を拾い集め、伝える活動家に引き続き注目する必要がある。人間は誰でも被災者になる可能性があるのだ。
最後に恒例のスタンドアップがおこなわれ、貧困問題解決を皆で誓った。貧困は待ったなしの問題で、ミレニアム開発目標(MDGs)でも2015年までに「世界の貧困人口を半減する」とうたわれている。各自が出来ることを、出来る範囲で無理なく続けよう。
過去に学び、未来に希望を持ち、今を生きよう。大切なのは、自他への愛と尊厳を忘れないこと。(東京 吝嗇美人)

4面

ダブル選で橋下・維新の独裁政治にストップを

今月27日におこなわれる大阪市長選と大阪府知事選のダブル選挙は、「弱肉強食の構造改革路線」の是非をめぐる政治決戦となった。大阪維新の会の候補者は、市長選は橋下徹・前大阪府知事、府知事選は維新の会幹事長の松井一郎府議である。これに対する有力候補は、市長選では平松邦夫・大阪市長、知事選では倉田薫・池田市長である。共産党は9月段階で市長選、知事選にそれぞれ独自候補を決定している。
平松も倉田も橋下の強権的な政治手法を「独裁政治」(平松)、「恐怖政治」(倉田)と批判しているが、この二人の「構造改革」に対する姿勢においては、橋下と共通するところも多い。にもかかわらず、今度のダブル選挙は、構造改革路線の成否を決する重要な位置をもっている。ダブル選で橋下・維新を打倒しよう。



橋下拒否の声

いま大阪市民、大阪府民の中から、はっきりと橋下・維新の会を拒絶する声がわき起こってきている。
10月19日には「 おおさか市民ネットワーク」が「 咲洲(さきしま)庁舎(旧WTC)の耐震性を十分に調査せずにビルを購入したのは違法」として、橋下知事にビルの購入費・改装費など計96億3千万円を府に返還させることを求める住民監査請求をおこなった。
同日、府立138高校のPTAでつくる府立高等学校PTA協議会が、「教育基本条例案」の見直しを求める嘆願書を提出した。嘆願書では条例文を「非常に強制力のある文言に思え、不快にさせられた」と指摘し、部活動など学校運営への積極的な参加を保護者に求めた規定について「不景気で家族を守ることが至難の時、勤務時間帯に定期的に学校へ通えるのか」と批判している。そして「橋下徹知事の一方向だけが『大阪の教育』と決めてしまうのは怖い」と警戒感を表明した。
これまで橋下は、知事選における183万票という得票数に示される圧倒的な人気を背景に、橋下府政に批判的な部分を各個撃破し、大阪全体を制圧したかに見えていた。しかし、多くの市民は3年8か月にわたる橋下の主導する「優勝劣敗」「弱肉強食」の政治をみて、それが自分たちの生活とは決して相容れないものであることを見抜きはじめている。

大阪市解体のデマ宣伝

大阪維新の会は、9月に大阪市長選マニフェストを発表した。そこでは、冒頭から「大阪市民が多額の借金を抱えさせられ、最貧困生活を強いられ、しかもその状況は日々悪化しているにもかかわらず、他方で、税金と借金で過剰な職員を抱え、職員を養っているのが、大阪市の現状」と口を極めてののしっている。
しかし、貧困化が進行しているのは大阪だけの問題ではない。今年7月に厚生労働省が発表した日本の相対的貧困率は09年時点で16・0%である。これは1985年に調査を開始して以来、最悪の水準である。経済協力開発機構(OECD)の08年報告書では、加盟30カ国の平均は10・6%であるから、OECDにかぎっていえば日本はまさに最貧困国なのだ。
なぜこんなことになっているのか。その原因は、小泉政権が推進した「聖域なき構造改革」である。この時期、大企業は規制緩和によって空前の利益を上げた。その一方で、非正規雇用化と賃金の低下が進み、失業保険は切り下げられ、社会保障が縮小し、地方への交付金は大幅にカットされた。こうして日本社会の格差と貧困がいっきに進行したのである。
構造改革に対する民衆の怒りが09年の政権交代を実現したのだ。貧困の解決のためには、構造改革路線を中止し、失われた雇用・賃金と社会保障の回復に、ただちに着手することだ。
大阪市の職員の賃金を下げたり、その定数を削減したりすることで貧困が解消するわけがない。
ところがマニフェストでは、「大阪市の市民1人あたりの職員の人件費負担額や人口1万人あたりの職員数は横浜市の2倍だ」と大騒ぎをして、いかに大阪市の職員がこの不景気に「厚遇」されているかを印象づけようとしている。実際には、総務省が発表した昨年の地方公務員の給与水準(ラスパイレス指数)の全国1位は横浜市なのだ。ちなみに大阪市は政令指定都市18市の中で16位である。
職員数にしても、その中身を検討せずに比較しても意味がない。大阪市は総延長129・9キロ、8路線123駅という東京に次ぐ全国2番目の規模をもつ市営地下鉄をもっている。たいして横浜市の地下鉄は総延長53・4キロ、2路線40駅しかない。地下鉄の職員数だけでも相当な差があるのだ。しかも大阪市の地下鉄は黒字であるから、市民に利益をもたらしこそすれ、負担をかけることはいっさいない。
このようにマニフェストの大阪市攻撃には根拠がない。橋下と維新の会は、「なにがなんでも大阪市を解体する」という結論が先にあって、それを正当化するために執拗にデマ宣伝を繰り広げているのである。

