未来・第74号


            未来第74号目次(2011年2月1日発行)

 1面  もう許さん 菅政権 消費税× TPP参加× 日米同盟強化×
     対米追随 大企業貢献

     「日の丸・君が代」強制
     都教委通達と処分は「合憲・合法」の逆転反動判決
     国歌斉唱義務不存在等確認訴訟(予防訴訟)

 2面  日米同盟 対中国・対北朝鮮の侵略態勢
     対米追随一直線

     TPP 農業壊滅 賃下げと失業
     グローバル企業だけが歓迎

 3面  消費税 下請けに過酷な消費税
     増税分 大企業の懐に

 4面  「ふるさと納税」制度を活用して名護市を応援しよう
     名護 交付金凍結に反撃

     24時間監視を開始 沖縄・高江から訴え
     現地に集まって下さい

 5面  原発に反対する理由
     ドキュメンタリー 鎌仲ひとみ監督 135分
     『ミツバチの羽音と地球の回転』をめぐって

     放射線を 僕らの世代や子どもたちに 残して欲しくない
     上関原発反対 ハンスト決行中

     米海兵隊 陸上自衛隊 あいば野で軍事演習
     2・13反対集会へ

 6面  職場・地域に闘う労組の旗を
     関西合同労働組合旗開き 春闘討論集会

     震災16年の闘い
     自分だけじゃない がんばろう

     労働福祉会館の存続を
     橋下型の「財政再建」 福祉切りすて許せない 兵庫県尼崎市

 7面  2011年 政治・運動スローガン
     革命的共産主義者同盟再建協議会

 8面  朝鮮人被爆者が告発するもの 学習会

     朝鮮高校・無償化除外
     政府は差別・迫害やめよ

     シネマ案内 安重根 伊藤博文を撃つ
     テロリストか英雄か?朝鮮のみる安重根とは・・・

       

もう許さん 菅政権
消費税増税 × TPP参加 × 日米同盟強化 ×

対米追随 大企業貢献

3点セット
消費税増税 ・TPP参加・日米同盟強化の3点セット。これが、内閣改造を行った菅政権の突き進んでいる方向だ。
そこには、09年衆院選で掲げた「国民生活が第一」のスローガンは痕跡も残っていない。露骨なまでの「アメリカが第一」「グローバル企業が第一」だ。日本経団連・米倉会長は大喜びしている。〔注1〕

消費税シフト

改造人事〔注2〕は、明白な消費税シフトだ。自公政権下で「骨太方針」を推進してきた与謝野が、「税と社会保障の一体改革」のとりまとめ役として入閣。「消費税を含む

〔注1〕日本経団連・米倉会長のコメント

菅第2次改造内閣について
「党人事も含め、重要政策課題を推進するために各分野を通じ極めて強力な布陣が敷かれたと思う」(1月14日)

施政方針演説について
「税・財政・社会保障制度の一体改革、TPP交渉への参加に向けた取り組みが進展することを期待したい。菅総理が施政方針演説において最初に『平成の開国』を挙げられ、非常に力強い意思表明をされたと受け止めている」(1月24日)

〔注2〕菅 第2次改造内閣 人事

*与謝野・経財相 小泉内閣、麻生内閣で経財相。社会保障費の毎年2200億円削減と消費税増税を狙う「骨太方針」の中心人物。「税と社会保障の一体改革」(=費税増税)を担当するために入閣
*藤井・官房副長官 民主党「税と社会保障の抜本改革調査会」の会長。昨年12月にまとめた「中間整理」で、「消費税を含む抜本改革に一刻も早く着手すべき」と
*海江田・経産相 TPP推進派。TPP消極派の大畠と入れ替え
*前原・外相 野党時代から米軍需産業に接待され、米国防総省の人脈。対米追随派の筆頭。昨年9月の釣魚台事件では、対中国強硬路線をごり押し。昨秋APEC過程でもTPP推進の最強硬派。先の訪米でも国賓級の厚遇
*北沢・防衛相 「専守防衛」放棄、中国敵視の新防衛大綱(昨年12月)をまとめた中心人物
*枝野・官房長官 昨年6月幹事長就任の際、日本経団連との対話をいち早く再開

抜本改革に一刻も早く着手すべき」という報告をまとめた藤井が官邸に。
同時に、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)シフトでもある。TPP消極派の大畠をはずし、積極派の海江田を経産相に。昨秋APEC(アジア太平洋経済協力)過程でもTPP推進の最強硬派だった前原が外相留任。

5〜6月が焦点
〔下図参照〕

11年度「税制改正大綱」で、法人税減税がもりこまれた。
消費税増税については、「6月までに基本方針を示す」と施政方針演説で明言。12年度「税制改正大綱」には増税を盛り込むことを狙う。
同時に、TPP参加も「6月をめどに結論を出す」(施政方針演説)とした。
また、5月連休の首相訪米と日米首脳会談を予定し、そこで「21世紀の日米同盟のビジョンを示したい」(施政方針演説)と述べた。対米追随と対中国強硬、沖縄圧殺の路線を確定しようというのだ。
前原の留任は、対米追随と対中国強硬の外交路線を推進しようという布陣だ。
今年の前半に大きな山場が訪れる。ただちに準備し行動を開始しよう。

菅政権打倒へ
「国民生活が第一」のスローガンにたいして、09年総選挙では約3千万票が投じられた。
しかしいま、そのスローガンとともに、人民の生活のかかった要求が、弊履のごとく投げ捨てられている。このことを曖昧にはできない。
構造改革、規制緩和、市場開放といった政治の下では、人民は生活できない。そういう実感と怒りによって、自民党政権が倒されたのだ。
ところが、民主党は、自民党以上の対米追随と大企業貢献の政治に変質・回帰している。しかも、その変質を推進してきたのが、官僚、検察、財界、マスコミ、自衛隊、米政権などだ。日本を支配する実体が、次第に、誰の目にもわかるものになってきた。
消費税増税 ・TPP参加・日米同盟強化の3点セットは、まさに労働者人民の生活を破壊する大攻撃だ。これを強行する民主党にたいして、自民党を崩壊させた以上の怒りで決起しよう。日本の支配の実体そのものに向かって怒りをぶつけよう。
〔2面に、〈消費税・TPP・日米同盟〉の3点セット批判の記事〕

消費税増税・TPP参加・日米同盟強化をめぐる政治日程


「日の丸・君が代」強制
都教委通達と処分は「合憲・合法」の逆転反動判決
国歌斉唱義務不存在等確認訴訟(予防訴訟)

1月28日 東京高裁〔詳報次号〕

2面

日米同盟 対中国・対北朝鮮の侵略態勢
対米追随一直線

「日米同盟は公共財」 1月20日 外交演説

異例の外交演説
菅首相は、1月20日、都内のホテルで、各国の駐日大使や経営者を前に外交演説を行った。 首相が通常国会召集前に、外交に限った演説を行うのは「異例」と報じられている。また、「東アジア共同体」という文言を使わなかったことが注目され、「日米

〔注1〕米サイドの民主党政権評価:アーミテージ(元国務副長官)の発言

「私から見て、鳩山氏はドリーマー(夢見る人)」 「(釣魚台侵攻の日米軍事演習の必要を)軍部のリーダーは理解する。岡田前外相も理解するかも。菅首相はそうではないかも」 「日本は日米同盟の枠内で強くなるべき。安倍氏はそういう方向を目指していた。前原氏も同じ。しかし、小沢氏は違う。彼は日本の将来を中国の《善意》に預けようとしている。小沢氏は反米」〔春原剛著『日米同盟vs.中国・北朝鮮』より〕

同盟関係の再出発宣言」(読売)と評されている。
菅には、アメリカに向かって、《鳩山・小沢の対米相対化路線から転換し、対米追随一直線で行く》という宣明をする必要があったのだ。
人民の怒りの力が政権交代(09年)をもたらしたが、それに危機感を抱いて、その転覆を進めてきた大きな力の一つがアメリカ政府なのだ。〔注1〕

