未来・第50号


            未来第50号目次(2010年2月2日発行)

 1面  名護市長選 辺野古新基地建設にノー
     新基地反対の稲嶺さんが現職やぶり当選

     本土でも新基地反対の声あげる

 2面  ドキュメント 名護市長選

 3面  2・25三里塚現闘本部裁判
     反動判決粉砕し強制執行阻止へ

     ただちに沖縄に連帯する行動を
     60年・70年闘争の限界こえる道

     平野官房長官「法的措置」と発言 1/26

 4面  派遣法抜本改正 大阪でも共同行動の結成へ

     門真三中「君が代」処分取消訴訟
     第1回口頭弁論 川口さんが意見陳述

     医療観察法廃止もとめ国会前座り込み

 5面  2010年 政治・運動スローガン
     革命的共産主義者同盟再建協議会

 6面  在特会の連続襲撃ゆるすな
     朝鮮学校と水曜デモを防衛しよう

     狭山第3次再審闘争
     検察はただちに全証拠を開示せよ
     全国連のよびかけに応え 2・9要請行動へ

       

名護市長選 辺野古新基地建設にノー
新基地反対の稲嶺さんが 現職やぶり当選

「やったねぇー」と支持者と抱き合う
(1月24日午後9時半ごろ 名護市内・選対本部)

三線に誘われてカチャーシーの輪が。稲嶺さんも(25日午前2時ごろ 久辺三区事務所)

1月24日投票の名護市長選で、「辺野古に新基地はつくらせない」と公約する稲嶺進さんが、新基地容認の現職・島袋候補をやぶって当選した。本紙は19日から現地に入り、応援と取材をおこなってきた。

辺野古に新基地つくらせない

24日午後8時に投票がしめきられてすぐに、地元放送局から当確がだされた。急いで名護市内の選対本部に駆けつける。
続々と支持者が集まってくる。「さっきまで電話かけてたよ」「今日は15人連れて行ったよ」。みなギリギリまで奮闘していた。予想外に早い当確に、驚いていた。
午後9時頃、歓声、指笛とともにススム・コールがわき起こる。稲嶺さんが本部にやってきた。支持者に囲まれてもみくちゃだ。メディアも殺到する。
支持者を前に稲嶺さんは、「私は信じていた。民意が示せた」とゆっくりと語り、「辺野古に新基地はつくらせない」と力強く宣言。すると詰めかけた人びとから、ものすごい拍手と歓声がわきおこった。
基地を押しつける巨大な力を押し返し、名護市民が勝利を実感した瞬間だ。

13年間の苦しみ晴らす

午前0時頃、辺野古の久辺三区選挙事務所は、祝勝の宴で盛りあがっていた。座り込みをたたかうオジイ、オバアが稲嶺さんの到着を待っていた。
オバアに話をきいた。
「13年間、ずっと苦しかった。戦争で苦しんで、もう一度、基地で苦しめられる。選挙に負けたら、もう辺野古におれないと思ってた。本当に勝って良かった」。涙をうかべながら、オバアが思いを語ってくれた。
辺野古の住民の多くが新基地建設には反対。しかし地域ボスが、オバアのように新基地反対をはっきりと意志表示する者をいじめぬいてきた。収入の足しにとアルミ缶を集めていても「反対派にはやれない」、グランドゴルフにいっても冷たくされる。そういうやり方で、全体を屈服させようとしてきた。しかし、オバアは屈しなかった。
やがて北部振興策が住民になんら利益をもたらさないことがわかってきた。住民をぺテンにかけて新たな巨大軍事基地をつくろうとしている狙いが見えてきた。辺野古の住民の意識がどんどん変わってきた。
新基地反対派の候補は、今回の選挙ではじめて、この辺野古に事務所をひらくことができた。座り込みをたたかうオジイ、オバアが集い、勝利の原動力となった。
最後に、オバアからメッセージが託された。「正当なことをやっていれば道が開ける。辺野古にこういうオバアがいるということを、ヤマトの人に伝えてほしい」と。

選挙結果をテレビで見ながら何度も歓声をあげるオバアたち(1月25日午前0時半ごろ 久辺三区事務所)

三線とカチャーシー

夜もふけて午前1時を過ぎたころ、「稲嶺さんがきたぞー」という声が。
稲嶺さんが、オジイ、オバアにむかってお礼と決意をのべた。〔要旨別掲〕
オジイのひく三線に合わせてカチャーシーがはじまり、稲嶺さんも加わる。13年間の苦しみを晴らし、オジイ、オバアが心から快哉を叫んでいた。〔2・3面に関連記事〕

稲嶺 進 さん
久辺三区事務所でのあいさつ(要旨)

私の選挙戦は、辺野古に基地はつくらせないと、(座り込みの)テントで嘉陽のオジイと約束し、ノートにサインをするところからはじまった。
(選挙で勝つという)約束は果たせた。しかしまだ決着はしていない。今回の勝利は一つのハードルをこえただけだ。大きな仕事をやるには、みなさんの力が必要だ。
絶対にみなさんとの約束には違わない。

本土でも新基地反対の声あげる

1・30 東京・日比谷野音6000人 1・28 大阪・中之島公会堂1300人

日比谷野外音楽堂の椅子席は早くにうまり通路までびっしり。自治労や教組、各種の市民団体の旗が林立。沖縄からの上京団100人以上が演壇に。ヘリ基地反対協議会・共同代表の安次富浩さんは、「鳩山首相は名護市長選の結果を判断材料とすると言ったが、わたしたちは勝った。これ以上の民意はないはずだ」と政府に突きつけた。(写真は1月30日 日比谷)

2面

ドキュメント 名護市長選

辺野古・二見以北の人びとの迫力のデモ(23日)
総決起集会で声援を送る辺野古の人びと(23日)
期日前投票に行列が。幟を立てて不正を監視(20日)
街頭宣伝にジュゴン。大いに好評(22日)
自転車隊が行く先々で声援を受ける(23日)
みんなで”勝つカレー”(23日 選対本部)
辺野古の座り込みテントで火を囲んで(19日)
鉄条網で遮断された辺野古の浜。向こうがキャンプ・シュワブ(24日)
最後の最後まで電話かけ(23日
久辺三区事務所)
日本山妙法寺のみなさんもピースウォークで応援(22日)