大企業が公共財を略奪

それでは、橋下と維新の会は実際に何をやろうとしているのか。それを彼らは、「驚天動地の行政改革」(大阪都構想大綱案)と称している。マニフェストでは市営地下鉄と保育所・ 幼稚園はただちに民営化すると言っている。
行革の対象は、小中学校教育、国民健康保険、介護保険、生活保護、大学、病院、図書館、博物館など多岐にわたっている。要するに、彼らは大阪市民が長年にわたって築き上げてきた貴重な財産を単なる目先の金儲けのために売り飛ばしてしまおうというのだ。市民の財産をまき上げて喜ぶのは財界と大企業だけだ。多くの市民がいまよりも悲惨な状況に追い込まれてしまう。

子どもたちが犠牲に
マニフェストでは大阪市の小中学校に学校選択制を導入するといっている。「好きな学校を選べる」といえば聞こえはよいが、これはとんでもない制度である。
学校選択制を導入し、学力テストの学校別成績結果を公表した東京都足立区では、成績上位の学校に人気が固定化した。一方で下位の学校は貧困な地域にあるため、貧富の差による小中学校の順位づけと統廃合が進んでしまった。
維新の会は「大阪の学校の間に競争を持ち込まなければ、国際競争に勝ち残れる人材は育成できない」といっているが、過酷な競争の犠牲になるのは子どもたちだ。東京では選択制を導入した区ほど、学校の「荒れ」や子どもの不登校が突出して多くなるというデータが出ている。

子どもの笑顔が消える
「子どもの笑う大阪づくり」。これは3年前に橋下が知事選に出馬したときのキャッチフレーズであった。本気でこれを実現しようと思えば、保育料を段階的に無料化し、子どもを安心して預けられる公立の保育所を増設しなければならない。ところが、マニフェストでは「ただちに保育所・幼稚園の民営化」というまったく正反対の政策を打ち出しているだ。これでは大阪から子どもの笑顔が消えてしまう。

住民自治を否定
結局、橋下と維新の会がやろうとしていることは、財界・大企業による大阪の公共財略奪であり、「大都市間競争に勝ち抜くため」と称する市民生活の破壊である。橋下のすすめる「貧困の解消」とは「貧乏人は大阪から出ていけ」ということに過ぎない。
この正体を隠ぺいするための煙幕が「大阪都構想」なのである。ところでそのモデルとなっている東京都は、1943年、戦時体制のまっただ中で東京府が東京市を解体・吸収して生まれたのである。その目的は戦時統制を貫徹するためだ。これは住民自治とはけっして相容れない、独裁政治にうってつけの制度なのだ。住民自治を圧殺するための制度だ。
11月ダブル選挙で橋下・維新の会を打倒しよう。

投稿 東京を占拠せよ!

