二 前衛党組織論序説・レジュメ
 
 このレジュメは、前掲の講演にさいして作成され、使用されたものである。一の講演記録とあわせて、レーニン主義的党組織論の把握、学習にとって好適な素材となるであろう。
 
〔序〕 現代革命における党組織論の課題
 
(1) 革命的共産主義運動の党組織問題
 
 @ 国際共産主義運動のスターリン主義的変質。一国社会主義論と平和共存政策。二段階戦略と人民戦線戦術。
 A レーニン党組織論のスターリン主義的歪曲。
 @ 政治的な変質と組織的な変質。
 A 世界革命の放棄と党の官僚主義化。
 B 体制内左翼。革命的左翼への組織的制動。
 C 民族の党、国民の党。
 B トロッキーと第四インターの日和見主義。
 @ トロッキー独裁論の客観主義的本質。
 A 組織論上の日和見主義。
 B 歴史の教訓。
  a ボルシェビキとメンシェビキ。
  b スターリン主義と左翼反対派。
  c ドイツ革命と第四インターの結成。
 C 第四インター。無為と破産の四〇年。
 C 党組織論上の日和見主義の種々の様相。
 @ 自由連合主義。サークル主義。
 A 既成左翼への随伴。加入戦術と意義付与主義。
 B 左翼スターリン主義。
 C 戦術左翼主義。
 D 革命的共産主義運動における党組織論の確立。
 
(2) 日本における革命的共産主義運動の組織論的総括
 @ スターリン主義党との分裂――新しい党の建設。
 A 三つの日和見主義との闘争。
  @ 第四インター(太田派、西派)。
  A 第一次ブント。
  B 小ブル自由主義。
 B革命的前衛党建設のための闘争の前進。
  @ 革命戦略と組織論の有機的結合。
  A 党建設=組織戦術の独自性。
  B 党としての闘争。客体と主体の弁証法。
  C 内乱期の党。
 C 反革命カクマルとの闘争。
  @ 十二・四――カクマルの反革命への公然的移行。
  A カクマル組織論の反革命的本質。
   a 党とその歴史的任務(プロ独)との切断。
   b 党活動の内容規定の欠落。
   c 組合主義の後尾としての党。民間の反革命的補完物。
   d 反革命突撃隊。
 B カクマル組織論粉砕。カクマルせん滅。
D 二重対峙下の党建設。
 @ 破防法攻撃――四・二七以後情勢。権力と党。
 A 党の二重態勢。合法と非合法、公然と非公然。
 B カクマル反革命――十二・四以後情勢。白色テロと赤色テロ。
 C 二重対峙下の党建設。
(3) 党組織論の構成と任務
 @ プロレタリア階級の前衛党。党の綱領的立脚点。
 @ プロレタリアートの世界史的任務――自己解放と人間の全人間的解放。
 A プロレタリアートの諸利害と階級利害。階級意識。
 B 組合と党。ソビエトと党。
 C 階級の最高の団結形態としての党。
A 党の歴史的任務。
 @ プロレタリア独裁――社会主義的生産組織
 A 独裁と指導。
 B 権威と説得、闘争と教育、宣伝と扇動、動員と組織。
 C 自己解放の歴史的能力の培養。
B 党建設の独自的課題。
 @ 党の団結。
   a 党の防衛と維持。会議、財政、新聞。
   b 党の拡大。党員の獲得。
   c 党の強化。幹部の養成。
 A 党員のプロレタリア的規律。
   a 共産主義的自覚の深化。
   b 政治的能力の培養。
   c 理論、政策、方針の正確化。
  B 指導の体系。中央集権主義。
   a 党指導部。
   b 党細胞――支部。
  c 中間機関。専門部。産別。
 C 全国的政治新聞。
  a 党の統一。
  b 大衆の獲得。
  c 革命への動員と配置。
C 党の組織的活動。
 @ 党の綱領的立脚点、総路線の深化と宣伝。
  a 革命戦略。
  b 総路線。
   c 諸政策。
 A 党――大衆――階級の戦略配置。
  a 理論闘争。
  b 政治闘争。
   c 経済闘争。
  d 諸戦線。
  e 軍事闘争etc。
 B 闘争戦術と組織戦術の有機的統一。
  a 主体的力量。力関係。
  b 闘争戦術。
  c 組織戦術。
 C 権力闘争と党派闘争。
  a 権力と党。
  b 党と党。
  C 党と大衆。
 D プロレタリア世界革命の完遂と党の止揚
 