投票総数3万4552票、うち期日前投票数1万4239票。実に41%にのぼる期日前投票という数字が、名護市長選の激しさを物語っている。
新基地反対派が候補を一本化したこともあり、選挙戦の序盤は優勢と思われていた。ところが、終盤になって、新基地容認派の島袋陣営がなりふりかまわぬ巻き返しをかけてきた。
告示日の17日・日曜日。「沖縄維新の会」や「幸福実現党」などの極右2百人が名護に集結。「日米同盟で自由と平和を守ろう」などと叫んでデモ。市内各所にスローガンを貼り出す。
期日前投票1日目の月曜日。島袋陣営の土建会社が、投票所直近の会場で「励ます会」を開催。発表2千、実数8百人。そのまま投票に連れて行くことを狙っていた。事前にこの情報をつかんだ新基地反対派が不正投票監視団を組織、その日の投票動員は阻止した。その後、連日、不正投票監視がたたかわれた。
火曜日。朝から続々と投票に訪れ、駐車場に入ろうとする車が数珠つなぎになる。土建関係者が非常に多い。リゾートホテルの車が、日に何回も従業員や出入り業者を乗せて投票所に。夕方には、投票所近くで、作業服姿の男性の集団が点呼をうけ、その後、2〜3人の組になって投票所に向かう異様な光景も。投票の際、書いた名前を互いに確認させられている。明白な不正投票だ。この日の投票数は2千2百票。
水曜日。この日も駐車場に車が数珠つなぎ。この日は家族・親戚や近所という感じだが、明らかに組織動員だ。創価学会が大動員をかけたことが判明。2千6百票。
投票所で出口調査をしている記者によれば、7対3で島袋だという。
島袋陣営が、配下の企業・団体に目標を設定し、「木曜日までに1万人を動員する」計画で動いていることが明らかに。会社の社長や地域のボスが、一人ひとり呼び出し、「島袋に入れなければ名護で暮らせなくなるぞ」と脅し、投票を強制。投票すれば5千円程度がわたされる。そういう話が報告された。
この背後には、自民党、防衛省、本土資本などがいることは間違いない。全反動が力をふり絞って襲いかかってきている。
この反動の流れがどこまで続くのか。稲嶺候補を支持する名護市民の間に、危機感が走った。

ナゴンチューの誇りにかけて

この事態が名護市民の魂に火をつけた。選挙運動に奮闘する女性が思いを語った。「名護がさびれきっている。ナゴンチューの誇りを回復したい。こんな不正選挙に魂を売るのか。負けたら名護に未来はない。ナゴンチューは今回の選挙にかけている」。
木曜・金曜あたりから、街頭の様子がどんどん変わっていった。朝の街頭宣伝。鉄道のない沖縄では、大きな交差点の四隅を抑え、自動車で通勤する人に訴える。車から手を振る人、クラクションやライトの点滅で支持を表明する人などが、日を追って増える。車の窓を開けて身を乗り出して激励の声かける人も。路線バスの運転士が乗降客用のスピーカーから応援する姿に驚かされた。
期日前投票の様子も変わってきている。若い人、女性の数が増えてきた。一目で組織動員ではないとわかる。木・金ともに2千5百票。出口調査でも6対4から5対5に近づいているとの情報。
土曜日。夕方5時から最後の総決起集会。市内各所から、道ジュネーで集会に結集する。辺野古や二見以北の人たちは百数十人、ススム・コールをしながらすごい迫力のデモ(もちろん無届け)。集会は約8百人。数も勢いも同時刻にやっている島袋陣営を圧倒している。
勝てる。これからだ。投票箱がとじるまでがんばろうと、1時間ほどの集会の後、各所に散っていった。〔3面に解説〕



名護市長選データ

◎稲嶺   進    17,950票
  島袋 吉和    16,362票

投票総数       34,552 (投票率 76.96%)
期日前投票数    14,239 (投票総数に占める率 41.21%)
当日有権者数    44,896

3面

2・25 三里塚現闘本部裁判
反動判決粉砕し 強制執行阻止へ

天神峰現闘本部裁判の判決が、今月25日に強行される。昨年11月の結審に至る過程での、法理をも投げすてた仲戸川裁判長の強権的訴訟指揮をみれば、反動判決(仮執行の付いた)は必至だ。
現闘本部の強制執行のみならず、市東さんをはじめとする天神峰・東峰地区の農家と農地の新たな強奪攻撃の引き金となる可能性がきわめて高い。
天神峰現闘本部裁判は―― @2度にわたる裁判長忌避の申し立ての却下、A現場検証をおこなえば一目瞭然である元の現闘本部建物存否の検証拒否(地上権問題)、B刑事事件で特殊に採用されることもあるビデオリンク方式での証人調べを民事で採用、しかも同盟側に反論の機会さえ与えなかった、C結審直前に「訴状訂正」(明渡物件対象の拡大変更で、文言の単なる訂正というものではない)を行い、認否・反証の機会さえ与えなかった――など、常軌を逸し、裁判の体をなさないものであった。
天神峰現闘本部を守りぬくたたかいは、農地強奪とたたかう市東さんの3つの裁判闘争、第3の誘導路計画、一坪裁判闘争、さらに騒音下で生活破壊とたたかう空港周辺住民のたたかいと一体のものだ。現闘本部を何としても守りぬこう。

国・空港会社の理不尽あばけ
成田空港のど真ん中に赤旗とムシロ旗が1年365日ひるがえり、堂々と農業と生活が営まれている。そこに全国の労農学が結集して、空港反対集会が40数年間、「合法的に」開かれている。敵は歯ぎしりをしながら、この現実を見つめているしかない。
反対闘争も空港建設も様々に姿かたちを変えてきたが、この勝利を示す現実は一貫している。だからこそ、この現実を突き崩そうと、ありとあらゆる形での攻撃が激化している。
しかし反対同盟と空港反対派農家が健在であるかぎり、強権と暴力によって農地を取りあげることはできないし、空港完成は夢のまた夢だ。三里塚の現実、国・空港会社の理不尽・強権を暴露し、三里塚闘争への共感と注目をつくりだそう。