アメリカの覇権

菅は演説で、「日米同盟は、アジア・太平洋地域にとって公共財」と述べた。
「公共財」とは、アメリカの論理だ。アメリカの軍事戦略文書(QDR2010)で使われた文言。《国際公共財とは、海、空、宇宙、サイバー空間など特定の国に属さない公共の領域》と説明されているが、アメリカの軍事覇権を体よく言いかえたに過ぎない。アメリカの軍事覇権にたいする脅威として中国を名指しし、それにたいして、軍事力で粉砕するという意味で使われている。
したがって、「日米同盟は公共財」と確認することは、《日本は、アメリカの軍事覇権を支える》《その敵である中国と戦う》《日米同盟を相対化する路線は認めない》《基地撤去を要求する者は許さない》という意味だ。そういう外交方針を、国会招集前に、わざわざ各国の駐日大使や経営者を集めて発表したわけだ。

新たな共通戦略目標
1月6日の前原訪米・日米外相会談では、菅首相の5月訪米に向け、日米の「新たな共通戦略目標」の策定を目指すとした。そして、この「新たな共通戦略目標」を基礎に、日米共同声明を打ち出そうとしている。
「共通戦略目標」とは、05年の日米安保協議・「2+2」共同発表で、米日が《共通の敵は、テロと中国》と確認したもの。これを更新するということは、《共通の敵》にたいする日米共同作戦がより具体的に踏み込んだものになるということだ。
その一端を示す事柄が、周辺事態法改悪と、日韓ACSA(物品役務相互提供協定)の締結交渉だ。

周辺事態法改悪
政府は、周辺事態法改悪の検討を開始した(1月19日)。
自衛隊の米軍にたいする海上補給(水、燃料、食糧)の地域を、現行の日本の領土・領海から、公海上に拡大することが柱だという。
周辺事態法の制定(99年)で、「日本周辺」という概念を導入した。朝鮮危機と米軍の軍事介入にたいして、日本も参戦するためだ。これまで日本の領土・領海に限定された自衛隊の行動範囲は拡大を開始した。
「周辺事態」は「地理的概念」ではないとし、無制限の対外侵略の意図を示した。06年には、台湾有事も「周辺事態」に含まれると公言した。
昨年11月〜12月、米空母G・ワシントンが、中国沿海部と目と鼻の先である黄海内に踏み込んで、米韓軍事演習をおこない、朝鮮民主主義人民共和国や中国にたいして戦争挑発を行った。周辺事態法の改悪によって、自衛艦が公海上で(例えば)G・ワシントンに補給し、一体となって軍事作戦を行うことを狙っている。

日韓ACSA
韓国との間で、「ACSAの締結交渉開始」と、「GSOMIA(軍事情報包括保護協定)について事務レベルで協議する」ことが、1月10日、北沢防衛相訪韓・日韓防衛相会談で合意された。
ACSAとは、米軍が同盟国軍との間で、軍事物資や労力・施設などを相互に融通することを取り決めた協定。日米ACSAは96年に締結。昨年、日豪で締結。
災害救助やPKOでの協力だとしているが、日米ACSAも、当初は、共同訓練などに限定していたが、段階的に戦時ACSAに改悪され、イラクやインド洋派兵にも適用された。日韓ACSAが、朝鮮危機にたいする自衛隊派兵をにらんだものであることは明らか。
だから、韓国内で反対の声が挙がっている。

防衛局が辺野古に
1月14日に来日したゲーツ国防長官が、昨年5月の辺野古合意の履行を再度求めた上で、新たな共通戦略目標の策定は切り離して進めると述べたという。
辺野古新基地建設は、沖縄県民の総意の前に、手詰まりになっているのだ。しかし、菅は、施政方針演説で、辺野古新基地建設を「最優先」と述べた。
さらに、沖縄防衛局が3月末までに、名護市辺野古区に「名護防衛事務所」を開設する。44人という大規模な体制で、地元工作を行うという。名護市長、名護市議会、沖縄県議会、そして、あの仲井真知事さえも、普天間基地の「県外移設」を主張している。にもかからず、政府・防衛省は、辺野古に同事務所を開設し、巻き返しを図ろうというのだ。
名護市民は、この15年間、新基地建設問題のために、地域の分断と対立に苦しめられてきた。それを再燃させようというのだ。絶対に許せない。
また、高江でのヘリパッド建設工事も強行されている。
   ・    ・    ・
新防衛大綱を昨年末に決定。対中国・対北朝鮮をにらんだ日米共同作戦への自衛隊シフト、その中心をなす南西諸島への配備強化を打ち出した。
さらに、新たな共通戦略目標の策定、日米共同声明、周辺事態法改悪、日韓ACSA、そして辺野古新基地建設強行へつきすすもうとしている。
米海軍と洋上補給をおこなう海上自衛隊。
日米共同統合演習で(昨年12月3〜10日)

TPP 農業壊滅 賃下げと失業
グローバル企業だけが歓迎

「開国を成長と雇用につなげる」 1月24日 施政方針

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)とは、例外品目なしに100%の貿易自由化をめざし、モノやサービスなど、24分野にわたる経済連携協定(EPA)だ。アメリカが主導している。

農業壊滅
日本がTPPに参加すれば、まず農業が壊滅的な打撃を受ける。〔注2〕「開国」というが、農産物の平均関税率は、すでに約12%、充分「開国」している。
農業を犠牲にするなという声にたいして、前原は、「GDP構成比1・5%の農業を守るために、残り98・5%を犠牲にするべきではない」と発言した。
では、他の主要国でのGDP構成比はどうなのか。〔注3〕
農業大国と自認するフランスでも1・8%。日本はそれに次ぐ1・5%。フランスは、農業を手厚く保護している。1・5%だから犠牲にしてよいという話にはならない。

24分野
TPPの対象は農産物だけではない。24分野が協議されている。金融、保険、労働力などあらゆる貿易・サービスの自由化が狙われている。
すでに日米協議の中で、「郵政資金運用への米企業参加」、「自動車安全基準の米国並みへの引下げ」、BSE絡みで「月齢20カ月を超えた牛肉の輸入制限廃止」などが出てきている。さらに、高額混合医療の解禁、米保険会社参入、公共事業の入札条件緩和で外資が参加することになる。
日本の医療に市場原理主義が持ち込まれ、最終的には国民皆保険制度の崩壊につながる。
◇開国で賃下げと失業
労働の自由化は、外国人労働者を低賃金・劣悪な労働条件で大量に受け入れ、いらなくなれば自由に切り捨てる。日本人労働者には、「開国で雇用」どころか、さらなる賃下げと失業がおそいかかる。

アメリカの利害
日本のTPP参加の背後には、アメリカのグローバル企業の圧力がある。アメリカは、金融、医療、法律といった分野の輸出を熱心に追求している。
米経済危機に追いつめられるオバマ政権は、他国市場をこじ開けて、なりふり構わずアメリカの輸出拡大を図ろうとしている。その武器としてTPPを使おうとしているのだ。
TPP参加国〔注4〕を見ればわかるように、アメリカ一強を中心にしたアメリカのため
の協定。中国、インド、ロシア、EUは参加していない。

誰が得するのか
日本のTPP参加は、アメリカにとって、対日輸出で大きなメリットがある。
日本側では、税金でも雇用でも貢献の少ないトヨタなどのグローバル企業が、恩恵をこうむる。
しかし、大半の産業と労働者・農民には、多大なデメリット以外ない。「開国」とは、日本の人民をグローバル企業の餌食に差し出すといういうことだ。
先の前原発言になぞらえれば、《たった2・5%の富裕層〔注5〕のために、大多数の人民を犠牲にしてよいのか》ということなのだ。

3面

消費税 下請けに過酷な消費税
増税分 大企業の懐に

「安心の社会保障と持続可能な財源を」 1月14日 記者会見

一体改革の詭弁
「消費税の国税分は、高齢者医療・介護・年金に振り向けると決まっている」「消費税の収入が7兆円。高齢者医療・介護・年金の支出は17兆円。その差額10兆円は借金で穴埋めしている」。
1月14日の記者会見で、菅はこう説明して、《差額10兆円をどうするのか。だから消費税増税が必要だ》と迫った。「それは大変だ」と思わされそうだが、まったくの詭弁。これが、「社会保障と税制の一体改革」の中心的なレトリックだ。

