21世紀革命にたいする革共同再建協議会の決意
   7・27革共同政治集会での再建協議会からの特別報告
 革命的共産主義者同盟全国委員会の再建をめざす全国協議会
 
〔T〕革共同再建協議会が目ざすもの
 
@ 再建協議会結成について
先日、全党・全国から同志が結集して、革命的共産主義者同盟全国委員会の再建をめざす全国協議会(革共同再建協議会)を結成しました。この1、2年を期して、日本革命運動の責任党派として、革共同を再建するためです。革共同をかすめとり、その名をかたる安田派中央を打倒して、改憲阻止決戦を闘う第一党派にわれわれ自身がおどりでなければなりません。その闘いをとおして、同志を結集して、正規の党大会を開催し、革共同を再建します。そのために、この1年、ともに全力をつくそうではありませんか。
 
A 安田派(安田|清水体制)を打倒し、革共同を奪還しよう
安田派中央(安田副議長|清水議長体制)は、革命運動からの脱落・逃亡集団に転落しました。革命運動と階級闘争の妨害者になりはてています。もはやこの集団に、革共同再生の芽はありません。自らのうちから安田派を生み出した痛苦な反省をテコに、革共同の全歴史を検証して、新たな革共同を再建しなければなりません。あらゆる大衆闘争と統一戦線を破壊している安田派が、これ以上、革共同の名をかたることを許せば、反スターリン主義・革命的共産主義運動への絶望を生みだすからです。
安田派が、ここまでの転落を深めたのは、革共同の奪還と再生をめざした2006年の3・14決起に打撃を受け、それにたいする反動的敵対を強めたからです。今日では、反革命カクマル打倒をあきらめ、その闘いから逃亡した安田派は、自らをカクマルと一体化し、それと同質の存在に純化することによって延命を図っています。それゆえに、彼らは、カクマルの本体というべき松崎・JR総連カクマルを批判できないのです。松崎明が、『松崎秘録』という本で、動労千葉の中野洋顧問を4、5回も名前を挙げて秋波を送っているにもかかわらず、安田派が、松崎を正面の敵と断じて闘わない理由はここにあります。安田派が国鉄闘争、1047名闘争に絶望し、5・27国労臨大闘争弾圧裁判も分裂させたのも、カクマルによる労働戦線におけるファシスト的「第3極」づくりにたいする反撃の闘いからの逃亡にあります。
スターリン主義、カクマル、安田派の三者は、ともに革命運動の反動的妨害物です。しかし安田派は、かつてのスターリン主義・反革命のように物質的基盤としての支配国家、社会体制をもちません。カクマルと同様、労働組合運動を特殊に基盤にしています。また前二者は、民間運動形式を取る反革命として登場してきました。ところが、安田派はただ動労千葉を賛美し、防衛するだけの存在です。安田派が、前二者と異なる点は、勝利した革命(ロシア革命)、あるいは革命的闘い(「2つの11月決戦」)への内部からの反動として登場してきたのではないことです。つまり安田派には「粉砕」しなければならない「革命」が最初から存在しないのです。彼らが反革命的勢力を編成する力などもたない脆弱な存在であるのはこの点が根拠となっています。
安田派的変質は、2001年の革共同第6回大会に始まりました。いまから考えると、対カクマル戦争からの逃亡を宣言したのがこの大会でした。そこには、カクマル・黒田の哲学を批判することによって、カクマルに勝利したなどという観念論しかありません。対カクマル戦からの逃亡は、国鉄闘争での急速な展望の喪失として現にあらわれています。このことが、スパイ問題を階級・大衆の前に隠蔽したり、資本と権力の弾圧にたいして、「解雇は勝利」「弾圧ありがとう」などという敗北主義と闘争放棄につながるのです。三里塚闘争への敵対・破壊・分裂の策動、広島部落差別事件での差別の開き直りは、もはや労働者の党とは言えないものに安田派を変質させています。
 