3・28現地へ
3・28現地総決起集会に全国からかけつけよう。3・14関西集会の成功をかちとろう。
2・25公判闘争・千葉地裁包囲闘争をたたかいぬき、判決直後から5月にかけて予想される強制執行・現闘本部死守現地攻防に勝ちぬこう。

2月から5月が大決戦
萩原進さん(三里塚芝山連合空港反対同盟・事務局次長)

熱く語る萩原さん(1月17日 神戸市内)

強権と内戦
民主党は政権維持のために、ごまかしの政策をとりながら、他方で強権的な政策をもってくることは目に見えている。
市東さんの裁判をとってみれば、農地法――農民・農村・農業を守る法律――を逆手にとって農地を奪い取る。あるいは金さえ払えばいいんだという形で、民法で土地を取り上げる。
現闘本部は、そこにわれわれの権利があるにもかかわらず、成田治安法で使用を禁じている。たたかう者は空港から3キロ以内に住んではいけないと、法律のもとに閉鎖。しかもその建物をぶち壊すことができなかったから、今度は裁判所が代執行を認めるのだ。
成田空港なんか、見直し対象の最たるもの。何兆円も使って、40年経っても、まだできあがらない。
今まで成田空港が「ハブ空港」と言われてきたが、羽田が有利だという話がでたとたん、成田の各自治体が自分たちの利権がぶっ飛ぶからということで、「3本目の誘導路、3本目の滑走路を造ってくれ」と、今まで24時間化できなかったけれど、それに一歩でも近づくために時間制限を撤廃して、もっと便を増やしていいんだと。われわれ地元住民を支配者に差し出す話をしている。これはもう内戦だ。

現地で決着つけてやる
昨年10月に全国集会をやった自分の畑が、 今度は「新たな滑走路」のど真ん中になる。あんな中で集会をやられたら困るというのが向こうの意思なんだ。だったら、大いにデモや集会をたたかいぬいていこう。
裁判闘争は反動判決が目に見えている。だけど三里塚の裁判は、裁判所でたたかいが終わるんじゃない。どういう判決がでようと、現地で決着をつけてやるというのが三里塚のたたかいだ。現闘本部裁判も、市東さんの裁判も、形を変えた強制代執行とのたたかいだ。

2・25判決から3・28全国集会へ
2月25日の現闘本部裁判の判決は、非常に重要だ。そのあとの3月28日の全国集会の爆発がどうなるかが決定的だ。
仮執行も含めた判決で、すぐにも現闘本部のぶち壊しをやる判決をわれわれは予想して、闘争態勢をつくりあげていく。
2月から5月が非常に大きなたたかいになる。夏の参議院選挙と、千葉では今秋は国体がある。警備上の問題としても、今年前半に三里塚問題に一定の決着をつけたいだろうけれども、それをわれわれはうち砕いていく。

空港が包囲されている
われわれは「フェンスに囲まれている」という言い方をする。自分は韓国に行くときに初めて空港の中に入った。空港内から自分たちの部落を見た。空港を包囲し、攻撃しているのは、われわれなんだ。あんなフェンスに囲まれた空港なんてどこにもない。
ふつうは外から見える。軍事空港だってそう。だけど成田は違う。4メートルの鉄板で見えないように囲って、24時間警備体制をとらなければしようがない空港。ハブ空港なんて問題外。もう空港の体をなさない。フェンスによって囲わざるをえない状況をつくったのは、われわれのたたかいだ。
開港したら終わりじゃない。開港してもたたかい方はまたある。そういうふうに壮大な夢をもってたたかいぬきたいと、今年は思っている。
神戸空港も案内してもらって見た。各県に一空港なんて、つくった人たちに全部責任をとらせるべきだ。そしてそれをぶち壊していこう。
〔関西実行委の旗開き(1月17日)での発言要旨。文責編集委〕

ただちに沖縄に連帯する行動を
60年・70年闘争の限界こえる道

新基地を力ではねかえす

名護市長選の勝利は、民意を示したという次元にとどまらない。名護市民は、すでに97年の市民投票で、新基地反対の意志を示している。しかし、その後3度の市長選で苦杯をなめてきた。
政治体制が全体重をかけて押しつぶそうとしてきたからだ。しかし、辺野古や二見以北のたたかいが不屈にたたかわれ、それが名護市民全体をとらえ、ついに、市長選という権力闘争で勝った。基地を押しつける巨大な力を、名護市民が力ではねかえしたのだ。

アメとムチの基地政策の敗北

敗北したのは、沖縄を犠牲にすることで成り立ってきた日米同盟政策・戦後基地政策そのものだ。
新基地受け入れの見返りとされる北部振興策(99年から総額770億円)で、立派な箱物がいくつかできたが、失業率は本土の倍近く、街は一層さびれ、病院には医者が足りないという状況だ。結局、利益は本土資本に吸いとられた。アメは幻想だった。
沖縄を国策の犠牲にするという構造的差別の下、有無をいわさず基地を沖縄に押しつけ、利益の幻想で慰撫するというアメとムチのやり方が完全に破綻した。

沖縄の怒りにどうこたえるか

問題が本土に叩きかえされた。
オバアが言う。「県外でも国外でもなく、なぜ辺野古なのか。そういう政治家の顔をひんむいてやりたい。基地は東京か大阪に持っていけ。私たちの苦しみを味わってもらいたい」。
この沖縄県民の怒りと苦しみに、本土人民はどうこたえるのか。基地問題を自らの問題として引き受ける覚悟が問われている。自分の住む町に米軍基地がきたら、どう思いどう行動するか。それと同じ気持ちで、辺野古新基地粉砕に立ちあがるべきだ。
今すぐ行動をおこそう。署名や請願をやろう。報告会や勉強会をひらこう。辺野古にかけつけよう。あらゆる運動体・労働者組織のとり組みを。今がチャンス、今しかない。辺野古のオバアの訴えにこたえるのか、裏切るのか。それが今にかかっている。ここに、60年・70年闘争の限界をこえて、安保・沖縄闘争の新たな発展とプロレタリア革命への道筋がある。