論理の逆転
たしかに99年度予算以降、「消費税の収入は、基礎年金・老人医療・介護に充てる」と、毎年度の予算総則にある。
これは、消費税増税への世論誘導を狙って、財務省が打った布石だ。
まず、あたかも《消費税は、社会保障に使ってくれている》という善意の誤解を狙っている。
次に、《高齢者医療・介護・年金は、消費税だけで賄う》という論理への誘導を狙っている。「消費税だけで賄う」などという話が、いったいいつどこで決まったのか。
そもそも消費税は、使い道の決まった特定財源ではない。ましてや予算総則の一文を、《消費税だけで賄う》などと読みかえることはできない。

「不足10兆円」のウソ
14日の菅発言は、この財務省の布石に依拠している。
《消費税の収入が7兆円》と《高齢者医療・介護・年金の支出は17兆円》を、当然のように対応させているが、大問題だ。
国の税収は、消費税だけではない。所得税も法人税も揮発油税も酒税もたばこ税もある。社会保障は、人民の生存権を保障するための仕組みだ。だから所得税・法人税からも優先して充てられるべきだ。
このように、「額10兆円は借金で穴埋め」というのは、全くの詭弁。

法人減税の穴埋め
消費税が導入されて以降、22年間で消費税の税収は、総額224兆円。同時期の法人税の減収は208兆円。
社会保障の「穴埋め」どころか、法人税減税による国税の減収分の穴埋めとなってきたのが、消費税の実態。
11年度から、さらに1・5兆円の法人減税を決めた。消費税増税はそのためだ。社会保障は口実にすぎない。

消費税は不公平税制
逆進性の問題もあるが、以下の点が重大だ。
◇消費税で倒産・自殺
消費税を納める事業者の99%が、中小零細業者。彼らは、大企業の下請け・孫請け。納入品に本来転嫁するはずの消費税分の値引きを迫られる。だから実質上、下請け・孫請けが消費税分を負担している。そのため滞納が激増。借金して納税し、倒産や自殺が多発している。
◇トヨタに年間2千億円
つまり、トヨタなど輸出大企業は、本来払うべき消費税を下請け・孫請けに払わせている。
しかも、消費税を払っていないのに、輸出還付金制度によって、その分を莫大な額の還付金として受け取っている。こうしてトヨタは、年間2千億円以上の不当な所得を得ている。〔注6〕
輸出還付金制度とは、輸出にかんする取引では消費税が免除になる制度。輸出品は、海外では「日本の消費税」を徴収できないから、その分を返金するという理屈。

しかし、これでは、中小零細業者が、大企業・輸出企業の代わりに自腹を切って納めた税金が、大企業・輸出企業に渡っている構造だ。
財界が消費税増税をいうのは、彼らにとって腹が痛くないばかりか、税率が上がれば、還付額も大きくなるからだ。

「法人税高い」のウソ
「諸外国の法人税は日本より低い」と財界は言う。しかし、法人税は、国によって課税の対象・範囲が違う。様々な優遇税制による減税がある。
表面的な法定税率を単純に比較すると、日本は40・69%。〔注7〕
しかし実際の税率は、トヨタ30・5%、三井物産は11・4%。〔注8〕 さらに、社会保険料の企業負担もあわせて、国際比較すると、日本は、アメリカ、イギリスより高いが、ドイツ、フランスより低い。〔注9〕

税制の違い
さらに諸外国には、ITの導入や法整備によって、個人資産や個人所得を高い精度で捕捉している国もある。そういう場合、法人税を下げても徴税額は減らない。
日本の税制は、まだそこまで行っていない。
このような前提の違いを考慮すれば、日本の法人税が高いという議論は的はずれだ。

競争力強化も恩恵なし
《大企業が競争力を強化し、輸出が増えれば、その恩恵は国民に返ってくる》という議論がある。 しかし、シャープ会長や日本経団連・米倉の発言〔注10〕を見れば、当のグローバル企業が人民に還元する気など毛頭な

〔注10〕
「(法人税減税で雇用拡大を求められて)資本主義でない考え方を導入されては困る」(12月13日 日本経団連 米倉会長)

「電機業界は日本のウェートを、5分の1ぐらいにしか考えていない。拠点が海外に移って現地採用が増える中、国内での定期採用が何人かと聞かれても、そういうことは考えなくなった」(1月21日 シャープ 町田会長)

いことがよくわかる。
米倉がいう「資本主義の考え方」とは、あけすけに言えば《あらゆる存在が、経済成長のために捧げられるべき。その牽引車たるグローバル企業こそが社会の主人公。税制もグローバル企業の成長の道具。グローバル企業の活動を阻害する要因は容赦なく切り捨てる》ということだ。

4面

「ふるさと納税」制度を活用して 名護市を応援しよう
名護 交付金凍結に反撃

1月17日、新崎盛暉さん(沖縄大名誉教授)らが東京で記者会見を行い、「『ふるさと納税』制度を活用して、名護市を応援しよう」という呼びかけをおこなった。その「声明文」と「名護市への『ふるさと納税』のやり方」〔下記〕を掲載します。〔見出しは編集委員会〕

沖縄・米軍普天間基地を北部・名護市の辺野古沿岸に移設する計画について、地元名護市をはじめ、沖縄県民はくり返し反対の意思を表明し続けてきました。日本が民主主義の国であるならば、この沖縄県民の意思は尊重されなければなりません。
しかし「最低でも県外」を標榜して政権に就いた民主党政権は、その公約を簡単に覆し、沖縄県民の意思を無視して、辺野古移設に回帰する日米合意を結びました。そして、何の正当性も実効性もないこの「合意」に基づいて、強引に辺野古に新基地建設を進めようとしています。

アメとムチ

政府は、去る12月24日、名護市に対して、米軍再編交付金の支払い停止を通告してきました。米軍再編推進特措法に基づく交付金は、米軍再編に協力し、基地を受け入れる自治体に、出来高払いで交付金を支給する、というものです。野党時代の民主党は、米軍基地を金で押し付けるこの悪法の制定に反対していました。
2010年1月「海にも陸にも基地は作らせない」ことを公約して名護市長に当選した稲嶺進市長は、再編交付金に依存しない事業計画を明らかにしていますが、基地容認派であった前市長時代から執行中の事業についての09年度繰り越し分約6億円と10年度分約9億9千万円については、支払いを要請し沖縄防衛局と協議中でした。しかし、今頃になって防衛省はこの交付金の支給を停止し、北澤防衛大臣は、「基地に反対するならそれなりの覚悟が必要」とうそぶいています。
一方同時に発表された2011年度予算案では、沖縄関連予算が9年ぶりにわずかながら増額に転じました。基地の県外移設を主張して知事に再選された仲井真知事が、かつては基地容認派であったことに期待を寄せてのことでしょう。

呼びかけ人

新崎盛暉(沖縄大学名誉教授)
池田香代子(翻訳家)
上原成信(沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック)
宇沢弘文(東京大学名誉教授)
遠藤誠治(成蹊大学教授)
岡本厚(岩波書店「世界」編集長)
我部政明(琉球大学教授)
加茂利男(立命館大学教授)
川瀬光義(京都府立大学教授)
古関彰一(獨協大学教授)
小森陽一(東京大学教授)
桜井国俊(沖縄大学教授)
佐藤学(沖縄国際大学教授)
高田健(World Peace Now)
千葉真(国際基督教大学教授)
寺西俊一(一橋大学教授)
西川潤(早稲田大学名誉教授)
西谷修(東京外国語大学教授)
野平晋作(ピースボート)
比屋根照夫(琉球大学名誉教授)
前田哲男(評論家)
水島朝穂(早稲田大学教授)
宮本憲一(大阪市立大学名誉教授)
和田春樹(東京大学名誉教授)
ガバン・マコーマック(オーストラリア国立大学名誉教授)

つまり政府は金の力によって自治体を締め上げ、名護市民や沖縄県民の意思を挫こうとしているのです。結局、普天間基地問題に関しては(ひいては対米従属性においては)、民主党政権は自公政権と何も変わらないことを示したといえます。

名護を孤立させるな

私たちは、菅政権のこうした方針に強く抗議するとともに、このように露骨で卑劣な「飴と鞭」の政策に反対し、世論を喚起し、名護市民と連帯し、名護市を応援する具体的な行動をとる必要があると考えます。
「ふるさと納税」制度の活用はその1つです。「ふるさと納税」は2008年に出来た制度で、応援したい自治体を選んで寄付することが出来、その際、住んでいる自治体の住民税などから控除を受けられます。(詳しくは、別掲「名護市へのふるさと納税のやり方」参照)
すでに、本土でも、沖縄でも、この制度を使った名護市への連帯の呼びかけが始まっています。私たちの呼びかけも、これらの声に連なったものです。
名護市を孤立させてはなりません。国民一人一人が名護市に連帯の意思を表示することはそのまま、日本の民主主義を強化することにつながると私たちは考えます。
2011年1月17日