B 革共同再建の展望
このように、安田派(安田|清水体制)は、革命運動・階級闘争の反動的妨害集団であって、もはや変革・再生は不可能です。打倒する以外ありません。
革共同に人生をかけて、永年闘ってきたわれわれ自身の総括と反省をかけて、切迫しつつある新たな世界革命、21世紀革命と2010年改憲決戦の嵐のような戦闘的大衆運動と革命的大衆行動の爆発のなかに安田派をひきこみ、綱領的・政治的・イデオロギー的に追いつめ、解体していくことです。いまだ革共同に思いを寄せ、安田派にとどまっている同志にたいしても、安田派からの決別をうながしつつ、われわれ全員がこの闘いの先頭に立つことが、革共同を奪還する道です。1959年にわずか20人ほどで革共同第2次分裂をたたかった故本多書記長を先頭とする革共同全国委員会の同志は、60年安保闘争の先頭に立つことによって、1年半ほどの闘いで、西分派(今日の第4インターの前身)を圧倒し、60年安保ブントの全分派を糾合し、階級闘争の首座におどりでました。そういう闘いをいまからはじめましょう。
 
〔U〕21世紀現代革命の綱領のために
 
@ 20世紀が解決すべくして解決しえなかった21世紀の課題
20世紀は、1度の革命、2度の世界戦争、3度の革命情勢(+2波の民族解放闘争の大高揚期)、1度の大恐慌と長期で慢性的な農業恐慌を経験しました。90年代以降のスターリン主義の破算の現実化と戦後帝国主義の危機の深化のなかで、いま21世紀の世界は、労働者人民の困苦の増大とたえざる反乱・暴動、ストライキと街頭での衝突といった革命的情勢の始まりをむかえています。21世紀の課題は、帝国主義の世界的支配を根底から打倒し、プロレタリア世界革命を可及的にすみやかに達成し、共産主義社会への人類史的移行を実現することです。基本的生産関係において、自らの労働力を商品として売らなければ生きていけない一個の階級、非人間的な搾取・抑圧をもっとも受けているがゆえに、すべての階級の解放のなかにのみ自らの解放がある唯一の階級としてのプロレタリアートが、自己解放、普遍的人間解放の主体としてこの世界に立ち向かうことが、勝利の展望をきりひらきます。
 
A 反帝・反スターリン主義と「段階・過渡・変容、危機」の世界認識
現代社会に対するわれわれの基本認識は、資本主義の最高発展段階としての帝国主義段階、ロシア革命によってきりひらかれた世界革命の過渡期、国際階級闘争のスターリン主義的変質と世界の“帝国主義とスターリン主義の世界化”、帝国主義とスターリン主義の戦後体制の全面的解体の危機・戦争の危機の深まり||これがわれわれが変革すべき現代世界をとらえる指標です。反帝国主義・反スターリン主義こそ世界革命の唯一の綱領的立場です。
 
B 現代帝国主義の1970年代以降の新自由主義攻撃
1974、75年恐慌で戦後帝国主義の過剰生産・過剰生産能力が全面的に露呈し、他方で「ベトナム革命」と67年10・8羽田闘争が世界史的に切り開いた地平(フランスなど68年以降の大激動・大激闘)と民族解放=革命戦争の中期的大高揚(ギニア・ビサウ、イラン革命、パレスチナ解放闘争)によって世界支配の危機に立った帝国主義は、全面的なまき返しを、市場万能、規制緩和、労働者階級への階級支配の転換と金融資本の権力の復活と再興、新植民地主義体制諸国への略奪的収奪と再植民地化の攻撃として開始します。レーガン政権を中心とする80年代の帝国主義が、それを「対スターリン主義対決=帝国主義間争闘戦貫徹」として展開したことは事実です。
安田派は、現代世界の対抗基軸を、帝国主義対スタ−リン主義、帝国主義対帝国主義の力学的対立としか見ていません。70年代以降の帝国主義の階級支配の転換、それによる帝国主義対労働者人民の対立の基軸性がおさえられていません。しかし世界史を200年逆転させるような労働者階級への階級支配の転換(=資本の逆襲)をまず基軸的にとらえる必要があります。
ドル危機と帝国主義間争闘戦(再分割戦)の爆発にしか危機を見ない安田派の情勢認識では、現代の戦争の性格も変容していることがとらえられません。
恒常的あるいは長期の対テロ戦争、国内治安と対外軍事問題の一体化、帝国主義本国にまで持ち込まれた民族解放・革命戦争||これが現代の戦争の根本問題です。これが侵略戦争、帝国主義間戦争の爆発をとおして、世界戦争・核戦争にまで発展する危機をもたらしています。帝国主義としての生き残りをかけて、改憲と派兵恒久法制定や集団的自衛権の発動を目ざし、現に自衛隊を派兵している日帝の現実にたいして、安田派のように、「帝国主義は帝国主義であるかぎり第3次世界大戦へとつきすすむしかない」と、客観主義的に構えていては話にならないのです。
新自由主義攻撃は、1970年代に新植民地主義体制諸国で始まりました(1973年アジェンデ政権を倒したクーデター以降のチリ)。金融的略奪、自給的農業の破壊、「第2の本源的蓄積」というべきすさまじい土地・共有財産の略奪をとおしたプロレタリアートの大量の創出、多国籍企業の生産拠点化(一部)、帝国主義本国への移民の波||これが新植民地主義体制諸国への帝国主義の新自由主義攻撃の内容です。被抑圧民族人民の民族解放・革命戦争はこの攻撃と対決する決定的な意味を、21世紀の世界革命にとってもっています。
6回大会に典型的な安田派の世界認識、情勢分析は、戦争か恐慌の古典的爆発をもって革命を考える自動崩壊論と待機主義です。だからこそ、「戦時下階級闘争」の任務は、「合法的労働組合の陣地の防衛」(『前進』2285号天田論文)などという体制内思想に陥るのです。「階級的労働運動路線」なるものは、このような日和見主義と合法主義への転落を導くものです。
 