平野官房長官「法的措置」と発言 1/26

鳩山政権は、「移設先さがし」で候補地から次々と火の手があがる事態に追い詰められながら、なお日米同盟にしがみつこうとしている。そういう中で平野官房長官が、「法的措置も」と国家暴力発動の恫喝をくわえてきた。
日米同盟のためなら、地元の意志も約束も踏みにじっていいというのか。沖縄の基地は、米軍が銃剣とブルドーザーで強奪したものだが、今度は日本政府が強制的に強奪するというのか。絶対にゆるされない。
他方、政府高官が「強行すれば成田闘争のようになる」と、恐怖を語ったという。もしそうなるとしたら、その一切の責任は政府にある。さらにいえば、敵をしてこう言わしめるところに、三里塚闘争の偉大な地平がある。
「移設先」をさがす必要などまったくない。ただちに普天間基地を閉鎖し、撤去せよ。

4面

派遣法抜本改正
大阪でも共同行動の結成へ

1月19日夜、大阪市内で「緊急集会 厚生労働省の派遣法答申を斬る!」〔主催 労働者派遣法の抜本改正をめざす共同行動・大阪(準備会)〕が開催され140人が参加した。
集会は、派遣パートユニオン・関西の大橋直人さんによる司会で始まった。
冒頭、おおさかユニオンネットワークの垣沼陽輔さんが開会あいさつ。垣沼さんは、これまでの派遣法をめぐる流れを紹介し、いま3党案よりも後退した労政審答申が出されている。抜本改正の運動はこれまで東京中心だったが、この大阪からものろしをあげていこう、超党派でこの運動をつくっていこうと提案した。

問題だらけ!厚生労働省の派遣法答申

講演は、松下PDP偽装請負訴訟原告代理人である村田浩治弁護士。村田さんは、「労政審答申を実際に読んで、答申を労働者の立場でしっかり批判していくことが今、もっとも大切なことだ」と強調し、答申批判をおこなった。

◇ぬけ穴だらけの答申
派遣法は制定以来規制緩和の連続だったが、いま派遣法の歴史上初めて規制が加えられようとしている。このことは運動の成果として評価すべきだが、しかしまだまだ不十分で、ぬけ穴だらけだと断罪し、具体的に問題点を指摘した。

◇派遣先の責任強化を
答申は派遣先責任を回避している。団交応諾義務も消されている。施行期日が3年以内とされ、登録型禁止はさらに2年後まで(合計5年)猶予する生ぬるいものになっていること等を指摘。

◇答申のままで法案をつくらせるな
もし、答申のままで法案がつくられてしまったら大変だ。答申をしっかり批判し、その批判の内容で法案づくりをさせることが、いま本当に必要だ。その点では、この時期に集会をやったことは大変意味がある。今日明日、本当に動かないといけないというのが今の状況だ。撤廃までいきたいところだが、せめて現行法を改正して、派遣先に対する取締りを強化することをうち出す運動を、ぜひ労働組合でとり組んでいただきたいと結んだ。

労働政策審議会の答申を労働者の立場で批判していくことが大切と訴える村田弁護士(1月19日 大阪市内)

東京からの報告

続いて鴨桃代さん(全国ユニオン代表)が、「大阪でも共同行動が出発するのでたいへん心強く思う。派遣法改正にむけて、大きなうねりを全国でつくり出しましょう」ときりだし、以下のように訴えた。
12月の労政審答申を受けて1月中に法案要綱が作成され、2月の上旬くらいに法案が国会に上程される状況になっている。東京の共同行動は、与党3党にたいして、@労政審答申にふりまわされないでほしい、A政治の主導で3党案に基づく法案をしっかりつくってほしい、B日弁連などからも意見を聞いて法案をつくってほしい、C法案が見えないところでつくられるのではなく、公開してほしい、ということを求めていく考えを明らかにした。
次に3党案について報告。3党案の内容は共同行動で議論を重ねたもので、3つの柱で構成した。ひとつは登録型派遣を原則禁止にする、ふたつめは派遣先企業の責任を強める、みっつめは均等待遇である。抜本改正の第一歩として、まずこれを最低限獲得しようとしてまとめた。
確かに3党案では、製造業派遣に専門26業務ともう1業務に限って登録型派遣を認めることになっているが、これに社民党などは最後まで反対した。しかし、民主党の内部はそれを入れないとまとまらないということがあり、ギリギリの判断として、最後に社民党の福島党首に泣いてもらい、昨年6月26日、ようやく民主党、社民党、国民新党の3党で法案提出にこぎ着けた経緯を話した。
民主党の中には、通称川端議連といわれる「派遣制度の改善を推進する議員連盟」というのがあり、この議連は派遣制度の改善とは名ばかりで実際は今の派遣法でいい、それを推進しようという主張をしているとのこと。
3党案は不十分であるが、労政審答申にふりまわされることなく、3党案に基づく法案をしっかり議論してつくっていくべきだと提起した。具体的行動としては、1月27日に院内集会を行い、2月に入ってからもっと大きな集会を全国の仲間たちとともに開きたいと提案した。
続いて、松下PDP偽装請負を告発し職場復帰をたたかう吉岡力さん、大阪労働者弁護団の大川一夫弁護士からの発言、若干の質疑の後、なにわユニオンの中村研さんが、共同行動・大阪の結成に向けて行動提起をおこない、閉会した。

共同行動・大阪に結集しよう

共同行動・大阪の結成にむけて昨年10月から会合を始め、この間5回の相談会と2回の事務局会議を通して、ようやくここまで到達した。派遣法廃止も抜本改正も、この極悪の派遣法をなんとかしなくてはいけないという思いは共通である。派遣先責任の強化、登録型派遣禁止、日雇い派遣禁止、製造業への派遣禁止、みなし規定の創設、団交応諾義務の明確化、これらは労働者の譲れぬ要求だ。資本による3党案の骨抜きを許さず、運動の力で3党案をこえる内容を実現しよう。諸悪の元凶である派遣法廃止に向けて、階段を一歩ずつあがっていこう。