【解説】
「名護市にふるさと納税を」という運動が呼びかけられている。
名護市民は、辺野古への新基地建設に反対し、昨年1月、「海にも陸にも基地は造らせない」と公約する稲嶺進市長を誕生させ、9月の名護市議選でも、基地建設反対の議員が多数となった。民意は明らかだ。
ところが、菅政権は、昨年12月、米軍再編交付金の支払い停止を通告、露骨なアメとムチに出てきた。この措置によって、たとえば名護市・久辺中学校の体育館の整備が停止するという。
昨年12月26日付の沖縄タイムスが社説で、「名護交付金凍結は、米軍統治と似た手口だ」と批判、その中で、当時の市民の反撃の様子にふれた。
―米軍政下の1956年、那覇市長に人民党の瀬長亀次郎が当選。米軍は、那覇市への補助金を打ち切り、銀行は那覇市の預金を凍結。ところが、市民は、市長を支えるため税金を収めようと、市役所に列をなした。その市民の表情は、誇りに満ちていた。―
昨年12月末に名護市への交付金凍結が報道されて以降、沖縄を始め全国11都道府県から、「名護市を応援します」という趣旨で、「ふるさと納税」による寄付が急増しているという。たたかいにはいろいろな形がある。新崎さんたちの呼びかけに応え、政府に全国人民の底力を見せてやろう。



「ふるさと納税」のやり方

1.「名護市ふるさとまちづくり寄付金申込書」に記入し、送付します(メール、ファクス、郵送可)。申込書は名護市ホームページからダウンロード、あるいは電話などで申し込めば郵送してもらうこともできます。

2.名護市から寄付金専用の納入通知書が送付されます。

3.寄付金を払い込みます。

4.名護市から寄付金受領証明書が送付され、確定申告の際、税額の控除が受けられます。寄付受領証明書は5000円以上の場合ですが、 税額控除を必要としない1000円〜2000円 のカンパも同様の手続きで受け付けています。 グループで寄付したい場合は、納入者リストを付けて寄付してください。

問い合わせ・申し込み先
〒905-8540 名護市港1-1-1 名護市役所 企画総務部企画財政課
(電話)0980-53-1212 財政係
(FAX)0980-53-6210
(e-mail)kikakuzaisei@city.nago.okinawa.jp
(ホームページ)
名護市役所 ―名護市ふるさと納税のご案内→「名護市 ふるさと納税」で検索

ジュゴンの見える丘から大浦湾の方向を望む
(昨年4月25日 名護市内)

24時間監視を開始 沖縄・高江から訴え
現地に集まって下さい

昨年末から開始された沖縄・高江での米軍ヘリパッド建設工事は、住民の抗議にもかかわらず、断続的に強行されている。
これにたいして、住民の会と支援者は、1月18日から、24時間体制の監視活動を開始した。仕事もあり、決して大人数ではない住民にとって、大変なたたかいだ。支援しよう。駆けつけよう。カンパを集中しよう。
以下に、「やんばる東村 高江の現状」ブログから、訴えを転載します。
〔見出しは編集委員会〕

監視24時間体制はじめます。
高江現地では今後の行動・対応について話し合いが続いています。
現時点で、この日本政府・沖縄防衛局の早朝・深夜に動く異常事態に対し、24時間体制で監視活動を行う事を決めました。
ぜひ、多くの皆様のお力が必要です。どうか高江現地に人を集めてください。どうか、人を送る体制を協議してください。明日、明後日、1週間後、1ヶ月後のローテーションを組んでください。現場では1人の存在が大きな力を発揮します。皆で力を合わせましょう!
私たちは平和な未来を望んでいます。自然を破壊し、住民生活を破壊し、戦争につながるアメリカ軍のヘリパッド建設を皆で止めましょう!

米大使館へ、高江ヘリパッド工事強行にたいする抗議申し入れ。警察の妨害に怒りの声があがった(1月16日 東京)

5面

原発に反対する理由
ドキュメンタリー 鎌仲ひとみ監督 135分
『ミツバチの羽音と地球の回転』をめぐって

どこまで増える原発

1988年の夏、忌野清志郎は、「37個も建っている」(RCサクセション『カバーズ』「Summertime Blues」)と、怒りをこめて歌った。原子力発電所はその後も果てしなく増え続け、今ではこの狭い列島で、なんと56基もの原子炉が稼動している。
先月25日、東京電力は、青森県下北郡東通村で原子力発電所1号機建設に着工した。
これで建設中3基(島根3号、敦賀高速増殖炉もんじゅ、東通東京1号)、計画中11基(上関に新規2基、浪江・小高に新規1基、東通東北2号、東通東京2号、福島第一7号、福島第一8号、浜岡6号、敦賀3号、敦賀4号、川内3号)、廃炉4基(東海、ふげん、浜岡1号、浜岡2号)となる。
これらをあわせると、74基もの原子炉が日本列島を埋め尽くす。

山口県庁前ハンスト

上関原発予定地(山口県上関町田ノ浦)の埋め立て工事の一時中止、埋め立て許可の再検討を求め、「上関原発に抗議する10代の会」が、1月21日から、山口県庁前でハンガーストライキに突入した。5人の青年が、かねてから集めてきた同世代の人びとの署名を山口県に突きつけている。インターネット等を通じて、全国に支援の輪が広がってる。〔声明文を別掲〕
26年余にわたって、祝島島民が守り抜いてきた「原発絶対反対」の旗が、新たな青年運動の手によって県庁前に掲げられた。

ひとりでも多くの人に

こうした中、『ヒバクシャ―世界の終わりに』(03年)、『六ヶ所村ラプソディー』(06

2月上映日程(いずれも監督トークあり)

5日(土)《富山県氷見市》ヒミングアートセンター
開場12:00/上映12:30 1000円
問合せ:090-3886-7669
6日(日)《青森県十和田市》十和田市民文化センター2F AV総合研修スタジオ
@10:00、A13:00、B17:00
前売1000円/当日1200円
問合せ:山内/0178-22-3269
11日(金)《長野市》東部文化ホール
開場9:30、上映10:00
前売800円、当日1000円
問合せ:090-4424-6509
17日(木)《京都市》龍谷大学深草学舎
※上映タイムは未定 ※参加費、未定
問合せ:ヨシダ/075-645-2154

年)に続き、『ミツバチの羽音と地球の回転』(10年)―いずれも鎌仲ひとみ監督作品―が完成、各地で自主上映運動が広がっている。
この映画は、祝島の反原発運動に密着し、生活の現場から立ち上る原子力発電所反対のロゴスとパトスを丹念に描く良作である。また、脱原発を国民投票で決めたスウェーデンに取材し、原子力にも石油にも依存しない社会づくりの展望を探っている。
ともあれ、どんな良作も、ドキュメンタリーの可能性は、人間に出会うことなしに、それを開示することはできない。できるだけ多くの人に見ていただきたい。
各地の上映運動へ主体的に参加されることを強く呼びかける。
(Rock'n roll on ! ヨッシー@高槻)

放射線を僕らの世代や子どもたちに 残して欲しくない
上関原発反対 ハンスト決行中

全国から集まった10代を中心とした若者が、上関原発建設に反対し、1月21日から山口県庁でハンガーストライキを決行している。連帯し、彼らの訴えを広げよう。以下、声明文を転載します。〔見出しは編集委員会〕


本日、1月21日の午後より山口県上関町田ノ浦原子力発電所予定地の埋め立て工事の一時中止と、埋め立て許可の再検討を求めるハンガーストライキをおこないます。

問題を先送り

原子力発電所が作られ、稼動する事によってうまれる放射性廃棄物や、海や大気中に蓄積されていく放射線を僕等の世代や、僕等の子供達に残して欲しくないという想いからこの行動に決起しました。放射性廃棄物は何千年もの間、放射能を出し続けますが、その処理方法はまだ確立されていません。
そして、原子力発電所は40年ほどしか稼動出来ず、建物自体が放射性物質になっていくため、廃炉になった後の安全な解体方法も見つかっていません。
そんな中、新たに山口県上関町で原子力発電所の建設計画が進んでいます。
稼動する過程で出る放射性廃棄物の処理方法や、廃炉になった後の解体方法がないまま、新たに原子力発電所を作る事は問題をこれから生きる若い世代に先送りする行為です。