C スターリン主義の新たな認識
1991年8月のソ連スターリン主義の崩壊にたいしても、安田派は、スターリン主義の歴史的破算を言いたてるだけの客観主義に陥っています。共産主義運動にとっての危機、困難と試練、しかしその再生と再興の条件が決定的に形成されているものとは見ません。したがって、スターリン主義圏での第2革命の条件、主体の形成をいかにして実現するのかがまったくありません。逆に、旧スターリン主義圏、残存スターリン主義圏においてこそ、第2革命の意識性が必要です。なぜなら、そこには帝国主義的抑圧と新植民地主義的略奪にくわえて、共産主義への幻滅の激しさが存在するからです。
スターリン主義について、党と国家権力の変質をどうとらえるか、「権力主義化、官僚主義化、民族排外主義的反動化」が、なぜ生まれたかの解明が必要です。反帝国主義・反スターリン主義綱領のなかの「反スターリン主義」とは、本来、現代革命の普遍的な帝国主義打倒の主体についての反省契機を示しています。スターリン主義をたんに打倒対象として措定しただけではないのです。
われわれ革共同自身を含めて、党と運動がスターリン主義的なものに変質する危険とたえず闘うということです。この点をぬきにした「反スターリン主義」は、反革命カクマルのように、反共主義とかわるところがありません。安田派が旧ソ連圏の情勢分析や革命の展望をまったく打ち出せず、客観主義に陥るのは、反省契機としての「反スターリン主義」がすわっていないからです。
 
D 21世紀現代の労働者階級の状態
労働者にたいする新自由主義の攻撃は、「使い捨て労働者」化を本質とします。「フレキシブルな労働市場」を合言葉に、不安定・非正規・未組織の労働者を使って、労働者全体にたいする統制と高い搾取率の達成につとめることです。労働者にたいする攻撃のもう1つの点は、労働者内部の差異を利用した分断支配です。さらに数世紀をかけて獲得した労働者保護の諸制度の解体です。
日本での労働者階級にたいする新自由主義攻撃は、95年の日経連プロジェクト報告『新時代の「日本的経営」』の発表以降、不安定雇用化、使い捨て労働力化としてかけられてきました。民営化、労組破壊、規制緩和=労働保護法制の改悪、社会保障切り捨ては、そのための資本と権力の武器として使われています。
不安定雇用化によって、正規雇用の労働者の労働条件、長期安定とされてきた雇用が徹底的に破壊されています。「生きさせろ」と叫ぶプレカリアート(不安定な立場に置かれた労働者)の反乱が21世紀革命の中心となるのです。
 
