四 二重対峙・対カクマル戦争の当面する戦略問題について
本稿は、七三年九・二一、革命的対時段階戦取宣言直後執筆された遺稿である。簡潔で力強く、幹部同志にむけて、戦争指導の先頭にたつよう「五つの戦略的基準」と「八つの戦闘指導原則」を説いている。
二重対峙・対カクマル戦の革命的対峙段階を戦取するたたかいは、革命的報復戦の圧倒的な貫徹をもって、勝利的にはじまった。敵の指導中枢と戦闘力にたいするわれわれの側の的確な攻撃によって、底なしの混乱と動揺におちいった反革命カクマルは、みずからの敗北感をいやすために、みかけだおしの白色襲撃をくわえてきた。しかし、このような絶望的襲撃は、わが革命的報復のたたかいにたいし「火に油をそそぐ」ものであり、全党・全人民の総決起をますますおしすすめるものである。われわれは、いまこそ、全党・全人民の総決起をもって革命的対峙戦の徹底的な強化をかちとり、戦略的総反攻にむかっての歴史的前進をおしすすめなくてはならない。
以上の確認にふまえて、同盟政治局は、全党の幹部同志にたいし、つぎの五つの戦争指導上の戦略的基準、八つの戦闘指導上の原則を指示し、その厳格な実践を要求する。
一、戦争指導上の五つの戦略的基準
(1)反革命カクマルにたいする階級的憎悪と革命的敵意をますますもえあがらせ、敵の完全な打倒の日まで、あらゆる困難、あらゆる犠牲をのりこえてたたかう。
(2)当面する革命闘争の主要な環として二重対峙・対カクマル戦を位置づけ、その歴史的な勝利のために総力をあげてたたかう。戦争で政治の展望をひきだし、戦争で政治を総括する。
(3)二重対峙・対カクマル戦の絶対戦争としての本質、持久戦としての歴史的性格、戦争の段階的な戦略にふまえ、革命的対峠の段階を戦取し、維持するために、すべての手段、すべての方法をつくしてたたかう。鉄壁防御を基礎とした革命的報復戦を徹底的に貫徹する。
(4)戦争指導にかんする形式主義、動員主義を克服し、せん滅戦思想を中核とした戦争指導原則にたってたたかう。
(5)二重対峙・対カクマル戦に全党・全人民をおもいきり総決起させるためにたたかう。幹部同志は、戦闘の計画・準備・指揮の先頭にたつ。
二、戦闘指導についての八つの原則
(1)戦闘の勝利を保障する基礎的な力は、敵にたいする階級的な闘志であり、勝利への政治的な確信である。戦闘にあたって、もっとも重視されなくてはならないのは、指揮者、戦闘員の革命的攻撃精神である。
(2)戦闘の中心命題は、的戦闘力のせん滅である。敵戦闘力をせん滅するためには、敵をむかえうつか、敵を攻撃するか、いずれかの方法で敵に遭遇しなくてはならない。戦闘の指導の基軸は、敵戦闘力にいかに遭遇し、敵戦闘力をいかにせん滅するか、にある。
(3)当面する戦略段階における戦闘の主要な原則は、敵の機先を制して、分散し孤立した敵を優勢な戦闘力で攻撃し、的確な物理的、肉体的な打撃を着実につみかさねていくことである。味方戦闘力の敏速、的確な集中と分散が、その条件である。
(4)敵の攻撃にたいし鉄壁防御の態勢をますますうちかためなくてはならない。防御の主要な内容は、次の二つの側面にある。ひとつは、非合法、非公然の態勢をつよめ、敵の攻撃から同志とその活動の場を秘匿することであり、もうひとつは、待ちうけと逆襲の態勢もって敵の攻撃をむかえうつことである。
(5)戦闘にかんしては、事前に十分な計画と準備をもち、絶対の勝算をうちかためなくてはならない。計画がなく、準備がなく、勝算がない戦闘は、絶対にしてはならない。調査と目標の的確な設定が、その決定的な前提である。
(6)戦闘が決定された場合には、勇敢にたたかい、困難や犠牲をおそれてはならない。戦争は持久戦であるが、戦闘は速戦即決である。短期間のうちに連続して敵を攻撃し、速戦即決の勝利をつみかさねるプロレタリア英雄主義が発揮されなくてはならない。
(7)休息と整備、訓練は、計画的におこなわなくてはならず、敵に息つぎの時間をあたえてはならない。
(8)武器の技術的高度化、恒常的な備蓄と習得のためにたえず努力しなくてはならない。防具より攻撃用の武器が基本である。
(一九七三年十月 遺稿)