上関だけの問題でない

僕達は、誰一人上関町の住民ではありません。しかし、原子力発電所の問題は、けして上関町だけの問題ではなく全国の問題です。
少しでも、この事を多くの人に知ってもらい、そして山口県上関町田ノ浦の埋め立て許可を出した山口県知事に今上関で起きている事実と思いを伝えていきたいです。
このハンガーストライキは、全国の方達に注目されて初めて意味を持ちます。
皆さんの力が必要です。
もしも、この想いに賛同されましたら、この文章をなるべく多くの方達に発信して下さい。
そして少しでも時間のある方、山口県庁と、原発誘致を進める中国電力へ電話、FAXなんでも良いです。このハンガーストライキについて問い合わせして下さい。

皆さんの力が必要

もちろん、僕達と一緒にハンガーストライキをしてくれる仲間も年齢性別問わず大歓迎です。
繰り返しますが、この行動には皆さんの力が必要です。僕達は、この想いを伝えるためなら限界まで体を張ります。
どうかご協力お願い致します。

米海兵隊 陸上自衛隊 あいば野で軍事演習
2・13 反対集会へ

米軍と自衛隊は、2月中旬から3月上旬にかけて、陸上自衛隊あいば野演習場と今津駐屯地(いずれも滋賀県高島市)において、日米合同軍事演習を強行しようとしている。

3年連続の暴挙

あいば野での日米合同軍事演習は、1986年に初めて強行されて以来、今回で11回目となる。最近では08年11月下旬〜12月中旬、09年10月上旬〜下旬におこなわれており、実質3年連続だ。
軍事演習の担任官は、日本側・第14旅団長(四国と岡山県日本原)、米軍側・第3海兵後方群司令官(沖縄)。演習実施部隊は、陸上自衛隊第15普通科連隊(香川県善通寺市)の1コ中隊基幹、米海兵隊第3海兵後方群第9工兵支援大隊の1コ中隊基幹。

アフガンへの陸自派兵

民主党は野党時代から一貫して陸上自衛隊のアフガニスタン派兵を主張してきた。自公政権が海上自衛隊をアフガニスタン沖(インド洋)に派兵し、他国艦船への燃料補給を続けたことにたいしても、それは生ぬるいという立場で反対し、アフガニスタンそのものへの陸上部隊派兵を主張してきた。国際治安支援部隊(ISAF)の指揮下であれば、憲法9条にも抵触しないというのが小沢の主張だ。
菅政権は、アフガニスタン派兵にむけて先鞭をつけるために、この1月にも医官・看護官約10人を派兵しようと策動していた。すでに昨年12月には調査団(団長は西元徹也防衛相補佐官)をカブールに派遣している。ところが、派兵の仕方をめぐって自民党が異論をとなえたため、国会運営の混乱を恐れた菅はひっこめた。そのため医官と看護官の派兵はいったん延期となっている。
民主党が「教育訓練」名目で派兵しようとしたのにたいし、自民党は「特措法」を作って派兵すべしという違いであり、いずれも憲法9条をどういう手口ですりぬけるかという反動的議論だ。

米韓演習と連動

日米韓による朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への戦争挑発は、ついに延坪島砲撃事件というかたちで結果した。日米韓は、それを利用し、さらに戦争挑発を強め、11月(米韓)、12月(日米)と連続的に史上最大の軍事訓練を朝鮮半島周辺でくり返した。
この2月末からは米韓合同演習「キー・リゾルブ」(約2週間)、3月半ばから下旬まで「フォール・イーグル」が韓国各地で強行される。これらの演習は米軍だけでも2万人が参加するという大規模なものだ。
以上の動向と、あいば野での日米合同軍事演習が無縁であるはずがない。2・13あいば野に全関西から集まり、「軍事演習反対」のうねりをまきおこそう。

6面

職場・地域に闘う労組の旗を
関西合同労働組合旗開き 春闘討論集会

1月22日、関西合同労働組合旗開き&春闘討論集会が、西宮市内で開かれた。
この集会には、松下(現パナソニック)PDP偽装請負を告発し職場復帰をたたかう吉岡力さん、ヤンマーの不当解雇とたたかう稲森秀司さんが参加し、集まった組合員に共闘と支援を訴えた。

新年のあいさつにたつ石田委員長
(先月22日 兵庫県 西宮勤労会館)

闘う労働組合の旗を

はじめに石田執行委員長が新年のあいさつ。つづいて、佐々木副委員長が春闘方針を提起した。10春闘総括では13分会が春闘をたたかい、うち3分会で賃上げの成果を勝ちとったこと、また、去年1年間で5分会10数人の組織拡大を達成したことが報告された。
労働者の現状として、非正規雇用の拡大、低賃金、高失業の問題を数字を示しながら解説し、この原因として新自由主義政策と連合の屈服があること、この現状を11春闘の大幅一律賃上げの獲得で打ち破ろうと提起した。
蒲牟田書記長からは、「職場・地域に闘う労働組合の旗を!」などをメインとした春闘スローガンと具体的スケジュールの提起があり、統一要求書をめぐって活発な討論が行われた。

「不法行為だが有効」

休憩をはさんで、松下PDP争議当該の吉岡力さんから提起があった。
争議に至る過程、いったん松下PDPに直接雇用(期間雇用)され、職場に戻ったときの隔離テント就労の様子、裁判闘争の経過報告と最高裁の「雇い止めは不法行為だが有効」「松下PDPとの直接雇用契約は成立していない」との不当判決批判などが話され、同様の裁判は全国で100件以上おこっている、絶対に負けられない、この判決をくつがえそうと呼びかけた。
ヤンマー争議当該の稲森秀司さんは、違法派遣(派遣期間が制限年数を超える違法状態)を労働局に告発し、直接雇用に切り替わったものの、一度も契約更新されずに雇い止めされたこと、ヤンマーが労災隠しをおこなっていることを弾劾し、解雇撤回めざしてたたかっていると訴えた。

運輸3分会解雇撤回を

乾杯後の交流会では、解雇争議を闘う運輸3分会の解雇撤回を勝ちとるまでたたかう決意をはじめ、各分会からの職場現状報告で大いに盛り上がった。
最後に辻本副委員長の「11春闘勝利、団結がんばろう」で締めくくり、参加した組合員が各分会・職場での闘いに突入する意気上がる集会となった。

震災16年の闘い
自分だけじゃない がんばろう

1月16日、「生きる権利・働く権利を保障せよ 震災16周年 第30回 被災地反失業総行動集会」が開かれ、104人が集まった。

あいさつに立つ「被災地雇用と生活要求者組合」の長谷川代表(先月16日 神戸市内・新長田勤労市民センター)

がれきの中からの団結

震災で亡くなった人びとを追悼し黙祷。そのあと、「被災地雇用と生活要求者組合」の長谷川代表が主催者あいさつ。「震災後、人間関係の絆によって作り出してきた運動と、がれきの中からの団結が、全国の人びとを動かし、自分たちを支えた」こと、孤独死や借り上げ住宅問題をあげながら「働く権利、生きる権利を主張し、たたかい取ろう」と訴えた。
連帯の挨拶は、神戸市議会議員の粟原富夫さん、全国金属機械港合同、部落解放同盟全国連の中田潔書記長。
中田書記長は、「この一年、狭山闘争に大きな変化が始まっている。なんとしても石川一雄さんの無実を再審でかちとるために、支援を」と訴えた。

神戸市の追い出し攻撃

つづいて、兵庫県被災者連絡会の河村宗治郎さんが「借り上げ住宅」問題についての特別報告をおこなった。
震災後、避難所に入った人だけが仮設住宅へ、仮設住宅に入った人だけが復興住宅へ、という流れが強制されるなど、行政の一方的なやり方を弾劾。震災では30万戸の住宅が無くなったが、それにたいして復興住宅は4万2千戸、借り上げ住宅がその中で6733戸。この借り上げ住宅を、20年の期限がきたとして、神戸市当局は追い出そうとしている。このことについてたたかいの方向を示し決意を語った。