E 全世界的な革命的危機と現代革命の条件の成熟
いわゆる情報技術革命は、万人による統治と生産の統制が可能になる物質的条件を形成しました。しかし情報技術者が即革命の主体になるわけではありません。他方、生産的労働の基幹的労働力も、圧倒的に、不安定雇用の労働者が担っています。食糧危機、原油をはじめとする原材料危機、気候変動、そしてなによりも戦争と植民地化を帝国主義の新自由主義とグローバリゼーションの攻撃がつくりだしているなかで、農民・被抑圧民族人民も社会的生産の担い手として、同時に世界革命の共同の主体として重要性を増しています。
2001年9月11日、アメリカ帝国主義本国での民族解放・革命戦争の極限的爆発が起こり、第6回大会の情勢論、世界認識は破算しました。帝国主義本国での内乱、しかも民族解放=革命戦争の帝国主義本国での爆発、ムスリム人民の自己解放をもとめる武装闘争の全世界的爆発が、現代革命において決定的な位置をもっています。しかるに第6回大会は、焦点としてのイラク・イラン・アフガニスタンは名前すら挙がっていません。また同じく2001年には、都議選で小泉と対決しない方針をとって敗北しました。現代帝国主義の新自由主義攻撃をまったく見失っていたという点で両者は共通します。われわれ自身が現代革命の綱領的立場として共有してきた革共同第6回大会の路線を、痛苦の念をもって廃棄し、のりこえ、世界革命の綱領と真の社会主義・共産主義を求める作業をただちに開始しなければなりません。
 
〔V〕G8サミット反対闘争から何を学ぶか?
 
@ G8サミット反対闘争から何を教訓化するか?
今年前半、われわれは全世界の闘う人民と連帯して、戦争と格差・貧困の元凶、G8サミット粉砕を全力で闘いぬきました。革共同再建協議会として、いかに準備が不十分でも、帝国主義の新自由主義とグローバリゼーションと対決するはじめての政治決戦だったからです。G8と現地・全国で対決することによって、われわれは革共同再建協議会を闘う人民の前に鮮烈に登場させました。そして改憲阻止|反戦・反基地闘争、沖縄・三里塚闘争と労働運動の戦闘的再建をめざす新たな戦闘的・階級的統一戦線を形成する展望を切り開きました。それにたいして安田派は、動労千葉単独の呼びかけの日曜日1日のカンパニア的闘争でお茶を濁しただけです。自画自賛や自己満足をもって世界の人民に応えることはできません。
洞爺湖サミットは、首脳声明などでイラクについて一言の言及もしていないことが最大の特徴です。米帝と「有志連合」の帝国主義(米・英・日帝)は、イラク再植民地化のための侵略戦争が完全に破産し、武装解放闘争のまえに敗勢に追いこまれて、泥沼から抜けだすこともできなくなっています。議題にできないほど危機的だということです。金融危機について、欧州中央銀行(ECB)は、米国がドル不安から金融引き締めができないことを見越して、サミット期間中に(G8の首脳会合の直前の7月3日に)利上げをしました。ドル急落の危機に公然と対米対抗的な金融政策をとるなど、サミットは帝国主義による経済的協調の場としても破綻しています。このようなサミットに、世界の運命をゆだねることはできません。全世界の労働者人民、被抑圧民族と連帯して、G8サミットを来年以降も永続的に粉砕しよう。そういう地平をわれわれの今年前半期の闘いが切り開いたのです。
 
A 新自由主義とグローバリゼーションについて
(1)現代帝国主義論を決定的に深化する必要があります。「戦争と民営化」に限定せず、不安定雇用労働者の問題、環境・温暖化問題、食糧・資源問題など、帝国主義が人類のあり方を根底的に変貌させている現実を、革命の立場、労働者階級の立場から決定的につかむことです。
(2)帝国主義の新自由主義攻撃は「恒常的で長期の対テロ戦争」を世界支配の方法としています。したがって反戦闘争、新自由主義との対決は、被抑圧民族の民族解放・革命戦争と連帯する闘いとして闘う必要があります。
日米帝の朝鮮・中国侵略戦争反対の闘いとともに、世界史的転換点としての米帝の敗北が迫っているイラク反戦、パレスチナ連帯の闘いを新たな反戦闘争として闘わなければなりません。
(3)改憲阻止闘争の性格も、「新自由主義と戦争」という領域を対象化し、現代帝国主義論の深化を土台として取り組む必要があります。
(4)その中で現代世界革命の主体としての労働者階級が重要です(次項参照)。
 