A、『何をなすべきか』をかいた事情と目的
 
(1)国際的社会民主主義内の二つの潮流
 @ 「古い教条主義的な」マルクス主義。
 A 「新しい批判的な」潮流。
(2) ロシア社会民主党内の「批判の自由」の新しい擁護者とその明確な結論
 @ 国際的社会民主主義内の日和見主義的潮流全体の弁護。
 A ロシア社民党内における日和見主義の自由の要求。
(3) 革命的潮流と日和見主義的潮流の分裂
 @ ロシアにおける運動の歴史的な特殊性。
   明らかに異質的な諸要素が、共通の旗のもとに、共通の論敵(ナロードニキ)との闘争のために連合したこと。
 A 同盟の正しさ!(合法マルクス主義との同盟)
 B では、なぜ決裂が起こったのか。
 @ 「同盟者」が、ブルジョア民主主義者であることがわかったからか? 否!
 A 「同盟者」がマルクス主義を卑俗化し、労働運動を自由主義の尻毛にかえようとつとめたからか? 然り!
 C 決裂はどうすすんだか。
 @ 「合法的」文書からの社会民主主義者の放逐。
 A 合法的な批判と非合法的な「経済主義」との結びつきと相互依存関係の形成。
 
(4) 革命的潮流の任務
 @ 理論活動を復活すること。
 A 合法的「批判」との闘争に積極的にのりだすこと。
 G 綱領、戦術を低めようとするあらゆる試みを暴露し、反駁すること。
 ・ドイツ人は現にあるものを堅持し、それの変更を拒否するのであるが、われわれは現にあるものを変更するよう要求して、この現にあるものへの拝跪やそれとの妥協を排撃するのである。
 
B、『何をなすべきか』の構成
(1) 論文『何から始めるべきか』で提起した構成
 @ 政治的扇動の性格とその主要な内容。
 
   〔V〕
 A 組織上の任務。〔W〕
 B さまざまな方面から同時に全国的な戦闘組織を建設していく計画。〔X〕
 
(2) 非論戦的な形態(論理的、体系的な展開)から論戦的な形態への変更
 
(3) 新しい構成
 @ 「批判の自由」批判がなぜ戦闘開始の合図となっているのかという問題。〔T〕
 A 自然発生性にたいする社会民主党の役割。
 
   〔U〕
 B 組合主義的政治と社会民主主義的政治。
 
   〔V〕
 C 手工業性と革命家の組織。〔W〕
 D 全国的政治新聞の「計画」。〔X〕
 
(4) 章別構成の理論的特徴
 @ 論戦的な形式と本質論的な構成。
 A・対立的な概念の矛盾的な展開。
 @ 日和見主義と革命的潮流。〔I〕
 A 大衆の自然発生性と社会民主主義者の目的意識性。〔U〕
 B 組合主義的政治と社会民主主義的政治。〔V〕
 C 経済主義者の手工業性と革命家の組織。〔W〕
 D 過程としての戦術と計画としての戦術。
 B 革命党の基礎的概念。
 @ 革命的理論。
 A 革命家の意識。
 B 共産主義的な政治。
 C 革命家の組織。
 D 革命的な全国的政治新聞。
 C 日和見主義の組織論的特徴。
 @ マルクス主義の革命的核心の破壊。
 A 大衆の自然発生性への追従。
 B 組合主義。組合主義的政治。
 C 解党主義。革命家組織の否定。
 D 全国的政治新聞への敵対。
 
C、理論闘争の意義について〔T〕
 
(1) 革命運動における理論闘争の役割
 @ 教条主義、空論主義の本質は、理論的思考の発展にたいする無頓着と無力を隠すところにある。
 A 実践上の協定と原則上の取り引きの相  違。
 B 革命的理論なくして革命的運動なし!
(2) ロシア社会民主党における理論闘争の意義
 @ 運動の創成期――理論的相違の区別だての重要性。
 A 国際的な経験を批判的にとりあつかい、それを自主的に検討する能力、理論的力量と政治的経験の巨大な蓄積。
 B ロシア社民党の国民的任務。先進的な理論にみちびかれた党だけが、先進的な闘士の役割をはたすことができる。
 
(3) エンゲルスの教訓
 @ 三つの闘争形態。理論闘争、政治闘争、経済闘争。
 A ドイツの運動の二つの利点。
 @ ドイツ労働者の理論的感覚。
 A 最後に登場したこと。そのため、イギリスの労働組合とフランスの政治闘争の先例を前提にできたこと。
 B ドイツの労働者の理論、政治、経済の調和。
 