被災地の仲間が登壇

その後、おーまきちまきさんとHALMA GENさんが登場。おーまきちまきさんの「アスファルトを掘り返せ」「われらのあいのうた」など9曲におよぶ唄、そしてHALMA GENさんのピアノ演奏、おーまきさんの語りを交えながらの1時間。最後に「前を向いて歩こう」(「上を向いて歩こう」の替え歌)」をみんなで合唱した。
フリートークでは、高槻医療福祉労組、関西合同労組、医療介護相談を代表して春本幸子さんなどが発言。最後に被災地労働者企業組合とミニデイサービスのみなさんが、それぞれ勢ぞろいして登壇し紹介された。
被災地労働者企業組合の仲間は、「何回もやめようと思った。しかし苦しいのは自分だけじゃない、みんなも苦しい。がんばろうと思い今までやってきた」と語った。
被災地の16年のたたかいが生み出した結晶を見た思いがした。(通信員・K)

労働福祉会館の存続を
橋下型の「財政再建」
福祉切りすて許せない 兵庫県尼崎市

自称「市民派」の前市長は、当初は市民の声を聞く・車座対談などといっていたが二期目に入るや「財政再建。つけを次世代に残さない」を旗印に、福祉・保健施設、市民プールなどを次々に廃止。学校給食の民営化、市バス老人パスも廃止を強行した。
また、市役所の市民窓口業務を外部委託し、偽装請負を告発されるや、競争入札に切り替え、5人の労働者を事実上解雇した。これは、当該の「市役所前すわりこみ」などの大闘争になり、全国的に反響を呼び、直接雇用に切り替えさせる勝利をもぎとった。
さらには赤字削減と称して、学校を統廃合し跡地をマンション建設用に売りとばし、市立高校統合では跡地に統合される県立病院を誘致する(尼崎市内の県立病院2が1に、しかも交通の便が悪い)などしてきた。
そしてついに、昨年は労働福祉行政の拠点=尼崎労働福祉会館(以下、労館)の取り壊しを言い始めた。このかんの一連の悪政に市民の怒りは充満していた。労館取り壊し反対の署名は5万筆が集まった。10月の二度にわたる市民説明会は、会場をうめた市民の反対意見、ヤジと怒号に包まれた。それでも「老朽化したから廃止」方針を貫こうとしたが、あまりの反対の声にそれ以降は説明会も開いていない。このまま2月議会で説明がなく、6月議会で提案がなければ、「2012年3月で廃館」は頓挫する。
白井・前市長の選挙スタッフを経て県議になり、昨年11月に市政を受け継いだ稲村・新市長は、橋下大阪府知事のブレーンである上山信一らの学習会にたびたび出席してきた人物で、白井「行財政改革」を継承しようとしている。

存続を求める会

労働組合・「障害者」団体・地域住民などによってつくられた「労働福祉会館の存続を求める会」は、反対署名集め・説明会での反対意見表明など、すでに半年以上にわたりねばり強く闘ってきた。会は、「ろうかん祭り」を開催し、自分たちの手で会館を運営していく一歩もすすめている。空調が故障すれば休館、そのまま廃館を狙う市の廃止攻撃に対しては、建て替えや利用率の高い施設・設備、労働福祉行政の拠点建設も視野に協議をすすめている。
大阪府知事・橋下型の、首長による一方的な権限行使に対しては、大衆的反撃と、行政依存ではない市民自らが自治能力を発揮していく闘い方が必要だ。
会は、2・12(土)「残そう労働福祉会館 尼崎市民集会」(13時 尼崎労働福祉会館・大ホール)、2・26(土)〜27(日)「ろうかん祭り」を、労働者・市民に呼びかけている。
労館を守り抜こう。(尼崎市・Q)

7面

2011年 政治・運動スローガン
革命的共産主義者同盟再建協議会


■日米軍事同盟の強化と新自由主義政策推進へと回帰した民主党・菅政権を労働者人民のたたかいで打倒しよう!

■5・28日米合意粉砕! 沖縄からすべての米軍基地を撤去せよ! 沖縄人民の自己決定権支持! 日本における構造的沖縄差別を打ち破ろう!
・辺野古への新基地建設絶対反対! 普天間基地を即時返還せよ! 高江ヘリパッド建設阻止!
・政府は辺野古・普天間の環境アセスメントを全面的にやり直せ! 仲井真知事は辺野古新基地建設のための公有水面埋立を許可するな!

■TPP、FTAAP反対! アジア・日本の労働者・農民に一方的な犠牲を強要するグローバル資本の延命 策を許すな!
・農産物自由化による農民切り捨て・農業・農村破壊を許すな! コメのミニマムアクセスを廃止せよ!

■消費税の引き上げ反対! 消費税は廃止し、所得と相続への累進課税を強化せよ! 老年者控除などの非課税枠を復活・拡大せよ! 法人税減税反対! 大企業に対する法人税を引き上げよ!

■釣魚台(尖閣諸島)・独島(竹島)問題や 延坪島砲撃事件を口実とした中国・朝鮮民主主義人民共和国への戦争挑発を許すな! 釣魚台、独島の略奪を許すな!
・田母神が主催する「頑張れ日本!全国行動委」や「在特会」などの新たな排外主義運動の台頭を許すな!
・アメリカ帝国主義の軍事支配からの解放をめざしてたたかうアジア・太平洋地域の人民と連帯し、日米安保体制を打倒しよう!

■南北朝鮮人民、中国人民、在日朝鮮・中国人民と連帯し、自衛隊の朝鮮半島への派兵策動を許すな!
・自衛隊と韓国軍の物品役務相互提供協定(ACSA)、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結を許すな!
・有事3法・周辺事態法の改悪を許すな!

■日米安保条約を即時破棄せよ! 在日米軍再編粉砕! 日米共同演習反対! 米軍・自衛隊の一体化を許すな!
・在日米軍地位協定を破棄せよ! 思いやり予算をただちに廃止せよ!
・岩国への米軍艦載機移転阻止! 愛宕山への米軍住宅建設を許すな! 原子力空母の横須賀母港化反対!
・大阪湾の軍事使用を許すな! 非核神戸方式を全国に広げよう!
・ミサイル防衛(MD)計画反対! PAC3ミサイルの全国配備と移動展開訓練反対!

■日帝の軍事大国化・核武装化を許すな! 動的防衛力=専守防衛の放棄を打ち出した新防衛計画大綱弾劾!
・中国敵視と戦争挑発の米日共同作戦態勢作りを許すな! 自衛隊の沖縄・南西諸島への大増強を許すな! 戦争を挑発する貨物検査法を廃止せよ!
・日本政府は非核三原則を遵守せよ! 武器輸出三原則の見直しを許すな!
・核武装のための原発推進政策をただちにやめよ!
・自衛隊の海外派兵反対! 自衛隊はソマリアからただちに撤退せよ! アフガニスタンへの自衛隊派兵を許すな!

■アメリカ帝国主義によるイラク・アフガニスタン侵略戦争を許すな!
・すべての外国の軍隊はイラク、アフガニスタンから撤退せよ!
・パレスチナ解放! 米帝は軍事基地国家=イスラエルへの支援をやめろ! イスラエルはガザ封鎖をただちにやめよ!

■三里塚決戦勝利=成田空港を廃港へ! 国家権力による市東さんの農地強奪を許すな!
・天神峰現闘本部破壊を阻止するぞ! 一坪共有地強奪を許すな! 第三の新誘導路建設反対! 暫定滑走路の再拡張を許すな!
・成田空港・関西空港をはじめとするすべての民間空港の軍事利用を許すな! 神戸空港を廃港へ!

■核廃絶! 原発建設反対! すべての原子炉の運転を停止せよ!
・上関原発建設阻止! 六ヶ所村の核燃料サイクル施設を廃止せよ!
・玄海原発をはじめとするすべてのプルサーマル運転を停止せよ! 高速増殖炉もんじゅはただちに廃炉へ!
・8・6ヒロシマ−8・9ナガサキ闘争の継承と発展をかちとろう! 日本政府は朝鮮人被爆者に謝罪と賠償を行え!すべての在外被爆者に被爆者手帳を発行せよ!
・日本の原発輸出反対!
・劣化ウラン弾の使用を許すな!