B 現代革命における指導的階級としてのプロレタリアート
サミット闘争をとおしてわれわれがつかんだ現代革命は、労働者階級こそが切りひらくことができます。プロレタリアートこそ、革命の主体、指導的階級であり、その団結が決定的に重要です。人口の圧倒的多数、基本的生産関係(主体的生産力)の担い手は、プロレタリアートです。革命を実現して、社会的生産を共産主義的に組織するのも、革命のための党をつくるのも、主体はプロレタリアートです。安田派のように、プロレタリアートを自分の利益、自分の解放だけを追求する卑小な存在にしてしまうことはプロレタリアートの世界史的使命を辱めるものです。われわれはいまこそ、労働者階級の党をつくり、賃労働・資本関係をとおして労働者が働く職場の組織化、その反乱と決起に、仲間を決して裏切らない関係の形成に、そして差別・抑圧と階級分断支配の問題、農民・農業問題などを闘うこと、そしてなによりも労働運動と戦闘的労働組合の再建に全力をあげなくてはなりません。
 
C 世界革命のもうひとつの主体としての被抑圧民族人民
21世紀世界革命において被抑圧民族人民は、世界革命のもうひとつの主体です。「反帝国主義・反スターリン主義世界革命の旗のもと、万国の労働者と被抑圧民族は団結せよ!」のスロ−ガンがそれをあらわしています。
第1に、この立場がなくては「革命的祖国敗北主義」は心棒が入りません。安田派的な「両交戦国(イラクと日・米帝国主義本国のこと)の労働者の団結論」は、現在のイラク戦争にたいして、「テロリズム反対」を名目に、米軍によるイラク人民の虐殺を支持することにかならず陥ります。
第2に、この立場は、被抑圧・被差別人民を自己解放の主体として認める考えに当然つながっていきます。
第3に、「合流論」も、そしてまた「単一の階級」「階級移行」論も、あらゆる階級を廃絶しなければ自らを解放できない階級としての労働者階級の本質的存在を認めない反マルクス主義です。
なお、現代における農民・農業問題についていえば、安田派が、「農業・農民問題」ということ自体がおかしいのです。彼らは、「民族・植民地問題」とは言いますが、農民を主体として認めないからこういう表現をするのです。第6回大会でも、農民の階級としての位置づけや分析をせず、ただ「階層」と規定しています。「労農同盟」といっても、農民を機能主義的利用の対象としか位置づけていないのです。また共産主義論について、「労働者階級が生産の主人公になり…」というだけではおかしいのです。労働者も階級移行して(一切の階級を廃絶して)生産者となることが前提となっていないからです。農民に、「プロレタリア性を強制し、刻印する」という考えにつながる反マルクス主義的暴論です。
 
D 「侵略を内乱へ」の戦略的総路線と7・7自己批判の継承・発展のために
2001年9月11日の極限的な民族解放・革命戦争で一変した世界を、世界革命に転化するために、全世界を侵略し略奪している帝国主義の足下から内乱に決起するわれわれと、被抑圧民族人民との連帯をかけた世界革命が現代革命の課題です。
日帝の100年以上におよぶアジア侵略にたいする日本の労働者人民のアジア人民への自己批判と、現に入管難民法と外国人登録法体制のもとで、差別・抑圧・同化・追放を強制されているアジア人民、在日・滞日アジア人民に歴史的責任をかけて連帯して闘うことが要求されます。アジアを世界革命の根拠地に転化するとは、このようなアジア人民、朝鮮人民・中国人民、イラク・パレスチナ・ムスリム人民にたいする責任を果たしていくことをぬきに成立しません。現に、南北朝鮮・中国(台湾)人民との関係においては、獨島(トクト)問題と釣魚台(ティアオユウタイ)問題が爆発しています。南朝鮮人民の李明博政権にたいする「市民革命」は、かならず反米的闘いから反日的闘いへと爆発していきます。中国の暴動も台湾の抗議も、対日・反日・抗日的に爆発します。そのとき、日本の労働者人民が帝国主義による極限的搾取・抑圧への怒りをもって立ちあがり、朝鮮・中国−アジア人民への歴史的償いの立場に立って連帯できるかどうかが、単一のアジア革命・世界革命の命運を決します。これは、安田派のように、「プロレタリアートは単一の階級である」などと居直って、ゴマカシが利く問題ではありません。
 
E 青年の決起、獲得に、革命的共産主義運動をかけよう
先日の釜ヶ崎の暴動的決起では16歳、17歳の青年が立ちあがっています。
彼らを主語、主体として、20〜30歳代はもちろん、10代からの決起論をつくりあげましょう。青年を獲得することなしに、革命の党も、革命それ自身も、労働運動の再生もありません。レーニンが、青年をメンシェヴィキに委ねるなと言ったように、安田派などに青年を委ねてはならないのです。
 