ウォール街から始まった占拠は「オキュパイ ○○(○○を占拠せよ)」を合言葉に、世界に広まっています。報道によると、10月15日は都内各地で500人が参加しました。
私の参加した六本木の三河台公園では、12時からオキュパイがおこなわれ、インターネットTVによる中継があり、NYと繋がりました。小さい公園には年齢や性別を超えた百人以上が集まり、生姜の効いたカレーがふるまわれ、ドラムやギターが演奏され学園祭のような雰囲気でした。マスコミ以外にも、カメラや携帯電話で撮影する参加者が多かったので当日の様子をブログやユーチューブ等でご覧いただければと思います。一方、道路には警察や公安が数十人いて、関心の高さを感じました。
「怒れる者たち」の世界同時行動に連帯!新宿デモ(10月15日)
14時からは新宿柏木公園で、集会に続き「怒れる者たち」のデモがあり300人が集まりました。前回(9月23日)の「差別・排外主義にNo!」のデモで参加者が不当逮捕されたコースと同じ道筋を歩きましたが、マスコミの撮影が多く、逮捕者は出ませんでした。告発系の雑誌記者には乱暴な言動をする警察が、大手新聞・テレビの記者には非常に丁寧かつ友好的な態度であったのが印象に残りました。(東京 K)

5面

無責任な独裁者・橋下
弱肉強食社会をめざす「大阪都構想」


恐怖政治
「府庁にはゲシュタポ(秘密警察)がいる」これが府職員の間で公然の秘密になっている。橋下への疑問、異議、反対意見、さらには酒の席での愚痴までもが、すぐに橋下まで「ちくりメール」が届けられる。橋下の後輩、北野高校出身者の多くが手先になっていると噂されている。職員には気の休まる場所がない。
密告監視体制は橋下の知事就任当初から作られてきた。最初に問題になったのは08年8月、国際児童文学館。廃館の口実を探すために、私設秘書が職員や利用者の様子をビデオカメラで隠し撮りした。これを知事は「民間では当たり前。何の問題もない」と傲然と踏みにじり居直った。
それだけでなく、知事直轄の「改革グループ」が、8月末から存廃の対象になった27施設でも実施していたことが明らかになった。自身は週刊誌の取材の写真撮影に対して損害賠償を請求する裁判まで起こしながら、自分が指示した盗撮は正当化する。
同年9月11日には府教育委員会事務局の中から盗聴器が発見された。橋下は「自分ではない」と否定したが、またもや「民間では当たり前。たいした問題ではない」と盗聴を容認した。
今年の9月12日には維新の会・大阪市議たちに対して「都構想反対の政治活動に乗り出してきた市職員は根こそぎ外す」、「詳細に評価し、リストアップしてもらいたい」と指示した。大阪市でも市長選の前から橋下恐怖政治が始まっている。

一年で職員7人が自死
気に入られた者は死ぬまで働かされるし、憎まれれば放逐される。去るも地獄、残るも地獄だ。
「仕事上の課題・宿題が増え続け、少しも解決しません。頑張っても頑張っても出口が見えない。もう限界です。疲れました」。2010年10月13日淀川で水死体となって発見された商工労働部経済交流促進課の参事(課長級)の遺書だ。
橋下は深夜2時でも3時でも思いつきが浮かべば幹部職員にメールで質問や指示を送りつける。受け取った者は朝までには回答を準備しておかなければならない。思いつきだから無理な注文が多い。方針を出しても現場から「できません」と返ってくる。課長・参事級の中間管理職は板挟みになる。何とかしようとすれば心身の限界をこえる。
2010年度に7人の府職員が自死した。橋下以前は多い年で1〜2人だったから、まさに異常事態だ。4月以降も自死する人が続いている。過労死や突然死もある。「死屍累々」と形容する人もいるほどだ。職員基本条例は、この状況を極限的に悪化させるものだ。