■憲法9条改悪を許すな! 改憲のための国民投票法 を撤廃せよ! 憲法審査会を廃止せよ! 集団的自衛 権行使の容認を許すな!

■天皇制打倒! 天皇制イデオロギー攻撃粉砕! 天皇の国家元首化を許すな!
・天皇の戦争責任と沖縄を米帝に売り渡した戦後責任を徹底追及し、日本人民の手で天皇制を廃止しよう!

■橋下改革=「大阪維新」を許すな! 4月統一地方選で「地域主権」を装った新自由主義勢力の巻き返しを粉砕しよう!
・府民をないがしろにし、関西財界の救済を目的とした「大阪維新」粉砕!
・知事に強大な権力を集中し、独裁政治を生み出す「大阪都構想」反対!
・「二重行政」のデマキャンペーンを許すな! 住民自治の発展をはばんできたのは府県への権限集中だ!
・カジノ構想をはじめとする橋下の拝金政治の暴走を許すな!
・能力主義と市場原理主義による橋下の教育破壊を許すな! 大阪府は教職員評価・育成システムとその賃金への反映をただちにやめよ!
・大阪府は朝鮮学校への補助金をただちに再開せよ! 橋下は朝鮮・中国人民に対する排外主義煽動をやめよ!

■労働組合を武器に、奪われた労働者の権利を奪い返せ! 団結権破壊攻撃をはね返せ!
・労働者派遣法を抜本改正し廃止へ! 登録型派遣、製造業派遣を全面禁止せよ! みなし雇用規定を創設し、期限の定めのない雇用とせよ! 違法派遣に対する罰則を導入せよ! 派遣先の団交応諾義務を明記せよ!
・非正規雇用撤廃! すべての非正規雇用労働者と正規雇用労働者の均等待遇を実現しよう! 非正規雇用労働者に労働保険・社会保険を保障せよ!
・1日8時間−週40時間労働制の完全実施を! 変形労働時間制を廃止せよ! 時間外労働の規制を強化せよ!
・全国一律の最低賃金制度の実現を! 最低賃金額を時間額2000円以上に引上げよ!
・国、地方自治体、労働委員会、裁判所は労働組合法を厳格に運用し、団結権侵害=不当労働行為に対する規制を強化せよ!
・過労死、過労自殺をなくせ! 労災、職業病闘争を推進しよう!
・国と自治体の責任ですべての失業者に雇用保障をおこなえ! 雇用保険の受給要件の緩和と受給期間の延長をおこなえ!
・国は路上生活を強いられている労働者に雇用・生活・住宅の保障をせよ! 公的事業で年齢制限のない雇用を保障せよ!
・労働運動に対する暴処法弾圧に反撃を!

■尼崎事故弾劾! JR体制打倒! 国交省・JR西日本による尼崎事故の隠ぺいを許すな! すべての被害者・家族のたたかいと連帯しよう!
・安全を無視した業務の外注化、合理化・人員削減反対!
・すべての臨時・契約社員の労働条件の改善と正社員化を! JR関連企業および下請企業の労働者の賃金・労働条件の改善をかちとろう! 下請労働者への犠牲の強要を許すな!
・民営化を礼賛するJR総連・カクマルの労使共同運動粉砕!

■国鉄分割・民営化による国家的不当労働行為の居直りを許すな! 被解雇者1047名全員の解雇撤回・JR復帰をかちとり、国鉄闘争の勝利を実現しよう!
・国鉄改革法23条粉砕! 政府は希望者全員のJRおよび関連会社への雇用を保障せよ!
・5・27国労臨大闘争弾圧裁判の控訴審に勝利しよう! 労働組合活動への警察権力の介入を許すな! 国労本部は告訴を取り下げよ!

■郵政事業の民営・分社化反対! JP労組の生産性労働運動を許すな!
・郵政で働くすべての非正規雇用労働者の労働条件の大幅改善と正社員化を実現しよう!
・良心的戦闘的な郵政労働者の全国ネットワークを形成しよう!

■「日の丸・君が代」強制反対! 新勤評撤廃! 全国の不起立処分を撤回せよ! 教員免許更新制撤廃! 全国学力テストを廃止せよ!

■地方自治切り捨反対! 公務員制度改革反対! 民営化による公務員労働者の首切り・リストラを許すな!
・指定管理者制度反対! 市場化テスト反対! 公務員の非正規雇用=官製ワーキングプアの拡大反対!
・公務員労働者のストライキ権を含む労働基本権を認めよ!

■医療・介護現場の大幅増員を確保せよ! 診療報酬と介護報酬を大幅に引き上げよ!
・介護労働者に生活できる賃金を保障せよ! 交替制勤務による健康破壊を許すな!
・患者負担を軽減し、利用者負担を無償化せよ! 医療・介護を金もうけの対象にするな! 混合診療の導入を許すな!

■女性労働者への雇用形態と賃金をはじめとする一切の差別を撤廃せよ!
・職場でのセクハラ、虐待を許すな!
・母性保護を拡充し、完全実施せよ! 危険・有害業務、長時間・深夜労働を禁止せよ! 生理休暇の有給化と完全実施を! 産休の完全有給化と大幅延長を! 育児休暇の完全有給化と男性労働者取得を推進せよ! 妊娠・育児期間における有給の労働時間短縮と業務軽減せよ!

■すべての滞日・在日外国人労働者の権利を保障せよ!
・「国籍条項」に基づく職種と昇進の制限を全廃せよ!
・「資格外就労者」「法外就労者」に生きる権利と働く権利を保障せよ!
・現代版強制連行=外国人研修・技能実習制度を廃止せよ! すべての外国人研修生に労働者としての権利を保障せよ!
・日系ペルー人、日系ブラジル人をはじめとする日系人労働者に生きる権利と働く権利を保障せよ! 強制収容・強制送還を許すな!

■被差別人民・被抑圧民族人民と日本の労働者人民の共同の力で、あらゆる差別・抑圧を打ち砕こう!
◇石川さんは無実だ! 狭山差別裁判糾弾! 第三次再審闘争勝利! 激増する部落差別とたたかおう!
・東京高検は全証拠を開示せよ! 東京高裁はただちに事実審理をおこなえ!
・同和住宅家賃値上げ反対! 部落民・在日住民の追い出し政策反対!
◇「在留カード」新設をはじめとする改悪入管法を廃止せよ! 入管収容所における非人間的処遇を許すな! 入管収容所を廃止せよ! 日本政府は難民を無条件で受け入れ、彼らの人間的権利を保障せよ!
・「拉致問題」を口実とした朝鮮民主主義人民共和国への排外主義を許すな! 経済制裁と在日運動への弾圧を許すな!
・日本軍「慰安婦」(日本軍性奴隷)制度をはじめとする強制連行・強制労働などのすべての戦争責任を認めよ! 真相究明・謝罪・国家賠償・責任者処罰・歴史教育をおこなえ!
・就職差別・結婚差別・入居差別・年金差別などのあらゆる差別・抑圧を撤廃せよ!
・政府は朝鮮学校への高校無償化を即時適用せよ!
◇女性の自己解放の力を発揚し、全世界の女性たちと連帯し、すべての労働者人民の生存権を守るためにたたかおう!
・女性への家事・育児・介護・看護の一方的押しつけ反対! 性別役割分担を意識的自覚的に打ち破ろう!
・両性の平等と母性保護のための性教育を実施せよ! 性の商品化反対!
◇「障害者」は地域で自由に生きていくぞ! 優生思想を許さず、「障害者」差別、隔離・収容・抹殺を許さないぞ! 「障 害者」の地域自立生活を全額公費で保障させよう!
・「障害者」制度改革つぶしを許さないぞ! 障害者自立支援法を撤廃させよう!
・精神保健福祉法・医療観察法を廃止させよう! 精神科における社会的入院をただちに解消させよう! 隔離病棟をただちに解体しよう!
・脳死・臓器移植法を廃止させよう! 安楽死・尊厳死の法制化を許さないぞ!
◇自衛官に基本的人権を! 自衛官への隊内暴力・リンチ・殺人の横行や女性自衛官に対するセクハラ・人権侵害を許すな! 自衛隊の内部から反戦運動をつくりだそう!
◇在本土沖縄人民に対する生活破壊・権利剥奪を許すな!
◇アイヌ民族をはじめとする先住民・先住民族の民族的権利を保障せよ!
◇性的マイノリティへの差別・偏見を打ち破ろう!