レーニンの青年獲得への檄:「若い力が必要である。私だったら、人がいないなどというような人間をその場で銃殺するよう、率直に忠告するだろう。ロシアにはいくらでも人がいる。ただ、青年をおそれることなく、もっとひろく大胆に、もっと大胆にひろく、もう一度ひろく、もう一度大胆に、青年をつのることが必要である。ときは戦時である。青年が、学生や、それ以上に青年労働者が、闘争全体の結末を決定するであろう。遅鈍(ママ)、地位の尊重、等々のあらゆる古い習慣をすてよ。青年からフペリョード派の数百のサークルをつくり、彼らをはげまして力いっぱい働かせよ。青年を採用して委員会を3倍に拡大し、5ないし10の下級委員会をつくり、あらゆる誠実で勢力的な人物を洩れなく『自主補充せよ』。……彼らの訓練不足をおそれるな。彼らの未経験と未熟についてびくびくするな。第1に、もしあなた方が彼らを組織し、つきうごかすことができなければ、彼らはメンシェヴィキやガボンのような連中のあとにしたがい、同じその未経験によって5倍も多くの害をあたえるであろう。第2に、いまでは諸事件がわれわれの精神でおしえるであろう。諸事件はすでにほかならぬフペリョードの精神ですべての人々をおしえているのである。」(ア・ア・ボグダーノフとエヌ・イ・グセフへの手紙)(全集8巻p138)
 
〔W・〕2010年|改憲阻止・日帝打倒の決戦にむけて
 
@ 2010年の戦略的決戦
2010年は、日本の階級闘争と改憲阻止決戦にとってきわめて重要な年となります。
第1に、2010年の5月以降、いつでも改憲の発議ができると、反動的国民投票法に定められています。敵階級の側からも、労働者人民の側からも、この年が目標になることは確実です。
第2に、2010年は60年安保改定(反対闘争)の50周年です。半世紀を経て、改憲阻止決戦が全人民的課題として大きく浮かび上がります。
第3に、2010年は、日帝による朝鮮併合100周年です。1世紀を経て、日本の革命的共産主義運動が被抑圧人民、朝鮮人民に信頼される革命運動であるかどうかが問われます。
第4に、この年にアジア太平洋経済協力会議が日本で開かれることです。それまでに2009年中にも、新「安保共同宣言」を発出すべきだという論議が日米の政権内部でもちあがっています。ちなみに前回の日米共同宣言は1996年に出されました。
第5に、2010年には、防衛計画の大綱の見直作業に着手することが予定されており、また在日米軍駐留経費の交渉再開も予定されています。
憲法審査会の凍結状態にもかかわらず、「新憲法制定議員同盟」などによる「草の根」的な改憲運動が展開されています。派兵恒久法を制定する動きや集団的自衛権を改憲に先行させる動向、米軍再編と一体の自衛隊の再編と政治的登場、なども激しく動いています。しかし労働者人民は、沖縄・岩国を先頭に、全国の反戦・反基地闘争を高揚させ、九条改憲阻止の世論・運動・意志を高めています。このように、2010年をめぐって、60年、70年を超え、戦後革命期をうわまわる革命的激動が始まろうとしています。わが革共同再建協議会は、職場・地域・戦線で、この運動の先頭に立ち、改憲阻止の大統一戦線を築きあげます。
 