(4) ロシアのプロレタリアートの革命的な当面の任務 反動のもっとも強力な砦を破壊すること
 
 D、自然発生性と目的意識性
 
(1) こんにちの運動の強みと弱み
 @ 強み=大衆の覚醒。
 A 弱み=革命的労働者の意識性、創意性の不足。
 B 『ラボーチェ・デーロ』のすりかえ――欠陥を美徳にまつりあげ、自然発生性への拝跪を理論的に正当化すること。
(2) 自然発生性とは何か
 @ 意識性の萌芽形態。
 A しかし、労働者階級は、独立では組合主義的意識しかつくりあげられないこと。
 B 社会主義の学説は、労働運動の自然発生的成長とは独立して生まれてくること。
 C 意識は「外部」からもちこまれるほかは ないこと。理論は「学習」をとおして獲得することができること。
 *階級意識、直接の利害と究極目的、個々の契機と全体との弁証法的矛盾をとおして階級の歴史的状態の意味を意識すること。
(3) 日和見主義――自然発生性への拝跪
 @ 自然発生性への意識性の屈従と拝跪。
 A 意識性の役割の軽視→労働者へのブルジョアイデオロギーの影響力を強めもこと。
 B 自然発生的な労働運動とは、組合主義である。
 C 組合主義=ブルジョアジーによる労働者の思想的奴隷化。
 D 「段階論」の組合主義的本質。
(4) 革命的社民党の任務
 @ 自然発生的運動のうえをただようだけでなく、この運動を「自分の綱領」のところまでひきあげる「精霊」となること。
 A 自然発生性とたたかうこと。
 @ 労働運動を組合主義からそらし、党の指導のもとにひきいれること。
 A テロリスト的分散性を止揚すること。
 B 計画としての戦術をもつこと。
 C ロシア社民党内の「新しい潮流」の基本的な誤りが、自然発生性のまえに拝跪すること、大衆が自然発生的であればこそ、われわれ社会民主主義者は、多くの意識をもつ必要があることを理解しない点にあることを暴露し、それを粉砕すること。
 
E、組合主義的政治と共産主義的政治
 
(1) 政治闘争にかんするわれわれと「経済主義者」のあいだの意見の相違
 @ 「経済主義者」は、絶対に「政治」を否定するのではなく、ただ政治の社民的な理解から組合主義的理解へとたえず迷いこんでいく。
 A しかし、大衆運動の自然発生性のまえに拝跪すること、社民的政治を、組合主義的経済に低めることは、労働運動をブルジョア民主主義派の道具にかえる地盤を準備することになる。   B 労働者の積極性を高めるためにた、経済的暴露だけでなく、全面的な政治的暴露を組織することが必要である。
 
(2) 政治的扇動にたいする経済主義者の誤った理解
 @ 経済的暴露の意義と限界。
 @ 党は、労働力販売の有利な条件を獲得するための労働者階級の闘争を指導するだけでなく、また無産者が金持に身売りしなくてはならないような社会制度をなくするためのかれらの闘争をも指導する。
 A 党は、ひとりその当該の企業家集団にたいしてではなしに、現代社会のすべての階級にたいし、組織された政治的暴力としての国家にたいして、労働者階級を代表する。
 B これからして明らかなことは、社民主義者は、経済闘争にとどまることはできないばかりか、経済的暴露の組織がかれらの主要な活動であるような状態を許すこともできないということである。われわれは、労働者階級の政治的教育、その政治意識を発達させることに積極的にとりかからねばならない。
A 専制の全面的な政治的暴露を組織する仕事なしには、労働者の政治意識を発達させることはできない。
B 経済主義者は、「経済闘争そのものに政治性を付与すること」を主張し、あらかじめ政治的扇動の規模をせばめるようなこと をする。
C その批判。
 @ 経済闘争とは、労働力を販売するいっそう有利な条件を獲得するため、労働条件と生活状態を改善するために、労働者が雇主にたいしておこなう集団的闘争である。
 A それゆえ、党は、改良のための闘争を、部分の全体にたいする関係として、自由と社会主義のための闘争に従属させる。
 B ところが、マルチノフは、政治闘争に、いわばもっぱら経済的な発展の道を指定しようとして、段階論を別のかたちで復活させている。
 
(3) 宣伝と扇動
 @ 宣伝とは、「多くの思想」を少数の人びとに与えること。
 A 扇動とは、ひとつまたは数個の思想を多数の人びとに与えること。
 B 「行動の呼びかけ」は、宣伝、扇動ともにおこなわれる。
 C マルチノフの誤った解釈。
 