門真三中「君が代」処分取消訴訟
第1回口頭弁論 川口さんが意見陳述

大阪・門真三中の一昨年の卒業式で、「君が代」斉唱時に着席したことをもって、昨年、不当な訓告処分をうけた川口さんが大阪地裁に提訴した。その「君が代」処分取消訴訟の口頭弁論が、1月21日ひらかれた。午後4時からの法廷には、多くの支援者がつめかけ、45席の傍聴席は満杯になった。
冒頭、原告の川口さんが陳述し、なぜ自分は卒業式での「君が代」斉唱時に着席したのか、戦争と平和の問題への熱い思いを語り、大阪府教育委員会、門真市教育委員会の処分撤回を求めた。
閉廷後、参加者全員で近くの別会場に移り、報告集会をおこなった。
次回は、3月15日、午後4時から、大阪地裁809法廷。

報告集会で発言する原告の川口さん(1月21日 大阪市内)

被爆者だった先生の死に衝撃 川口さんの冒頭陳述から

私は、1953年、長崎で生まれ、長崎で育ちました。高校時代、私がとても尊敬していた体育の先生が、突然白血病で亡くなるということがありました。 先生は、原子爆弾の被爆者だったのです。このことは私にとって大きな衝撃でした。この時から、私は戦争や平和について、深く関心を持つようになり、真剣に考えるようになっていきました。
私は1977年、門真の学校に就職しましたが、そこでとても驚いたことがあります。それは、平和教育がとても熱心に行われていたことです。胸が熱くなりました。
私は、子どもたちに戦争について教えていくためにも、自分なりにいろいろ勉強しました。そして、その中で、戦前の学校の戦争責任ということに気づいていきます。戦争責任というのは、戦前の学校が、徹底した軍国主義教育を行い、たくさんの若者を戦場へ送っていったという歴史的事実です。 私は、このことは絶対に忘れてはいけないし、絶対に繰り返してはいけないことだと、今日まで考え続けてきました。

医療観察法廃止もとめ国会前座り込み

国会開会日に30人で座り込み集会(1月18日 国会前)

1月18日の国会開会日、「心神喪失者等医療観察法許すな! ネットワーク」「観察法をなくす会」などの「精神障害者」や労働者が約30人で「心神喪失等医療観察法」の廃止を求めて国会前座り込みをおこなった。
医療観察法には施行5年後の見直しが規定されており、今年7月にその時期を迎える。
国会筋の話によれば、今通常国会で厚生労働省は、入院指定病院の対象範囲を拡大する改悪をおこなおうとしているとのこと(施設不足で政省令でびほう策をくり返してきたが、それでは対応できなくなった)。今秋の臨時国会か、来年の通常国会に大幅な改悪案を出すのではないかという話だ。そのために社会保障審議会医療観察法部会での改悪論議がおこなわれると言われている。
この日の集会で主催者は、精神医療改革に言及し、「自分自身が首相の元に設けられている障がい者制度改革推進会議の構成員だが、『精神障害者』の問題はなかなか取り上げられない。障害者自立支援法だけではなく、医療観察法や精神保健福祉法の問題も審議していきたい。大勢の応援をお願いする」と提起した。

13人も自殺

「精神障害者」からの発言が続いた。医療観察法で収容されたり強制通院となった人が、昨年9月までに13人も自殺している。政府は「本人のための医療」と言うがなぜ自殺者が続出するのか。政府は自殺の責任を取れと弾劾した。
また日弁連が反対の立場を転換し、是認する動きをしていることが批判された。
争議労働者からは、「いま精神障害を発病する労働者が増えているが、自己責任とされて企業から排除されている。閉じ込めも排除も許せない」という発言があった。

署名のとり組みを

今後のたたかいの方針として――@法の廃止を求める署名にとり組む、A3月5日に再び国会前座り込みをおこない院内集会を開く、B7月に京都で全国集会を開く――が提起された。とくに署名へのとり組みをお願いしたい。(通信員 MT)

5面

2010年 政治・運動スローガン
革命的共産主義者同盟再建協議会

革共同再建協議会の2010年政治・運動スローガンを発表する。これは、組織会議において討議をかさねてつくってきたものだ。このスローガンは、「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」を綱領的立脚点として、今日の階級闘争のあらゆる領域において、帝国主義の攻撃とたたかうための指針である。
もちろん運動の前進と共同闘争の広がりの中で、スローガンの更新と深化は、どんどんおこなわれるべきと考える。すべての人びとに、革命的共産主義運動を再建し前進させる討議とたたかいに参加されんことを訴える。


●反帝国主義・反スターリン主義の旗のもと、万国の労働者と被抑圧民族は団結せよ!
◇アメリカ帝国主義によるイラク・アフガニスタン侵略戦争を許すな!
 ・すべての外国の軍隊はイラク・アフガニスタンから撤退せよ!
◇パレスチナ解放! 米帝は軍事基地国家・イスラエルへの支援をやめろ!
 ・イスラエルによるガザ侵攻弾劾! ガザ封鎖を直ちにやめろ!
◇帝国主義とスターリン主義によるあらゆる民族抑圧を許すな!

●沖縄闘争勝利! 日米軍事同盟粉砕! 改憲阻止!日本帝国主義打倒!
◇沖縄からすべての米軍基地を撤去せよ!
 ・日本帝国主義の沖縄差別政策粉砕!
 ・辺野古新基地建設阻止! 普天間基地を即時返還せよ! 高江ヘリパッド基地建設阻止!
 ・沖縄人民の自己決定権支持!
◇日米安保条約即時破棄!
 ・すべての在日米軍基地を撤去せよ!
 ・在日米軍再編粉砕! 日米の軍事一体化を許すな!
 ・岩国への米軍艦載機夜間離発着訓練の移転阻止! 愛宕山への米軍住宅建設を許すな!
 ・横須賀の原子力空母の母港化反対!
◇日帝の軍事大国化阻止! 核武装阻止! 自衛隊の海外派兵反対! 自衛官に基本的人権を!
 ・自衛隊はソマリアからただちに撤退せよ! アフガニスタンへの自衛隊派兵を許すな!
 ・ミサイル防衛(MD)計画反対! PAC3ミサイルの全国配備と移動展開訓練反対!
 ・日米共同演習反対! 戦争を挑発する貨物検査法を廃案へ!
 ・鳩山の「友愛ボート」構想粉砕!
 ・自衛隊内から反戦運動をつくりだそう!
◇憲法9条改悪を許すな!
 ・改憲のための国民投票法を撤廃せよ!
 ・憲法審査会を廃止せよ!
 ・集団的自衛権の行使容認を許すな!

