二 一切の反革命を粉砕し、大衆闘争の戦闘的革命的高揚と党と革命勢力の強化をかちとれ
 
 一九七一年三月、破防法の発動による国家権力の不当な予防拘禁から解放されるとともに、本多書記長は精力的な活動を開始した。革命党としての革共同を真に内乱・内戦の時代に耐えうる党としてうちきたえるために、本多書記長はそのたぐいまれな指導力を全面的に発揮したのである。二次にわたる破防法の発動によって、日帝権力から「革命党」として認知された革共同を、真に革命を担いきる党としてきたえること、そのためには党の非合法・非公然態勢を確立し、国家権力と民間反革命カクマルの手から革命を防衛しうる党としてつくりあげていくことが火急の課題であった。
 本稿は、七二年五月の時点で、二重対峙・対カクマル戦争を、一斉武装蜂起への準備のための戦略的大前進運動として正しく位置づけ、その観点から五つの任務を明らかにしている。短文ではあるが、党建設の過程で重要な役割を果たしたものである。
 
 
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 国家権力 反革命勢力との熾烈な内乱的対峙の発展を基礎として、日本労働者階級=人民大衆の偉大な闘争の高まりの時代がはじまろうとしている。四・二八――五・一五を決定的結節点とする日本帝国主義と労働者人民の対決は、日本プロレタリア階級闘争の新しい戦略的大前進運動の出発点であり 内乱と蜂起の準備にむかっての党と階級の戦略的配置を、労働者人民の共同の任務におしあける強大な戦闘宣言の過程である。新しい戦略的大前進運動、「侵略を内乱へ」の戦略的総路線と蜂起の準備のための強大な戦略配置を可能にしている条件とはなにか。
 第一には、戦後世界体制の破局のはじまりなかで、日帝のアジア侵略の道がもはや抜きさしならない段階をむかえはじめていることである。沖縄返還政策とそれにもとづく自衛隊沖縄派兵、釣魚台(尖閣列島)略奪と、そのための国内平和の攻撃、入管二法案国会上程と在日アジア人民抑圧の攻撃の激化は、日帝のアジア侵略か現実の政治的=軍事的緊張となって爆発しつつあることを示している。
 第二には、アジア人民の反米帝、反日帝闘争の高まり、沖縄県民を先頭とする日本労働者人民の沖縄奪還、安保粉砕、日帝打倒のたたかいの永続的爆発のまえに、日帝の沖縄返還政策の反人民的性格とその歴史的破綻が、あまねくあばきだされ、日帝のアジア侵略の道が日帝の破産と没落の道でしかないことが日に日に明らかになっていることである。日帝の自衛隊沖縄派兵と釣魚台略奪の攻撃、入管二法案と在日アジア人民の恒常的抑圧の激化は、たたかうアジア人民と連帯した日本労働者人民のたたかいの新しい高揚によって日帝打倒の水路をいっそう鮮明に照らしだすものとなるであろう。
 第三には侵略→内乱の戦略的総路線を公々然とかかげ、六九年十一月決戦、七二年大暴動闘争を項点としてその戦略の質を示唆すかに十分な闘争をうちぬいてきた革共同とその指導下の革命勢力が、権力の破防法体制=カクマルの反革命的襲撃という重層する内乱鎮圧型の攻撃に堂々と対峙し、大衆闘争の戦闘的、革命的、武装的な爆発と、党、政治勢力・武装勢力を三要素とする強大な革命勢力の建設とを両軸として新しい不屈の戦略的大前進運動も開始したことである。革共同を先頭とする革命勢力は、カクマルの反革命的本質の全面的露呈とその組織的動揺(最高の幹部を含めた離脱者の続出)や、宮下右派ブロックの際限なき地位低下と分解とは対照的に、まさに闘争で闘争の力を養い、前進で前進の力を養い、死闘で死闘の力を養う道をはっきりと実践的に物質化する道をつかみとったのである。