イジメと差別を煽動
橋下のもとで夜も寝ないで働いて来た人や、橋下の言動がもとで自死した職員の葬儀にも参列しない、死者にむち打つごとき橋下。彼の政治手法の柱の一つが、血も涙もない弱者攻撃だ。
「弁護士は他人の不幸で飯を食う職業」と公言する橋下が、「政治とは“誰をいじめるか”を決定すること」とうそぶいて標的を決定する。こうして叩きやすいとみた者を徹底的に攻撃する。橋下は差別を煽り、いじめる側に立つように仕組む。
御堂筋イルミネーションの方が大事と言って府立高校の非常勤職員350人全員首切り。もっとも真剣に学びを求めている夜間中学に対する就学援助の打ち切り。今も続く朝鮮学校への府補助金の停止。
橋下と一緒では大阪の子どもたちは笑うことはできない。維新の会・坂井良和大阪市議は「格差を生んでよい。秀でた者を育てる」と朝日新聞の取材に答えている。笑うのは勝ち残った強者だけ。異常な弱肉強食社会が到来する。教育基本条例の狙いはそこにある。

裏切り
弱いものいじめという対立構造を作り出すためには、仲間だと思っていたものでも平気で裏切る。現在激しく選挙戦をたたかっている現職の平松市長も、WTC買い取りまでは、まれに見る「府市協調」と言われていた。しかし水道事業の府市統合が失敗したとたん、平松攻撃をはじめ、大阪市解体を叫びだした。
ここまでやるかと思わせるのが堺市長との関係。08年11月に開かれた「木原啓介堺市長を励ます会」で橋下は「木原市長は自治体トップの理想モデル、自治体トップの神様市長でなくなれば堺市民は不幸になる」と天まで持ち上げた。
ところが09年9月の市長選挙に、府の政策企画部長であった腹心の竹山修身を対立候補として送り込む。選挙期間中ほとんど毎日堺市に乗り込んで選挙応援をした。その結果大差で竹山市長が誕生。今やこの竹山が、橋下から口汚く罵られている。竹山市長が「堺市は政令指定都市になったばかりで分割する意味がない」と大阪都構想に疑問を表しただけで、橋下は「平松と同じ扱い。戦闘モードに入る」と恫喝する。維新の会の議員たちも、明日は我が身だ。

維新の会はアキレス腱
大阪維新の会は府の選管に政治団体と登録されている。橋下もマスコミも、ローカル・パーティーないし地域政党と言っている。実態は橋下後援会に他ならない。議員にしてもほとんどが政治の素人。すべて橋下が決定し逆らうことはできない。しかも橋下は都合の悪いことは責任を取らない。すべて他人に押しつける。
ダブル選の争点としている職員基本条例について、まわりの反応を見て条文修正の必要性を示唆した。「いいものができた、集大成だ」と自慢していたはずだ。これを「前文で公務員悪玉論から入っているが、行政組織が動かなくなる」、「条例案を作成した維新の会のメンバーの説明が不十分」、「僕のマネジメント不足」と言いだした。
教育基本条例案も「維新の会幹部の説明で誤解が生じた」として下部のせいにし、自分は管理不足だっただけと責任逃れをはじめている。
今年8月、維新の会推薦で立候補し当選した西端守口市長は、市議会で「大阪都構想で守口市はどうなるのか」と追及されても何一つ答えることができない。橋下もはっきりさせていないようなことは守口市長も分かりようがない。政党や政治家の体をなしていない。
橋下にとって「橋下チルドレンたち」は踏み台にしか過ぎない。

財政健全化のまやかし
○まやかし その1  「大阪府は破産会社」

橋下が知事に就任した当時、府の借金=府債残高はおよそ5兆円。大阪府の予算規模は約3兆円。考えやすいように家計規模にしてみると、年収300万円の家庭が500万円のローンを組んでいるようなもの。しかし大阪府の資産は8兆円と言われていた。借金を差し引いても3兆円の資産を持っていることになる。破産にほど遠い。一人あたり52万円の借金をしているとも言っていたがこれは47都道府県の内、下から7番目。
○まやかし その2 借金増えても黒字の仕組
08年度決算で、約119億円の余剰金が出た。09年度は325億円の黒字。これらを維新の会は「11年ぶりの黒字転換」とか「就任1年で赤字解消」と大宣伝している。だが08年の普通会計負債残高は前年度よりも623億円増え、09年度には1622億円増加している。
黒字なのに借金が増える。これは自治体財政の仕組みで、単年度では借金も収入に計上されるから。借りても財布の中に入ってきたお金は収入となる。決算で財布にお金が残っていれば黒字とされる。借金増やしているのに「財政再建した」というのは意図的デマだ。
○まやかし その3 粉飾決算まがいの会計操作
「11年ぶりの黒字」は赤字隠しによってねつ造された。府が出資する5法人に貸し付けていた資金を年度末の3月31日にいったん返済させ、年度始めである4月1日に再び貸し付けた。総額1193億円。この操作がなければ08年度は853億円の赤字であった。