●三里塚決戦勝利! 成田空港を廃港へ! 農地死守! 実力闘争!
 ・日帝・国家権力−成田空港会社による市東さんの農地強奪を許すな!
 ・天神峰現闘本部破壊を阻止するぞ! 一坪共有地強奪を許すな!
 ・第三の新誘導路建設反対! 暫定滑走路の再拡張を許すな!
 ・成田・関空の軍事利用を許すな!
 ・大阪湾の軍事使用を許すな! 神戸空港を廃港へ! 非核神戸方式を守れ!

●核廃絶! 日本の核武装を許すな!
 ・原発建設反対! すべての原子炉の運転を停止せよ!
 ・上関原発建設阻止!
 ・青森県・六ヶ所村の核燃料サイクル施設を廃止せよ!
 ・玄海原発のプルサーマル運転をただちに停止せよ!
 ・高速増殖炉もんじゅを廃炉へ! 運転再開を許すな!
 ・被爆者解放闘争の前進をかちとろう! 国はすべての被爆者に補償を行え!

●天皇制打倒! 天皇制イデオロギー攻撃粉砕!
 ・天皇は戦争責任を認めよ!
 ・象徴天皇制廃止! 天皇の国家元首化を許すな!
 ・宮内庁解体! すべての皇室財産を没収せよ!

●大企業と国家の利益のために労働者の生活と権利を売りわたす連合路線に反対し、戦闘的労働運動を創造しよう!
◇労働者派遣法を抜本改正し廃止へ!
 ・登録型派遣、製造業派遣を禁止せよ!
 ・みなし雇用規定を創設せよ!
 ・違法派遣に対する罰則を導入せよ!
 ・派遣先の団交応諾義務を明記せよ!
◇非正規雇用撤廃! すべての非正規雇用労働者にたいする均等待遇を実現しよう!
 ・有期雇用撤廃! すべての労働者を直接雇用へ!
 ・85年以来の労働法改悪によって奪われた労働者の権利を取り戻そう!
◇団結権破壊攻撃をはね返し、すべての労働者は労働組合に結集しよう!
 ・1日8時間−週40時間労働制の完全実施を! 変形労働時間制を廃止せよ! 時間外労働の規制を強化せよ!
 ・人間らしい生活を保障するために、最低賃金を大幅に引上げよ!
 ・公務員のストライキ権を保障せよ!
 ・国、地方自治体、労働委員会、裁判所は労働組合法を厳格に運用し、団結権侵害=不当労働行為に対する規制を強化せよ!
 ・過労死、過労自殺をなくせ! 労災、職業病闘争を推進しよう!
◇国と自治体の責任ですべての失業者に雇用保障を行え!
 ・雇用保険の受給要件の緩和と受給期間の延長を行え!
 ・失業対策事業を行え!
◇尼崎事故弾劾! 分割・民営化=JR体制打倒! 国鉄1047名闘争に勝利しよう!
 ・被解雇者1047名全員の解雇撤回・JR復帰をかちとろう!
 ・国交省・JR西日本による尼崎事故の隠ぺいを許すな! すべての被害者・家族のたたかいと連帯しよう!
 ・安全を無視した業務の外注化、合理化・人員削減反対!
 ・すべての臨時・契約社員の労働条件の改善と正社員化を!
 ・JR関連企業および下請企業ではたらくすべての労働者の賃金・労働条件の改善をかちとろう! 下請労働者への犠牲の強要を許すな!
 ・民営化を礼賛するJR総連・カクマルの労使共同運動粉砕!
◇郵政事業の民営・分社化反対!
 ・JP労組の生産性労働運動を許すな!
 ・郵政で働くすべての非正規雇用労働者の労働条件の大幅改善を実現しよう!
 ・良心的戦闘的な郵政労働者の全国ネットワークを形成しよう!
◇「日の丸・君が代」強制反対! 全国の不起立処分を撤回せよ!
 ・教員免許更新制撤廃! 民主党の新教員免許制度反対!
 ・全国学力テストを廃止せよ!
 ・教育基本法を元に戻せ!
◇民営化攻撃反対! 公務員労働者の首切り・リストラを許すな!
 ・指定管理者制度反対!
 ・市場化テスト反対!
 ・公務員の非正規雇用拡大反対!
 ・橋下府政打倒! 道州制反対!
◇医療・介護現場の大幅増員を確保せよ!
 ・結婚し、こどもを育てられる賃金を保障せよ!
 ・交替制勤務による健康破壊を許すな!
 ・診療報酬と介護報酬を大幅に引き上げよ! 患者・利用者負担を軽減せよ!
 ・医療・介護を金もうけの対象にするな! 混合診療の導入を許すな!
◇女性労働者への一切の差別を撤廃せよ!
 ・雇用形態と賃金にかんする一切の差別を撤廃せよ!
 ・母性保護を拡充し、完全実施せよ!
   危険・有害業務、長時間・深夜労働の禁止
   生理休暇の有給化と完全実施
   産休の完全有給化と大幅延長、育児休暇の完全有給化と男性労働者取得の
   推進
   妊娠・育児期間における有給の労働時間短縮と業務軽減、不採用・解雇・雇止
   めなどの一切の不利益取扱いの禁止
 ・職場でのセクハラ、虐待を許すな!
◇すべての滞日・在日外国人労働者の権利を保障せよ!
 ・現代版強制連行=外国人研修・技能実習制度を廃止せよ! すべての外国人研修生に労働者としての権利を保障せよ!
 ・日系ペルー人、日系ブラジル人労働者に生きる権利と働く権利を保障せよ! 強制収容・強制送還を許すな!
 ・「資格外就労者」「法外就労者」に生きる権利と働く権利を保障せよ!
 ・「国籍条項」に基づく職種と昇進の制限を全廃せよ!
◇労働運動への刑事・民事弾圧を許すな!
 ・反弾圧のネットワーク運動を拡大・強化しよう!