 第四には、全軍労を先頭とする沖縄労働者人民の英雄的闘争の爆発、日帝の沖縄政策の反人民的本質とその破綻の全面的露呈、「沖縄奪還、安保粉砕、日帝打倒」「闘うアジア人民と連帯し日帝のアジア侵略を内乱へ」の戦略的総路線のもとへの日本労働者人民の巨大な結集によって、沖縄闘争の永続的発展の基礎か確固としてうちかためられたことである。しかも、日帝の危機とそれを人民に転嫁するための攻撃の全面的激化は、日本労働者人民の生活と意識を根底からゆさぶっており、労働者人民の正義の要求をかかげた諸闘争がただちに体制との根底的対決の質をもった激しさを帯びざるをえない情勢、政治経済闘争の永続的爆発の情勢をつくりだしているのである。労働者人民の正義の要求を貫徹するためには、好むと好まざるとにかかわらず、政治闘争と経済闘争を結合し、大衆闘争と武装闘争を結合し、合法闘争と非合法闘争を結合した行動の様式を不断に追求していかねばならない時代が到来したのである。
 革共同を先頭とする革命勢力は、以上の四つの条件をしっかりと確認し、国家権力・反革命勢力との内乱的対峙の情勢を日本プロレタリア階級闘争の戦略的到達点として積極的に把握し、それを恒常的な跳躍台として新しい戦略的大前進運動を確信もあらたにおしすすめなくてはならない。
 
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 戦略的大前進運動のため第一の任務は、労働者階級の自己解放、全人類の人間的解放の道である共産主義の旗をいっそう高くかかげ、反帝国主義・反スターリン主義の世界革命戦略、その一環としての日本プロレタリア革命戦略と人民の正義の要求とを結合し、日本帝国主義の根底的打倒=プロレタリア独裁国家の樹立をテコとした労働者人民の全体的解放の観点から、支配と搾取、抑圧と差別にたいするすべての闘争を指導し、発展させたことである。抑圧と差別に抗し自己解放のたたかいをつづける人びとの要求を、プロレタリア自己解放=全人間的解放という共産主義の立場において主体的にうけとめ、要求の実現の条件、要求貫徹の闘争の戦略的、組織的位置を正しく設定し、その観点から諸戦線を指導すること、諸戦線指導における個別主義的傾向、自然発生的表現への追従の傾向を確固として克服し、プロレタリア自己解放、共産主義的普遍性の立場はおいて労働者組織、学生組織の基本的指導、諸戦線の総合的、個別的指導の質を高めること、この二点が当面する綱領上の重要任務でなければならない。
 第二の任務は、「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」「闘うアジア人民と連体詞日帝のアジア侵略を内乱へ!」の戦略的総路線を、七〇年代はおいて実現する文字どおりの戦略的任務として再確認し、いっさいの闘争をこの戦略的総路線の物質化の観点から準備し、貫徹し、総括することである。
 革命的左翼の影響下の大衆に根強く存在している戦術左翼主義的な傾向、その思想的根拠としての小ブル的、自由主義的、解党主義的、市民左翼主義的な傾向とねばり強く闘争し、戦略的大前進運動の観点を、戦闘的労働者人民の広大なたたかいの核としてうちかためなくてはならない。大衆闘争の革命的、内乱的、武装的な発展、党の建設とそれを先頭とする革命勢力の強化、という二つの任務は、この戦略的総路線を基軸としてはじめて相互に強めあい、革命勝利にむかって発展することができるのである。
 第三の任務は、プロレタリア暴力革命の思想、全人民の武装にかんするマルクス主義、レーニン主義の原則に立脚して、プロレタリアート人民の一斉武装蜂起の準備を党の指導のもとに計画的、系統的に強化することである。