大阪市の資産をぶん取り
橋下・維新の会は「大阪市の財政状況が悪化している。市の借金体質を改革するために市を解体して大阪都に再編する」と言う。実際には、府の借金は増えているが、市の借金は確実に減っている。04年から2010年でみると市債残高は3944億円
減少し、府債は4179億円増加している。維新の会の主張は天に唾をかけるようなものだ。
「大阪市が持っている権限、お金、力をむしりとる」(6月の維新の会パーティー)、これが橋下の本音だ。橋下は年間289億円(09年度)にのぼる純利益を計上し累積黒字となった市営地下鉄を民営化するという。大阪市の莫大な資産をぶん取り、売り飛ばして大阪都の財源にするというものだ。
橋下独裁のもとで戦後の地方自治制度は全面的に破壊される。そこで進行するのは自治体職員の執務能力・意欲の深刻な低下であり、自死、突然死続出という事態だ。教育、文化、市民生活のセーフティネットの破壊であり、ついには異常な弱肉強食社会の出現だ。

6面

シリーズ 原発労働者は訴える 第3回
欠陥の隠ぺい 書類の改ざん


――原子炉の破損は津波以前?作業が押している?


そう。地震の直後、津波が来る前に第一原発から避難した作業員が、ホールボディーカウンターで何千カウントとか、何万カウントという値が出た。地震のときに相当量の放射性物質が漏れていたんだろうなと推測できる。

――あの事故は想定外か、想定内か


想定内だと思う。ある程度、原子炉が壊れて、ちょっとした放射能漏れがあるとか、そういうことは当たり前にあると思っていたから。検査業務をやっているときにも、だいぶん改ざんした書類をだしているんで。

――どうして改ざんを


東京電力からの命令。欠陥があった部分について、東京電力は全部知っている。全部報告しているし、正確な書類も提出している。でも、通産省(当時)に提出する書類は、欠陥がなかったことになっている。

――欠陥とは?


溶接面のクラック。ヒビだね。定期検査でそういうのを探している。ちょこっと切断して、新しい配管をぽんとつけられば終わりというのはすぐやる。
でも、その回の定期検査中に間に合わないもの、例えばその配管を切るためには、原子炉の中の燃料をどかさなければならないとか、水をぬかなければならないという作業が関わってくると、その工事だけで何億円、何十億円とかかってしまう。原子炉が止っている期間も延びる。であれば、隠した方が安くあがる。
ものすごい重要な部分でも、ある。冷却水を通す配管なんかでも。そういうところの方が多い。直せないから(隠す)。それをやるとなったら、大規模な工事になってしまうから。

――改ざんとは具体的には


修復した物に関しても、「欠陥があって、こういう風な修復をしました」と報告するよりも、最初から「欠陥がありませんでした」と報告した方が楽。
通産省にいちいち「こういう欠陥がありました」「なぜこういう欠陥が起きたか」という報告書まで添えて出さないといけない。それをやるんであれば、修復した後に、「何もありませんでした」という書類を出した方が楽なんだ。東京電力にとっては。報告といったら自治体にも報告しないといけないわけだから、「原発は危ないよね」となったら困るんでね。
いざバレたとなれば、メーカー側がやったことになる。その書類を書いているのは、メーカーだから。「東京電力の指示でやりました」と言わない限り、「メーカーがやったことです」で終わり。
その代わり、罪を被ってもらう代わりに、来年は東京電力からメーカーに「もう少し多く発注を出すから」「単価をあげていいから」。その程度だと思う。

――書類改ざんの指示は誰から


会社の上司から。「この前、検査したヤツあっぺ。そいつ、こうこう、こういう風に書いてなあ」って。「はい、はーい」って普通に。
そのときは、俺もまだ若かったんで、「おかしいよな。これこの間、書いた書類だよな」って思いながら、従うしかなかったし、そのときは、そこまで深くは考えなかった。
ちゃんと図面まで書いてね。最初に出すときは、「こういう配管があって、ここに欠陥があって」と書くんだけど、それを全部「欠陥はなかった」という図面にしてしまう。
そういう書類は山ほど書いた。だから、そんなもの何千件、何万件もあると思う。全国の原発で、山ほどある。