(4) 労働者の革命的積極性をそだてるための政治的暴露
 @ 具体的な、しかも焦眉の政治的事実や事件にもとづいて、他のそれぞれの社会階級の知的、精神的、政治的生活のいっさいの現われを観察することを学ぶこと。
 A 住民のすべての階級、層、集団の活動と生活のすべての側面の唯物論的分析と唯物論的な評価を、実地に適用することを学ぶこと。
 B この二つの過程をとおして、労働者大衆の意識を真の階級意識にたかめること。
 
(5) 経済主義とテロリズムとの共通性
 @ 偶然でない必然的な内面的つながり。
 A 自然発生的潮流の相異なる対極のまえに拝跪すること。
 
(6) 民主主義のための先進闘士としての労働者階級
@ 全面的な政治暴露の必要性にかんする二つの観点。
@ 労働者階級に政治的知識と政治的教育を与える緊急の観点。
A こんにちのロシア社民党の一般民主主敵任務の観点。
A 労働者に政治的知識をもたらすためには、社会民主主義者は、住民のすべての階級のなかにはいっていかなければならない。自分の軍隊の部隊をあらゆる方面に派遣しなければならない。
B 社会民主主義者の理想は、
@ 労働組合の書記ではなく、
A あらゆる専横と圧政の現われに反応することができ、
B これらすべての現われを、警察の暴力と資本主義的搾取についての一つの絵図にまとめあげることができ、
C 一つひとつの瑣事を利用して自分の社会主義的信念と自分の民主主義的要求を万人のまえで叙述し、プロレタリアートの解放闘争の世界史的意義を万人に説明することができる。
D 人民の護民官でなくてはならない。
C 住民のすべての階級のなかにはいっていくことにかんする問題点。
@ 階級的見地から逸脱することにならないだろうか。
A そうするだけの人手があるだろうか。
B そのような活動の基盤があるだろうか。
D 現代では、真に全人民的な暴露を組織する党だけが、革命勢力の前衛になることができる。
 全人民の名による政府にたいする攻撃をもプロレタリアートの政治的独自性を守りながらおこなわれるプロレタリアートの革命的教育をも、労働者階級の経済闘争の指導をも、つぎつぎにプロレタリアートの新しい層をたちあがらせてわれわれの陣営に引き入れるような、労働者階級とその搾取者との自然発生的な衝突の利用をも、不可分の一体に結びつける党。
 
F、手工業と組織性〔W〕
 
(1) 革命家の組織
 @ 政治的反対や抗議や憤激のありとあらゆる現われを結びつけて、一つの総攻撃にする全国的な中央集権的な組織。
 A 職業革命家からなりたち、全人民の真の政治的指導者たちに率いられる組織。
(2) 手工業性と経済主義
 @ 手工業性とは――運動全体につきまとっている成長の病気。
 A 手工業性と経済主義の結びつき。
 @ 訓練の不足のほかに、
 A 革命的活動の範囲が狭いこと、
 B このような狭い活動ではすぐれた革命家の組織が生まれるはずがないことを理解しないこと。
 C この狭さを正当化して特別の「理論」にまつりあげようと試みていること。
 D つまり、政治闘争に精力と確固さと継承性とを保障できるような革命家の組織をつくる任務の無理解。
 B 政治警察との闘争には職業革命家が必要。
(3) 労働者の組織と革命家の組織
 @ 党の組織は、労働者の組織とは別種のもの。
 @ 政治闘争の複雑さ。
 A 政治的自由の国々の労組的組織と政治的組織の差異の明瞭さ。
 B ロシアの場合。経済闘争が「政治問題」に「突きあたらせる」こと。
A 経済闘争のための労働者組織。
 @ 労働組合的組織。
 A 広範な成員構成。
 B 合法化の問題。
B 職業革命家の組織。
 @ 確固たる継承性をもった指導者の組織がないなら、どんな革命運動も永続的なものとはなりえない。
 A 自然発生的な闘争にひきいれられて、運動の土台となり、運動に参加してくる大衆が広範になればなるほど、革命家の組織の必要はいよいよ緊急となり、またこの組織はいよいよ永続的なものでなくてはならない。 
 B この組織は、職業的に革命的活動にしたがう人々から主としてなりたたなければならない。
 C 専制国では、職革的活動にしたがい、政治警察と闘争する職業的訓練をうけた人々だけで参加させるようにすること。成員の範囲を狭くすればするほど「一網打尽」は困難になる。
 D また、労働者階級の出身であろうと、その他の社会階級の出身であろうとを問わず、運動に参加し、そのなかで積極的に活動できる人々の範囲がますます広くなる。
(4) 組織活動の規模
 @ 専門化をすすめること。
 @ 能力ある人物をますます多く発見できる。
 A 「一網打尽」がますます困難になること。
 A そのためには、試練をへた革命家の強固な組織が必要。
 B 労働者革命家を職革に育てること。
(5) 「陰謀」組織と「民主主義」
@ 人民の意志主義という非難。誤解の原因。
 @ 七〇年代の革命組織は、われわれの模範(運動史の無理解)。
 A 政治闘争を陰謀にせばめることに反対することと、強固な革命家の組織を否定することとは別(論戦の無理解)。
 A 中央集権的な戦闘組織だけが、軽卒な攻撃を未然に防止し、勝算ある攻撃を準備することができる。
 B 「反民主主義的傾向」について。
 @ 広範な民主主義原則の二つの必要条件。公開性と選挙制。
 A 専制のもとでの遊戯的な主張。
 B 信頼。
 C 活動家にとっての唯一の真剣な組織原則。
 @ もっとも厳格な秘密活動。
 A 成員のもっとも厳格な選択。
 B 職革の訓練。
 D 民主主義についての「原始的な」見解。その誤り。
(6) 地方的活動と全国的活動
 @ 中央機関紙と地方機関紙の関連。
 @ 発行回数、労力、系統性、即応性etc。
 A 中央機関紙への仕事の集中。
 A 経済闘争の分野。
 @ 労働組合(経済)闘争の欄。
 A 労働組合パンフレット。
 