■すべての人々に健康で文化的な生活(生存権・居住権)を保障せよ!
・後期高齢者医療制度を即時廃止せよ! 新医療制度案反対! 介護保険制度の改悪反対! 介護保険はただちに廃止せよ! 国の責任で介護労働者に十分な賃金を保障せよ! 介護・医療・妊娠・出産・育児・中絶・教育・難病を全額公費負担とせよ! 公的医療を復活・拡充せよ! 生活保護の老齢加算を復活せよ! 保護費の支給額を引き上げよ!
・保育所の規制緩和反対! 安心して預けられる公的保育所を増設せよ! 児童手当や母子家庭支援制度を拡充せよ! 学童保育制度を拡充せよ!
・国と企業は責任を認め、薬害・公害患者の医療と生活を全額公費負担せよ
・ハウジングプア解消に向けて、公営住宅政策の拡充を行え! 公営住宅の入居資格を緩和し、連帯保証人制度を廃止せよ!
・兵庫県・神戸市は震災復興住宅の借り上げ期間を延長し、すべての被災者に住宅を保障せよ!

■国家による個人の管理強化をねらう「税と社会保障の共通番号制度」反対!

■共謀罪法案の国会上程阻止! インターネット規制 強化反対!

■すべての政治犯を即時釈放せよ! 長期投獄・獄死 攻撃を許すな!
・無実の星野同志を奪還しよう! 第二次再審闘争に勝利しよう!
・破壊活動防止法・組織的犯罪対策法を撤廃せよ! 組織的犯罪対策法の左翼運動への適用を許すな!
・死刑制度を廃止せよ! 裁判員制度廃止! 「呼び出し拒否」をひろげよう!
・冤罪・デッチあげをなくせ! 取調べの全面可視化を! 代用刑事施設(代用監獄)制度を廃止せよ!

■新自由主義・グローバリゼーションとたたかう全世界の労働者人民と連帯し、国際的な共同闘争を推進しよう!

8面

朝鮮人被爆者が告発するもの 学習会

1月22日大阪で、「風をおこす女の会」が主催する学習会《「韓国強制併合」100年〜歴史を知って、今を考える〜 「被爆者はどこにいても被爆者」〜在韓・在朝被爆者問題とは〜》が、韓国の原爆被害者を救援する市民の会会長の市場淳子さんを招いて開かれた。参加して学んだことを紹介したい。

朝鮮人被爆者

「唯一の被爆国」―日本政府が繰り返してきたこの言葉には、ウラがある。朝鮮人被爆者(問題)を抹殺しようという意図だ。
広島は、軍事都市であった。第二次大戦末期には、第二総軍司令部をはじめとして38もの軍事施設があり、東洋一の兵器メーカー日本製鋼所の広島製作所や三菱重工業広島造船所、同広島機械製作所など多数が操業していた。被爆当時それらの軍施設や、軍需工場では、労働力不足を補うため、強制連行などによって日本に連れてこられた多数の朝鮮人が働いていた。またその家族が住んでいた。
長崎も同様であった。当時三菱長崎造船所だけで7千人の強制連行された朝鮮人が働いていた。
広島での被爆者総数約42万人中5万人、長崎では27万千5百人中2万人、被爆者全体の内、朝鮮人被爆者は1割を超える。しかも7万人の内4万人が死亡、日本人とは比べるべくもない高死亡率であった。
生き残った3万人のうち、約2万3千人が祖国へ帰ったとされている。
日本政府は、在外被爆者の存在を無視抹殺してきた。特に日韓条約によって、植民地支配による被害者の対日補償請求権は、「完全かつ最終的に解決」したとされ、在韓被爆者の生きるためのたたかいは、無援のまま続けられてきた。
日本の原水禁運動は、こうした在韓(在外)被爆者のたたかいにまったく無自覚であった。

ソン・ジンドゥさん

1970年12月、孫振斗さんが密入国容疑で逮捕され、「広島で被爆した。日本で治療するため密航した」と訴えた。
この突きつけを受け、在韓被爆者問題をみずからの問題としてとらえ、孫さんの強制退去を阻止し、治療実現のためにたたかう人たちが現れはじめた。日本における在韓被爆者補償運動のはじまりである。「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」もこのなかで結成された。
孫さんの裁判闘争によって、日本政府は日本に滞在する在外被爆者への被爆者健康手帳の交付を認めざるを得なくなった。
ところがその裏で「日本国を出国した在外被爆者の手当打ち切り」を指示する、いわゆる「402号通達」を出していた。1994年に被爆者援護法が制定されたが、402号通達は廃止されなかった。

援護法の平等適用を

「402号通達は違法である」。1998年に郭貴勲さん、99年には李康寧さんが、裁判闘争に立ち上がった。
郭貴勲さんの「被爆者はどこにいても被爆者」という言葉を合い言葉に、在外被爆者たちは援護法の平等適用を求め次々と裁判を提訴し、ことごとく勝利していった。こうして手帳・手当・葬祭料に続き「原爆症認定」も「健康診断受診票」の交付も、海外での申請が可能となった。
しかし現在、在外被爆者にたいしてのみ、医療費支給の上限額が決められている。上限額は少しずつ引き上げられてきているものの、オーバーすれば自己負担になり、安心して病院に行けない。
在朝被爆者は、「在外被爆者」になることもできない。国交がないという理由で在外被爆者が獲得していった援護策を、在朝被爆者には何ら通達していないのだ。
日本政府の賠償問題も放置されている。厚労省の資料では、朝鮮民主主義人民共和国における手帳取得者は1人となっている。手帳がなければ獲得された援護策を受けることはできない。
手帳の有無に関係なく、被爆者全員に補償・支援がなされるべきだ。それはアジア侵略にたいする謝罪・賠償として実現しなければならない。(大阪 H)

朝鮮高校・無償化除外
政府は差別・迫害やめよ

首相官邸前でリレーアピール(先月12日)

1月12日、「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」(賛同250団体)は、政府・文科省と内閣府にたいして、「即刻、無償化を実施するよう」緊急要請を行った。茨城朝鮮学校の校長や多数のオモニたちをはじめ、約50人が駆けつけた。
内閣府、文科省に代表団が要請を行い、他方で、首相官邸や文科省前でリレーアピールを行った。
昨年11月に全国の朝鮮高校から申請書が提出されているのに、朝鮮半島での砲撃戦を理由に、審査手続きを止めたままだ。就学支援金の支給は、手続きに約2カ月かかる。このままでは、高校3年生の卒業に間に合わなくなってしまう。この日の行動は、そうした日本政府の対応への怒りの行動だった。
韓国強制併合から100年。侵略戦争の蛮行のかぎりをつくしながら、日本政府は、政府公式文書による謝罪を一切おこなわず、反省するどころか、更なる差別・迫害の上塗りをしている。断じて許してはならない。
あるオモニは、「こんなことがまかり通れば、就職差別などがさらに襲いかかり、萎縮してゆくことになりかねない」と危機感を訴えていた。
この叫びに心が痛まない人間であって良いのか。政府による公然たる差別・迫害をやめさせるために、今こそ日本人は謝罪と責任にかけて、全身全霊をもって、実際の行動に立ちあがらなければならない。時間がないことを肝に命じてたたかおう。(投稿 S)

シネマ案内
「安重根(アンジュングン) 伊藤博文を撃つ」
テロリストか英雄か? 朝鮮のみる安重根とは・・・

ハルピンで伊藤博文を暗殺した安重根。映画は彼が何を考え、なぜ伊藤博文を射殺するにいたったのかを彼の壮絶な生きざまを描く中で解き明かしていく。当時日本では彼を、忠臣伊藤博文を殺害した「不逞鮮人」と呼んだが、朝鮮民族は彼を「民族の英雄」として称えた。まさに極と極の捉え方である。・・・(映画チラシより)

第七芸術劇場で 2/26(土)公開予定

前売 1300円(上映初日の前日まで販売)
当日 一般 1800円、
専門・大学生 1500円、中・高・シニア 1000円
〔大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ6F 電話:06-6302-2073 阪急・十三駅下車 西口より3分〕

1979年/朝鮮民主主義人民共和国/120分/DV/カナリオ企画 配給
監督:オム・キルソン 出演:リ・インムン、ロ・ポクシル、チョ・ミョンソン ほか