A 現代革命に勝利できる労働者階級の党を建設しよう
21世紀現代革命の勝利をめざし、2010年決戦を闘うにあたって最大の問題は、革共同を再建し、労働者階級に徹底的にねざした、労働者階級の思いと革命への情熱を解き放つ党を建設することです。「(革命軍の闘いによって)大衆運動の発展を外から大いにうながす」(『革共同第六回全国大会報告・決定集上』p87)といった、党と革命軍による代行主義(階級・大衆に依拠した運動の発展とその正義性による勝利ではなく、党と軍への物量の集中によって闘うというブルジョア的戦争観、腐敗した階級闘争観)の克服が今日的にも問われています。革命の党は、なによりも労働者党員が自らの職場で、階級の先頭に立って闘い、「労働組合の防衛と再生」を担いきることによってしか建設できません。安田派が陥っている「体制内労働運動からの決別」であるとか、「動労千葉労働運動への特化」路線は、観念的な自己運動に階級・大衆を導き、党員を階級・大衆から引き離す階級闘争からの召還路線です。
革命の党を建設するために一番重要なことは、労働者が自ら共産主義の革命家として決意することです。今日的には、権力、資本、安田派を含む反動的諸党派と、たったひとりでも対決しぬいて、革共同再建協議会を強固につくりあげることです。故本多書記長が、「革命闘争と革命党の事業の堅実で全面的な発展のために」で述べているつぎの点は、われわれ自身が3・14決起を教訓化して、「自立した共産主義者」の存在を、革命党の第一の構成要素として確認したこととまったく共通しています。
「党がまずもって共産主義者の存在、階級意識で武装された労働者の存在を絶対的な条件としている」「革命党を根底的にかたちづくっている力は、そのメンバーの1人ひとりの自発的な階級的自覚であり、共産主義的な究極目的を明示し、その勝利のためにどんな困難をものりこえてたたかう、という決意と展望である」(『本多延嘉著作選第二巻』p206)
また同時に、党は職場を基礎にした労働者細胞によって構成されなければなりません。生産現場に直接根ざした工場細胞こそ党の根幹です。地域・戦線・経営・機関などの細胞は、工場細胞の発展・強化を援助することが最大の役割です。プロレタリア独裁のもとではじまる過渡期社会建設の事業においては、世界革命と各国への革命の波及と一体で、階級自身を廃絶して生産者の共同体への移行がまずもって図られます。その際、死滅すべき革命党のあり方は、例外なくすべての党員が工場細胞に属するという形を経ます。労働者細胞は、たった1つ、たった1人で構成される場合でも、階級全体・党全体を有機的に代表する全体性・完全性をもちます。細胞と党の中央委員会は「同格・同質」でなければならないという、3・14決起の教訓はこのことを指すのです。安田派のように、「同格とは、細胞が中央委員会に一致することである」とか、3全総路線を細胞建設ぬきの地区党建設論ととらえることは、革共同の党建設論の破壊です。職場闘争の空叫びだけで労働者細胞建設の考えも実践もない、安田|清水体制にはこの点がまったく位置づかないのです。
 
工場細胞についてのレーニンの提起から:「運動の主要な力はすべて大工場の労働者の組織性にある。なぜなら、大工場は、労働者階級全体のうちで数の点で優勢なだけでなく、影響力や、意識の発達や、闘争能力からいえばさらにそれ以上に優勢な部分を、擁しているからである。1つ1つの工場がわれわれの要塞でなければならない。」(「われわれの組織上の任務について一同志にあたえる手紙」全集6巻p242)
「大衆と直接に結びついて生活している労働者自身の中の先進分子によって指導される、地方の、とくに工場の党細胞||これこそわれわれが、革命的、社会民主主義的労働運動のゆるぎない強固な中核を、そのうえにきずこうとしたところの、またきずきあげたところの、土台である。」(「正しい道へ」全集15巻p7)
 
8割から9割を青年が占める数万の労働者党員と、数百、数千の工場細胞をつくりあげ、日本革命・世界革命への激闘に打って出よう。全労働者党員同志、常任・職業的革命家は断固、その先頭に立とう。革命家人生の飛躍をかけて、革共同再建協議会に、すべての労働者、学生、被差別・被抑圧人民、農民と兵士は結集せよということです。
 
B 今秋福田政権闘争打倒を改憲決戦の一大突破口に
派兵恒久法がどうなろうと、新自由主義とグローバリゼーションと対決する反戦闘争が重要課題です。7月洞爺湖サミット闘争の延長として秋の政治闘争は闘われます。戦争としての戦争だけでなく帝国主義の世界支配の総体との対決です。戦争と改憲、労働・環境・食糧、年金・医療・社会保障全体をかけた対決によって、福田政権を打倒し、解散に追い込む、それによって、改憲への動き、米軍再編と沖縄基地建設と三里塚の市東さんの土地取り上げの攻撃を一挙に打ち破る||そういった闘いが要求されます。
革共同再建協議会はその闘いの先頭に立って、21世紀革命の大道を切り開きます。ともに闘いましょう。
(2008年7月革共同政治集会の『特別報告』に、一部加筆訂正)。
(展望3号掲載)