G、全国的政治新聞の「計画」
(1) 「あらゆる方面から組織の建設に着手できるように一定の組織計画をつくりあげる」試み
(2) 集団的組織者としての新聞
 @ 全国的新聞以外に強力な政治組織をそだてる手段がないこと。
 A 革命につうじている数多くの道のすべてに沿って倦むことなく前進するよう、人びとを駆りたてる唯一の規則的な全国的事業。
 B 全ロシアにわたって数万の部数で規則的に配布される週刊新聞をごく近い将来に発行すること。
(3) 新しい型の党
@ 計画としての戦術。
 @ いますぐ突撃を呼びかけることを拒否して、「敵の要塞の正規の攻囲」を組織するよう要求すること。
 A 常備軍を集合し、組織し、動員することに全力をそそぐように要求すること。
A 綱領も、戦術も、組織活動も、いっさいのものの重点を全人民的な政治的扇動におくこと。そうするものだけが、革命をみおとすおそれがもっとも少ない。
B 社民的な戦闘組織の柔軟性。
 @ 多種多様で急速に変化していく闘争条件に即応する能力。
 A 「一方では、兵力において圧倒的に優勢な敵が、全兵力を一地点に集結したときには、この敵との野戦を避けるとともに、他方では、この敵の不敏活性を利用して、敵がもっとも攻撃を予期しない場所と時機を選んでこれを攻撃する」能力。
C 革命と新聞。
@ 革命そのものは、けっして一回かぎりの行為と考えるべきものではなく、多少とも 強力な爆発と多少とも深い沈静とが、いくたびか急速に交替するものと考えなければならない。
A だから、わが党組織の活動の基本的な内容、この活動の焦点は、もっとも強力な時期にも、もつとも完全な沈黙の時期にも、同様におこなうことができ、またおこなう必要があるような活動でなければならない。
B すなわち、全ロシアにわたって統一的で、生活のいっさいの側面を解明する、もっとも広範な大衆を対象とした政治的扇動の活動である。これは頻繁に発行される全国的新聞なしには考えられない。
D 新聞を中心としてひとりでに形づくられる組織、この新聞の協力者たちの組織こそ、革命の最大の「沈黙」の時期に、党の名誉と威信と継承性を救うことに始まって、全人民の武装蜂起を準備し、その日取りをきめ、実行することにいたるまでの、あらゆる事態にたいする準備をもった組織であるだろう。
 
(4) 「全国的政治新聞の計画」とは、いますぐあらゆる方面から蜂起の準備を始めると同時に、自分の緊要な日常活動をただの一瞬も忘れないもっとも実践的な計画である
 
H、結論
 ロシア社民党の三つの時期
(1) 理論と綱領が成立し、確立されていった時期(一八八四年〜一八九四年)
(2) 幼年および少年期(一八九四〜一八九八年)
(3) 分散、崩壊、動揺の時期(一八九八年〜?)
(4) 第四期。戦闘的マルクス主義の確立。ロシア社民党の危機の脱出・強力で成育した姿での登場、日和見主義者の後衛と「交替して」もっとも革命的な階級の責の先進部隊が進出するであろうこと。