●「7・7思想」を貫き、被差別人民・被抑圧民族人民と日本の労働者階級の共同の力で、あらゆる差別・抑圧を打ち砕こう!
◇狭山差別裁判糾弾! 第三次再審闘争勝利!
 ・東京高裁は東京高検に全証拠を開示させ、ただちに事実審理を行え!
 ・安田派による広島差別事件糾弾!
 ・同和住宅家賃値上げ反対! 部落民追い出し政策反対!
 ・激発する部落差別事件とたたかおう!
◇「在留カード」新設をはじめとする改悪入管法を廃止せよ! 入管法・入管体制粉砕!
 ・新自由主義と戦争がもたらした難民を無条件で受け入れろ! 人間的権利を保障せよ!
 ・入管収容所における非人間的処遇を許すな! 入管収容所を廃止せよ!
 ・「拉致問題」を口実とした朝鮮民主主義人民共和国への排外主義を許すな! 経済制裁と在日運動への弾圧を許すな!
 ・「外国人追放」を叫ぶ「在特会」の台頭を阻止しよう!
 ・日本軍「慰安婦」(日本軍性奴隷)制度をはじめとする強制連行・強制労働などのすべての戦争責任を認めよ! 真相究明・謝罪・国家賠償・責任者処罰・歴史教育を行え!
 ・就職差別・結婚差別・入居差別・年金差別などのあらゆる差別・抑圧を撤廃せよ!
◇あらゆる女性差別攻撃に反撃を!
 ・天皇制・家父長制的家族制度粉砕!
 ・性別役割分担を意識的自覚的に打ち破ろう!
 ・女性への家事・育児・介護・看護の一方的押しつけ反対!
 ・両性の平等と母性保護のための性教育を実施せよ!
 ・性の商品化、買春を禁止せよ!
 ・女性の自己解放の力を発揚し、全世界の女性たちと連帯し、すべての労働者人民の生存権を守るためにたたかおう!
◇優生思想による「障害者」差別、隔離・収容・抹殺を許すな!
 ・「障害者」の地域自立生活を全額公費で保障せよ!
 ・障害者自立支援法を即時撤廃せよ!
 ・精神保健福祉法・医療観察法を廃止せよ!
 ・脳死・臓器移植法を廃止せよ!
◇沖縄現地と連帯し、全国で沖縄闘争に取り組もう!
 ・在本土沖縄人民に対する生活破壊・権利剥奪を許すな!
◇アイヌ民族をはじめとする先住民・先住民族の民族的権利を保障せよ!
◇性的マイノリティへの差別・偏見を打ち破ろう!

●すべての人々に健康で文化的な生活(生存権・居住権)を保障せよ!
 ・後期高齢者医療制度を即時廃止せよ!
 ・介護保険制度を廃止し、介護を無償で公的に保障せよ!
 ・国民皆保険制度の解体を許すな!
 ・介護・医療・妊娠・出産・育児・中絶・教育・難病を全額公費負担とせよ!
 ・国の責任でヘルパー労働者に十分な賃金を保障せよ!
 ・保育所の規制緩和反対! 安心して預けられる公的保育所を増設せよ!
 ・児童手当や母子家庭支援制度を拡充せよ! 学童保育制度を拡充せよ!
 ・公的医療機関の民営化を中止し、公的医療を復活・拡充せよ!
 ・国と企業は責任を認め、薬害・公害患者の医療と生活を全額公費負担せよ!
 ・生活できる最低年金をすべての高齢者と「障害者」に保障せよ!
 ・ハウジングプア解消に向けて、公営住宅政策の拡充を行え!
 ・公営住宅の入居資格を緩和し、連帯保証人制度を廃止せよ!
 ・生活保護の老齢加算を復活せよ!

●改悪農地法による耕作者主義の解体を許すな!
 ・FTA・EPA反対! 農産物自由化反対! 米のミニマムアクセスを廃止せよ!
 ・すべての農民と農地を守り、生産者所得補償方式に準ずる補償を行え!
 ・農機・農薬事故への十分な補償を行え!

●消費税廃止! 累進課税を強化せよ!
 ・老年者控除などの非課税枠を復活・拡大せよ!
 ・大企業に対する法人税を引き上げよ!

●すべての政治犯を即時釈放せよ! 長期投獄攻撃を許すな!
 ・国家権力による治安・管理の強化を許すな!
 ・無実の星野同志を奪還しよう! 第二次再審闘争に勝利しよう!
 ・破防法・組対法を撤廃せよ!
 ・公安調査庁廃止! 警察庁廃止! 警備・公安警察を解体せよ!
 ・重罰化・獄死攻撃を許すな!
 ・裁判員制度廃止! 「呼び出し拒否」をひろげよう!
 ・死刑制度廃止!
 ・刑務所の民営化反対!

●2010年参議院議員選挙で改憲と新自由主義とたたかう国会議員を選出しよう!

●プロレタリア世界革命の達成をめざして、スターリン主義をのりこえる労働者階級の党を建設しよう!
 ・新自由主義・グローバリゼーションとたたかう全世界の労働者人民と連帯し、国際的な共同闘争を推進しよう!
 ・改憲と日米軍事同盟に反対する広汎な統一戦線の形成をめざしてたたかおう!
 ・あらゆる職場・地域でたたかいの先頭に立ち、21世紀の共産主義の理論と運動を創造しよう!
 ・機関紙『未来』を積極的に労働者人民の中に持ち込み、党勢の倍増をかちとろう!