 そのためには、(1)全人民の武装の思想、蜂起の準備の必要を徹底して宣伝し、労働者人民をその思想のもとに獲得すること、(2)大衆の正義の闘争の貫徹にかかわる武装自衛を蜂起のための今日的な目的意識的、経験蓄積的形態としてとらえること、(3)党の指導のもとに恒常的な革命的武装勢力(人民革命軍・武装遊撃隊)の建設、巨大な政治的基礎の建設を断固として推進すること、(4)自衛隊の政治的包囲、革命的解体、兵士獲得の反軍闘争を強化し、建軍闘争との結合をはかること、の四つのたたかいを内乱的対峙を条件として強化していくことが必要である。内乱期における政治と軍事の論理、内乱と武装の論理こそ、その指導原則である。われわれは、大衆的政治闘争の武装的発展のコースと、ゲリラ的・パルチザン的武装闘争のコースの双方の独自の発展と、それらの有機的結合を不断にかちとりつつ、人民革命軍・武装遊撃隊の建設をなしとげなければならない。
 第四の任務は、国家権力・反革命勢力の攻撃に抵抗し、対峙し、それに勝利していく闘争形態、組織形態と「その指導原則を、まさに内乱的死闘の真只中において確立していくことである。
 もともとプロレタリア革命闘争の特質のひとつは、プロレタリアートとブルジョアジーの絶対的な敵対関係を基礎として、圧倒的に劣勢な革命勢力が圧倒的に優勢な国家権力・反革命勢力に抵抗し、闘争をとおして敵の政治目的と民衆的基礎に打撃をあたえ、闘争をとおして党とその指導下の革命勢力の建設、党と労働者人民の思想性と闘争能力の高揚をかちとり、力関係を変化させ、敵を完全に打倒していくことにある。
 そのためには、(1)壮大な革命の目的を達成していく強力な態度をもって、敵の目的と態勢、その強さと弱さ、味方の目的と態勢、その強さと弱さを客観的に認識し、(2)味方を防御し、敵の弱点を攻撃できるような有利な闘争の形式、有利な闘争の時点を味方の主導権のもとに敵に強制し、(3)闘争の勝利をとおして国家権力・反革命勢力に打撃をあたえ、労働者人民を侵略→内乱の戦略的総路線のもとに動員し、武装し、(4)党の建設とその指導の強化、強大な政治勢力と強力な武装勢力を建設し、国家権力の弾圧と反革命勢力の襲撃にたいする防御態勢と反撃の準備をますます強化することが、当面する重大な実践的観点として明確に設定されなくてはならないのである。
 第五の任務は、党建設とその指導の強化、党指導下の革命勢力(強大な政治勢力、強力な恒常的武装勢力)の建設を独自のたたかいとしで徹底的に強化することである。
 党の建設は、プロレタリア階級闘争の革命的、内乱的、武装的発展の絶対的基礎である。組織のカクマルか闘争の中核か、という権力やその召使い(マスコミ)の陰謀的なデマ設定を断固として粉砕し、闘争の組織化の過程と、組織の組織化の過程の各々の独自性とその有機的統一を不断に達成していく立場にたたなくてはならない。まさに、この観点こそ、われわれの激闘を保障し、われわれの勢力を維持しえた基礎的な大原則である。〔中核とカクマルの対立の本質は組織性の是非にあるのではなく、革命と反革命の対立の絶対性にある。この事実を意図的に隠蔽するところに公安情報=マスコミ記事の特徴がある。〕
 内乱的死闘の永続的激化、攻撃の全面化と戦線の拡大という情勢のなかで、プロレタリア階級闘争を内乱と蜂起の準備にむかって計画的、系統的に発展させるためには、党の建設、幹部団の養成を基礎とした指導の質の強化が、すべてに優先して基礎づけられなくてはならない。
 四・二八――五・一五を基軸とする偉大な戦闘的たたかいは、(沖縄・入管――諸闘争の激発)という七二年の闘争基調の巨大な展望を、労働者人民のまえに明らかにするであろう。日帝の沖縄政策とそれにもとづく自衛隊沖縄派兵、釣魚台略奪の攻撃、入管二法案と入管体制強化にたいする全人民的反撃を総力をあげてたたかいむ(ぬ)くなかで、われわれはどんな困難であろうと以上の五つの任務を徹底して貫徹しなくてはならない。ただ、それだけが勝利の道を保障しているのである。
    (一九七二年五月一〇日に発表、未公刊論文)