――地震の衝撃で配管が破断したということか


そう。何年か前に震度5強の揺れがあったときも、結構ダメージがあった。新潟の地震でも、あっちこっちがやられた。
配管を支えているサポートは、アンカーを打ってネジで留めている。地震の揺れで、アンカーごとぬけちゃったとか、配管が揺れて、サポートごと持って行かれちゃったとか。そういうのはたくさんあった。震度5強ぐらいで。
そのあと、結構、修理に入ったから。壁にヒビが入っていたとか、ヒビはそこら中にたくさんあった。
だから、今回の震度6強だったら、相当、やられちゃうだろうなと思った。揺れている時間も長かったし。
「揺れで原子炉のどっかがやられたんだぞ」という話を聞いて、「あー、それは、おかしくはないな」と。データ的なことがどうのこうではなくて、現場の状況としてね。
自分に与えられた仕事を責任を持ってきっちりとやるというやっぱり責任感もあって、誇りもあって、やっていたから、自分の仕事が直接、事故に結びついたかというのは、俺はそうは思わないけど、ただ、全体で考えると、事故に結びつくような状態だったんだろうなと思う。

福島第一原発4号機の建屋内(6月 東京電力撮影)

投稿 「障害者」先頭に厚労省交渉
総合福祉部会の提言を軽んじる厚労省

厚労省交渉(10月12日 衆院第1議員会館)

10月12日、「怒っているぞ!障害者きりすて 全国ネットワーク」が、自立支援法にかわる新法(総合福祉法)に関して、厚生労働省との交渉をもった。「障がい者制度改革推進会議」のもとにある「総合福祉部会」の中間意見にたいして、厚労省が2月と6月に出した「コメント」の内容について、追及するための交渉だ。怒りネットから30人近くが参加。厚労省からは係長クラス8人が出てきて対応した。

問題だらけのコメント
推進会議や総合福祉部会は、「障害者」福祉を、「恩恵」的なものから「『障害者』が人間らしく生きる権利」を実現するための施策に、根本的に転換することを提起している。それにたいする厚労省のコメントは、そうした転換を否定する内容だった。
「コメント」には様々な問題があるが、例えば「非常に多額の財源及び人材が必要となるため、国民の理解を得ながら検討する必要」「客観性・透明性・公平性をどのような形で担保するのか慎重な検討が必要」等々といったかたちで、一人ひとりの「障害者」が必要とする介助を、「健常者」の論理や基準で制約しようとするものだ。

勝手にやったこと!?
様々な論点で厚労省を追及したが、その中で障害福祉課の官僚は、今回の総合福祉部会というのは、厚労省の事務方が論点を出して検討しているのではなく、『障害』当事者や事業所のみなさんが議論を進めてきたもの∞厚労省としては、現行制度の前提に立ったコメントをしている≠ニ言い放った。
要するに、《推進会議や総合福祉部会は、官僚抜きで勝手にやったんでしょ、厚労省としてはこれまでの制度との整合性を大事にして、可能な部分だけ変えますよ》ということだ。
自立支援法で(介護保険でも)問題の多い「障害程度区分」(「障害」の等級を決めて、利用可能なサービスの上限を設けるもの。推進会議や総合福祉部会は廃止の方向で意見を出している)についても、あくまで「必要」との姿勢に終始した。

大きなうねりを
厚労省は、推進会議や総合福祉部会が出した、「根本的転換」をする気などさらさらないことが浮き彫りになった交渉だった。
こうした官僚が、今、総合福祉部会の提言を受けて、来年にむけて「総合福祉法」の法案を作成している。このままでは、現行の自立支援法を多少手直しした程度の制度法案になることは間違いない。
今いちど、「障害者」を先頭とした大きな運動のうねりを作り出すことが死活的だ。「社会保障・税」一体改革や地域主権改革で進められようとしている福祉切りすてに反対して、高齢者や保育児の保護者など、あらゆる領域と手をつないでいこう。(YH)