6面

在特会の連続襲撃ゆるすな
朝鮮学校と水曜デモを防衛しよう

1月14日、在特会(在日特権を許さない市民の会)約50人が、またもや京都朝鮮第一初級学校を襲撃した。

警察の弾圧に呼応

12月4日、同校への襲撃は、在日朝鮮人社会に大きな衝撃を与え、日本の労働者民衆の中にも激しい怒りと危機感をつくり出した。12月22日に開催された緊急集会には600人を超える人びとが駆けつけ、在特会の襲撃を断罪するとともに、彼らを容認する日本社会の排外的現実をうち破っていくことを誓い合った。
しかし在特会は、これを無視し、またもや襲撃を加えたのだ。
1948年の朝鮮人学校閉鎖命令をはね返す阪神教育闘争などのたたかいを通して、朝鮮学校は守りぬかれてきた。今に至るも「各種学校扱い」という差別的扱いの中で、在日朝鮮人の子ども、保護者、教職員、地域住民の努力で守りぬかれている。
日帝・権力は、07年1月28日、滋賀朝鮮初級学校にたいして不当捜索を強行、機動隊を動員して学校を土足で踏みにじった。こうした弾圧や迫害でもつぶすことができない朝鮮学校を、在特会は排外主義暴力でつぶすことを目的として襲いかかっている。

妨害から襲撃にエスカレート

さらに在特会は、今回の襲撃の前日1月13日に、西宮で開催された日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす「水曜デモ」を襲撃した。この日は、韓国の日本大使館前でおこなわれている900回目の「水曜デモ」に連帯したとり組みだった。
在特会はこの日、まず昼過ぎに、朝鮮学校襲撃問題を報道した毎日放送(大阪市北区)にたいして「抗議」と称して押しかけた。
続いて、宝塚で日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市議会意見書採択に尽力した議員の事務所に、またもや押しかけた。その後、西宮の「水曜デモ」に約30人で襲いかかったのだ。
現場にいた約30人の警察官は、在特会が襲いかかるのを形ばかりでしか制止せず、目の前で押し倒して暴行するのを黙認し続けた。在特会は、白昼公然と暴行をふるっても、警察は自分たちを弾圧しないことを百も承知しているのだ。在日朝鮮人団体やたたかう労働組合などにたいしては、とんでもない口実をこじつけて捜索・逮捕を強行するのにである。
在特会は、これまでの「抗議」と称した妨害行動から、ついに襲撃へとエスカレートした。彼らは今、朝鮮学校と「水曜デモ」を潰すことを目的として、襲撃をくり返している。
さらに在特会は、それに先立つ1月6日の梅田の「水曜デモ」にも押しかけ、1月10日には神戸・三宮で「参政権反対」を叫んで約50人がデモを強行している。1月16日には、にっこりネット(東アジアの平和と朝鮮半島の自主的平和統一を目指す京都ヒューマンネット)新年フォーラムに約30人が押しかけた。この集会を防衛するために、70人を超える人びとが防衛隊に駆けつけている。1月17日には、「パチンコの売上は北朝鮮に資金として流れている」から「パチンコをやめよう」デモなるものを、約65人で大阪・難波でおこない、1月20日には、神戸・長田の「水曜デモ」を多数で襲撃した。
在特会は東京においても、昨年12月26日には新大久保の「コリアタウン」で、「朝鮮人は出て行け」と叫んで排外デモをおこない、1月24日には、「臨時大会&デモ」と称して、約500人でまたもや新宿までのデモを強行している。

在日朝鮮人が多く住む大阪市生野区で「朝鮮人は出ていけ」とわめきちらす在特会のデモ。
(昨年12月13日 JR鶴橋駅前)

在特会の襲撃はね返す陣形を

われわれは、在特会が、在日朝鮮人やたたかう運動団体を襲撃し、「外国人追放」を叫んで街頭に進出することを絶対に許すわけにはいかない。
たたかう人びとは今、団体やとり組みの違いを越え、在特会の襲撃をはね返す陣形をつくりはじめている。1月19日には、朝鮮学校襲撃事件にたいして、京都弁護士会が会長声明を発表している。
在特会の排外主義暴力を許さない広範なたたかいをつくり出し、社会的に包囲し、孤立させ解体しよう。

狭山 第3次再審闘争
検察はただちに全証拠を開示せよ
全国連のよびかけに応え 2・9要請行動へ

昨年10月末、東京高検は、狭山事件第3次再審申し立ての三者協議(裁判所、検察、弁護団)において、弁護団からの証拠開示要求にたいし、「証拠があるかないかも含めて」回答を拒否した。ただ一点、「殺害現場」とされる雑木林での血液反応検査報告書については「不存在」とした。
このような検察にたいして、12月16日、東京高裁・門野裁判長は、証拠開示を勧告。血液反応報告書については、ないならないで合理的な説明を行うよう求めた。

85年国会証言動かぬ証拠

この血液反応検査報告書は存在する。その動かぬ証拠が、1985年2月22日の衆議院法務委員会での筧栄一法務省刑事局長(後に検事総長)の証言だ。以下引用する。

○横山委員 
(検査を実施した埼玉県警鑑識課技師松田勝が)芋穴については(ルミノール)反応が認められなかったと。それなら殺害現場の雑木林は反応検査をしたのかと言ったら、した、こう言っているんですね。・・・出してくださいよ、これを。

○筧政府委員 
ただいまのルミノール検査報告書、あることはもちろんあるわけでございます。したがいまして、その内容について現在検討中でございますので、その結果を待って御回答申し上げるということでございます。

開示勧告に先立つ12月15日、部落解放同盟全国連合会の要請行動で、この国会証言が検察にたたきつけられた。「検察はウソを言ってもいいのか」という厳しい追及に、狭山担当検事・加藤らは「国会証言を確認し、次回(2月)要請行動で回答する」と約束したのである。

石川一雄さんとともに

検察による証拠隠滅を絶対に許すな。石川一雄さんが訴える「全国民的大衆運動」(本紙49号)による検察の包囲、そしてその先端での2〜3月要請行動に、たたかいの成否がかけられている。
不屈の石川さんと全国連のたたかいに連帯してともに2月要請行動にたち、血液反応報告書を突破口に全証拠の開示をかちとろう。あらゆる地域・職場で、差別糾弾闘争を復権しよう。〔要請行動の要項は闘争案内〕